温泉地に対する
イメージギャップに関する調査 伊藤一
Ko.83
2003年3月
小樽商科大学商学部商学科
温泉地に対するイメージギャップに関する調査
伊藤
1。
企業の評判を評価する手法にブランド・パーソナリティー尺度(企業人格スケール)が ある。ブランド・パーソナリティー尺度とは、ブランドを評価する際、企業を擬人化する ことによって、外部・内部に認知されているブランドのパーソナリティーを明確にする尺 度である。この手法は、ブランドが内部(製造者・従業員)、また、外部(顧客)からどの 様に認識されているかということをブランドに人格を与えることによって理解しようとす
る為、これまでのブランド・パーソナリティーや企業文化、単なる企業の評判研究から一 線を画している。様々な分郷において「評判」は研究されてきたが、この手法においては 評判に関する内部(製造者・従業員)の見解を「アイデンティティー」として、外画(顧 客)の見解を「イメージ」として位置付けている。多くの「評判」モデルにおいては、ア イデンティティーとイメージは連結しており、さらに相互依存の関係にあると考えられて いる。特に、サービス業においては顧客と直接接する従業員の持つ見解は顧客の見解に多 大な影響を持っている。したがって、ブランドの評判を測定する手法はアイデンティティ ーとイメージの両方を評価し、さらにその相互関係をも評価できるものでなくてはいけな い。このアプローチの有効性は、人間の性格特性と同様に、ブランドの特性も個々のブラ ンドによって異なっている点、また、同じブランドに対しても人々が抱く見解は異なって いる点から成り立っている。さらに、この手法においては、ブランドのアイデンティティ ーは最も重要であり、永続的な、そして他社との区別可能なものとして定義される。した がって、このブランド・パーソナリティー尺度はブランドを有する企業が自社の評判をコ ントロールし、アイデンティティーとイメージの両方を測定する手段として利用すること
ができる。また、この手法では評判の理性的・客観的側面よりも利害関係者(製造者・従業員と顧 客)が企業に持つ愛着などの感情的側面に焦点がおかれている。
ブランド・パーソナリティーの代表的な研究者として」.L.Aakeyが挙げられる。 Aaker はブランド・パーソナリティー尺度を Dimensions of Brand Personali七y (1997)にお いて理論的・実用的に確立させた。それ以前の研究では、ブランドを利用することによっ て顧客がどの様に自分自身を表現できるかということに重点が置かれてきた。しかし、そ れらの研究は限定的・部分的であり、実際にコカ・コーラがどの様なブランド・パーソナ リティーを持ち、ペプシ・コーラのパーソナリティーとは何が異なっているのかというこ とは説明されていなかった。さらに、この論文においては、製造業を主な調査対象として、
ブランドのパーソナリティーと顧客自身のパーソナリティーがいつ、どの様に関連しうる
かということが研究された。
2. 分析方法
ブランド・パーソナリティーが理論化・実用化された後には、認知されるブランド・
パーソナリティーを文化ごとに比較する研究が行われた。この研究において、アメリカ 人と日本人が共通に認知する因子は『Sincerity(率直)』、『Exci七ement(刺激)』、
『Compe七ence(有能)』、『Sophisもica七ion(洗練)』であることが明らかにされた。さら に、アメリカ文化に特有な因子として『Ruggedness(素朴)』、日本文化に特有な因子と して『Peacefhlness(平和)』が発見された。アメリカとスペインとの比較においては、
スペイン文化だけに見られる因子として『Passion(情熱)』因子が発見された。この様 に文化問に共通する因子、文化特有の因子を明らかにすることは文化間にまたがる価値 観等の調査、又、国際化問題の理解に役に立つ。下図は目本人によって認知されたブラ
ンド・パーソナリティー因子と、それらを参考とした質問項目をまとめた表である。
図2・1 Aakerによる葭本人のブランド・パーソナリティー構成園子
[三xc詫emeRt
Gompetence 粋eaoefuiness Sophistication Si冷ce激y(束轍) (有能) (平和) (洗練) (率甦)
Laid−back Gonsistent Shy 難egant
Family orie ted
にだわらない)
(一貫した) (シャイな) (上贔な)
(家庭的な)Hu醗or◎us DepeRdaUe Mild−rれannered Styiish Warm
(ユーモアがある)
(頼りになる) (おっとりした) (おしゃれな〉 (暖かい)
罫umy Reliabie PeacefuI Un爾e騰dly
K;ぬd
(面白い) (しっかりした) (平和な) (よそよそしい) (やさしい)
日opeξul
Detemiめed) NaぎveFemi轟1薩e
Calm(前向きな〉
(意志が強い)(ナイーブな) (女性的な) (温摩な)
Optimis之ic Digni臼ed Depe轟dent S鍛ooth ThoughtfuI
(楽観的な) (堂々とした)
(人に頼った〉(素敵な〉 (気が利く)
Positive Co浦den亀
Childiike
Ro順antic True(積極的な〉
(畠橿に満ちた) 仔供っぽい)(ロマンティックな) (率直な)
Contemporary
Pa之ie臓t
Reserved So籍histioated Slncere(現代的な)
(忍耐強い〉 (ひかえめな) (洗練された)(誠実な)
Free τeηaciOUS Modest E×travagant Healthy
(自由な) (粘り強い) (地道な) (贅沢な) (健康的な)
Aρpr◎achabie
Masc li自e
Delicate(親しみやすい) (男性的な〉
(繊細な)
8appy Sei卜co櫃posed St細miag
(ほがらかな) (落ち憎いた)
(格好良い)
Li駄aUe τough
(愛想の良い)
(たくましい)
Unre罰ned Pr嫡de俄
(素朴な) (懊重な)
Youthful Neat
(若々しい) (きちんとした)
AGtive Successfd
(元気な)
(成功力がある)Active Respectable
(潅動的な) (立派な)
Spirited
IdeaI
(活発な) (理想的な)
Re旧reshing
(さわやかな)
Sporty
(スポーティーな)
また、以上の表を参考に企業はアンケート票における質問項目を設定し、自祉のブラン ド・パーソナリティーを明らかにすることができる。以上の表を参考としたアンケート票
の開発については2一(2)・2)において詳しく述べる。ACorporate Personahty Scale七〇Assess Internal and Extemal Views of Corporate
Repu七atio11 (Davies,G. Chun,R.Vinhas,R. Vinhas,R. Rop鋤S.2001)においては、主にサービス業を対象としたブランド・パーソナリティーに関する調査が行われた。調査は以 下の要領で実施された。まず、内部、外部の両面からの企業の評判(イメージとアイデン ティティー)に関する見解を適切に評価するためのアンケート表が作成された。自己回答 式のアンケートによる4626のサンプルの回収に加えて企業12社において面接方式の調査
も実施された。この調査では、4626のサンプルのうち、半数は顧客によって回答され、も う半数は従業員によって回答されている。この研究においては、特に従業員と顧客との接 触による「評判」に関心が持たれていた為、接客に従事する従業員のみが面接の対象とな った。これらのデータを因子分析した結果、以下の様に『Agreeableness(愛想のよい)』、
『Enterprise(進取の気性)』、『Colnpe七ence(有能的)』、『Chic(シック的・しゃれたこと)』、
『Ru七hlessness(冷酷的)』、『Machislno(男らしさ)』、『Infbrmality(非公式)』の7つの
因子が抽出された。
図2・2 企業人格構成因子
Corporate Personality
(企業人格)
Agreeablene$s
(愛想のよい)
£nterpr1se
(進取の気性〉
Competence
(有能的)
Chic
(シック的・しゃれたこと)
R thlessrleSS (冷酷的)
Machismo
(男らしさ〉
Σnforrnality
(非公的)
同様の因子構造が顧客と従業員のデータからも成り立ち、このことによってこの手法が 企業における最も重要な利害関係者(顧客と従業員)の見解を比較・評価するのに有効で
あるという理論的裏付けがなされた。
『Agyeeableness』因子は、信頼性、社会的責任におけるブランド形成と評判を重視・反
映した因子である。『Agree&ble箆ess』因子の因子構造を図2−3に示す。
図2−3 Agreeab}eness因子構造
AGREEABLENESS
@ (愛想のよい)
Warmth
i暖かさ)
Empathy
i共感できる)
Integrity
i高潔)
Cheerfu1
i明るい)
Concerlled i関係のある)
Honest
i偽りのない)
Pleasant
i楽しい)
Reassuring
i安心させる)
Sincere i誠実な)
Open
i公然の)
Supportive i支持的な)
Trustworthy
i儒頼できる)
Straightforward
@ (率直な)
Agreeable
i感じのよい)
Socially qespo捻sible i社会的責任の
@ ある)
長年にわたって企業は社会的責任を追及すべきか、利害関係者に利益を還元するという 経済的役割を重視すべきかという討論がなされてきた。社会的責任感は『Agreeableness』
因子における信頼感と深く結び付いており、さらに、この因子は「満足」とも密接に関連 している。なぜなら、社会的責任感があるとみなされるということは企業の評判を高める ことにつながるからである。つまり、現代においては、利益を追求するだけの企業は評価 されず、よい企業人であるとみなされることによって、「評判」という目に見えない利点を 手に入れることができるのである。
また、『Agreeablelless(愛想のよい)』因子は人間の性格においても重要な要素である。
『Agreeableness(愛想のよい)』は、人間の性格においては「攻撃的な」、「傲慢な」とい
った性質と正反対に位置付けられているが、企業的観点から見るとこれらの特性は
が優れている従業員を雇うことによって企業としての『Agreeableness』の値をより高くす ることができるのである。
『四七erprise(進取の気性)』因子は人間の性格における外向性と雷同する。『En七erprise』
因子の因子構造を図2・4に示す。
図2・4 E凱erprise因子構造 εNTERPRisε
(進取の気性)
懸odemity
(現代約な〉
Coo1
(冷淡な)
Trendy
(最新流行の)
Young
(若々しい〉
Adve目ture
(冒険)
Imagi嶽ative
(想像力に竃んだ)
Up to Date
(早耳の)
80}d貧eSS
(大胆さ)
ExtrGvert
(外向的な)
Dari轟9
(斬新な)
Excit恥9
(わくわくする)
i轟novatlve 樺新的な)
「進取の気性のある」企業は岡時に「革新的」・「エキサイティングな」企業として見な され、たいていの場合それは、企業にたいする肯定的な評判へとつながる。また、「最先端 の」・「流行の」といった要素は「若い」という要素と結びつけて考えられるので、企業は 接客に従事する従業員としてより若い年齢の人聞を雇用しようとする傾向がある。
『COInpetence』因子は、 Aakerのブランド・パーソナリティー・スケールにおいてもほ
とんど同様に定義されている。『Competence』因子の因子構造図2−9に示す。
図2・5 Competence因子構造
COMPETENCε
(有能的)
Conscientiousness (良心)
Reliable
(信頼できる)
Secure
(安全な)
HardWQrk茎ng 働勉な)
Drive
(駆り立てる)
Ambitious
(意欲的な)
Achievement Orlented
(業績重視の)
Leading
(指導的な)
Technocracy
(技術的集団)
Technical
(技術的な)
Corporate
(団体の)
『Competence』因子は、企業、または、個人のブランド、さらに、アイデンティティー とイメージに関連している。『Compete鍛ce』因子は、従業員と顧客の満足度を知るにあた って、Agreeableness因子に次いで役に立つ因子である。したがって、企業は自社の企業イ メージ、又、商品イメ「ジのためにこの因子に関して十分に考慮すべきである。
『Ruもhlessness(冷酷的)』はこの論文において特定された7つの因子の中で唯一否定的
な意味を含む因子である。人間の性格と同様に企業もまた、望ましくないパーソナリティ
ーを持ちうるのである。『Ruthlessness』因子の因子構造を図2・6に示す。
図2−6 Ruthlessness園子季薄造
RUT猛L£SSNESS
(冷酷的)
王£gotisnユ
(自己中心〉
Arroga煎
(横柄な)
Aggress三ve
(攻撃的な)
Se礁sh
(自分本位の)
Dominance
(優勢)
In、vard LoOldng (内向的な)
Author玉tar…an (独裁的な)
Contro11主ng
(支配的な)
従業員はマネージャーの自分達への接し方・態度によって、この『Ru七hles肌ess』因子 のスコアを決定することが多く、顧客は、言うまでもなく、自分が接した従業員の接客態 度によってスコアを決定する。
『Chic(あか抜けた)』因子は、 Aakeyによるスケールでは『Sophistication(洗練されて
いる)』因子と呼ばれている。『Chic』因子の因子構造を図2−7に示す。
図2・7 Chic因子構造
C卜{IC
(あかぬけた)
£1egance
(上品さ)
Charming
(魅力的な)
Styllsh
(流行の)
εlegant
(上品な)
Prest蓋ge
(名声のある)
Prestigious
(権威ある)
13xelusive
(高級な)
Snobbery
(俗物的な)
Snobby
(気取った)
Eliしist
(エリート主義の)
Reほned
(優雅な)
企業的観点から見ると、『Chic』因子は「名声」を非常に重視した因子といえる。従業員、
顧客共に、自分達が世評の高い企業と結び付いていることを高く評価するということがこ の論文における調査によってわかる。しかし、『Chic』因子は「snobbishness(気取った)」
という否定的な側面も持ち合わせている。したがって、企業は自社のイメージを「あか抜 けた」ものにしようと努力しつつも「気取った」企業として評価されることは避けなくて
はいけない。最後に、『Machismo(男らしさ)』因子と『lnfbrlnality(非公式)』因子である。これら
の因子構造は図2・8示す。
図2・8 Machismo因子構造とInfb膿ユality困子構造
MACRiSMO
i男性的な)
Mascullne
i男らしい)
Tough
i頑丈な)
Ru葛ged
iたくましい)
lNFORMAUTY
俳公式))
Casua1
(手軽な)
SiInp}e
擶単な)
Easy Going にだわらない)
Aakerの『Ruggedness』因子と類似している『Machismo』因子は、この調査において は小因子であった。しかし、文化によって重要なパーソナリティー要素は異なると考えら れるためこの研究において対象とされた文化圏では小因子であっても、他の文化圏では重 要な因子となりえるので全ての因子を規定することが必要不可欠である。
「非公式な」企業としては従業員がくだけた服装をし、顧客と気軽に話す企業が連想さ れた。それに対し、「男らしい」企業としては従業員や顧客に対して厳しい企業が連想され
た。
この企業人格スケールによって企業は、自社のイメージとアイデンティティーを比較し、
自社の評判に欠けている要素を調査し、具体的にイメージとアイデンティティーのつなが りを探ることが可能となる。さらに、従業員や顧客の自社に対するロイヤルティーを調査 することもできる。供給者、メディア、財政団体が自社に対して抱いているイメージを評 価するにも有効である。
さらに、このスケールは多くの実用性も持ち合わせている。このスケールによって企業 は、新入社員採用の際には自社が持っている企業イメージについて考慮し、必要であれば それをより明確に労働市場に示す努力をすることができる。
顧客は自分がどの様なタイプの企業と関わっているのか知りたいと考えている。したがっ
て、この論文によって規定された企業パーソナリティー因子によって経営者は自社のコミ
ュニケーション戦略を設定・発展させることが可能である。
2−1 アンケート票の開発
以上の論文研究を踏まえて、「小樽ゆらぎの里」のブランド・パーソナリティー調査の為、
アンケート票が開発された。このアンケート票による調査目的は、以下の2点である。
①朝里川温泉というブランドが顧客にとってどの様なパーソナリティーを持っている かを明らかにすること。
②顧客と従業員が認知する朝里川温泉のパーソナリティーを比較し、それらの認知のギ ャップを埋めるための考察・提案を行う。
アンケート票開発にあたって、前述の日本人によって認知されたブランド・パーソナリ ティー尺度( Consumptioll Symbols as Carriers of Culture:Astudy of Japanese and
Spanish Brand Personality Constructs ,」.:L. Aake蔦V:Bellet・Martinez aRd J. Garolera,2000)を参考に、『Exciteme批(刺激)』、『Compeむence(有能)』、『PeacefUlness(平和)』、
『Sophistication(洗練)』、『Sincerity(率直)』の5つの因子に関連の深い40の形容詞を
選び出し、質問項目とした。選び出された40の形容詞がそれぞれどの因子を表すかは以下
の表の通りである。
図2−9 Aakerに基づいた質聞項冒の各因子への分類
εxcitement Co飢petence Peacefuhess Sophistication Since蹴y
(刺激)
侑能)(平和) (洗練) (率藏)
Fua Reliable Mild可轟annered Feminine
縦ealt秩y
(楽しい)
(しっか9した)(おっとりした)
(女性的な)(健康的な)
Open−minded 納agni6cenも Reserved Sophisticated
Ki d
備放的な)
(壮麗な)
(ひかえめな) (洗練された)(やさしい)
Energetic Reiiable Relieved Stylish Family Qrie㈱d
(弐気のある)
(信頼できる) (心安らぐ) (おしゃれな) (家庭的な)
Yo戚h倒 Tough 麟odest 8egant 丁houghtfuI
(若々しい) (たくましい〉 (地味な〉 〈上晶な) (気が利く)
Active Neat
Childlike
Roma面C Sincere(活動的な) (整備された) 仔供っぽい〉
(自マンティックな) (誠実な)
Cheerful Masculine Calm Smoo之h αean
〈明るい) (男性的な)
(おだやかな)(素敵な) (清潔な)
Charmin& Sel卜composed
Imrηat re
Extravagant Warm(魅力がある) (落ち着いた)
(未熟な〉 (贅沢な) (暖かい〉
Relaxed Depebdabl Cute StUR醐g Truth細
(気軽な〉
(頼9になる)(かわいい) (かっこうよい) (偽りのない)
Poised Approachabie
(平静な)
(親しみやすい)例えば、朝里川温泉が『Excitement』因子を表す「楽しい」というブランド・パーソナ リティーを持っているかを尋ねる場合、以下の様に質問された。
あなたが考える朝里川温泉の個性・特徴はどのようなものでしょうか。
強くそう思う そう思う どちらでもない ぞう思わない 強くそう思わない
1、楽しいイメージを持つ温泉……・
以下に、実際に朝里川温泉にて配布されたアンケート票を示す。アンケート票は2部構 成であり、朝里川温泉のブランド・パーソナリティーに関しては第1部分において質問さ
れた。
あなたが考える朝里川温泉の個性・特徴はどのようなものでしょうか。
強くそう思う そう思う どちらでもない そう思わない強くそう思わない 1.楽しいイメージを持つ温泉
2.開放的なイメージのある温泉
3.元気のある温泉
4.若々しい雰囲気のある温泉
5,親しみやすい雰囲気のある温泉
6,活動的なイメージのある温泉
7.明るい雰囲気のある温泉
8.魅力がある印象を持つ温泉
9.気軽なイメージを持つ温泉
10.しっかりした印象のある温泉
11,壮麗なイメージを持つ温泉
12.信頼できる感じのある温泉
13.たくましいイメージを持つ温泉
14.整備された印象のある温泉
肇5、男性的なイメージを持つ温泉
16.落ち蒲いた雰囲気のある温泉
1フ.頼りになる印象のある温泉
18,おっとりした感じを持つ温泉
19.健塵麹イメージを持つ温泉
20.ひかえめな印象のある温泉
21.心安らぐ感じを持つ温泉
22.地味なイメージのある温泉
23.子供っぽい印象を与える温泉
24.おだやかな印象を持つ温泉
25.未熟な印象のある温泉
26.かわいいイメージのある温泉
27.女性的なイメージのある温泉
28,やさしい印象を持つ温泉
29.家庭的な雰囲気を持つ温泉
30.気が利く印象を持つ温泉
31.誠実なイメージのある温泉
32,清潔な印象のある温泉
33.暖かい感じのある温泉
34.偽りのないイメージを持つ温泉
35.洗練された感じを持つ温泉
36.おしゃれな感じのある温泉
37.上品なイメージを持つ温泉
38。ロマンティックな感じを持つ温泉
39,素敵なイメージのある温泉
40.贅沢なイメージを持つ温泉
41.かっこうよいイメージのある温泉
42。平静なイメージのある温泉
したがって、朝里川温泉が「楽しい」、欄放的な」といったブランド・パーソナリティー を持つ場合には、アンケート票を因子分析した結果、『Exciもement』因子があらわれること
になる。
アンケート票分析前の仮説としては、朝里川温泉のブランド・パーソナリティーには
『Peace魚1ness』という要素が含まれるであろうことが考えられる。なぜなら、朝里州温泉 は「ゆらぎの里」という閑静で、落ち着いたイメージの温泉地を広告・プロモーションし ているからである。さらに、 『Peace魚lness』が、日本人がブランドに求める特有の要素で
ある C Obη5Uη21ρ孟ゴ0η伽わ0灼∂3砧1姪θ甥0/0ロ1加Zθ ・43厳罰of諏!ρθ刀θ3θ3Z1ゴ助釦∫訪
&慣ηゴPθ畑012θ万㌍0αη3か〃。孟3 ;J.L, Aake蔦V:Benet・M:arもinez and J. Garolera,2000)
ことも理由に挙げられる。
また、『Peacefulness』因子に対極すると考えられる『Excitemenも』因子は朝里川温泉の ブランド・パーソナリティーに占める割合はあまり大きくないであろうと予想される。
2一(3) 刺激:欲求尺度(Se盤atio難Seek蹟g Scale)
2一(3)一1) 利用目的
近年、顧客の特性は極めて細分化、個別化しているため、もはや性別や年齢、社:会的地 位といった属性でカテゴリー化することには限界がきている。そこで、今回の朝璽川温泉
のアンケート調査においては、この刺激欲求尺度(Se聡ation Seek沁g Scale、以下SSS>
を利用した質問項目が含まれている。
2一(3)一2) SSSとは
心理学において『覚醒や刺激の最適水準における個人差を測定する尺度として作成され た(Zuckerman,1979>』(古澤、1989)もので、『新奇で変化する感覚や経験に対する(内 在的な)要求についての、またそのような経験を得るためには少々の社:会的リスクや身体 的リスクをいとわないパーソナリティー特性(Zuckerman、1979)』(寺崎ら、1987)であ
る。
2一(3)一3) SSSの4つの次元
SSSには、一般尺度として「General Seeking」(古澤、1989)があり、下位尺度として
以下の4つの尺度がある。
①Thrill aRd advellture seeking(TAS)
スピードや危険を伴うスポーツなど、スリルや危険を含む活動を好む特性。
②Expe望ieRce seeking(ES)
今までしたことのない新奇な経験を求める特性。
③BoredQm susceptibility(BS)
変化のないことや同じことの繰り返しに嫌悪を示す特性。
④Disinhibition(Dis)
社会的な抑制を解除して自由に欲求を満たそうとする特性。
2一(3)一4) 寺崎氏らによる目本語版SSS
本論で扱う「朝里川温泉イメージ調査」では、ZuckermanのSSSを元に寺崎氏らが作成 した日本語版SSSを参考にしている。次頁からはその日本語版SSSを、上述した4つの次 元に応対させて記述してゆく。
図2−10 日本語版SSS
TAS
ES
水上スキーのようなスポーツをしてみたい。
水上スキーのようなスポーツをしてみたいとは思いません。
パラシュート降下を一度やってみたい。
パラシュート降下などやりたくありません。
サーフィン(波乗り)をしてみたい。
サーフィンをしてみたいとは思いません。
私は高い飛び込み台から飛び込むのが好きです。
私は高い飛び込み台に立ったときの感じが嫌いです。
スキューバダイビング(アクアラングをつけて潜水する)をやってみたい。
スキューバダイビングよりもふつうに泳ぐ方が好きです。
スキーで急斜面をスピードを出して滑降するのは松葉杖のやっかいになる のがおち(つね)です。
私はスキーで急斜面をスピードを出して滑るのが好きです。
飛行機の操縦をしたいとは思いません。
飛行機の操縦をしたいと思います。
ジェットコースターのような乗り物には乗りたくありません。
スリルを昧わうためにジェットコースターのような乗り物に乗ってみた
い。
海や湖に行けば岸辺で遊ぶのが好きです。
私は時々岸から離れて遠くまで泳いで行きたくなります。
小さなヨットで遠洋航海するのは無謀なことです。
私は小さくても航海に耐えられるヨットならそのヨットで遠洋航海をして みたいと思います。
友人としては現実的な人が好きです。
芸術家やヒッピーのように現実離れした人が好きです。
安全で心配のない幸福な理想社会で暮らしてみたいと思います。
不安定だが変化に富んだ社会に暮らす方が良かったと思います。
旅行するとすれば先進国の方を選びたい。
旅行するとすればアマゾンの奥地のような未開地へ旅行してみたい。
私は登山家になりたいと思うことがよくあります。
私は命がけで登出する人の心がわかりません。
分別のある人は危険な行為を避けると思います。
私は時々冒険したくなります。
行き先や時刻を決めずに無計画に旅行するのが好きです。
旅行する時は行き先や時刻について慎重に計画します。
よく知らない所でも一人でぶらぶらするのが好きです。
Dis
BS
よく知らない所は一人では不安です。
白熱した議論は好きではありません。
白熱した知的な議論が好きです。
私は自分と意見が同じ人よりも異なる人と議論したい。
私は自分と意見が異なる人と議論したくありません。
同性愛(男であれ女であれ)の人に興味があります。
同性愛の疑いのある人には興味がありません。
酒を飲みすぎて大声を出しばか騒ぎするようなパーティーは嫌いです。
酒が十分にあって思い切り騒げるようなパーティーが好きです。
私は静かで穏やかな人の方が好きです。
私は落ち着きがなくても感情表現の豊かな人の方が好きです。
一般的な服装をするのが良いと思います。
少々奇妙に見えても自分の好みにあわせた服装をするべきだと思います。
人前で卑狸な言葉を使うのは下品だと思います。
私はときには卑狸な言葉を使います。
私は他人がどう反応するかを見るために時々突拍子もないことをやりたく
なります。
私はいつも普通にふるまいます。他人を驚かせたりろうばいさせることに は興味がありません。
他人をびっくりさせるような言動をする人は好きではありません。
言動のすべてが予測できるような人にはうんざりします。
私は軽い音楽よりもクラッシク音楽の方が好きです。
私はクラシック音楽よりも軽い音楽の方が好きです。
オートバイに乗る人は自分の命を粗末にする無謀な人だと思います。
オートバイに乗ってみたい。
私は不規則で不協和音の多い現代音楽は嫌いです。
私は不規則で不協和音の多い現代音楽を聞くのが好きです。
私は家の申で過ごすのが好きです。
私は家の中に居ると退屈してしまいます。
私はいつも同じ人に会っているとうんざりします。
私はいつも同じ人に会っていても楽しく過ごすことができます。
内容が分かっているような映画や演劇は見たくありません。
内容が分かっているような映画や演劇でも気にせず見ます。
見たことのある映画を二度も見たくありません。
何度でも同じ映画を見ることができます。
身体的に魅力のある異性が好きです。
自分と価値観が同じ異性が好きです。
性的な関係がうまくいっていればお互いに決して退屈しないと思います。
セックスの相手がいつも同じであればやがて退屈するのはあたりまえだと思
います。
結婚前のセックス体験は多い方がよい。
セックス体験は結婚後の方がよい。
毎日決まった仕事でも楽しくできると思います。
欝金決まっていない変化する仕事の方が楽しいと思います。
活気のない人や退屈な人と一緒にいるのは耐えられません。
どんな入とでも話していれば何かおもしろい事があります。
2一(3)一5) 朝里川温泉の調査における質問項目
本論において使用した「朝里川温泉イメージ調査」の質問項目を、先程の4つの次元に 対応させて記述する。
図2・11 日本語版SSSに対応させた朝里川温泉質問項目
TAS パラシュート降下をやってみたい。
Tーフィンをしてみたい。
}斜面でスキーをやってみたい。
ES 海外でのボランティア活動を経験してみたい。
sき先を決めずに無計画に旅行するのが好きだ。
Hべたことのないものを試すのが好きだ。
Dis 酒が十分にあり騒げるようなパーティーが響きだ。
Jラオケパーティーで思いつきり歌うのが好きだ。
BS 恋愛の対象として、多くの人と付き合ってみたい。
「つも顔を合わせている友人との会話は退屈だ。
Oに見た映画をもう一度見るのは耐えられない。
ニの中に居ると退屈してしまう。
第3章 アンケート調査結果(朝里川温泉)
3一(1)1朝里温泉の全体評価
朝里温泉全体に関してのイメージは以下の因子に集約された。
総合因子分析結果(顧客)
豪華・華麗 活発・陽気 有能・壮大 真心・誠意 質素・簡素 未熟・幼稚 安心・温和
洗練された 楽しい しっかりした 心安らぐ おっとりした 子供っぽい 女性的な
おしゃれな 開放的 壮麗な 家庭的な 控えめな 未熟な やさしい
上品な
Yヌ㌧
一艘 信頼できる 気の利く 地味な かわいいロマンティックな
若々しい たくましい 誠実な 穏やかな素敵な 親しみやすい 整備された 清潔な 平静な
贅沢な 活動的 男性的な 暖かい
かっこいい 明るい 落ち着いた 偽りのない ︑
平静な 魅力的な 頼りになる
気軽な 健康的
a)顧客と従業員の認知の比較
豪華華麗
活発・陽気 有能・壮大 真心・誠意 質素・簡素 未熟・幼稚 安心・温和顧客総合
3.0664747 3.3866546 3.3314532 3.6156193 3.5729305 2.5633936 3.2424314従業員総合
3.0574735 3.0946429 3.4198863 3.328◎638 2.8717308 3.3087859 2.6446836安心・温和へ ヌ\
未熟・幼稚ピギ
朝里州温泉全体(総合)
豪華・華麗
ll 話発陽気
/
ギ リ ヨつ 2﹂︑∬ /\
./
/ 一ピク▽一kみ.
淑習有能・壮大
ズ\、ア へ .ζ \
/
ノ質素・簡素ぜ
ペ
リ真心・誠意
匡縫帯
因子ごとの比較
『活発・陽気』、『真意・誠意』、『質素・簡素』、『安心・温和』の4つの因子に関しては、
顧客の平均点の方が従業員の平均点を上回る結果となった。特に『質素・簡素』因子、『安 心・濃和』因子においては顧客の平均点が従業員の平均点を大幅に上回り、従業員が認知 する以上に、顧客に『質素・簡素』、『安心・温和』のあるホテルであると認知されている ことがわかった。したがってこの側面について従業員は、今までと同じ方向性で、自信を 持ったサービスを提供していく必要がある。慮信を持つことで、顧客が感じているサービス の質の更なる向上になるのである。
次に、『豪華・華麗』、『有能・壮大』の2つの因子に関しては、従業員と顧客の平均点は ほぼ岡じになった。つまり、従業員が持つ「アイデンティティー」と顧客の持つ「イメー ジ」はほぼ一致していると言える。したがって、この側面においては今後もさらなる評価 の向上に努めるべきである。
一方、『未熟・幼稚』因子に関しては、従業員の平均点が顧客の平均点を大幡に上回る結 果となった。従業員は顧客が思っている以上に『未熟・幼稚』だと感じているので、子供 っぽさ、かわいさに関して従業員が自己満足していることになる。この点に関して改善す ることによって、今後の評価がバランスのとれたものになると思われる。
3一(2)代表的3社の比較研究
ここでは典型的な和風の旅館である宏楽園とホテル形式のマリンヒルホテル、
ペンションタイプのウィンケルをとりあげ分析を行ってみた。
a.因子ごとの比較
『真心・誠意』因子は、3社とも「気の利く」、「誠実な」などが共通して含まれ、宏楽 園の特徴的なものとして「やさしい」、 「家庭的な」などがある。『活発・陽気』因子に は、3社とも「楽しい」、「開放的な」、「元気な」、「活動的な」、「明るい」などが共 通して含まれ、マリンヒルホテルの特徴的なものとして「しっかりした」などがある。『華 麗・豪華』因子には、3祉とも「上品な」、 「素敵な」、 「かっこうよい」などが共通して 含まれ、ウィンケルの特徴的なものとして「壮麗な」がある。『有能・壮大』因子には、3 社とも「たくましい」、「頼りになる」などが共通して含まれ、宏楽園の特徴的なものと
して「贅沢な」がある。『未熟・幼稚』因子は、3社とも「子供っぽい」、「未熟な」が共 通して含まれ、ウィンケルの特徴的なものとして「かわいい」、 「地味な」がある。『質 素・簡素』因子は、3社とも「おっとりした」が共通して含まれ、マリンヒルに特徴的なも のとして「落ち着いた」、 「穏やかな」がある。『安心・温和』因子は、宏楽園とウィン ケルに共通する因子であり、「穏やかな」がある。宏楽園とマリンヒルに共通するものと して『可憐』因子があり、その中には「かわいい」、「女性的な」などが含まれる。ウィ ンケルとマリンヒルに共通するものとして『家庭的な』因子があり、「家庭的な」がある。
ウィンケルに特有な因子として、まず『磐石』因子があり「しっかりした」、 「整備され た」などが含まれ、『謙虚』因子には「控えめな」、 「偽りのない」などが含まれる。
b.重回帰分析による結果の比較
宏楽園とマリンヒルホテルでは『真心・誠意』因子が最も重要度が高く、ウィンケルで は『華麗・豪華』因子が最も重要度が高いと言える。次に重要度が高い因子は、宏楽園で は『華麗・豪華』因子で、マリンヒルホテルでは『質素・簡素』因子で、ウィンケルでは
『磐石』因子であった。
c.総合因子をもとにした因子ごとの平均点の比較
3社とも総合のグラフとほぼ同じグラフになっているが、宏楽園は、『安心・温.和』因子 が総合のグラフに比べて平均点が高く、『未熟・幼稚』因子が若干低くなっている。マリン
ヒルホテル小樽は、総合のグラフとほぼ一致している。ウィンケルは、『未熟・幼稚』因子
の平均点が総合のそれと比べて若干高く、『有能・壮大』因子の平均点が僅かに低い。
3一(3)個別施設のブランド・パーソナリティーについて
i)宏楽園
小樽朝里川温泉「宏楽園」は、木造2階建てであり、34室の客室、3つの宴会場、会議 もできるホール、レストラン、焼肉ホールなどを備えた温泉旅館である。また、ホテルの 敷地が公園のようになっており、その大庭園は、2万坪と広大なものである。そして、こ の大庭園では、春は桜、つつじ、秋は紅葉と四季の風情を楽しむことができ、庭園に面し ている全ての客室からも味わうことができる。また、この大庭園は露天風呂からも眺める 事ができる。客室は通常の和室に加え客室内に個別の露天風呂を備えた和室もある。
温泉は、ナトリウム塩の単純泉であり、効能は、皮膚病、神経痛、リュウマチ、疲労回 復、健康増進である。また、浴槽の両脇にある壁の中には青い水槽があり、その中に金魚
が泳いでいる。自慢料理は、刺身夢現、ジンギスカン、鉄板焼き、バーベキュー、コース料理であり、
仕出しも可能になっている。どちらかというと海鮮料理が主であり、小樽の地酒をそろえ るなど、郷土性にあふれている。
難点は、湯船が小さいことや露天風呂付和室にある洗い揚のシャワーが冬には凍結して しまい、使えないことなどであるが、風情あふれる温泉旅館である。
(htt://www iibe ahokkaido.co耐asariσawaolユsen1批m 平成13年12月17浸)
a)宏楽園重回帰分析結果
係数a
非標準化係数 標準化係数
一、
c@ル B 標準誤差
ベータT 有意確率
(定数) 4,343 0,051 84.93 o
真心・誠意
α234 ◎,051 0,328 4,597 0活発陽気
α107
0,◎52 0,{47 2,054 α042華麗豪華 ◎.23 0.05 ◎,327 4.59 0
有能・壮大
Oj 25 α051 Oj 73 2,425 α0書7安心・温和
「熟・幼稚
0コ31
│0,291
0,051 O,051
0,184
│0,409
2.58
│5,732
0.01霊
@ 0
従属変数:満足度
モデル集計
_
r噬
R調整済み 推定値の q2乗 R2乗 標準誤差
准
.687a 0.472 0.442 0.54
因子分析の結果、宏楽園は8つの因子に分かれた。第1因子は「信頼できる」、「やさし い」、「暖かい」、「気の利く」などの変数をもつ因子で、因子名は『真心・誠意』と名付け た。第2因子は「楽しい」、「開放的な」、「明るい」、「元気な」などの変数を持ち因子名は
『活発・陽気』。第3因子は「洗練された」、「おしゃれな」、「素敵な」などの変数で因子名 は『華麗・豪華』。第4因子は「しっかりした」、「たくましい」、「整備された」、「頼りにな る」などで因子名は『有能・壮大』。第5因子は「落ち着いた」、「心安らぐ」、「穏やかな」
などの『安心・温和』。第6因子は「子供っぽい」、「未熟な」の『未熟・幼稚』。第7因子 は「控えめな」、「地味な」などの『質素・簡素』。そして第8因子が「かわいい」、「女性的 な」の『可憐』である。
この因子を重回帰分析にかけた結果、第7因子の『質素・簡素』、第8因子の『可憐』は 有意確率を満たさないため、棄却された。残り6つの因子満足度の順番は次のとおりであ
る。
1『真心・誠意』→2.『華麗・豪華』→3.『安心・温和』→4.『有能・壮大』→5.『活発・
陽気』→6『未熟・幼稚』
この結果をみるかぎり、宏楽園は「活動的」・「明るい」・「たくましい」・「しっかりした」
などという事項よりも、「やさしい」や「暖かい」、「誠実な」などが満足度に影響するとい う結果になった。しいて言えば有能なホテルより、温情をもったホテルを顧客は求めてい るのかもしれない。従業員の「真心を持った接客」の重要度が最も高いと言える。また上 品で、おしゃれなという華々しさも満足度に高く影響しているが、そのイメージは最も高 い因子の『真心・誠実』とは相関しにくいものである。一方、3番目に顧客満足への影響度 が高い『安心・温和』因子は「心安らぐ」、「落ち着いた」などの『真心・誠意』因子と大 いに関係している。また、宏楽園の『未熟・幼稚』因子のマイナスは、満足度を下げてい ることを表している。
次に、利用客に宿泊に関する意見、感想を記述してもらった結果、全般的に落ち着いた
雰囲気や、料理・露天風呂・周囲の自然が好評であったが、その反面、洗練されたイメー
ジとはかけ離れた地味なイメージが強いとの声が多かった。そして、特徴が弱いとの声も
あった。宿泊した結果、満足した利用客が多いが、予想よりも満足したとの意見が多く、
の対策としては、宣伝効果に重点を置き、たとえ地味なセールスポイントであろうとも、
暖かさや誠実さ、気の利いた信頼できるホテルといった『真心・誠意』、そして落ち着いた 雰囲気で心安らぐといった『安心・温和』のイメージを効果的にアピールする必要がある。
そして周りの自然を十分に生かし、従業員の「真心」を持った接客態度と、ホテルとして も気の利いたサービスと配慮をこれからも徹底していく必要がある。
b)顧客の施設個別評価と朝里全体の評価
豪華i華麗 活発・陽気 有能・壮大 真心・誠意 質素・簡素 未熟・幼稚 安心・温和
総合
3.075885 3.38848 3.311フ48 3.549975 3.540928 2.575971 3.390114宏楽園
3.29362 3.48699 3.58487 3.790967 3.753887 2.331761 3.748367宏楽園
安心・温和べ、
未熟・幼稚ヒ弄!ギ
質素.簡素/
豪華華麗
ズ咲
ン真心・誠意
。).顧客と従業員の認知の比較
藁華・蘂麗 活発・陽気 有能・壮大 真心・誠意 質素・簡素 未熟・幼稚 安心・温和
従業員
2.657143 2946667 3.◎G8333 2.9{4286 3.2333332.4
3.3111穏顧客
3。29362 3.48699 3。58487 3.790967 3.753887 2.33梓61 3.748367安心・温和べ
_ヒバ
未熟・幼稚 一ヒ宏楽園
豪華華麗 llノ鵬気
\了レ/1
\
質素・簡素 ㌧真心・誠意
一顧客 齒]業員
宏楽園では、『未熟・幼稚』因子が顧客、従業員両方の平均点が、ほぼ等しくなった他 は、どの因子においても顧客の平均点が、従業員の平均点を上回る結果になった。中で も、『真心・誠意』因子の平均点は、大幅に顧客のほうが上回っていた。これは、従業員 が認知しているよりも、顧客は『真心・誠意』があるホテルだと認知しているというこ
とである。『華麗・豪華』因子、『活発・陽気』因子、『有能・壮大』因子、『質素・簡素』
因子、『安心・温和』因子でも、同様のことが言え、全体的に宏楽園では、従業員の持つ
「アイデンティテ、イー」よりも顧客の持つ「イメージ」の方が、良い評価になっている
ことがわかった。この結果から、従業員よりも顧客の方が自社に対して、高く評価していることがわか
った。したがって、従業員は、今までと同じ方向性で、自信を持ったサービスを提供し
ていく必要がある。自信を持つことで、顧客が感じているサービスの質の更なる向上にな
るのである。iのマリンヒルホテル小樽
艮㌧
強
正式名称は、「朝里川温泉北海道船員保険健康福祉センター マリンヒルホテル小樽」と いい、公営保養施設である。このホテルは、小樽市の都市景観賞を受賞しており、美しい 建物が魅力となっている。また、朝里川温泉の温泉街にあるのではなく、札幌から小樽市 外を通らずに、キロロスキー場に行くための抜け道にある。そのため、スキー帰りの客な
どが多い。
施設は、2階建てであり、和室16室、洋室14室、特別室2室を有し、ロビー、ティー ラウンジ、バーベキューコーナー、トレーニングルーム、大広問、宴会場、パークゴルフ 場18H、テニスコート4面などを備えている。
温泉は、ナトリウム硫酸塩泉であり、神経痛、筋肉痛、動脈硬化、五十肩、運動麻痺、
冷え性などに対する効能を持っている。しかし、内風呂と小樽、石狩湾を見ることのでき る展望風呂は有しているが、露天風呂は無いという点が難点である。
(htt:〃www iibe・ahokkaido co. /asari翫waonsenl hも皿 平成13年12月17臼)
a)マリンヒルホテル重回帰分析結果 係数a
非標準化係数 標準化係数
一 c@ル B 標準誤差
ベータ t有意確率
(定数) 3,781 G.05 75,247
0
活発陽気
ω01
0.05 Oj 38 2,007 0,04フ華麗豪華
α194
G.05 0,265 3,862 0質素・簡素 ◎.23肇
0,◎49 ◎,321 4,674 0真心・誠意
α276 0.05 α38 5,537 0可憐
0,1壌5 0,049 0.16 2β25 0,022従属変数;満足度
モデル集計
_
c@ル R R2乗
調整済み
q2乗
推定値の
W準誤差
望
.604a 0,365 0,34{ G.6
因子分析の結果、マリンヒルホテル小樽は宏楽園と同じく8つの因子に分類された。第1 因子は「楽しい」、「元気な」、「活動的な」、「明るい」などで、因子名は『活発・陽気』と
した。第2因子は「洗練された」、「おしゃれな」、「上品な」などで、因子名は『華麗・豪 華』。第3因子は「落ち着いた」、「控えめな」、「穏やかな」などの『質素・簡素』。第4因 子は「気の利く」、「誠実な」、「暖かい」などの『真心・誠意』。第5因子は「壮麗な」、「た
くましい」、「頼りになる」などの『有能・壮大』。第6因子は「かわいい」、「女性的な」の
『可憐…』。第7因子は「子供っぽい」、「未熟な」の2つで、『未熟・幼稚』とした。そして 最後の第8因子は「家庭的な」で『家庭的』である。
この因子を重回帰分析にかけた結果、第5因子の『有能・壮大』、第7因子の『未熟・幼 稚』、第8因子の『家庭的』の3因子は、有意確率を満たさないため棄却された。棄却され なかった5つの因子の満足度の順番は、第4因子『真心・誠意』→第3因子『質素・簡素』
→第2因子『華麗・豪華』→第6因子『可隣』→第1因子『活発・陽気』となった。
この結果をみるかぎり、マリンヒルホテル小樽は、「洗練された」・「上品な」・「素敵な」
といった設備面での豪華さよりも、「誠実な」、「暖かい」、「気の利く」といった従業員のサ ービスに対する重要度が高いことがわかる。
次に、利用客に宿泊に関する意見、感想を記述してもらった結果、海・山・小鳥など周 囲の自然環境に恵まれていることや、料理、ゆったりと落ち着いた雰囲気が高い評価を得 ていた。その反面、地味なイメージ・存在感の不足などの声が多く、PR力の低さが目立っ ている。また、露天風呂がないことへの不満の声が多かった。
したがって、これからの対策としては、好評を得ている豊かな自然を維持することと、
海の幸・山の幸をふんだんに使った料理のPRに力を入れる必要がある。また、分析の結果 から、従業員のサービスに対する重要度が高いことがわかったが、アンケート結果からは それらに対する不満の声は見られなかった。よって、従業員のサービスは比較的質が高い
と考えられるので、今後もそれを維持または向上させていくことが重要である。
b)顧客の施設個別評価と朝里全体の評価
豪華華麗
活発・陽気 有能・壮大 真心・誠意 質素・簡素 未熟・幼稚 安心・温和総合
3.075885 3.38848 3.31雪748 3.549975 3.540928 2.575971 3.390114 マリンヒル 3.059416 3.381392 3.280357 3.495468 3.547872 2.643868 3.454545マリンヒ:ルホテル
︑
安心・温和・、
未熟・幼稚ピビ竿
麗
華工 華54 豪
ξ /活発・陽気
済〜_騰壮大
/\
=聾朔
メ
質素.簡素・ど
歳
㌧真心・誠意
。)顧客と従業員の認知の比較
簗華華麗 活発陽気
有能・壮大 真心・誠意 質素・簡素 未熟・幼稚 安心・温和従業員
2.357143 2.983333 2.79肇667 2.916667 3.1875 2.527778 2.972222顧客
3.059416 3.38{392 3.280357 3.495468 3.547872 2.643868 3.454545マリンヒルホテル
藻華華麗
_臥嘱/活_
/ \
蘇簾/ 回心.講
巨翻
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