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ICT 活用の可能性 -LMS の利用実践から ICT の種類/方式と教授戦略に基づく

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(1)

研究論文

I CT の種類/ 方式 と教授戦略に基づ く

I CT 活用の可能性 ‑LMS の利用実践か ら

穂 積 和 子

要 旨

本稿 はLMS活用 に よる教育 の効果 と効 率的実現 に関す る基礎研 究 で あ る。 eラー ニ ング の教育機 関‑ の浸透 に よ り、多 くの教育実践研究 が報告 されて きた。 それ らの多 くの報告 は教育環境や実施 内容 を記述 した上で学生 の満足度や学習成果 を評価 してい る。 しか し授 業 を受 ける対象 の学生や教育 の教授戦略が異 なれ ば成果 も異 な る。本稿 で はI

CT

を活用 し た教育効果 を示す ために(

1 ) I CT

活用方式

、( 2) I CT

種類

、( 3)

教授設計 の内容 を明記 しなけれ ばな らない こ とを示す。 その上で大規模 クラスでのI

CT

、特 にLMS利用 の実践結果 を示す ことで、I

CT

活用上の問題 点 と今後考慮 しなけれ ばな らない点 について述べた。 それ らは、

LMS

はI

CT

活用 の 良い道 具 で あ るが、 I

CT

活用 の弱者 に対 して の配慮 が必 要 で あ るこ と、

成績評価 として利用す る場合 はLMSの利用 に学生が熟達 した後 に利用す るこ と

、LMS

利 用 の長文テス トよ り全体 を見通せ る紙ベー ステス トが優位 であるこ とを理解 して利用す るこ と等 で あ る。 LMSを主体 としたI

CT

活用 が対面寸受業 の 「代替」 としてで はな く、教育 を支 援す るための良い ツール であるこ とも示 した。

キ ー ワ ー ド :

I CT

活用、大規模 クラス、LMS、 グル ープ活動

1.は じめに

大学においてI

CT( 王 nf br ma t i on & ⊆ommuni ca t l on 工echnol og y)

を活 用 した教 育 が行 われ る よ うに なってか ら久 しく、その教育実践研 究 も数 多 く 報告 されてい る。 それ ら多 くの報告 は教育環境 や実施 内容 を記述 した上で学生の満 足度や学習 成果 を評価 してい る。 しか し授業 を受 ける対象 の学生や教授戦略が異 なれ ばその成果 も異 な る はず で ある。 I

CT

活用 が どの よ うな場 面で有効 であるか を示 してい くためには これ ら実践研 究 を報告す る際に記述 しなけれ ばな らない項 目を 統一す る必要がある と考 える。

本稿 では大学 でI

CT

を活用 した教育 の現状 を 調査 し、 eラー ニ ング実践 の歴 史 か らI

CT

活 用

を どの よ うに行 うべ きか を学び、教育研 究実践 の報告 として記述すべ き項 目を提案 した。 それ らはI

CT

活用方式、I

CT

種類 、教授設計 で ある。

これ に基づいて、神奈川 大学経営学部 で実施 したI

CT

活 用 、 特 にLMS(

⊆ea r ni ng 坦a na ge me nt Sys t em:

定義 は後述)を用 いた実践授業 の結果 を 分析 し、大規模 クラスでのI

CT

ベー スの授 業展 開の試論 を示す。

2.

大学 における

I CT

活用 の現状

2. 1 l CT

活用の現状

吉 田[

2

1]は教 育 にお け るI

T

化 の進展 を

3

つ の 次元 で表 してい る。 それ は第 1次元 がI

T

を活用 して大学教育 に係 わ る諸活動 を 「効率化す る」

I CT

の種類/方式 と教授戦略に基づ く

I CT

活用の可能性

一LMS

の利用実践か ら‑ 113

(2)

こと、第

2

次元が授業 を中心 とす る 「教育 の一 部」 に

I T

を導入す る次元、第

3

次元 が授業 で

I T

を 「配信す る」次元である。 その うちの第

1

次 元 と第

2

次元が2003年 までの

5

年 間で大 き く伸 びてい る と報告 してい る。 さらに諸活動 を 「効 率化す る」 こ とと、 「教 育 の一部」 に

I

Tを導入 す るこ とは60

%

か ら

90 %

までの機 関で行 われ てい るこ とも指摘 してい る。 この ことは、大学教育 にお け る

I CT

活用 が一般 的 になってい る こ とを 示 してい る。

また具体 的 に どの よ うに

I CT

活用 が大学教 育 で行 われ てい るか をメデ ィア教育開発 セ ンター (以後

NI ME

と称す) の

「 e

ラーニ ング等 の

I CT

を 活用 した教育 に関す る調査報告書

( 2 007

年度版)

」 [ 1 7

]1 の統 計デ ー タか ら

I CT

活 用 教育 に関す る 項 目を抜粋 して付録表

1に整理 した。

この表 に示 した よ うに、ほ とん どの大学 にお いて

『 I CT

活 用教 育』2が行 われ てお り、 そ の 利用形 態 は 『遠 隔教育』 3 ではな く教 室 内での

I CT

活用であること、また外国語学や コンピュー タ (情報) リテ ラシー教育 な どの基本科 目の授 業分野 に 『eラーニ ング』 4 が多 く導入 され てい る。 これ は、基本科 目等 の知識 を与 える とい う こ とに関 して

I CT

活 用 教 育や

e

ラー ニ ングの利 用 は有効 で あるとの認識 が定着 したか らで ある

と推測 できる。

eラー ニ ングでの単位認 定率 が

3

割 とあ るが これ には大学が主催す る単位認定 を伴 わない公 開講座 な ども含 まれ てい るため、実際 には多 く ない。 国 と してeラー ニ ングに よる遠 隔教育 を 推進 してい るにもかかわ らず その伸び (前年度 比2.

9 %

増 ) が高 くない の は

、3. 1

で後 述 す る よ

うに、eラー ニ ングに よる授 業 で は単位 を修得 させ るこ とがまだ難 しいか らである。 単位修得 が難 しい とい うこ とは対 面授 業 とeラー ニ ング のブ レンデ ッ ド型授業 の実施 が全体 の約

8

割 を 占めるこ とか らも推測で きる。

学習情報 の管理 な どを支援 す る

LMS

5の導入 は約

3 5 %

と、導入実績 は遠 隔教 育 と比較 して高 い。 それ は

L MS

が遠 隔教育 を含 む

e

ラー ニ ング を実現す るための

I CT

活用 の道具 の一部で あ り、

またFD (Faculty Development)の一環 と して 利 用 可能 で あ るか らで あ る。 eラー ニ ングシス テ ムが多 くの大 学 に導入 され て い くにつ れ 、

LMS

の利用 も一般的なもの となると考 え られ る.

2

,

2

大学教育 の対象 と

J CT

活用の教育内容 大学で教育 を受 ける学生 を どの よ うな対象 と 見て、学生 に

I CT

を活用 した授 業 を どの よ うに 提供すれ ば良いであろ うか。

吉 田[

20

]らの 「大学教員 の

I T

利用 実態調 査

に よる と、学生 の学力水準が高い環境 にい る教 員 ほ ど、 「大学 とは学生 が 自主的 に勉 強す る場 である。つ いて くるこ とので きない学生がいて も、授業 内容 の水準 を維持す ることが重要であ る」 と、学生 を 「自立的な存在」 と捉 えている。

さらに、教育 に対す る考 え方 としては 「大学教 育の 目的は考 え方 を学習 させ るこ とにある」 と 考 える教員 が

85. 6 %

、 「大学教育 の 目的 は、知識 を獲得 させ るこ とにあ る」 が1

4

.

4

% となってい る (p.27)。 しか し同時 に大学 の質 の 向上 のた めに 「初年 時教育や補習授 業 が重要で ある」が

72. 8 %

を占めてい る。

授業科 目が基礎 的科 目か専 門的科 目かに よっ

1本稿 で用い る用語の定義 はこの調査報告書で用い られているものを利用す る。

2 『ICT活用 教 育』 :コン ピュー タや イ ン ター ネ ッ ト、 モバ イル端 末 な どの情報 コ ミュニ ケー シ ョン技術 (ICT (InfbrmationandCommunication Technology))を用いた教育 を指す(p,6)0

3 『遠 隔教育』 :学習者がオ ンデマ ン ド的に教室外で学習す るもの とす る。

4 『e‑ラーニ ング』 :ICTを用いて、学習者 が主体的 に学習できる環境 による 「学習形態」 と し、教授者 が リアル タ イムで指導す る場合、学習者 がオ ンデマ ン ド的に利用できる場合 を含み、教授者 と学習者 の距離 は問わない もの と す る (p.53)0

5 『LMS(Leami ngManagementSystem)』 :eラーニ ングを運用す る際の基盤 となるシステムで、学習者登録 ・学習履 歴 の管理、学習者の進捗管理、成績管理 、学習支援機能、学習者 と教授者 とのコ ミュニケー シ ョン機能 な どを備 え た ものを指す (p.75)

(3)

て も異 な るが 、 「考 え方 を教 えたい 、 しか し初 年 時教育 が重要 であ る」 と、教 えるべ き内容 に 理想 と現実 にギャ ップがあることがみて とれ る。

初年 時教育 で基礎 的知識 を獲得 させ るこ との 必要性 は大方 の教員 が 同意 してい る。 このた め の道 具 と してeラー ニ ングシステ ム の 自己学習 用教材 が利 用 で きる。 実 際 に入 学前教 育 として 語学教育や物理 ・数学教育 な どの科 目で、eラー ニ ング用 の市販 コンテ ンツを学生 に配信 した り、

We b

上 で利 用 で きる教材 を提供す る大学 が増 え てい る。基礎 的知識 を与 える科 目について 自己 学習 を含 むeラー ニ ン グの評 価 が定 ま って きて い る とい え る。

3.

教育 を支援する

I CT

ICT活用 が どの よ うな分 野 の教 育 に対 して有 効 で あ るか を調 べ るた めに、 ICT活 用 の教 育方 法 を整 理す る

3.l

e

ラー ニ ングか ら学ぶ

高等 教 育機 関で のeラー ニ ング、特 に遠 隔地 か らオ ンライ ンで大学 の講義 を履修 で きる形態 は古 くか ら多 くの実践事例 が ある。

米 国で は働 きなが ら高等教 育 を受 け る学生 が 多い こ とか ら、大学で多 くの遠 隔教育 が行 われ て きた。 カナ ダのアサバ スカ大学 では

1 9 7 4

年 か ら

[ 1 5

]、米 国で は

1 9 8 8

年 には フェニ ックス大 学 が遠 隔型

e

ラー ニ ング を始 めてい る

[ 1 2 ] ( p5 3 )

。 しか しこれ ら初期 のeラー ニ ングシステ ムは 、

7 0‑8 0 %

の学生 が ドロ ップア ウ トした こ と、大 きな クラスでは難 しい こ と、そ して協調活動 が 重要 と言 われ てい る

[ 5

]。 また初期 のeラー ニ ン グが失敗 した最 も大 きい理 由は動機 付 けのプ ロ セ スが無 いか らとも言 われ てい る[1]。

e

ラー ニ ングの先進 大学 で あ るフ ェニ ックス 大学 で はそ の実践 の歴 史か ら、現在 では、オ ン ライ ン授業 の質 を高 め るた めに教員 に対 して

4

週 間の研修 を行 うな どの教員 ‑ の支援 、イ ンス トラクシ ョナル ・デザイナ と一緒 に教材 開発チー ムに よる教材 の開発 、学生‑ の週

4

回 のオ ンラ イ ン上 の意 見 の交換 を義務 づ け させ てい る とい

[ 1 2 ] ( p. 5 3 )

0

英 国 で はeラー ニ ングは従 来 の対 面型 授 業 と して別 物 とは考 え られ てお らず 、 フ レキシブル 分 散 学習 の 中にeラー ニ ン グが位 置 づ け られ て い る

[ 1 2 ] ( p. 4 9 )

。 また、eラー ニ ング を 「学 習 に お け るICTの活用」 と定義付 け してい る

[ 8

]。

日本 にお い て遠 隔型eラー ニ ングは 「対 面教 育 と同 じ効果 を もた らす もので ある こ と」 が法 律 で定 め られ てお り6、双 方 向性 が確 保 され な けれ ばな らない。 そ うで ない場合 には学生 との コ ミュニケー シ ョンや毎 回の授 業毎 に設 問回答 や添削指導 な どを行 うこ とが条件 となってい る。

eラー ニ ングの定義 とそ の 内容 は各 国 に よっ てそれ ぞれ異 な る ものの、遠 隔型eラー ニ ン グ を行 う際 には教員 と学生 のイ ンタラクシ ョンが 重要 で あ り、学習形 態や授 業手法 な どに応 じて 教育手法 を考 える こ とが必要 で あ る。遠 隔型 の

e

ラー ニ ングの利 用 方 法 は あ る程 度確 立 して い る。 しか しICTの道 具 と して のeラー ニ ン グの 活用 についてはその評価 はまだ確 立 していな

い。

これ らの評価 法や活用法 はまだ実験 レベル で あ り、研 究実践報告 が蓄積 され てい るのが現状 で あ る。 しか しこれ らの実践 を蓄積す る際 に制約 条件 が示 され てい な けれ ば正確 な評価 を示す こ とがで きない。 どの よ うな条件 の も とで行 った かについての詳細事項 を示す こ とが必要である。

3

.2 教育 を支援 す る

I CT

活用方式

吉 田

[ 2 0

]らの調 査 で は授 業 でICTを利 用 した 教員 は 「良 く行 った」が約 半数 、 「ある程度行 っ た を含 め る と約

8

割 にの ぼ る

( p. 1 0 )

。 またイ ンターネ ッ ト上 で検 索 した結果 を資料 と して提 供 して い る教 員 は約

8. 5

割 、 教材 、 資 料 の

We b

‑の提供 は約

3

割 とある

( p. 1 0 )

。プ レゼ ンテ‑シ ョ

「高等教育におけるe一ラーニングに関する法律」 :日本の高等教育の授業形態の中のメディアクラスという形態が あり、これがeラーニングに相当するものであり、多様なメディアを高度に利用 して行 う授業に位置づけられる。

ここで、最も重要なことは 「対面授業と同じ効果をもらすものであること」と規定されている[12] (p.51)。 ICTの種類/方式 と教授戦略に基づ くICT活用の可能性‑LMSの利用実践から‑ 115

(4)

ンソフ トを利用 している教員が

7 2 %

であ り

、I CT

活用 の授業は この利用 が最 も多い。

対面授業 において

I CT

を活用 した授業が既 に 多 く行われていることになる。 これ らのデー タ を元 に、Be

r s i n[

1]の企業 でのeラー ニ ングの方 式モデル に加筆修正 して 「対面授業で

I CT

を活 用す る方式」 を表 1に示 した。

1

教育を支援する

I CT

活用 の方式 方 式 対面授 業 の教 育方 式 教 室

1

教材 提 示

P P T

利 用

2 Web教材

LMS教材 3 教材 提示自己学習用 WeLMSb教材教材

4 コミュニケーション .ツールの利用 電子メール/会議 室LMSの ツー′ 携 帯 メール利 用

※ :普通教 室 ※※ :イ ンターネ ッ ト接続 教室

※ ※※ :教 室外 か らも利 用 可

方式

1

の従来型教室の授業はプ レゼンテーシ ョ ンソフ ト(PPT)を用 いて作成 した教材 コンテ ン ツをプ ロジェクタで見せ るものであ り、吉 田 ら

[ 20

]の報告 に もあった よ うに現在最 も多 く利用

されてい るものである。

方式

2

はイ ンターネ ッ ト上 に置いた教材 を利 用す るだけでな く、イ ンターネ ッ ト上の情報 を 活用す るものである。講義教室でイ ンターネ ッ トに接続 して授業 を行 う

。LMS

教材 は

We b

教材 の一部であるが、教材 の参照は履修登録 された 学生 に限定 され る。

方式

3

は、

1

または

2

の方式で授業 を行い、

その後、または授業内外で学生に 自己学習 させ るものである。学習者 が主体的に学習できる環 境 を実現す るために利用 され る。

方式

4

は教室で従来型 の講義 を行い、授業 中 または授業後 にネ ッ トワー ク接続や携帯電話の メール機能 を用いてオ ンライ ンで教員 と学生、

または学生同士で議論 を深 めた り、教員 に質問 す るものである。

これ らの方式は組み合 わせ て利用 されてい る ものの、方式

1

か ら方式

3

に行 くにつれてその

利用 は少 ない と考 え られ る。

3. 3

教育を支援する

I CT

の種類

新 しい技術の進歩により新 しい教育用のメディ アが利用できるよ うになってきた。教育メデ ィ ア比較研究の知見 として次の ことが知 られてい る。 「どのメデ ィア も万能薬 にはな らないが、

どのメデ ィアで も学習は成立す る」、 「学習課題 の特性 と学習者 の特性 に応 じて、最適 な学習環 境 は異 なる」、 「よ り新 しいメデ ィアを使 う方が 学習効果は高まる (新規性効果)」、「どのメデ ィ アを選ぶか よ りも、そのメデ ィアを どう使 うか で差がでる」、「使 うメディアに対す る構 えによっ て学習効果 に影響がで る」[

1 4

]。

これ らの こ とか ら3.2で示 した教 育 を支援す る方式の教室環境 に加 えて、教材 の媒体 として どのよ うなメデ ィアを利用 して教育す るかを考 える必要がある。 ここでは教材 のメデ ィアでは な く、授業 を支援す るメデ ィアや道具 として ど の よ うなものがあるか、それ らができること、

支援技術 について表

2

にま とめた。 これ らは授 業の特徴や 目的に応 じて組み合 わせ て利用す る ものである。

2

利用可能な教育用

I CT

の種類

No

種類 内容 cT技術

1 ンツコンテ 教材 配信 WeLMSb教材コンテ ンツ 外 部記 憶媒 体 の利 用

2 ニケ‑シ ヨンツ‑ノコ ミュレ コ ミュニケーシ ョン 電子 メール 会議 室 掲示板 チ ャ ッ ト

3 LMS テスト/アンケー ト 多 岐選 択式 テ ス ト 記 述式

レポー ト ア ンケー ト

4 成績 管理等 学 生 の参加 度学 生 の利 用度 学 生 の理解度 課題 の難 易度

授 業 での

I CT

利 用 として は、 吉 田 ら

[ 20

]の調 査 に あ る よ うにオーデ ィオ機器 (カセ ッ トや

(5)

cD)

や ビデオ機器や

oHP

の利用 がまだ多い。

しか しカセ ッ トな どに吹き込んだ音声 をデジタ ル化 して コンテ ンツ と した り、手書 きの

OHP

用 シー トをワープ ロで書 きなお してデ ジタル コ

ンテ ンツ とす ることも増 えてきてい る。 それ は コンテ ンツのデジタル化 によ り教材 の再利用 と 再配布 が容易であることが教員 に理解 され始 め たか らである。

コ ミュニケー シ ョンツール については3.

1

で 示 した よ うに遠隔教育では必須であ り、対面授 業において もこの利用 を増やす ことが求 め られ てい る。 ただ し、対面授業で コミュニケーシ ョ ンツールが必要か とい うとそ うではない。授業 中に教員 に質 問す ることはできる。 しか し授業 時間内でできない場合 、後か ら質問 したい場合 には コミュニケーシ ョンツールが有用であ り、

授業外で利用可能 になれ ば学生の満足度 も高ま る。

LMS

の 日常的なI

CT

利用 としては1

8 %

程度[

20 ] ( p9 )

と、まだ多 くは使われていない。それはLMS が他 の市販 ソフ トと異 な り教員個人が購入 して 利用す ることが難 しいか らである。 しか し大学 でのLMSの導入は増 えてお り、その利用 は今後 増 えるであろ う。

3

.4 教授設計 に関する諸要因

I CT

活用 の教育は3.

2

の方式、3.

3

のI

CT

の種類 を組み合 わせ て行 うが、教育対象である学生の 特性 を考 えなければな らない。 これは教授設計 の知見 を利用す る。教授設計 とはRe

i ge l ut h, C. M

の分類 によれ ば、 どの よ うな学習者 に対 して、

どの よ うなメデ ィアを用いて、 どの よ うな教授 法略 ・教授方策 を用いて どの よ うに展 開すれ ば 学習効果 が期待できるかの青写真 を作成す るこ

とを 目的 としてい る[

1 3 ] ( p. 29 )

教授設 計 についてはGa

gne

,

R. E

をは じめ とし て さま ざまな研究がある。 ここではRi

t aRi c ke y [ 1 3 ] ( p3

1)に よって提案 された教授設計 に関す る 諸要因に大学教育で考慮 しなければな らない も のについて加筆修正 して表

3

にあ らわ した。

3

教授設計の内容

要 因 構 成要素

学習者特性 人物背景 知的能力 適性能力 態度 学習 ス タイル 教授 内容 教科領域学習課題

科 目特性 教育方法 方略展 開

系列

教育環境 資源

教授設計には学習者特性 、教授 内容、教授方 法、教育環境 を考 えなければな らない。実際に、

I CT

活用の実践研究事例 の多 くには 「教授 内容」

や 「教育方法」 についての前提事項 を示 した上 で、I

CT

活用教育の成果 が示 され てい る。 とこ ろが、 「学習者特性

についてはほ とん ど記述 され ていない。 「学習 スタイル」 については青 木

[ 7

]に よる と

71

の異 なったスタイルが ある し、

さらに学生の学習スタイル は教育プ ロセスの間 で変化す るものであ り、学習成果 として比較す ることは難 しい。 したがって教授設計 において これ を記述す ることは難 しいが、 これ らを念頭 において教授設計 しなけれ ばな らない。

「科 目特性」 としては教授す る対象 の科 目の 知識 内容 が問題 とな る。Br

o wn [ 3

]は講義形式 の 教授 一学習では知識 が良 く構造化 され てい る場 合 は有効であるが、構造化 されていない場合 に は認知的徒弟制度 に基づ く協働 を通 じた学習が 有効 で あ る と述べ てい る。 植 野 ら[

1 1

]はeラー ニ ング授業モデル としてLMS上で扱 われ る知識 を 「構造的知識」 と 「非構造的知識」に分類 し て教材 コンテンツを作成 してその実践報告を行っ てい る。そ こでは 「構造的知識」 とは、比較的 社会的に認 め られた長期 間利用可能価値 のある 知識 であ り、 「非構 造的知識 」 とは教師 を含 む 実践共 同体のメンバ によ り共有 された知識 とし てい る。 「構造的知識」についてはeラーニ ング の コンテ ンツ として の適応性 が強 く、2.

2

項 で

I CT

の種類/方式 と教授戦略に基づ く

I CT

活用 の可能性

‑LMS

の利用実践か ら一

1 1 7

(6)

述べた よ うに市販 コンテ ンツ として も流通 して い る 「非構 造 的知識 」 の場合 はI

CT

活用 の実 践研究 として植 野 ら[

1 1

]の よ うに電子会議室 を 用いた り、 レポー トを互いに レビュー した りす

るな どの多 く実践が行 われてい る。 また多 くの 学生は 「問題解決型」の課題 を与 え られた とき に最 も良 く学習す ると言われ てい る

[ 4

]。

この よ うに 「学習者特性」 「教授 内容」お よ び 「教育方法」によってはその教育方法 も異 な り

、I CT

利用 も変わ らざるを得ない し、そのI

CT

活用教育の成果 も異 なって くる。

3. 5

方式、種類、教授設計の内容 にかかわる ICTの支援可能性

3

.4に述べ た よ うに 「学習者特性や 「教育 環境」 を考慮 して 「教授 内容」 と 「教授方法」

を設計 し、また3.

3

「 I CT

種類」や3.

2

「 I CT

活用方式」 を選択 して対面授業 を行 う。 これ ら 組合せ の際に どのI

CT

活用が最適 で あるかを検 討す ることが必要である。

I CT

活用方式 の方式

1

のデ ジタル ・コンテ ン ツ としての教材利用 は、教材 の再利用や更新 の しやす さな ど、教員 の教材作成作業 を効率化す ることができる。

イ ンターネ ッ ト接続環境 において方式

2を用

いた教材提示 も方式

1と同様 な効果 を持つだけ

でな く、学生がいっで も教材 を見ることができ、

学生‑ の教育サー ビス向上をはかることがで き る。

方式

3

の 自己学習用の教材 の提示や市販教材 を購入 して学生に提供す ることは、授業 内だけ の利用だけではな く、学生の予習や復習 を可能 とし、教育サー ビスの向上 となる。

方式4の コ ミュニケー シ ョンツール の利用 は 大規模 クラスの対面授業では時間的に難 しい教 負/学生同士での会話 を実現す ることができる。

これ らの方式 を組み合 わせて利用す ることに よ り、教員 の作業軽減 と学生 に対す るサー ビス 向上 をはかることができる。

教授設計 における教育内容 については構造的 知識 の場合 は 自己学習用 の教材 を提供 して学生

の理解 を深 めるために有効である。 また学生 に 持続 的に興味を持たせ るために、遠隔教育か ら 学んだ よ うにコ ミュニケーシ ョンツールが役 に 立っ。

従来の教室型 の対面授業方式で コミュニケー シ ョンツール の利用 については、小規模人数 の クラスではその必要性 は高 くはない。 しか し大 規模 クラスの場合 は個々の学生の満足度 を高め た り理解度 を確認できるために有用である。

この よ うに教員 の作業の軽減や学生‑の満足 度 を高 めることができる

I CT

で あるが、効率化 だけを強調 してI

CT

利用 が学生 に とって負担 を 強い るもので あってはな らない。I

CT

活用 が ど の分野に対 して どの よ うな成果 を得 ることがで きるかについて、本章で述べてきた方式や教授 設計 の内容 に応 じた研究事例 を蓄積 してい くこ

とが必要である。

4.

大規模 クラス授業での

LMS

利用の 可能性

本章では

3

章 までに提案 してきた項 目を記 し た上で大規模 クラス授業での教育実践 を示す。

4.1 先行研究

教室で コンピュー タを利用で きる環境が整 っ た ことがI

CT

活用 を促進 して きた。 特 に200

0

年 代 に入 ってか らは、大規模 クラスの授 業でI

CT

活用 の教育が増 えてい る。 それ は3.

2

で述べた 方式 1の 「対面授業でプ レゼ ンテーシ ョンソフ トを用い る方式」である。 日本 では大規模 クラ スの教室に学生がパ ソコンを一人一台使 える環 境 は少 ないため、パ ソコンの代 わ りに学生の携 帯 メール を利用 した教育実践が多 く行 われてい る。大規模 クラスで携帯 メール を利用 した教育 実践報告 の一部 を付録表

2

に示 した。それ らの 多 くは3.

3

のI

CT

種類 として 「コ ミュニケーシ ョ ンツール」 を利用 した ものである。携帯電話 の 電子メール機能 を利用 して学生 とのコミュニケー シ ョンを とって授業改善 を図ってい ることが分 か る。 これ らの多 くの研究は学生の新 しいシス

(7)

テムの利用感 の評価 の よ うなアンケー トを元 に 評価す るものが多い。 それ はI

CT

の活用が学生 の成績 に即、反映 してい ることを示す ことが難 しいか らと考 え られ る。

大規模 クラスの実践の うちコミュニケーシ ョ ン以外 でI

CT

活用 を行 ってい る研 究は、天野[

9 ]

らと佐藤

[ 1 6

]の ものがある。天野の ものは、経 済 学 概 論 の 多 人 数 講 義 で

WBT( We b Ba s e d Tr a i ni ng )

を利用 した報告であるが、具体的な教 育効果 は報告 していない 。 佐藤 は、教材 を提示 し、学生か らのフィー ドバ ック として電子 メー ル、また レポー ト回収、小テス トを して、WBT 利用が積極的な学生は期末試験 も良い ことを示

してい る。植 野

[ 1 0

]は、電子 メール による学習 者 に対す る動機付 けを維持 し、テス ト結果で対 面授業 と有意差が無い ことを示唆 している。宮 川[

1 9

]の ものは3

00

名 を超 える大講義 の場合 、 対面授業 よ り

、 e

ラーニ ングの方 が学習動機 、 学習成果共 に有効であることを示 してい る。

しか し、 3.4で述べ た よ うに これ らの実践 の 成果 は学習者特性、教授 内容、教授方法、教育 環境 の組合せで様 々な結果がでる。 したがって どの よ うな教授戦略の もとに実践 を行 えば どの よ うな成果が得 られ るかの指針 を得 るためには これ らを明記 してか ら、効果 を示 してい くこと が必 要で あ る。 さ らに、Na

t ha n[ 5

]らの研 究で は結果の評価だけでな く、その後の学習の持続 的動機付 けや学生の行動 に どのよ うに反映 され るかまでを評価 してい る 今後 はI

CT

活用 の成 果 を成績だ けでな くその後 の学生の行動 につい ての分析 も必要 となる。

4.2 方式、ICT種類、教授設計 にかかわる要因 神奈川 大学経営学部 では2002年度 よ りeラー ニ ングシステム (初期 はNe

t Tu t o r

、現在 はWe

b Cl a s s7 )

を導入 し、 1年生全員‑ の情報倫理教 育や コンピュー タ基礎 ・応用演習の授業、出席 管理 な どでLMSを利用 してきた。現在 では学部 の情報 リテラシー関連科 目だけでなく、コンビュ‑

タ実習室 を使 わない一般科 目、専門科 目、ゼ ミ 科 目な どの科 目で利用 してい る。2008年度 だけ で約

1 3 0

クラスが登録 され てお り、その うちコ ンピュー タ実習室 を利用 してい るクラスはその 半分である。利用 している教員 は15名 で、全体 で3割程度 の教員 が利用 してい る。利用 してい る科 目数が多い理 由は、一旦LMSを利用す ると その便利 さか ら教員 が担 当 している全 ての科 目 を

LMS

で利用 し始 めるか らである。

これ らの科 目の うちコン ピュー タ実習室 を利 用 しない授業の多 くは、方式

2

の教材 の提示 と 方式

4

の コミュニケーシ ョンツール としての電 子会議室の利用である。

I CT

種類 としてはWe

b

教材 で はな く、LMS教 材 を利用 し、 コミュニケー シ ョンツール として もLMSの会議室 を利用 してい る。We

b

教材 の公 開が多 くな らなかったのに比較 し、LMS教材 の 利用が増 えたのは、履修学生のみに教材 を公 開 で きるこ とが好 まれ た こ と、教材 のWe

b

‑ の ア ップ ロー ド作業ではな く、容易 に教材 をア ッ プできることがその理由である

。LMS

の電子メー ル機能 を用い ることによ りクラスで分類 された 学生か らのメール を読む ことができる。学生 と の連絡や質 問受付 のために、LMSの中で用い る メール送受信機能が好まれて使 われてい る。

ゼ ミ科 目で多 く利用 されてい る理 由は、学生 が レポー トをLMSで管理 され たフォル ダ上 に提 出でき、教員が課題毎 に添削指導が可能である ためである。 しか しテス ト機能や成績管理 につ いてはあま り利用 されていない。教材 を作 るこ とに加 えてテス ト問題 を作 るとい う新 たな作業 があ ることも使 われ ない要 因の1つで ある。 テ ス トを実施 しなけれ ば成績管理 もない。LMSは 学習管理 よ りは 日常的 に使 われ るI

CT

の道具 と

して利用 されてい る。

筆者 が担 当 してい る大規模 クラスである情報 システム設計論 とプ ログラ ミング入 門の授業で はLMSを以下の よ うに利用 した。

「方式」 としては3.

2

の方式

2の 「

教材提示」

7

Ne t Tu t o r

は野村総研

、We b Cl a s s

は(秩)デー タパ シフィ ック社 の提供 してい る

e

ラーニ ングシステ ム

I CT

の種類/方式 と教授戦略に基づ く

I CT

活用の可能性‑LMSの利用実践か ら‑

1 1 9

(8)

と 「コミュニケーシ ョンツー」 として

LMS

を 利用 した。情報システム設計論では 「携帯メー ル機 能」 を利 用 した。

「 I CT

種類」 としては、

「テス ト」や 「成績管理」に利用 した。受講者 数 は共 に200名前後のクラスであ り、前者 は普 通教室、後者 はコンピュータ実習室での授業で ある。 この

2

つの科 目は共に選択必修科 目であ り、学生の単位履修願望は強い。 これ らの科 目 の教授設計 にかかわ る要因を3.4で述べた表

3

をもとに表

4

にま とめた。

4

情報 システム設計論 とプログラミング入 門の教授設計の要因

構 成要素 要素詳細 情報 システム プログラミング 設 計 論 入 門

者 人物背 景 年齢 学部2,3,4 学部2,3,4 年 (後 期) 午 (前期)

性別 男女

文化 的 受験年齢 で入 学 した学生 と 留 学生

知 的能力 知 的能力 大学入 試 (推薦 を含 む)

に よる

適性能 力 前提技能 コン ピュー タ知識 :有 経験 的

北̲日月、 殆 どの学生 が無 い 態度 受講価値 履修願 望強 い

学習動機 選 択 必 修 科 目の 為 、強 い

容 学習課題 認識 領域 概念型 問題解 決型 教科領 域 社会科 学 専 門科 目 専 門科 目 科 目特性 知識 内容 構 造化

敬 方 略 教授 形 態 大規模集 合 大 規 模 集 合/グル ー プ 動機 付 け 毎 回のテ ス ト 毎 回 の課 題提 出

利用メデ ィア We板/会議 室/小 テ ス ト/電子b教材、LMS(教材 /掲示 i

メール )、携 帯 メール

展 開 方策 知識教授型 知識 教授 型 /知識確 認 型 理解 度 課題提出/小テ 課題 提 出/

確認 スト/期末試験 期 末試 験

系列 順序 順 次

進行 初 心者 用

育 資源 教室 の 大教室/ネット コンピュータ実習室/

外 的要 因 ワーク接続 ネットワーク接続 学生 の 個 人 の携帯 大学のパ ソコ

物 的資源 電話 1/1 人 的資源 無 し TA21教 室名 /

4. 3

情報 システム設計論での

LMS

の利用 (1)試験方式

情報 システム設計論 の期末試験 に

LMS

を用い た結果が、成績 にどのよ うに影響す るかについ て調査 した。期末試験について2005年度はマー クシー トを利用 し、 2007年度 は

LMS

を利用 して 試験 を行 った。その実施方法の違いについて詳 細 をま とめた ものが表

5である。

5

情報 システム設計論の実施要項 2005年度 2007年度 受講者 人数 141 225 単位 取得者 105 195

実施 時期 2005/9/26‑2006/1/232007/9/26‑2008/1/16 教材 コンテンツ Web Web、LMS 提供 法 教材 プ リン ト配布 教材 プ リン ト配布 出席 の取 り方 携 帯 メール/パ ソ 携 帯/パ ソコンか

コンメール で提 出 LMSで提 出

質 問の受付 法 出席提 出法 で受付 出席 提 出法 と電会議 室

課 題 の 提 出 車 パ ソコン実習室 で、LMS出機 能○ 大 学 または 自宅 のパ ソコンか ら提 出可o締切日後の提 出は不可○の レポー ト提 (レポ ー ト課 題 ネ ッ トワー クフォ

3つ0 年 度 で ル ダ に提 出o締切 内容 は 異 な る) 日後 で も提 出可o

期末試 験 マー クシー トを利用 、記述 式 はマー述o試 験 問題 数クシー トの裏 に記56LMS試 験 問題 数多 岐選 択 式 問題 、を利用o記述式 と、のテ ス ト機 能54

( 2)

期末試験結果

期末試験の問題 としては2005年度 と2007年度 は同 じものを利用 した。 この問題 は単純な知識 を理解 したかを問 うものであ り、多 くは多岐選 択式問題で、両年の共通問題52題 (満点は52点)

を利用 して比較 した。 2005年 の方が成績は平均 で

7

点 も高 く、平均の差の

t

検定の結果では、

2005年度 と2007年度 は試験成績 に差 が あった (表 6)。

6 2005

年度 と

2007

年度の成績比較

平均 標準 偏差 個 数 t df P 2005 32.89 7.15 120 9.72 318 0.0000

(9)

(3)試験結果の分析

情報 システ ム設計論 の授業は両年度 とも大講 義教室 を用いて

LMS

上の教材 を示 しなが らの教 授法である。

2005

年度 の試験 問題 用紙 はB4で

4

ペ ー ジ、

回答 はマー クシー トを用いた。2007年度 はコン ピュー タ実習室で

LMS

のテス ト機能 を利用 して 試験を受けさせた

。LMS

の試験問題は

1

1

ペー ジではな く、全問題 を 1ページとして設計 した。

これ は、紙ベース と同 じ形式で試験 を行わせ た かったか らである。 しか し学生は試験 問題 を見 る際に1画面 では全 て を見 ることがで きず 、画 面 をスクロール させ ることが必要であった。実 際に学生の回答の方法 を観察す る と、画面に表 示 されてい る問題順 に回答 した者 が多かった。

両年度 の学生の

LMS

利用の習熟度 には問題 は なかったはず である。 それ は 1年次必修科 目で 学生全員が

LMS

を利用 してお り、出席管理や小 テス ト以外 に 自習形式で

1 00

問にわた るテス ト を行 っていたか らである。

学生の理解度 を把握 して授業に反映 させ るた めには小テス トや レポー トを多 く実施す ること は必要である。 しか し大規模 クラスでは採点の ことを考 えると多 くは実施できない

。LMS

を利 用す ると採点時間が短縮 でき、小テス トを多 く 実施す ることができる。 また、問題別分析、学 生別分析 が可能であ り教材作成 にす ぐに反映で きる。

マー クシー トも採点時間を短縮す ることがで きる。 しか し学生の学生番号の書 き忘れや書 き 間違 えな どが多発 し、手作業 による修正が必要

となる。

LMS

テス トでは学生が問題 の解答忘れ をすれ ば

LMS

か ら終了時に警告メ ッセージが表示 され、

学生の入力誤 りを指摘 して くれ る。 したがって マー クシー トと

LMS

を比較すれば

、LMS

利用 の 方が学生 と教員 に とって便利 である。

携帯 メール を利用す る と学生は

LMS

のテス ト を行 った り、掲示板や会議室 に質問を害いた り す ることを、いつで もどこか らで も行 うことが できる。授業‑の関心を高めるために、情報 シ

ステム設計論 では毎回の授業で学生 に携帯電話 のメール機能 を利用 して大事 なキー ワー ドや質 問事項 を

LMS

で提 出 させて きた。 この よ うな携 帯 メールの利用 は、学生の理解度 を把握 でき、

次の授業で学生の質問に回答可能 なことな ど、

学生の授業に対す る満足度 を高めることができ る

。LMS

集計機能 を用い ることで集計が容易 に な り、学生‑の回答 も直 ぐに行 うことできる。

2007

年度 は授業終了後 当 日中に、全員 の回答 したキー ワー ドをホームページにア ップ し、次 の授業では質問に答 えた。その結果、学生は授 業に参加 してい る意識 が高 ま り、熱 心に授業 に 参加 していた。 ところが、2007年度 は2005年度

よ り成績 が悪かった。

就職活動で 忙 しくて出席 が十分でない学年 の 履修者 が多いために起 こった ことが原 因である かを調べ るために、学年別 に成績 に差があるか を調べた。その結果 は2005年度 と

2007

年度 の学 年別成績 に差の検定で同様 の差があることが分 かった。

これ らの結果か ら

、LMS

による試験 の成績 が 悪かったのは

LMS

でのテス ト問題 の表示形式 と 学生の

LMS

利用習熟度 に問題 がある と考 え られ た。

( 4)

得 られた知見 と課題

講堂での大規模授業 クラスで、ほ とん どの学 生が持つ よ うになった携帯電話 を利用 して学生 参加型 の授業 を行 った。学生は携帯電話 のメー ル機能 を用いて教員 に質問 し

、LMS

上の コンテ ンツを参照 していつでも学習す ることができた。

LMS

を利用す ることによ り学生サー ビスを向上 させ ることがで きた。

教授設計 にかかわ る要因 としては、試験問題 は 「知識確認型」であ り

、LMS

として利用 しや すい。 しか し 「前提知識」 として

、LMS

利用 の 習熟度 を確認 してお くこと、また試験問題 の予 行演習 を してお くことが必要であった。

e

ラーニ ングの道具 として必要性 が定着 して い るコ ミュニケー シ ョン機 能 を用いて、学生の 授業 に対す る興味 を喚起 して動機付 けを行 うこ とが可能であることが示 された。ただ し、動機 ICTの種類/方式 と教授戦略に基づ くICT活用の可能性‑LMSの利用実践か ら‑

1 21

(10)

付 けの方法 とその評価 についての課題 は残 る。

4

.

4

プログラミング入門での紙ベース試験 と

LMS

利用試験の比較

(1

)目的

4, 3

で示 した よ うに、試 験 問題 を紙ベ ー スで 配布 した もの と

LMS

上の試験問題 で、紙ベース の方が好成績 であった。また この結果 は学生が

LMS

テス トの習熟度 が無い ことに原 因があると 考 え られた。そ こで毎回 コンピュー タの実習 を 行 うプ ログラ ミング入 門の授業では

LMS

利用の 期末試験では異 なる結果 を得 ることができるか を調べた。 この授業では学生 は毎回We

b

教材 を 参照 し

、LMS

で出席提出 と課題提出を行 うため、

LMS

利用 に関す る習熟度がある。

( 2)

授業形態 と内容

プ ログラ ミング入 門は

2

年生前期 の選択必修 科 目であ り、

2,3, 4

年生が受講す る。情報 シ ステム設計論 と異なるのは、授業環境 と問題解 決型 の学習課題 であることである。

このクラスでは65名収容の コンピュータ実習 室 を

3

教室同時開講 システムで利用 して授業 を 行 うもので、同 じ内容 の授業が

2コマ ある。教

員が

LMS

上の教材 を用いて説 明をした後 、学生 が一人

1

台のパ ソコンを用いて課題のプログラム を完成 させ る。 その授業形態 を表

7

にまとめた。

7

プログラミング入門の授業形態 2007年度(A組B組) 2008年度(A組B組) 受講者 人数 230(101+129) 359(168+191) 単位 取得者 206(91+115) 291(137+154) 実施 時期 2007/4/12‑7/12 2008/4/10‑7/24

教材 提供 法

We

材 をア ップ

b

L MS

で 同 じ教

We b

に教材 をア ップ 出席

L MS

出席 のみ

L

小テ ス ト

MS

出席 と 質 問受付法

L MS

の掲示板 お よび電子 メール機 能 課題 提 出法 プログラム作成12題、 プ ログラム作成 11題 、

フローチャー ト1題、 フローチャー ト1

期 末試 験 マー クシー ト式 ,ログ ラムの穴埋 め

L

プ ロ グ ラ ム 穴 埋 め

MS

テ ス ト機 能 で 問題20題 とプ ログ 問題20題 とプ ロ グ

(3)期末試験結果

2007年度 と2008年度 は共に 2クラスあ り、そ れぞれAとB組 とした。AとBの 2クラス用 に作 成 した試 験 問題 はそれ ぞれB4で

4

ペ ー ジで あ り

、Vi s ua lBa s i c

の穴 あきプ ログラムの中に入 れ る適切 なプ ログラム文 を選択肢 の中か ら選ぶ もので あ る。 2007年 と2008年 で はAとB組 でそ れぞれ似た内容の問題 を作成 した。また2007年、

2008年共に共通問題 を 1題 出題 し、 ともに20題 の穴埋 め問題 とした。

2007年 と2008年 の試験 の違いはマー クシー ト 試験か

、LMS

利用かの違 いである。受講者 が多 かったため

LMS

の性能 を考慮 し、

5

問題

1

ペー ジで作成 した。年度別 クラス別成績 は表

8

の よ

うになった。

8

プログラミング入門のクラス別成績結果 人数 平均 最 小 最 大 標準偏差 2007A 93 15.32 6 20 2.54 2007B 117 17.23 10 20 2.25 2008A 154 13.18 0 20 2.9.8

共 に平均点で2007年 (マー クシー ト)の方が 2点近 く高い。A組 の2007年、 2008年 とB組 の 2007年、 2008年 の平均値 の成績 の差 の

t

検定 を 行 った結果 、A組 、B組 、 それ ぞれ に差 が あっ た (表 9)0

9

プログラミング入門の

t

検定結果 2007年平 均 2008年平均 t df P A 15.32 13.18 5.79 245 0.000000 B 17.23 15.61 4.87 288 0.000002

(4)結果の分析

成績 に差があった理 由は

、LMS

利用 の習熟度 ではな く、情報 システム設計論 と同様 に、問題 文が紙ベースで配布 されてい るか否かによると 考 え られ る。

画面上で問題 を見 るのでは、学生は十分 に実 力 を発揮 できない と考 え られ る。それ は文書な どをワープ ロソフ トで作成 して も、我 々は最終 的には印刷 してそれ を読み直す とい うことを行

(11)

う。 印刷 した文書 は全体 を見 るこ とができ、必 要 なペー ジにす ぐに 目を移せ るか らで ある。画 面 1ペー ジに全 ての問題 が表示 されれ ば、 この 問題 は一部解決 され る と考 え られ る。 しか し現 在 の画面サイ ズで、一画面上 に表示 可能 な文字 数 に限度 があ り、長文 問題 は作成 できない。

一画面で表示可能 な問題 な らばLMSを利 用 し た結果 は紙ベース と同 じにな るかについては今 後、実験 を行 う予定である。 学習 スタイル が異 なるよ うに思考ス タイル も異 なる。 レポー ト課 題 を授業 中に指示 した場合 、手書 きでメモ用紙 に全体構成 をメモ した後 に文書 をワー プ ロで作 成す る学生 と、い きな りパ ソコンに向かって文 書 を作成す る学生がい る。 したが って、LMS利 用 の試験 が学生本来の実力 を出す ことができた かについては今後調査 しなければな らない課題 である。

( 5)

得 られた知見 と課題

プ ログラ ミング入 門ではLMS利用 の試験 は

5

問題

1

ペー ジ、情報 システ ム設計論 では全 問題

1ペ ー ジ と異 な る。 全 問題 1ペ ー ジの方 が全体 を見渡せ るた め情報 システム設計論 の方が学生 に とって取 りかか りやす かったはず である。 し か し2つ の科 目で学生のLMS習熟度 に差 があっ たため、 これ が どの よ うに影響 したかについて は特定で きない。

LMS

利用 の試験 の成果 につ いては、情報 シス テム設計論 とプ ログラ ミング入 門の 2つ の科 目 で成績 は向上 しない とい う知見 を得た。 これ は 知識確認型 のテス トでLMSテス ト作成 になん ら かの工夫が必要であ る とい える。 問題全体 を見 通せ るよ うな構造的 な問題作成や レポー ト課題 で あれ ば、LMSテス トは効果 をもた らす か も し れ ない。 これ らも今後調査す る予定で ある。

4. 5

プログラム入門でのグルー プ活動 と単独 活動 での比較

(1)協調学習 とICT利用

Benyon[ 2

]らは、 イ ンターネ ッ トを用 い た授 業の其 の意味 は、マルチ メデ ィア教材 と協調 学 習 を支 援 で き るか ら と述 べ て い る。 古 くは

CSCWな どで もコン ピュー タを用 いた協調 作業

が効果 をあげ る こ と、最近 のeラー ニ ングシス テ ムの研 究 の対象 は協調 学習 で あ り

、I CT

を活 用 して協 同作業 をいかに支援す るかに焦点が当 て られ てい る。

植 野[

1 0

]らはeラー ニ ング授 業 「情報

J

で共 同体活動 の中で、 自発 的発言 を誘発す ることが できるよ うになった こ と、その よ うな レベル に 行 き着 くことと、十分な知識 を得 てい ることに、

相 関があることを示 してい る。

(2)協調活動の方式

今 回はI

CT

を利用 しない場合 、学生 は どの よ うに協 同活動 をす るかにつ いて実験 を行 った。

具体的 には2008年 のプ ログラ ミング入 門におい てA組 とB組 での課題提 出方法 を変 えた。A祖 は 各人 で 、B組 は グル ー プで提 出 させ 、B組 の グ ル ープ活動 の様子 を観 察 した

。A/ B

組 共 に 1コ マ90分 の授 業 の うち、vBを用 い たプ ログ ラム の作 り方 を60分〜 75分程度 で説 明 し、残 りの時 間で例題 プ ログラムに似 たプ ログラムを学生 に 作成 させ る課題 をコンピュー タ実習室 で行 わせ た。

グループ活動 を促進す るために教員 は何 も行 わず、 フアシ リテ一 夕もつ けず、学生 の主体性 に任せ た。 B組 の グルー プ構成 は、教室 に 自由 に座 ってい る座席 の

1

列(約

6

名)毎で あ り、た またま友達 同士で座 ってい る学生 もあれ ば、知 らない学生 の場合 もあった。 受講生

1 7 3

名 で

2 7

グループがで きた。

( 3)

学生 の活動 の観 察

教員 がプ ログラム課題 を示す と、 B組 の学生 は グループ活動 であ るに もかかわ らず 、一斉 に パ ソコンに 向か ってVBの画 面 オ ブ ジ ェ ク トや プ ログラム コー ドを書 き始 める。 で きあがった プ ログラムが正 しく動 くか を確 かめ、 うま く動 くとグループの学生 にできた こ とを教 える。す る とまだできていない学生 は動いたプ ログラム を見て、各 自のプ ログラムを修 正す る。 または 作成途 中の未完成 のプ ログラムをそのままに し てVBを終 了 させ る。 プ ログラムがで きた学生 はLMSを通 して、代表者 の学生番号 と氏名 、そ

I CT

の種類/方式 と教授戦略に基づ く

I CT

活用 の可能性

‑LMS

の利用実践か ら‑

1 23

(12)

してグループ員の情報 を入れ、プ ログラムを圧 縮 して

LMS

の レポー ト機能 を用いて課題 を提 出 す る。

このよ うなグループ作業が 2、 3回続いた後、

いつ もプ ログラムを完成 させ ることのできる学 生か ら不満がでた。それはプ ログラムを完成で きた学生 もで きていない学生 も同 じ課題点なの は不公平であるとの ことである。そ こでグルー プ活動 を した くない学生は各 自で提 出 して も良 い し、今 まで通 り代表者+グループ員 で提 出 し て も良い ことに した。その結果 は、後 になるほ ど各人で提 出す る学生が増 えた。

グループ活動のための教育を行 う時間がな く、

グループ活動 を理解 させ られ なかった ことも問 題 の 1つである。教 え会 うとい う場面は多かっ た ものの、相談 し合 うとい う場面はほ とん ど見 られ なかった。 しか し、他の学生の考 えか らヒ ン トを得 ることができた学生がいた こと、他 の 学生の正解 を見 ることで刺激 を与 え られた学生 がいた こ と

、A

組 の学生 と比較 して学生が達成 感 を得 ていた場面を観察す ることができた。

( 4)

成績 との関連

グループ活動 のB組 の学生 の試験結果 が各人 で行 ったA組 に比べて成績 が良か った と

論 づ けることはで きない。 それ は

20 07

年度 と

2 00 8

年 度のB組 の成績 の差がA組 同士 とほぼ同 じであっ たか らである。また途 中でグループ活動を止 め、

各人の課題提 出が増 えた こともある。

( 5)

得 られた知見 と課題

単に知識 を覚 えるよ うな 「知識獲得型」の学 習課題 と異 な り、プログラ ミング入門の よ うな 与 え られた課題 を考 える とい う 「問題解決型」

学習 においては、学生同士で話 し合 うことで ヒ ン トを得 ることができること、他 の学生か ら動 機付 けが され ることな ど、知識教授型 では行 え

ない協 同学習ができる。

しか し対面 での協調活動 にICTを活用 できる か とい う問題 は残 る

。 e

ラーニ ングを用 いた協 調活動での研 究実験の多 くは、非同期で行 うこ とを前提 としてい る。非同期 の場合は他人が発 信 した意見に対 して考 えて発信す る。 しか し

3 0

分程度で完成 させ るよ うなプ ログラム課題 を完 成 させ るために電子会議室 を利用 して行 うこと は時間的にもできない。 しか し授業外 で相談 し 合 うために電子会議室 を準備す ることは必要で あろ う

大規模 クラスでの協調作業のグループ活動 を 教員がすべて支援す ることはできない。 この よ うな場合 は、協調学習 を行 うための教育 と場の 提供 が必要である。今回の観察か ら分かった こ とは、一人ではプ ログラム課題 の完成 を諦 めて しま う学生で も、他 の学生が完成 させ るのを見 て、授業が終わ るまで考 えることができた こと である。 これ をよ り実現可能 にす るためには、

一緒 に考 えるとい う机 の配置 を考慮 した 「場

の提供 が必要である。

最近の教育方法の流れ として社会的構成主義 教 育法 があ る。 これ は、(

S‑1 )

知識 の生成 を前 提 とす る能動 的学習 を尊重す るこ と、 (

S‑2 )

也 の人 との協 同学習 を最大 限促 す こ と、 (

S‑3 )

コ ミュニケー シ ョンギャ ップ を中心 とした学習活 動 を応 用す る こ と、 (

S‑4)

本物 らしさを重視す ること、 と言 われてい る。

プ ログラ ミング入 門の よ うに協調 してプ ログ ラム課題 を考 える場合 においては この教育法は 有用である。一人では考 えっかないプ ログラム アル ゴ リズムの課題 を、知識 のある学生か らヒ ン トを得 て、作 るこ とがで きる(

S‑2 )

。 その後 、 各人の能動的学習 としてアル ゴ リズムを完成 さ せ る(

S‑1 )

。 その結果 と して(

S‑3 )

の知識 共有 で きる。 しか し今回の実験ではグループ活動 を各 人の成績 と関連 させ た結果 、グループ活動 を継 続 して行 うことができない とい う課題が残 った。

良いアイデアを作 ることが 目的のグループ活 動では、他 グループ と競争す ることが動機付 け の

1

つ となる。 しか しグループ活動の成果 を成 績 に結びつ けると不満 がでて くる。 したがって 個 々の成績評価 を伴 うグループ活動での利用は 利用方法 を検討す ることが必要である。

(13)

5. 得 られた知見 と今後

I CT

を活用す る際の方式、種類 、教授設計 の 内容 について整理 し、それ らを明記 した後 に実 践成果 を明示す る必要性 を提案 した。 またその 後 、大規模 クラスでのI

CT

、特 にLMSを利 用 し て行 った実験結果 か ら

I CT

適用可能性 について 述べた。

LMS

を利用す ることで大規模 クラスでは難 し かった小テス トを何度 も実施 をす ることができ、

学生成績デー タか ら教授戦略の再設計 を行 うこ とができ、教育の質の向上に貢献す ることがで きる。 しか しその利用 については次の よ うな点 を考慮す る必要がある。

(1)全体 を見 ることのできるテス ト問題 の作成 期末試験 の よ うな数ペー ジに及ぶ よ うなテ ス ト問題 にLMSを利用す る場合 は問題 の作成 を工夫す る必要がある

。LMS

テス トを利用す るとして も、併用 して紙ベースでテス ト問題 を配布す る必要がある。それはデ ィスプ レイ 画面では全体 を見 ることができないか らであ る。学生 に とってほ どの問題か ら解 くかは全 体 が見 えない とできない。紙ベースで行 えな い場合 は問題 だけをスクロール させ て全体が 見 えるよ うな工夫が必要である。

( 2 )I CT

弱者 に対す る配慮

LMS

の利用 については既 に述べて きた よ う に 自分 のペースで どこか らで も学習できると い う特徴 がある。 しか し制限時間を定めてテ ス トを行 う場合 はI

CT

利用 を学生 に強い るこ とにな る 実際 にI

CT

を簡単 には操作で きな い高齢者 の受講生 も居 る。 また携帯のキー入 力 には長 けていて もパ ソコンのキー入力が遅 い学生 もい る。彼/彼女 らに とっては入力時 間の差 によって成績が左右 され るよ うでは困 る。 その技能 を要求す るI

CT

を活用 した授業 は学生に とって負担 となる。学生に無用 な負 担 を強いることは教育効果 につ なが らない。

( 3 )LMS

利用習熟のための配慮

上記 のよ うな問題点 を解決す るために、平 素 よ り

LMS

を利用 したテス トに習熟 させ るこ

とが必要である。 また紙ベースの試験問題 の 方がLMS利用 の試験問題 よ り全体 を見渡せ る 点で優位 であることを理解 した上で問題 を作 成す ることが必要である。 2009年度 は授業 中 に毎回小テス ト問題 を与 え、LMS利用 の習熟 度 をあげただけでな く、オ リエ ンテーシ ョン 時にLMSによるア ンケー トを実習室で行 うと ともに、期末試験前 に予行演習問題 として量 的に同等 のLMSの問題 を課 した。 これが どの よ うな効果 を与 えたかについては次の報告で 述べ る。

大学 にお けるI

CT

活用 は対面授業の 「代替

としてではな く、対面授業 をI

CT

の道具 として 利用す ることによ り補助的に教育 を 「支援」す るものであることを確認 し、対面授業本来の 目 的を実現す ること目標 としなけれ ばな らない。

さらに教育者視 点 のI

CT

活用 ではな く学習者 中 心 のI

CT

活用 にな るよ うにI

CT

を利 用 してい く ことが必要である。

LMS

については成績管理 とい う機能があるこ とか ら、管理的側面で議論 され ることが多い。

LMS

には学生が参照 した教材 の 日時や回数 、課 題 の提 出 日、小テス トや期末試験の結果

、LMS

にログインしていた回数や時間など、コンピュー タが得意 とす る様 々なデータが蓄積 されている。

これ らは学生の行動様式 を理解す るための貴重 なデー タであ り、個人の学習スタイル を解 明す るためのデー タ となる。学生 の学習スタイル を 調べ るため研 究の多 くはアンケー トを用いて行 われてい る。 しか し、LMSを利用すれ ば動機付 けの結果 をす ぐに分析す ることもできる。 この よ うにLMSには様 々な利用法が可能であ り、学 習者 を中心 とした教育‑ フィー ドバ ックを行 う

ことができる。今後はLMSのデータを利用 して、

教授設計に係 わ る要因分析 のデー タを集 めるこ と、またグループ活動での可能性 を調査 してい く予定である。 これ らのデー タを用い ることに よ り学習者 中心の教育実践 を行 っていきたい。

本稿 は第57回 日本情報経営学会 での報告[

1 8]

に加筆修正 した ものである。

I CT

の種類/方式と教授戦略に基づく

I CT

活用の可能性‑LMSの利用実践から‑

1 2 5

参照

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