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特集 コンピュータとデータ解析・ビジュアリゼー ション

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Academic year: 2021

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特集 コンピュータとデータ解析・ビジュアリゼー ション

著者 久本 博行

雑誌名 関西大学社会学部紀要

巻 34

号 2

ページ i‑ii

発行年 2003‑03‑24

URL http://hdl.handle.net/10112/00022318

(2)

特集 コンピュータとデータ解析・ビジュアリゼーション

現代社会のあらゆる場面においてコンピュータが使われるようになって久しい。学問の 世界においても例外ではなく、社会科学に限っても多くの分野でコンピュータが使われて いる。従来であれば、統計解析に使われるのみであったものが、シミュレーションの道具 や実験機器としても使われるようになってきた。

今回の特集では、まずコンピュータの誕生以前からありコンピュータの発達とともに進 歩してきたデータ解析の手法の一つである因子分析法について清水が述べる。清水の「因 子分析における探索の意味と方法」は構造方程式モデリングによる検証的あるいは確認的

( C o n f i r m a t o r y )

な方法論が主流になっている中で、探索的

( E x p l o r a t o r y )

因子分析の 方法論についてその意義を再検討したものである。共通因子分析モデルの解説から始まり、

最小二乗法、最尤法、構造方程式モデリングといった解の推定方法の違い、探索的因子分 析で重要な因子数の決定と軸の回転の問題などについて数値例を使いながら詳細に検討し ている。

次の久本による「

I n t e r a c t i v e

因子分析システム」は探索的因子分析の方法論を今最も普 及している

Windows

上で行えるようにしたソフトの作成について述べたものである。イ

ンタラクティブでかつビジュアリゼーションという点では市販のソフトにも負けないぐら いの性能をもったものである。

3

番目は清水による「構造方程式モデリングによる平均構造の解析モデル」である。先 に述べた探索的因子分析モデルでもそうであるが、これまでの多変量解析法は

S t a t i c

な特 性を捉えることはできるのであるが、

Dynamic

な変化(例えば時系列の変化)を捉えるの は不得手である。それに対して近年発達してきた構造方程式モデリングでは、そうしたも のもモデル化でき、変化を捉えるような研究においては有力な方法論になってきている。

この論文では実際の分析事例をもとにモデル化のプロセスを開示し、従来の方法とどのよ うに違うかを明らかにしてくれている。

以上

3

つの論文は、コンピュータとデータ解析そしてそれに付随するビジュアリゼーシ ョンについて述べたものであるが、最後の雨宮・水谷による「人間関係ネットワークの視 覚表示ツールについて」は、人間関係を視覚的に表す方法とそれをコンピュータ上で実現 した視覚表示ツールを紹介したものである。コンピュータの応用という観点では前の

3

の論文が古典的なコンピュータ応用の延長上の新展開であるのに対し、雨宮・水谷のもの

(i) 

(3)

は最近になって実用化されるようになったコンピュータ応用分野をあつかったものであ る。これからの研究の展開を大いに期待したい。

私がコンビュータを初めて使ったのが今から

3 0

年程前になるが、そのころ使っていた汎 用大型コンピュータの主記憶容量と、今こうして論文を打っている机上のパソコンの主記 憶容量を比較すると約

8 , 0 0 0

倍の違いがある。このようにコンピュータの発達は目覚しく、

3 0

年前には難しかった計算も今は難なく解いてしまう。そして、コンピュータ技術の進歩 は、次々と新しい学問分野をも生み出している。今回の特集が読者に新しいコンピュータ の応用分野を生み出す刺激となれば幸いである。

最後に少しこの企画が生まれたいきさつについて述べておきたい。一昨年秋、本学名誉 教授の辻岡美延先生が亡くなられた。清水からの提案で、先生のもとでこれまでに多くの 成果を問うてきた『社会学部紀要』に、辻岡先生の追悼の論文集を出そうということにな って、この企画が生まれたのである。辻岡研究室で長年研究されてきた探索的因子分析法 について、清水がその伝統と現代的な意味を理論的に問い直しながらまとめることになり、

そこで開発され使用されてきたソフトをパーソナルコンピュータ上で実現できるように久 本が作成し直すことになった。さらに、辻岡先生は

S c r e e

S t r a t a

R o t o p l o t

などの手法 で解析結果を視覚的に捉えようと努力してこられたことをふまえ、雨宮がコンピュータ・

ビジュアリゼーションについて書くことになった。追悼論文集としては少し時宜を逸した 感もありこの特集号では特に追悼論文集としてはいないが、このような経過で生まれたこ

とをお含みいただければと思う。

久 本 博 行

(ii) 

参照

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