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博士学位論文

アメリカの市場重視型の医療保障政策

― 地域市場とコミュニティ組織と政府部門 ― 要旨

櫻井 潤

【論文の要旨】

1 本研究の目的と意義

本研究の目的は、市場を重視するアメリカの経済社会を最も強く体現する医療保障政策 および医療保障財政の本質を明らかにするために、1990年代後半から2000年代にかけて 行われた公的医療保障制度(公的医療保険と医療扶助)の再編が、医療保障システムにお いて最も重要な規定要因である地域市場(各地域の医療サービス市場・医療保険市場)の 構造変化に即してプライバタイゼーション(privatization)を軸に行われた結果、問題が 解決されないまま連邦財政負担が大幅に拡大したことを実証的に明らかにすることである。

アメリカの医療保障政策の課題は、個人・企業・政府の医療費負担の抑制と、すべての 国民に対する十分で確実な医療保障を同時に達成することである。

アメリカの医療費水準は先進諸国の中でも突出して高く、個人・企業・政府の医療費負 担の高まりが、アメリカ経済の成長とアメリカ社会の安定を阻害する要因として問題視さ れている。

一方で、日本やヨーロッパ諸国とは異なり、アメリカにはすべての国民を対象とする公 的医療保険または公的医療保障制度が存在せず、国民皆保険(National Health Insurance)

が実現していない。2009 年には、65歳未満の現役世代を中心に国民の過半数が、民間企 業や連邦・州・地方政府などの雇用主から被用者に付加給付として提供される民間医療保 険(雇用主提供医療保険)に加入している。また、国民の約3割は政府部門によって運営 される公的医療保障制度を通して医療保障を獲得しており、公的医療保障制度の主柱は、

65 歳以上の高齢者(一部の障害者を含む)を対象とする公的医療保険制度のメディケア

(Medicare)と、ワーキングプア世帯と無職の貧困世帯の人々を対象とする医療扶助のメ

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ディケイド(Medicaid)および子ども医療保険加入支援制度(Children’s Health Insurance Program;CHIP)である。これらの制度の狭間に、民間医療保険に加入しておらず、公 的医療保障制度を通した保障も受けていない無保険者(uninsured)が約5 千万人も存在 しており、無保険者は全国民の16.7%にも上る。それに加えて、医療保障を獲得している 人々の中には、相対的に安価な保険料の医療保険にしか加入できないがゆえに得られる保 障が不十分な人々も数多く存在している。これらの不十分な医療保障しか持たない人々

(underserved)が怪我を負ったり病を抱えたりした際には、地域病院や地域の診療所な どで提供される割引診療(discount care)やフリーケア(free care)を利用することもで きるが、それらは確実な医療保障とはいえず、これらの人々は不確実な医療保障に依存し ながら不安定な生活を送ることを余儀なくされている。

これらの問題は1980年代にはすでに深刻化しており、問題の解決に向けて医療保障シ ステムの改革が実施された。クリントン政権期には、国民皆保険の実現、医療費負担の抑 制、メディケア・メディケイド支出の抑制を主な目標とする大規模な改革案が連邦レベル で検討されたが、改革の試みは不成立に終わった。

一方で、特に1990年代以降には多くの企業の雇用主が付加給付費の抑制をねらいとし て雇用主提供医療保険に関する方針を変更し、主に非正規雇用やパート・タイムの被用者 に対して、医療保険の加入資格の厳格化、雇用主による保険料の拠出額の固定化、給付水 準の引き下げなどを段階的に行った。その結果、非正規雇用のワーキングプアを中心に雇 用主提供医療保険に加入できない人々の数が増加するとともに、現役労働者や退職者への 医療給付の水準も引き下げられ、無保険者の数が増加した。

こうした問題の深刻化を背景として、1990年代後半以降にはメディケア・医療扶助の改 革が行われた。それにもかかわらず、医療価格の上昇と国民医療支出の膨張というトレン ドの下で、メディケア・医療扶助の支出は民間医療保険支出よりも急速に増加しており、

無保険者の数も増える一方である。

すなわち、21世紀に入っても問題は解決されず、むしろ深刻化している。本研究の主題 であるメディケア・医療扶助の改革は、このような原因と背景の下で行われた。

本研究の課題は、1990年代後半以降に実施されたメディケア・医療扶助の再編の過程を、

システムの最も重要な規定要因である地域市場との関係に焦点を当てて検討することを通 して、医療保障政策の意義を実証的に明らかにすることである。

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2 分析視角

本研究は、アメリカの医療保障システムを地域市場(local markets)とコミュニティ組 織(community organizations)と政府部門(public sector)の相互関係としてとらえ、

1990年代後半以降のメディケア・医療扶助の再編の意義を、これらの構成要素の結びつき と役割分担に着目して検討した。

地域市場は医療保障システムの基盤である。医療サービスの取引は、各地域の所得水準 や地域住民の構成などの諸条件の下で構築される地域市場を単位として行われており、地 域市場は、各地域の医療サービス市場と医療保険市場で構成される。

1に、医療サービス市場は、医師の診療所や病院などの医療機関と地域住民の間で医 療サービスが取引される場であり、医療サービスの消費者の大半は医療保険や医療扶助の 加入者である。自宅から遠く離れた病院で高度な外科手術を受ける場合などの数少ない事 例を除けば、人々は自らが住む地域の医療機関を利用しながら生活しており、医療の分野 では地域性が色濃く反映される。

コミュニティ組織は、様々な地域課題に取り組む組織または団体の総称であり、医療機 関の紹介や医療サービスの利用にかかわるトラブルへの対応などの様々な支援を行う。州 政府は、医療機関による医療サービスの提供に関して各種の公的規制を行う。州政府だけ でなく、連邦政府や地方政府も公的医療保障制度の運営やコミュニティ組織への支援を通 して医療サービス市場に財政資金を投入し、医療サービス市場の拡大を強力に促している。

2に、医療保険市場では、保険会社や、医療機関と保険会社が統合されたマネジドケ ア組織(Managed Care Organization)が各地域の医療機関との契約に基づいて様々な種 類の医療保険プランを開発し、それらを販売する一方で、地域住民はそれらの保険プラン に加入することで医療保障を獲得している。

保険会社やマネジドケア組織は医療保険の保険者の役割を担い、加入者に対する保険給 付を行うとともに、自らと契約している医療機関に診療報酬を支払う。雇用主提供医療保 険の保険プランは、雇用主である企業や政府などと保険会社などの間で交わされた契約に 基づいて開発され、それが被用者に提供されており、多くの雇用主提供医療保険では保険 会社が保険者の業務を行っている。メディケアの保険者は連邦政府であるが、連邦政府は メディケアの多くの部分に関して保険者としての業務を保険会社などに委託している。州 政府も医療扶助の主軸であるメディケイドやCHIPの保険者の役割を保険会社などに委託

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しており、むしろそれは州政府によって直接に保険者の役割が担われている場合よりも一 般的である。医療保障制度の加入者である民間企業の被用者、政府職員、高齢者、貧困者 とそれらの人々の家族は、それぞれの保険プランに関して保険会社などと契約関係にある 医療機関で医療サービスを利用し、保険給付を受ける。

コミュニティ組織は、各種の医療保障制度に加入するための申請手続きの支援や保険プ ランに関する情報の提供を通して加入者によるプランの選択を支援するなどの活動を行い、

地域保険市場の売り手である保険会社やマネジドケア組織と買い手である地域住民を結び つける役割を果たしている。連邦・州・地方政府は、公的医療保障制度を通した財政資金 の投入や公的規制を手段として地域保険市場の条件整備を行っている。

このように、医療サービス市場と医療保険市場は地域ごとに多様な諸条件の下で構築さ れており、地域特性を色濃く反映した地域市場が医療保障システムの基盤となっている。

地域市場・コミュニティ組織・政府部門の相互関係に着目した本研究の分析視角は、地 域市場が医療保障システムを最も強く規定している実態に加えて、メディケア・医療扶助 の改革をそのような地域市場の規定性に即して検討するための枠組みである。

3 本研究の概要

本研究は、以上のような地域市場の枠組みに立脚し、1990年代後半以降のメディケア・

医療扶助の再編を以下のような論点に沿って検討した。

メディケア・医療扶助の再編は、1980年代以降のマネジドケア(managed care)の開 発と普及という地域市場の構造変化に即して行われた。

アメリカでは、医療価格の上昇と医療費の膨張に伴い医療保険プランの保険料が高騰し ていることを背景として、多くの国民が医療保険への加入を通して確実な医療保障を得ら れるようにするために、医療保険の保険料を多くの人々にとって「手が届く(affordable)

金額」に抑えることが課題である。保険会社やマネジドケア組織は、より多くの加入者を 獲得するために、自らが販売する保険プランの保険料を引き下げるための数々の工夫を行 ってきた。1980年代以降には、それらの工夫は主にマネジドケアの手段を用いて行われ、

保険会社やマネジドケア組織は、マネジドケアの手段を積極的に取り入れた様々な種類の マネジドケアプランという保険商品を地域市場で開発してきた。

マネジドケアを地域市場との関連で特徴づけるとすれば、それは地域市場において、保

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険者が地域市場に参加する様々な主体との契約に基づいて、それらの主体を1つの集団と して組織化するとともに医療サービスの提供と利用の両面に介入し、主に診療コストの削 減や医療サービスの利用の制限を通して保険給付費を抑えようとする数々の試みとして捉 えることができる。保険者による医療サービスの提供と利用への介入は、医療機関のネッ トワークの形成、医療行為の適切性に関する審査、医療サービスの質の評価などの手段を 通して、保険会社やマネジドケア組織と各地域の医療機関の間の契約に基づいて行われる。

1章では、アメリカの医療保障システムの全体が地域市場に強く規定されて成り立って おり、マネジドケアプランが地域市場の主力商品であることを明らかにしている。

メディケア・医療扶助の再編は、このような地域市場の構造変化を前提として、マネジ ドケアの活用を軸に進められた。

1に、第2章で明らかにしたように、連邦政府は地域市場の構造変化に即してメディ ケアのプライバタイゼーションを行い、マネジドケアプランを中心とする民間保険プラン の活用を通して制度を効率化し、メディケアの支出額の抑制を試みた。そのプライバタイ ゼーションは、単にメディケアの運営責任を連邦政府から民間部門に移すのではなく、連 邦政府が保険者としての業務を保険会社やマネジドケア組織に委託し、それらの保険会社 などにメディケア加入者への給付の責任を担わせるというものであった。このようなメデ ィケアにおけるプライバタイゼーションは、保険会社やマネジドケア組織がマネジドケア の手法を駆使することで、連邦政府よりも加入者への給付を効率的に行うことができると いう認識の下で行われた。しかも、マネジドケアプランの活用を軸とするメディケアの再 編は、処方薬給付の追加を推進要因としながら行われた。

2に、第4章で明らかにしたように、州政府(一部の地方政府を含む)によって実施 される医療扶助も、マネジドケアの開発・普及という地域市場の構造変化による成果を積 極的に取り入れる方向で再編された。

州政府は、連邦補助金に付随する条件を満たせば、メディケイドやCHIPの制度内容を 柔軟に設計し、実施できる。その反面、医療扶助は州財政の制約下で実施されることから、

支出額をできるだけ抑えながら医療扶助を実施することは州政府にとって大きな課題であ る。州政府は医療扶助支出を抑制するために、給付の対象になる医療サービスの限定、医 療機関に支払う診療報酬の引き下げ、加入者負担の引き上げなどを行う。

メディケアの場合と同様に、1990年代以降には多くの州政府が医療扶助支出の抑制を目 的に、保険会社やマネジドケア組織が州政府よりも給付を効率的に行うことができるとい

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う認識に基づいて保険会社などに保険者の業務を委託し、マネジドケアプランを通した給 付が行われるようになった。すなわち、医療扶助におけるマネジドケアの活用も、それが 地域市場における医療サービスの生産・流通・販売および利用の効率化をもたらすことに よって保険給付費の抑制が実現し、州政府の財政支出額を抑制することができるという考 え方に基づいて進められたのである。

しかも、医療扶助の再編もメディケアと同様に医療保障の拡大と一体的に行われ、ワー キングプア世帯や貧困世帯の子ども・妊婦に関して資格要件の寛大化が行われるとともに、

貧困者の自立という地域課題に即したマネジドケアプランの開発が地域市場を基盤として 進められた。その結果、医療扶助においてマネジドケアプランの加入者数が大きく増加し た。

マネジドケアの活用を軸とするメディケア・医療扶助の再編において、コミュニティ組 織によるアウトリーチ(outreach)活動は、地域市場の構造変化に即したメディケア・医 療扶助の再編を実現するための不可欠な条件であった。アウトリーチとは手を差し伸べる こと(reach out)であり、医療の分野では、医療扶助や医療保険などの制度の周知、それ らの制度に加入するための申請手続き、保険プランの選択、割引診療やフリーケアを利用 できる医療機関の紹介などを通して、地域住民による医療保障の獲得や医療サービスの利 用を支援する取り組みを指す用語として用いられている。アウトリーチ活動の具体的な内 容と意義は第3章と第5章で明らかにしている。

1に、メディケアのプライバタイゼーションを通して地域市場で販売される民間プラ ンの数が飛躍的に増加し、高齢者にとっての保険プランの選択肢は拡大したが、同時に新 たな問題が生じた。すなわち、多くの高齢者にとって、メディケアの複雑な制度や各プラ ンの内容を正確に理解した上で自らにふさわしいプランを選び、なおかつ必要な手続きを 行うことはかなり困難であり、メディケアの再編によってこのような問題への対応が重要 な課題になったのである。かくして、高齢者によるマネジドケアプランへの加入を促すこ とを重要なねらいとして、メディケアにおけるコミュニティ組織の活用が推進された。

2に、マネジドケアプランの活用を軸とする医療扶助の再編も、コミュニティ組織の 活用を伴うものであった。数多くの低所得・貧困者は、言語的な制約、制度に関する知識 が不十分であること、不法滞在が発覚することへの恐怖など、申請手続きを行う上での様々 な困難を抱えており、全体として高齢者よりもアウトリーチのニーズが高い。メディケア と同様に、医療扶助の再編もコミュニティ組織によるアウトリーチ活動を条件として進め

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7 られた。

このように、地域市場の構造変化に即したメディケア・医療扶助の再編を効率的かつ円 滑に行うために、コミュニティ組織の活用が課題になった。すなわち、これらの再編はコ ミュニティ組織による支援活動を積極的に取り入れる方向で進められ、政府部門によるコ ミュニティ組織への財政支援を通してアウトリーチ活動が促された。コミュニティ組織の 活用に基づくアウトリーチ活動が、地域市場におけるマネジドケアプランの需要と供給を 結びつけ、マネジドケアプランへの加入が促されることで、制度の効率化および財政支出 の抑制を実現することが期待されたのである。

以上のように、メディケア・医療扶助の再編の柱はマネジドケア・コミュニティ組織の 活用であった。

そして、第6章で明らかにしたように、マネジドケア・コミュニティ組織の活用を軸と する民間主導の医療保障政策は「小さな政府」を志向するものであったが、国民医療支出 の膨張が続くとともに無保険者の数も増え続けており、さらにはメディケア・医療扶助支 出が急速に増加したことによって連邦財政の肥大化が逆説的にもたらされた。

地域市場の構造変化に基づくメディケア・医療扶助のプライバタイゼーションは、これ らの公的医療保障制度の制度設計や運営に多様な民間組織を参加させ、それぞれに責任を 持たせることによって効率化および支出抑制を実現しようとする試みであった。しかし、

実際にはメディケア・医療扶助支出は民間医療保険支出よりも急速に増加し、それは連邦 財政支出の大幅な増加をもたらした。

かくして、市場重視の医療保障政策は十分で確実な医療保障と医療費負担の抑制という 課題を解決することはなく、実際には雇用主提供医療保険を主軸とする民間主導の医療保 障システムを維持するために、アメリカ型福祉国家をいっそう「大きな政府」に向かわせ ているのである。アメリカにおける個人・企業・政府の医療費負担は限界に近づいており、

連邦財政赤字がどこまで許容されるのかという財政問題を抱えながら、医療保障政策は何 らかの抜本的な解決を迫られているといえよう。

4 先行研究

アメリカの医療保障政策と医療保障財政については数多くの研究が行われてきたが、

1990年代後半以降のメディケア・医療扶助の再編を地域市場とコミュニティ組織と政府部

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門の相互関係として検討した研究はなく、システム全体を地域市場との関係に着目して実 証的に検討したものも存在しない。本研究の目的は、地域市場という最も重要な要因に着 目して検討を行い、1990年代後半以降のメディケア・医療扶助の再編の意義を医療保障政 策および医療保障財政の考察を通して明らかにすることである。

1に、医療保障システムに関する研究の多くは、政策の動向や政策過程を全米または 連邦レベルで検討したものであり、地域市場というシステムの基盤に関する検討がほとん ど行われておらず、地域の具体的な現実に即してシステムの意義や課題が示されていない。

Starr(1982)、Laham(1993)、Quadagno(2005)など、医療保障システムに関する 多くの研究は、システムにおいて医療機関や保険会社やマネジドケア組織が持つ利害や主 導権または決定権に注目し、全米医師会(AMA)や全米病院協会(AHA)をはじめとす る様々な医療団体や保険会社の団体が強い政治力を発揮して、国民皆保険の実現やマネジ ドケアを通した医療の効率化を阻んできたと述べている。この点に関して天野(2006)も 政治学の立場から、アメリカでは高度な医学の担い手である科学者や医師などの専門家集 団を重視した政策が歴史的に実施されてきたという重要な事実を指摘している。

こうした医療分野の利益集団である医療機関や保険会社やマネジドケア組織は地域市 場の構成要素であり、地域市場において大きな存在感と多大な影響力を持っているからこ そ、連邦レベルでの政策過程でも強い政治力を発揮できるのである。

それゆえに、医療保障システムやマネジドケアの検討は地域市場の実態に即して検討す べきであり、そうすることではじめてシステムやマネジドケアの意義や課題が明らかにな るであろう。

一方で、アメリカの福祉国家の特質や医療保障システムにおける政府部門の役割に関す る研究は、保険料や医療費に関する租税優遇措置を通した租税支出や公的医療保障制度な どを手段として、雇用主提供医療保険を中心とする民間主導のシステムを支えることが政 府部門の役割であると述べている。

Howard(1997)およびHoward(2007)とGottschalk(2000)は、医療保障システ ムにおいて大規模な租税優遇措置が行われており、その租税支出が政府部門の直接支出と 並んで医療保障を成り立たせている重要な要因である点を指摘している。

またSwartz(2006)は、ニューヨーク州を筆頭に一部の州政府が医療保険市場におい

て再保険の保険者の役割を担い、高額な医療保険給付の大部分を州財源で賄う仕組みを構 築することで民間医療保険への加入を促してきた実績を紹介した上で、連邦レベルで同様

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の仕組みをつくることで無保険問題を解決すべきであると主張している。

さらにHacker(2002)はアメリカの福祉国家の特質について、企業年金や雇用主提供

医療保険を中心とする民間福祉と公的制度に『分断された福祉国家』という観点から検討 している。

これらの研究は、システムの基盤である地域市場との関係に焦点を当てて政府部門の役 割を統一的に明らかにしたものではない。政府部門は、市場規制、租税優遇措置、公的医 療保障制度の運営を通して地域市場の条件整備を行うことによって医療保障システムを支 えており、その役割については地域市場の実態に即して検討すべきである。

2に、Ginsburg and Lesser ed.(2001)と、ヘンリー・J・カイザー・ファミリー財 団やコモンウェルス・ファンドなどによる数多くの研究論文や報告書のような、メディケ アや医療扶助の実施状況を地域市場の実態に即して検討した調査や研究はいずれも個別的 で断片的であり、それらの地域調査や地域研究の結果とメディケアや医療扶助という制度 との関係が必ずしも明確ではなく、医療保障システム全体との関係も明らかにされていな い。地域市場は単に地域ごとに性質が異なるだけでなく、メディケアや医療扶助をはじめ とする医療保障制度の基盤として各地域に存在している。それゆえに、単なる事例調査や 事例研究を超えて、地域市場との関係に即してシステムの実態を明らかにすべきである。

3に、Dutton et al.(2000)など、医療問題や医療保障にかかわる個別のコミュニテ ィ組織による活動についてはいくつかの調査や研究が行われているが、それらの活動を医 療保障制度や医療保障政策の意義との関連に焦点を当てて検討したものはなく、医療保障 システムにおけるコミュニティ組織の役割に関する本格的な検討も行われていない。

本研究は、地域市場の構造変化に即したメディケア・医療扶助の再編におけるマネジド ケア・コミュニティ組織の活用とそれにかかわる公的支援の具体的な検討を通して、医療 保障のプライバタイゼーションの内実と、オバマ政権期に可決・成立した 2010 年医療保 険改革法に至る医療費膨張およびその負担メカニズムを総体として浮き彫りにする初めて の試みであるといえよう。

5 本研究の構成

各章の概要は以下の通りである。

序章「本研究の課題と意義」は、アメリカの医療保障システムの全体像および医療保障

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政策の課題を整理した上で、本研究の課題と分析視角を提示し、本研究の構成を示してい る。

1章「アメリカの医療保障システムと地域市場」は、アメリカの医療保障システムの 枠組みを各地域の医療サービス市場・医療保険市場との関係に焦点を当てて検討している。

それを通して、本研究の主たる対象であるメディケア・医療扶助(メディケイドとCHIP)

を含む医療保障システムの全体が地域市場に強く規定され、地域市場への連邦政府の関与 または介入と巨額の連邦財政支出が市場重視型のシステムを成り立たせている不可欠な条 件であることを、地域の事例に即して具体的に明らかにしている。

1に、雇用主提供医療保険の誕生・発展は地域市場と不可分の関係にあり、それが連 邦政府による租税優遇措置を促進要因としてシステム全体を規定してきた。それゆえに、

雇用主提供医療保険はシステムの主軸なのであり、他のすべての医療保障制度に多大な影 響を及ぼしている。このような雇用主提供医療保険と地域市場の関係が21世紀に入って も存続していることを、地域市場において販売されている医療保険プランの多様性と主な 保険プランの性質を整理した上で、連邦政府職員医療給付制度(Federal Employee’s Health Benefits Program;FEHBP)のテキサス州における運用の事例と、ジョージア州 の州政府職員医療給付プラン(State Health Benefits Plan;SHBP)の事例に即して明ら かにしている。

2に、メディケアおよび医療扶助(メディケイド・CHIP)の制度の枠組みは、地域 市場における取引慣行、保険会社や医療機関などの関係性、そしてそれらの下で慣習的に 形成されてきた価格などを尊重して構築されている。このような市場重視の枠組みは、政 府の統制または主導性が明確に位置づけられている他の先進諸国の公的医療保障制度とは 大きく異なる。

3に、メディケア・メディケイド・CHIPと同様に、他のすべての公的医療保障制度 と割引診療やフリーケアも地域市場を基盤として実施され、巨額の連邦財政支出が行われ ることによってこれらの制度が機能している。それを条件として、雇用主提供医療保険を 主軸とする医療保障システムが成り立っているのである。これらの制度について、ミシガ ン州デトロイト市、コロラド州デンバー市、アラスカ州アンカレッジ自治市、メリーラン ド州ボルティモア市の具体的な現実に即して明らかにしている。

2章「メディケアのプライバタイゼーションと地域市場」は、2003年メディケア処 方薬改善現代化法(MMA)によるメディケアの改革を検討することで、その改革の主眼

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が地域市場の構造変化に即したメディケアのプライバタイゼーションであり、多額の連邦 財政支出を行うことがその重要な条件であったことを明らかにしている。メディケアのプ ライバタイゼーションは、単に公的制度を民間組織に委託するのではなく、制度の創設当 初よりもいっそう多様な変化を遂げた地域市場に整合的な形へとメディケアを再編すると いう積極的な意味を持っていた。プライバタイゼーションを推進するための具体的な手段 は、1980年代以降に地域市場で続々と開発され、1990年代半ば頃にはほぼすべての地域 市場で主力商品になった多様なマネジドケアプランの活用であった。処方薬給付を行うた めに創設されたパートDも、マネジドケア型の民間プランへの加入を前提とするものであ り、医療保障の拡大および充実がプライバタイゼーションを一挙に実現するための手段と して用いられた。このようなメディケアの再編の結果、地域市場における民間プランの販 売数が大きく増加し、民間プランの加入率は飛躍的に高まったが、それらは連邦財政負担 の大幅な拡大を条件として実現したことが示される。

3章「サンフランシスコ市/郡の地域市場とメディケア」は、メディケアのプライバ タイゼーションがコミュニティ組織の活用を伴いながら進められたことについて、コミュ ニティ組織による支援活動が特に活発に行われているカリフォルニア州サンフランシスコ 市/郡を事例として検討している。メディケアのプライバタイゼーションを進める上で、

連邦政府は州医療保険アウトリーチ支援制度(SHIP)を通して各地域のコミュニティ組 織に交付される連邦補助金を増額し、コミュニティ組織によるアウトリーチ活動を積極的 に促した。メディケア加入者へのアウトリーチは、地域市場で販売される様々な種類の民 間プランへの加入を促すための重要な条件であった。

サンフランシスコ市/郡は、数多くのコミュニティ組織によるアウトリーチ活動への公 的支援が特に積極的に行われてきた先進地域であり、サンフランシスコ市/郡の医療保険 相談支援制度(HICAP)はSHIPのモデルになった先駆的な制度である。サンフランシス コ市/郡のHICAPの実績が示しているように、メディケアにおけるコミュニティ組織の 活用が政府部門による財政支援を通して行われた結果、地域市場の活性化が実現し、メデ ィケアのプライバタイゼーションが促されたのである。

4章「ニューヨーク市の医療扶助の再編と地域市場」は、1990年代以降にニューヨ ーク州ニューヨーク市で行われた医療扶助の再編が、貧困者の自立という地域課題に即し て地域市場で開発された民間プランの活用を軸に、地域市場に投入される連邦補助金の増 額を不可欠な条件として進められたことを明らかにしている。ニューヨーク市は「人種の

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るつぼ」の大都市であるがゆえに、各種の医療扶助も人種の多様性や数多くの不法滞在者 の存在をふまえて設計され、それらは自立支援政策の一環として実施された。特に、ニュ ーヨーク州政府が独自に実施していたチャイルドヘルスプラスは、連邦レベルでの自立支 援政策の一環として位置づけられるCHIP(当時はSCHIP)のモデルケースとして注目さ れた。

もっと重要なのは、ニューヨーク州の医療扶助が地域市場で販売されている民間プラン への加入を前提として実施され、医療扶助のプライバタイゼーションが地域市場に投入さ れる連邦補助金の増額を伴いながら実現したことである。中でもニューヨーク市政府は、

他の州に先駆けて独自に実施してきた医療扶助の実績やノウハウを活かし、他の地域より も有利かつ円滑に医療扶助の再編を進めることができた。ニューヨーク市の事例が示して いるように、医療扶助の再編も地域市場の構造変化の成果であるマネジドケアの活用を軸 に、連邦補助金の増額を条件として行われたのである。

5章「ニューヨーク市の医療扶助とコミュニティ組織」は、ニューヨーク市の医療扶 助の再編が様々なコミュニティ組織によるアウトリーチ活動およびそれらに対する積極的 な財政支援を条件として実現したことを明らかにしている。ニューヨーク市の低所得・貧 困者が医療扶助に関して抱えている困難は、言語的な制約、制度の理解不足、不法滞在の 発覚を恐れるがゆえの消極的な態度など、多岐にわたる。これらの困難が存在しているが ゆえに、医療扶助の資格要件を満たしているにもかかわらず、申請手続きを通して加入し ていない人々が数多く存在していた。地域社会に密着した活動を行うコミュニティ組織は、

医療扶助の有資格者が抱えている困難に効果的かつ効率的に対応することを期待され、医 療扶助におけるコミュニティ組織の活用が積極的に行われることになった。

ニューヨーク州の申請支援制度は、低所得・貧困者を対象にアウトリーチ活動を行うコ ミュニティ組織に財政支援を行い、医療扶助の民間プランへの加入を促すことを目的とし ている。申請支援制度はニューヨーク市のハーレム地区の周辺で行われていたパイロッ ト・プログラムの実績に基づいて創設されたものであり、同時にそれは全米の各地域のコ ミュニティ組織に財政支援を行う連邦制度のモデルとして大いに参考にされた。ニューヨ ーク市の事例が示すように、コミュニティ組織への財政支援を伴うアウトリーチの推進は 地域市場に軸足を置いた医療扶助の再編に不可欠な条件であった。

6章「医療保障のプライバタイゼーションと連邦財政負担の拡大」は、第2章から第 5章までの4つの章において検討したメディケア・医療扶助の改革が医療費負担の抑制と

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十分で確実な医療保障を実現することが期待されたものの、それらの課題は達成されず、

連邦財政負担の大幅な増加を伴いながら国民医療支出の膨張が続いていることを明らかに している。マネジドケア・コミュニティ組織の活用を軸とするメディケア・医療扶助のプ ライバタイゼーションは、民間企業の雇用主による雇用主提供医療保険の給付費抑制をね らいとする改革への対応として、医療保障の拡大・給付メニューの追加を目的として進め られた。それは、地域市場における競争促進と制度の効率化を通して連邦政府の医療費負 担を軽減させることを重要なねらいとしていた。しかし、国民医療支出における雇用主負 担が相対的に軽減された一方で、連邦基金からメディケア信託基金への一般財源の繰入額 と、医療扶助に関して州・地方政府に交付される連邦補助金は大幅に増加した結果、連邦 財政は肥大化した。

すなわち、市場重視の医療保障政策は十分で確実な医療保障と医療費負担の抑制という 課題を解決することはなく、実際には雇用主提供医療保険を主軸とする民間主導の医療保 障システムを維持するために、アメリカ型福祉国家をいっそう「大きな政府」に向かわせ ているのである。アメリカにおける個人・企業・政府の医療費負担は限界に近づいており、

連邦財政赤字がどこまで許容されるのかという財政問題を抱えながら、医療保障政策は何 らかの抜本的な解決を迫られているといえよう。

終章「本研究の結論と今後の課題」では、1990年代後半以降に行われたメディケア・医 療扶助の再編の意義を地域市場とコミュニティ組織と政府部門の相互関係に着目して整理 した上で、今後の研究課題を示している。マネジドケア・コミュニティ組織の活用を軸と するメディケア・医療扶助の再編は、地域市場を舞台とする医療保障の公共ガバナンスの 構築を目指すものであり、政府部門だけでなく多様な民間組織にも医療保障にかかわる責 任を持たせながら課題を解決しようとする試みであった。それは、医療保障の拡大および 充実と「小さな政府」の両方を求めるアメリカの納税者の納得を得るために見出された解 決策であった。しかし、このような「小さな政府」を志向する医療保障政策は課題を達成 できず、国民医療支出の膨張が続く中で連邦財政負担が拡大し、その帰結として連邦財政 の肥大化を逆説的にもたらした。

雇用主提供医療保険を主軸とする民間主導の医療保障システムを維持するために巨額 の連邦支出が行われ、それが地域市場という舞台の上で医療分野の利益集団によって繰り 広げられている事業の拡大と収益の確保に大きく貢献していることは純然たる事実である。

メディケア・医療扶助における財政責任は民間組織によって担われているわけではなく、

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主として連邦政府がその責任を担うことを前提にプライバタイゼーションが進められた。

すなわち、民間組織は公的医療保障制度に関する財政責任を負うことなく保険給付を中心 とする業務を受託し、その対価として連邦政府または州政府から多額の委託料を得ている のである。

そのために費やされる財政資金を民主主義のコストと納得しながら、医療保障のあり方 を模索することしか方法はないのであろうか。少なくとも、「小さな政府」を志向するアメ リカにおいては、医療保障システムの背後に潜む「リヴァイアサン」傾向をいかに食い止 めるのかが最大の課題になるであろう。地域市場の実態の把握に向けて研究を進めていく ことが、医療保障政策が保険会社や医療機関などによる事業の拡大や収益の獲得に向けた 行動に及ぼした影響や、それと密接にかかわる国民医療支出の膨張要因を明らかにするた めに不可欠である。つまり、地域市場の実態に踏み込んだ検討を行うことで、アメリカの 医療保障を通した資源配分と所得再分配のあり方が具体的に明らかにすることが求められ ているのである。

6 本研究の成果と今後の課題

本研究は、地域市場の規定性を軸に、アメリカにおいて 1990 年代以降に実施された医 療保障政策を体系的かつ実証的に研究したものである。このような研究を行うことによっ て、民間主導の医療保障システムにおけるプライバタイゼーションの内実を浮き彫りにす るとともに、医療費の膨張要因およびその負担メカニズムが総体として明らかになった。

ただし、アメリカにおける市場重視の医療保障政策の全容を解明するためには、多くの 課題が残されている。

次の研究課題は、地域市場の実態に踏み込んだ研究と、オバマ政権期の医療保障政策と 医療保障財政の研究を並行して行うことである。

1の課題は、地域市場を取り巻く主体である医療機関、保険会社やマネジドケア組織、

製薬会社やその他の医療関連産業、保険加入者や他の地域住民、コミュニティ組織、連邦・

州・地方政府の間における経済関係について、マネジドケアのあり方を中心に実証的に検 討することを通して、地域市場の実態を解明することである。本研究を通して明らかにな ったように、メディケア・医療扶助のプライバタイゼーションは制度の効率化を通して医 療費負担を抑制することをねらいとして実施されたにもかかわらず、実際には逆に国民療

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支出が増え続けるとともに医療費負担の水準も全体として高まった。とはいえ、公的医療 保障制度におけるマネジドケア・コミュニティ組織の活用が、医療サービスの生産と利用 の効率化や保険給付費の抑制をもたらし、国民医療支出や医療費負担の抑制が部分的に実 現した証拠や事例が全くなかったわけではない。それゆえに、地域市場を取り巻くどのよ うな諸条件が、医療サービスの価格や保険料の規定要因であるとともに医療保障の効率化 あるいは適正化や医療費負担の抑制を導く要因であるのか、そして多様な地域市場の間に おけるどのような諸条件の違いがいかにして主体間の関係性の相違に結びつき、結果とし てそれぞれ異なる結果がどのような過程を経てもたらされるのかが具体的に解明されるべ きであるといえよう。本研究で得られた成果をもとにこのような研究を行うことで、地域 市場に強く規定されたアメリカの医療保障システムの特質がいっそう明確になるはずであ る。

2の課題は、オバマ政権期に実施される医療保障政策の意義を、改革の前提条件と合 わせて、地域市場に強く規定された医療保障システムにおける連邦政府の介入または関与 と連邦財政負担の拡大という観点から明らかにすることである。オバマ政権期の医療保障 政策は、既存の地域市場とそれを基盤とする医療保障システムを前提として実施される。

つまり、本研究で検討したメディケア・医療扶助の再編を含め、システム全体の再編がオ バマ政権にとっての与件であり、それは地域市場の規定性という本研究で得られた問題意 識に沿って検討されるべきである。そのような検討を行うことで、オバマ政権の下で成立 した2010年医療保険改革法、すなわち2010年患者保護アフォーダブルケア法および2010 年医療教育アフォーダビリティ包括調整法に基づく医療保障システムの改革の検討も可能 になる。すなわち、2010年医療保険改革法による医療保障システム改革の意義および実現 可能性も、本研究で得られた地域市場とコミュニティ組織と政府部門の相互関係という分 析視角に基づいて検討することではじめて明らかになるであろう。

「はじめに地域市場ありき」。これがアメリカの医療保障と財政の本質を明らかにする ためのキーワードであり、本研究における検討を通して得られた問題意識に基づいて、ア メリカ・モデルの経済社会の理念と現実を具体的に検討していきたい。

【主要参考文献】

Dutton, Melinda, Sarah Katz and Alison Pennington(2000), “Using Community

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Groups and Student Volunteers to Enroll Uninsured Children in Medicaid and Child Health Plus”, The Commonwealth Fund.

Ginsburg, Paul B. and Cara S. Lesser eds.(2001), Understanding Health System Change: Local Markets, National Trends, Chicago, Illinois: Foundation of the Amer Colledge.

Gottschalk, Marie(2000), The Shadow Welfare State: Labor, Business, and the Politics of Health Care in the United States, Ithaca, New York: Cornell University Press.

Hacker, Jacob S.(2002)The Divided Welfare State: The Battle over Public and Private Social Benefits in the United States, New York: Cambridge University Press.

Howard, Christopher(1997), The Hidden Welfare State: Tax Expenditures as Social Policy in the United States, Princeton, New Jersey: Princeton University Press.

Howard, Christopher(2007), The Welfare State Nobody Knows: Debunking Myths About U. S. Social Policy, Princeton, New Jersey: Princeton University Press.

Laham, Nicholas(1993), Why the United States Lacks a National Health Insurance Program, Westport, CT: Praeger Publishers.

Morgan, Kimberly J. and Andrea Louise Campbell(2011), The Delegated Welfare State: Medicare, Markets, and the Governance of the Social Policy, New York: Oxford University Press.

Quadagno, Jill(2005), One Nation, Uninsured: Why the U. S. Has No National Health Insurance, Oxford, New York: Oxford University Press.

Starr, Paul(1982), The Social Transformation of American Medicine: The Rise of a Sovereign Profession and the making of a Vast Industry, United States: Basic Books.

Swartz, Katherine(2006), Reinsuring Health: Why More Middle-Class People Are Uninsured and What Government Can do, New York: Russell Sage Foundation.

天野拓(2006)『現代アメリカの医療政策と専門家集団』慶應義塾大学出版会.

片桐正俊(2005)『アメリカ財政の構造転換:連邦・州・地方財政関係の再編』東洋経済 新報社.

櫻井潤(2012)『アメリカの医療保障と地域』日本経済評論社.

渋谷博史(2005)『20世紀アメリカ財政史(Ⅰ~Ⅲ)』東京大学出版会.

中浜隆(2006)『アメリカの民間医療保険』日本経済評論社.

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長谷川千春(2010)『アメリカの医療保障:グローバル化と企業保障のゆくえ』昭和堂.

【初出一覧】

序章 本研究の課題と意義 書き下ろし 1章 アメリカの医療保障システムと地域市場

①櫻井潤「アメリカの医療保障システムと地域市場」、『北海道医療大学看護福祉学部 紀要』(北海道医療大学)、第18号、17~26ページ、2011年、査読なし。

②櫻井潤「アメリカの雇用主提供医療保険と地域市場の発展」、『北海道医療大学看護 福祉学部紀要』(北海道医療大学)、第18号、27~42ページ、2011年、査読なし。

2章 メディケアのプライバタイゼーションと地域市場

①櫻井潤「アメリカの公的医療保険システムとマネジドケア:信託基金の財政再建策 との関係を中心に」、財団法人かんぽ財団平成19年度調査研究助成・調査研究報告 書、1~47ページ、2008年、査読なし。

②【学会発表】櫻井潤「アメリカ医療財政の再編:メディケア財政危機とマネジドケ アの導入」、日本財政学会第60回大会、200310月(於:関西大学)。

③【学会発表】櫻井潤「アメリカの公的医療保険の再編と地域市場:処方薬保障の創 設と民間プランの普及」日本財政学会第67回大会、201010月(於:滋賀大学)。

3章 サンフランシスコ市/郡の地域市場とメディケア

①櫻井潤「サンフランシスコ市/郡の地域市場とメディケア」、財団法人かんぽ財団平 23年度調査研究助成・調査研究報告書、1~50ページ、2012年、査読なし。

②【学会発表】櫻井潤「サンフランシスコ市/郡の医療保障における地域市場の規定 性:地元組織の主導性に基づくアメリカの医療保障システムの実態解明に向けて」 社会政策学会第126回大会、20135月(於:青山学院大学)。

4章 ニューヨーク市の医療扶助の再編と地域市場

①櫻井潤「アメリカの医療扶助と州・地方財政:ニューヨーク市の事例とアメリカ型 福祉国家の論理」、渋谷博史・ウェザーズ編『アメリカの貧困と福祉』日本経済評 論社、2006年、123~162ページ、査読なし。

②【学会発表】櫻井潤「アメリカの医療扶助と州・地方財政:ニューヨーク市の事例

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とアメリカ型福祉国家の論理」日本財政学会第63回大会、2006年(於:関西大学)。

5章 ニューヨーク市の医療扶助とコミュニティ組織

①櫻井潤「ニューヨーク市の医療扶助と民間組織の支援活動」、渋谷博史・ウェザーズ 編『アメリカの貧困と福祉』日本経済評論社、2006年、163~192ページ、査読な し。

②【学会発表】櫻井潤「アメリカの医療扶助と民間組織の支援活動」、北海道医療大学 看護福祉学部学会第3回大会、20069月(於:北海道医療大学)。

6章 医療保障政策と医療保障財政 書き下ろし 終章 本研究の結論と今後の課題 書き下ろし

参照

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