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農産物の貯蔵・加工に係わる諸物性に関する研究

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

農産物の貯蔵・加工に係わる諸物性に関する研究

中野, 浩平

九州大学農学研究科農業工学専攻

https://doi.org/10.11501/3135073

出版情報:Kyushu University, 1997, 博士(農学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)
(3)

a

農産物の貯蔵・加工に係わる 諸物性に関する研究

中野浩平

1998

(4)

第1章序 論 1

1.1 研究の背景 1

1.2 構成と概要 2

第2章赤外線ガス分析計による籾 ・ 小麦の呼吸特性の測定 6

2.1 緒 言 6

2.2 測定方法 7

2.3 結果および考察 12

2.3.1呼吸速度と化学反応式 14

2.3.2呼吸速度と穀温の関係、 16

2.3.3呼吸速度と含水率の関係 24

2.3.4呼吸速度の実験式 29

2.4 摘 要 33

第3章動的ガス環境下におけるキュウリ果実の呼吸特性 34

3.1 緒 言 34

3.2 測定方法 35

3.2.1供試材料 35

3.2.2パウチ法による呼吸速度測定法 36

3.3 結果および考察 44

3.3.1呼吸速度とガス濃度の経時変化 44

3.3.2呼吸商の経時変化 52

3.4 摘 要 54

第4章籾のマイクロ波乾燥に関する基礎的研究 55

4.1 緒 言 55

4.2 測定方法 57

4.3 マイクロ波乾燥理論 61

(5)

4.3.1マイクロ波加熱の原理 4.3.2籾の乾燥モデル

4.3.3マイクロ波加熱方程式 4.4 結果および考察

4.5 摘 要

第5章液体窒素による大豆の急速凍結 5.1 緒 言

5.2 測定方法

5.3 結果および考察

1i 円i

ハU

つリ ワ臼 っけ qu d笠 公U

6 6 7 7 8 8 8 8

8

5.3.1粒子温度と表面沸騰状態 88

5.3.2凍結率と粒子温度の関係 97

5.3.3沸騰熱伝達式 102

5.3.4粒子冷却 ・ 凍結の方程式 104

5.3.5核沸騰時の熱伝達率と凍結シミュレーション 106

5.4 摘 要 110

第6章総 括 111

謝 辞 114

Summary 115

文 献 118

(6)

第1章 序 論

1 .1 研究の背景

人類の生命を支える食料と環境への配慮は年々重要性を増すもの と予測されている。 世界人口は1950年に25億人, 1994年に56億人,

2050年には100億人に達すると予測され, 爆発ともいえる人口増に よる食料危機への対策は必須と言われる。 一方で, 地球環境と人類 の共生は21世紀の人類の英知を集めるべき課題と指摘されている。

これまで自然開発による物質的豊かさへの希求に対し, 今, 精神の 豊かさ, 生命を取り巻く環境の豊かさへの追求が, 21世紀を生き 抜く人類に課せられた命題である。 逼迫基調にある食料需給の緩和 には, 人口問題と共に食料生産の増加を環境と共生しつつ図ること が必須である。

我が国の食生活は1.724万ha 分の耕地で産出される食料に 支え られている。 現在, 国内耕地はすでに521万ha に減少したのに対 し, 我が国で消費している食料生産に必要な海外での作付面積は国 内の2.3倍の1.203万ha に達する状況にある。 世界の食料偏在を助

長し続ける我が国に求められることは, 環境と共生する食料の生産 流通の理論と技術の開発を進めつつ, 偏在解消への需給方策を講ず ることである1,2,3)。

とりわけ, 食料の安定供給は全てに先行して確保されるべき課題 であり, これを実現するためには生産のみならず, 収穫後の諸操作,

すなわち, 貯蔵, 加工および流通の合理化が必須である。 しかも,

低コストで食料の品質を損なうことの少ない方式が求められており,

-1-

(7)

従来, 最適システムに向けた技術と仕組みに関する研究が行われて きた29,40,70,99)。 発展途上国においては, 栄養源としての基本的品質 をもっ食料を, 一方, 先進国においては基本的品質にとどまらない 良食味など満足を得る付加価値の高い品質を持つ食料が求められて おり, これを実現するには生産方式の向上のみならず, 収穫後消費 に至る流通過程における品質劣化を適切に防止する技術が重要であ る4,5,6)。 この技術として古来より, 最も有効な方法が乾燥であり,

近年では温度管理とガス環境管理による品質保持が注目されている。

また, これからの技術向上には地球環境と調和した方式も重要視さ れており, 低コスト, 省エネルギー, リサイクルに配慮、した検討も

必要であると言われている7,8)。

農産物の代謝生理は品質劣化に大きな要因を与えるものであり,

本研究ではこれを呼吸現象の面から環境との関わりを明らかにする とともに, 生物機能が極限まで抑制される乾燥, 凍結に関し, 効率 的乾燥方式となり得るマイクロ波乾燥と液体窒素による急速凍結を 取りあげて実験研究を進めてきた。 これらの研究は収穫後消費に至 るまでの農産物の合理的貯蔵および加工技術に重要な農産物の諸物

性を明らかにして, 必要なシミュレーションモデルを提案したもの であり, これからの食料の安定供給に寄与するものと考える。

1.2 構成と概要

従来から, 穀物の貯留 ・ 貯蔵に関する研究は多方面から行われ,

品質保持のための種々の方策が検討されてきた9,10,11)。 特に, 我が 国で生産される米麦は, 比較的水分が多く, その上, 梅雨期から夏

(8)

季にかけて非常に高温多湿となり, 貯蔵上最悪の条件となる。 貯蔵 時の穀物の品質劣化を防止するためには, 呼吸作用による自己消耗 を抑制し, 生物体としての活性を保持することが必要である。 した がって, その呼吸特性は最適な貯蔵条件を考察するための重要な因

子となる28,29,31)。

そこで, 第2章では, 赤外線ガス分析計により籾 ・ 小麦の呼吸特 性をとらえ, 呼吸速度を温度と含水率の関数として記述する実験式 を提案した12,13,14)。

次に第3章では, 長期貯蔵環境とは異なり環境が一定であること が少ない流通過程15,47)に主眼をおき, 環境変化に敏感な反応を示す 青果物を対象に, 動的ガス環境下における呼吸特性の測定を行った 160 これまでに高鮮度実現のために行われてきた研 究の多くは温 度・ ガス組成が安定した定常状態を前提としたものであった17,18,33)。

しかし, 実際流通の中で青果物が遭遇する非定常的環境をこれまで の研究に則して安定環境に整備するのは困難で, 従って, 非定常的 環境に対しても実現可能な鮮度管理技術の構築が必要であると考え られる。 鮮度管理を考える上で重要なことは, 環境に対する代謝生 理の反応であるが, 呼吸の動向は内容成分の変化に先駆的であり,

環境変化に対する生理反応を知る上で極めて有効な指標となる。 青 果物は品目, 品種によりその性質を異にするが, 本研究では我が国 での生産量も比較的多く19), 低温感受性作物のーっとして分類され るキュウリ果実を対象 に, 動的環境下での呼吸速度測定に有効なノミ ウチ法により呼吸速度の測定を行い, ガス環境変化が呼吸特性に及

ぼす影響を検討した。

ところで, 収穫後農産物の呼吸を抑制し, 生体としての活性を維

(9)

持することが品質保持のために重要であることは先にも述べた通り であるが, 呼吸を抑制し, また微生物汚染の危険を回避するのに有

効な手段のーっとして乾燥操作が挙げられ, 特に穀類においては,

貯蔵の前処理として行われている。 現在, 籾乾燥に関しては熱風通 風乾燥法が広く普及し, 各種規模の籾乾燥機および乾燥施設が利用 されている。 一方で省エネルギー, 高品質化の観点から, 籾のより 効率的な乾燥法, 低コストおよび高品質乾燥技術の進展が望まれて いる。 熱風通風乾燥法に代表される外部加熱方式とは異なり, マイ クロ波加熱は内部加熱方式であるため, 穀粒内の温度勾配, 水分勾 配が大きくなりにくく, より高速, 高品質な乾燥が可能になるもの と考えられる。 マイクロ波加熱を籾乾燥に適用するための研究は数 例なされているが69jO), これを理論的に解析した例は少ない。 そこ で第4章では, マイクロ波による籾の乾燥実験を行いその乾燥特性 を検討し, マイクロ波乾燥シミュレーションモデルを構築した。 ま た, マイクロ波加熱が品質に与える影響を検討するため, 発芽率と 脂肪酸度の測定を行つた20,2刈1υ)

次に第5章でで、は, 農産物加工技術として広く用いられている凍結 粉砕等の前処理として, 従来研究の進められてきた低温室素ガスに よる農産物の凍結の代りに893031), 液体窒素の蒸発時冷熱と伝熱効 率の高い沸騰熱伝達を直接利用した Hydro -freezingを行う方法に ついて基礎実験と理論的解析を行った。 測定には脂質が多く凍結粉 砕による粉末化が行われている大豆を供試材料として用いて, 液体 窒素による直接凍結中の温度変化の測定と表面沸騰状態の写真撮影 を行い, 大豆の凍結シミュレーションに必要な沸騰熱伝達率を推算 した2223)。

-4-

(10)

最後に第6章では, 以上の研究から得られた成果をまとめ, 総括 とした。

-5-

(11)

第2章 赤外線ガス分析計による籾 ・ 小麦の呼吸特性の測定

2.1 緒 日

小麦の収穫は日本ではちょうど梅雨の時期と重なることもあって,

収穫時の含水率は他の穀物と比べると一般に高くなる。 このため,

共同乾燥施設へ運ばれる小麦は, 荷受けの待機中に温暖で比較的高 い温度と高含水率状態になることにより, 活発な呼吸活動を行い,

いわゆる呼吸熱を発生させて自身の温度を高め, 時に腐敗に至るこ ともある。 一方, 籾の場合は, 収穫期こそ比較的湿度の低い10月 であるが, その収穫量は1994年現在, 1,196万トンで, 小麦の約21

倍であり24), 乾燥施設において, 容量を越えた籾は水分の高いまま で貯留され, 長期貯留中の呼吸熱, あるいは穀物空隙間の酸素濃度

減少に伴う品質劣化が十分に考えられる。

呼吸熱を知ることは小麦や籾の貯留あるいは貯蔵する際の穀層内 の蓄熱状況を推定し, ひいては品質劣化を抑制する方法を見いだす ことになる。 しかしながら, 穀物の呼吸熱の直接測定では, 穀物の 含水率が呼吸とともに変化する上, 呼吸のために常に大気に触れて いなければならない。 しかるに通気による呼吸熱の直接測定は, 測 定に比較的長時間を要し, その問, 含水率の変化を伴うため, 特定 の含水率での呼吸熱測定というものは現在でも非常に困難であるお)。

したがって, ここでは間接的方法ながら, 穀物の呼吸速度を高精度 の赤外線ガス分析計で精密に瞬間値として測定し, 呼吸熱推定のた めの基礎資料とした。 この結果は, 直接的には貯蔵中の穀物間隙中 の酸素濃度低下による層中の穀物の呼吸障害を知る基礎ともなる。

-6-

(12)

2.2 測定方法

測定に用いた小麦と籾の品種, 収穫日, 収穫地を表2・1に示した。

穀物は収穫後, 直射日光を避けて室内に広げ, 15%,w.b.程度まで 乾燥させた後, 庫内温度5 ocにセットした貯蔵庫に入れて, 実験開 始までの品質保持を行った。

図2・1は呼吸速度測定装置の概略である。 本研究における呼吸速 度の測定は, 供試穀物が充填された密閉貯蔵容器内を通過する前後 のガス中に含まれる CO2濃度差を呼吸速度に換算する, いわゆる 通気式により行った。 CO2濃度差の測定は,CO2濃度差測定装置(島 津製作所製IRA・102)を用いたが, 本装置は基準セルと測定セル を持ち, 両セルを通過するサンプルガスの赤外線吸収量の差をCO2 濃度差として検出するものである。 実験では, 基準セルには密閉貯 蔵容器内を通過する以前のガスを, 測定セルには, 密閉貯蔵容器内 にて穀物の呼吸によるガス交換がなされた後のガスを通気し, CO2 濃度差の測定を行った。 なお, 密閉貯蔵容器内に送る空気は, 2

台の小型ポンプによりCO2濃度変動の少ない実験室外から導入し,

ソーダライム層を通過させ CO2を吸着させた後, 濃度差測定装置 の基準セルへと圧送した。 その後, インキュベータ内に設置した熱 交換器により実験温度と等しくした後,密閉貯蔵容器内に導入した。

(13)

穀 物 籾 小 麦

表2・1 供試材料 Table2-1 Materials

品 種 ヒノヒカリ

ニシカゼ

収穫日 平成6年10月14日

平成5年6月5日

収穫地 福岡県粕屋郡粕屋町 福岡県粕屋郡須恵町

(14)

小型ポンプ

炭酸ガス濃度差測定装置 (島津製作所製IRA-102)

炭酸ガス校正用標準ガス (500ppm)

ソーダライム層

。00。

|/|@8

ぺンレコーダ

(横河電気製TYPE3056)

打点自己録計

(横河北辰電気製Model4156) T熱電対

Er::::J1 IロロEロロE

密閉貯蔵容器

E二コc=:コr==コc::::コE二二コr==コ c::::コc::::コc二コr==コc::=コr==コ c::::コE二コc:::二コc:::二コc:::コc:::二コ c::=コc::=コE二=コc::::コc::::コc::::コ c=:コロ=コc:::コc::::コr==コc::::コ c::=コc::::コc::::コr==コc:::ニコc::::コ 亡二二コ亡=コr==コc:::::コr==コr==コ

低温インキュベータ

(島津製作所製 Bitec・300)

図2-1 測定装置の概略

Fig.2・1 Schematic diagram of the apparatus

(15)

CO2濃度差測定装置の校正は, 次の方法で行った。 すなわち, ま ず基準セル, 測定セルにソーダライム層を通過させ CO2を吸着さ せた大気を導入し, ゼロ校正を行った。 次 に, 測定セルに500ppm の工業用標準 CO2ガスを流し, CO2濃度差測定装置のスパン校正を 行った後,再び最初のソーダライム層を通過させた大気を導入して,

その指示が0となることを確認した。

CO2ガス濃度測定装置 には, フルスケール500ppm と1000ppmの 測定モード があり, 500ppm モード での測定精度はO.5ppm, また

1000ppm モードの測定精度はlppm である26)。 通常の測定では,

発生するCO2ガス濃度は500ppm以下となる(ソーダライム層を通 過した外気の流量O.5L/minのもとで)が, 高温 ・ 高含水率の呼吸 測定条件では, 極端に呼吸量が多く500ppm以上となる場合のみ,

1000ppm スパン測定とした。

図2・2は密閉貯蔵容器の概略である。 容器 は塩化ピニル製で内径 100mm, 高さ170mm の円筒形である。 本体内部の底部 , 空気の流 入口の上方には, 直径1 mmの通気孔を5mm間隔であけた仕切板 がある。 また, 穀物層の中心温度を測るため, 線径O.3mm のT熱 電対を挿入した。 正確な呼吸速度測定のためには容器の気密が十分 に保たれている必要があるが, 容器 本体と蓋の部分はネジを切り,

さらに本体側に真空用 0リング, 蓋にはシリコンゴムシートを取 り付け気密を図った。 なお。 本容器の気密性は減圧試験により確認 した。

nu t-

(16)

シリコンゴムシート

空気流出口

メ-ッシュ状仕切り板

図2-2 密閉貯蔵容器

Fig.2・2 Hermetic storage vessel

官EA'Ei

(17)

呼吸速度の測定は, 4種の含水率に対して各々温度をOoc,..,__, 400C まで50C間隔で変化させて行った。 設定した温度に穀温が達するま

でに数時間を要するが, この間, 小型ポンプによる空気の圧送は行 わなかった。 これは, 数時間に及ぶ穀温調整中の通気により, 穀物 が乾燥されて密閉容器内の穀物の含水率が変化するのを防ぐためで ある。 また, 供試量については, 高温 ・ 高含水率の実験条件におい ても, 呼吸により発生する CO2が濃度差測定装置の測定範囲であ る1000ppmを越えることのない分量である500gとした。 実験に供 する籾と小麦の含水率調整は, あらかじめ常圧定温乾燥法( 10g- 1350C - 24 h法)によりその含水率を求め, ヘッドスペースのない

容器に穀物を充填し,調整目標含水率にするに必要な蒸留水を加え,

冷蔵庫内に保存し, 水分の平滑化を図った。

なお, 小麦については通常, 休眠の打破が必要であるが, 置床試 験によって休眠がすでに打破されていることを確認した。すなわち,

シャーレに蒸留水を含ませた鴻紙を敷き, 100粒の小麦をその上に 置床し, 20tに温度調節したインキュベータに入れ, 7日間以内に 発芽した粒を計数することで行ったが, ほほ1000/0の発芽カが認め

られた。

2.3結果および考察

小麦の呼吸 速度を測定した例としては, 中山27)の著書の 中に Clausen(1890)およびBailey(1918)の報告があり, 彼らは小麦の呼 吸速度の温度との関係および含水率との関係について述べている。

それによれば, 小麦の呼吸速度の含水率との関係については, 呼吸

-12-

(18)

速度は15%,w.b.以上から急上昇するが, その理由として, 低含水 率では含有水分の大部分が結合水であり, 自由水がある程度貯えら れるに至ってはじめて呼吸と平衡的傾向を生ずることを示唆してい る。 一方, 呼吸速度と温度との関係については, 呼吸速度は250C から指数関数的 に上昇し, 550C以上では逆に下降する傾向を示し たとある。 高い温度で呼吸速度が下降する傾向は, 品種こそ違うも のの, 本研究で供試した国産の小麦についても, 予備実験において,

その傾向が認められた。 これは高温によって, 日杢芽部がダメージを 受けるためであるが, こうした高温障害を受けた穀物の呼吸特性は 特殊な条件であり, 実際上の取り扱いを想定して本研究では呼吸特

性の測定温度範囲を上限400Cまでとした。

籾については 菊池ら28)は玄米の呼吸速度に関し, 水分13.5""'

18.1 %,w.b., 温度1OoC ""' 300Cの範囲において, 呼吸により発生した CO2ガスを水酸化ノミリウム溶液に導き, 化合沈殿物を塩酸を用いて 滴定することにより測定している。 また, 近年では後藤29)らがガル バニ電池式のO2濃度計によって, 密閉容器内での籾のO2消費速度 という形で呼吸速度を推算し, 呼吸速度は周辺 O2濃度に比例する としており, さらに疋田ら30)31)は籾の呼吸速度と含水率との関係を 密 閉系内 でガスクロマトグラフ法に よ り測定し, 呼 吸 速 度 を Arrhenius式と Gore式により表現した。 いずれの報告も, 同じサ

ンプルで温度と含水率の両方について, 広範囲に亘り測定されてい ないため, 呼吸速度の実験式の当てはめにおいて, 温度または含水 率のいずれかのパラメータ決定の際に誤差が大きくな るものと思わ

れる。

9d tEA

(19)

2.3.1呼吸速度と化学反応式

植物体の呼吸は化学的にみれば, 呼吸の化学反応式における反応 速度とみることができるので, 呼吸の化学反応式を求めることによ って, 反応熱として呼吸熱を推定できるものと考えられる。 呼吸は 嫌気呼吸を除けば, 呼吸基質の酸化という形で表現さ れるわけであ るから, 呼吸によって O2を消費し, CO2と水を発生させることに なるが, 呼吸に使わ れる基質によって化学反応式が異なっている。

また, これらは呼吸によって植物体に取り込ま れた O2の体積に対 する排出 CO2の体積比, いわゆる呼吸商(Respiratory Quotient) によって分類されている32)。 青果物の場合は, 村田らのコメント33 ) にあるように呼吸基質としてクエン酸なども係わってくるが, 籾の 成分は食品成分表によ れば, 水分15.5%,w.b. の場合, タンパク質 7.4%, 脂肪3.0%, 糖質71.8%, 繊維1.0%が主成分であり, また,

小麦の場合は,水分13.5%,w.b.で同様にタンパク質10.5%,脂肪3.0%,

糖質69.3%, 繊維2.1%が主成分となっていて34), 呼吸基質を糖質と

するこ とに大きな問題はなく35), 本研究のように十分な酸素環境の もとでの種実の呼吸は, ほぼRQ=lの場合である と思われる。 これ は, 化学的には次式で表現される。

C6H1206 + 602 → 6C02 + 6H20

これはグルコースの完全燃焼であるが, その標準燃焼熱ðH298・は,

発生する水の状態によって異なり, Hessの法則により計算すると,

7)(が蒸気 の場合,

ð. H298・(g)二{6 x (-395.5) + 6 x (-241. 8)} -(-1274 +6 x 0) 二 一 2537.8 [kJ/molJ

水が液体の場合,

-14-

(20)

ð. H298・(1)= {6 x (-395.5) + 6 x (-285.8)} -(-1274+6 x 0)

= - 2801.8 [kJ/mo1J

となる36)の で , 排出 C021皿01当たり に換算す る と , それぞれ 422.97[kJ/皿olJ, 466.97[kJ/mo1Jの呼吸熱となる。 ここで計算した 呼吸熱は 1atm, 250Cの標準状態における値であり, 温度が異なる 場合には, Kirchhoffの法則により, 生成系と反応系の比熱差を考 慮して積分計算を行えばよい。 したがって, CO2の発生速度を測定 することでどの程度の呼吸熱 を単位時間当たりに生成するのかを推 定できる。

こう して発生した呼吸熱は, もちろん穀物自身の温度を高める顕 熱ともなるが, 一方では呼吸により水分を発生させているわけであ るから, 水分保持容量の小さい穀物層間隙空気への物質伝達抵抗分 の水分, すなわち発生した水分のうち, 物質伝達されない水分が穀 物自身の水分を増し加えていることになり, 一般に含水率の高い穀 物ほど呼吸も活発であるので, 呼吸熱は さらに増加すると考えられ る。 しかし, 収穫された穀物は穀物粒子ごとに含水率が異なるわけ で, 含水率の高い穀物から含水率の低い穀物へと水分の移動がある

ため, 水分分布を持つ貯留穀物層では, 水分の移動 ・ 吸着による熱 の輸送があり, 実質的にどのくらいの穀温増加となるかはシミュレ

)ションによる計算を行わなければ, 明らかにできない。

さて, 測定によって得られるデータは流量Q L/min 中に含まれ るCO2濃度 x ppmであるので, 単位時間当たりに発生するCO2体

積VLは

V = 60Q x XX 10-6 (2.1)

であり, 発生する CO2ガスを理想気体とすれば, 単位時間当たり

whu t-

(21)

に発生するCO2のグラム数iは,

i = p竺v

GT (2.2)

、F 、- Iヲ'

」ー ,-- ('-,

i :単位時間に発生するCO2質量[gC02/h]

p:気体圧力トlatm]

G:気体定数[=0.082at皿・L/mol'K]

T:気体温度[K]

m : CO2のそル質量[二44g/mol]

供試穀物の質量をW, 湿量基準含水率をM'%とすれば, 乾物 kg 当たりで計算した単位時間に発生するCO2のmg数は,

R=w

(

l

=uw

(

l-

l )

(2.3)

:. :. �こ,

R:単位時間に発生するC02mg数[mgC02/h.kg Dry Matter]

W:供試穀物量[kg]

となり, この Rを本研究では呼吸速度として算出した 。 なお単位 中のDry Matterは以下DMと略記する。

2.3.2呼吸速度と穀温の関係

前節で述べたように, 穀物の呼吸も化学反応の一種と考えられる ことから, 呼吸速度は, この化学反応速度とみられる。 した がって,

呼吸速度と穀温との関係は, 化学 反応速度の温度依存性を示す Arrhenius型の式で表されると考えられる。 Arrhenius式自身は実 験的に得られたものであるが, 最近の研究によれば, 理論的にも,

ρり唱'A

(22)

化学反応速度の温度依存性を示す式として正しいことが立証されて

いる37)。

図2・3は籾の呼吸速度と穀温との関係を示したものである。 実線 は後節で、提案する呼吸速度の実験式の結果である。含水率25.4%,d.b.

つまり湿量基準で20.30/0.w.b.まで は比較的緩やかな呼吸速度の上 昇傾向を示すが, 28.80/0,d.b.になると250Cあたりから急激に増加 しているのが分かる。 籾については, 上昇の傾向は確かに穀温に対 して指数関数的増加傾向とみることができる。

一方, 図2・4は小麦の呼吸速度と穀温の関係を示したものである が, 含水率34.80/0,d.b.のデータ以外は, 籾と同様に指数関数的に上

昇している。

月t唱EA

(23)

-・0・、.

,.... '白'I白0.,

,.4

120

100

80

60

40

20

(芝02・5\OE)制剤密世

310 320 300

絶対温度(K)

290 270 280

籾の呼吸速度と穀温の関係

図2-3

Relationships between respiratory rate and seed temperature for rough rice

QU 'EA

Fig.2・3

(24)

k乙j

ピー...9一一一一一一 34.8%d.b.

26.1%d.b.

23.6%d.b.

19.8%d.b.

120

100

80

60

40

20

(芝02・L\。ε)制剤密世

320 310

300

絶対温度(K)

290 280

270

小麦の呼吸速度と穀温の関係

図2・4

Relationships between respiratory rate and seed temperature for wheat

QU '・1

Fig.2・4

(25)

呼吸速度と穀温との関係をさらに詳しく検討するため, 呼吸速度

と穀温について Arrhenius プロ ットしたものが図2・5である。 実線 は, データをArrhenius型の次式に当てはめた結果である。

R=

-

; J

(2.4)

R:呼吸速度[mgC02/h・kgDM]

q: ノミラメータ [ mgC02/h・kgDMJ

s : ノ《ラメータ[K]

T_ :穀物温度[K]

測定値は, この Arrhenius 式によって計算した直線に極めてよ く一致し, 呼吸速度の温度依存性を, 化学反応速度の温度依存式で ある Arrhenius 型とみることの正しさが実証された。 また, 含水

率にかかわらず傾きがほぼ一致している点が特徴的である。

一方, 図2・6は小麦の場合の Arrhenius プロ ットを示したもので ある。 籾と同様に小麦の呼吸速度においても, 穀温と Arrhenius 型の関係が成り立っている。

最小二乗法でArrhenius 式に当てはめた結果, 得られた(2.4)式の パラメータとその950/0信頼限界, および測定値との標準偏差を表2・

2に示した。 パラメータqの950/0信頼限界がパラメータ自身の数値 より大きな値となっているが, これは(2.4)式の両辺の対数をとっ てパラメータについて線形化して回帰分析を行い, 求められたlnq の950/0信頼限界から計算したものであり, Arrhenius 式上の適合 性に問題はない。

ハU9u

(26)

103

102

100 101

10・1

(乏02・工\。ε)悩凶刷出官官

10-2

0.0037 0.0035

絶対温度の逆数(1/K)

0.0033 0.0031

(籾)

Arrhenius type plot for rough rice ト

アレニウスプロ

-21- 図2・5

Fig.2・5

(27)

34.8%d.b.

26.1%d.b.

23.6%d.b.

19.8%d.b.

0

・口

103

102

100 101

10・1

(芝(]宣・工\OE)悩剤密世

10・2

0.0037 0.0035

絶対温度の逆数(1/1く)

0.0033 0.0031

(小麦)

Arrhenius type plot for wheat

ト アレニウスプロ

-22- 図2-6

Fig.2・6

(28)

表2・2 アレニウス式のパラメータ(籾と小麦)

Table2・2 Parameters in (2.4)equ. for rough rice and wheat

穀物 含水率 q qの95%信頼限界 S sの95%信頼限界 Rの標準偏差

(%,d.b.) (mgCO/凶gDM) (mgCO/地gDM) (K) (K) (mgC021地gDM)

19.1 5.4083 X 1011 +8.2434 X 1013 8199.8 +1498.1 0.10507

-5.3730 X 1011 -1498.1

20.8 3.2008 X 1014 +9.1888 X 1017 9761.6 +1670.6 0.88481

-3.1897 X 1014 一1076.6

25.4 2.2864 X 1013 +9.6948 X 1016 9421.5 +2463.9 5.0375

-2.2859 X 1013 -2463.9

28.8 1.0858 X 1013 +4.9338 X 1013 7931.2 +500.6 2.3743

-8.8994 X 1012 -500.6

小麦 19.8 2.1092 X 1014 +1.4848 X 1027 10214 +8960.6 0.68621

-2.1092 X 1014 -8960.6

23.6 1.7526 X 1018 +2.7484 X 1020 11297 +2170.6 1.1531

-1.7515 X 1017 -2170.6

26.1 1.1145X1010 +7.7474X 1010 6020.6 +606.0 2.2638

一9.7434X109 -606.0

34.8 4.3063 X 109 + 1.8044 X 10 14 4732.6 +3110.9 8.9794

-4.3062 X 109 -3110.9

。。ヮ“

(29)

籾と異なり, 小麦の場合は含水率によって直線の傾きが異なって いる。 すなわち, (2.4)式における見かけの活性化エネルギーが含 水率23.6'"'"' 26.1 % ,d.b.を境に, それ以上の含水率でやや低下してい る。 この傾向に再現性があるかどうかを確かめるために, 実験を数 回行ったが, やはり同じ傾向を示した。 この理由についてはさらな る解析が必要である。

従来, 青果物の呼吸特性の温度依存式として次の Gore の式32)が ' 利用され,

R =Ro・10hl (2.5)

R:呼吸速度[mgC02/h. kg ]

Ro :温度Oocにおける呼吸速度[mgC02/h . kg ] h:パラメータ[l/oC J

t :青果物の温度[OCJ

青果物の温度が100C上昇することによって呼吸量が何倍になるか を示す温度係数QIOというものを100C間隔で求めていたが, 呼吸速 度の温度依存性を, 上記の Arrhenius 式で整理すれば, 必要に応 じて任意の100C範囲における温度係数QI0を求めることはきわめて 容易である。

2.3.3呼吸速度と含水率の関係

中山27)によれば, 呼吸速度と含水率の関係は, 種実中に含まれる 水の形態と関連があり, 種実の浸水直後と浸水後数日間貯えられた

ものとでは, 呼吸速度に著しい違いを生ずるとしており, 例えば,

水分15.20/0,w.b.の小麦種実の場合, 浸水後55日間貯えられたもの

A-A 9-

(30)

の呼吸速度は, 同一水分で浸水直後のものに比較して4倍となり,

また, 水分15.70/0,w.b.で浸水後108日間貯えられたものは, 同じく 同一水分で 浸水直後のものの約8倍の呼吸速度を示したという。 そ の理由として, 水分を保持している時聞が十分であるとそれだけグ ノレコースの形成に有利であり, グルコースは時の経過につれて蓄積 する 傾向があるためとしている。 したがって, 吸水させて水分の調 整を行った本研究のような場合では, 呼吸速度と含水率との関係を 測定するに当たって, 穀物に水分を吸収させてどの程度の時間が経 過しているかに留意し, 測定された呼吸速度の結果には吸水後の時

間を明記する必要があると思われたので, 籾と小麦の実験結果の図 に吸水後の日数を併記した。

図2・7は籾の呼吸速度と含水率の関係、を示したものである。 実線

は後述する呼吸速度の実験式の結果である。 籾の呼吸速度は, これ までにも報告があるように含水率に対して指数的上昇傾向を示して いる 。 指数関数的上昇傾向が著しくなるのは, 穀温300C以上であ るのに対し, 300C以下では呼吸速度は小さく, 含水率28.80/0,d.b の ものでも250Cで25mgC02/h.kgDM程度で, この数値は発生する呼 吸熱に換算すると, 発生水分の状態を蒸気とすれば, 2.4kJ/h .kgDM 程度となる。 しかし, 300C以上では, 含水率25.40/0,d.b.以上で急

激に 呼 吸 速 度 が上昇し, 含水率28.80/0, 穀温400Cでは最高値 110mgC02/h .kgDMに達している。 これは同様に呼吸熱に換算す ると, 10.6kJ/h .kgDMとなる。

-25-

(31)

吸水後7日目

 o

40"C 3S0C 300C 2S0C 20"C

0・口・ム

120

100

80 × 60

40

20

(芝02・工\。ε)制剤副官官

30 26 28

24

含水率(%d.b.)

20 22 18

籾の呼吸速度と含水率の関係

図2・7

Relationships between respiratory rate and moisture content for rough rice

-26- Fig.2・7

(32)

図2・8は小麦の呼吸速度と含水率との関係である。 穀温1 0 ""' 3 0 oc

では, 指数関数的に増加する傾向を示すが, 穀温30<>C以上では,

籾の傾向とは少し異なって, 含水率23.5""' 26.1 %,d.b.のあたりに急 激な上昇が見られ, 指数関数的増加傾向よりもむしろ直線的あるい はS字型に増加傾向を示している。 また, 穀温100C以下では呼吸 速度の増加はほとんどなく, 高含水率 の 35 % ,d.b. (湿量基準 25.90/0, w. b.)であっても5mgC02/ h . kgDM以下である。 小麦の収 穫時水分は240/0,w.b.から時lこ300/0,w.b.となることを考えると, 特

にこの含水率範囲での呼吸量の増加傾向を知ることは重要であり,

収穫時は200C以下に穀温を保持することが穀物の呼吸熱の発生を 抑制することにつながるものと思われる。

図2・7, 図2・8はいずれも, 吸水に7日聞かけて水分調整した穀物 の呼吸速度の測定結果である。 上述したように, 中山の報告27)には,

吸水後の日数によって, 呼吸速度の違いがあることが述べられてい るが, その日数は55日と108日間と比較的長く, その呼吸速度の測 定結果の中には, 発芽等による成長過程の呼吸増加が多分に含まれ ていると考えられる。 本研究での7日間の水分調整期間中には発芽 は認められず(小麦の置床試験時の発芽は極端な高水分環境にある ことによる), 収穫直後の穀物に比べて吸水後数日を経た穀物の呼 吸速度に違いがあることは認められるにしても, その違いは小さい ものと思われる 吸水後の日数により呼吸速度の変化する過程は,

穀物の発芽と密接な関わりがあり, 作物学的に重要であるが, この 点については今後の検討課題である。

-27-

(33)

吸水後7日目

120

150C 10"<:

50C OOC

400C 350C 300c 250C 20"<:

O・D・ム

100

80 × 60

20 40

(Eos-L\OE)刷出制収容世

36 33

30 27

含水率(%d.b.)

24 21

18

小麦の呼吸速度と含水率の関係

図2-8

Relationships between respiratory rate and moisture content for wheat

-28- Fig.2・8

(34)

また, 呼吸速度は品種によっても特性が若干異なることが疋田ら 30)の報告で明らかになっているが, その差はわずかであるので , こ こに得られた結果は, その他の品種についてもわずかな誤差で適用 できるものと考えられる。

2.3.4呼吸速度の実験式

さて, 上記のように穀物の呼吸速度が温度に対してはArrhenius 式にしたがうこと, そして, 含水率に対じては籾と小麦とで傾向が 異なることを考慮して, 本研究では次式を提案する。

f _ _

)

f

.

_) f

2

\ _ _ _�

( d +eM+ 戸 イ2 ì

R =

IIα+bM + cM 2 )州 -

��':'

r '�

I

(2

.

6)

\ I l T )

M:含水率[%,d.b.]

R:呼吸速度[mgC02/h. kgDM]

Ts:穀物温度[K]

a,b,c : ノミラメータ[mgC02/h. kgDM]

d,e,j: ノミラメータ[K]

前述したように, 呼吸速度の温度依存性については, 理論的に裏 付けられているが, 含水率に対しては現在までのところ, 理論的な 説明がないため, この式は将来的に拡張が容易なように, 温度依存 関係については Arrhenius 式の形をとり, また, 含水率について は, 他の穀物などで異なった傾向を示す場合にも拡張が可能なよう に, 多項式の形をとっている。

従来, 含水率との関係を指数関数的として, これを一つのパラメ ータで表す実験式も示されているが, 本研究で得られた結果では,

-29-

(35)

小麦の呼吸速度が穀温300C以上にな ると含水率に対して直線的あ るいはS字のような上昇傾向を示し, 精度よくあてはめることはで きないo (2.6)式はパラメータの数こそ多くなるものの, 実験式に おいては適用範囲全般における精度が要求されるため, このように 定式化することが適当と思われる。

データを(2.6)式に基づいて非線形の最小二乗法である Deming 法38)で当てはめた結果を図2・3, 図2・4, 図2・7, 図2・8に実線で示し,

得られたパラメータと標準偏差を表2・3に示した。 いずれの穀物に おいても呼吸速度の温度との関係および含水率との関係についてよ く一致しており, 特に籾においては標準偏差も小さく呼吸速度の実 験式として高い信頼性がある。

(2.6)式はパラメータに対して非線形の形をしてい るので, (2.4) 式のように両辺の対数をとるなどして線形化し, これを回帰分析す るようなことはできず, また, 残差の平方和を線形の場合のように 不偏推定量とみなすわけにはいかない。 したがって, 得られたパラ メータの信頼限界を求めるためにF統計量は利用できないため, 表 2・3には, 得られたパラメータの適用による実測値との標準偏差の みを示した。

(2.6)式で算出される呼吸速度の単位はmgC02/h.kgDMであるか ら, 発生すると推定される呼吸熱Hは, 発生水分の状態を蒸気と すると,

H=

m

(2.7)

H:呼吸熱[kJ/h.kgDM]

ハVηδ

(36)

m : CO2のそル質量[g/molJ

J:排出 CO2 ガス lmolあたりのグルコース完全燃焼熱 [=422. 97kJ/molJ

で求められる。

'SA qu

(37)

表2・3 実験式のパラメータ(籾と小麦)

Table2・3 Parameters in (2.6)equ. for rough rice and wheat

パラメータ 籾 麦

α(mgCOz!h . kgDM) -2. 7201 x 1012 -1. 2462 x 108 b (mgC02/h・kgDM) -1. 3351 x 1011 -6. 2757 x 106

c (mgC02/h・kgDM) 1. 5133 X 1010 6.3891 X 105 d (K) 5.7051 X 103 3.5109 X 1013

e (K) 2.0777 X 102 7.7205 X 101

f (K) -4.7601 -1. 2099

Rの標準偏差 I 3.3685 X 10-1 9. 6763 X 10-1

(mgC02/h. kgDM)

ワム-9d

(38)

2.4摘 要

小麦や籾を貯留あるいは貯蔵する際に発生する呼吸熱を推定する 間接法として, また, その際の穀物間隙中での酸素濃度低下による 層中の穀物の呼吸障害を知る基礎として呼吸速度を測定した。 具体 的には, 穀物から排出される CO2ガ、ス濃度を, 読み取り精度lppm の赤外線ガス分析計によって種々の穀温, 含水率条件下で測定し,

呼吸速度を穀物に含まれる単位乾物重量;単位時間当た りのC02mg 数として算出した。 呼吸速度の穀温, 含水率との関係をプロットし た結果, 籾については穀温, 含水率のどちらに対しでも呼吸速度は 指数関数的に上昇する傾向を示したが, 小麦の場合には含水率に対 しては籾とやや傾向が異なり, 高含水率になるにしたが って, 指数 関数的上昇傾向から直線またはS字状の上昇傾向に変化することが 分かった。 また, 呼吸速度と穀温の Arrhenius プロットを行った ところ, 測定値は Arrhenius 式に極めてよく一致したことから,

呼吸速度を化学反応速度と見ることの正しさを確認できた。

このような呼吸速度の Arrhenius 型温度依存性と含水率に対す る籾と小麦の傾向の違いを考慮、して, 本研究では6つのパラメータ をもっ実験式を提案し, 非線形の最小二乗法によって籾と小麦に対 するパラメータを算出した。 得られた実験式による計算値と実験値 を比較検討したところ, 温度, 含水率の広い範囲に亘って良い一致 をみた。

内4uqu

(39)

第3章動的ガス環境下におけるキュウリ果実の呼吸特性

3.1緒 言

野菜や果実の鮮度は, 適切な代謝生理の制御と微生物汚染の防止 や静菌操作によって維持される。 代謝生理の制御には, 収穫後青果 物の環境に対する反応を明確にすることが必要で, その指標に有効 なものが呼吸作用の状態把握である。青果物の呼吸特性については,

これまでに多くの報告39,40,41,42,43,44,45,46)があるが, 測定の難易な ど により CO2排出量のみで呼吸を表し, O2吸収量の状態を明らか に していない場合が多い。 一方, デシケーターなど, 体積一 定の密閉 容器内に農産物を入れて 定期的にガスをサンプリングして, ガス 濃度の変化量から呼吸を推定する方法も見られる。 しかしこの方法 では呼吸商が1でない場合には, O2消費量に対する CO2排出量が 異なるために, デシケータという一定体積の状態では圧力が負圧も

しくは加圧状態となってしまうことになり, 測定原理上からも大き な誤差を避けることができない。 勿論, 通気状態でガスサンプリン グする方法もあるが, 包装状態にある農産物の環境とは異なった状 態での計測となる。 すなわち, 湿度, ガス組成, 排出される呼吸熱 の影響などが画一的となりがちで, これを解決して実際条件を再現 するには複雑な制御が必要となる。 また, CO2排出のみでなく, 02 消費量も同時に検討している場合でも, 呼吸や環境ガ、ス濃度が安定 した定常状態を前提としたものであった。 しかし, 長期貯蔵環境と 異なる短期間の流通過程では, 環境ガス組成は動的に変動すること が多く, また温度変動もあることが知られている47)。 この状態では,

4-9d

(40)

密封状態に近い青果物の場合, 呼吸による CO2濃度の蓄積, O2濃 度の減少というCA環境による呼吸の抑制と共に, 発生する呼吸熱 による温度上昇の呼吸促進効果という相反する効果も共存する。 こ うした環境のもとでの青果物の反応を解明していくことは今後の大 きな課題のひとつであり, この時の生体反応を呼吸速度や呼吸商に よって解析して推定される代謝生理は, 合理的な鮮度保持や高品質 維持設計を考える上で重要である。 本研究では, 動的な環境下での 測定法であるパウチ法48,49,50)を用いて, キュウリ果 実を供試材料と して, まずガス環境変化が呼吸特性に及ぼす影響を検討してその特 性を考察した。 青果物の環境に対する代謝生理の挙動は品目, 品種 によって異なり, 特にキュウリはナス, ピーマンなどに並んで低温 感受性の高い作物のーっとされており しかも我が国における生産 量も非常に多い作物であり, 関連研究51,52,53)も多いため供試材料と して選定した。

3.2 測定方法

3.2.1供諒材料

供試材料には平成9年6月30日に九州大学附属農場にて収 穫され たキュウリ ‘シャープ1 ' を用いた。 試料は3月3日に接木, ハウス 栽培されたものである。 実験当日午前9時に収穫された試料は, 実 験室搬入後直ちに実験温度である5t, 150C, 30tに設定された定 温庫に静置され, 所定の温度になったことを確認した後, 実験に供 試した。

-35-

(41)

3.2.2パウチ法による呼吸速度測定法

呼吸速度の測定はパウチ法によった。 これは, 青果物をフィルム 小袋内に密閉し測定するものであり, フィルムの選択的ガス透過性 による内外のガス 移動及び青果物自身の呼吸による O2消費 , CO2 排出を同時に考慮、し つつ, 数値計算により呼吸速度を推定する方法 である。 非定常的環境下での青果物の呼吸速度を測定するのに有効 な方法であると考えられ , また , フィルムの材質, 厚さ , 試料の重 量等を変えることにより,様々なガス環境を得ることが可能である。

以下に, パウチ法による呼吸速度測定法について述べる。

包装内のガスは O2, CO2, N2の3種類とし , その他のガ、スは無視

できるものとした時 , 微小時間における包装内ガスの体積変化は,

包装内外のガス分圧差に比例した物質移動と青果物の呼吸による O2消費と CO2排出 によるものと考えることができる。 これは次式 に表される48)。

d九= dVO +d�今+dv'

d九= f ko(Poa-Wt-Vdt d九= f kc(ι-Pc }1t

+

RCWdt d九= f kN(PNa-Wt

ここで ,

dVs ,dVO,dVC ,dVN

:包装内の全ガス , O2, CO2, N2のガス体積 の微小時間での変化量[mlJ

A:包装の 表面積[m2J

L:フィルムの厚さ[mJ

Ko,Kc,KN

:包装内 O2, CO2, N2のガス透過係数[ml'm/m2•

ρO Qリ

(42)

h. atmJ

α:外気を表す添字 W: 青果物の質量[kgJ

Ro,Rc:青果物の呼吸によるO2 消費量, CO2 排出量[ml/kg. hJ

上記の式で 表されるように, ガス透過係数が既知であれば, 計算 によりフィルム透過によるガス濃度変化を知ることができ, これと 包装内ガス濃度の実測値の差が青果物の呼吸によるものと見なすこ とができる。 したがって, 経時的に包装内ガス濃度の実測値を得,

順次推定を繰り返すことで, 変化するガス環境のもとでの青果物の 呼吸による O2消費と CO2排出量を推定することができる。 なお,

包装内の全圧が包装外の圧力と同等と見なされない場合は, 包装内 ガス濃度からガス分圧を得る場合, 包装内全圧を別途測定する必要 がある。 すなわち, 全圧にガス濃度比を乗じて, ガス分圧を得なけ ればならない。 本研究では, フィルム包装を膨張状態の体積の約半 分の体積までの包装状態として, 包装による加圧を無視できる範囲 として実験を行った。

フィルムを介してのガス移動及び青果物の呼吸によって各ガス及 び包装全 体の体積は変化しているため, 解析解を得るのは容易では ない。 そこで, 数値計算によることとし, 呼吸速度R。とRcが 得ら れたと仮定して, 暫定値を与えて計算し, 得られたガス分圧の計算 値と実測値の差の平方を求める。 この差の平方を小さくするよう暫 定値を順次変更して計算を繰り返して, 差の平方が最小値となる時 の暫定値を, 求める 呼吸速度とする。 このアルゴリズムを図3・1に 示した。

この方式は, 高速演算処理が可能なコンビュータの使用を前提と

門iηο

(43)

しているものであり, その具体的手順は次のようである。 すなわち,

想定される青果物の呼吸速度の最下限値を暫定初期値とし, 想定さ れる最大上限値まで刻み値を与えて暫定値をもとに式にもとづいて 繰り返し計算を行う。 なお, 本研究ではキュウリ果実の呼吸速度に 関する文献値55)を中心として, 呼吸速度の最下限値と最大上限値を 与えた。 青果物の呼吸速度の初期暫定値(暫定のR。とRcの値)と 初期ガス分圧の実測値をもとに式によってð.!時間後の各ガスの体 積変化量が算出される。 この体積をもとにð.!時間後の新たなガス 分圧を算出する。 この O2, CO2, N2の三種類のガスの計算された 分圧値と測定された分圧値との差の平方和を予め設定した呼吸速度 範囲の刻み, すなわち暫定値すべてについて計算し, その中で最も 小さな差の平方和を与える暫定値をその時の求める呼吸速度とする。

これを実測しているð.T時間毎に順次行えば, 動的呼吸速度の変化 を推定することができるというものである49)。

なお, 算出に必要となる任意温度におけるフィルムのガス透過係 数は以下のように得た。 本研究に用いたフィルムは, 低密度ポリエ チレン(LDPE,厚さO.035mm) と ポリ塩化ピニル(PVC,厚さ O.095mm)の二種類であるが, これらを 表面積200cm2(lOcmX

10cm)に製袋し, 高純度CO2ガスを袋に適度な余裕が残るよう封 入した。 袋内ガス濃度の経時変化をガスクロマトグラフ(GLサイ エンス製 GC- 390,TCD)により O2, N2, CO2について測定し,

それぞれの気体に対するフィルムのガス透過係数を算出した。 すな わち, ガス透過係数の算出に用いるための式は, 先に示した式のう ち呼吸による項が削除された形で表される。 これを呼吸速度の算出 と同様の方法であるが, 呼吸速度を順次変更する代りに, 各ガス透

-38-

(44)

過係数Ko,Kc,KNを順次変更して, その中で最も 実測値と計算値の

差の平方和が小さいものを求めるガス透過係数とした。 このガス透 過係数の算出にあたってのアルゴリズムを図3・2に示した。 求め た ガス透過係数と温度との関係をArrhenius式により定式化し, 呼吸 速度の算出に用いた 。 それぞれのフ ィ ル ムの ガ ス 透 過係 数 の Arrheniusプロ ットを図3・3, 図3・4に示した。

実験では, キュウリ果実約200gを入れたフィルム小袋(表面積 1200cm 2)を脱気した後, ヒートシ」ルし, 実験室外の新鮮空気を シリンジにより600ml封入して, これを初期袋内自由体積とした。

ガスサンプリングは実験開始直後は1時間毎に, 袋内のガス濃度変 化が小さくなるに従い間隔を大きくして, 1.0mlのマイクロシリン

ジで一回O.2ml採取し, ガスクロマトグラフにより O2, N2, CO2 を測定し呼吸速度算出のためのデータとした。

Qu qo

(45)

各ガスの透過係数 袋内空気の初期体積

袋の全圧 袋周囲の各ガス分圧

フィノレム厚さ 袋の表面積

入力

想定される呼吸速度の値を 十分に含むと予想される範囲を 酸素消費と二酸化炭素排出 について最小値と最大値で入力

経時的に測定された各ガス分圧 と直前の測定の経過時間入力

袋内と袋周囲の各ガス分圧の差に比例して フィノレム面を透過する各ガスの移動速度と 呼吸速度によって変化する各ガスの体積を 式によって算出

NO

算出された各ガス体積により 計算される各ガス分圧と実測値 の誤差を累積する

図3・1 フィルム小袋内の青果物の呼吸速度算出の流れ図

Fig.3・1 Flow chart for computation of respiratory rate of fruits and vegetables in polymeric pouch

-40-

(46)

袋の全圧 周囲の各ガス分圧

フィルム厚さ 袋の表面積 袋の初期体積

入力

想定されるガス透過係数の値が 十分に含まれると予想される 範囲を窒素、酸素、二酸化炭素 について最小値、最大値で入力

想定範囲内の任意の 各ガス透過係数値を選定

経時的に測定された各ガス分圧と 直前の測定からの経過時間を入

袋内と袋周囲の各ガス分圧差に 比例してフィルム面を透過する 各ガスの移動量によって変化する 各ガスの体積と袋体積を式によって 算出

算出された各ガスの体積により 計算される各ガス分圧と実測値 の誤差を累積する

YES

想定範囲内の他の任意の 各ガス透過係数値を選定

YES

任意に設定した3種類の ガス透過係数値の組合せ に対する誤差平方和を 満足できるまで反復計算 した結果を、窒素、酸素、

二酸化炭素の各ガス透過 係数値と誤差平方和に関し 4次元グラフにして、最小値 の誤差平方和を与える 係数値の妥当性を確認する

満足できる誤差平方和を与えた 各ガス透過係数によって 各ガス分圧の変化を計算し 実測値との比較をグラフによって 確認する

各ガス透過係数値を決定

図3・2 フィルム小袋内におけるフィノレムの

ガス透過係数算出の流れ図

Fig.3・2 Flow chart for computation of gas permeability coefficient of polymeric film of pouch

-41-

(47)

x 10-5

104

103

(工E百・NE\E一E)説経制κR 102

10'

0.0032 0.0035 0.0036 0.0037

絶対温度の逆数(1/K)

0.0034 0.0033

ガス透過係数のアレニウスプロ

図3-3

(低密度ポリエチレン)

Arrhenius type plots for gas permeability (LDPE)

ヮ“A且τ

Fig.3・3

(48)

X 10-5

104

←~一一----..;

103

102

(工E百NE\E一E)稲惨劇南姻κhh

101

0.0032 0.0035 0.0036 0.0037

絶対温度の逆数(l/K)

0.0034 0.0033

ガス透過係数のアレニウスプロ 図3・4

(ポリ塩化ピニル)

Arrhenius type plots for gas permeability (PVC)

ηο A-A

Fig.3・4

(49)

3.3結果および考察

3.3.1呼吸速度とガス濃度の経時変化

図3・5""'図3-10に, 各試験温度における, LDPE及びPVC包装で の実験結果を示した。 ・印は CO2排出量, 0印は O2消費量, 口印 は呼吸商(RQ), 実線はそれぞれ袋内ガス濃度の経時変化である。

図3・5""'図3・10に示 される CO2濃度, O2濃度はいずれも実験初期 に急速に増加, 減少しているが, それ に伴ない呼吸が抑制され てい るのが認められる。 図3・5""'図3・8および図3・10におい ては, CO2濃 度は, はじめ 急速に, 後に徐々に緩慢に増加または一定傾向を示し,

O2濃度は減少する方向で同様な傾向が見られる。 この結果からみ ると環境の CO2, O2の変化が呼吸速度抑制の効果を持っていると

見ることができ, いずれか 一方のガスが呼吸に支配的であるとはい いがたい。 しかし, 300C - LDPE (図3・9)の結果では, CO2濃度は 実験開始 から5時間後まで増加し, 50/0のピークに達した 後, 漸減 している。 一方, O2濃度は12時間で120/0に達するまで減少し, そ の後徐々に増加しており, 他の結果と異なった変化となっている。

CO2濃度の増加 から減少傾向へ変化する時点と, O2濃度の減少 から 増加 へ変化する時点には7時間の時間差が認められる。 このガス環 境変化に対し, CO2排出量の変化は, 実験開始時110ml/kgoh であ

ったものが, 12.5時間後に19m1/kg0 hに達するまで急速に減少し,

その後は, 漸減傾向を示した。

A且I

(50)

6 120

1 20

30

5 100 • CO2排出量

02 消費量

RQ

25 ハu

nU ハU 8 6 4 A守 司コ

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20

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15 住民

口 機

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10 5

o 0

0 10 20 30

時間(h)

40 50 0

60

図3・5 キュウリ果実の呼吸速度 ・ 呼吸商及びガス濃度 の経時変化(5t-LDPE)

Fig3・5 Changes in respiratory rate, respiratory quotient of cucumber fruits and gas concentration (5tLDPE)

whd dιI

(51)

CO2排出量 02 消費量 RQ

(ま)悩酬明

10 20 30

15 25

5

0 60

-O口

80

60

40

20 5 100 6 120

手 4

よ園Lロ3

、、

、シε

g面

F製

5

2

3

so 30

時間(h) 20

10 0

0

キュウリ果実の呼吸速度 ・ 呼吸商及びガス濃度 図3-6

(5OC-PVC) の経時変化

Changes in respiratory rate, respiratory quotient of Fig3・6

cucumber fruits and gas concentration (5OC・PVC)

-46-

(52)

(渓)刷mu開

30

20

10 5 25

1 5

CO2 CO2排出量

02 消費量

RQ

-O口

6 120 5 100

3 60 40 20

-7 ロ3

4 80

ミーL、、

↓ε

g面

1明

言2

60 0 0 0

50 30 40

時間(h)

20 10

キュウリ果実の呼吸速度 ・ 呼吸商及びガス濃度 図3-7

(15'C-LDPE) の経時変化

Changes in respiratory rate, respiratory quotient of Fig3・7

cucumber fruits and gas concentration (150C-LDPE)

-47-

参照

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