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図3・9 キュウリ果実の呼吸速度 ・ 呼吸商及びガス濃度 の経時変化(300C - LDPE)
Fig3・9 Changes in respiratory rate, respiratory quotient of cucumber fruits and gas concentration (300C-LDPE)
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-量量 出費
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キュウリ果実の呼吸速度 ・ 呼吸商及びガス濃度 図3・10
(30t - PVC) の経時変化
Changes in respiratory rate, respiratory quotient of Fig3・10
cucumber fruits and gas concentration (30t・PVC)
ハU whu
一方, O2消費量は, 実験初期に CO2排出量と同様, 急速に減少
しているが, 10 時間後を境にして34ml/kg' hから18ml/kg' hへと 急減し, その後は緩慢な減少傾向を示した。 このガス環境の変化に 対する呼吸速度の変化を比較すると, 呼吸速度の変化は, CO2濃度 というよりもむしろ, O2濃度変化に対応していると考えるべきで あろう。
本多ら39)は, 青果物の種類により環境ガス中の呼吸抑制の主要因
ガスはそれぞれ異なり: 1) O2濃度の低下が主因となって呼吸が抑 制される青果物, 2) CO2の増加が主因となる青果物, 3) O2減少 ・ CO2増加の双方が要因となって抑制される青果物の3種類に分類さ
れるとしており, それぞれの呼吸性質はその主要因ガスに敏感に反 応すると推察している。 またKuboら54)は高CO2が種々の青果物の 呼吸活性に与える影響を検討し, 高 CO2による青果物の呼吸抑制 効果はエチレンを生成している青果物でのみ見られる現象であるこ とを示唆している。
キュウリ果実は正常呼吸の状態ではエチレン生成を行わないこと と, 図3・9に示される結果をふまえると, 結果に示される呼吸の抑 制効果は, 急速なCO2濃度変化によるというよりはむしろ, 02濃
度変化が支配的であると考えるのが妥当であろう。
温度と呼吸速度の関係について見ると,50Cと150Cを比較すると,
LDPE, PVCでの結果(図3・5'"'-'図3・8)ともに, ほぼ同程度の呼吸 速度を示している。 一般に青果物の呼吸速度は温度変化に敏感で,
100Cの温度上昇に対し2'"'-'4倍の呼吸速度の増加があると言われて いる55)。 しかし, 50Cと150Cの間にはこの温度効果が全く見られな い結果となった。 これは, キュウリは低温感受性が高く, 7'"'-' 100C
-51-以下の温度環境で低温障害が発生し, その典型的症状として果皮面 のピッティングがあらわれる51 )。 山脇の報告52)においては, O2消費 量は測定していないものの, キュウリは低温障害により CO2排出 の異常な増大が起こると述べられている。 すなわち, 50Cのもとで 低温障害が発生したと考えられるキュウリは, その呼吸が異常増加 して, 結果, 150Cと同程度のレベルになったのではないかと考え られる。 なお, 実験ではピッティングの症状は確認されなかったが,
これは, 低温曝露時聞が短かったこと, および, 包装内の湿度が比 較的高い状態にあったため56)と推察される。 また, 150Cと300Cの試 験結果(図3・7�図3・10)では, 通常の空気下, すなわち実験開始 時の呼吸速度を比較すると, それぞれ300Cの呼吸速度は150Cの3.3 倍(LDPE), 2.1倍(PVC)となり, 従来の報告値57)とほぼ一致した。
3.3.2呼吸商の経時変化
呼吸商RQ値は常に一定不変のものでなく, 呼吸材料や呼吸作用 の機構などによって変動するものであるから, RQ 値によってどの ような物質が呼吸の材料となっているかを推定することができ, か っ呼吸の質的変化を判断する重要な手がかりとなる56)。 また, 呼吸 商の変化は品質劣化に先行して起こると考えられるため, RQ値は
青果物の内部品質変化の重要な先駆的指標となり得る。
正常呼吸においては RQ値は1前後の値56,58)となるが, 前述の低
温障害温度域である5tの試験結果(図3・5, 図3・6)では, LDPE,
PVC共に, RQ値は平均して2前後で推移している。 辰巳ら53)は,
キュウリの低温障害(ピッティング)発生のメカニズムとして, 低 温下で生体膜が変性し, 膜の透過性が増大することによる代謝異常
-52-が原因となり, 細胞 ・ 組織が崩壊することを示唆しているが, その 前段から呼吸に異常現象が生じていると考えることは妥当であろう。
このことは, 先に述べた山脇の報告で 低温障害によって CO2の排 出量が増加することによっても明らかである。 本結果では更に, O2 消費量の増加はCO2と比較すると少なく,結果として低温障害がRQ 値を2前後の値にしたと言うことができょう。
150Cにおいては(図3・7, 図3・8), LDPE, PVC ともに RQ 値は ほぼ1付近を示し, 正滑な呼吸の範囲と認められる。
図3・9は300C- LDPEの結果を示している。 実験開始12時間まで は, O2濃度は急減しているのに対し, RQ値はほぼ1付近を推移し,
その後, O2濃度の変化が増加傾向に転じると同時に, 上昇傾向を 示す。 一方, PVCでの結果(図3・10)では, O2濃度は20/0程度に達 するまで急減するが, LDPEの結果(図3・9)と同様に RQ 値は,
O2濃度が急速な減少傾向から安定状態に移行する時点で, 1付近を 推移していたものが, 増加傾向に転じる。 すなわち, 300Cの実験 結果に見られるような O2濃度が極めて急激に減少するガス環境で は, キュウリ果実の呼吸は異常を起こすものと考えられるが, 環境 変化に伴って異常呼吸を起こすのではなく, 環境変化に遅れて呼吸 が異常となる。 これは, 呼吸における生体内外のガス交換は, 主と して表皮系の極微の開孔を通して行われる56)が, それはガス流通に 対しては抑止的に作用すると言われており58), キュウリ果実内部の 組織内間隙のガス組成は環境変動に対して即座に反応できずに, 環 境変化と RQ値増大の間にタイムラグが生じたと考えられる。なお,
PVC での RQ値の変化は, LDPEと比較すると急激であるが, こ れは環境変化によるストレスと併せて極度の低酸素状態による嫌気
-53-下での異常呼吸が誘発されたものと考察される。
3.4 摘 要
動的ガス環境下でのキュウリ果実の呼吸特性を明らかにするため,
パウチ法により呼吸速度の測定を行い, ガス環境変化が呼吸生理に 及ぼす影響を検討したところ, 次の結果が得られた。
1 )急速な O2濃度の減少, CO2濃度の増加が起こるガス環境で は 呼吸速度が減少し, 特に, キュウリ果実においては, CO2濃度の変 化より O2濃度変化が呼吸抑制効果に影響を及ぼすことが示唆され た。
2) O2濃度の減少速度が極めて速い環境下では, RQ値は増加傾向
を示し, 急激なガス環境変化は呼吸に対し, ストレスとなることが 明らかになった。 また, RQ値の増大現象はガス環境変化に対して 時間遅れが認められた。
3 )低温障害作物であるキュウ・リは低温でCO2排出速度が増大す
ることは既に報告されていたが, 本研究結果もこれを裏付け, 更に O2消費量の培加は少なく, その呼吸商は2前後になることが分か った。
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第4章 籾のマイクロ波乾燥に関する基礎的研究
4.1 緒 昌
農産物乾燥は, 産物の変質防止, 貯蔵性や加工性の向上を目的と
して行われる。 農産物の形状は多様であり, 乾燥上の制約がかなり 相違するので, 乾燥機の種類も多く, 独自の構造をもったものが発 達している。 現在, 普及の中心は穀物を対象にしたものであり, 熱 の利用上からは, 熱風 ・ 常温の空気を利用する方法, 及び補助的に 熱源を利用する三つのタイプに分けられる59)。 籾乾燥に関しては,
熱風通風乾燥法が広く普及し, 処理量数百キロ程度の小型乾燥機か ら, 数千トンにおよぶカントリーエレベータにいたる各種規模の籾 乾燥機および乾燥施設が利用されており, 一方で省エネルギー, 高 品質化の観点がら, 籾のより効率的な乾燥法, 低コストおよび高品 質乾燥技術の進展が望まれている。
熱風通風乾燥法に代表される従来型の外部加熱方式は, 物質の表 面が昇温し熱伝導により内部まで加熱されるが, 一般に穀物は熱伝 導率が小さいため, 物質全体を加熱 ・ 昇温するにはかなりの時間を 必要とする。早く加熱昇温させようとして熱源の温度を高くすると,
表面と内部の温度勾配が大きくなり, 焦げ, 過乾燥などの悪影響が 生ずる60)とともに, 内部の水分勾配も大きくなるので煮えや, 胴害IJ れなどの悪影響も生ずる。
それに対し,マイクロ波加熱に代表される誘電加熱法においては,
物質自身が発熱する内部加熱であるため, 熱伝導に関係、なく昇温さ せるため短時間にほぼ均一に加熱することができ, また被加熱物だ
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けが発熱し, 加熱炉や雰囲気などをほとんど加熱しないため熱効率 が高い。 電磁波は真空 ・ 減圧中でも伝送でき被加熱物を真空度相当 の沸点で効率よく低温加熱 ・ 乾燥ができる。 さらに加圧下でも同様 に加熱できるとともに, スチーム ・ 熱風 ・ 冷風の併用や窒素ガス封 入下での加熱も可能である60)。
このような観点から食品工業においては, インスタント食品等を 対象として, 比較的小規模装置による大量処理が行われており, 木 材加工分野にあっては誘電加熱と減圧を組み合わせた高周波減圧乾 燥法についての研究61)62)が盛んに行われ, 実用化するまでに至って いる。 一方, 農産物の乾燥操作にマイクロ波を適用しようとする試 みも多数なされているが6334.6536b738), 籾乾燥を対象にした ものを 2, 3挙げるなら, 寺田69)は, 円筒のステンレス製の打抜き板に生 籾を充填し, 上端面から出力1.8kWのマイクロ波を照射しながら 通風乾燥を行い, 加熱通風乾燥より4倍程度の高速乾燥が可能とな ったが, マイクロ波のように波長の短い電磁波では, 電磁波の集中 により局部的な加熱が起こるため多くの胴割米が発生し, 局部加熱 の防止を図るには生籾を適当に移動させる必要があると報告してい る。 そのことをうけ, 曹ら70)はマイクロ波間欠照射による籾のバッ チ式流動層乾燥試験を行い, 加熱通風乾燥よりも乾減率ポテンシヤ ルが数10倍高められ, また, 流動層乾燥が静置乾燥よりも乾燥過 程中胴割れ率増加量を5'""'-'90/0低下させることを明らか にし, 籾温 度を高めて乾燥するほど十分な照射休止過程を設け, 籾粒子内部の 水分の均一化を図れば乾燥期間中の胴害IJれを低下できることを報告 している。 このようにマイクロ波を籾乾燥の熱源として適用するた めの研究は数例行われているようであるが, 籾のマイクロ波乾燥特
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