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固定資産再評價の會計實務

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(1)

固定資産再評價の會計實務

著者 酒井 文雄

雑誌名 關西大學商學論集

巻 創立七〇周年記念特輯

ページ 143‑167

発行年 1955‑11‑04

URL http://hdl.handle.net/10112/00022229

(2)

固定賓産再評価の会計実務︵酒井︶ 企業の生産性向上や産業合理化の掛声とともに︑従来主として財務会計の領域に大きな影孵力を与えてきた固

定資産再評価の問題は︑

かにみえる︒けれども︑固定資産再評価の問題は︑戦後のわが国における企業会計を考察するに際して︑見逃し

えない主要な会計問題の︱つである︒それは︑昭和二十四年一月の税制審議会の中間試案︑同年九月のツヤウプ

税制勧告に始まり︑二十五年四月の第一次再評価︑二十六年四月の第二次再評価並びに二十八年八月の第三次再

評価をへて︑二十九年六月の企業資本充実法となって︑今日なおわが国企業の会計実践を大きく規制しているか

筆者は従来︑この問題を︑主としてその政策的な側面或はイデオロギー的な側面においてとり上げてきたので

( 1 )  

あるが︑小稿ではその技術的な側面を若干考察し︑問題の全体的な構造を明らかにする一助たらしめたいと思

( 2 )  

う︒以下︑この問題を︑m再評価限度額の計算︑②再評価の蒋記的・法的手続︑③再評価の損益並に再評価税と

固 定 資 産 再 評 債 の

いわゆる管理会計の領域に属する原価管理や内部統制の問題にその華かな宅役を譲った

會 計 質 務

143 

(3)

いう順序で考察する︒なお︑説明の便宜上︑小稿では︑再評価資産の主要な内容をなす株式会社︵鉱業部門を除く︶

の有形減価償却資産のみを︑その対象とする︒土地︑株式或は無形資産等についても考察の必要なことはいうま

(1

) 拙稿﹁

MSA

体制と再評価問題﹂︵経済評論︑昭和二十九年一月号︶︒

﹁贅産再評価と中小企業﹂︵同盟時報︑昭和二十九年三月号︶︒

I I

﹁固定賓産再評価の狙うもの﹂︵木村和三郎編︑﹃資本蓄積と企業会計﹄︑昭和三十年八月二十五日森山容店刊に

(2)

株式会社の資産再評価関係の法規・源華としては︑い贅産再評価法︵再評価法︶︑②資産再評価法施行令︵再評価法

施行令︶︑⑥資産再評価法施行規則︵再評価法施行規則︶︑④査産再評価の某準の特例に関する省令︵再評価基準の特

例に関する省令︶︑固資産再評価審議会令及び贅産再評価調査会令︑固株式会社の再評価殺立金の資本組入に関する

法律︵査本紐入に関する法律︶︑切賓産再評価法某本源逹︵再評価法某本通逹︶ヽ⑥企業査本充実のための喪産再評価

等の特別措置法︵企業資本充実法︶︑囮企業贅本充実のための資産再評価等の特別措低法施行令︑

U O l

企業養本充実の

ための資産再評価等の特別措置法施行規則︑皿企業査本充実のための資産再評価等の特別措骰法の取扱︵企業査本充 実法の取扱︶等々のものがあるが︑小稿では︑右のい︑図︑⑥︑ぃ︑固

m

U l l

について括弧内の略称を用い

る ︒

怠激な貨幣価値下落の下で︑

金価格︑外国為替相場等がとり上げられ 一体何が最も正当な貨幣減価率の評価基準11換算基準であるかということは︑時

系列的な貨幣計算をその主要な内容とする企業会計にとつてーつの大きな難問であり︑この評価基準11換算基準

でもないが︑小稿ではこれを割愛する︒

144 

(4)

tA

固定資産再評価の会計実務︵酒井︶ 再評価額の計算公式とその応用例

ということになる︒ る︒しかし乍ら︑物価変動は直ちに貨幣価値変動でないということ︑国内貨幣は現在一般に金本位制を離脱して管理通貨制の下にあるということ︑外国貿易は今日自由貿易の段階から管理貿易の段階に移行しているということ等からして︑これらの評価基準は凡て大きな制約をもつものである︒かくして︑今日︑企業がこれらの評価基準によって評価替

11再評価を行うときは何時でも︑これらの評価基準が成立する如き特定の諸条件が仮定される

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14/S 

(5)

のようになる。

(m) (0.1) ̲! 巴...(3) I

そこで今、取得原価1,000,000円、取得時の物価指数20、耐用年数20年の有形減価償却資産があって、半年を一期に定

率法で取得後10年末まで減価償却してきたが、これを物価指数8,000の取得後11年目の年度初めに再評価するものと

すれば、この再評価額は、(3)式から次のように計算される。

(lo) =l, 000, OOOX (0.1)  8,000 20 =1, 000, OOOxO. 3162X400 

126, 480, 000(円)

所で、わが国の再評価法に別表として附されている再評価倍数表は、即ち右の計算を簡便化するために、日銀卸売物

価指数に基づき、耐用年数を横軸に、取得の時期を縦軸にして、

(1)式における(1‑r)mx̲̲̲!!!̲(3)式における(O.l)nx~ II

を表式化したものである。

[~) 圏揉追m11. 名全心虻茎垣竪述群Q芦蒜

圏揉阜,坦11.,l-,1~ 廷,~*涎垣恙葉崇測Q)lit揉阜縣辻'苅溢嶽淵Q盗要単縣足,\JQ盗蓉Q堂亜'喧HEltl-緑涙'.::,11. 

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100~圧且苦旺母蕊11十ば母(巴曾正母縣嵌や廷捻蓋赳る蓋咲轍辻11十印li!‑)Al盗意堂巽智品十母4みふ~&名

9S‑

(6)

1 紡毛紡績設備の第三次再評価限度額 設 備 種 類 1

塁酎悶は

1酎噂1

は 翡

万円

洗 毛 化 炭 設 備 10  15  19 

反 毛 設 備 10  12  9.5  95  調 合 設 備 15  25  58  870  紡毛及び精紡殴備 30  25  58  1,740  毛 染 設 備 15  14  15  225  20  20  38  760 

100 22)1 (46) a. sso 

る再評価倍数五一を乗じて︑

五 ︑

算方法を採用することも認められている︒

JO

O万円と算出される︒

所で︑同様な方法によって︑第一次再評価以降の五〇%の物価上昇率を加味しているといわれる第三次再評価 の基準日︵昭和二十八年一月一日︶における限度額計算を行おうとする場合︑

が問題となるのであるが︑

昭和二十六年五月における固定資産 則として最も細分された耐用年数による﹂ものとしているから︑これに則

して計算すると第一表の如くなる︒但し︑この場合︑新耐用年数が旧耐用 年数よりも短く︑従って再評価限度額の縮減を生じているので︑右の計算 方法をさけて︑再評価法第十七条第一項の但し害に則して︑次のような計

g辛 塁 磨

︑ ー 青 き

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5,   10 07 JP

13  x .Sx0.912 

0. 90 1 1 1 6

2,   86 0,   96 13 P3  

 

われわれが再評価法に基づく再評価限度額の計算を考察した湯

再評価法基本通達第六十八条は﹁原

(7)

れるかは︑後述する所である︵次節

F

づく同一資産の再評価限度額のひらきが︑ 小を示すかを︑増田金六氏の研究からうかがつてみよう︵第二表参照︶︒ に︑昭和十二年に一万円で取得された同種類の変圧器の再評価限度額が︑その所属する業種によってどれ程の大

得価額相当額を帳簿に計上した資産︑

われわれは︑さきの第三次再評価の二つ の限度額計算の示したひらき以上のひらきを︑ここに読みとることができるのである︒この耐用年数の相異に基

l企業内における同一資産の使用目的の変更としてどのように運用さ 第二に指摘しなければならない点は︑その計算対象の巾の広さ或は不明確さということである︒再評価法に基

づく再評価限度額の計算は︑い未稼仇資産の再評価に係る分も含んでいるし︵再評価法某本通逹第五条︶ヽ②基準日 に帳薄価額のない若干のもの︑例えば︑①総合償却の方法により償却済の個々の資産

まれる︶︑R在外資産︑④指定を解除された賠償施設等の再評価に係る分も含んでいるし︵再評価法第七条︑再評価 法某本通痙第四十条︶︑また︑③取得時期や取得価額の不明な資産の特定の推定方法に基づく再評価に係る分も含 んでいるのである︵再評価法第三十三条︑再評価基準の特例に関する省令第一条ー第四条︶︒

要するに︑幾つかの仮定の上に相当な弾力性を与えられた計算︑これをわれわれは︑再評価法に基づく再評価

のというよりも︑法定された耐用年数が本来的に荷った性格という処に︑ 再評価限度額の巾の大いさという点である︒しかも︑

⑨再評価日直前にその取

より重要な問題をもつている︒

因み

合︑まづ第一に指摘しなければならないのが︑右のような耐用年数における弾力性︑従つてまたそこから生ずる

この点は︑右にみられたような耐用年数の改訂に基づくも

1116 

(8)

旧再評価限度額の業種によるひらき

I電 気 1悶盃1製 鉄1:麿I石 炭Iソーダ

税制耐用年数 40  30  25  18  12 

:  ; : :  限 : :;   :

0

円   : ・ ・ :   ・ ・ : : ・ ・ I

I

(註)後褐「企業と税制改革」 P.220より。昭和12年に1万円で施設した 変圧器の再評価限度額。

第 2表

10  7.9  7.9 

二︑再評価の簿記的・法的手続 固定資産再評価の簿記的・法的手続は︑再評価法をはじめとする一連の諸 法規に則し乍らかなりの年月にわたつて行われるのであるが︑ここではその

再評価積立金の計上

再評価を行った法人は︑

第二会社特別勘定の債却に充てた金額を控除︵再評価法第百一条︑次項

B

した残額を再評価積立金として積み立てなければならない︵再評価法第百二条︶︒

今前掲第一表の場合で︑右の控除額が全くないとすると︑その仕訳は次のよ

調 紡毛及び精紡設備

0

0

二 ︱

0

0

0

竪前における帳疱価額を控除した金額ー再評価法第四十条︶から損失のてん補又は

再評価に係る再評価差額︵再評価額から再評価

n CAU  骨組をうかがうことにする︒ 限度額計算の基本的な特質とみなければならないと思う︒

9

(9)

但し︑この場合︑当該資産について再評価前に償却否認額があり︑或は当該資産の最初の帳簿価額がその取得 価額に満たないものであったとしたら︑これらの金額を当該資産の帳簿価額に加算した金額をもつて再評価差額

これに基いて再評価積立金を計上するのである︒

また︑再評価積立金の計上は︑

商法第二百九十七条の規定︵社慨発行限度額の規定︶との関係を生ずるのである が︑この点について︑第一次再評価では﹁再評価日以後一年間は再評価積立金の額の四分の一︑再評価日から一 年を経過した日以後一年間は再評価積立金の額の四分の二︑再評価日から二年を経過した日以後は再評価積立金 の額の四分の三に相当する金額﹂を︑第二次再評価では﹁再評価積立金の額からその納付すべき再評価税額︵*

税のみ︶を控除した金額の四分の三に相当する金額﹂を︑夫々資本及び準備金の総額に算入することを認めてい たが︑第三次再評価以後は﹁再評価積立金の額からその納付すぺき再評価税額︵本檻のみ︶を控除した金額の十 分の九に相当する金額﹂を資本及び準備金の総額に算入することを認めている︒但しこの場合︑再評価申告書の 再評価を行った法人は︑当該再評価に係る再評価差額或は再評価積立金の額から納付すべき再評価税額︵本醗

のみ︶を控除した金額の範囲内において︑ C

B

但し法人税法第十六条に規定する積立金額︵企業再建整備法第三十四条の 四第一項及び第四項の規定によるものを除く︶がある場合にはその積立金額をこえる金額の範囲内において︑

補てんすることができる︵再評価法第百一条及び第百七条第三項︶︒

再評価差額及び再評価積立金による欠損金の補てん 提出が要件とされている︵再評価法第百十二条︶︒

損失を

150 

(10)

C

今前設例の場合︑後述免除額が全くないものとすれば︑

人税法第十六条に規定する積立金が一︑

000

万円あるものとすれば︑再評価積立金三︑七八

0

万円から再評価 税ニニ六・八万円と積立金一︑

000

万円とを差引いた残り二︑五五三・ニ万円が︑欠損金補てんに充当しうる

00 0

今︑前設例会社の会計期間が一年

その再評価税は二二六・八万円となる︒従って︑今法 一 ︑

000

万円の欠損金を再評価積立金で補てんした時の仕訳は︑次の

00 0 そしてこの場合︑法規は右の事実の貸借対照表における明示を要求している︵再評価法第百一条第三項︑再評価法 施行令第十五条︑再評価法甚本通翔第百八十条︶︒また︑青色申告の承認をうけている法人においては︑再評価差額並 びに再評価積立金をもつて補てんした損失は︑補てん後においても法人税法の規定による繰越欠損金として取扱 われるのである︵再評価法某本遥逹第百八十一条︑法人税取扱通瀦八

0)

再評価後の減価償却 法人が再評価を行った減価償却資産については︑再評価日以後においては︑

規定により計卵した償却額︵残存耐用年数ではなく︑その資産の法定耐用年数によって計鉢した慨却額ー再評価法基本通達 第二百三条︶を必要経費に算入することになっている︵再評価法第百二十一条︶︒

その再評価額に基いて法人税法の で︑その決算日が十二月三十一日であるとすれば︑この会社の再評価後第一年目の決算における減価償却は︑次

のようである︒ 最高限度額ということになる︒そこで︑

151 

(11)

この損失は法人税法の規定による所得の計算上損金に算入され︑従ってまたその損失に相当する金額の再評価積 立金の取りくずしを必要としないのであるが︑その資産についての再評価税は当該資産が滅失又は廃棄された日 を含む事業年度終了の日からニヶ月以内に納付しなければならない︒但しこの場合︑その損失に相当する金額の 再評価積立金をとりくずして︑再評価税の免除をうける方法もある︵再評価法第八十七条︑再評価法某本通達第百三十

再評価資産が災害︑破損︑老朽︑盗難︑

[D

u 

三九0•

三二五万円

調

0

七六•五六

0万円

0

00

0

この場合︑再評価時の貨幣価値による旧取得価額の一割を残存価額とするのでなく︑再評価額の一割を残存価 額とすることによって︑償却累計額がそれだけ大きくなっていることに注意しなければならない︒即ち︑右の資

再評価時の貨幣価値による旧取得価額の一割を残存価額とするのであれば︑

︵昭和二十八年一月一日︶において三百六分の一に低落しているから︑その残存価額は三

0︑六

00

万円の一割三︑

00

万円となるのであるが︑再評価額三︑八八

0

万円の一割︱︱一八八万円を残存価額とすることによって︑その 差額二︑六七二万円だけ再評価後の償却累計額が大きくなっているのである︒

再評価資産の滅失又は廃棄

貨幣価値は再評価時 その他の事由により滅失︵一部毀損の場合を含む︶又は廃棄された時︑

lll2 

(12)

A帳簿価額以下で譲渡し又は贈与した場合>

再評価資産の譲渡又は贈与

A

帳簿価額以上で譲渡した場合>

さきの設例で︑前項

D

と同じ時期に洗毛化炭設備簿価一六三

O

二万円を一八0

万円で譲渡したとすると︑そ の仕訳は次の如くなる︒

一 八 0

この場合︑右の資産の再評価税未納分は︑当該事業年度終了の日からニヶ月以内に納付しなければならない 再評価した減価償却資産を再評価日から昭和三十六年十二月三十一日︵第一次再評価では二十九年十二月一

11+

a

第二次再評価では三十年十二月三十一日となっていた︶を含む事業年度終了の日までに︑当該資産の帳簿価額以下で譲

CE

A1

A2

10•000

万円

六条及び第百八十六条︶︒今前設例において︑再評価実施後第一年目の決算の直後に反毛設備七八・三七五万円を火 災で焼失したとすると︑

その仕訳は次のようである︒

︵貸方︶反毛設備

︵貸方︶反毛設備

一六三•O二万円

153 

(13)

渡し又は贈与した場合において︑再評価積立金が計上されている間は︑その差額に相当する金額の再評価積立金 をとりくずさなければならない︵再評価法第百四条第一項︶︒今︑右の洗毛化炭設備が或は一五

0万円で譲渡され︑

或は無債で贈与された場合を想定すると︑仕訳は夫々次のようになる︒

0 一 五

0

0

―――-•O二万円五三•O

二万円_

10

0

0

この場合︑再評価積立金のとりくずし部分に対する再評価税は免除される︵再評価法第八十四条︶︒なお︑右三例 の場合何れも︑その再評価税納付期限までに所轄税務署長にこれらの事実を届け出なければならないことになっ 再評価積立金の修正

再評価積立金の修正が行われる主要なケースは︑①特別の事由に基づく再評価資産の帳簿価額の減額︑②再評 価資産の用途変更に基づく帳簿価額の増減︑③再評価額︑再評価差額︑再評価積立金の更正︵再評価法第七章︶に 基づく帳簿価額の増減の三つに要約される︒

第一のケースは︑再評価資店がその再評価日から昭和三十六年十二月三十一日を含む事業年度終了の日まで に︑①その時価が再評価後の帳簿価額以下に低落したり︑

れず︑当初の再評価額では今後の企業経営に重大な支障を生じたり︑R企業合同により設立された法人が事業を t

Fu

 

R企業の牧益率が悪化し又は予想された牧益率がえら

O

一六三•O二万円

154 

(14)

解体︵一部解体を含む︶する場合に残余財産の分配や減資の対価として株主又は社員にその出資した資産を譲渡す る等といったやむをえない事情のために︑帳簿価額が減額される場合である︒この場合︑再評価稲立金が計上さ れている間は︑その減額した日においてその帳簿価額の減少額︵減額した後の帳鍛価額が再評価日の直前における当該 簿 りくずさなければならない︵再評価法第百四条第二項︑再評価法某本通痙第百九十一条︶︒

場合と同様である︵再評価法第八十四条︶︒

たらした場合に想定される︵再評価法某本通逹第七十条︶︒この場合︑

に相当する金額の再評価積立金をと

なおこの場合︑

積立金をとりくずした金額に相当する評価損に対しては商法第二百八十八条二第三号の規定︵財産評価担益の相殺 規定︶は適用されない︵再評価法第百十条ノニ︶のであるが︑そのとりくずし部分に対する再評価税の免除は前項の 第二のケースは︑例えば二つの再評価日︵第三次再評価は昭和二十八年と昭和二十九年と二回の再評価を認めている︶

の間に︑再評価資産の用途が変更され︑耐用年数に変更を生じ︑従ってまた当該資産の再評価限度額に増減をも

減額については第一のケースに包含されると 思われるが︑問題は増額の場合である︒そして︑この増額部分に対する再評価税の納付は︑増額される以前の当 該皆産に係る再評価税とは別個に︑増額の行われた事業年度から行えばいいのである︵再評価法第五十一条第二項︶︒

第三のケースは︑法人の再評価額︑再評価差額︑再評価積立金の計算が誤つており︑或は法規に定める限度額 を超えている時に︑国税局長又は税務署長の更正が行われる場合である︒この場合︑当該法人は︑その通知を受

けた日において︑

その更正に係る項目とそれに係る再評価積立金の金額を修正しなければならない︵再評価法第百

1/J/j 

(15)

G u

今︑前の設例における反毛設備︵紡毛紡績部門︶が第一回目の再評価後新設の和紡部門に用途を変更され︑しか

もこの設備についてのみ︑再評価法第十七条第一項但し書の規定に基いて︑第一回目の再評価日からちょうど一

年目の日を再評価日として第二回目の再評価を行う︵再評価法某本通逹第六十九条︶と想定する︒この場合︑反毛設

備の再評価限度額は前節B項④式で算定され、この金額は四二五•四八四万円となる。そして反毛設備の帳簿価

額はこの時七八・三七五万円となっているから︑

0

各事業年度︵事業年度が年一回の法人は非 この差額三四七・一〇九万円を前掲A項のように記帳すればよ

三四七•

10

次に︑前の設例で極度の営業不振のため︑紡毛及び精紡設備を五

0

万円減額したとすれば︑この仕訳は次の0

如くである︒

00

第三のケースは︑右の何れかの仕訳の方法に則して行えばよいのである︒

再評価税の納付

再評価を行った法人は︑その再評価差額の六劣に相当する再評価税を︑再評価日を含む事業年度から再評価日

以後五年を経過した日の前日を含む事業年度までの各事業年度終了の日からニヶ月以内に︵第二次再評価までは三

いことになる︒

00

1.56 

(16)

CH u 

課税法人及び特別の法人を除き︑六ヶ月を一事業年度とみなされる︶の月数に応じ均分して納付しなければならない︵再 評価法第三十七条︑第四十四条︑第五十一条︑再評価法施行令第十一条︑再評価法某本通達第四十七条︶︒

評価税︵この場合︑これに対する利子税︑加雰税を含む︶を納付した場合︑当該法人が再評価積立金を計上している間 は︑その納付した日において︑

ものとみなされ︑

利子税も加算税もなかったものとすれば︑

今︑前の設例で考察するならば︑この場合再評価日以後六ヶ月経過した日をもつて最初の事業年度が終了した

この納付金額は

3,780xーーーXー—_11

22

.  6

87

IP

3

であるから︑これをニヶ月以内に納付して

100 60 

この仕訳は次のようである︒

︵借方︶再評価税

なお︑この場合の税額計算において︑課税標準である再評価差額については百円未満︑算出税額については十 円未満の金額は何れも切捨てることになっている︵再評価法第八十九条︶︒

次節再評価の損益で取扱うことにする︒

再評価積立金の資本組入 法人は︑再評価積立金として積み立てた金額からその納付すべき再評価税額︵本税のみ︶を控除した金額の十分 の九︵第一次再評価の規定は事実●実効性がなかった︒第二次では四分の三となっていた︒︶に相当する金額の範囲内におい

︵貸方︶再評価税

この再評価税の延納︑免除については︑

その納付した税額に相当する金額の再評価積立金をとりくずさなければならない

そして︑法人が再

1.57 

(17)

て︑再評価積立金を資本に組み入れることができる︒但し︑当該部分の再評価税の完納を条件として︑第二次再評価 までに係る部分については直ちにその全額を︑また第三次再評価に係る部分については昭和三十二年一月一日以 後においてその全額を︑資本に組み入れることができる︵再評価法第百九条︑喪本組入に関する法律第一条ー第十三条︶︒

今︑前設例で︑再評価後第一年目に三︑

二六・八万円を控除した金額の十分の九︶を資本に組み入れるとすると︑

一九七・八八万円︵再評価殺立金三︑七八

0

この仕訳は次のようである︒

この場合︑再評価積立金の特殊な性格とその資本組入の影響の大きさから︑取締役会の決議︵商法第二九

株主総会の特別決議︵商法第三百四十三条︶を要すること

4されている︵賓本

組入に関する法律第二条︶︒また︑右の限度額一杯の組み入れ︵納付すべき再評価租額を控除した金額の十分九︶を行った 時は︑その未納の再評価税︵延納分を含む︶を組み入れた日を含む事業年度終了の日から六ヶ月以内に納付しなけ ればならず︑その納期限までに所轄税務署長に資本組入の旨を届け出なければならないことになっている︵再評価

再評価が具体的に実施される運びとなった当初︑即ち昭和二十四年下半期から昭和二十五年にかけてやかまし く論議され︑その後も主として再評価税の廃止ないしは軽減の問題として執拗に取扱われてきているのが︑再評

158 

(18)

A

再評価に伴う租税負担の計量公式

価の損益

11

再評価に伴う租税臼担の計措の問題である︒再評価の主要な狙いの一っが租税負担の軽減を通じての 企業における脊本蓄積にある以上︑けだし︑この問題は個々の企業にとつて重要な意味をもつことになるからで 再評価の損益

11

再評価に伴う租税負担の計自軍は︑

額︑③法人税をはじめとする年度所得税軽減額の関係を等比級数と複利現価の計算で公式化し︑これに所与の数 値を代入したものを対数計算を利用して算定することによって︑行われる︒こ

4

では︑その一例として︑企業研

究会の木戸︑内山両氏の算式︵後褐﹁企業と税制改革﹂を参照︶を借りることにする︒

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一般に︑再評価による

5再評価税負担額︑②固定資産税増加

159 

参照

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