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宮崎正明1・龍

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Academic year: 2021

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(1)

概念能力と概念命名が分類学習に及ぼす影響

宮崎正明1・龍 祐 吉2

TThe Effects of Conceptual Ability and Labeling Concept

Names on Children's Sorting Behavior

Masaaki MIYAZAKI and Yuukichi RYU

 To examine the effects of conceptual ability and labeling concept names on a conceptual sorting task,6_yr._old with high and low ccnceptual ability were divided into the group,

with labeling concept names, instance names, or no labeling names(as a control group)by

experimenter. The result revealed that Ss with high conceptua正ability learned almost at the same rate among three groups and that Ss with low conceptual ability learned the fastest in

the grqup of labeling concept names but there was no singnificant difference between the

group of labeling instances names and of no labeling names. It was concluded that S s conc−

cept utilization in learning sorting task depended upon S s conceptual ability and labeling concept names.

目 的

 Kendler, Kendker&Marken(1969)は,弁別移行学習事態において身近な名義的概念 の利用に関する発達的研究を行った。その結果,年齢の関数として原学習での標的事例を 移行学習で全て入れ代える全逆転移行の方が,半分しか入れ代えない半逆転移行よりも速 く学習されることを見出した。Kendler, et al(1969)は,この実験から年齢とともに概念 利用能力が高くなると解釈した。Kendler, et al(1969)の研究では,事例として幼児にも

なじみのある名義的概念に属するものを用いていた。従って,より実証性が高いという点 で一応評価できるものであった。しかし,弁別移行学習を通じて,概念利用能力を査定す ることに対して次のような疑問が残る。即ち,年少児の転移能力は年長児や成人の転移能 力よりも脆弱である。そして,弁別移行学習は原学習において獲得した内容が,移行学習 へ転移するという前提に基づき,移行学習の成績により概念利用の可能性を吟味する。従っ て,年長児および成人はともかくも,転移能力の弱い年少児の概念利用の可能性の有無を 弁別学習移行において推測することは適当でないように思われる(Cole,1976)。

 この点を考慮して,移行学習を含まない分類学習で,子どもの概念利用を検討した研究

(杉村,1974)がある。この研究では2つのタイプの分類課題が用いられていた。1つは 概念分類課題であった。この課題は4つの事例(例えば,ニンジン,ダイコン,バナナ,

ミカン)を概念(野菜,果物)に基づき,2つのグループに分類することができる課題で あった。もう1つは半概念分類課題であった。この課題は(例えば,ニンジンとミカンを 対,そしてダイコンとバナナを対というように)概念に基づき分類することができない課

1長崎大学教育学部教育心理学教室

2広島大学附属小学校教諭

(2)

題であった。杉村(1974)は,もし被験者が分類の際に概念を利用できれば,概念分類課 題を半概念課題よりも速く学習するが,もし概念を利用できない場合には,両分類課題の 成績はほぼ等しくなると仮定した。実験の結果,被験児は年齢の関数として,概念分類課 題を半概念分類課題よりも速く学習した。この結果から,杉村(1974)は年齢の増加とと

もに概念を利用する能力が高くなると解釈した。

 しかし,たとえ同一年齢であっても,同課題の成績に個人差のあることは周知の通りで ある。従って,概念利用の可能性の有無を年齢要因に単純に帰することに対して疑問が 残る。概念利用とそれに影響する先行条件との関連を明確にするためには,年齢の要因を 除いて検討することも必要であろう。

 Sugimura&Terao(1976b),はたとえ同一年齢であっても概念利用は他の要因に依存 することを報告している。Sugimura&Terao(1976b)は鳥・昆虫・果物・野菜に関する 概念能力検査(杉村・寺尾,1975)を6歳児に実施して,彼らの概念能力を検定した。そ

して,高概念能力児と低概念能力児とを抽出し,概念能力が分類課題の成績に及ぼす影響 について検討した。その結果,高概念能力児は概念分類課題を半概念分類課題よりも速く 学習した。これに対して,低概念能力児には両課題の差がみられなかった。以上の結果は,

概念能力が概念利用に影響を及ぼすことを示している。

 ところで,もし低概念能力児の概念利用が高概念能力児よりも劣っている理由として,

事例問に共通する概念を抽出できないことにあるとすれば,予め事例に概念名を命名する ことにより,低概念能力児の概念利用が促されることが予想される。以前の研究(例えば,

Sugimura&Kamimura,1978)において,年少児の概念利用が概念命名により促されたと いう報告はあるものの,年齢水準を一定にして,概念能力と概念命名との関連から概念利 用における影響を検討した研究はこれまでなされていなかった。

 そこで,本研究では概念能力検査(杉村・寺尾,1975)を用いて6歳児の概念能力を査 定し,高概念能力児と低概念能力児とを抽出した。そして,高概念能力児と低概念能力児

を各々,概念命名条件群,事例命名条件群,命名なし条件群(統制群)に割り当てた。概 念命名条件群では,事例名に引き続いて概念名を命名するので,事例名を単に知っている かどうかという点も概念利用に影響する可能性がある。そこで,この可能性を検討するた めに,事例名のみを命名する事例命名条件群を処遇条件の中に加えた。

 以上の観点から,本研究では(1)概念能力の差が分類課題の成績に如何なる影響を及ぼす のか,(2)事例に事例名や概念名を命名することが,高概念能力児と低概念能力児の分類課 題の成績に如何なる影響を及ぼすのか,という2点を検討することを目的とした。

方 法

本実験を行う前に,概念能力を高・低に分類するための概念能力検査を行った。

 1.概念能力検査

 概念能力検査は,抽象検査と識別検査の2つの下位検査から成っている。

 (被験者) 被験者は,幼稚園の年長児196名である。年齢は5才7か月から6才6か

月の範囲で,平均6才1か月であった。

(3)

 (材 料) 杉村・寺尾(1975)の「鳥」「虫」「果物」および「野菜」の概念について の抽象検査と識別検査を用いた。

 (1)抽象検査 Table 1に示したように,検査は鳥,虫,果物,および野菜に関するも のそれぞれ4セットからなっている。鳥セットでは見本事例が鳥で,選択事例は鳥,虫,

乗物であり,虫セットでは見本事例が虫で,選択事例は虫,鳥,乗物である。果物セット では見本事例が果物で,選択事例は果物,野菜,花であり,野菜セットでは見本事例が野 菜で,選択事例は野菜,果物,花である。

 (2)識別検査 Table 2に示したように,鳥に関するものは鳥に属する4事例と鳥に属 さない4事例(虫と乗物2事例ずつ)からなり,虫に関するものは,虫に属する4事例と        Table 1抽象検査

見本事例 選択事例 概念

ホタル・トラック・ッノてメ

チューリップ・バナナ・ハクサイ

wリコプター・トンボ・ツル         『

caEサクラ・タマネギ

Jキ・レンゲ・イモー

Jラス・ヒコウキ・アリ        ー

gマト・メロン・ユリ セ     ミ

a@    モ

潤@    シ

^ ケ ノ コ

=@ ロ  ン

eントウムシ

nクサイ

nクチョウ R オロギ

J ボチ ャ

X  ズ  メ   カ  ン

Jブトムシ

C    モ

J  ラ  ス

pイナップル

カブトムシ・ツバメ・フネ nクチョウ・キシャ・カマキリ Aサガオ・ミカン・ダイコン

・bト・ペンギン・コオロギ

^ケノコ・タンポポ・サクランボ

Zミ・スズメ・ゲンシャー

iス・パイナップル・バラ 二 Eテントウムシ・バス ヒマワリ・カボチャ・リンゴ         (注) 下線は標的事例を示す。

虫に属さない4事例(鳥と乗物2事例ずつ)からなっている。果物に関するものは,果物 に属する4事例と果物に属さない4事例(野菜と花2事例ずつ)からなり,野菜に関する

ものは,野菜に属する4事例と野菜に属さない4事例(果物と花2事例ずつ)からなって

いる。

 抽象検査と識別検査に用いた事例はすべて線画にし,抽象検査では1セットずつ,19×

26.5cmの白い厚紙の上部に見本事例1つを,下部に選択事例3つを貼りつけた。識別検査 では,5×6.5cmの白い厚紙に1事例ずつ貼りつけた。用いた事例とその呈示順はTable 1

とTable 2に示したとおりである。

 これとは別に,抽象検査の練習用として三角形を見本事例とし,三角形,正方形,円を

選択事例とするセットを用いた。

(4)

Table 2識別検査

鳥 虫 果  物 野  菜

ツ     ル ア    リ リ  ン  ゴ ダイ コ ン

ヨ  ッ  ト

I  オ  ム

ハクチョウ

Jマキリ

ユ    リ pイナップル

カ    キ i    ス ト ン ボ

s コ ウキ 潤@   シ

ヘリコプター

c  バ  メ Z     ミ

カ ボチャ

o     ラ o  ナ  ナ

ヒマ ワ リ

=@ ロ  ン

^マネギ

ペ ンギン ホ  タ  ル サクランボ

ト マ  ト

テントウムシ バ      ス イ    モ チューリップ          (注) 下線は概念に属する事例を示す。

 (手続き) 実験は被験者の所属する幼稚園で個別に行った。被験者に氏名や年齢など を尋ねてから,抽象検査を先に実施し,そのあとで識別検査を行った。これは識別検査で は実験者が概念名辞を与えるので,それが抽象検査に影響するのを防ぐためである。

 (1)抽象検査 被験者に抽象検査用のセットを呈示し,実験者がその見本事例を指さし て,「これは○○です。」と見本事例名を言う。それから,「これと同じ仲間は,下の3つ の絵のうちどれですか?」と尋ねて,被験者に絵を指さすように求める。そこで,被験者 が正事例を指さしたら,「これとこれはどちらも何ですか?」と尋ねて,共通概念を言語 化させた。なお,被験者が正事例を選択した時にのみ,それらの共通概念を言語化させた。

 (2)識別検査被験者に,「これからいろんな絵を1つずつ見せます。その絵が鳥であ れば はい ,鳥でなければ いいえ と言って下さい。」と教示してから,鳥リストの事 例を1つずつ呈示し,事例ごとに「これは鳥ですか」と尋ねた。鳥リストの8事例につい て検査を行った後,虫,果物,野菜リストの順に同様の手続きで,検査も実施した。

 (採点法) 抽象検査では,被験者の正しい選択に対して各1点,さらに正しい共通概 念の言語化に対して各1点を与えた。Table 1に示した概念名辞が言えたときに正しい言 語化とみなした。従って,正選択のみで16点,それに言語化が正しければ16点加わるので,

満点は32点になる。識別検査では,各リストとも正しく識別できた反応,すなわち概念に 属する事例に対して はい と答える反応と,概念に属さない事例に対して いいえ と 答える反応にそれぞれ1点を与えた。従って,全部正しく識別できれば,32点になる。抽 象検査と識別検査の合計点を概念能力検査の得点とするので,満点は64点になる。

 2.分類学習

 (実験計画) 2×3の要因計画である。第1の要因は概念能力(高・低)であり,第 2の要因は命名条件(概念命名,事例命名,命名なし)であった。

 概念能力検査全体の結果は,得点範囲が最低16点から最高63点であった。Table 3には,

各群に割り当てられた被験者の人数と平均月齢と概念能力検査の平均得点と得点範囲が示

されている。尚,ここでは概念能力検査の結果,上位から36名を高概念能力者,下位から

36名を低概念能力者とみなした。

(5)

Table 3 高,低能力児の概念能力検査の平均得点と範囲*

命        名 概念能力

人数 月齢

概    念 事   例 な    し

36 74

58.6(55−63) 58.6(56−63) 58.0(54−61)

36

70 30.3(16−36) 33.3(30−38) 32。9(26−37)

        *()は範囲を示す

 高概念能力者と低概念能力者との年齢間にはわずかではあるが(4か月)有意差がみら

れた。

 (材 料) 分類箱は白色のボール紙を使用し,27×17cmの底面をもち,前面の高さ3cm,

後面の高さ11cmの傾斜した箱の上面に,刺激カードを入れるための細長い穴があけられて いる。分類カードは白色の厚紙に,黒色線画を施した絵カードを用いた。練習用としてネ コとカサを用い,各事例につき4枚,合計8枚を1セットとした。本学習に際しては,野 菜の概念から2事例(キュウリ,ホウレンソウ),果物の概念から2事例(スイカ,ブドウ)

を概念カテゴリー規準表(杉村・市川,1975)から選んだ。各事例につき10枚,合計40枚 を1セットとした。尚,分類カードの大きさは5×6.5cmであった。

 (手続き) 概念能力検査から2日後,同じ場所で個別的に実験を行った。被験者と実 験者は分類箱をのせたテーブルをはさんで対座し,記録者は実験者と隣り合わせに座わっ

た。

 最初に,分類の仕方に慣れさせるため,練習用カードを用いて練習を行わせた。練習の はじめに「これから郵便ごっこをしましよう。ここにネコとカサのカードがあります。カー

ドの入る方はいつも決まっています。どちらかはこちらの方に入れると あたり で,ど ちらかはこちらの方に入れると あたり です(それぞれ左右の投入口を指で示す)。今 から1断ずつカードを渡しますから,どちらに入れたらよいかを考えながらカードを入れ て下さい。当たっていたら あたり ,はずれていたら はずれ と言いますから,でき るだけたくさん続けて あたり と言われるように頑張って下さい。」という教示を与えた。

その後,「これはネコ(カサ)です。」と言いながら,一枚ずつカードを手渡し,被験者カー ドを投入する度に あたり はずれ の情報を与えた。事例と左右の穴との対応は被験 者の半数を逆の穴に入れさせることで位置の効果をカウンターバランスした。練習では,

8枚のカードをくり返し3回(24試行)呈示しても,4回連続正反応の学習基準に達しな いものは,そこで中断し,対象から除外した。尚,カード1枚の呈示(分類)は1試行と

する。

 本実験では,「大変よく出来ました。今度はこちらのカードで同じようにやって下さい。」

と教示した後,概念命名群には「これは野菜(果物)です。」と言いながら,事例命名群 には「これはキュウリ(ホウレンソウ,スイカ,ブドウ)です。」と言いながら,統制群 には何も言わずに1枚ずつカードを手渡した。そして,練習の時と同様に,被験者がカー

ドを投入する度に あたり はずれ の情報を与えた。学習到達規準は8回連続正反応

であった。この基準に達しない者は40試行で打ち切り,試行数を40試行とみなした。各概

念と左右の穴との対応は被験者の半数を逆にすることで位置の効果をカウンターバランス

(6)

した。

 刺激カードの提示は同じ事例が連続しないようにランダムに行った。最後に,「今まで 見た絵の中で,わからない絵がありましたか」とか「どちらの穴に,どんなものを入れた

らよいかわかりましたか」などの内省報告を求めた。

結 果

 Table 4は,学習基準に到達するまでの所要試行数の中央値と範囲を表している。各群 の分散に偏りがみられたので,角変換法による2(概念能力:高・低)×3(命名:概念・

事例・なし)の分散分析を実施した。その結果,概念能力の主効果(κ2=19.1,P<.001),

命名の主効果(κ2=15.4,P<0.01),概念能力と命名の交互作用(κ2=6.8, P<.05)が有 意であった。両要因の交互作用が有意であったので,単純効果の検定をしてみると,高概 念能力児の場合,3つの命名条件間にそれぞれ有意な差は認められなかった。これに対し て低概念能力児の場合,事例命名条件群と命名なし条件群との間には,有意な差が認めら れなかった。しかし,、概念命名条件群は事例命名条件群および命名なし条件群よりも,有 意に学習基準に到達するまでの試行数が少ないことが明らかとなった(κ2=6.8,P<,01お よびκ2=9.9,P<.005)。次に,各命名条件群ごとに,高概念能力児と低概念能力児との 成績を比較してみると,事例命名条件群および命名なし条件群では,いずれも高概念能力 児の方が低概念能力児よりも基準到達までの試行数が有意に少なかった(κ2=11.0,P〈

.001およびκ2=8.0,P<.005)。しかし,概念命名条件群では,両者の成績に有意な差が 認められなかった。

Table 4学習規準に到達するまでの所要試行数の     中央値および範囲*

概 念 能 力

命   名

概   念 17 (8−40) 14 (8−40)

事   例 15 (8−40) 26 (17−40)

な   し 20 (10−40) 27 (22−40)

*()は範囲

考 察

 本研究では幼児(6歳児)を対象にして彼らの概念能力を査定し,高概念能力児と低概 念能力児を抽出した。そして,(1)概念能力の差が分類課題の成績に如何なる影響を及ぼす のか,(2)事例に事例名を命名することや概念名を命名することが,高概念能力児と低概念 能力児の分類課題の成績に如何なる影響を及ぼすのか,という2点について検討した。

 統制群(命名なし条件)において,高概念能力児は低概念能力児よりも分類学習を速く

(7)

学習した。この結果は,Sugimura&Terao(1976b)の研究結果と一致する。この点に関 して,Sugimura&Terao(1976b)は「高概念能力児の場合,事例から概念を抽象してこ の概念を利用し媒介型の学習をするのに対して,低概念能力児の場合,このような媒介型 の学習ではなく事例と反応を直接結びつけて学習しているためである。」とKendler&

Kendler(1962)の言語的媒介理論を用いて説明している。

 それでは,事例命名条件群において統制群と同様な結果が認められたのに対して,概念 命名条件で,低概念能力児と高概念能力児との間に成績の差がみられなかったのは,どの ような理由によるのであろうか。これは,媒介型の学習が単に事例名を知っているかどう かによって生じるのではなく,事例問に共有する概念を知り,なおかつ,それを利用でき なければ生じないことを示唆している。

 ところで,Reese(1962)は「言語媒介が反応に役立つようになるまでには,以下の段 階を経る。」と主張している。つまり,第1段階では,たとえ事例に媒介を付与してもそ れを利用して反応できない段階である(媒介欠如)。第2段階では,媒介を付与すればこ の媒介を利用して反応できる。しかし,事例から自発的に媒介を抽象できない段階である

(生成欠如)。そして,第3段階では,事例から自発的に媒介を抽象し媒介型の学習をす ることができる。従って,本研究で用いられた高概念能力児は3条件ともに同様の成績を おさめ,概念命名にたよらなくても自発的に媒介型の学習をしたわけであるから,第3段 階に位置すると言える。これに対して,低概念能力児は概念命名により媒介型の学習が促 進されたわけであるから,第2段階の生成欠如の状態であると言えよう。

 さて,高概念能力児の平均年齢は4か月であるが,低概念能力児の平均年齢に比べて有 意に高かった。このことから,両者の成績の差が概念能力の差によって生じたものではな

く,年齢差によって差が生じたものであると説明することが妥当であるとも考えられる。

しかし,この点については,年齢の要因を除いた分析が必要であるが,Kendlerの発達仮 説は,5歳9か月と6歳1か月とを区別できるほど精確な仮説ではないことを考えると,

概念能力による説明がより妥当であると言える。

 ところで,本研究で用いた概念能力は抽象検査と識別検査という2つの下位検査の得点 をこみにした得点に基づいていた。従って,概念抽象能力および概念識別能力のいずれが 媒介型の学習により深く関連しているかについては明確ではない。この点については,今 後明らかにすべきであろう。

引用文献

Cole, M l976 A probe trial procedure for the study of children s discrimlnation leaning and transfer.

 ノ。πγηα1(1/E陛ρ67加6η∫α1C痂14 Pり6乃。 ogア,22,499_510.

Kendler, H. H.&Kendler, T. S.1962 Vertical and hor量zontal process in problem solving. Pり6乃010926α1

 1〜6麗8ω,69,1_16.

Kendler, H. H., Kendler, T. S.,&Marken, R. S.1969 Developmental analysis of reversal and half_re−

  versal shifts.、06η61ψηz6η α1、P芝ア 乃oJogア,1,318_326.

Reese, H. W.1962 Vertical mediation as a function of age level. Pザ伽10g歪6α1βπ〃6伽,59,502_509.

杉村 建 1974概念分類課題と半概念分類課題の学習における発達的変化 心理学研究,45,

  249−255.

(8)

杉村 健・市川裕子 1975 概念カテゴリー規準表一幼児の場合一奈良教育大学紀要 24,135_146,

Sugimura, T.&Kamimura, Y.1978 Children s sorting behavior as a function of labeling concept names   and frequency of instances.」Bz〃18顔ηqブハ砲rα翫勿6飢∫姥ア{〜ブE4π6α琵。η,27,137−143.

杉村 建・寺尾容子 1975抽象検査と識別検査による幼児の概念 教育心理学研究,23,97−103.

Sugimura, T.&Terao, Y.1976b Sorting behavior as a function of conceptua監ability in children.

  1㍗ア6乃01092α,19,216−223.

Table 2識別検査 鳥 虫 果  物 野  菜 ツ     ル ア    リ リ  ン  ゴ ダイ コ ン ヨ  ッ  ト I  オ  ム ハクチョウ Jマキリ ユ    リ pイナップル カ    キi    ス ト ン ボ s コ ウキ 潤@   シ ヘリコプターc  バ  メZ     ミ カ ボチャo     ラo  ナ  ナ ヒマ ワ リ=@ ロ  ン ^マネギ ペ ンギン ホ  タ  ル サクランボ ト マ  ト テントウムシ バ      ス イ    モ チューリップ          
Table 3 高,低能力児の概念能力検査の平均得点と範囲* 命        名 概念能力 人数 月齢 概    念 事   例 な    し 高 36 74 58.6(55−63) 58.6(56−63) 58.0(54−61) 低 36 70 30.3(16−36) 33.3(30−38) 32。9(26−37)         *()は範囲を示す  高概念能力者と低概念能力者との年齢間にはわずかではあるが(4か月)有意差がみら れた。  (材 料) 分類箱は白色のボール紙を使用し,27×17cmの底

参照

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