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保健体育科の主張

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Academic year: 2021

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保健体育科の主張

著者 杉山 慎一郎

雑誌名 研究紀要 : 共に創りあげる授業

20

ページ 85‑86

発行年 2020‑03

出版者 静岡大学教育学部附属静岡中学校

URL http://doi.org/10.14945/00027154

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静岡大学教育学部附属静岡中学校 研究紀要(第20号)

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保健体育科の主張

杉山慎一郎

教科で育みたい人間像

人々が長寿となった近年において,生き生きと活力ある生活を送ることは誰もが願うことでしょう。生き 生きと活力ある生活を送るためには「やってみたい,挑戦してみよう」という気持ちになれるような心の状 態や,行動にうつすことができる体の状態であることが大切です。そのような心や体の状態であるために は,運動や健康的な生活を取り入れていくことが必要であると考えます。運動や健康的な生活と私たちには

「する」「みる」「支える」などの多様なかかわり方があるため,自分の生活を振り返りながらかかわってい くことが大切になります。

どのようなかかわり方においても,様々な視点から運動や健康的な生活について思考することが,継続的 にかかわることにつながるでしょう。一つの視点からだけではなく,様々な視点から思考することで,課題 や解決策を捉えたり,新たな発見をしたりすることができ,運動や健康的な生活に対して,爽快感や達成感,

喜び,仲間との一体感などの心地よさを感じることができると考えます。その心地よさは運動や健康的な生 活に継続的にかかわることの支えとなり,自分自身で運動や健康的な生活に適した場所や環境を求め,運動 や健康的な生活そのものにおもしろさや親しみを感じていくことにつながっていくでしょう。

このようなことから,保健体育科が育みたい人間像を「生涯にわたって,自分(たち)なりに運動や健康 的な生活にかかわっていく人」としました。子どもたちが,運動や健康的な生活そのものにおもしろさや親 しみを感じ,心と体が一体となっている実感を得ながら,継続的に運動や健康的な生活にかかわっていくこ とを願っています。

教科ならではの文化

自分(たち)が行った動きや生活に対して「もっとこうしてみたい」という思いをもつことは大切です。

その思いは,動きや生活に対して,課題を発見し,解決策を考えることにつながります。子どもたちが思考 した課題や解決策は,自分たちなりに思考した合理的な動きや健康的な生活と言えます。そして,自分たち なりに思考したことがあるからこそ,思考したことが体現できるかどうか試してみたくなるはずです。

自分たちなりの合理的な動きや健康的な生活が体現できていないと実感すれば,どこに課題があるのか,

その課題を解決するためにどのようにすればよいのかをさらに思考し,体現しようとしていくでしょう。自 分たちなりの合理的な動きや健康的な生活が体現できている実感がもてれば,何度も体現できるような方 法を思考したり,合理的な動きや健康的な生活を更新したりしていくでしょう。思考と体現が繰り返され,

動きや生活がよりよくなっている実感につながります。

課題や解決策について思考するときには,他者とかかわることが大切です。他者とかかわることで,思考 していなかった視点に気づくことができ,一つの視点からではなく,様々な視点から課題を発見したり,解 決策を見いだしたりしていくことができるからです。また,自分たちなりの合理的な動きや健康的な生活 は,年齢や体格,周囲の環境などによって変化します。そのため,新たな課題が生まれ,解決策を思考し,

体現しようとし続けることができ,生涯にわたって運動や健康的な生活にかかわることにつながります。

このように考えると,「保健体育科ならではの文化」とは,自分たちなりの合理的な動きや健康的な生活 について新たな視点を得ながら思考し,体現しようとすることを繰り返す営みだと言えるでしょう。

授業づくりで大切にしていること

保健体育科ならではの文化を味わうためには,子どもたちが「こういう動きや生活をしてみたい」という 思いがもてる題材づくりが欠かせません。題材づくりでは,題材そのものを選定することもありますし,題 材に場の設定をすることもあります。やってみたいと思える動きや生活はイメージとなり,試行した動きや 生活に対して,課題や解決策を思考することにつながります。そのため,子どもたちの実態を捉えながら,

授業者が題材づくりをする必要があるでしょう。そして,子どもたちがそれぞれの思考したことを全体で共 有することで,子どもたちの視点は広がっていきます。様々な視点をもつことが,追求していく中で,新た な課題や解決策を見いだすことにつながるのです。また,自分たちなりの合理的な動きや健康的な生活につ

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いて思考していく上で,何に対して思考していくのかを焦点化することが大切です。子どもたちがそれぞれ 追求したことを対話した時に,思考していることが焦点化されていれば,新たな視点として受け入れていく ことにつながります。そして,新たな視点を得た子どもたちは,自分たちなりの合理的な動きや健康的な生 活についてさらに思考し,体現しようとしていくはずです。

以上のことを大切にし,子どもたちが保健体育の授業をおもしろいと感じ,仲間と認め合いながら保健体 育科ならではの文化を味わうことをめざしていきます。

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