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地域住民の互助を創発する地域情報化に関する研究

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

地域住民の互助を創発する地域情報化に関する研究

佐藤, 忠文

http://hdl.handle.net/2324/1937185

出版情報:九州大学, 2018, 博士(芸術工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

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(様式6-2)

氏 名 佐藤 忠文

論 文 名 地域住民の互助を創発する地域情報化に関する研究

論文調査委員 主 査 九州大学 教授 藤原 惠洋 副 査 九州大学 准教授 藤田 直子 副 査 九州大学 准教授 牛尼 剛聡

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

本論文は、現代日本社会における地域再生ならびに地域創生事業を進めるうえで重要な地域 固有の情報の顕在化と共有化に着目し、地域情報化の役割をまちづくりの現場から問い直す中、

各地の優れた地域情報化の手段と方法を比較分析し、地域固有かつ普遍的な情報の意義と効果 を考察、そこから今後の創造的かつ主体的な地域住民の互助を創発する地域情報化のあり方と 方法を明らかにしたものである。

全体は、序章、6章構成の本論、終章からなる。そのうち本論は、第1章 地域情報化の展 開と互助、第2章 文化資源まちづくりにおける地域情報化の役割〜菊池文化資源総合調査研 究とその発展過程への参与調査を通して〜、第3章 住民との対話と交流による地域プラット フォームの構築と評価〜「菊池まちづくり道場」の実践を通して〜、第4章 文化資源情報の アーカイブに関する考察〜地域デジタルアーカイブに着目して〜、第5章 文化資源情報の再 利用に関する考察〜オープンデーターとオープンリソースに着目して〜、第6章 住民の互助 を創発する地域情報化の方法、から構成されている。

序章では日本社会が少子高齢化により地域の疲弊が余儀なくされる中、地域情報化による地 域再生のあり方が問われ直さざるを得ない背景と本研究の目的、方法を明記した。

第1章は旧来の地域情報化の展開を概観する中、地域情報化とまちづくりの関係は活動現場 から帰納的に検討する必要があることを明らかにした。第2章は調査地として人口5万の熊本 県菊池市を対象とし、先駆的かつ試行的な文化資源まちづくりへの参与観察を通し、地域住民 の互助が生み出された過程における地域情報化の役割を考察・評価した。第3章では菊池市の 文化資源まちづくりにおいて、住民の互助の創出に寄与した対話型交流会「菊池まちづくり道 場」への参与観察及び参加者アンケートをもとに分析・評価を行い、特徴と課題を明らかにし た。その結果、菊池まちづくり道場は対話の中から導き出される住民の知恵や経験といった文 化資源情報を用いた地域プラットフォームであることを明らかにし、そこでの方法を「ダイア ログ・プラットフォーム」と定義付けた。第4章では地域プラットフォームの課題である文化 資源情報アーカイブを考察する中、地域デジタルアーカイブの取り組みを地域振興型と住民参 加型の二つに大別し比較分析することで特徴と課題を明らかにした。第5章は文化資源情報の 再利用策としてオープンデータ及びオープンリソースに注目、オープンデータの境界問題に着 目しながら自治体による文化資源情報の再利用をオープンリソースとして定義付けた。その際、

再利用には住民との交流の視点が必要かつ重要であることも明らかにした。第6章は地域情報 化のあり方を再考し、今後の方法について検討した結果、スペース・メディアの再評価、アー

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カイブと再利用を促すコミュニケーション、住民が語る知恵や経験に対する文化政策的位置付 けが必要であることを導いた。その上で、住民の互助を創発する地域情報化の方法について検 討し提案した。

この間、発表者は2007年より熊本県菊池市へ移住を遂げ日夜参与調査の機会を増大する 中、数多くの活動プログラムの実践と客観的評価を進めながら地域情報化のあり方を再考、地 域住民の対話と交流を促しながら互助を創発する地域プラットフォームとしてのスペース・メ ディアが有用であることとを明らかにしている。これらの実証的論考の成果は、地域再生を先 導する地域情報化のあり方に対し重要な知見を提供すると同時に普遍的な学術成果として一 般化しうるものである。

以上より審査委員会では、本論文は、地域社会での実証活動を踏まえた知見を基に地域情報 化に関する論考を進めていった優れた研究成果であることを高く評価し、博士(芸術工学)の 学位に十分値するものと評価し合格と認める。

参照

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