(河野 修一)
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論文の要旨
申請者 河野 修一 研究論文題目
Interleukin-13 誘起性杯細胞におけるペリオスチン分泌と Toll 様受容体 4 の 発現に関する研究
1 目的
気管支喘息の基本病態には、Helper T-cell type2 サイトカインが深く関与し ている。なかでも、Interleukin-13(IL-13)は杯細胞の過形成を引き起こし粘 液の過分泌をきたすサイトカインで、重症喘息患者の気道組織中で過剰発現が みられる。さらに、重症喘息の背景には、不可逆的な気道狭窄を特徴とする気 道リモデリングやコントロール困難な気道炎症の存在があり、前者には主とし て IL-13 によって線維芽細胞から分泌されるペリオスチンが、また後者には気 道上皮に発現する Toll 様受容体 4(TLR4)が関与するとされている。
本研究では、杯細胞が気道リモデリングや気道炎症の悪化にどのように関与
するかを明らかにするため、正常ヒト気道上皮を IL-13 の存在下で杯細胞に分
化誘導させるモデルを用いて、ペリオスチンの分泌および TLR4 の発現について
検討し、重症・難治性気管支喘息の新たなメカニズムについて考察した。
(河野 修一)
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2 材料と方法
正常ヒト気道上皮細胞を気相液相界面培養法(Air liquid interface 法)に て 14 日間培養し、線毛細胞(IL-13 非存在下)もしくは杯細胞(IL-13 存在下)
に分化誘導したのち、以下の検討を行った。
(1)ペリオスチン mRNA 発現およびタンパク分泌能
線毛細胞ならびに IL-13 誘起性杯細胞を用いて、ペリオスチン mRNA 発現は RT-qPCR 法により、タンパク分泌能は ELISA 法により測定した。
(2)TLR4 発現と IL-8 分泌能
線毛細胞ならびに IL-13 誘起性杯細胞における TLR4 の発現について、RT-qPCR 法による定量的測定および免疫組織染色法による局在の観察を行った。また、
IL-13 誘起性杯細胞を TLR4 のリガンドである lipopolysaccharide(LPS)で刺 激し、培養液中に分泌される IL-8 量を ELISA 法により測定した。
3 成績
(1)ペリオスチン mRNA 発現およびタンパク分泌能に関する検討
気道上皮細胞のペリオスチン mRNA 発現は、IL-13 刺激によって誘導され、特
に IL-13 誘起性杯細胞で顕著な発現増強が見られた。このとき、ペリオスチン
タンパクは、線毛細胞では基底膜方向のみに分泌されたが、IL-13 誘起性杯細胞
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では管腔側方向にも分泌された。
(2)TLR4 発現と IL-8 分泌能に関する検討
TLR4mRNA は、線毛細胞に比して IL-13 誘起性杯細胞で発現が増加していた。
また、免疫組織化学染色では、杯細胞の管腔側に極性を持って強く TLR4 が発現 していることが明らかとなった。IL-13 誘起性杯細胞は、線毛細胞と比較して多 量の IL-8 を分泌していただけでなく、TLR4 のリガンドである LPS 刺激によりそ の分泌能が亢進した。
4 考察
本研究により、IL-13 誘起性杯細胞は、粘液分泌以外に二つの新たな機能を有 することが明らかとなった。
一つは、気道リモデリングに重要な蛋白質であるペリオスチンを分泌すると いう働きである。これにより、IL-13 誘起性杯細胞は、基底膜の肥厚や粘膜下の 線維化など気道上皮下のリモデリングにも関与している可能性が考えられた。
重症気管支喘息患者では、喀痰中にペリオスチンが検出されることが報告され ているが、これまでその細胞起源は不明であった。この点について、本研究の 結果は、IL-13 誘起性杯細胞が主な分泌源であることを示唆するものであった。
第二に、IL-13 誘起性杯細胞がパターン認識受容体である TLR4 を発現してい
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