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雑誌記事の見出しから見る対象読者による言語表現 の違い

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雑誌記事の見出しから見る対象読者による言語表現 の違い

著者 中村 明修

雑誌名 論文集:金沢大学人間社会学域経済学類社会言語学

演習

巻 9

ページ 15‑39

発行年 2014‑03‑23

URL http://hdl.handle.net/2297/37414

(2)

金 沢 大 学 人 間 社 会 学 域 経 済 学 類

社会言語学演習『論文集』第9巻2014年3月

雑 誌 記 事 の 見 出 し か ら 見 る 対 象 読 者 に よ る 言 語 表 現 の 違 い

経 済 学 類 4 年 中 村 明 修

< 概 要 >

我 々 の 周 り は 言 語 で 溢 れ て い る 。 そ れ は 口 で 発 せ ら れ る 言 葉 だ け で な く 、 ニ ュ ー ス の テ ロ ッ プ や 新 聞 、 雑 誌 な ど 様 々 な メ デ ィ ア で 、 多 様 な 言 語 が 使 用 さ れ て い る 。 そ の よ う な メ デ ィ ア を 見 て い く 中 で 、 同 じ 日 本 語 が 使 用 さ れ て い る と い う の に 、 そ の 言 語 の 使 用 の さ れ 方 に 違 い が あ る こ とに気付いた。例えば情報雑誌の中で同じトピックを取り上げた記事で も 、 そ の 雑 誌 ご と に そ の 見 出 し や 記 事 に お け る 言 語 使 用 の 違 い が あ る ◎ そ れ ら の 違 い は い っ た い ど こ か ら 来 る の だ ろ う か と い う 疑 問 が 湧 い た 。 本研究ではメディアの中でも「雑誌」、特に「見出し」に着目し、各 雑 誌 の 言 語 使 用 の 特 徴 や 、 違 い を 対 象 読 者 や 分 野 な ど で 分 類 し 、 そ れ ぞ れ の 言 語 使 用 の 違 い が 、 ど の よ う な 要 因 に よ っ て も た ら さ れ て い る も の な の か を 明 ら か に す る 。 比 較 対 象 に 使 用 す る 雑 誌 は 、 男 性 情 報 誌 と 女 性 情 報 誌 、 男 性 フ ァ ッ シ ョ ン 誌 と 女 性 フ ァ ッ シ ョ ン 誌 、 ざ ら に 女 性 ヤ ン グ 誌と女性シニア誌である。それらの雑誌の見出しを対象に、性差、分野、

年 齢 層 と い っ た 多 方 面 の 要 因 か ら 比 較 し 言 語 使 用 の 違 い の 要 因 を 分 析 す る 。 そ の 際 多 く 使 用 さ れ て い る 単 語 な ど を 数 値 化 や グ ラ フ 化 を 通 し て 可視化し、対象読者の違いによる言語使用の違いを明らかにする。

< キ ー ワ ー ド >

雑 誌 ; 見 出 し ; 対 象 読 者 ; 性 差 ; 世 代 差

1E‑mail:whirl̲akl9̲[email protected]

− 1 5 −

(3)

< 目 次 > 1 . は じ め に

2.序論

2.1.研究の動機 2.2.先行研究 2.3.研究方法

3 . 男 性 情 報 誌 と 女 性 情 報 誌 3.1.仮説設定

3.2.検証見出しから見える性差 3.3.頻繁に使われる言語表現

4.分野別で見る対象の違い

4.1.フアッシヨン誌、新聞での差異 4.2.年齢層の違い

4.3.考察

5.おわりに

(4)

1 . は じ め に

我々の身の回りにはたくさんの言葉が溢れている。テレビや新聞、雑 誌やインターネットといったメディアを通して、我々は毎日言葉を目に し、触れている。その中で同じ記事を扱っているのに、その言語使用が メディアによって若干異なることに気付いた。そこでそのような言語使 用の差異はいったいどこから来るのだろうかと疑問を持った。その疑問 を明らかにするために本論文の執筆に至った。しかし多種多様なメディ アを比較対象にしてしまうと言語使用の違いの要因が無数に考えられ、

適切に要因を突き止めることができないと予想されるため、本論文では 雑誌、特に「見出し」に着目し、その見出しに使用されている言語表現

を比較・考察し、上記の疑問を解明する。

第一章ではその研究対象や研究の方法、また研究に至った動機を記す。

第二章では男性情報誌と女性情報誌を比較する。情報量の多い情報誌で は、言語使用の違いを顕著に見ることが可能であり、男性・女性という 性差により、どのように言語使用の違いが表れるのかを考察していく。

また各雑誌から頻繁に使われる言語表現を抜粋し、各雑誌の特徴を考察 する。第三章では性差以外での要因による、言語使用の違いを比較、考 察していく。例えば男性ファッション誌・女性ファッション誌といった 男女による性差、女性ヤング誌・女性シニア誌といった年齢層による違 いを考察していく。雑誌の中で多方面から対象読者による言語使用の違

い を 明 ら か に す る 。 2.序論

2.1.研究の動機

本稿の研究動機であるが、「はじめに」で触れたとおり同じ対象を扱 った記事でも、メディアが違うことによってその言語使用も異なってお

り 、 そ の 違 い が ど の よ う な 要 因 に よ る も の な の か を 疑 問 に 思 っ た か ら で ある。その中でも雑誌、特に記事の見出しに着目した。見出しというも のはその雑誌のメインとなる記事の内容を、端的に紹介するものであり、

短く分かりやすく、しかし大きなインパクトを読者に与えなければなら ない。その雑誌が対象としている読者に、この雑誌を読みたいと思わせ な け れ ば な ら な い の で あ る 。 そ の よ う な 意 味 を 持 つ 雑 誌 の 見 出 し に は 、 顕著にその言語使用の違いが表れていると考え、対象読者により雑誌の 見出しの中の言語使用が、どのように異なってくるのかを比較、研究す

‑ 1 7 ‑

(5)

る こ と が 本 稿 の 目 的 で あ る 。

2.2.先行研究

先行研究として井上(1989)の研究は雑誌の中でも、その記事内容に 言及している。桑名(2004)は雑誌の表紙の研究では、見出しや記事内 容の言語的性差ではなく、表紙を飾っている写真や絵などの視覚情報に ついての研究がなされている。れいのるず(1989)の研究では、ファッ ション雑誌における、見出しの文字種の比較を行っている。特に漢字や 平仮名・カタカナなど、表紙に使用されている文字の形態、言語形態の 違いの性差を研究するものであった。記事の内容について言及している 井上(1989)の研究では、その記事内容の言語使用の違いというものは、

対象読者によるものではなく、出版社やその記事を執筆した記者が大き く関与している可能性があると指摘されている。そこで、本研究では記 事内容には大きく着目せず、雑誌の見出しを中心に言及していく。田中 (2007)ではファッシヨン雑誌の表紙コピーに言及しているが、本研究で は フ ァ ッ シ ョ ン 雑 誌 だ け で は な く 、 新 聞 や ラ イ フ デ ザ イ ン 誌 の 見 出 し の 言 語 使 用 に も 調 査 を 行 う 。

本研究は雑誌の見出しの言語使用の比較を行う上で、れいのるず

(1989)と類似しているが、本研究ではフアツシヨン雑誌だけではなく、

他分野雑誌での言語使用の差や対象読者の年齢層により生まれてくる 性差にも着目し調査を行う。このように、れいのるず(1989)の研究と

は違う視点で、雑誌における対象読者による言語使用の差を本研究では 明 ら か に し て い き た い 。

2.3.研究方法

研究の方法として、日本雑誌協会に記載されている印刷証明付き発行 部数を検討し、発行部数という観点から極力類似した雑誌を選択する。

その後、各雑誌のごとに見出しを集め言語学的に分析する。また各雑誌

に多く使用されている語の数を計算し、表・グラフ化する。また女性雑

誌・男性雑誌だけでなく、分野や年齢別で雑誌を分類し、各雑誌を比較

する。各雑誌1部ずつを対象とすると偶発的な要因に結果が左右される

可 能 性 が あ る た め 、 各 2 部 以 上 を 比 較 検 討 し て い く 。

(6)

3 . 男 性 情 報 誌 と 女 性 情 報 誌

3.1.仮説設定

まず男性雑誌と女性雑誌による違いを考察していく。使用する雑誌は、

男性雑誌である『SPA!l(扶桑社)と『FRIDAYj(講談社)、

女性雑誌である『女性セブン』(小学館)と『女性自身」(光文社)であ る 。 い ず れ も 印 刷 証 明 付 き 発 行 部 数 が 多 く 、 一 般 的 な 雑 誌 で あ る 。 こ れ らを男性雑誌、女性雑誌という2つの種類に分類し、それぞれ同じ人物 や出来事を取り扱った記事であるが、対象読者の違い(この場合は男性と 女性)によりどのような違いがあるのかを考察し、仮説を設定する。

例 1 田 中 将 大 選 手 ( 東 北 楽 天 イ ー グ ル ス ) の 記 事

①男性写真週刊誌『FRIDAY』の記事

田 中 将 大 「 ど こ の ユ ニ フ ォ ー ム が お 似 合 い か な ? 」

田中将大(25)のメジャー行きが、ようやく進展を見せた。米国 と の ポ ス テ ィ ン グ 制 度 合 意 案 の 再 考 を 求 め て い た プ ロ 野 球 選 手 会 が、11月11日の日本野球機構との折衝で同案に理解を示したの だ 。 一 方 、 す ぐ に で も 交 渉 を 始 め た い メ ジ ャ ー リ ー グ で は 、 掲 載 した14もの球団が獲得に興味を示しているという、田中の新しい ユ ニ フ オ ー ム は 、 ど の チ ー ム の も の に 決 ま る の で し ょ う か 。

図 1 図 2

『FRIDAYj11月29日「FRIDAY」12月6日号

‑ 1 9 ‑

(7)

『FRIDAY』の記事内容の説明

メ ジ ャ ー 行 き が 注 目 さ れ て い る 田 中 将 大 選 手 の 記 事 で あ る 。 ど の メ ジ ヤ ー リ ー グ の ユ ニ フ オ ー ム が 似 合 う か 、 各 チ ー ム の ユ ニ フ オ ー ム に 田 中 選 手 の 顔 を 合 成 す る と い う ユ ニ ー ク な 記 事 が 見 ら れ た 。

② 男 性 雑 誌 『 S P A ! 』 の 記 事

星 野 監 督 よ 、 も う マ ー 君 に こ れ 以 上 投 げ さ せ る な !

日本球界の「絶対的エース」、マー君が海を越える!といっても話題 が尽きない米メジャー入りの噂話ではない。11月15日から台湾で 始 ま る ア ジ ア シ リ ー ズ に 、 東 北 楽 天 ゴ ー ル デ ン イ ー グ ル ス の 田 中 将 大投手が緊急参戦することが決まったのだ。(以下略)

図 3

I 鷺 篭

F ,

随 謬

〕 鳶

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嚢号1斗魁哩陣さ偲膚験3畳軽蔑諺

「SPA!」11/19・11/26合併号

「SPAI』の記事内容の説明

日本シリーズを制した東北楽天ゴールデンイーグルス。その日本一に

大きく貢献した田中将大選手がアジアシリーズに緊急参戦したという

記事である。日本シリーズの疲れをいやすため、この期間は田中投手を

招 集 し な い 予 定 で あ っ た が 、 急 暹 メ ン バ ー に 加 わ っ た 。 メ ジ ャ ー リ ー グ

で は 考 え ら れ な い 多 さ の 球 数 を 投 げ 、 投 手 の 負 担 が 大 き い と 問 題 に な っ

て い る の に 加 え 、 さ ら に 負 担 に な る か も し れ な い こ の ア ジ ア シ リ ー ズ へ

の 田 中 選 手 の メ ン バ ー 入 り が 問 題 視 さ れ 、 怪 我 な ど が 懸 念 さ れ て い る と

い う 記 事 で あ る 。

(8)

こ の 2 つ の 記 事 が 、 男 性 雑 誌 で 見 ら れ た 田 中 将 大 選 手 の 記 事 で あ る 。 ど ち ら も 田 中 将 大 選 手 の メ ジ ャ ー 行 き を 考 え て い る 記 事 で あ る 。 次 に 女 性 雑 誌 で 取 り 上 げ ら れ た 田 中 選 手 の 記 事 を 見 て み る 。

③ 女 性 雑 誌 「 女 性 自 身 」 の 記 事

里 田 ま い 夫 の 代 わ り に 献 身 お 見 舞 い ・ ・ ・ 両 足 切 断 & 認 知 症 祖 母 の V

エ ー ル 1

楽 天 を 日 本 一 に 導 き 、 大 リ ー グ 入 り も 確 実 視 さ れ て い る 田 中 将 大 投 手 。 だ が 、 そ の 陰 で 応 援 し 続 け て く れ た 最 愛 の 祖 母 が 「 両 足 切 断 」

という悲劇に見舞われた(以下略)

『女性自身』11月26日号

『 女 性 自 身 」 の 記 事 内 容 の 説 明

楽 天 日 本 一 に 大 き く 貢 献 し た 田 中 将 大 投 手 の 活 躍 の 陰 で 、 応 援 し 続 け た 兵 庫 県 の 祖 母 が 糖 尿 病 を 悪 化 さ せ 、 両 足 切 断 、 同 時 に 認 知 症 の 進 行 も 進 み 9 月 に 介 護 施 設 に 入 所 の 決 断 を し た 。 田 中 投 手 の 妻 で あ る 里 田 ま い 氏 も 、 キ ャ ン プ で 見 舞 に 行 く こ と が 出 来 な い 田 中 投 手 に か わ り 、 献 身 的

‑ 2 1 −

(9)

に お 見 舞 し た と い う 内 容 で あ る 。

男 性 雑 誌 と 女 性 雑 誌 に 見 ら れ た 違 い

男 性 雑 誌 は 基 本 的 に 田 中 選 手 の 大 リ ー グ 関 係 の 話 題 で あ っ た 。 ど の チ ー ム に 移 籍 す る の か 、 ま た 移 籍 す る に あ た っ て の 日 本 の プ ロ 野 球 の 問 題 点などについて取り上げた記事であった。それに対して女性雑誌の記事 は 田 中 選 手 の 活 躍 の 裏 話 を 掲 載 し た 記 事 で あ っ た 。 活 躍 の 裏 に あ る 、 祖 母両足切断という悲しい事実や、その祖母を献身的に見舞う妻、里田ま いの行動を描いた感動的な内容のものであった。これらから考えられる 違いとしては、男性雑誌は表面的な話題、直接的なものが多い一方、女 性 雑 誌 は 活 躍 の 裏 側 な ど 、 裏 話 的 な 話 題 が 多 い よ う に 見 ら れ た 。 活 躍 の 裏で支える献身的な妻の姿など、女性の活躍を取り上げるような記事も 多く見られた。他にも女性雑誌では母と娘の関係など、人間関係や物語 の裏話のような記事が多く、女性はこのような記事を好む傾向にあるの で は な い か と 考 え ら れ る 。

ま た 上 記 の 傾 向 が 、 各 雑 誌 の 見 出 し に 反 映 さ れ る 可 能 性 が あ る こ と が 分 か っ た 。 見 出 し を 男 性 雑 誌 と 女 性 雑 誌 で 比 較 す る と 、 そ の 見 出 し で 言 語 使 用 に 差 が 見 ら れ た か ら で あ る 。 男 性 雑 誌 で 頻 繁 に 見 ら れ る 表 現 や 、 女性が好む表現があり、見出しではそれらを顕著に見ることが出来る。

次節では雑誌の「見出し」に着目して、対象読者の違いによる言語使用 の 特 徴 を 考 察 し 、 仮 説 の 妥 当 性 を 検 証 し て い く 。

3.2.検証見出しから見える性差

女性雑誌と男性雑誌での記事の使われ方や、表現が対象読者の性差に より変化することが分かった。しかし先ほど挙げられた雑誌は出版社や 発 行 部 数 な ど に ば ら つ き が あ る 。 出 版 社 が 違 え ば 、 そ の 表 現 の 違 い は 出 版 社 の 社 風 の 違 い と い う 可 能 性 も あ る 。 ま た 発 行 部 数 が 違 え ば 少 し ば か り対象読者も異なっている可能性を否めない。そこで次の表を見て欲し

い。

(10)

女 性 雑 誌

雑 誌 名

女 性 自 身

週 刊 女 性

女性セゴン 男 性 雑 誌

雑 誌 名

A E R A < ア エ ラ )

週:刊朝間

週 刊 現 代

週刊う・レイボーイ

蕊刊ボ;斑ふ

週 刊 新 潮

週 刊 ア サ ヒ 芸 能

SPA!

週 刊 大 衆

週 刊 文 春

サ ン デ ー 毎 H

ニ ュ ー ズ ウ ィ ー ク H 本 版

出 版 社 名

光 文 社

主 婦 と 生 活 社

小 学 館

出 版 社 名

朝 日 新 聞 出 版

朝 日 新 聞 出 版

講 談 社

集 英 社

小 蕊 篭

新 潮 社

徳 間 書 店

扶 桑 社

双 葉 社

文 藝 春 秋

毎 日 新 聞 社 出 版 局

阪 急 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ズ

− 2 3 −

印 刷 証 明 付 き 発 行 部 数

418,182

258,300

蕊蕊蕊尋

印 刷 証 明 付 き 発 行 部 数

ll8,693

l89,367

558,182

212,308

4雛;蕊蕊

567,639

197,740

ll3,356

247,047

701,200

llO,625

71,538

(11)

男 性 > 総 合 > 週 刊 誌 > 写 真 週 刊 誌

雑 誌 名

FRIDAY

FRIDAYダイナマイト

FLASH

発 行 部 数 調 べ

一 般 社 団 法 人 日 本 雑 誌 協 会

講 談 社

講 談 社

光 文 社

出 版 社 名 印 刷 証 明 付 き 発 行 部 数

269,167

180,000

210,473

(http://www.j‑magazine.or.jp/magadata/index.phD?module=list&ac tlon=list&catlcd=2&cat3cd=16&perlodcd=22# )

表には各週刊誌名とそれらの発行部数が記されている。この表をもと に2つの週刊誌をピックアップする。それは女性週刊誌である「女性セ ブン」と男性週刊誌である「週刊ポスト」である。これらはどちらも小 学館からの出版であり、また印刷証明付き発行部数もそれぞれ418,334 部「女性セブン」と484,637部『週刊ポスト』であり、極めて近似した 値となっている。これらを比較対照することで、より性差による言語表 現 の 違 い が 明 確 に な る と 予 想 さ れ る た め 次 節 で は こ れ ら を 比 較 し て い

く 。

「女性セブン』の分析

まず女性雑誌『女性セブン」を見ていく。女性雑誌の見出しを観察す ることにより、特徴を発見することが出来た。女性雑誌の見出しには「感 情を表す表現」が多用される傾向にあることである。

例(太字による強調は論者)

.「ごちそうさん」の和枝さん暴発にみんなワクワク「嫁いびり」

は 力 ・ イ ・ 力 ・ ン ! ?

・ キ ャ ロ ラ イ ン 駐 日 大 使 呪 わ れ た 一 家 が 長 男 に 賭 け た 悲 願

・ 天 海 祐 希 奇 跡 の 代 役 り え の あ ふ れ る 胡 蝶 蘭 に メ ラ ッ !

・愛と憎しみの「母・私・娘」娘の幸せ・若さを妬む母よ「死んで

ください、頼むから」

(12)

こ の よ う に 女 性 雑 誌 で は 太 字 に よ っ て 強 調 さ れ た 多 種 多 様 な 表 現 か ら 分 か る よ う に 、 人 の 感 情 を 表 現 し て い る 。 例 え ば 、 2 つ 目 の 悲 願 と い う 単 語 か ら は ど う し て も 叶 え た い 思 い 、 強 い 期 待 の 感 情 が 読 み と れ る 。 ま た 3 つ 目 の 「 メ ラ ッ ! 」 と い う 表 現 に は 、 絶 対 に 負 け た く な い と い う 強 い 闘 争 心 が 巧 み に 表 現 さ れ て い る 。 こ の よ う に 女 性 雑 誌 か ら は 様 々 な 表現の仕方により、人間の感情を表現しているように見える。

次 に 男 性 雑 誌 で あ る 『 週 刊 ポ ス ト 』 の 見 出 し を い く つ か 抜 粋 す る 。

安 藤 美 姫 「 理 不 尽 な 冷 遇 」 と ス ケ ー ト 連 盟 の 暗 闘 ミ キ テ イ が 赤 ん 坊 の パ パ を 家 か ら 追 い 出 し て い た

激 震 覆 面 官 僚 座 談 会 秘 密 保 護 法 で も 財 務 官 僚 は 逮 捕 き れ な

いま全国民が考えるべき「平成最後の日々」

岩 隈 の 二 の 舞 で 渡 米 不 可 能 ? 日 米 「 マ ー 君 争 奪 戦 」 の 泥 沼

こ の よ う に 男 性 雑 誌 の 見 出 し で は 客 観 的 な 事 実 や 結 果 を 淡 々 と 見 出 し に 表 現 す る 傾 向 が あ り 、 感 情 を 表 す 表 現 は ほ と ん ど 使 用 さ れ て い な か った。

以 下 の 表 は 、 各 雑 誌 に 見 ら れ た 感 情 を 表 す 表 現 の 数 で あ る 。 感 情 と は 喜 ん だ り 悲 し ん だ り す る 心 の 動 き 、 気 持 の こ と で あ る 。 今 回 感 情 を 表 す 表現として、「嬉しい」「悲しい」といった形容詞、「落胆」「怒り」とい った名詞、そして「はあ」「やった−」「ああ」といったような感嘆詞を、

感 情 を 表 す 表 現 と し て 定 義 す る 。 こ の よ う に 定 義 し た 表 現 が ひ と つ 出 る た び に カ ウ ン ト し た 。 グ ラ フ は 見 出 し の 数 の う ち 、 い く つ そ の よ う な 表 現 が 出 て き た か を 表 す も の で あ り 、 ひ と つ の 見 出 し に つ き 複 数 の 表 現 が 出 て き た 場 合 も 、 そ れ ぞ れ カ ウ ン ト し て い る 。

表 感 情 を 表 す 表 現 の 数

女 性 雑 誌 女 性 セ ブ ン 男 性 雑 誌 週 刊 ポ ス ト

10(見出しの数38) 2(見出しの数17)

− 2 5 −

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