4 年制看護大学 3 年次編入生が感 じる問題
束岡 典子
1
・吉 田真 由美1
・阪本 恵子2
要 旨 看護系大学の編入学 は学部の途 中か ら入学す るため,既修得単位の換算方法 な どが個 々の学生 に 応 じて行 われ る.その実施内容 は大学 によって差があ り,様 々な方法が とられ,編入生のカリキュラム構成 や事務手続 きな ども各大学で異 なる.看護学科編入経験者である筆者の一人は,履修 したい科 目が履修 で き ない等の問題 を強 く感 じていた.そ こで,本研究では,編入生が感 じる問題 をあ さらかにすることによって, 編入生の就学‑ の支援 を検討す る基礎 的デー タとして提供す る.
了解が得 られたB大学看護学科
1‑ 4
期生の編入生 を対象 にインタビューを実施 し,その内容 を逐語化 し 分析 した.その結果,6
つのカテ ゴリー,す なわち,1)事務関係 のサ ポー ト不足 ,2)
編入生 にかかる実習 ユニフォームの経済的負担,3)
カ リキュラム編成への不満,4)
講義内容,選択 の しかたに関する困難 さ,5)
実習時期や指導 に関す る問題,6)
編入生 は大学 に短大3
年 と大学2
年の計5
年 間在籍:1
年 間の ロス タイ ム, を抽 出 した.なお,それぞれのカテゴリーには複数のサブカテゴリー,計19
項 目で構成 された.今 回の 研究で,編入生のガイダンスやオ リエ ンテーシ ョンの重要性,学習意欲 の低下の懸念 ,学習ニー ドの多様化 等があ きらかにな り,柔軟性のある編入学制度が必要であることが示唆 された保健学研究
1 9( 1 ):37 ‑ 42,2 0 06 Ke yWor ds
看護大学,看護学科,編入学制度,編入生か らみた就学上の問題̲ 二
二∴ ‑
緒 言
文部科学省 による と,平成1
7
年度4
月時点で,看護系 の4
年制大学 は127
大学 あ り,その うち95
大学が編入学 を実施 している (2
年次編入学実施の 1校 を含 む).看 護系大学の編入学制度 は,看護大学教育 に携 わることの で きる学士資格者 を育成す ることを目的に197 6
年 より始 まってお り,看護短期大学卒業者 に看護学士への道 を開 くとともに,広 く生涯教育の機会 を提供す る とい う大学 の役割の一つ として受け入れ られている. また,生涯学 習 とい う観点か ら,1 9 9 8
年 に学校教育法が一部改定 され, 専修学校専 門課程 (以下,専門学校)の修了者 にも看護 系大学の編入学受験資格が与 えられたことによって, より多 くの者が編入学制度 を利用 しやす くなった. しか し, 編入生受 け入れ人数 は数名‑1
0
名程度が大半であるため, 大学内においては少数派である. また,編入学 を実施 している大学では,編入生が過去 に在籍 していた短大,辛 門学校 の既修得単位 を大学の卒業要件 と照合 し単位認定 している. したがって,不足単位 を学生は,個 々人 に応 じて取得することになる. この編入生 カリキュラムの編 成 は,複雑であ り,それぞれの大学 において異 なるため, 各大学 ともに,カリキュラム編成上検討 を要 している.
事実,看護学科編入経験者である筆者の一人は,履修 し たい科 目が履修で きない等 の問題 を強 く感 じてお り,大 学 と学生双方 に多 くの課題 を有 している.
以上のことか ら,編入生が感 じる編入学制度の諸問題 をとりあげ,今後 の編入学制度の検討上の一助 として役 立つ よう,本研究 に取 り組んだ.
Ⅰ.
目 的B
大学に編入学 した学生を対象 に,B大学看護学科編 入生が感 じる問題 をあきらかにすることによって,編入生 の就学‑の支援 を検討する基礎 的データとして提供する.Ⅱ.
研究対象および研究方法研究対象者 :B大学看護学科 に編入学 した編入生 (編 入学第
1
期生〜第4
期生)17
名の うち,男女14
名である.これは,
B
大学看護学科編入生全体17
名の87.5%である.
なお,編入学第 1期生 と
2
期生はすでにB
大学 を卒業 し, 第3
期生4
期生 は現在B
大学 に在籍 中である.倫理的配慮 :対象者1
4
名全員 に,本研究の参加 ・不参 加 は自由意志で,途 中中断 も可能であること,参加の拒 否や途 中中断 による不利益 はないこと,内容 は研究以外 では使用 しないこと,個人名 を特定で きない よう匿名 と す ること,研究の どの過程 において もプライバ シーの保 護 に努めることを説明 し,同意 を得 た.デー タ収集 :まず , タイ トル に関す る各 自の考 えを
o pe n‑ e nde di nt e r v i e w
(自由回答式面接)で記入 を求 め た.次 に, これ を基 にs e mi ‑ s t r uc t ur e di nt e r v i e w
(辛1 県立広 島大学保健福祉学部看護学科 2 長崎大学医学部保健学科看護学専攻
‑ 37‑
4 年制看護大学 3 年次編入生が感 じる問題
束岡 典子
1
・吉 田真 由美1
・阪本 恵子2
要 旨 看護系大学の編入学 は学部の途 中か ら入学す るため,既修得単位の換算方法 な どが個 々の学生 に 応 じて行 われ る.その実施内容 は大学 によって差があ り,様 々な方法が とられ,編入生のカリキュラム構成 や事務手続 きな ども各大学で異 なる.看護学科編入経験者である筆者の一人は,履修 したい科 目が履修 で き ない等の問題 を強 く感 じていた.そ こで,本研究では,編入生が感 じる問題 をあ さらかにすることによって, 編入生の就学‑ の支援 を検討す る基礎 的デー タとして提供す る.
了解が得 られたB大学看護学科
1‑ 4
期生の編入生 を対象 にインタビューを実施 し,その内容 を逐語化 し 分析 した.その結果,6
つのカテ ゴリー,す なわち,1)事務関係 のサ ポー ト不足 ,2)
編入生 にかかる実習 ユニフォームの経済的負担,3)
カ リキュラム編成への不満,4)
講義内容,選択 の しかたに関する困難 さ,5)
実習時期や指導 に関す る問題,6)
編入生 は大学 に短大3
年 と大学2
年の計5
年 間在籍:1
年 間の ロス タイ ム, を抽 出 した.なお,それぞれのカテゴリーには複数のサブカテゴリー,計19
項 目で構成 された.今 回の 研究で,編入生のガイダンスやオ リエ ンテーシ ョンの重要性,学習意欲 の低下の懸念 ,学習ニー ドの多様化 等があ きらかにな り,柔軟性のある編入学制度が必要であることが示唆 された保健学研究
1 9( 1 ):37 ‑ 42,2 0 06 Ke yWor ds
看護大学,看護学科,編入学制度,編入生か らみた就学上の問題̲ 二
二∴ ‑
緒 言
文部科学省 による と,平成1
7
年度4
月時点で,看護系 の4
年制大学 は127
大学 あ り,その うち95
大学が編入学 を実施 している (2
年次編入学実施の 1校 を含 む).看 護系大学の編入学制度 は,看護大学教育 に携 わることの で きる学士資格者 を育成す ることを目的に197 6
年 より始 まってお り,看護短期大学卒業者 に看護学士への道 を開 くとともに,広 く生涯教育の機会 を提供す る とい う大学 の役割の一つ として受け入れ られている. また,生涯学 習 とい う観点か ら,1 9 9 8
年 に学校教育法が一部改定 され, 専修学校専 門課程 (以下,専門学校)の修了者 にも看護 系大学の編入学受験資格が与 えられたことによって, より多 くの者が編入学制度 を利用 しやす くなった. しか し, 編入生受 け入れ人数 は数名‑1
0
名程度が大半であるため, 大学内においては少数派である. また,編入学 を実施 している大学では,編入生が過去 に在籍 していた短大,辛 門学校 の既修得単位 を大学の卒業要件 と照合 し単位認定 している. したがって,不足単位 を学生は,個 々人 に応 じて取得することになる. この編入生 カリキュラムの編 成 は,複雑であ り,それぞれの大学 において異 なるため, 各大学 ともに,カリキュラム編成上検討 を要 している.
事実,看護学科編入経験者である筆者の一人は,履修 し たい科 目が履修で きない等 の問題 を強 く感 じてお り,大 学 と学生双方 に多 くの課題 を有 している.
以上のことか ら,編入生が感 じる編入学制度の諸問題 をとりあげ,今後 の編入学制度の検討上の一助 として役 立つ よう,本研究 に取 り組んだ.
Ⅰ.
目 的B
大学に編入学 した学生を対象 に,B大学看護学科編 入生が感 じる問題 をあきらかにすることによって,編入生 の就学‑の支援 を検討する基礎 的データとして提供する.Ⅱ.
研究対象および研究方法研究対象者 :B大学看護学科 に編入学 した編入生 (編 入学第
1
期生〜第4
期生)17
名の うち,男女14
名である.これは,
B
大学看護学科編入生全体17
名の87.5%である.
なお,編入学第 1期生 と
2
期生はすでにB
大学 を卒業 し, 第3
期生4
期生 は現在B
大学 に在籍 中である.倫理的配慮 :対象者1
4
名全員 に,本研究の参加 ・不参 加 は自由意志で,途 中中断 も可能であること,参加の拒 否や途 中中断 による不利益 はないこと,内容 は研究以外 では使用 しないこと,個人名 を特定で きない よう匿名 と す ること,研究の どの過程 において もプライバ シーの保 護 に努めることを説明 し,同意 を得 た.デー タ収集 :まず , タイ トル に関す る各 自の考 えを
o pe n‑ e nde di nt e r v i e w
(自由回答式面接)で記入 を求 め た.次 に, これ を基 にs e mi ‑ s t r uc t ur e di nt e r v i e w
(辛1 県立広 島大学保健福祉学部看護学科 2 長崎大学医学部保健学科看護学専攻
‑ 37‑
構成的面接) を実施 した.なお, さらに,対象者 と研究 者の間で,メールと直接の対話 をとお してデータを追加 ・ 確認 を行 い, これ ら全て をデー タ :逐語録 とした. この
間,随時,指導者か らスーパ ー ビジ ョンを受 けなが ら実 施 した.
分析 :インタビュー した内容 を逐語化 した. さらにそ れ らをコー ド化 し,類似 したコー ドのクラスタリングと ラベル付 けを行い,カテゴリー化 した.随時,指導者か らスーパー ビジ ョンを受 けなが ら実施 した.
Ⅲ.
結 果1
.研究対象者の背景対象者 :
1 4
名中,女性 は1 2
名 ,男性2
名,年齢 は2 3‑
3 0
歳 (平均2 5 . 6±3 . 5 )
で ∴編入前 に臨床経験の ある も保健学研究
のは3名 (3名 ともに臨床経験 7年)である.
2.
逐語録か らあ きらか にされたカテゴリー とサブカテ ゴリーカテゴリーは
6
つ,サブカテゴリーは19
つ抽出された.例 えば 〔事務関係 のサポー ト不足〕 とい うカテゴリーの 中には,「編入学生の専門事務担当者がいない」 「事務手 続 きの不備」 「授 業開始時 に教科書が手元 に届 かない」
「編入生が受 けるガイダンス, オ リエ ンテーシ ョンへ の 不満」 とい う4つのサブカテゴリーが列挙 された.また,
「事務手続 きの不備」 のサ ブカテ ゴリーの具体例 として は, (実習ユニフォームな どの必要経費 の情報不足) (健 康診断結果が遅い) (履修登録 の手続 きの多 さ) な ど9 つの具体例が示 された (表1).
表
1. B
大学編入生が感 じている問題カテゴリー ラベル付 け ( サブカテゴリー)
1.事務 関係 のサポー ト不足 *編入学生の専 門事務担当者がいない
*事務手続 きの不備 ‑
・白衣 など の必 要経費の情報不足
・健康診断結果が遅い
・履修登録の手続 きの多 さ
・講義連絡の不備
・単位認定の連絡が遅 い
・編入生のみに必要な情報連絡の遅 さ
・講義変更な どの情報伝達機会の少 なさ
・出席簿 に名前が無い
・対応が二の次
*編入生が受けるガイダンス,オ リエ ンテーシ ョンへの不満
*授業開始時に教科書が手元 に届かない 2. 編入生 にかかる実習服の経済的負担 *新 しい実習服の購入の問題
*以前のユニフォームが利用 で きない 3. カリキュラム編成への不満 *カリキュラム編成が複雑である
・*カ リキュラムに余裕が ない
*編入生の独 自のカリキュラムがない
*期待 していた地域看護学系 の授業 と看護学系の授業が充実 していない こと
*助産師資格習得が不可能
*既修得単位 の認定が時間数不足等 によって され に くい
4.講義内容,選択 の しかたに関す る困難 さ*大学 1.2 年生 と合同の講義 に対する充実感の不足
*本大学開講の基礎演習 (1学年開講) を受講す る必要性 を感 じない
*講義選択が 自由に出来 ない
・科 目の重複がある
・他学科 ,他学年の講義の選択範囲が狭い
・似 た ような講義内容の どち らか を選ぶ ことがで きない
・学びたい科 目が選択 で きない
5. 実習時期や指導 に関する問題 *編入生が行 く実習の事前説明,指導の不足
*■ 夏季休業 中に実習がある
*実習期 間や実習 グループが特定であるために起 こる問題
・就職活動がで きない
・卒業研究が大変
・編入生のみのグループとしか実習 にいけない
構成的面接) を実施 した.なお, さらに,対象者 と研究者の間で,メールと直接の対話 をとお してデータを追加 ・ 確認 を行 い, これ ら全て をデー タ :逐語録 とした. この
間,随時,指導者か らスーパ ー ビジ ョンを受 けなが ら実 施 した.
分析 :インタビュー した内容 を逐語化 した. さらにそ れ らをコー ド化 し,類似 したコー ドのクラスタリングと ラベル付 けを行い,カテゴリー化 した.随時,指導者か らスーパー ビジ ョンを受 けなが ら実施 した.
Ⅲ.
結 果1
.研究対象者の背景対象者 :
1 4
名中,女性 は1 2
名 ,男性2
名,年齢 は2 3‑
3 0
歳 (平均2 5 . 6±3 . 5 )
で ∴編入前 に臨床経験の ある も保健学研究
のは3名 (3名 ともに臨床経験 7年)である.
2.
逐語録か らあ きらか にされたカテゴリー とサブカテ ゴリーカテゴリーは
6
つ,サブカテゴリーは19
つ抽出された.例 えば 〔事務関係 のサポー ト不足〕 とい うカテゴリーの 中には,「編入学生の専門事務担当者がいない」 「事務手 続 きの不備」 「授 業開始時 に教科書が手元 に届 かない」
「編入生が受 けるガイダンス, オ リエ ンテーシ ョンへ の 不満」 とい う4つのサブカテゴリーが列挙 された.また,
「事務手続 きの不備」 のサ ブカテ ゴリーの具体例 として は, (実習ユニフォームな どの必要経費 の情報不足) (健 康診断結果が遅い) (履修登録 の手続 きの多 さ) な ど9 つの具体例が示 された (表1).
表
1. B
大学編入生が感 じている問題カテゴリー ラベル付 け ( サブカテゴリー)
1.事務 関係 のサポー ト不足 *編入学生の専 門事務担当者がいない
*事務手続 きの不備 ‑
・白衣 など の必 要経費の情報不足
・健康診断結果が遅い
・履修登録の手続 きの多 さ
・講義連絡の不備
・単位認定の連絡が遅 い
・編入生のみに必要な情報連絡の遅 さ
・講義変更な どの情報伝達機会の少 なさ
・出席簿 に名前が無い
・対応が二の次
*編入生が受けるガイダンス,オ リエ ンテーシ ョンへの不満
*授業開始時に教科書が手元 に届かない 2. 編入生 にかかる実習服の経済的負担 *新 しい実習服の購入の問題
*以前のユニフォームが利用 で きない 3. カリキュラム編成への不満 *カリキュラム編成が複雑である
・*カ リキュラムに余裕が ない
*編入生の独 自のカリキュラムがない
*期待 していた地域看護学系 の授業 と看護学系の授業が充実 していない こと
*助産師資格習得が不可能
*既修得単位 の認定が時間数不足等 によって され に くい
4.講義内容,選択 の しかたに関す る困難 さ*大学 1.2 年生 と合同の講義 に対する充実感の不足
*本大学開講の基礎演習 (1学年開講) を受講す る必要性 を感 じない
*講義選択が 自由に出来 ない
・科 目の重複がある
・他学科 ,他学年の講義の選択範囲が狭い
・似 た ような講義内容の どち らか を選ぶ ことがで きない
・学びたい科 目が選択 で きない
5. 実習時期や指導 に関する問題 *編入生が行 く実習の事前説明,指導の不足
*■ 夏季休業 中に実習がある
*実習期 間や実習 グループが特定であるために起 こる問題
・就職活動がで きない
・卒業研究が大変
・編入生のみのグループとしか実習 にいけない
6. 短大等 1 年 間のロスタイム 3 年 と大学 2 年の計 5 年間在籍 : *一年間で必須単位 は習得可能であるのに二年大学 に在籍す る
Ⅳ.
考 察表1の結果 に示 した6つのカテ ゴリーに沿 って考察す る.
1.
事務 関係 のサポー ト不足事務 関係 の手続 きにおいて,編入生 は学部生 と異 なる 事務手続 きが必要 となることがある. したが って,編入 生担当の事務職者がいることが望 ま しい.
B
大学 におい ては,編入生の担当者がいるが,常 に編入生の対応 を し ているわけではないので,対応が遅れることもある. ま た,全 ての事務職員が編入生の事務手続 きに詳 しいわけ ではな く,学部生 とは異 なる授業 を履修 している編入生 にはそれだけ手 間が増 え,連絡事項等が遅れて しまう.また, 編入生 も出身校 と事務手続 きが異 なるため,請 義 の履修 を行 う時等 に混乱 が生 じる. 入学時 のガイ ダ
ンスやオ リエ ンテーシ ョンも
, 3
年次編入生 は 1年生 と 一緒 に受 ける. このため,履修 な どに関す る事務手続 き に関わる混乱 を事前 に知 ることがで きず,問題が生 じて か ら初めて気がつ くことがある.ゆえに, これ らの問題 の解決 には,地域看護学の教員 を必ず含め編入生だけ別 のガイダンスやオリエ ンテーシ ョンを組む等の工夫が ほしい.
教科書 について,編入生 は全 てではないが学部生 と同 じものをそろえる必要がある. しか し,B大学 において は,授業開始 にテキス トが届いていない (入学前 に使用 テキス トを書店 に手配す ることが遅れた事があった) と い う現実があ り,学業 に支障をきたす問題があげ られて いる.学生 も大学 の構成員のひ とりとして教育 を受ける 権利 を有 しているが,この ような事務上の不備 は,その 阻害 になると考 える.特 に,B大学 1年生 も教科書が授 業の開始 に間に合 わない とい う同 じ状況であったため, 事務上の手続 き不備 は大 きく,学生の学習ニー ドを満 た
した教育 とい う視点で検討 してい く必要がある.
2.
編入生 にかかる実習ユニフォームの経済的負担 編入生 は,出身校や職場で使用 していた実習服 を持 っ ている. しか し,B
大学 においては,大学の規則 のため 実習服 は必ず必要である と決め られている. この実習ユ ニ フォームを使 うのは, 『総合実習2
週 間2
単位 (1
単 位 は地域看護学実習分)』の看護学の実習時だけである.編入の
3
期生からは,実習場所 によっては実習ユニフォー ムを用いない こともある. また,実習服 は大学在学中の みの使用であるので卒業後 は無駄である. したが って, 現在,B大学では, 1期生の先輩の実習服 を後輩が受 け 継 ぐとい う工夫がな されている.大学 によっては,編入 生の使用する実習ユニフォームは出身短大や専修学校 の ものを使用 し,学部生 と同 じでな くて よい大学 もある.この ような点 を考慮すれば,実習ユニフォームを新 たに 購入す る必要はない.
3.
カリキュラム編成への不満編入生のカリキュラムの編成 は,既修得単位 の認定が 大 きく影響す る.窪 田 ら1),大室2) による と 「単位 の認 定方式 には 「一括認定方式」 と 「個別認定方式」があ り, 大学 によって異 なる.B大学 においては,「個別認定方 式
」
を採用 してお り,各編入生の出身校 の科 目をB大学 の類似 した科 目ご とに照合 している.「一括認定方式」の ように大学側が定めた単位数 をすでに習得 した もの と して認定す る方法ではないので,一般教養の少 ない専 門 学校卒業の編入生や履修 して きた科 目の少ない編入生は, 一般教養科 目の履修等が必然的 に多 くな り, 自分で選択 で きる範囲が狭 まる. また,
B
大学 は看護以外 の学科が 複数あるため,履修す る際に,他学科の講義が とりに く い現状がある.特 に,看護学特論 は集中講義であること が多 く履修が しに くい.多 くの編入生が編入学の志望理 由に,看護学 をもっ と学びたい とい う意欲 を持 っている ことを考 える と,理想 と現実のギ ャップが伺 える.ところで,編入学の単位認定の仕方は,学校教育法第 52条 に定め られてお り,単位互換制度 を利用 した科 目や 文部科学大 臣別 に定める学修 とい う用件 に当てはまらな い ものであるので,仕方のない部分が多い. しか し,香 護師 として看護研究 を実際に行 って きた編入生が,内容 は同 じであるにもかかわ らず出身短大 な どと科 目名が異 なることや,編入大学では45時間 1単位 の科 目が出身短 大 などでは30時間取得 であったため時間数の不足 を理 由 に単位認定 されず,
1・2
年生 と合 同で履修 しなければ な らない (例 :看護研究 の基礎45時 間1
単位 ). これ ら のことは,他 の科 目の履修 を希望す る学生 にとっては, 日時が重 なる場合,卒業要件科 目を優先せ ざるをえない ため,やむをえない現実問題であ り,今後検討が必要で ある.4.
講義内容,選択 に関する困難性考察
3
で述べ た とお り,各編入生のカ リキュラムはバ ラツキがあ り選択が限 られる場合が多い.時間割の都合 によって,必修科 目や希望す る選択科 目が重複す ること が起 こる.また,B
大学では,複数学科が存在 してお り, 短期集 中講義や変則的な時間割があるので,科 目の履修 が行 いに くい.授業が重 な り,希望する科 目が履修で き ない ことは,編入生が感 じる問題点 として稲川3),水野 ら4)の報告で もあ きらか にされている点であ り,B大学 編入生 に限 られたことではない.窪 田 ら1),小野5)は,「総 じて編入生 は勉学へ の意欲が 高 く,卒業後の進路 に対する目標 も明確 に持 っている」
と述べ ている. したが って,編入生 は
1
,2
年生 と合 同 の授業 に温度差 を感 じ,充実感が得 られず,必要性 に疑 問 を感 じる講義 もあ った と考 えられる.5.
実習時期や指導 に関す る問題B
大学の編入生が行 う実習 は,考察2
で述べ たように‑ 3 9‑
Ⅳ.
考 察表1の結果 に示 した6つのカテ ゴリーに沿 って考察す る.
1.
事務 関係 のサポー ト不足事務 関係 の手続 きにおいて,編入生 は学部生 と異 なる 事務手続 きが必要 となることがある. したが って,編入 生担当の事務職者がいることが望 ま しい.
B
大学 におい ては,編入生の担当者がいるが,常 に編入生の対応 を し ているわけではないので,対応が遅れることもある. ま た,全 ての事務職員が編入生の事務手続 きに詳 しいわけ ではな く,学部生 とは異 なる授業 を履修 している編入生 にはそれだけ手 間が増 え,連絡事項等が遅れて しまう.また, 編入生 も出身校 と事務手続 きが異 なるため,請 義 の履修 を行 う時等 に混乱 が生 じる. 入学時 のガイ ダ
ンスやオ リエ ンテーシ ョンも
, 3
年次編入生 は 1年生 と 一緒 に受 ける. このため,履修 な どに関す る事務手続 き に関わる混乱 を事前 に知 ることがで きず,問題が生 じて か ら初めて気がつ くことがある.ゆえに, これ らの問題 の解決 には,地域看護学の教員 を必ず含め編入生だけ別 のガイダンスやオリエ ンテーシ ョンを組む等の工夫が ほしい.
教科書 について,編入生 は全 てではないが学部生 と同 じものをそろえる必要がある. しか し,B大学 において は,授業開始 にテキス トが届いていない (入学前 に使用 テキス トを書店 に手配す ることが遅れた事があった) と い う現実があ り,学業 に支障をきたす問題があげ られて いる.学生 も大学 の構成員のひ とりとして教育 を受ける 権利 を有 しているが,この ような事務上の不備 は,その 阻害 になると考 える.特 に,B大学 1年生 も教科書が授 業の開始 に間に合 わない とい う同 じ状況であったため, 事務上の手続 き不備 は大 きく,学生の学習ニー ドを満 た
した教育 とい う視点で検討 してい く必要がある.
2.
編入生 にかかる実習ユニフォームの経済的負担 編入生 は,出身校や職場で使用 していた実習服 を持 っ ている. しか し,B
大学 においては,大学の規則 のため 実習服 は必ず必要である と決め られている. この実習ユ ニ フォームを使 うのは, 『総合実習2
週 間2
単位 (1
単 位 は地域看護学実習分)』の看護学の実習時だけである.編入の
3
期生からは,実習場所 によっては実習ユニフォー ムを用いない こともある. また,実習服 は大学在学中の みの使用であるので卒業後 は無駄である. したが って, 現在,B大学では, 1期生の先輩の実習服 を後輩が受 け 継 ぐとい う工夫がな されている.大学 によっては,編入 生の使用する実習ユニフォームは出身短大や専修学校 の ものを使用 し,学部生 と同 じでな くて よい大学 もある.この ような点 を考慮すれば,実習ユニフォームを新 たに 購入す る必要はない.
3.
カリキュラム編成への不満編入生のカリキュラムの編成 は,既修得単位 の認定が 大 きく影響す る.窪 田 ら1),大室2) による と 「単位 の認 定方式 には 「一括認定方式」 と 「個別認定方式」があ り, 大学 によって異 なる.B大学 においては,「個別認定方 式
」
を採用 してお り,各編入生の出身校 の科 目をB大学 の類似 した科 目ご とに照合 している.「一括認定方式」の ように大学側が定めた単位数 をすでに習得 した もの と して認定す る方法ではないので,一般教養の少 ない専 門 学校卒業の編入生や履修 して きた科 目の少ない編入生は, 一般教養科 目の履修等が必然的 に多 くな り, 自分で選択 で きる範囲が狭 まる. また,
B
大学 は看護以外 の学科が 複数あるため,履修す る際に,他学科の講義が とりに く い現状がある.特 に,看護学特論 は集中講義であること が多 く履修が しに くい.多 くの編入生が編入学の志望理 由に,看護学 をもっ と学びたい とい う意欲 を持 っている ことを考 える と,理想 と現実のギ ャップが伺 える.ところで,編入学の単位認定の仕方は,学校教育法第 52条 に定め られてお り,単位互換制度 を利用 した科 目や 文部科学大 臣別 に定める学修 とい う用件 に当てはまらな い ものであるので,仕方のない部分が多い. しか し,香 護師 として看護研究 を実際に行 って きた編入生が,内容 は同 じであるにもかかわ らず出身短大 な どと科 目名が異 なることや,編入大学では45時間 1単位 の科 目が出身短 大 などでは30時間取得 であったため時間数の不足 を理 由 に単位認定 されず,
1・2
年生 と合 同で履修 しなければ な らない (例 :看護研究 の基礎45時 間1
単位 ). これ ら のことは,他 の科 目の履修 を希望す る学生 にとっては, 日時が重 なる場合,卒業要件科 目を優先せ ざるをえない ため,やむをえない現実問題であ り,今後検討が必要で ある.4.
講義内容,選択 に関する困難性考察
3
で述べ た とお り,各編入生のカ リキュラムはバ ラツキがあ り選択が限 られる場合が多い.時間割の都合 によって,必修科 目や希望す る選択科 目が重複す ること が起 こる.また,B
大学では,複数学科が存在 してお り, 短期集 中講義や変則的な時間割があるので,科 目の履修 が行 いに くい.授業が重 な り,希望する科 目が履修で き ない ことは,編入生が感 じる問題点 として稲川3),水野 ら4)の報告で もあ きらか にされている点であ り,B大学 編入生 に限 られたことではない.窪 田 ら1),小野5)は,「総 じて編入生 は勉学へ の意欲が 高 く,卒業後の進路 に対する目標 も明確 に持 っている」
と述べ ている. したが って,編入生 は
1
,2
年生 と合 同 の授業 に温度差 を感 じ,充実感が得 られず,必要性 に疑 問 を感 じる講義 もあ った と考 えられる.5.
実習時期や指導 に関す る問題B
大学の編入生が行 う実習 は,考察2
で述べ たように‑ 3 9‑
『総合実習
2
週 間2
単位 (1
単位 は地域看護学実習分)』とは別仕立 てで地域看護学実習 の
3
単位が あ り,それは4
年次 の夏季休業 中に行 うこ とを基本 としてい る. しか も地域看護学の実習 は編入生 だけで行 われてい る. この 実習 は時期 的 に就職 の新卒看護 師 と新卒保健 師の募集期 間であ り,病 院見学や採用試験 日と重 なることが多い.特 に,新卒看護師の就職活動 は大学 の夏季休業である
8
月が活発 になる時期 であ り,多 くの医療機 関等 で説明会 な どが催 されている. この時期 に実習 を行 えば,就職活 動 に時 間的,体力 的圧迫 を与 えることは明 白である. ま た,心理的 に も実習 と就職活動 の重複 によって,あせ り や不安 とい うス トレス を与 えやすい. これは,卒業研究 の進行 に も影響す る.なぜ な ら,長期的で継続 的な卒業 研究で は,夏季休業 とい うまとまった休 みの期 間は,辛 業研究 を進めることがで きる重要時期であるか らである.しか し,実習 によって この卒業研究 も圧迫 され る.
指導 に関 して も,学部生 と同 じ看護記録 の書 き方,実 習の仕方 を して きていない編入生 は,その実習 の前後 に フォローが必要である. また,学生 によっては編入学後 にまった く臨地実習 に触 れていない場合 もあ り,ブラ ン クに戸惑 う学生や逆 に病 院勤務 が長 く実習 自体 に戸惑 う 学生 もいる.記録用紙の書 き方の見本や学部生 と混 ざっ て実習がで きるようにす るな ど学部生 と同 じ条件 に近 く なるような配慮が望 まれ る.
学部生 と実習 を共 に しない場合 は,編入生 とい う小集 団だけで固 まって しまう傾 向 もある.サ ブカテ ゴリーで も,編入生 だけの顔見知 り同士 のグループ実習 に不満 を 示 している.このように,実習の時期,グループメンバー, 実習指導 な ど,多 くの問題が実習 によって発生 してお り,
これ らの ことも検討 を要す る点である.
6.
短大等3
年 と大学2
年の計5
年 間在籍 (1
年 間の ロ ス タイム)現在 ,看護系 の4年制大学での編入学 は, 3年次編入 と
2
年次編入の2
通 りであ り,3
年次編入学が主流であ る. したが って,3
年次編入学 を行 うとい うことは,痩 大 あるいは専修学校3
年 間 と大学2
年 間,通算5
年 間在 籍 して大学卒業 とい うことになる.一方,大学 を卒業 し ていな くて も2 2
歳で大学 院‑ の進学 は可能であ り6 )
働 き なが ら学べ ることも大学院設置基準7)に定め られている.実際 に大学 を卒業 していないが,仕事 と大学院 を両立 し ている報告 もある8).そ うなって くる と,
3
年 間学 び看 護 師免許既修得者 に とっては,保健 師 ・助産師取得資格 を希望す る学生 は別 として,看護学 の学 び を深 める場所 は,大学編入学だけではない.看護系大学 で編入学制度 を実施 している大学 は9 5
大学( 2 0 05
年1 2
月現在)であ り 編入学 を希望す る学生 は増 えている.その中には臨床経 験者 も増 えている.編入学生の背景が多岐 にわたれば, 学習ニーズ も多様 になる. これ らに答 える一つの方法 と して, また,柔軟性 のある編入学制度 として,二年間の保健学研究
在学期 間は是か非 かが,今後 の検討課題 になろ う.
以上
6
つのカテ ゴリー を総合 して検討す る と,編入学 とい う学部 の途 中か ら入学す る編入生 は,単位 の認定や 事務手続 きに個別的対応が必要であ り,そのため,事務 にも混乱が生 じていることが分か った. この事務上 の問 題が, カリキュラムや講義,実習内容 に関 しての不満 に 影響 していた. これ らは主観 的な問題 であるに も関わ ら ず,多数の編入生が不満 を持 っていた.大学での学習体 験が 自分 の期待 していた内容でないためニー ドが満 た さ れない とす る過去 の研 究結果 と類似 す る結果である.河 野9)ら,平 河10)は, 「編入生 の学 習 ニー ドや背景 は 多様 であ り看護学や一般教養 である社会科学系学問 を深 く学 びたい とい う意識が強い」 と報告 してい る.また, 近 田 ら11)は, 「短期大学や専 門学校 を卒業 してい る編入 生 は,学習 目標が明確 で学部生 よ り意識が高 い」 と報告 している.ゆえに,カ リキュラム編成へ の不満や講義 の 問題 は学習意欲 の低下 につなが る.
時 間的,経済的な負担 とい う意味合 いが強いのは,実 習ユ ニ フォームの経済的負担 ,実習時期 ,大学 に
2
年 間 在学す ることである.短 い実習期 間のために,出身校 の 実習ユ ニ フォーム以外 に更 に大学 の実習ユ ニ フォームを 購入 とい うことに疑問がある. また,B
大学 の実習時期 は夏季休業 中であ り,就職試験や卒業研 究 に時 間的,体 力的負荷 を与 えやすい.一方 ,果 た して2年 間在学す ることの是非 を問題提起 してい る学生 もいる.
編入生のカ リキュラム,講義選択 ,学習意欲 について 言及 してい る先行研究 は多 くあ り,課題 も多 い. さまざ まな学習ニー ドや背景 を持つ編入生が十分納得 で きるカ リキュラム編成 とい うものは難 しいが,編入学 を実施す る大学 の増加や大学院の入学資格 の広が りとい った現在 の状況 を考 えれば, よ り柔軟性のあるカ リキュラム,サ ポー ト体制が望 まれる.
Ⅴ.
結 論B
大学看護学科1‑4
期生の編入生を対象にインタビュー を実施 し,その内容 を逐語化 し分析 した.その結果,6
つの カテ ゴ リー,す なわち,1)事務 関係 のサ ポー ト不 足,2)編入生 にかかる実習服の経済的負担,3)カリキュ ラム編成‑ の不満,4)
講義 内容 ,選択 の しかた に関す る困難 さ,5)実習時期 や指導 に関す る問題 ,6)編入生 は大学 に短大3
年 と大学2
年 の計5
年 間在籍:1
年 間の ロス タイム, を抽 出 した.なお,それぞれのカテゴリー には複数のサブカテゴリー,計1 9
項 目で構成 された.今回の研究で,編入生のガイダンスやオリエ ンテーシ ョ ンの重要性 ,学習意欲 の低下の懸念 ,学習ニー ドの多様 化等があ きらか にな り,柔軟性 のある編入学制度が必要 であ ることが示唆 された.
本研 究の限界
本研 究で は,B大学看護学科編入生 を対象 と した もの
『総合実習
2
週 間2
単位 (1
単位 は地域看護学実習分)』とは別仕立 てで地域看護学実習 の
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単位が あ り,それは4
年次 の夏季休業 中に行 うこ とを基本 としてい る. しか も地域看護学の実習 は編入生 だけで行 われてい る. この 実習 は時期 的 に就職 の新卒看護 師 と新卒保健 師の募集期 間であ り,病 院見学や採用試験 日と重 なることが多い.特 に,新卒看護師の就職活動 は大学 の夏季休業である
8
月が活発 になる時期 であ り,多 くの医療機 関等 で説明会 な どが催 されている. この時期 に実習 を行 えば,就職活 動 に時 間的,体力 的圧迫 を与 えることは明 白である. ま た,心理的 に も実習 と就職活動 の重複 によって,あせ り や不安 とい うス トレス を与 えやすい. これは,卒業研究 の進行 に も影響す る.なぜ な ら,長期的で継続 的な卒業 研究で は,夏季休業 とい うまとまった休 みの期 間は,辛 業研究 を進めることがで きる重要時期であるか らである.しか し,実習 によって この卒業研究 も圧迫 され る.
指導 に関 して も,学部生 と同 じ看護記録 の書 き方,実 習の仕方 を して きていない編入生 は,その実習 の前後 に フォローが必要である. また,学生 によっては編入学後 にまった く臨地実習 に触 れていない場合 もあ り,ブラ ン クに戸惑 う学生や逆 に病 院勤務 が長 く実習 自体 に戸惑 う 学生 もいる.記録用紙の書 き方の見本や学部生 と混 ざっ て実習がで きるようにす るな ど学部生 と同 じ条件 に近 く なるような配慮が望 まれ る.
学部生 と実習 を共 に しない場合 は,編入生 とい う小集 団だけで固 まって しまう傾 向 もある.サ ブカテ ゴリーで も,編入生 だけの顔見知 り同士 のグループ実習 に不満 を 示 している.このように,実習の時期,グループメンバー, 実習指導 な ど,多 くの問題が実習 によって発生 してお り,
これ らの ことも検討 を要す る点である.
6.
短大等3
年 と大学2
年の計5
年 間在籍 (1
年 間の ロ ス タイム)現在 ,看護系 の4年制大学での編入学 は, 3年次編入 と
2
年次編入の2
通 りであ り,3
年次編入学が主流であ る. したが って,3
年次編入学 を行 うとい うことは,痩 大 あるいは専修学校3
年 間 と大学2
年 間,通算5
年 間在 籍 して大学卒業 とい うことになる.一方,大学 を卒業 し ていな くて も2 2
歳で大学 院‑ の進学 は可能であ り6 )
働 き なが ら学べ ることも大学院設置基準7)に定め られている.実際 に大学 を卒業 していないが,仕事 と大学院 を両立 し ている報告 もある8).そ うなって くる と,
3
年 間学 び看 護 師免許既修得者 に とっては,保健 師 ・助産師取得資格 を希望す る学生 は別 として,看護学 の学 び を深 める場所 は,大学編入学だけではない.看護系大学 で編入学制度 を実施 している大学 は9 5
大学( 2 0 05
年1 2
月現在)であ り 編入学 を希望す る学生 は増 えている.その中には臨床経 験者 も増 えている.編入学生の背景が多岐 にわたれば, 学習ニーズ も多様 になる. これ らに答 える一つの方法 と して, また,柔軟性 のある編入学制度 として,二年間の保健学研究
在学期 間は是か非 かが,今後 の検討課題 になろ う.
以上
6
つのカテ ゴリー を総合 して検討す る と,編入学 とい う学部 の途 中か ら入学す る編入生 は,単位 の認定や 事務手続 きに個別的対応が必要であ り,そのため,事務 にも混乱が生 じていることが分か った. この事務上 の問 題が, カリキュラムや講義,実習内容 に関 しての不満 に 影響 していた. これ らは主観 的な問題 であるに も関わ ら ず,多数の編入生が不満 を持 っていた.大学での学習体 験が 自分 の期待 していた内容でないためニー ドが満 た さ れない とす る過去 の研 究結果 と類似 す る結果である.河 野9)ら,平 河10)は, 「編入生 の学 習 ニー ドや背景 は 多様 であ り看護学や一般教養 である社会科学系学問 を深 く学 びたい とい う意識が強い」 と報告 してい る.また, 近 田 ら11)は, 「短期大学や専 門学校 を卒業 してい る編入 生 は,学習 目標が明確 で学部生 よ り意識が高 い」 と報告 している.ゆえに,カ リキュラム編成へ の不満や講義 の 問題 は学習意欲 の低下 につなが る.
時 間的,経済的な負担 とい う意味合 いが強いのは,実 習ユ ニ フォームの経済的負担 ,実習時期 ,大学 に
2
年 間 在学す ることである.短 い実習期 間のために,出身校 の 実習ユ ニ フォーム以外 に更 に大学 の実習ユ ニ フォームを 購入 とい うことに疑問がある. また,B
大学 の実習時期 は夏季休業 中であ り,就職試験や卒業研 究 に時 間的,体 力的負荷 を与 えやすい.一方 ,果 た して2年 間在学す ることの是非 を問題提起 してい る学生 もいる.
編入生のカ リキュラム,講義選択 ,学習意欲 について 言及 してい る先行研究 は多 くあ り,課題 も多 い. さまざ まな学習ニー ドや背景 を持つ編入生が十分納得 で きるカ リキュラム編成 とい うものは難 しいが,編入学 を実施す る大学 の増加や大学院の入学資格 の広が りとい った現在 の状況 を考 えれば, よ り柔軟性のあるカ リキュラム,サ ポー ト体制が望 まれる.
Ⅴ.
結 論B
大学看護学科1‑4
期生の編入生を対象にインタビュー を実施 し,その内容 を逐語化 し分析 した.その結果,6
つの カテ ゴ リー,す なわち,1)事務 関係 のサ ポー ト不 足,2)編入生 にかかる実習服の経済的負担,3)カリキュ ラム編成‑ の不満,4)
講義 内容 ,選択 の しかた に関す る困難 さ,5)実習時期 や指導 に関す る問題 ,6)編入生 は大学 に短大3
年 と大学2
年 の計5
年 間在籍:1
年 間の ロス タイム, を抽 出 した.なお,それぞれのカテゴリー には複数のサブカテゴリー,計1 9
項 目で構成 された.今回の研究で,編入生のガイダンスやオリエ ンテーシ ョ ンの重要性 ,学習意欲 の低下の懸念 ,学習ニー ドの多様 化等があ きらか にな り,柔軟性 のある編入学制度が必要 であ ることが示唆 された.
本研 究の限界
本研 究で は,B大学看護学科編入生 を対象 と した もの
であ り1大学編入生 のみ に限定 された内容 である.それ らの何 点かは,他大学 と比較 し共通課題 であるか もしれ ないがB大学 だけの課題 もある. したが って,今後 は, 複数の大学 に協力 を求め,検討す ることが望 ま しい.
謝 辞
本研 究 にご協力 いただいたB看護大学の編入学卒業生 と在学生,事務局 の方 々, また,他大学の看護系大学事 務部の方 々にお礼 申 し上 げ ます.
引用文献
1)窪 田恵子他 :編入学受 け入れの実際 ;西南女学院大 学保健福祉学部看護学科,看護展望
,2 5:4 7 8 ‑ 4 8
1,2 0 0 0.
2
)大童律子 :看護系大学の編入学制度,看護教育,4 2:
8 9 4 ‑ 8 9 7 ,2 0 0
1.3
)稲川 ひ とみ :看護大学編入学の問題点 とその解決 に 向けて,看護教育,4 4:1 3 6 ‑ 1 3,2 0 0 3.
4)水 野照美他 :看護大学 にお ける編入学教育 の評価 ,
日本看護学教育学会誌 ,1:2 0 ‑ 3 0,2 0 0 0.
5
)小 野美穂 :編入学生 による講義が一般学生 に与 える 影,看護教育,4:7 3 9 ‑ 7 4 5,2 0 0 3.
6
)学校教育法施行規則 (昭和2 2
年文部省令第1
1号)の 一部 を改正す る省令新 旧対照条文.7)学校教育,第2節,設置基準等 (大学印設置基準):
平成元年文例
3 4
・一部改正 ;教育方法 の特例 .8)
阪本恵子 :働 きなが ら学ぶ学生 の仕事 と学業 の両立の要因 ;看護系大学 院修士課程 に学ぶ学生の分析 を とお して,人 間 と科学,
6:91 ‑ 1 0 4,2 0 0 6.
9
)河野祐子他 :看護大学編入学生 の学習ニー ドに関す る実態調査,聖路加看護大学紀要,2 0:4 0 ‑ 4 8,1 9 9 4.
1 0 )
平河勝美 :看護系大学編入学過程 の現状 に関す る調 査 ,看護教育,3 5:2 2 5 ‑ 2 3 2,1 9 9 4.
l l )
近 田敬子他 :"編入学制度"の実際 と課題 ,看護展 望,2 5:47 0 ‑ 4 8 5,2 0 0 0.
‑ 41‑
であ り1大学編入生 のみ に限定 された内容 である.それ らの何 点かは,他大学 と比較 し共通課題 であるか もしれ ないがB大学 だけの課題 もある. したが って,今後 は, 複数の大学 に協力 を求め,検討す ることが望 ま しい.
謝 辞
本研 究 にご協力 いただいたB看護大学の編入学卒業生 と在学生,事務局 の方 々, また,他大学の看護系大学事 務部の方 々にお礼 申 し上 げ ます.
引用文献
1)窪 田恵子他 :編入学受 け入れの実際 ;西南女学院大 学保健福祉学部看護学科,看護展望
,2 5:4 7 8 ‑ 4 8
1,2 0 0 0.
2
)大童律子 :看護系大学の編入学制度,看護教育,4 2:
8 9 4 ‑ 8 9 7 ,2 0 0
1.3
)稲川 ひ とみ :看護大学編入学の問題点 とその解決 に 向けて,看護教育,4 4:1 3 6 ‑ 1 3,2 0 0 3.
4)水 野照美他 :看護大学 にお ける編入学教育 の評価 ,
日本看護学教育学会誌 ,1:2 0 ‑ 3 0,2 0 0 0.
5
)小 野美穂 :編入学生 による講義が一般学生 に与 える 影,看護教育,4:7 3 9 ‑ 7 4 5,2 0 0 3.
6
)学校教育法施行規則 (昭和2 2
年文部省令第1
1号)の 一部 を改正す る省令新 旧対照条文.7)学校教育,第2節,設置基準等 (大学印設置基準):
平成元年文例
3 4
・一部改正 ;教育方法 の特例 .8)
阪本恵子 :働 きなが ら学ぶ学生 の仕事 と学業 の両立の要因 ;看護系大学 院修士課程 に学ぶ学生の分析 を とお して,人 間 と科学,
6:91 ‑ 1 0 4,2 0 0 6.
9
)河野祐子他 :看護大学編入学生 の学習ニー ドに関す る実態調査,聖路加看護大学紀要,2 0:4 0 ‑ 4 8,1 9 9 4.
1 0 )
平河勝美 :看護系大学編入学過程 の現状 に関す る調 査 ,看護教育,3 5:2 2 5 ‑ 2 3 2,1 9 9 4.
l l )
近 田敬子他 :"編入学制度"の実際 と課題 ,看護展 望,2 5:47 0 ‑ 4 8 5,2 0 0 0.
‑ 41‑
保健学研究
Obs t ac l e st oSt udyofThi r d‑ Ye ar ‑ Ent r ySt ude nt s ataFour ‑ Ye arNur s i ngUni ve r s i t y
Nori koHI GASHI OKA
l,RN.
,MayumiYOSHI DA
l,RN.
,Ke i koSAKAMOT
O 2,RN. , Ph. D.
1 De par t me ntofNur s i ng,Fac ul t yofHe al t handWe l f ar e ,Pr e f e c t ur alUni ve r s i t yofHi r os hi ma 2 De par t me ntofNur s i ng,Sc hoolofHe al t hSc i e nc e s ,Nagas akiUni v e r s i t y
R ec
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ived3 1
Ma y 20 06
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00 6
A bs t r ac t Ent r yi nt onur s l ng‑ r e l at e duni v e r s i t i e satye a r ‑ l e v e l sot he rt ha nf i r s t ‑ ye arma ybegr ant e d t oc o nt i nui ngs t ude nt swhohav et ake nnur s i ngc our s e sato t he ri ns t i t ut i ons ,de pe ndi ngonr e c ogni t i on ofa l r e a dyc ompl e t e dc our s ec r e di t s .Theme t hodsandadmi ni s t ra t i vepr oc e dur e sofs uc he nt r y,a ndt he nat ur eo ft hec ur r i c ul um f o rc o nt i nul ngS t ude nt s ,va r yf r om uni ve r s i t yt ouni v e r s i t y.Oneo ft heaut ho r s oft hi sar t i c l ewasat hi r d‑ ye are nt r antt ot heDe par t me ntofNur s i ngatUni ve r s i t y B,andhada s t r o ngs e ns eofs omeoft heobs t ac l e si nvol ve di ns uc hs t udy.
Cons e que nt l y, t hepur pos eoft hi spape ri st ohi ghl i ghtanddi s c us st heobs t ac l e st os t udye xpe r i e nc e d byc ont i nui ngs t ude nt s . Thes ubj e c t so ft hes t ud ywe r e3
rd‑ ye a re nt r a nt st ot heDe pa r t me ntofNur s i ng atUni ve r s i t yB.Ani nt e r v i e w wi t ht hes t ude nt swasc ar r i e dout ,t r ans c r i be dandanal yz e d.Fr om t he anal ys i sweabs t r ac t e ds i xc at e gor i e sofobs t ac l e s:1 )i ns uf f i c i e ntadmi ni s t r at i ves uppor t ;2 )f i nanc i al bur de nont hes t ude nt sofpr oc ur i nguni f or msf orpr ac t i c ums ;3)di s s at i s f ac t i onwi t ht henat ur eoft he c ur r i c ul um;4)Obs t ac l e swi t ht hec ont e ntofc l as s e sandt heme t hodofc hoos i ngc l as s e s ;5)obs t ac l e s wi t ht het i mi ngands upe r v i s i onofpr ac t i c ums ;6 )Ti mel os s: byt hee xc e s s i veamountoft i mes pe ntas anunde r gr aduat e .The s ema j o rC at e gor i e sc ompr i s e dni ne t e e ns e par at es ubc at e go r i e s .
Thi sr e s e ar c hhi ghl i ght st hei mpor t anc eofgui danc eandor i e nt at i o nf o rc ont i nui ngs t ude nt s,t he r i s kst os t udymot i vat i on, andt hedi ve r s i t yofs t udyne e ds .
Ita l s oi ndi c at e st hene e df oramor ef l e xi bl e s ys t e m ofe nt r yt onur s i nguni ve r s i t i e satl e v e l sot he rt hanf i r s t ‑ ye ar.
He al t hSc i e nc eRe s e ar c h 1 9
(1):3 7 ‑ 4 2 ,2 0 0 6
Ke yWor ds Nur s i ngUni v e r s i t y,De pa r t me ntofNur s i ng,Cont i nui ngSt ude ntSys t e m, Pe r c e i ve dbyObs t ac l e st oSt udy
保健学研究
Obs t ac l e st oSt udyofThi r d‑ Ye ar ‑ Ent r ySt ude nt s ataFour ‑ Ye arNur s i ngUni ve r s i t y
Nori koHI GASHI OKA
l,RN.
,MayumiYOSHI DA
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,Ke i koSAKAMOT
O 2,RN. , Ph. D.
1 De par t me ntofNur s i ng,Fac ul t yofHe al t handWe l f ar e ,Pr e f e c t ur alUni ve r s i t yofHi r os hi ma 2 De par t me ntofNur s i ng,Sc hoolofHe al t hSc i e nc e s ,Nagas akiUni v e r s i t y
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