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放射性廃棄物地層処分障壁材中の核種の移行に関す る研究

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

放射性廃棄物地層処分障壁材中の核種の移行に関す る研究

出光, 一哉

https://doi.org/10.11501/3065612

出版情報:Kyushu University, 1992, 博士(工学), 論文博士 バージョン:

権利関係:

(2)

(3)花岡岩粒へのウランの収着係数のpH依存性

得られた収着係数のpH依存性を図 5.23に示す。 図にはバッチ法の結 果およびPhreeqeで計算したウランの化学種を合わせて示す。 カラム法、 バ ッチ法共に同様なpH依存性を示している。 カラム法によって得られた 値 はバッチ法による値に比べ約l桁小さい。 これは、 カラム法による値がバ ッチ法に比べ高いウラン濃度で平衡になっているためである。

中性付近の極大値は電気的に中性の錯体によって説明できるが、 低pH および高pHの収着係数は大きく中性の錯体以外が吸着しているものと考 えられる。 イオンの吸着はイオン交換によるものと考え がちであるが、

Allardら(1 3)はアクチニドの吸着とイオン交換能が相関していないことを指 摘し、 これらの吸着は物理吸着であるとしている。 また、 低pHにおい て 支配的であるイオン種が陰イオンであることから、 一般に負に帯電してい る鉱物表面への陰イオンの交換反応は考え難い。 イオン交換 以外のモデル として、 Davis(95)ら表面錯体モデルがある。

鉱物(特に酸化物や水酸化物からなるもの)は表面に電荷を持っている。

水の中では鉱物表面は水やイオンに取り固まれ見かけ上の電荷はpHによ って変化する。 見かけ上、電荷がゼロになるpHをZPC(zero point of charge) と呼ぴ、 それが水中のプロトンのみによるときを等電点(isoelectric point)と 呼ぶ。 これより低pHでは表面は正に、 高 pHでは負に帯電する。 石英の 等電点は約2、 鉄酸化物は5---9、 モンモリロナイトは2.5以下である。

Davisらは、 これを単なるイオンの吸着ではなく、 表面の 水酸基のイオン化 反応であると考え、 これに電気多重層 モデルを加え、 電場のある層中の表 面サイトと化学種の結合反応を組み合わせた。 このモデルでは、 表面は3 つの層からなる。

1)表面の水酸基または化学吸着した水(p Hによって イオン化する) 2)表面錯体を作った陽イオンまた は陰イオン

3)拡散層

鉱物表面のイオン化反応は以下の式で表される。

122

(3)

102

o Batch method

Column method

00 0

0

。 0

00 0

8

�101

d

M g

• •

100

2 3 4 5 6 7

pH

8 9 10 1 1

10・5

U = 0.0048 mM C = 0.3 mM

z

噌5・・ 10 ・6

z.

。ω 0 0

10・7

4 5 6 7

pH

8 9 10

図5.2 3 カラム方によって求めた吸着係数のpH依存性 下図は計算によるウランの化学種、 上図の.は 吸着係数、 。はバッチ試験の結果、 実線は下図 の水酸化ウラニルと炭酸ウラニルを4 : 1の割 合で合わせたものである。

123

(4)

SOI-U-7S0H + ws K!1t = lSOHlrr-]s

[SO同] (5-41)

SOH-7S0 ・ +ぽ

K M l =[so -J[ WJs

-öL

[SOH] (5-42)

ここで添字のsは化学種が層内にあることを示す。

[

I-r

]

sは層内での水素イ

オンの濃度を表し、 バルクの水中の濃度とはボルツマシの式によって、

[叫=[同 吋tF) (5-43)

と表される。 ここでいoは固体表面でのポテンシャル、 eは電荷、 kはボノレ ツマン定数 である。 他のイオンについては、 たとえばNa+とCl-イオンについ ては、

SO-+Nば→so--H; kijl=[SO-刊]

+

- [SO-J[Na+]s

(5-44)

SO時十Cl�→SOH2-Cli Kat =[SOm-Cl�]

ー[somIcr]s (5-45)

と書け、 このと き、 表面第2層 でのこれら のイオン濃度は以下の ようにな る。

[凶阿[Na+]sぬM州叫+]s = [ 尚M州+つ叫]

[阿Cα叫l刊Js = [仰

(5-46) (5-47)

ここでい日は第2層で のポテンシャルである。 いdを拡散層境界のポテンシャ ル、 σo、 σ日 、 σdをそれぞれの位置の電荷密度、 C1、 C2を第l、 2層の 静電容量とすれば、 以下の式が与えられる。

\}'n

-

\{'R

=σQ_

\fp,

-

\{Jパ =旦

u

-

1.

p

-

..1. Q

- C2、σ向日+σd

= 0

(4-48)

これらの式と表面の総サイト数および比表面積から、 吸着量が計算されるo Hsiら(96)はゲーサイトへのウランの吸着を表面錯体モデルでよく表現してい

る。

しかしながら、 本研究で用いた花崩岩については、 上記のパラメータが 得られておらず、 解析に用いることができなかった。 いずれにせよ、 低p

Hおよび高pHにおいてはイオンの形で吸着が起こっ ているものと考えら れる。

124

(5)

(4)収着係数の温度依存性

図5.2 4から5.2 6に 吸着 係数の温 度依 存性 を 示す。 図 の 下には Phreeqeによって求め たウラン化学種の組成の温度依存性も合わせて示したo Phreeqeの計算においては、 平衡定数Kの温度変化 を計算するため平衡反応 のエンタルピ一変化が必要とな る。 これらのデータは主にOECD/NEAの熱 力学データベース(83)のものを使用した。 ただし、 水酸化ウラニルの平衡反 応エンタルビーは与えられていないため、 水酸化ウラニルの生成エン タル

ピーとしてLBLデータベー スのー1515kJ/mol (97)の値から計算して求めた。

中性付近(pH6.5)においては、 吸着係数の温度依存性は中性の錯体 である水酸化ウラニルと相関しており、 バッチ試験のpH依存性結果から の推定と合致する。 高温における吸着係数の低下については明確ではない れ水酸化ウラニルの濃度が上昇していることから、 一部のウランがコロ イドを形成しカラム中 を早く移行した可能性もある。 酸性(pH 4 )では、

水酸化ウラニルの1価のイオン と相関しており、 陽イオンの吸着が関与し ていることが分かる。 一方、 塩基性(pH8.9)では、 低温部の吸着係数 の立ち上がりからは水酸化ウラニルが相関しているように思われる。 高温 部分での吸着係数を 低下は中性のときと同様水酸化ウラニルの濃度が高い ことから、 コロイドによる移行が考えられる。 陰イオ ン錯体の吸着は、 鉱 物の表面が負に帯電していることから起き難いように考えられるが、 表面 錯体モデルに示されるように正に帯電したサイトが形成されることによっ て定性的に説明できる。 HsiとLangmuir (96)やSilva(85) も鉄化合物へのウラン の吸着において炭酸イオン錯体の吸着を無視できないとしている。

(5)拡散係数のpHおよび温度依存性

花筒岩粒内への拡散係数のpHおよび温度依存性を図5.2 7と図5.2 8 に示す。 いずれのい てもほぼ同じ拡散係数が得られており、 吸着による遅 延の効果を受けていないように見える。 このことから、 花両岩粒内へのウ

ランの拡散は表面拡散である可能性がある。

125

(6)

101い

102

(OミE)UX

可�

100

E

20 50 60 70

T

(OC) 40

30 10・5

U02CI+

U020H + U02

2+

10・6

(冨)cozωbcoυcoQコ

10・7

20 50 60 70

T

(OC) 30 40

吸着係数の温度依存性(p H 4) 図5.24

126

(7)

可圃�

102

• •

• 10 1ト

(窃\-E)万一¥

60

100

20 50 70

T

(OC)

40 30

10・5

U02(C03)2

2・

10・6

(冨)ZOZ5200COOD

(U02)3(O H)5+

10・7

20 50 60 70

T

(OC)

30 40

吸着係数の温度依存性(pH6.5) 図5.2 5

127

(8)

102

トトトド1ト ハU 4EE・

(窃孟E)3X

• •

100 一且ー

20 30 40 50 60 70

T

(OC)

10・5

U02(C03)3

U 02(C03)2・

10・6

(2)EOZω・2coυC00コ

10・7

20 50 60 70

T

(OC)

30 40

吸着係数の温度依存性(pH8.9) 図5.2 6

128

(9)

10・11

ーム

10

ムハヨ

8

ムウー

6

4

5

4 10・12

(ω\NE)。

3

1 1

pH

花両岩粒へのウランの拡散係数のpH依存性 図5.2 7

10・11

a

会 会

(ω\E)O

o pH

4.0

・pH 6.5 Ll pH 8.9

10・12

70

T

(OC)

花商岩粒へのウランの拡散係数の温度依存性

6

0

5

0 40

20 30

図5.28

129

(10)

5.4節 結言

地層処分における最終障壁(バリア)である岩石、 特に花両岩について 核種移行の遅延に関するパラメータである収着係数を実験によって得た。

ウランの収着についてバッチ法とカラム法によって調べ、 ウランの収着挙 動が花両岩中の黒雲母への吸着によって支配されていることを確認した。

各鉱物へのウラン収着係数は鉱物の比表面積に応じて変化 し、 その収着挙 動は溶液中のウランの化学種、 特に加水分解生成物である水酸化錯体の濃 度と相関し ている。 収着係数はpH6から7付近で最大となり、 こ のとき 水溶液中の電気的に中性な水酸化ウラニルが選択的の吸 着しているものと 考えられた。 また、 収着係数 の炭酸濃度依存性から、 水酸化ウラニル だけ でなく炭酸ウラニルの収着も起きていること が予想された。 収着のウラン 濃度依存性はBET吸着式によってよく表された。 したがって、 中性付近 のpHでは、 電気的に中性な錯体の多層吸着がおきているものと思われるo

pHが低いときには中性錯体の収着だけでは説明ができず、 陽イオン錯体 の収着が起きているものと考えられる。

130

(11)

第6章 花両岩中への核種の拡散に関する研究

6 . 1節 緒言

前章においては、 花両岩(構成鉱物)へのウランの収着挙動について研 究したが、 核種の移行に 対する遅延を期待されたパラメータとしてはこの 他に岩石内部への拡散がある(3)(5)。 地下水の流路か ら離れているため吸着に あずかれ な いと 考えられた岩石 も、 岩石内部への拡散が起こるこ とにより

i吸着に寄与するものとして扱うことができる。

このため、 岩石内部への拡

散は遅延効果を高めるものとし て重要とな る。 花岡岩 のような硬岩中の核 種の移行は 主に 、 亀 裂帯を通った地下水流に沿ったものとなり、 岩石内部 への拡散を考えなければ、 その亀裂表面へ の吸着のみが主な 遅延 の要因と なる。 こ のような評価は地層の持つ遅延性能を過小評価することとなり処 分場の設置に際 し 過大な安全ファクターを設けることとなる。 よって、 適 切な安全評価を行い 、 処分場選定に裕度を得るた めに も、 岩石中への核種 の拡散挙動を明確にする必要がある。

本章においては、 代表的候補地層で ある花嗣岩を対象に、 ウラン、 FP 核種の浸入拡散挙動について調べた。

6.2節 試験

6.2.1 花両岩試料

花両岩 には、 収着試験と同じ稲田産の花両岩を用いた。 まず、 花両岩ブ ロックをダイヤモンドカッター で切り出し、試料を耐水研磨紙(800 --2000番) で研磨し、 10mmX 10mm X25mm程度の直方体に成形した。 その後、 この試 料を脱イオン水に浸して真空デシケーター 内で脱気し、 花岡岩中の空隙を 脱イオン水で満たした。 次にこの試料を10mmX 10mmの一面を残してエポ キシ樹脂 で被覆した。 この際樹脂が固化する前に真空デシケーター内で脱 気して樹脂と花両岩を密着させた。 樹脂が固化した後、 花筒岩が露出した 一面を耐水研磨紙(8 00--20 00香)で研磨し付着物を取り除き、 こ の試料を再 ぴ脱イオン水に浸し て真空デシ ケーター内で脱気し、 花岡岩中の空隙を脱 イオン水で満たした。 この花両岩の空隙率は0.8%であった。

131

(12)

6.2.2 トレーサ溶液

本試験では、 花両岩中に含まれる天然ウランとトレーサとしてのウラン とを区別するために、 トレーサとして天然 には存在しないU-233 (半減期1.6

X 105 y、 100%α崩壊)を用いたo U-233の酸化物10mgを濃硝酸約O.lmlで、

溶解したものを脱イオン水で200mlに希釈したものを原液とした。 試験に用 いるときにこの液を更に10倍に希釈して用いた。 pHはO.lNの硝酸および 水酸化ナトリウム溶液で調製し実験に用いる溶液のpHは5とした。

また、 比較のため、 セシウム、 ストロンチウム、 コバルトを用いた試験 を実施した。 塩化セシウム、 塩化ストロンチウム、 塩化コバルトの0.5N塩 酸溶液(放射能強度各10μCi/cc)を O.lccずつ採取し、 脱イオン水を用い

て20ccに稀釈した。 この時、 O.lN硝酸およびO.lN水酸化ナトリウムを用いて pHを7付近に調整した。134CSの半減期は2年、 主なγ線は、569.3keV(15.43%)、

604.7keV(97 .6%)、 795.85keV(85.4%)、85Srの半減期は65目、 主なγ線は、

514. OkeV(98. 0%)、 60COの半減期は5.3年、 主なγ線は、 1173keV(99.9%)及び 1333keV(99.98%)で、ある

6.2.3 試験手順

浸入実験のフローシートを図6.1に示す。 作製した岩石試料を、 トレー サ溶液30mlとプラスチック容器内で接触させ、 300Cに設定した恒温槽内で 一定期間接触させた。

本試験では、 トレーサを試料における花両岩の露出した一面からのみ浸 入させ、 表面から深さ方向に浸入していく拡散挙動について検討した。 一 定期間トレーサ溶液と接触させた試料を取り出して乾燥させた。 その後耐 水研磨紙(320番)を用いて、 花岡岩が露出している面以外の樹脂を、 付着し たトレーサを取り除く目的で研磨した。 そして、 試料の花筒岩の露出した 面を 80番の耐水研磨紙を用いて約O.lmm刻みに研磨し、 その研磨毎の 試料表 面を測定用試料として用いた。

FP核種の定量にはγスペクトロメータ(Ge半導体検出器)を用いた。

研磨毎の研磨紙をその研磨粉末ごと測定試料とした。 ウランの定量にはα スペクトロメータ(表面障壁型Si半導体検出器)を用いた。 研磨毎の測定用

132

(13)

試料の表面を検出窓から5mmの位置に置き、 U-233のα線(4.824MeV)を測定 した。 このとき、 樹脂および樹脂と花岡岩試料の境界からのα線を遮蔽す るため、 試料上に5mm角の窓を開けた紙を置き測定を行った。

トレーサ溶液

U-233、 Cs-134、

Sr-8 5、 Co-60

花両岩試料

12X 12X25mm

接触(U : 5 8、 2 5 2日) (FP: 7日)

試料の取りだし、 乾燥

試料の研磨 (O.lmm毎)

浸入量の定量

U:αスペクトロメータ­

FP : γスペクトロメーター

濃度プロファイル

鉱物別浸入量の定量 αオートラジオグラフ

(Uのみ)

鉱物別濃度プロファイル

図6.1 実験のフローシート

U-233の定量後、 測定用試料の表面にαオートラジオグラフをのせ、 1日 から7日放置した。 今回用いたαオートラジオグラフは、 αオートラジオ グラフ用プラスチック(CR39)で、 αダメージ を受けた部分がアルカリに溶 解する性質を持つ(98) (99)(100)(101)。 その後、 αオートラジオグラフを600C、 8 Nの水酸化ナトリウム溶液中で3時間現像した。 そして、 現像したαオート ラジオグ ラフを マク ロ写真撮影し、 そのときの測定用 試料の花嗣岩のマク ロ写真とあわせて岩石中のウランの分布状態を調べた 。 さらに、 光学顕微 鏡を用い てαオ ートラジオグラフのダメージを受けた部分を 、 石英、 長石 及び雲母の鉱物別に顕微鏡写真撮影した。 また、 試料に走っている亀裂の

133

(14)

部分も同様に顕微鏡写真撮影した。 この写真を用いてαダメージを受けた 跡の数を調べ、 鉱物別及び亀裂中におけるウランの深さ方向の濃度分布を 作成した。

6.2.4 試験条件

ウランについては、 2つの試料について試験を行った。 試料lは 58日間 、 試料2は252日間ウラン溶液と接触させた。 接触時の温度は恒温槽内で300C

に保った。 溶液のpHは共にに5.0とした(全て実験終了後のpH)。 溶液 の濃度は2X10-5Mで、 炭酸イオンは加えていない。

FPネ友不重については、 pHをパラメ一夕とし、 300CでpH4.3工、 6.0仏、 7.7"、

9.4の4つの3試式

温度4ωOOC、 560Cでも試験した。

6.3節 試験結果

6.3.

1

U-233の濃度分布

岩石試料に浸入したU-233より放出された4.824MeVのα線を測定して得ら れた濃度分布を図6.2に示す。 横軸は岩石試料の表面からの深さ、 縦軸は α線の放射能強度(cps)である。 いずれの濃度分布においても、 表面付近で は濃度勾配が急で、 深い部分では濃度勾配が緩やかな傾向を示していた。

100

( 、ω.,Eω L

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噛伺

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。。

10・2。 2

Depth (mm:

図6.2 稲田花岡岩中のウランの濃度分布

134

(15)

6.3.2 αオートラジオグラフのマクロ写真による観察

252日間溶液と接触させた試料のαオートラジオグラフと花両岩試料表面 の写真を図6.3に示す。 図は深さ0.19mm---2.24mmまでの7つの研磨面の

もので、 それぞれαオートラジオグラフを20時間---7日間の せたものであ る。 表面付近ではウランは特に雲母に多く分布している。 また、 深いとこ ろではウランは雲母と亀裂部分に多く分布している。 ここで、 ウランは初 期表面に露出していなかった雲母にも 多く確認された。

6.3.3 αオートラジオグラフの顕微鏡写真による観察

αオートラジオグラフを鉱物別と、 亀裂部分に分けて顕微鏡写真撮影し、

αダメージを受けた跡の数を数える事によ って得られた深さ方向の濃度分 布を図6.4に示す。 ここで、 試料は252日間溶液と接触させた ものを用いた。

図より、 雲母、 石英、 長石の濃度分布は、 αスペクトロスコピーで求めた 濃度分布と同様、 表面付近では濃度勾配が急で、 深いところでは濃度勾配 が緩やかな傾向を示していた。 また、 亀裂部分の濃度分布は緩や かな勾配

を示した。

6.3.4 FP核種の濃度分布

岩石試料に浸入した核種 より放出されたγ線を測定して得られた濃度分 布を図6.5---8に示す。 図において、 横軸は岩石試料の表面からの深さ、

縦軸はγ線の放射能強度(cps)で、ある。 いずれの濃度分布に おい ても、 表面 付近では濃度勾配が急で、 深いところでは濃度 勾配が緩やかな傾向を示し

ていた。

135

(16)

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A

2

Depth (mm)

αオートラジオグラフによる鉱物別濃度分布 図6.4

143

(24)

『司国「

(mEE\ωaQ)

、円相一〉一制ωωωO

100

o 30oC,pH4.3 ロ 30oC,pH6.0

 30oC,pH7.7

・ 30oC,pH9.4 Fittina curves

nu nu dEE・

1 2

Depth (mm)

図6.5 稲田花岡岩中のセシウムの濃度分布( 7日間)

3

1 00

30oC,pH4.3 30oC,pH6.0

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10-1 A 30oC,pH7.7

E 30oC,pH9.4

ω a

Q () 一一 Fitting cu rves

5〉。伺 10-2

10-3

10

1 2

Depth (mm)

3

図6.6 稲田花筒岩中のコバルトの濃度分布( 7日間)

144

(25)

10 t-

300C,pH4.3

,圃h、 300C,pH6.0

Cウ

E

IU凡

A 300C,pH7.7

、、Em a 、.、... ω 300C,pH9.4

Fittina curves .

.

〉〉o ω

10

ω ‘- 10

10 0

1 2 3

Depth (mm)

図6.7 稲田花嵐岩中のストロンチウムの濃度分布( 7日間)

10

10

)

Eω

10

〉〉。伺圃.、

ω

10

10

Õ

o 30oC,pH4.3 ロ 40oC,pH4.2

 560C,pH4.4

一一 Fitti ng cu rves

1 2 3

Depth (mm)

図6.8 稲田花筒岩中のセシウムの濃度分布( 7日間)

145

(26)

6.4節 考察

6.4.1 花両岩の空隙構造

花両岩中の核種の拡散モデルを構築するにあたって、 花商岩の構造を知 る必要がある。 花両岩は深成岩の一つで、 その成因からみると、 岩築から 固結したものと既存の岩石が交代されてできたものとがある(102)。 固結は融 点の高い ものから起こり、 雲母、 長石類、 そして最後に石英ができる。 石 英は約6000Cでp→α相変化を起こし収縮する。 このときの応力によって岩 石内には亀裂が発生する(103)0 Merceronら(103)は、 その亀裂は自己相似性を

もち、 岩石中 にネットワークを作っていることを見いだした。

そ こで、 試験に用いた稲田花岡岩の空隙構造をSEM観察および水銀圧 入法で調べた。 図6.9に SEM観察写真を示す。 試料 には幅数10μmの亀 裂が 多く見られ、 亀裂中を更に 細かく見ると、 微細な 空隙が 亀裂表面に 観 察された。 図6. 1 0に砕いた稲田花商岩の細孔径分布を示す。 図の縦軸は 空隙のふるい上分布(横軸の空隙 径以上の空隙が占める体積)を表し、 曲線の 傾きが最大 とな る径の空隙が最も存在割合の多い空隙である。 稲田花両岩 は数μmから10nmまでほぼ同じ割合で空隙が分布している。 径が数μmの ものは空隙全体の約1割を占めるにすぎない。 砕いた花両岩の空隙率は約 1.3%であり、 拡散実験に用いた花両岩の空隙率0.8% (アルキメデス法)よ

りもやや大きな値とな った。

6.4.2 花嵐岩中の拡散モデル

こ れまで、 花筒岩中に置ける放射性 核種の拡散 に ついては、 岩石を均質 な多孔質媒体であると仮定して解析を行ってきた(104) (1 05)(1 06)。 しかし、 本試 験より得られた2つの部分より なる核種の濃度分布は、 均質媒体モデルで は説明できない。 花両岩の空隙構造から拡散経路が2つあることが類推さ れる。 ま た、 オートラジオグラフの観察結果、 収着試験結果 から、 核種は 花岡岩中の亀裂を介して拡散し、 黒雲母内部 に収着されつものと考えられ る。 黒雲母は試料中で、数mmの大きさで点在するが、 ここではモデルの簡略 化のため、 花 岡岩中に 均一 に分散しているものとして、 図6 .1 1 の様な形 状の拡散モデルを考えた。 モデルとしては、Whippleの多結晶金属における 粒界拡散モデルを参考にした(69)。

146

(27)

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147

(28)

(JF)oaszou』oaoEコ一O〉

100

40 20 80 60 4

3

2

1

(句者一E)OE20〉ω〉一定一コEコυ

『・r

0

1 0 1

1 0-3 1 0-" 1 0-1 1 00

(μm)

稲田花岡岩の細孔径分布

Size

図6.1

0

Surface X

解析に用いたモデル

図6.1 1に示すように、 半無限媒体に幅2aの亀裂が媒体表面に対して垂直 に入っているとする。 花商岩マトリックス及び亀裂内は等方的であると仮 定し、 それぞれの媒体内での拡散係数をDm、 Dfとすれば、 それぞれの媒体 内で次のような連続の式が成立する。

図6.1 1

148

(29)

『・v

dCm

T"\

{d2Cm

I

d2Cm \

"" v

dC

εm

dt 旦=εmDm ト

...

...

+

一一

旦|

国 Pm

KIτ旦

\ dx 2 dy 2 }

I •• •

- a I x I

a

(6-1)

空 Cf =仙 ( 也+ 剖 I x I 三 a

at

-

A

\ ax 2 ay 2 }

I I

( 6 -2 )

ここで、xは亀裂に垂直な座標軸、yは亀裂に平行な座標軸である。 また、

Cmは花両岩マトリックス内にある空隙水中の放射性核種の濃度、Cfは亀裂 中にある空隙水中の放射性核種の濃度で、 εm、 εfはそれぞれの媒体の空隙 1 率である。 さらに、 ρmは花商岩マトリックスの密度、Kdは線型吸着を仮定

したときの吸着係数である。

(6-1)式を変形して、

aCm一11 (向a2Cm

_L

a2Cm

弓「「一 ..LJ ma 刊 a{玄r

'

五2) I xl三a (6-3)

Dm� ma- l+Pm = - Dm

kd/εm (6-4)

ここで、Dmaはマトリックス内での見かけの拡散係数(マトリックス内での 吸着による、 見かけ上の濃度変化を代表する拡散係数)である。

(6-2)式において、 亀裂内にはほとんど充填物がないとすると、 εfキ1で

1 あるから、

dCf = Df ( + 也 \ I x I

a

dt

A

\ dx 2 dy2 )

初期条件と境界条件はそれぞれ、

(6-5)

C ( x y, 0) = 0

C (x, 0, t)

=

Co H(t)

H(t)

:ヘピサイド関数

(6-6)

C(∞,∞, t) = 0

また、 花商岩マトリックスと亀裂聞の境界条件を考えて、 マトリックスと 亀裂間の境界で、 それぞれの空隙水中の濃度を等しいとすると、

Cf= Cm I x I = a

さらに、 亀裂と花両岩マトリックスの境界において、 亀裂側のX方向への流 束と花商岩マトリックス空隙側で、のX方向への流束を等しいとおくと、

f 主 f _ εmDm I x I = a

dx

�11l

-

III

dx

I I

(6-7)

亀裂内での核種の濃度分布は、x�こ対して偶関数であり、 亀裂中央で濃度勾 配がゼロと予想される。 そこで、Cfを次のように仮定する。

y, t) = Cfo (μ)十三川, t)

(州

149

(30)

(4-56)式を(4・55) 式に代入すると、

a Df Cf A A ,、=εrnDrn .. … …dx

dCm 一一

また(6-8)式を(6-5)式に代入して、

aCf

d2Cf

V'"-'t

= Df

v --r

+ Df Cf , 、

dt 昼 dy2

=Df 芝 生+εmDm 主旦

4

dy2 a dx (6-9 )

両辺に aをかけると、

a(a Cf)=Df r(a Cf)

1 � n

m一旦 dC I x

l

= a dt

Jl

dy2

-111

-

111

d

X I ._ I

(6-10)

(6-10)式において、左辺は単位深さ当りの亀裂内の濃度(aCf)の時間変 化、右辺第l項は亀裂内のy方向への拡散による核種の収支、第2項は花両 岩マトリックスへの核種の拡散を表している。(6-9)式において、x= a では Cf= Cmであるので、

主旦=Df

ζ旦+εmDm 笠旦

dt

Jl

dy2 a dx

=Df ど弘 + εm+ Pm ( KI)

11

ac

Dm一旦 I x 1= a

dy2 a ...

d

X I I

(6-11)

ここで、(6-3)式の両辺にDf

/

Dmaをかけると、

Df笠旦=Df

f一一

九2C

I

X

l

2

a

Dma dt

L

dx2

L

dy2

1 --1- --

(6-12)

この式を、(6-11 )式に代入して、

a

r \Dma �f - 1 J ) at = aDf

_

dX 2 - (

\

Em + pm ...

I •••

KI)

-,

Dma也

...�

dx I

I

x 1= a

I

(6-13)

ここで、Df:;}Dmaとすれば、左辺の()内の1は無視できる。 そこで両辺を

εm+ρm Kdで、割って、

a Dfa dCm

ー--一一

...:..:..:.. =

= a a

Df'" 1J fa d2Cm _ D ".., ,,, dCm

-_ -_ニ

i

a

Dma dt ....

dx 2 ...

dx

、ヲ・ 、� -デミ

I_"-\,_、

Df� = Df

.LJt

I x 1=

a

(6-14 )

εm + Pm KI (6-15)

(6-3)式、(6-14 )式及び境界条件(6-6 )式を用いると、任意の時間、任 意の位置における放射性核種の濃度は次式のように 表すことが出来る。

玉二= erfc (立)+ l

'

坐eXD

{- B と I

erfc

1 1 {t + 立�\ l

Co

\ 2J 2而 よ σ3/2 ...

\

4σ J l 2 γ ß JJ

150

(6-16 )

(31)

ç = - a η = ß =�α, � = P=LlU .ß= a a 一一一一 Dfa α=

_

1

必戸 ' 必戸 ド D

m

a ' 必EI

(6-16)式において、右辺第一項、は試料表面から花岡岩マトリックスへ直接

拡散した核種の濃度分布を表し、第二項は亀裂を介した拡散の寄与を表す。

y方向(深さ方向)の濃度分布は、CをX方向にaからbまで平均して得られる。

ここで、bは亀裂のインターバルの1/2である。 つまり、本実験における実際 の解析解は次式で 表される。

ξ(y) = erfc (判+η必E t I血肉(- �) l exp (-叫-直X erfc

\21 bイ充

!

σ3/2 ... \ 4σJ l ... \ 4

J

2 \ 2

J J

ここで、b:>aとした。 また、 (6-17)

X=笠ニ1

9

である。 この解析解は、Dma, a D白、bをパラメータとする関数である。

6.4.3 拡散係数の比較

(6-17)式を用いて浸入実験の最適化を行った結果をウランについては図 6.2に、他の核種については、それぞれ、図6.5---8に示す。

また、最適化によって得られた、花筒岩マトリックス中と、亀裂 中にお ける拡散係数を表6.1に示すo

FP核種について得られた拡散係数は、 どの核種もpH依存性をほとん ど示さなかった。Andersonら(107)は、スウェーデンの 花岡岩につい てのCs、

Srの収着係数を報告しており、それらはpH依存性を示さないことを報告 している。 したがって、 どのpHにおいて も同じ遅延をうけ ていたものと

思われる。

セシウムの拡散係数は温度の上昇とともに僅かに早くなる傾向がみられ る。 この拡散係数をアレニウスプロットしたものを図6.1 2に示す。 得ら れた見かけの活性化エネルギーは、亀裂中の拡散係数について35kJ/mol、 マ トリックス中の拡散係数について25kJ/molで、あった。 このみかけの活性化エ

ネルギーは、拡散の活性化エネルギー に吸着熱が加えられたものである。

ウランについて得られた拡散係数はFPに 比べ約l桁小さく、吸着の効 果をより多く受けている。

151

(32)

冗素

U

cs

Sr

Co

表6.1 得られたみかけの拡散係数D色、 Dmaと亀裂間隔b Dfuを求める際には亀裂幅を20μmとした

温度(OC) pH

Dfu(m2js) Dma(m2js) b(mm)

30 5.0 1.5 X 10・12 5X 1 0・15 3

5.0 7X 10・12 4 X 1 0-15 0.8

30 4.3 1 X 1 0-11 3X 1 0・14

6.0 1 X 10-11 6X 1 0開14 4 7.7 1 X 1 0・11 5 X 10-14

9.4 1 X 1 0-11 5 X 1 0-14

40 4.2 1 .5 X 10-11 5X 10・14 2

56 4.2 3X 1 0・11 7X 10・14 2

30 4.3 1 X 1 0・11 4 X 1 0-14 6.0 4 X 10-12 4X 10・14 7.7 1 X 10・11 4 X 10-14 9.4 1 X 10-11 4X 10・14

30 4.3 2 X 10-11 8X 10・14

6.0 8X 10・12 4 X 10-14 7.7 2X 1 0・11 8X 1 0・14 9.4 2X 10・11 8X 1 0・14

Dma :花筒岩マトリックス内でのみかけの拡散係数 Dfu :亀裂内でのみかけの拡散係数

1 0・10

-、、、U3 1 0・11

れl

E Apparent D in fissure

、、-

W

c qにqo t-J J

》3

E = 35 kJ/mol 1 0・12

Apparent D in matrix E = 25 kJ/mol

C O U

3 1 0・13

トよー」

1 0・14

3.0 3.1 3.2 3.3

1 000庁(1 /K)

Dma εm Dfa

0.4 0.07

0.5

0.8 0.8 0.5 0.4 0.7 1 .7 0.8 0.7 0.7 0.8 0.7 0.7

図6.1 2 セシウムのみかけの拡散係数のアレニウスプロット

(33)

『司咽,

6.4.4 花両岩中の拡散経路の幾何学因子

花両岩中において、 放射性核種は地下水で満たされた 空隙や微細な亀裂 を経路として岩石マトリックス内へ拡散する。 この際、 核種と岩石内部表 面と の聞に吸着・脱着反応が起こり、 核種移行の遅延が起こる。 そこで、

拡散係数を物理的因子(空隙の形状、 空隙率)と化学的因子(吸着・脱着 反応)に分けて考える。

無限希釈溶液中における放射性核種の拡散係数を D叫とすると、 空隙中に 停滞している水における放射性核種の拡散係数Dpは、

Dn = _Õ_D

τ2 伺 (6-18)

ここで、 Sは岩石中の空隙や亀裂の狭窄度(constrictivity)で、 空隙や亀裂 のくびれ具合による核種移行の難易度を表す係数である。 また、 では岩石 中の空隙や亀裂の屈曲率(tortuosity)で、 拡散経路の曲り具合を表す係数 である。 Ò

/

T

2は一般に幾何学因子と呼ばれる。

岩石中での放射性核種の 実効拡散係数Deは以下の式で表される。

De=εDp=ε 3 D叫 (印)

ここで、 εは空隙率である。 放射性核種が岩石の空隙中を拡散する際、 放 射性核種は岩石表面に吸着し、 核種移行の遅延が起こる。 この反応が瞬時 に起こり、 かつ吸着量が溶液濃度に比例すると仮定すると、 岩石中の見か けの拡散係数Daは次式のようになる。

D�

=

_Õ_ ε

a一τ2ε+ KdP 叫

(6-20)

ここで、 Kdは吸着係数、 ρは岩石の密度である。 ε+Kdρは吸着による遅延 の効果を表している。

花両岩における放射性核種の拡散は、 花岡岩表面への吸着によ り遅延され るので、 測定される花岡岩マトリックス中の核種の拡散係数は、 見かけの 拡散係数となる。 従って、 実験で求めた花両岩マトリックス内での拡散係 数は(6-4)式より、

D m�

=

bm Da}

ma

-τみ1+ pm

Kct

/εm (6-21)

また、 亀裂内における放射性核種の拡散は遅延されないので、 実験で求め た亀裂内での拡散係数は(6-15)式より、

153

(34)

『司・r

Dfu= Ò f D笥

山 τ

?

εm+ pm

(6-22)

で表され るo òm/τm2とÒ f/ r f2はそれぞれ、 花両岩マトリックス中に存 在する微小な空隙と亀裂の幾何学因子を表している。 (6-21 )式、 (6-22) 式より、 DmaとεmDfaとの比は、 亀裂と微細な空隙の幾何学因子の比に等し いことが分かる。 この比を計算したものを表6.1に 示す。 これらの値はl に近く、 それは微小な空隙と亀裂の幾何学因子が同じ程度の値をもつこと を示す。 これは微小な空隙と亀裂の形状が相似形であり、 亀裂を含めた空 隙構造がフラクタル(自己相似形)であることを示唆している。 稲田花両 岩の亀裂のフラクタル性についてはMerceronら(103)の報告がある。

6.4.5 αオートラジオグラフを用いたウランの浸入状態の観察

αオートラジオグラフのマクロ写真による観察の結果より、 ウランの拡 散は、 表面付近では岩石マトリックス(matrix)への拡散が支配的で、 深い 部分では亀裂(fissure)での拡散が支配的である事が分かる。 つまり、 今回 用いた亀裂を媒体とした拡散モデルとこの観察による結果はよく一致する。

αオートラジオグラフの顕微鏡写真による観察の結果より、 単位表面積 当りの放射性核種の吸着量は、 雲母が一番多いことが分かるo Allardら(81)は、

黒雲母への核種の吸着係数が石英、 長石に比べて約10倍大きくな ることを 示している。 本研究のバッチ試験の結果も同様であった。 一方、 αオート ラジオグラフの顕微鏡写真により鉱物別の吸着量を調べた結果では、 雲母 へのウランの吸着量は長石への吸着量の15倍、 石英への吸着量の37倍とな った。 雲母への吸着量が他の鉱物への吸着量と比べて大きいのは、 雲母が 薄片を重ね合わせた構造を持っており、 その比表面積が他の鉱物に比べて 大きい為であると考えられる。

また、 図6.4における鉱物別の濃度分布に、 各々の花両岩中における存 在割合をかけたものを図6.1 3に示す。 図より、 花商岩全体でみても、 ウ ランの拡散においては雲母への吸着が支配的であることが分かる。 また、

深いところでは、 亀裂への拡散も拡散挙動に大きな影響を及ぼしているこ とが分かる。

154

(35)

Biotite Feldspar Quartz Fissure

-ofい+

'

h・

.・0

。 。

rも

+

0

? �,

+ 半

0

..

+

円/』

門叫u nu

nu

nU

(NEE\σ∞)のめNBコ』OCOZE200C00

Penetration depth (mm)

鉱物の存在割合を考慮した鉱物別濃度分布

nU A峠 nu 2

」1••

図6.1 3

図6.1 3に示した全ての鉱物に対する濃度を合計したものと、

αスペクトロメーターによって得られた濃度分布との比較を図6.1 4に示 す(縦軸の単位はBq/mm2)。 図のように両者は良く一致する。 すなわち、

αオート ラジオグラ フによって測定された鉱物別 濃度分布は十分信頼でき さらに、

αスペクトロメーターによって計測されたα線は、 ほとん るもので あり、

ど黒雲母に吸着したウランからのものであると言える。

-…………。G

ilt-

2

ト 30ハU41Ftnu.nU

ハu

nu (NEε\σ∞)めのNtコ』OCOZE200C00

autoradiograph

I

spectrometer

I

..

.

4

Penetration depth (mm)

αスペクトロメータによる測定結果と

αオートラジオグラフによる測定結果の比較

2

υ 与えv 0 ­ f・九

0 ・.:.:.

リ・

図6.1 4

155

(36)

また、 本モデルにおいて(6-16)式を用いて、 亀裂部分の濃度分布を計算 したものと、 図6.1 3の亀裂部分の濃度分布を比較したものを図6.1 5に 示す。 両者はよく一致し、 亀裂部分の濃度分布は、 亀裂を介した拡散モデ

ルによって説明できることが分かった。

;- Fissure

-一計算値

-ぃ�一九---

+

ハU4nu nU J可EE

ハu

nu (NEE\σ∞)めのN,コ』OCO一日のおcoocoo

2.0

Penetration depth (mm)

亀裂部分の濃度分布のαオートラジオグラフに よる測定結果と本モデルによる計算値との比較

1.0

図6.1 5

6.5節 結言

地層処分における最終障壁である岩石、 特に花両岩について、 核種移行 の遅延に関するパラメータである岩石マトリックス中の拡散係数を得た。

花両岩中の亀裂を媒体とした速い拡散と、 岩石マトリックス中の遅い拡 散という2つの拡散経路を考えたモデルにより、 花両岩中の核種の拡散挙 動を説明することができた。 αオートラジオグラフを用いた実験により、

花両岩中におけるウランの拡散において、 最も重要となるのは黒雲母であ ることが分かった。 また、 試料表面に露出していなかった岩石内部の黒雲 母にも選択的な収着が見られることから、 花岡岩中の黒雲母は微細な亀裂 のネットワークによって連結されていることが分かった。

亀裂部分と岩石マトリックス 部分の拡散係数からそれぞれの幾何学因子 を算出し、 微細な亀裂を含んだ空隙構造が相似(フラクタル)な形状をし ている可能性を見いだした。

156

(37)

第7章 結論

本研究は、 高レベル放射性廃棄物の地層処分 における障壁材中の核種移行 挙動を、 核種の拡散挙動、 障壁材の構造および核種の熱力学的側面から究明 したものである。 本論文の第2章では、 完全閉じ込めを期待されて いる障壁

材である鉄製オーノミノてックの腐食に伴う、 鉄イオンの緩衝材中での拡散につ いて実験を行い、 それが核種の移行に与える影響について検討した。 第3章 では、 緩衝材中のプルトニウムの拡散について の実験を行い、 緩衝材がプル トニウムの移行に対する障壁として充分な性能を持つことを示した。 第4章 では、 処分場の補強材であるコンクリート中への核種の浸透について実験し、

核種の拡散経路を考慮して拡散挙動を検討した。 第5章では、 地層処分の最 終障壁となる岩石、 特に花両岩の障壁としての 性能を収着挙動について実験 し、 その機構を検討した。 第6章では、 花両岩マトリックスへの核種の拡散 について実験し、 核種の拡散挙動を花岡岩の微細構造を考慮しながら検討し た。 各章で得られた本研究の成果は以下の通りである。

(1)ベントナイト系緩衝材中の鉄の移行に関する研究 (第2章)

1 )これまで、 ベントナイト系緩衝材中での核種の移行挙動の研究はベン トナイトと石英砂等の混合物中での核種の移動のみに注意がはらわれ て きた。 しかし、 実際の処分場では、 鉄製オーバパックが緩衝材中で腐食 して いる状態、で核種の移行が起こる。 そ こで、 本研究では、 まず、 ベン トナイト系緩衝材中での鉄の拡散挙動について、 バルクの鉄が共存する 系としない系において、 ベントナイトの充填密度、 混合物の影響に着目 しつつ実験し、 拡散係数を測定した。 その結果、 バルクの鉄 を含まない 系での鉄の拡散係数が10・15---10・14m2jsで、あるのに対し、 バルクの鉄共存系 では10・12m2jsと2ないし3桁高い拡散係数を得た。 この速い拡散係数はベ ントナイト 系緩衝材中のセシウムやストロンチウム等の陽イオンの拡散 係数と同程度の拡散係数であった。

2)鉄の熱力学データを用いて、 ベントナイト系緩衝材中での鉄の拡散種 について検討した。 熱力学 データに よって計算された鉄の化学形は、 バ ルクの鉄を含まない系では中 性の水酸化第2鉄もしくはその陰イオン錯

(38)

体、 バルクの鉄共存系では2価の鉄イオンであった。 これらの鉄の化学 系から、 ベントナイト系緩衝材中の拡散挙動に ついて次のよ うに考察し た。 バルクの鉄を含まない系では、 ベントナイト系緩衝材中の鉄は酸化 された状態(3価)で存在し、 pH8--9に化学的に緩衝された空隙水 中で加水 分解される。 生成した水 酸化錯体は分子が大きく、 緩衝材中の 毛細管空隙において漉過効果により移動を妨げられる。 陰イオン錯体と して存在する場合 には、 さらに、 ベントナイト表面の負の電荷によって 排斥をうけ拡散経路を確保 できない。 したがって、 バルクの鉄を含まな い系において鉄の拡散は極めて遅くなる。 一方、 バルクの鉄が共存する 系では、 バルクの鉄が常に腐食することにより系内が還元状態で保た れ る。 この状態では 鉄は溶解度の高い2価のイオン状態、で存在できる。 ベ ントナイト表面は負に帯電しており、 毛細管空隙中の水は電気2重層を

形成し、 陽イオン濃度の高い拡散層となっている。 陽イオンとなった 鉄 は、 この拡散層中を拡散することができ、 セシウムやストロンチウム等 の陽イオンと同等の拡散係数を得ることができる。

3)石英砂の混合と充填密度の影響について、 バルクの鉄を含まない系に おいては、 密度が低く石英が混合されているほど拡散 し易くなる。 これ は、 ベントナイト密度の低下によって拡散経路が確保され易くなるため であると考えられる。 バルクの鉄共存系ではベントナイト表面層を拡散 するため密度の影響をあまり受けない。

4)バルクの鉄共存系にお いてウランの拡散係数の測定を試みた。 バルク の鉄共存系ではウランの拡散係数は10・14m2/s程度となり、 酸化性雰囲気に おける拡散よりも遅くなる。 これは、 ウランが還元され溶解度が低く な るためと考えられる。 鉄の拡散よりも2桁遅いことから、 ウランが鉄コ ロイドによって運ばれる現象は起きていないと考えられる。

(2)緩衝材中のプルトニウムの拡散に関する研究 (第3章)

1 )ベントナイトとして、 精製ナトリウムベントナイト、 それを塩酸処理 したH型ベントナイト、 山形県月布産、 青森県黒石産ベントナイトを用 い、 プルトニウムの拡散係数を測定した。 結果として、 精製ナトリウム

158

(39)

ベントナイト、 月布産ベントナイト中のプルトニウムの拡散係数として 10・14m2/s以下、 H型ベン トナイト、 黒石産ベントナイトについて10-13--- 10・12m2/sという値を得た。

2)

H型ベントナイト中のプルトニウムの拡散係数は、 充填密度依存性を 示し、 密度増加とともに拡散係数は減少する。 また、 日型ベントナイト への石英砂、 赤鉄鉱の混合の効果は見られなかった。

3)精製ナトリウムベント ナイト、 H型ベントナイト中の空隙水の性状を 実験により推定した。 精製ナトリウムベントナイト中の空隙水のpHは8--- 9、 Eh (酸化還元電位)は約0.3V、 H型ベントナイト中の空隙水のpHは 約五Ehは0.6Vであった。 これらの値から、 プルトニウムの化学形を、

精製ナトリウムベントナイト中ではPU02+、 H型ベン トナイト中では PU(OH)3+と推定した。

4)プルトニウムが陽イオンであるにも 関わらず拡散が極め て小さい理由 として、 これらの空隙水の条件ではプルトニウムの溶解度が極めて小さ く表面拡散が有効に作用しないことが考えられる。

(3)コンクリート中の核種の移行に関する研究 (第4章)

1 )コンクリート中のセシウム、 ストロンチウム、 コバルトの拡散係数を 浸入実験によって測定した。 従来、 この方法で測定された濃度分布は 、 表面付近に急な勾配、 深い部分で緩やかな勾配を持ち、 単純な拡散モデ

ルでは解析できなかった。 多くの研究者は、 その分布を単純な拡散モデ ルで別々に解析し、 早い拡散係数と遅い拡散係数を得ていた。 本研究に おいては、 コンクリートの微細構造を、 電子顕微鏡(SEM)観察、 水銀圧入 法を用いた細孔径分布の測定によって検討し、 拡散経路として次の2つ を考慮した拡散モデルを作成した。 核種の拡散経路は、 SEMによって観 察されるセメントペースト部分の幅数μmの亀裂と、 測定された細孔径 分布から予想、されるコンクリートマトリックス 中の毛細管空隙の2つ が 考えられる。 この2つの拡散経路からなる拡散モデノレを作成し、 濃度分 布を説明することができた。 すなわち、 表面付近の急な濃度勾配は、 溶

液から直接コンクリートマトリックスの毛細管空隙に拡散するものの分

159

(40)

『唱咽,

布であり、 毛細管空隙中の拡散であるため遅い拡散である。 一方、 深い 部分の緩やかな 濃度分布は亀裂を介した早い拡散である。

2) 2種の 骨材と2種の混和材によるコンクリートへのセシウム、 ストロ ンチウム、 コバルトの収着係数の変化をバッチ法によって測定した。 セ

シウム以外の核種には大きな 収着係数の変化は 見られ なかった。 セシウ ムについて は、 砕砂を骨材としたコンクリートの収着係数が、 人造エメ リーを骨材とした ものより約l桁高かった。 これはセシウムがシリカと 反応し易いためであり、 シリカ分の少な いエメリーの収着係数が小さく なったものと考えられる。

3)収着係数が異なるコンクリートであるにも関わら ず、 コンクリートマ トリックス中の拡散係数は同じオ ーダーであった。 このことから、 マト リックス中の核種は吸着された状態で拡散する 、 いわゆる表面拡散をし ている可能性がある。 一方、 亀裂内の見かけの 拡散は吸着が大きい程小 さくなる傾向を示しており、 マトリックスへの拡散によって 遅延を受け ていることが分かった。

(4)花両岩中のウランの収着に関する研究 (第5章)

1 )地層処分の最終障壁である岩石(特に花両岩)中の核種の遅延に関わ るパラメータの測定を行った。 バッチ法によって測定した稲田産花筒岩 へのウランの吸着係数はpH6'"'-'7付近で極大値を持つ。 花両岩構成鉱 物へのウランの吸着係数は、 いずれ も、 pH6'"'-'7付近に 極大値を持ち、

これら鉱物へのウランの吸着のpH依存性は、 鉱物の種類よりもむしろ 溶液のpH依存性によって支配されていると考えられた。 鉱物の中で黒 雲母が最も吸着が大きく、 他の鉱物(長石、 石英)よりも約l桁大きな 吸着係数を持つ。 吸着係数の大きさは鉱物の比表面積と相関があると考 え られた。 また、 中性付近において、 ウランの吸着係数の炭酸濃度依存 性を調べた結果、 炭酸濃度の上昇と共にウランの吸着係数は低下した。

2)溶液中のウランの化学形を地球化学計算コードPhreeqeとOECD川EAの 熱力学データベースを用いて評価した。 支配的な 化学種は、 低pHでは ウラニルイオンやその水酸化錯体、 中性付近から高pHにかけては炭酸

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ウラニルの陰イオン錯体であった。 各鉱物へのウラン吸着係数のpH依 存性を最もよく説明できる 化学種は電気的に中性の水酸化ウラニルであ った。 また、 pH7付近で炭酸濃度を増加させたときの化学種の濃度 変 化の計算結果から、 ウランの吸着係数の炭酸濃度依存性は電気的に中性 の水酸化ウラニルと炭酸ウラニルの吸着によって説明できた。

3)

p H 7付近で吸着係数のウラン濃度依存性について試験した結果、 ウ ランの吸着係数は濃度の増加に伴い少しずつ低下した。 表面吸着化学種 が電気的に中性の錯体と考えられることから、 吸着量を多層吸着モデル (B E T型)で 最適化した。 稲田花商岩へのウランの吸着等温線はBE T型吸着等温式でよく表現でき、 吸着サイト数7X 10-7mol/g、 第l層と 第2層以上の吸着係数の比約8が得られた。

4)カラム法によって稲田花両岩粒へのウランの吸着係数を拡散係数を測 定した。 吸着係数のpH依存性は、 バッチ法で得られたものと同様であ った。 低pHにおいてもウランは吸着による遅延の効果を受ける。 低p Hにおける ウランの吸着はウランの陽イオン錯体の吸着によるものと考 えられる。 一方、 拡散係数についてはpH依存性は見られなかった。

5)カラム法によって稲田花両岩へのウランの吸着の温度依存性について 試験した。 吸着係数は温度の上昇 と共に増加する傾向がみられた。 温度 上昇による溶液中のウランの化学形の変化を地球化学計算コードPhreeqe とOECD/NEAの熱力学データベースを用いて評価した。 ウランの吸着係 数の温度依存性は、 低pHでは正電荷の水酸化錯体と 、 中性以上では電 気的に中性の水酸化錯体と相関してい た。

(4)花筒岩中への核種の拡散に関する研究 (第6章)

1 )稲田花両岩ブロックへのウラン及びFP核種であるセシウム、 ストロ ンチウム、 コバルトの浸入拡散試験を行った。 花両岩中のこれらの核種 の濃度分布は、 表面付近に急、な勾配、 深い部分で緩やかな勾配を持つ

電子顕微鏡観察および水銀圧入法による細孔径分布の 測定結果から、 花 両岩中の拡散経路を微細な亀裂と花商岩マトリックス中の毛細管空隙と 考え拡散モデルを作成した。 このモデルを用いて、 花商岩中の核種の拡

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散係数を得た。 亀裂部と花筒岩マトリックス中の拡散係数から、 各経路 の幾何学因子を算出し、 それらの経路が相似(フラクタル)な形状を し ている可能性を示した。

2)ウランの拡散試験においては、 αオートラジオグラフによるウランの 分布の測定を行い、 ウランが黒雲母に選択的に収着していることを見い だした。 黒雲母は、 それが初期表面に露出していなくてもウランを収着 しており、 このことから、 黒雲母が花商岩中で亀裂のネットワークによ り連結されていることを示した。

3)αオートラジオグラフにより花岡岩各中の各鉱物、 亀裂中のウラン濃 度分布を求め、 α線計数によって得た濃度分布が黒雲母と亀裂部の濃度 によって表されることを示した。 亀裂部分の濃度分布は、 上述の拡散モ デルから予測される分布と一致した。

本研究は第1章で述べたように、 地層処分障壁材中の核種の移行挙動の解 明を目指したものであった。 現象の理解は安全評価方法の信頼性を高めるも のである。 この観点から各章で得られた結果が安全評価方法の保守性に如何 に関連するかを総括する。

ベントナイト系緩衝材中では、 陽イオンは表面水中を比較的速く拡散でき 吸着による遅延を受けにくい。 一方、 陰イオンは静電的に排斥されるため拡 散経路が得られず、 遅い拡散となる。 したがって、 従来用いられてき た吸着 を含む多孔質媒体中の拡散モデルが保守的とは断定できない。 しかし、 プル トニウムのように溶解度の低い元素は陽イオンであっても表面拡散の寄与が 少なく、 吸着による遅延が期待できる。 したがって、 核種に応じて緩衝材中 でのイオン形態を推定し、 それに応じた拡散モデルを用いるべきである。 ま た、 処分後は鉄製オーバパックの腐食により還元環境となっていることが予 想されるので、 酸化還元に敏感な元素は還元反応に対する熱力学的データの 取得が望まれる。

コンクリート材中での核種の拡散は、 微細な亀裂と毛細管空隙を介した拡 散である。 毛細管空隙中では表面拡散が起きている可能性がある。 核種がコ ンクリートを透過することを考える場合、 微細亀裂を介して速く拡散するこ

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『司咽E

とが予想、されるので、 速い拡散係数を用いて安全評価を行う方が保守的であ る。 しかし、 同時に毛細管空隙へも比較的速く拡散するため、 コンクリート 全体を吸着媒体と考えることも可能である。

吸着係数は溶液中の特別な化学種の濃度と相関している。 特に、 ウランに ついては中性の水酸化錯体が大きく寄与している。 花両岩中では黒雲母が核 種移行に重要な役割を果たす。 花商岩中の核種の拡散経路は微細な亀裂と毛 細管空隙であり、 微細な亀裂が黒雲母を連結したものと考えることができる。

岩石内部へのマトリックス拡散を無視する評価は保守的であるが、 実際には 微細な亀裂を介し岩石内部へ拡散することによる遅延が期待できる。 このと き、 地下水の流れる亀裂表面付近にない黒雲母も微細亀裂の連結によって吸 着に寄与できるものと考えられる。

地下水の性状等は処分場サイトが決定されないと得られないため、 評価結 果の保守性を証明することは困難であるが、 現象を理解することにより評価 方法の保守性を示すことは可能である。 将来的には、 熱力学データを充実さ

せることにより如何なる条件においても評価が可能と考えられる。

以上の研究を通じて、 当初設定した本研究の研究目的に充分応えることが できた。

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