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ラジアルタービン用ベーンレススクロールの内部流 動と境界層解析

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

ラジアルタービン用ベーンレススクロールの内部流 動と境界層解析

原, 和雄

https://doi.org/10.11501/3105035

出版情報:Kyushu University, 1995, 博士(工学), 論文博士

(2)

第4章 スクロール境界層の測定とその特徴

本章では, ス クロールの側壁境界層を測定し, 各種積分パラメータの分布と, 限 界流線を描いた . スクロール境界層の挙動をまとめ れば次のようになる. 流入境界 層により導入さ れた低エネルギ流体は 半径方向圧力勾配によって 急速にノズルへ運 ばれ集中して流 出し, ノズル流れ場の周方向非一様性を形作る原因となる. 境界層 の主流方向速度プロフィルは, ねじ れが大きいに もかかわらずほぽ対数則に従う.

側壁境界層は流 路方向に薄くなり, 流入境界層が流出した 後はスクロール後半部で は平衡境界層の状態、になることが明 らかになった . 境界層の排除厚さによるプロッ ケージはも ともと小さい上に流路方向に減少する. これらの結果は, 前章で述べた,

二次流れの運動エネルギ と渦度の断面平均値がスクロール 入口部で急速に発達し,

やがて流路方向 に滅衰していたことと符合するものである. 以下に実験事実を示し てこれ らの事柄を説明する.

4. 1 境界層の測定法と積分パラメータの定義

Outer wall

境界層の測定は3章の図3. 4に示す子午面の 三次元流れ場の測定と同じ子午断面において行 っ た. 子 午断面内の代表的な測定点の配置を 図

4. 1に示す. 測定点は, 前後壁面に垂直に 配置 し, 壁か らO.2mmない し20mm までの領域を, そ の間隔が等比級数的に増加するように 分割して定 めたものである. 各測定点で壁面に 平行な速度成 分を計測し境界層の速度プロフィルを定めた. 測 定に用いた三孔ピトー管はO.3mmx O.5mm の細管

をつぶして偏平に したもので製作し, 壁に垂直方 5=5: 49deg

向の空間分解能を向上させており, その詳細を図 図4. 1 境界層測定の子午

4. 2に示す. 前壁 と後壁そ れぞれの測定におい 面内測定点配置

{円安旬ω記

(3)

」可 I

・コイ〉

ては三孔 ピトー管の首を壁側 0.1

にわず、かに曲げて変形させ,

その都度ピトー管の検定を行っ て使用した. 後部側壁は完全 な平面とは限らず, かつ前後 壁面問に平行度などの誤差が 考えられるため, 全ての測定

A&ri立大国

図4. 2 偏平三孔ピトー管

点のスクロー ル流路深さをデジタルノギスを用 いて測定し, 各流路深さ に応じて軸方向の測定 座標を設定することによ って後壁面近傍の空間 精度を確保した. トラパース装置の送りネジと,

ピトー管の測圧孔の相対位置の検定は工具顕微 鏡を用いて行った . b s/

の値と風洞の運転 条

件は3章の主 流の流れ場の測定に準じている.

ピトー管の測圧孔面積が小さく応答が遅いため に, 片方の壁面の合計2680点の速度測定に約 一週間の連続運転を要した. したがってbjb の4条件で正味8週間の運転時間が必要であ っ

図4. 3 局所直交流線座標系

た. この間のプレナム圧力はコンピュータによる比例積分制御で一定に保ったが,

大気圧の変化が測定結果に与える影響は無視している.

U

境界層の外縁の位置 は全圧 が 局所的 主流全庄の99.5%の点として定めた. 図 4. 3に示すように外縁における流れ方向とそれ に直角の方向からなる局所的流線 座標系を定めた . なお, 以下の議論では外縁における流れ方向に関しては “主流成 分" と呼び, 主流に直角方向を “横流成分" と呼ぶ. また流線座標系 における排除 厚さと運動量厚さの定義は, 圧縮性を無視して次式で定めた. 以下に干は主流速度,

uは境界層内の主流方向速度, wは横流方向速度成分であ る. またδ1とÔzは主流 方向と横流方向の排除厚さで, f) 11とf)22は主流方向と検流方向の運動量厚さである.

。1=(川

(否一例 ( 4.

1)

(4)

( 4 .

ð2 = (-1/刊�wdy

3 ) ( 4 .

。11= (1/ (2)/oU(q - u)dy

( 4 . 4 )

。22=(-1/ヂ)dw2dy

5)

スクロール側壁境界層のプロフィル

(4 .

。'21= (-1 / (2)I�uwdy

2 4.

4から これ は断面10のスクロ}ルの最外周部 , スクロール流路の中間,

ノズ、ル出口のそれぞれ前壁の速度分布である. 主流方向速度u/qと横流方向速度 (ßは主流石と局 測定した境界層の速度プロフィルの例を図4.

境界層の速度ブロフィル 図4. 6に示す.

w/亨および局所的ねじれ角ß=tan -l( w / u)がプロットしである.

所的速度ベクトル(u, w)との角度である. )最も左の測定点が 壁から0.2mmの 測定点であり, 右端のy/δ =1 は境界層の外縁を示す. スクロール流路の後半部で

は境界層が非常に薄く積 分パラメータを計算するのに壁面と0.2mmの間で、データが 不十分で、あることが分かる. 後に述べるように主流方向速度プロフィルは対数則に よってこの区間で指数則を用いて主流方向速度分布を内挿し, そ れを数値積 分して主流方向積分パラ メータを求めた. 次にuの内挿値を用いて壁面から0.2mm

までの横流方向速度w はMagerの 従う.

50

CC帆£υ£医師民

N=1.806,

ßw =3.889deg

8

I�鳴

、、、 曹

式に従うとして, 横流方向積分パ ラメータを計算した. 0 .2m m より

P

てt二司二三ご合えれ--.. _...

-w /"q_ 4 �てE-

y/。

刈4. 4 スクロール外壁付近の 境界層速度プロフィル

s=10, L=13, 前壁

2

b\WM

外側の領域では実験データをその まま数値積分した.

4はスクロール外周部の 図4 .

、....

I.._

こは 境 界 層 が 薄い ため に 図 6と比較してy=

境界層 速度プロフィルである.

図4 . 4. 5,

(5)

50

ar帆£パ}刊明広陵

σb ρ」'JU 4 2 90

β-5

一一-一一 12

.8 N九 O.2mmの測定点のy/δが相対的に

大きい.

スクロ}ルの外周部 では境界層の 横流成分と 限界流 線のねじれ角は

共に小さく, 境界層はあまり ねじ s=10, L=6, 前壁

5はスク ロールの中央部の速度プロフィル れていない. 次の図4.

スクロール中央部の 図4. 5

境界層速度フ。ロフィル 主 流 方 向 速度は yが

であ る .

O.2mmから急速に0 に近づくはずで

50

ap帆£ハ〕内情定限

その間の速度分布を知る ためにはさらに詳細な 測定が必要 あるが,

スクロール中央 .8

なことが 分かる.

I�司 .6

、、、

部はスク ロール外 周部に比較して

図 境 界 層 の ね じ れ は大き い .

6は同じ断面 のノズル出口の 4 .

境界層速度分布 で ある. 境界層の ねじれ角はむしろ流路中央部 より

もイ、さくなっており,

ル部における主流の加速のためと考えられるが, 境界層の基本構造は変わりがない.

6 こ れは ノズ 図4.

限界流線のねじれ角 Magerl19521の提案式を用い て, ねじれ境界層の速度分布 を検討した. Magerの式は壁面の限界流線のねじれ角ßwと指数nに通常は2を用い て横流方向速度ブロフィルを次のように表したものである.

w u v _

て=τ(1- /" r tan ß w

q q'

()' . w

測定したスクロールのねじれ境界層のデータをこの式にしたがって検討してみる.

指数nと 限界流線のねじれ角ßw の空間 でMagerの式を評価関数として用い, 最小自 乗法に よって残差が最小となるnとßwを求めた.

==0の位置に 限界流線のねじれ角ßwが記されている. その結果, 多くの測定点で境 6にはy/ð 4から凶4.

災14.

(6)

30 ISection 2

+ ==

10 30

4ト::::$

10 30 + ::::$

10

102 1

y.

図4. 7

Section 10

Y

Section 13

u+ = 2.5In y. + 5.5

44守ハU

V +

ハU

1ぴ lO-� ---a nu 〈J

境界層の主流方向速度プロフィル (bs/be=3.8前壁)

界層の局所的ねじれ角ß=tan-1(w/u)は最小二乗法で定め たßwに漸近し, y=

O.2mmで、の流れ方向はほぼ限界流線の方向を示すと思われる.

主流方向速度プロフィル 境界層プロフィルの対数プロットを行うために壁から の距離と主流方向速度成分を用いてClauser[ 19541プロットを行い表面摩擦係数を求 め, 普遍速度u.と普遍距離y+を定めた. 境界層の主流成分の速度プロフ ィルを前 壁上の6つの断 面に対して図4. 7に対数表示した. 各々の断面につ いて外壁から ノズルまでの各半径毎の測定値をそれぞれ異なった記号で記し, 各測定半径と記号 との対応、は表2に示した . 実線は通常の対数則である. 壁面からO.2mmの距離では 〆が大きい外層領域しか測定されていない. 断面2, 3, 5のスクロール入口領域に おいては, 横流成分が大きく二次流れが発達過程にあることと, 舌部ウェークと壁 面の干渉のためにデータにばらつきがある. しかしスクロール下流の方位角が大き い断面では対数 則の延長線上にデータがまとまり, 標準的な乱流境界層が形成され ていることが分かる.

境界層の極線図 境界層の主流側のねじれ状態を表わす境界層の極線図を図

(7)

.5 s= 2 S S 8

1<::‘ l\:l‘

々さぶE

“ー‘ 、、、

.0

10

I\:l-

言|ぞさきも人

‘h、、

.0

5 5= 5 5 5 = 1 3

合-

I�‘ l\:l司

、、、、

、、、 3と

.0

5 1 .0

u/(j u/互

図4 . 8 境界層の極線図(bs/be=3.8前壁)

4 . 8に不す . 境界層は断面2ではほ 表2測定半径とシンボルの対応

とんどねじれていな いが , 断面3以降 Section= 。122.72 117.6 3 76.8 5 77.3 8 77.2 10 77.1 13

2 白126.3 122.7 80.0 80.0 80.0 80.0

の流路では半径が小さくなるほどね 3 4 ð 。140.3133.3 129.7 136.7 88.0 91.0 部.092.0 88.0 92.0 88.0 92.0 5 玄147.3 143.7 96.0 96.0 96.0 96.0

じれ, w/与の値は大きくなる. 断面 6 7 X + 154.3 161.3 150.7 157.7 102.2 109.2 106.8 99.8 I(地599.5 107.3 i∞3 5ではある半径で極線図がループを描 8 9 Y凶8.3令175.3 171.7 164.7 116.2 123.2 113.8 120.8 113.5 120.5 114.3 121.3

10 ヌ182.3 178.7 130.2 127.8 127.5 125.6

きかっ通常と反対向きのねじれが見 11 12 K Xゆ2.8189.3 183.9 137.2 144.2 134.8 141.8 141.5 134.5

13 151.2 148.8 145.0

られるが, これ は境 界 層 と舌部 14 15 158.2 165.2 155.8 159.5

16 172.2

ウェークの干渉のためで ある. この 17 6 178.4

後断面8までは主流側のねじれは大 きい(口/(j=1における接線の傾きとw/qの値 が大きい)が, 断面13の極線図と比べれば分かるようにねじれは下流に向かつてわ ず、かに減少する. この現象は3章で述べた断面平均の二次流れ運動エネルギと二次 渦度の 下 流方向への減少に関連している. ねじれプロフィルがMagerの式(式

(8)

4. 5においてn = 2)に従えば, w/q・はu/q=0.5で極大値をとる. しかしなが ら図4. 8の極線図 の多くは, w/qの極大値が ulq=0.5よりも主流側にあり, 壁 面側より主流側のねじれが, より大きなプロフィルである.

一般にねじれプロフィルは 多くのパラメータと境界層の履歴に影響されるために すべてに一般的な関数関係はなく, その例を挙げる. NashとPa tel [ 1 9 71]はいくつか の流れ場で極線図を例示している. 平板境界層中の鈍頭柱前面の三次元剥離線(馬 蹄形渦の発生点付近)の前方においてはwl石はu1(j=0.2で極大値をとり, Magerの 式は適用できない. ところが剥離線の後方ではuIq=0.6付近に極大値を持つ. 曲が り開始後600 の曲がり管の側壁境界層では, u Iq =0.7,.___0.8に極大値を有する本研 究結果に最も良く似た例を示している.

4. 3 側壁境界層の積分パラメータの分布

ここでは主としてbsl九=3.8の前壁にお ける境界層諸特性値の等高線図を用いて スクロールの側壁境界層の性格を説明する.

主流速度 図4 . 9 (a)の境界層外縁の 主流速度の分布は 先細ダクトの終わりの断 面2からスクロール外壁と舌部とで構成された 曲がりダクト部 の断面3にかけて自由渦流れが 形成される様子と スクロール流路では全域 にわたってその分布がほぼ軸対称になる こと を示している. し かしなが らこれは特にスク ロール入口の断面5付近では完全な自由渦流 れではないことは3. 2. 1節に述べた. こ

bs/be= 3.8q

A=2;5m/?

のことは本図の断面3から5にかけてのスクロー 図4. 9 (a) 主流方向速度 ル外壁近傍の主流速度の等高線の歪みにも現れている.

主流方向の排除厚さ 図4. 9 (b)は主流方向の排除厚さの等高線図で, その

(9)

厚さは ス クロー ル入口領域で若干増加するが 半径内向き流 れ に よる境界層の吸い出し効果 により下流に向 かつてしだいに薄くなる . ま た舌部の下流におい ては 境界層とウェークの 干渉のた めに主 流の排除厚さが著し く厚い部 分が見られる.

横流方向 の排除厚さ 図4. 9 (c) は横 流方向の 排除厚さの 分布 で ある. この絶対値 が大きいほど境 界層を経由して横流方向(こ の場合ほぽ半径内向き方向に相当する)に流体 が運び去られることを示す. この排除厚さは,

半径方向圧力勾配が作用し始める入口の曲が り ダクトから, スクロール入口領域にか けて厚み を増し, 境界層流体が運び去られてしまうとそ れより下流のスクロール流路で 薄くなるのが観 察される. これらが図3. 3 6の二次流れの運 動エネルギの周方向への変化におけるSEおよ びvcのスクロール入口領域での増加とスクロー ル後半部分での減少に対応している. 舌部の下 流では横流方向の排除厚さがとりわけ厚く, こ の部分で 境界層を経由して半径内向き方向に排 除される流体が多いことを示している.

主流方向の運動量厚さ 図4. 9 (d)は主 流方向の運動量厚さの分布である. 舌部 ウェー クを除けば, 運動量厚さfJUは スクロール入口 部で最も 厚く下流側では薄くなる. これも境界 層の排除効果のためである. その結果スクロー ル側壁は運動量の大きな主流の流体に曝され,

bs/be=3.8 Ô

.一手

図4. 9 (b)

bs/be=3.8 ô2

.�

図4. 9 (c) 横流方向

排除厚さ

bs/be=3.8 811 6=. 2rnm .4

只14.

(10)

Qj

ABB-智』

3 1e 一一町 今必 hム 1り一一 f0 、hu ハり

令481 JリmρV41 ‘D、ハ:j4「

-Mム

(b) b/九=1.9, 前壁 (a) bslbe=3.8, 前壁 図4. 1 0 横流方向運動量厚さ

速度勾配が大きくなって, 損失が増加すると思われる. 類似の現象はターピン翼列 の端壁境界層でも見られる. ターピン翼列においては, 馬蹄形渦を引き金とした三 次元剥離現象と, 強い横流方向の圧力勾配の作用で流入境界層がはぎ取られ, その 下流に新たな境界層が発達するので高い損失の原因になる.

横流方向運動量厚さ 図4 . 10 (a), (b)は b s/ b e=3.8と1.9の横流方向 運動量厚さe 22の等高線図である. 曲がりダクト内部とそれに引き続くスクロール 入口領域において, 横流方向の運動量厚さは発達するが, この境界層は bSl b eが大 きいときには少なくとも断面9までにノズル部へ運ばれてしまう. 図4. 9 (d)

の舌部下流の主流方向運動量厚さの大きな領域の下流側で, 図4. 10 (a)の横 流方向の運動量 厚さの大きな領域が生成されていて, 横流方向の圧力勾配の下で二 つの運動量厚さの間の変換が行われている様子を示している. b sl b e=1.9では, 破 線で示した内壁半径の位置付近に急速な運動量厚さの発達が見られ この流動条件 の流れ場は複雑なことを示唆している.

(11)

l a­-a・

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­ ''νA QUっ、us-- --- au aMMH ''MH --­ ­

」子

A=ü.53

図4. 11 (b)ねじれパラメータ の等高線図

形状係数 図4. 11 (a)はδ/ () 11で定義される形状係数Hの分布である. 形 状係数は入口ダクトで最も大きく , スクロールの下流になるほど小さ な値を示す.

これは下流ほど境界層が薄く, 速度分布が “太って" おり 境界層は乱流的である 図4. 11 (a) 形状係数の等高線図

ことを示している.

ねじれパラメータ 図4. 1 1 (b)はA = - () 21/ () 11で定義される境界層の ね じれパラメータの分布である. この値は , 主流方向運動量欠損と横流方向に運ばれ る運動量の比で表わされており絶対値が大きいほど境界層がねじれていることを示 している. この値はスクロール入り口の先細ダクトの終り から, 曲がりダクトにか けて横流方向圧力勾配の形成につれて 発達する. スクロール入り口では三次元性の 強い分布であるが, スクロールの後半部においては半径が小さ いほどねじれパラメー タの 大きな分布となる.

スクロール流路のブロッケージ スクロール流路の境界層が発達すれば, 流路が 閉塞されてノズルの周方向の流れ分布に影響する恐れ がある. 現 にTab ak offら 119901はスクロールノズルに対してその危慎を述べている. ポンプなど減速流れの スクロールでは 流路が長ければ “十分に発達した" 境界層が現れると思われるが,

スクロールノズルの場合はそうではない. 本実験では両側壁の境界層分布が求まる

(12)

だけなので不十分ではあるが, 境界層がどの程度流路を閉塞し, スクロールの全体 流れ場に, どの ような影響を与えるかを見積ることとする. スクロール流路の, 側 壁境界層に基づくプロッケージファクタは次式で評価することができる.

B =f: - ;

n

ほん+机r)dr

r.

Z人(叫+ιXlr

(4. 7)

ここにUfとUrは境界層外縁における前壁と後壁の周 方向速度成分であり, rとん はスクロールの 外壁と内壁の半径である. 上式の分母は境界層を考慮しない場合の 断面流量に相当する. またδ8 fとδ8rはそれぞれ前壁と後壁の周方向の排除厚さ で 次式で与えられる.

。8 f,r= (\ cosα- O2 sinα ( 4. 8)

ここにαは主流の周方向から測った流れ角である. 図4. 1 2に式4. 7により求 めたプロッケー ジファクタの周方向分布を示している. 同図によれば, 加速流れ場 のためにプロッケージファクタの値

は小さく, スクロール流路の排除厚 さにもとづく流路面積の修正はほと んど必要ないことが分かる. スクロー ル入口領域のプロ ッケージファクタ の値は流入境界層の排除厚さの値に

/bp= φ1.5 1.9 ð 2.8の3.8

.02 - -

.015 CQ .01

.∞5

依存しているが, 断面8 (e =90度) 0

d

より下流では, 半径内向きの境界層

図4. 1 2 の輸送のためにその値は緩やかに滅

少する.

90 180 270 360

azimuth angle 8 (deg)

プロッケージファクターの分布

(13)

4. 4 側壁の限界流線

境界層の測定 により得られた速度プロフィルをMagerl19521のねじれ境界層の速 度プロフィルにあてはめて見ると, 前壁の最も壁に近い測定点 (壁からO.2mm)の 流れ角は, ほぽ限界流線の方向に一致していることは先に述べた. そこで, 境界層 の内層における低エネルギ流体の輸送方向を表わすために 壁に最も近い測定点の 流れ角を用いて, 図4.

13

(a), (

b

)にb

sl

be=1.9と3.8の前壁における近 似的な限界流線を描いた.

断面lの側壁を出発する流線は曲がりダクト部で次第に集まり その一部は舌部 負圧面上に移動する. 残りの流線は, 舌部下流でさらに集まって半径方向に向きを 変え, 断面6ま でにノズル部 に達している. しかしながら次節で示すように損失の 大きな流体はこれより遅れて次の断面7付近を中心として流 出している.

断面lの最も外径側を出発した流線の下流は, 新しく生成した境界層でお おわれ ると考えられる . ターピン翼列の端壁境界層においては, この新しく生まれた境界 層の限界流線の流れ角は流入境界層の限界流線の流れ角より大きく 馬蹄形渦の作 用も加わって端壁上の限界流線は包絡し次第に集積して流路渦を形成するが(摸式 図は図2.

3参照)

スクロール側壁境界層では集積現象は見 られない. スクロー ル下流部分の流線はノズル出口に等間隔に配置した点から遡らせて描いているので ある が, スクロー ル

流路のほぼ全域にわ たってほほ同じ形状

で均等に分布し , 下 6 流に生成した境界層 の軸対称性を良く表

しているといえる . また半径が小さくな るほど流線は半径内 側を 向き, 境界層の ねじれの進行を 表 し

( a) bslbe=1.9, 前壁 ( b) b s/ b

p =

3

. 8 , 前壁

苅4. 1 3 前壁の限界流線

(14)

ている.

ここに示していない他のb

/ ん

に対しても流線のパターンは非常に類似しており,

限界流線の方向はbsl

の大小によってそれほど変化しないことが推察される. 一 方, 主流領域の流れ方向は, bslbeが大きい条件では ノズルに流入する際に式 3. 4にしたがってノズルの平均流出角αeが大きく なるため, ノスル出口での境 界層のねじれ角は相対的に小さいことになる. これに対しbsl b eが小さな条件では,

原理的にαe が小さい上に二次流れにより 境界層内を輸送される流量の割合が増加 し, 次節で述べるように半径方向排除厚さが負になり主流に対 する有効な流路幅が 増加するので, 主流の流れ方向は, ほとんど周方向か, 場合によっては半径外向き

(逆流状態)となり, 境界層のねじれは大きくなる.

4. 5 ノズル部の境界層分布

ノズルの等全圧損失線図 図4. 1 4はbsl b e=3.8に対してノズル出口の円筒面 を平面に展開し て, 等全圧損失線を描いた もので, 本図の横軸はノズルの周方向角 度で原点は舌部端に取られている. 下辺がノズル前壁に相当し 損失の大きな位置 は断面7付近の約58度, 上辺がノズル後壁に相当し損失の大きな位置は断面10付近 の約148度に位置している. この図からも流入境界層が集中して流出する様子が伺 える.

ノズルの境界層厚さ ノズルにおける半径方向排除厚さは, 流線座標系の排除厚 さを用いて次式により求めた.

後壁

前壁

'

t

、ー-- - --I

-t80

,,,t

こ二、Sp

=0

azimu出angle () (deg)

360

図4. 1 4 ノズ、ルの等全圧損失分布

Aニ.5 540

(15)

。r = ð1 sinα+ ð2 COSα

ここにαは周方向から測った主流の流 れ角である. 図4. 1 5はノズルにお ける前壁と後壁の半径方向排除厚さの 分布である. 境界層内における半径内 向き速度は主流の値よりも大き いため に半径方向排除厚さ は負である. b 51 b e=3.8に対しては流入境界層の流出位 置を|δ !の増加する位置により推察 することが でき, 前壁に対 して はその 位置は図4. 13 (b)の流線の観察 結果と一致する. 流線図を示してい な いb/んに対し ても流入境界層に起因 する流線がB =45度付近から流出し始 めるのであるが, b 51 b e =1.5と1.9に対 してはノズル部分の境界層の発達その

もの が顕著であるために, 流入境界層 の流出状況を明確に観 察するこ と はで きない. b 51 b e =3.8の後壁に対しては その流出位置はB =150度と考えられる.

前壁と後壁の間の位相差はスクロール 断面形状の非対称性に起因している.

図4. 1 6は, 図4. 1 5に示した 前壁と後壁の境界層厚さの和である.

b sl b e =3.8では方位角60度と150度に 二つの極大値を持ち流入境界層の集中 流出を表している. 図4. 1 7は, ノ ズルの軸方向中 央部分(軸方向の中央

(4. 9)

bsl be二φ1.5白1.9 ð2.8 ø3.8

司3(EE)

4ο ら.

ウ&

1i

(割程)

-3 O

ヲ­

(EE)

(制緩)

CO

azimuth angle 8 (deg) 図4. 1 5 ノズルの半径方向

排除厚さの分布

bsl be=φ1.5巴1.9 ð2.8の3.8

3

今ん(戸Cε)

cl>

t.ô

-3

tIQ

0 0 90 180 270 360

azimuth angle 8 (deg)

刈4. 1 6 ノズ、ルの周方向排除厚さと 半径方向排除厚さの分布

(16)

b s I b e φ2.8 四 3.8

II\_)" 1

‘、、

u h

(心\ば)\♂

.8 . 8

.6

0 . 5

180 270 360 azymuth angle 8 (deg)

90 180 270 360

図4. 1 7 ノズルの中央部における周方向速度と半径方向速度

三点の代数平均を用いた. )の半径方向速度と周方向速度の 周方向分布を示した ものである. 周方向速度は, 境界層分布に無関係にほぼ一定の分布を示しているが,

半径方向速度は 方位角60度と150度に対応する二つの極小値を持ち, 図4 . 16の 境界層分布の二つの極大値と 対応関係があ る. この部分では境界層が厚く境界層を 経由しての流出量が増え, 流路中央部での流量が減少したことを示し ている. 主流 に粘性の影響がおよばない, 境界層がそれ ほど発達しない流動条件で は子午面内で の流量の局所的再配分を見ることができる.

4. 6 むすび

スクロール境 界層の詳細な測定を行い, 境界層 速度分布, 限界流線の流線図, 境 界層積分パラメータの等高線 図, ノズル部 の全圧損失の等高線図を描いた. その結 果, スクロール 境界層は非常にねじれていること, スクロール入口から流路の三分 のーまでの聞に , 流入境界層はそのほとんどがノズルに運び去られる こと, が明ら かになった. こ れは第3章で, 二次流れの運動エネルギがスクロール 入り口部で発 達し, やがて流路方向に減衰していたことに対応している.

全圧損失, 周方向速度, 流出角の周方向分布は, スクロール流路の境界層の挙動 によって強く影響され, ノズル出口の流れ場は周方向に非一様となる ことが分かつ た

75

(17)

境界層の周方 向の排除厚さによるブロッケージはもともと小さく 流入境界層が ノズルから流出するに伴い, 流路方向に減少する.

76

(18)

第5章 局所軸対称ねじれ境界層解析による 二次流れ解析

3 . 2 . 3節で述べたようにノズルの流出角は一次元理論によって概略予測でき

る. 一方全圧損失はノズル出口で周方向に平均化した半径内向き速度εの流路幅に わたる分布と密接な関係がある. すなわち二次流れの影響でノズル出 口における流 出角が小さくなり, 流路中央で逆流が生じると全圧損失が急激に大きくな る. した

がって, ノズ ル出口にお ける半径内向き速度εの分布が予測できれば, ノズルの作 動状態の良否が判定でき, 流出角の作動限界を求めることが可能になる. 本章では,

設計ツールとし て簡便にノズル出口の速度分布および流出角分布を求める方法とし て局所軸対称理論に基づく乱流境界層解析について記述した.

5 . 1 軸対称境界層方程式

図5 .

lに示す座標系において, 軸

対称のねじれ 境界層に対する主流方向 ( s方向)と横流方向(n方向)の運 動量積分方 程式 およびエントレイン

メント方程式はDa v is 1197 61によれば,

子午線mに沿った常微分方程式として,

それぞれ次式で示さ れる.

LIMITING STREAMLINE DIRECTION

\\

図5.

子午線と曲線座標系

手[ln(丙2r8s) ] =計与-0ふ(ln否)+《i ( 5 .

77

m

(19)

会[ln(河川]=討与一41

( 5. 2)

手[仰

( 5. 3)

ここにm'土子午線に沿った距離, pは密度, qは主流の速度, rは半径, C f sは主流 方向の, Cfnは横流方向の壁面摩擦係数, Fはエントレインメント関数である. 上式 中の積分パラメータは主流と子午面との成す角y (=π/2-α)を用いて子午面座標系 において定義される.

8s

= 811 cosy -812 sin y

(5. 4 a)

8n =

821 cosy -822 sin y

(5. 4 b)

ðm =

ðcosy

+

Ô2 siny

(5. 4 c)

。m

=

ô1 cosy - ô2 siny

(5. 4 d)

8"" d / 、 8同‘d

�=一一(rcosy ) ram

+

..:Æ..ァ(rsiny ) ram

(5. 4 e)

8", d / ,, 8 +Ô , d

�=.2Lァ(rcosy) ram

+ '-'11 '

r am '"'1 ァ(rsiny)

( 5. 4 f)

上式においてるl' Ô2, () 11' () 12' () 21' () 22' δは流線座標系における積分パラメー タであり, 次式で定義される.

。1=ぷ(丙ー仰

(5. 5 a)

。2 = ームピpwd pq

.JU

y

(5. 5 b)

VJ JU 、.、BE,ノ u

fh eo u o' 〆,aE‘、、 一oa -q,L 1一 一 q一 一 or 一一 ηり

( 5. 5 c )

78

(20)

。12= 詰 pw(石一助

。引 - - = -τ pq LTi

J

f

V

puwdy

。η= - 去δ pw2dy

pq

J V

企 =-Jごどp叫 pq

JV

( 5. 5 d) (5. 5 e) ( 5. 5 f ) ( 5. 5 g)

ここに5は主流の流 速, uおよびwは境界層内におけるs方向およびn方向の速度 成分, yは壁面からの距離, δは境界層厚さ, ーを付した量は境界層外縁の値であ ることを示す.

5. 2 経験則と解法

経験則 未知数を三個に減ずるために境界層の経験則を導入する. 主流方向の境 界層速度分布としてMoses [1964Jのモデルを, 横流方向の速度分布としてMager

[1952Jのモデルを用いる.

u . /"'f . Y /"'f r. '"' / Y "

2

'" / Y ,,3

ー=

q 1 + C1ln1 {J +C2[1 - 3(一r +2(一Y'J�L '{J' '{J

さ =さ(1-Z)2 unpw

q q' {J' . W

、F 万- 1 ...

\,_ \,_ V'-

C1

= 1.768

ι

C2 = C1[ln(C1否。/γ)

+ 1.123η-1

ただしßwは限界流線と主流の成す角, νは動粘性係数である.

79

( 5. 6) ( 5. 7)

( 5. 8)

(21)

主流方向の摩擦係数はLudwieg-Tillmannの式に圧縮性の補正を加えた式を用い る.

( 5 .

Cfs = O.246(丙811/μ*rQ268(T /T*) x 10-o.678H

ただしH (=δ1/ () 11)は形状係数, fは主流の静温度, μ・は?に対応した粘性係数,

?は回復温度 でT.IT=1.0+0.13Me2で定められる. 横流方向の摩擦係数は次式で定 める.

ハU 、1,J 11よ

( 5 . tanßw=Cfs/Cか

エントレインメント関数はヘッドの関係を用いる.

、、,E'' 11ム 11i

( 5 .

F

=

O.0306[S _3.0rO.65J

ここにSは5=(δ-δ1)1() 11で、与えられる形状係数 で、Shanebrook[19731が次の関係 式を与えている.

( 5 .

S

=

1.53S._H

-

O.7r2.72 +3.3

ßw =100 m=O

旬むcgdばMhN"hp

ム=100

m=Q y 3

ðmを未知量とする連立常微分方程 lから式 5 . これらの関係を用いれば式 5 .

は()S' ()n'

式になる .

53

。 " hp

2に示すスクロール の外壁から, それ ぞれ子午断面の前後壁面に沿ってノズル出口ま で数値的に積分する . スクロール外壁における 未知量の初期値は,

流れると仮定して求めた, 外壁上の二次元乱流 自由渦流 れが外壁に沿って 図 5 .

X

図 5 . 2 子午断面と境界層 計算の初期条件

さらに適当に仮定 境界層に対する()11およびH,

したß w (ここではßw=10度とした ) を与えて 速度分布から計算した . 主流として,

80

なお,

(22)

3. 4. 1節の “局所軸対称基準流れの設定" に述べた軸対称流れを用いる.

排除厚さの修正 境界層の 半径 方向 の排 除厚 さは式4. 9または, 本節では式

5. 4 dで定 められ, スクロ ールの境界層においては負であって, 単位厚さあたり の半径方向流量 の平均値が主 流より も境界層の中で大きく, スクロールの境界層が 吸い込みの効果 を持つことを示している. この効果を考慮するために, 境界層計算 の結果を用いて主流を再計算する. すなわち次の式によって境界条件である前後側 壁上の流れ関数値を修正する.

企ψ= -:!::2J'Crqom (5. 13)

ただし前後壁面 の何れであるかによって複号の正負に注意しなければならない. 本 計算例の場合, 壁面境界層は 負の排除効果(半径内向き流量の増加)を持つため,

流れ関数の修正 量は一般に, 後壁側で正, 前壁側で負の 値をとる. 各断面ごとに主 流計算と境界層計算を収束するまでく り返す.

5. 3 計算例

本計算法を舌部角度30度, 内壁直径160mmのスクロールに適用した. スクロール の平面図と計算断面の配置は内壁直径を除 いて図3. 4に等しい. 計算と実験の比 較はノズル出口の流れ場(半径74mm)で半径方向速度, 絶対速 度, 入口 の自由渦 系数を基準とし た無次元角運動量, および流れ角について行った. 実 験値は3章に 記述した方法で5孔ピトー管によって測定したものである.

bs/be=3.8断面6のノズル出口流れ場 図5. 3に断面6(()=34度)の 計算値 と実験値との比較を示している. この断面は図3. 1 5の全庄損失係数の周方向分 布から分かるよ うに損失の小さな断面であ り, 4章で説明したように, 前壁の流入 境界層の低エネルギ流体が, ノズルへ到達する直前の断面である. また図3. 3 6

(

b )の二次流 れの運動エネルギの断面平 均値 もまだ小さいことから も分かるよう に, 粘性作用の 小さな子午面流れ場である. この断面では図5. 3 (a)の半径方

81

(23)

0.-

子千円。:口ヤ

ω.

nu --白U::zg:=nu一aAU・:・:・・:

、 , ,

aL

l LU

一4//

: f

rt-::--nu=.4 ••

3---.. nu -22 -nu --llLo o.。円

?ー万---;v-o;

01; i

一一一一・・2

.0-0.oh 0.0唱

Cコd u、

0・0守

o/, i U j

oniii

一一一「 w

1 1 : : I I Ol-ri一一-「丁一寸

I.Jーー」_1.-ーー一一-l.__

'-'11 I σ111 1-」ー1 : 1 寸一-I

� �-L-H寸 ­

。 0.0 0.2 O. <4 0.6 0.8 1.0

z/be

Cコ a.0

( c )子午面から測った流れ角( d )絶対速度 断面6 )

。t=300 局所軸対称境界層解析結果(b�/b..=3.8,

( b

)角運動量

3 ( a )半径方向速度

ヌ15.

o

"'0.0 0.2 0.<4 0.6 0.8 1.0

z/be

�_ O' 0 �..o

0 . 0

o

凶.門

II�よ。

~、,...,U

ω.

0.0

�I

内0.0 0.2 0.<4 0.6 0.8 1.0

zlb e

0.oh 1h 0.o' o

由.0h.0可.0凶.OM三uh

( c )子午面から測った流れ角 ( d )絶対速度

( b

)角運動量

断面 1

0)

。t=30 局所軸対称境界層解析結果(bslbe=3.8,

図5. 4

の流れ角の分布は良い予 ( c )

向速度と図5. 3

周方向速度も全圧損失の 小さな断面であるために予測結果は良好といえる.

測結果が得られている.

bs/be= 3.8断面10のノズル出口流れ場 断面10 の計算と実験の比較を図5. 4に示 ( eニ150度)

1 5の全圧損失係 数の周方向分布から分かるように損失の大きな断

図3 . この断面は,

している.

1 4で説明したよ 82

これも4章の図4.

面であり,

(24)

うに, 後壁側(z/ b e =0の近傍)の流入境界層が集中して流出する 断面である. 図 ( a)の半径方向速度分布の実験値は, 計算値に比較して後壁側で半径内向 き速度が大きく流路中央部の速度が小さい. 図5. 4 (b)の周方向速度も 後壁側 5. 4

で大きな速度欠損を示している. この断面は全圧損失が大きく主流にも損失が観測 されるために絶対速度の予測も悪い.

bs/be=1.4断面8のノズル出口流れ場 面8の計算例を示す. これは3. 2 .

図5. 5にbs/be=1.4, 舌部角度00 , 断 3節でノズル性能について述べたように, 流 路中央で逆流が生じる流動条件である. 図5. 5 ( a ) の半径方向速度分布におい ては流路中央部で大きな誤差を生じた. すなわち実験結果は中央部で逆流している が, 計算 結果は逆流まで至らず半径 方向 流速がほぼOとなっている. 図5. 5

( b

)の周方向速度分布でも特に流路中央部で大きな誤差を生じ, 計算結果は主流 部が残されているのに対し, 実験値の分布は流路

全体に損失を示している. 流路中央部の予測が不 正確なのは, この流動条件では, スクロール流路 においても逆流が生じ, 全体的に損失の大きな流 れ場であるのに, 境界層計算では, 主流における 損失の生成を見積ることができないからである.

ーi i i i l

01 1

日HU ;コロ

-ー i; 可

。|一五下寸門下寸

∞1 / : 1 : 10

ヌJ5 . 5

6 十十斗一一i-斗-→-0

h ミー円11 よーしよJ.

_ 01 1-一 1- - I I

11 ! ! ! !

<..J 唱11 i i i i

弘、 ci�一寸一ート一寸一寸一-

�I一寸--i-十寸

00_0 0_2 0.4 0.6 0.8 1.0

z/be (b)角運動車

E一・『一ー一一一?一一ー一一一一一?一、一一旬 、__ "-11-一一一 一一ーマ

(c)子午面から測った流れ角(d)絶対速度の分布 局所軸対称境界層解析結果(bs/be=l.4, 8t=00 , 断面8)

83

(25)

5. 4 むすび

流入境界層の影響を受けない領域であれば 局所軸対称ポテンシャル流れと局所 軸対称境界層解析を組み合わせ, 境界層の排除効果を考慮することによって, ノズ ル出口における概略の速度分布 流出角分布が予測できる. ノズ、ルの平均流出角が 小さな条件では, 流路中央部での逆流発生の有無を予測することで ノズルの損失 が妥当な範囲に収まるかどうかを予見することができる.

84

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