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井深梶之助 訳 新約聖書 馬可傳 俗話

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(1)

井深梶之助 訳 新約聖書 馬可傳 俗話

著者 鈴木 進

雑誌名 キリスト教研究所オケイジョナルペーパー

巻 18

ページ 1‑157

発行年 2021‑02‑16

URL http://hdl.handle.net/10723/00004100

(2)

井深 梶之助    新約聖書       俗話

        日本聖書協会    所蔵 明治学院大学キリスト教研究所

  

  

井深梶之助訳 新約聖書 俗話 鈴木     解説・

    解説・編

Meiji Gakuin University Institute for Christian Studies

明治学院大学キリスト教研究所

(3)

― 1 ―

     

  初 め は 口 語 訳 聖 書 で あ っ た。 日 本 語 聖 書 翻 訳 の 歴 史( プ ロ テ ス タ ン ト)は口語訳に始まり、文語訳時代が長く続いた後再び口語訳になった といわれる。その初めは「ハジマリニ   カシコイモノゴザル」で知られ るギュツラフ訳『約翰福音之傳』 (一八三七年、シンガポール堅夏書院) である。ギュツラフは日本人難船漂流漁民たちの世話をする傍ら、彼ら の 話 す 日 本 語 を 基 に し て 聖 書 の 日 本 語 訳 を し た の だ。 ギ ュ ツ ラ フ 訳 の 後、S・W・ウィリアムズ、ベッテルハイム、明治に入ってからのゴー ブル『摩太福音書』も、一部文語も混じるが、文体は話しことばの口語 訳であった。

  ところが本格的日本語聖書翻訳である新約聖書翻訳委員社中訳『新約 全 書 』( 一 八 八 〇 年 )、 お よ び 常 置 委 員 会 に よ る『 舊 約 全 書 』( 一 八 八 八 年)は漢訳聖書の影響を強く受けた漢文訓読調文語訳になった。大正改 訳に際しては、委員の一人、松山高吉が「文体は平易通俗ニシテ口語ニ 近カラシムル事」と提案し た

ものの、やはり文語訳聖書となった。改訳 は新約のみであって、旧約の方は明治元訳が引続き用いられ、一九五五 年、日本聖書協会口語訳『旧新約聖書』が出版されるまで、日本人は文 語 訳 を 読 ん で き た の で あ る。 昭 和 に な っ て、 永 井 直 治 訳『 新 契 約 聖 書 』 (一九二八年)もまた、原典直訳の文語訳であった。

  聖書協会口語訳聖書出現以前にも口語訳がなかった訳ではなく、個人 訳ではあるが口語による部分訳がなされている。それが第二次大戦終了 後は、日本社会と日本語そのものが大きく変化したことにより、日本語 聖書は「口語」と断わることなくすべてが口語訳となった。このように 聖書和訳の歴史は、文体において口語から文語へ、そして口語体という 歩みをたどったのである。   先 に 述 べ た『 新 約 全 書 』 と『 舊 約 全 書 』 が 出 版 さ れ た 明 治 時 代 中 期、 福沢諭吉の談話体、俗文の文章もすでに現われていたが、一般に出版物 は文語で書かれるのが普通であった。   そ の よ う な 時 代 に 、 次 の 文 体 の 画 期 的 訳 文 の 聖 書 が 現 わ れ た の で あ る 。

「 口 語 」 と い う 言 葉 が 存 在 し な か っ た 時 代 に 助 訳『 新 約 聖 書 馬 可 傳 』 第 一 章 一 節 で あ る。 当 時 未 だ「 言 文 一 致 」 や   「 𛀸 れ 𛂞 神 𛂛 子 イ エ ス キ リ ス ト 𛂛 福 音 𛂛 始 で ご ざ り ま 𛁏 」。 井 深 梶 之

み𛀚こふくいん𛂦𛁈め゛

)(

、 井 深 は こ の 訳 を「 俗 話 」 と称し、一八八一(明治十四)年に上梓している。言文一致小説、二葉 亭四迷の『浮雲』第一編が出る六年も前のことであった。井深の訳文は 聖書翻訳という限られた分野のものではあるが、近代日本語が確立され ていく途上にあって、国語史上も注目すべき文体といえるのではなかろ うか。

  明治元訳として知られる『𦾔新約全書』 、そして大正改訳『新約聖書』 とはどのような聖書であったのか。その両者とも最近岩波文庫から復刻

(4)

― 2 ―

刊行され、容易に手にすることが出来る(但し明治訳は旧約聖書のみ) 。 しかし井深梶之助訳『新約聖書馬可傳俗話』は現在その存在がごく数点 し か 確 認 で き て な い。 編 者 は 日 本 聖 書 協 会 図 書 館 で 同 書 を 目 に し た 時、 これは邦訳聖書翻訳史研究上不可欠の資料ではないか、これを残して関 心を持たれる方々の研究に供したいと思ったのである。その願いは、今 回『オケイジョナルペーパー』として復刻することにより実現した。こ の刊行の機会を与えて下さったキリスト教研究所、特に原稿を読み、出 版にお力添え下さった渡辺祐子先生に、またコロナウイルスで儘ならぬ 状況の中、事務的連絡を密にして下さった高橋英里さんに厚く御礼申上 げたい。日本聖書協会の高橋祐子氏及び飯島克彦氏は貴重な資料の複写 を快くして下さったご親切を忘れることが出来ない。

  木村一先生からは、国語学上の助言、また文章表現に関する教えを受 けました。厚く御礼申し上げます。     今 よ り 八 十 年 前 の こ の 日、 「 戦 い を り っ ぱ に 戦 い、 走 る べ き 行 程 を走りつくし」天に凱旋した井深梶之助先生を思いつつ。 二〇二〇年六月二四日   編者

註 (

( ) 『 日 本 聖 書 協 会 一 〇 〇 年 史 』 八 三 ペ ー ジ。 「 聖 書 改 訳 に つ き 卑 見 」 松 山

高吉の覚え書。

( ) 山 本 正 秀「 言 文 一 致 体 」( 岩 波 講 座『 日 本 語 』

(0 ) で、 「 口 語 体 」 の 初

見は『言語学雑誌』第一巻第二号(一九〇〇年三月)と述べている。

(5)

― 3 ―

      目    次 まえがき  

1

新約聖書   馬可傳    俗話   マルコ傳  

5

解    説  

127

  

  

め  

153

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― 4 ―

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― 126 ―

『新約聖書   馬可傳』の誤植。

P.35  P.36  P.37  P.38

の第四章は第五章の誤り。

(129)

― 127 ―

   

説 何に倣ったのであろうか。柴田鳩翁の『鳩翁道話』に範をとったという   『   馬 可 傳 俗 話 』 の「 で ご ざ り ま す 」 と い う 特 徴 的 文 末 表 現 を 井 深 は

)(

がある。他にも江戸時代の人情本や明治に入ってからは円朝落語の速 記 本 も 世 に 広 く 出 回 っ て い た で あ ろ う。 し か し、 井 深 梶 之 助 の 経 歴 か ら、彼の師であるS・R・ブラウンの『日本語会話・英和俗語会話集』 、

Colloquial Japanese, or Conversational Sentences and Dialogues in English

and Japanese with An English-Japanese Index to serve as A Vocabulary, and AnIntroduction on Grammatical Structure of the Language (1863)

、 そ の 会 話 体 日本語、敬体「ゴザリマス」 、

‘go za-ri-mas’

の可能性も考えられるのでは ないか。

が 既 に 出 來 上 っ て い た 邦 譯 の も の を 口 語 体 に し て み た に 過 ぎ な い

) J. L. Amerman.

深 談「 俗 語 馬 可 傳 は、 ア メ ル マ ン( ) 博 士 の 依 頼 で、 私

4

  『 新 約 聖 書 馬 可 傳 』 に は 奥 付 が な く、 訳 者 名 も 記 さ れ て い な い。 が 井

」 と 語 っ て い る こ と か ら 、 こ の 訳 は 井 深 梶 之 助 に よ る も の と 断 定 し て よ い で あ ろ う 。 ま た「 既 に 出 來 上 っ て い た 邦 譯 」 と は、 井 深 も 関 わ っ て い た 翻 訳 委員社中訳『新約全書』 (一八八〇年)を指すといわれている。もしもそ の説が正しければ、井深はこの大事業を単独で、しかもわずか一年とい う短期間で成し遂げたことになる。井深はこの年に東京一致神学校助教 授に招聘された。その前年には結婚、麹町教会牧師就任と多忙をきわめ て い た 筈 で あ る。 ア メ ル マ ン か ら の 依 頼 が い つ の こ と か 不 明 で あ る が、 委 員 社 中 訳『 馬 可 傳 』 分 冊 出 版 が 一 八 七 七 年 四 月 で あ る か ら、 編 者 は、 井深の改訳はこちらによったのではないかと考えた。しかし七七年版を 詳しく読んでみると、例えば、前出一章一節は「こ 𛄀

𛀙

の 子

いゑ

𛁎

キリス ト のふくいんの 𛂦 じめなり」とある。訳文自体は『新約全書』のそれと 全 く 同 じ で あ る が、 か な 書 き、 そ の 他 表 記 の 仕 方 に 明 ら か に 違 い が あ り、通説どおり井深訳の底本は一八八〇年『新約全書』であることが判 明した。   このように井深訳の底本となった『新約全書』は翻訳委員社中の日本 人補佐者が全面的に依存したブリッヂマン―カルバートソン訳『舊新約 全書』 (上海美華書館、一八六三―六四年)であった。その漢訳文を基に し た 委 員 社 中 訳 の 漢 文 直 訳 調 文 語 文 を 井 深 が い か に し て「 俗 話 」 訳 に、 また自然な日本語に近づけたのか、その翻訳過程を以下の視点から跡付 けてみよ う

  「俗話」という井深の文体について、特にその文末表現。

 

語彙について。漢語を和語、あるいは口語で言い換える。

変える。  

中国語の影響を残す漢文訓読体による委員社中訳を日本語の語順に

 

4

日 本 語 特 有 の 尊 敬 語 、 謙 譲 語 、 丁 寧 語 、 対 人 関 係 を 示 す 人 称 代 名 詞 、

(130)

― 128 ―

格 助 詞 を 加 え る 。 名 詞 の 単 数 、 複 数 の 扱 い 。 主 語 の 省 略 、 敷 衍 的 訳 、 原文にない語を補うなどの工夫。

かぎ括弧を施さない。その他の記号等。 人名に一重の傍線を付す。段落、分節化しない。引用文、会話文に を 施 し た 振 り 仮 名 の 方 を 本 文 と す る。 固 有 名 詞、 地 名 に は 二 重 の、  

5

文字と表記。変体がな、送りがな、促音、拗音。訳文は漢字に傍訓

する。

King James Version

( ) を、 さ ら に ギ リ シ ャ 語 原 典 に よ り 正 誤 を 判 断  

6

翻訳委員社中訳と井深訳に違いが見られる箇所については英訳聖書

る。 るいは変えられた語など、聖書の日本語訳における訳語の変遷を辿 井深訳、大正改訳、そして聖書協会口語訳へと踏襲されたもの、あ  

7

訳 語 に つ い て。 漢 訳 に お い て 中 国 で 作 ら れ た 訳 語 が『 新 約 全 書 』、

註 (

( ) 藤原藤男『聖書の和訳と文体論』一四九ページ。

( ) 『植村正久と其の時代』第四巻、三五五ページ。  

James Lansing Amerman

ア メ ル マ ン 博 士、 は 一 八 七 六 年 米 国 オ ラ ン ダ 改

革 派 教 会 宣 教 師 と し て 来 日、 横 浜 の ブ ラ ウ ン 塾 教 師 と な る。 一 方 井 深 梶

之 助 は 一 八 五 四 年 会 津 藩 士 の 家 に 生 れ、 戊 辰 戦 争 で は 年 少 の た め 白 虎 隊

に 加 わ る こ と が 出 来 な か っ た。 会 津 落 城 後、 上 京 し て 英 学 修 業、 後 に 横

浜 ブ ラ ウ ン 塾 に 学 び、 七 三 年、 S・ R・ ブ ラ ウ ン よ り 受 洗。 ア メ ル マ ン

と の 出 会 い は こ の 塾 に 於 い て で あ っ た が、 七 七 年、 東 京 一 致 神 学 校 創 立

に よ り、 同 校 教 授 と な る ア メ ル マ ン と 共 に 築 地 に 移 り、 井 深 は 神 学 生 と

し て、 ま た ア メ ル マ ン の 通 訳 と し て 講 義 を 助 け る。 後 に 井 深 は ア メ ル マ

ンの著書翻訳も行なっている。

  井 深 は 八 八 年、 明 治 学 院 教 授、 九 一 年 に J・ C・ ヘ ボ ン の 後 を 継 ぎ 明

治 学 院 第 二 代 総 理 に 就 任。 九 九 年、 文 部 省 訓 令 第 十 二 号 に 対 し て、 そ の

撤回を求め、キリスト教教育を守る運動の中心的働きをした。

( ) 本 論 考 を 進 め る 上 で、 飯 田 晴 己 著『 明 治 を 生 き る 群 像 ― 近 代 日 本 語 の

成 立 ―』 に よ り、 多 く の 示 唆 が 与 え ら れ た。 特 に 近 代 日 本 語 の 文 章、 文

体、 語 彙、 文 字 と 表 記 法、 文 法 な ど、 教 え を 受 け た。 記 し て 謝 意 を 表 し

ます。

(131)

― 129 ―

     

引用聖書の略号は次の通りである。

     

. ◯ 全 『引照 新約全書馬可傳福音書』耶蘇降生一千八百八十年、明治十三年 米國垩書會社 日本横濱印行

THE HOLY BIBLE Containing THE OLD AND NEW TESTAMENT, Authorised King James Version, Collins World(KJV

   

GK

. 『インターリニア ギリシャ語新約聖書』白畑司編『マルコによる福音書』上、中、下、ポーロス会 二〇一二年

一八五九年の復刻版)

Bridgman-Culbertson4

. ◯ 漢 『 新 約 全 書 』 横 濱、 大 英 國 垩 書 會 社、 一 八 八 一 年( 訳『 耶 穌 基 督 救 世 新 約 聖 書 』 上 海、 美 華 書 館、

 

5

. ◯ 大 大正改訳『改譯 新約聖書』日本垩書協會、昭和二八年

 

6

. ◯ 口 『新約聖書』一九五四年改訳 日本聖書協会

     

RVThe Oxford and Cambridge University Presses, the Revised Version text7RV

. 『新約垩書 英和對照』 日本垩書協會 英文 は

THE HOLY BIBLE Revised Standard Version, New Testament, 1946, ZONDERVAN PUBLISHING HOUSE, GRAND RAPIDS8RSV

9

. ◯ 岩 『新約聖書福音書』新約聖書翻訳委員会、佐藤研・小林稔訳、岩波書店、一九九六年

(132)

― 130 ―

  井深訳の『馬可傳   俗話』一章三節は、イザヤ書四十章三節からの引 用で、引用符なしの、 野

に 呼

よべ

𛃼 人

ひと

の 聲

こゑ

𛀄 りいはく 主

𛁈

みち

を 備

𛂁

そ の

みち

𛁏

を 直

𛂁𛂻

く せ よ、 で あ る。 井 深 が 底 本 と し た『 新 約 全 書 』、 こ の 節 に は や は り 単 鉤「 」 が な く 、 野

に 呼

よべ

𛃼 人

ひと

の 聲

こゑ

𛀄 り 云

いは

く 主

𛁈

みち

を 備

𛂁

其 徑

みち

す じ を 直

𛂁𛂻

よ、である。井深が漢字をかな書きに変えたほか、訳文自体は全く 同じ、以下全篇、旧約聖書からの引用文は委員社中訳と同じ文語文であ り、それらを除くすべてが井深のいう俗話体の文体である。

  文体の特徴は文末に現われるといわれる。それでは井深俗話文の文末 表現はどのようであろうか。前述の一章一節の「ござります」 (以下変体 が な を 普 通 の か な に 直 し て 表 記 ) は、 七 節 の、 私

わたくし

は か ゞ ん で そ の 履

くつ

の ひ も を と く に も 足

たら

ぬ も の で ご ざ り ま す、 に も 見 ら れ る。 こ れ は「 ご ざ る」に「ます」を添えた敬語である。以下典型的な末辞をもつ例をあげ る。 (漢字のふりがなは特別の読み方をするものを除き省略する。 )

 

1

文末辞

1:6

  ヨハネ 𛂞 … 蝗 蟲 と野密をたべて居り 𛁈𛁈 。( ◯ 全 食 へり)

いなごくら

りき)

3:20

  食 事 を す る 暇 も ( ◯ 全 喰 す る 暇 も な か

いとま

1:24

  私共 𛂞 あなたと何の 關 係 が 𛃶𛃶 ますか ( ◯ 全 有んや)

かゝはり

7:23

  こ れ ら の 惡 き こ と は み な 内 よ り 出ゝ ひ と を け が す も の ( ◯ 全 也)

2:22

  全 かはぶくろ 𛂞 破れる であらう ( ◯ 壊 るべし)

すた

5:23

  そうすれば 女 𛂞 生 ませう ( ◯ 全 生べし)

むすめいき

4:4

  空の鳥がきてこれを 食 ( ◯ 全 食 へり)

くつくら

4:7

  實をむすば なんだ ( ◯ 全 結゛ 𛂞 ざりき)

2:5

  子よ汝の罪 𛂞 ゆるされた とおふせられ ました

  ( ◯ 全 爾の罪赦されたり)

10:49

  全 安心 𛁈 てたち なさい ( ◯ 安んぜよ 起 )

たて

6:25

  バ プテスマ の ヨハネ の首を……私に くださいませ とまうしました

(ママ)

  ( ◯ 全 我 に 賜 へ…)

われたま

5:7

  どうぞわたくしをくるしめて くださるな ( ◯ 全 苦むること 勿 れ)

なか

1:43

  人に何もはなして 𛂞 ならぬ ( ◯ 全 人に告る 勿 れ)

なか

1:44

  モーセ がいひつけたものを獻 ( ◯ 全 獻て…なせ)

6:27

  ヨハネ の首をもつて ( ◯ 全 携 來 れ)

こいもちきた

2:11

  汝の家に歸 ( ◯ 全 歸れ)

12:15

  デナリをわれにもつてきて見 せろ ( ◯ 全 觀 よ)

みせ

12:17

  全 神のもの 𛂞 神に かへせ ( ◯ 歸すべし)

11:2

  それを 解 て 牽 て こい ( ◯ 全 牽 來 れ)

といひいひききた

   文末辞でないが勧誘、決意の表現(口語)

12:7

  これは 嗣 子 である サア これを殺 そう

あとつぎ

  ( ◯ 全 此 𛂞 嗣 司 な 𛃶 率 これを殺さん)

こあとつぎいで

  (

Come, let us kill him,KJV

  (

δευ̑τε ἀποκτείνωμεν αυ᾽τόν,GK

12:14

  さて 貢を カイザル に納る 𛂞 宣 𛁈 うござりますか

(133)

― 131 ―

  ( ◯ 全 貢を カイザル に納る 𛂞 宣 や 否

よきいな

  (

KJV but teachest the way of God in truth: Is it lawful to give tribute to Caesar, or not ?

   欧文直訳体の影響か、しかも抽象名詞を主語にする表現。

   日本語として馴染まなかったのではないか。

5:34

  なんぢの信仰が なんぢをすくつた( ◯ 全 爾の信なんぢを救り)

  (

KJV thy faith hath made thee whole;

   関係代名詞的訳「ところの」

6:16

  これ 𛂞 わがその首を斬た ところの ヨハネ である

  ( ◯ 全 是わが首斬し所の ヨハ子 也)

  (

It is John, whom I beheaded:KJV

11:21

  お詛なされたいちじくは枯てしまいました

  ( ◯ 全 詛し所の無花果樹 𛂞 枯たり)

  (

The fig tree which thou cursedst is withered away.KJV

  この節は『全書』の「詛し所の」という関係代名詞的訳が改善され ている。

 

2

語彙など

  文体上の違いは文末辞だけでなく単語、語彙の表現にも見られる。井 深訳は『新約全書』の漢語を和語に言い替えている。

  漢 訳 聖 書 の 影 響 を 受 け た 邦 訳 の 訳 語 の 変 遷 を、 井 深 訳、 『 新 約 全 書 』、 漢訳、大正訳、口語訳の順に追ってみよう。

  委員社中『新約全書』が漢語としたものを井深訳は和語に言い換えたもの 章節

(一八八一年) (一八八〇年) (一八六三年) (一九一七年) (一九五四年) 井深訳(和語) 新約全書(漢語) 漢訳 大正改訳(文語) 聖書協会(口語)

3:29

  垩

きよき

みたま

  垩

せいれい

靈 垩靈 垩

せいれい

靈 聖

せいれい

13:3

お 坐

𛂞

なされた 坐

し 給

たまひ

しに 坐 坐

し 給

たま

へる すわっておられる

5:34

やすらか

然 に 安

あんぜん

然 に 安然 安

やす

らかに 安

あんしん

心 して

5:43

たべもの

物   食

𛁈

よくもつ

  食   食

しよく

もつ

    食

しょく

もつ

 

6:3

  姉

あね

いもうと

  姉

しまひ

妹 姉 妹 姉

しまい

妹 姉

しまい

(134)

― 132 ―

6:49

ばけもの

物 變

へん

怪物 變

へん

ゆうれい

8:12

ふかくなげいて 深

ふか

く 歎

たんそく

息 して 太息 深

ふか

く 歎

たん

じて 深

ふか

く 歎

たんそく

息 して

9:34

    黙 てをりました 黙 然 たり 黙然 黙 然 たり 黙 って

だまつもくねんもくねんだま

10:6

  開

よのひらけ

闢 るはじめ     開

かい

びやく

のはじめ   創造之始 開

かい

びやく

の 初

はじめ

てん

そうぞう

造 の初め

16:1

  香

にほひ

あぶら

  香

かうもつ

料 香料 香

かうれう

料   香

こう

りよう

 

10:6

  男

をとこ

と 女

をんな

    男

なんによ

 

爲男為女 男

をとこ

と 女

をんな

  男

おとこ

と 女

おんな

  (「なん」 「によ」は漢音でなく呉音、明治二十年代 に呉音と漢音の交替が行われ た

4:27

よるひる

日 日夜 日夜 日

にち

よるひる

昼 (明治前期、二字の漢語字順逆になった 語

6:50

あんしん

心 せよ 心 安

やす

かれ 安爾心 心

こころ

やす

かれ しっかりするのだ   委員社中『新約全書』が漢訳を和語に訳した語を井深訳は漢語に戻したもの

井深訳(漢語) 全書(和語) 漢訳 大正改訳 聖書協会(口語)

1:16

れうし

者   漁

すなどり

びと

  漁者   漁

すなどり

びと

    漁

りょう

 

1:31

きふじ

事 供

つかへ

事 供事 事

つか

ふ もてなした

1:40

ぎよ

にかなへば 聖

こゝろ

意 に 適

かなふ

とき 𛂞 肯 御

みこころ

意 ならば みこころでしたら

4:17

ざん

𛁈

ばし

暫 暫

しば

し しばらく

5:33

白 状 いたしました 實 情 を 告 實告 ありしままを 告 ぐ ありのままを 申 し 上 げた

はくじやうありのまゝつぐつもうあ

6:3

だいく

匠 木

たくみ

匠 木工 木

たくみ

匠 大

だいく

6:5

  病

びやう

にん

    患

わづらふ

もの

  病者 病

める 者

もの

びようにん

6:11

  證

𛁈

ようこ

    證

あかし

  證   證

あかし

  しるし

13:24

  患

くわん

なん

  患

なやみ

難 患難 患

なやみ

難 患

かんなん

(135)

― 133 ―

14:5

びんぼうにん

乏人   貧

まづしき

もの

  貧 貧

まづ

しき 者

もの

まず

しい 人

ひと

たち

14:49

まいにち

日 日々 日 日

ひび

々 毎

まいにち

14:64

へんたち

達 爾曹 爾 なんぢら あなたがた

15:45

がい□ 𛁈

かばね

  屍 屍

しかばね

體 死

たい

16:5

ふしぎ

思議 におもひ   異

あや

𛁈

り   駭異   驚

おどろ

く     驚

おどろ

いた     『新約全書』の訳語(漢語)を和語、口語に換え、ひらがなで表記したもの

井深訳 全書(和語) 漢訳 大正改訳 聖書協会(口語)

2:7

なぜこのやうな 何

なにゆえ

故 何如 なんぞ なぜ

3:11

あなた   爾

なんじ

  爾 なんぢ あなた

4:30

なに

になぞらへ 何

いか

に 比

なぞら

へ 何以比 何

なに

になずらへ 何

なに

に 比

くら

べようか

6:19

そふいふわけに 𛂞 行

ゆか

ずに しかと 能

あたは

ざりき 弗得 能

あた

はず できないでいた

6:55

かけまはつて 馳

はせ

ゆき 馳 馳

せまはり 駆

けめぐり

7:5

どういふ 譯

わけ

で 何ゆゑ 何 なにゆゑ なぜ

7:28

おふせのとほり

□ 𛁈

かり

  然 然

しか

り お 言

こと

どおりです

8:2

あはれむ 憫

あはれ

む 憫   憫

あはれ

む   かわいそうである

8:3

みち

でなやむ   途

みち

間 にて ん

なやま

  途間必困憊 途

みち

にて 疲

つか

れ 果

てん 途

とちゆ

中 で 弱

よわ

り 切

ってしまうであろう

9:3

出來まい 爲

なしあた

能 𛂞 ざる 無能 爲

し 得

ぬ できないくらい

9:11

どういふことで ござりますか 何

なに

ぞや 何歟 何

なにゆゑ

故 なぜか

12:12

ひと〴〵をおそれ   衆

ひと

〴〵

を 懼

おそれ

  懼眾   群

ぐん

じゆう

を 恐

おそ

れ     群

ぐん

しゅう

を 恐

おそ

れた  

(136)

― 134 ―

12:34

そのわけのわかつたこたへ 道

ことわり

理 を 知

しれ

る答 以智應對 聰

さと

く 答

こた

へし 適

てきせつ

切 な 答

こたえ

をした

14:1

たばかつて 詭

たばかり

計 を 以

て 謀以詭計 詭

たばかり

計 をもて 策

さくりやく

略 をもって

13:3

ひそかに 問

とふ

て   竊

ひそか

に 問

とひ

ける 𛂞   竊問   窃

ひそか

に 問

ふ   ひそかにお 尋

たず

ねした

14:36

できぬこと 𛂞 ござりません   能

あたは

ざるなし   無所不能 能

あた

はぬ 事

こと

なし できないことはありません

14:70

いひけしました   肯

うけが

𛂞 ず   諱   肯

うけが

はず   打

ち 消

けし

した

12:13

ヘロデ のともがら   ヘロデ の 黨

ともがら

  希律 黨 ヘロデ 黨

たう

ヘロデ 党

とう

の 者

もの

12:20

こゝに 爰

こゝ

に ナシ ここに ここに

KJV Now

  逆に『新約全書』はかながきを井深訳では漢字に表記したもの

井深訳 全書(和語) 漢訳 大正改訳 聖書協会(口語)

10:5

つれない

情 つれなき 硬 つれなき かたくな

13:18

冬に 遁

にげ

る 冬にぐる 冬時逃遁 冬

ふゆ

おこらぬやうに 冬

ふゆ

おこらぬように

15:43

  憚

はゞから

ず   はゞからず 毅然   憚

ははか

らず   大

だいたん

胆 にも

13:33

  愼

つゝしん

で   つゝし 𛃉 て 愼   心

こころ

して   気

をつけて   『全書』委員社中ですでに和語になっている語を、井深訳はさらに口語に言い換えたもの

井深訳 全書(和語) 漢訳 大正改訳 聖書協会(口語)

3:14

御自分とゝもに   巳

おのれ

と 偕

とも

に   偕己 御

そば

に 自

ぶん

のそばに

3:32

お 母

かゝ

さん 母

はゝ

母 母

はは

ははうえ

5:21

  向

むかふ

きし

  彼

あなた

岸 彼岸 かなた 向

こう 岸

ぎし

5:39

たのである 寝

いね

たる 寢 寐

ねたる 眠

ねむ

っている

(137)

― 135 ―

12:34

そのわけのわかつたこたへ 道

ことわり

理 を 知

しれ

る答 以智應對 聰

さと

く 答

こた

へし 適

てきせつ

切 な 答

こたえ

をした

14:1

たばかつて 詭

たばかり

計 を 以

て 謀以詭計 詭

たばかり

計 をもて 策

さくりやく

略 をもって

13:3

ひそかに 問

とふ

て   竊

ひそか

に 問

とひ

ける 𛂞   竊問   窃

ひそか

に 問

ふ   ひそかにお 尋

たず

ねした

14:36

できぬこと 𛂞 ござりません   能

あたは

ざるなし   無所不能 能

あた

はぬ 事

こと

なし できないことはありません

14:70

いひけしました   肯

うけが

𛂞 ず   諱   肯

うけが

はず   打

ち 消

けし

した

12:13

ヘロデ のともがら   ヘロデ の 黨

ともがら

  希律 黨 ヘロデ 黨

たう

ヘロデ 党

とう

の 者

もの

12:20

こゝに 爰

こゝ

に ナシ ここに ここに

KJV Now

  逆に『新約全書』はかながきを井深訳では漢字に表記したもの

井深訳 全書(和語) 漢訳 大正改訳 聖書協会(口語)

10:5

つれない

情 つれなき 硬 つれなき かたくな

13:18

冬に 遁

にげ

る 冬にぐる 冬時逃遁 冬

ふゆ

おこらぬやうに 冬

ふゆ

おこらぬように

15:43

  憚

はゞから

ず   はゞからず 毅然   憚

ははか

らず   大

だいたん

胆 にも

13:33

  愼

つゝしん

で   つゝし 𛃉 て 愼   心

こころ

して   気

をつけて   『全書』委員社中ですでに和語になっている語を、井深訳はさらに口語に言い換えたもの

井深訳 全書(和語) 漢訳 大正改訳 聖書協会(口語)

3:14

御自分とゝもに   巳

おのれ

と 偕

とも

に   偕己 御

そば

に 自

ぶん

のそばに

3:32

お 母

かゝ

さん 母

はゝ

母 母

はは

ははうえ

5:21

  向

むかふ

きし

  彼

あなた

岸 彼岸 かなた 向

こう 岸

ぎし

5:39

たのである 寝

いね

たる 寢 寐

ねたる 眠

ねむ

っている

6:50

安心せよ 心 安

やす

かれ 安爾心   心

こころ

やす

かれ   しっかりするのだ

8:4

どこ

處 で 何

いづこ

處 より 處何 何

いづこ

處 より どこから

9:3

出來まい 爲

なしあた

能 𛂞 ざる 無能 爲

し 得

ぬ できないくらい

9:39

  惡くいひなすことのできるもの

誹 得 る 者 輕誹 譏 り 得 る 者 そしる

そりう𛁈そしうもの

12:4

  頭

あたま

    首

かふべ

  首   首

かふべ

    頭

あたま

 

12:25

  娶

よめとり

もせず     娶

めとら

ず   不娶 娶

めと

らず と つ い だ り す る こ と は な い

13:16

きもの

服 衣

ころも

服 衣 上

うはぎ

衣 上

うわぎ

13:31

天地 𛂞 なくなる 天

てん

𛂞 廢

うせ

ん 天地必廢 天

てん

は 過

ぎゆかん 天

てん

は 滅

ほろ

びるであろう

14:14

せんせい

生 師

𛁈

師 師

せんせい

14:58

𛃉

殿

をこはして 聖

みや

殿 を 毀

こぼ

ち 毀之 宮

みや

を 毀

こぼ

ち 神

しんでん

殿 を 打

ちこわし

15:5

ふしぎ

思議   奇

あや○ 𛁈

奇 怪

あや

しむばかり 不

ふしぎ

思議

16:17

ほかぐに

國 のことば 異

ことくに

邦 の 方

ことば

言 異邦方言   新

あたら

しき 言

ことば

    新

あたら

しい 言

ことば

葉  

GK уλώσσαις λαλήσονσιν καιναι̑ς,

井深訳と『新約全書』   のかなと漢字の違い

井深訳 全書(和語) 漢訳 大正改訳 聖書協会(口語)

1:11

わが喜ぶところの わが 悦

よろこ

ぶ所の 我所喜悦 我

が 愛

いつく

しむ わたしの 心

こころ

にかなう

1:24

かゝはり

係   與

かゝは

り   與 關

かかはり

係 係

かか

わり

1:28

ひろ

まりました   播

ひろが

りぬ   洋溢   弘

ひろま

りたり   ひろまった

1:45

まち

まち

城 町

まち

まち

3:12

            お 禁 めなされました 戒 めたり 戒 戒 め 給 ふ 戒 められた

いましいましいましたまいまし

(138)

― 136 ―

3:15

いや

し 醫

いや

し 醫 ナシ ナシ

RV and to have authority to cast out devils:

(大正訳が参 考にした) 。

RSV and have authority to cast out demons:

(口語訳が参考にした) 。

3:28

なんぢら

曹 爾

なんぢら

曹 爾   汝

なんぢ

ら   ナシ

4:22

  顯

あきら

かにならぬ   明

あきらか

瞭 にならざる 不致現   顯

あらは

るる 爲

ため

ならで     現

あらわ

れないものはなく  

4:31

  萬

よろづ

のたね   百

よろづ

様 の 種

たね

百種   萬

よろづ

の 種

たね

  どんな 種

たね

よりも

4:37

おほかぜ

風 颶

おほかぜ

風 颶風 颶

はやて

風 突

とっぷう

4:39

風 𛂞 や んでたいそう

かせ (ママ)

  穩

おだやか

になり   風 や 𛃉 て 大 に 和

なぎ

た り 風卽止、 乃大平息 風

かぜ

やみて、 大

おおい

なる 凪

なぎ

と なりぬ 風

かぜ

はやんで、 大

おお

なぎに なった

5:10

  頻

しきり

に     切

きり

𛁈

  遂切 切

せつ

に しきりに

5:14

  遁

にげて

いつ

て   逃

にげ

ゆきて 奔 逃

げ 往

きて 逃

げ 出

して

5:14

むら〳〵

々 郷

むら〳〵

村 村 町

まち

にも 里

さと

にも 町

まち

や 村

むら

5:19

𛂞

み   恤

あはれ

𛃉   恤   憫

あはれ

み   あわれんで

4:25

もた

ぬもの 無

もたぬもの

有者 無有者 有

たぬ人 持

っていない 人

ひと

5:38

  騒

ぎたて

𛂞

  忙

さわぎ

亂 いたく 號晀   騒

さわぎ

  騒

さわ

いでいる

5:26

しんだい

代 所

しんだい

有 所有 有

てる 物

もの

ち 物

もの

みな

5:26

なん

の 甲

かい

斐 もなく 何

なん

の 益

かひ

もなく 不見益 何

なん

の 效

かひ

なく なんのかいもない

5:5

お の れ の 身 に 痍 を つ け 己 が 身 に 傷 つけ 自傷 己 が 身 を… 傷 つけ 自 分 のからだを 傷 つけて

みきづおのみきづおのみきずじぶんきず

6:2

ひと〴〵

々 衆

ひと〴〵

人 眾 多

おほ

くのもの 人

ひとびと

6:8

くひもの

物 糧

くひもの

食 糧 糧

かて

パン

6:33

かち

で 歩

かち

行 にて 徒行 徒

かち

歩 駆

けつけ

(139)

― 137 ―

6:52

パンの不思 議

パンの 寄

ふしぎ

跡 餅之奇跡 パンの 事

こと

パンのこと

GK ἐτὶ τοι̑ς ἄρτοις KJV the miracle of the loaves RV concerning the loaves RSV about the loaves 7:3

  言

いひ

つたへ

  遺

つたへ

傳 遺傳   言

いひ

つたへ

  言

いいつた

伝 え

7:4

  盃

さかづき

    杯

さかづき

  杯 酒

さかづき

杯   杯

さかずき

 

7:4

さま〴〵

々 多

さま〴〵

端 多端 多くの たくさん

7:9

おのれ

己   己

おのれ

  爾 おのれ 自

ぶん

たち

7:17

こゝろ

味   意

こゝろ

  之 ナシ ナシ

GK περὶ τὴς παραβολής KJV concerning the parable RV asked of him the parable RSV about the parable 8:3

とほく

方 遠

とほく

處 遠來 遠

とほ

く 遠

とほ

8:8

かご

籃 籃 籃

かご

かご

GK σπυρίς

6:43 κόϕινος

も「筐」と訳している。

9:29

  この 類

たぐひ

    此 族

たぐひ

  此族   この 類

たぐひ

  このたぐい

9:41

  報

むくい

    賞

むくい

  賞   報

むくい

  報

むく

9:43

消ざる 火

𛀁

る火 不滅之火 消

えぬ火 消

えない 火

9:45

いのち

命 永

いのち

生 生 生

いのち

命   命

いのち

 

10:5

おきて

法   命

おきて

  命 誡

いましめ

命 定

さだ

10:10

いへ

いへ

室 家

いへ

いえ

10:13

  捫

さはら

れるため     撫

さはら

れんがため   撫 觸

さは

り 給

たま

はん さわっていただくため

10:19

なんぢが 知

しる

とほり である 爾が 識

𛁈

こりなり 爾識 汝

なんぢ

が 知

るところなり あなたの 知

っている とおりである

10:19

  僞

いつはり

の 證

あかし

    妄

いつはり

の 証

あかし

  妄證 僞

ぎしょう

證 を 立

つる 偽

ぎしょう

証 を 立

てるな

10:21

たから

財   財

たから

  財 財

たから

寶   宝

たから

 

10:25

はり

の 孔

あな

を 通

とほ

る 針の孔を 穿

とほ

る 穿針孔 針

はり

の 孔

あな

を 通

とほ

る 針

はり

の 穴

あな

を 通

とお

(140)

― 138 ―

10:30

かぎ

りなき 生

いのち

命   窮

かぎり

なき 生

いのち

  永生 永

とこしへ

遠 の 生

いのち

命 永

えいえん

遠 の 生

せいめい

10:52

ゆけ

ゆけ

往 ゆけ 行

11:2

  向

むかふ

の 村

むら

  對

むかふ

面 の 村

むら

對面之村 むかひの 村

むら

むこうの 村

むら

11:11

𛃉

殿

みや

殿 殿 宮

みや

みや

11:13

  無

いち

𛁈

く○ ゛

いちじく

花菓 無花果 無

いちじく

花果 いちじく

11:14

果 果

11:15

鴿

はと

をうるもの 鴿

はと

を 鬻

うる

もの

鬻鴿者 鴿

はと

を 賣

るもの はとを 売

る 者

もの

11:17

わが 家

いへ

わがいへ

室 我室 わが 家

いへ

わたしの 家

いえ

11:19

  都

みやこ

  城

みやこ

邑 城   都

みやこ

    都

みやこ

 

11:24

ねが

ふもの 求

ねが

ふ所のもの 何求 願

ねが

ふ 事

こと

いの

り 求

もと

めること

11:25

ひとを 恨

うら

(ママ)

む   人を 憾

うらむ

  人有憾 人

ひと

を 怨

うら

む 恨

うら

み 事

ごと

12:1

    農 夫 にかして 農夫に 租 與 て 租與農夫 農 夫 ども 農 夫 たち

ひやくしやうかしのうふのうふ

12:5

うつ

たり 殺

ころ

したり 撲

うち

あ ひ

(ママ)

𛂞 殺しぬ 撲之、 或殺之 或

あるひ

は 打

ち 或

あるひ

は 殺

ころ

したり 打

ったり、 殺

ころ

したり

12:7

しんだい

代 産

さんげう

業 業 嗣

げふ

ざいさん

13:8

そうどう

動 變

みだれ

亂 變 ナシ ナシ

KJV there shall be famines and troubles RV there shall be famines: RSV there shall be famines;

12:10

いへ

のすみの 首

おやいし

石 屋

いへ

の 隅

すみ

の 首

おやいし

石 屋隅之首石 隅

すみ

の 首

おやいし

石 隅

すみ

のかしら 石

いし

12:24

  神

かみ

の 力

ちから

    神の 能

ちから

  神之能 神

かみ

の 能

ちから

力   神

かみ

の 力

ちから

 

12:33

  供

そなへ

もの

    禮

そなへ

もの

  祭祀 犧

いけにへ

牲 犠

せい

12:35

  教

をしへ

  教

をしへ

誨 教誨 教

をし

ふ 教

おし

えておられ

(141)

― 139 ―

12:42

やもめ

婦    婦

● やもめ●

嫠 寡

やもめ

婦 やもめ

12:44

  乏

とぼし

い     不

とも

𛁈○ き

貧乏 乏

とも

しき 乏

とぼ

しい

12:44

しんだい

代 こと〴〵く 全

ぜんげふ

業 を 盡

こと〴〵

く 盡投所有、 卽其全業 己

おの

が 生

いのち

命 の 料

しろ

を ことごとく あらゆる 持

ち 物

もの

、その 生

せいかつ

活 費

ぜん

13:1

この 家

いへ

この 殿

いへ

宇 此屋宇 これらの 建

たてもの

造物 立

りつ

な 建

たてもの

13:4

𛁈

るし

  兆

しるし

  兆   兆

しるし

    前

ぜん

ちょう

 

13:7

○ を

𛂞○ り

をはり

期 末期   終

をはり

  終

おわ

13:9

  宰

つかさ

    侯

つかさ

  侯   司

つかさ

たち     長

ちよう

かん

 

13:19

かみ

の も の を つ く り は じ め た ま ふ た 世

の 始

はじめ

よ り 神の 物

もの

を 創

つくり

はじめ

たま ひし 開

かい

びやく

より 自神創造所 造者以來 神

かみ

の 萬

ばんぶつ

物 を 造

つく

り 給

たま

ひし 開

かい

びやく

より 神

かみ

が 万

ばんぶつ

物 を 造

つく

られた 創

そうぞう

造 の 初

はじ

めから

14:35

もし 適

かな

はゞ 若

しかな 𛂞 ゞ 或可爲 若

しも 得

べくば もしできることなら

14:38

まどひ

惑 誘

まどひ

慾 誘惑 誘

まどはし

惑 誘

ゆうわく

14:40

歸つて 返

かへ

りて 返 また 來

きた

りて またきて

14:43

  劍

つるぎ

    刃

つるぎ

  刃   劍

つるぎ

  剣

けん

14:68

○ 𛂞

ぐち

  庭

にはくち

門 門檐 庭

にはぐち

口 庭

にわぐち

15:1

しば

つて 繫

𛁈

繫 縛

しば

り 縛

しば

って

15:6

  祭

まつり

  節

まつり

筵 節筵   祭

まつり

    祭

まつり

 

15:12

  望

のぞむ

か   欲

のぞ

むや 欲 如

いか

何 にすべきか どうしたらよいか

15:16

やくしよ

所   公

やく

よ○ 𛁈

公廨   官

くわん

てい

  総

そうとくかんてい

督官邸

15:17

  冠

かんむり

    冕

かんむり

  冠 冠

かんむり

冕   冠

かんむり

 

15:36

うみわた

絨 海

うみわた

綿 海絨 海

うみわた

綿 海

かいめん

綿

(142)

― 140 ―

15:36

まて

まて

姑 待

て 待

15:43

  貴

たふと

き 集

しゆう

やく

    尊

たふと

き 議

ゐん

  尊貴議士   貴

たふと

き 議

ゐん

  地

ちい

位 の 高

たか

い 議

いん

15:46

ぬの

ぬの

布 枲布 亞

あま

蔴 布

ぬの

あま

麻 布

ぬの

15:46

いは

いは

磐 岩

いは

いわ

16:2

なぬか

日 の 始

はじめ

の 日

なぬか

日 の 首

はじめ

の日 七日之首日 一

ひと

まはり

の 首

はじめ

の 日

  週

しゆう

の 始

はじ

めの 日

 

16:8

ひとこと

事 も 一

ひとこと

言 をも (ナシ) 不告 一

ひとこと

言 をも 何

なに

KJV neither said they any thing 16:10

なき

かなし

んで 哭

なき

かなし

める 哀哭 泣

き 悲

かな

しみ 泣

き 悲

かな

しんで

聖書、キリスト教用語

井深訳 全書(和語) 漢訳 大正改訳 聖書協会(口語)

1:1

イエス キリスト イエス キリスト 耶穌基督 イエス・キリスト イエス・キリスト

1:1

ふくいん

音 福音 福音 福

ふくいん

音 福

ふくいん

1:13

サタン サタン 撒但 サタン サタン

1:21

あんそくにち

息日 安

あんそくにち

息日 安息日 安

あんそくにち

息日 安

あんそくにち

息日

1:23

  會

くわい

どう

    會

くわい

だう

  會堂   會

くわい

だう

  会

かいどう

1:44

さい

さい

祭司 祭

さい

さい

2:26

パン パン 餅 パン パン

3:29

  聖

きよき

みたま

  聖

せいれい

靈 聖靈 聖

せいれい

靈 聖

せいれい

4:26

𛃉

くに

かみ

の 國

くに

神國 神

かみ

の 國

くに

かみ

の 国

くに

6:1

お 弟

でし

子 弟子 門徒 弟

でし

子 弟

でし

子 たち (「門徒」は宗門を同じくする寺の信者を意味する ので「弟子」とした。 )

参照

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