九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
高速液体クロマトグラフィーを用いた尿中サルコシ ンの高感度測定法
立石, 多貴子
https://doi.org/10.15017/1931770
出版情報:Kyushu University, 2017, 博士(保健学), 課程博士 バージョン:
権利関係:
(様式6−2)
氏 名 立石 多貴子
論 文 名 Preliminary study of a high-sensitivity method to deter mine sacosine in urine using high-performance liquid c hromatography
(高 速 液 体 ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー を 用 い た 尿 中 サ ル コ シ ン の 高 感 度 測 定 法 )
論文調査委員 主 査 九州大学 教授 勝田 仁 副 査 九州大学 教授 加耒 恒壽 副 査 九州大学 教授 藤本 秀士
論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨
論 文 題 名 は 「Preliminary study of high-sensitivity method to determine sarcosine in urine using high-performance liquid chromatograph (高速液体クロマトグラフィーを用いた尿中サルコシンの高感 度測定法)」である。 本論文は,International Journal of Analytical Bio-Science 誌の第5巻3号(平成29年5 月28日)に掲載されている。
近年、前立腺特異抗原(Prostate Specific Antigen,PSA)に代わる、新たな前立腺癌の早期診断マーカー として、尿中サルコシンが注目されている。しかし、現行の尿サルコシン測定法は、いずれも煩雑で検査に時 間を要する。
本研究では、第二級アミンの蛍光ラベル化指標であるNBD-F(4-fluoro-7-nitrobenzofurazan) を用いた 高速液体クロマトグラフィー(high performance liquid chromatography,HPLC)法における測定法の開発を 試みている。 HPLC法にて、100 mol/Lのサルコシン水溶液を解析したところ、保持時間 8.39分の位置 に単一ピークを検出した。次に、健常者尿にサルコシン水溶液を添加した サルコシン添加尿 にサルコシン オキシダーゼを作用させたところ、前述のピークが消失したことから、サルコシンのピークであると確定してい る。
この測定条件において、サルコシン濃度 0〜100 mol/Lまで直線性が確認された。また、100 mol/L サルコシン溶液を用いて解析したところ (n=14)、内部標準物質(internal Standard、IS) との面積比で、平均 値 12.95、同時再現性CV 1.42%となり、日差再現性(n=5)は、平均値 2.97、CV 3.49% と良好な精度で測 定できることを確認している。また、検出限界は 0.10 mol/L、定量下限は 0.33 mol/L であった。
本 研 究は、近 年 前 立 腺 癌の早 期 診 断マーカーをして注 目されている尿 中 サルコシンを、高 感 度で特 異 性 高 く、さらにgas chromatography with mass spectrometry (GC/MS)を用 いる従 来 の方 法 と比 較 して簡 便 で短 時 間 に測 定 ができる蛍 光 HPLC法 を用いた新 規 の測 定 法 を提 案 するものであり,臨床 的にも意義のある研究と考えられる。審査において調査委員が行った質問にも適切な解答が得られており,
調査委員の合議の結果,本論文は博士(保健学)の学位に値すると認める。