[翻訳] ビューロー『訴訟抗弁論と訴訟要件・第六 章第二節』(一)
その他のタイトル [Translation] Oskar Bulow, Die Lehre von den Prozesseinreden und die
Prozessvoraussetzungen, 1868, Sechstes Kapitel, Zweiter Abschnitt (1)
著者 岡 徹
雑誌名 關西大學法學論集
巻 57
号 1
ページ 195‑199
発行年 2007‑06‑15
URL http://hdl.handle.net/10112/12372
つ ぎ の
『訴訟抗弁論と訴訟要件•第六章第二節』
先決が阻止されるべきであるとの規律は︑ 以
下 は
︑
第二節
第六章
二つの異なった関係と意味をもっている︒
Os ka r B i l l o w ,
Di e L eh re
vo
n d en Pr oz es se i nrede
n u nd di e P r o z e s s
v o r a u s s e t z u n g e n ,
G i e s s e n ,
18 68 .,
S
e c h s t e s K a p i t e l . Di e e x c e p t i o
p r a e j u d i c i i Z , we it er Ab s c h n i t t .
の対比の証明
ビューロー ︹翻訳︺
先決の抗弁
Da s Pr a j u d i c i a l d e k r e t
n u d d i e P r a j u d i c i a l e i n r e d e
( S .
121
ー ︶
の 日
本 '
語 訳
で あ
る ︒
先決の命令と先決の抗弁
(
‑
︶
継続中の︑より重要な訴訟と︑将来においてはじめて可能な︑より重要な訴訟との区別
I
の 訴 訟 の 利 益 に お い て の み 職 権 に よ る
︑ 法 務 官 の 審 理
p r a e t o r i a c o g n i t
による実現ー
i oi 先決の命令
'11
利益においての先決の禁止は例外的にのみ_ーー被告の異議にもとづいて|ー—先決の抗弁
exceptio
p r a e j u d i c i i │ '
9,
法源におけるこ
Iビ ュ ー ロ ー
﹃訴訟抗弁論と訴訟要件
.
岡
第六章第
一 九
五
(1)一 節 ﹄
︵ 一
九 五
︶
一般的な先決の禁止は継続中
^
.....̲̲,,,③将来の訴訟の
徹
ロ ー
マ 法
で は
︑ 段が存在する︒
第一の種類の先決
p r a e u j d i c i u
は︑先決の抗弁の領域のまったく外部に横たわる︒
mの審理
~r;e'to'ri;
~o~niti;
のみが生じる︒二つの関連する請求が同時に裁判所の審理の対象となった場合には︑
こ こ
で は
︑
︑ ︑
︑
もっぱら法務官
政務官
ma gi st ra tu s
は︑被告の抗弁をまって対応するのではなく︑両訴訟の間での目的適合的な順序を定立するために職権で介入しなければならな
かった︒彼は︑より重要でない訴訟を︑より重要な訴訟の終結まで当然に中止した︒政務官
ma gi st ra tu
s
のこの禁止的命令 I こ
︑ ︑
︑ ︑
︑
れを︑先決の抗弁との対比において︑﹁先決の命令﹂と名付けよう│̲│に関連するのは︑
1 .
54
de ju d . c i t .
のみならず︑先決
pr ae ' ju di ci um
の阻止を問題とするローマの法学者たちの見解の大部分もまた︑そうなのである︒二つの関連する同時に係属している
訴訟のうち︑より重要な方が︑より重要でない方に優先するということ︑および︑裁判所は︑その訴訟指揮義務によって︑この点 ︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑ について︑自身で配慮しなければならないということは︑まった<一般的に妥当する︑すべての事例にとって正当な原則である︒
︑ ︑
︑
これに対して︑第二の種類の先決
pr ae u j d i c i u
は︑抗弁つまり先決の抗弁
mex ce pt io p r a e j u d i c i
によって防止されなければなら
iない︒裁判所は︑将来においてはじめて可能な訴訟については︑職権で考慮するべきではない︒将来の訴訟に対して先決が行なわ
れてはならないと被告が望むならば︑彼は必要な申し立てをすべきである︑
(2) (1)
つまり︑先決をなすような訴訟を抗弁で阻止しなけれ
ばならない︒ここでは︑もっぱら被告の私権が問題である︒しかも︑言葉の最も厳格な意味での抗弁権あるいは除外権が問題であ
る︒なぜなら︑この権能は︑原則的に︑決して被告に帰属しないものだからである︒将来の︑より重要な訴訟に対する先決が行な
われてはならないという原則は︑すでに提起された二つの訴訟のうち︑より重要な方がまず判決されなければならないという原則
ほど一般的に妥当するものではない︒最初に提起された訴訟に際して発生するかもしれない先決
pr ae ju di ci um
に対しては︑被告 ︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑ ある訴訟から︑他のすでに同様に係属している訴訟に対して生じる先決
pr ae ju di ci um
と ︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑ ある訴訟から︑他の未だまった<提起されていない︑将来においてはじめて可能な訴訟に対する先決が区別されるべきである︒
︑ ︑
︑ ︑
︑ ︑
両種の先決
pr ae ju di ci
a
は︑まったく異なる︒それぞれは︑特別の法制度を形作る︒それぞれについて︑特別の訴訟上の法的手
関 法 第 五 七 巻
一 号
一 九 六
︵ 一 九 六
︶
『訴訟抗弁論と訴訟要件•第六章第二節』
(
‑
︶
一 九
七
最も簡単にはつぎのように要約されうる︒
︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑
すでに提起された訴訟については︑先決
p r a e u d j
i c i um
は︑つねに︑そして職権で防止され︑将来の訴訟については︑例外事
︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑︑
例においてのみ︑そして被告の異議によってのみ︑防止される︒
︑︑︑︑︑︑︑︑︑
はほんのわずかの特別の場合︵相続回復請求訴訟
E r b s c h a
f t s p r o c e s s
および土地所有権返還請求訴訟
Gr un de ig en th um sp ro ce ss
の
︑ ︑
︑ したがって︑先決の抗弁
e x c e p t i o p r a e j u d i c i i
の適用領域は狭く限界づけられている︒それは将来の訴訟のためにのみ生じ
︑ ︑
︑
(4 )
t
﹂)︑そしてまたこれは一般的ではなくて︑右
h ' ( 1 f u t u r i e ni m j u d i c i i , n
on a c f t 1 n
om me U Ju sm od i e x c e p t 1 o n
e s com pa ra ta e s un
の例外事例においてのみである︒それは決して︑すでに係属中の訴訟の利益には適用されない︒係属中の訴訟に対する先決が行な われてはならないということ︑言葉をかえて言えば︑その間に︑より重要でない別の訴訟が優先したり︑前者よりも先に判決がな されたりしないということのためには︑すでに述べたように︑別の︑
しかも︑もっと包括的な方法で配慮がなされる︒そのような つねに阻止される︒審判人
ju dx
がこのことについて判断するのではない︒必要な防止手段を職権で講ず
るのは政務官
magistatus
の職務である。—ーー
︑ ︑
︑ この完全な区別の要点は︑手続の外的な相違ーー!まさにローマの方式書訴訟においてそうである││'の中にあるのでは決してな
( 5 )
い︒要点は︑たとえば一方では審判人
ju de
が︑他方では法務官
xp r a e t o r
が審理するということではない︒この形式的な差異は︑
︑ ︑
︑ 両種の先決事例の間に深く横たわる内的な対立の︑外的に特に鋭く現れる帰結にすぎない︒
問題なのは︑ほとんど名称によってのみ類似する二つの法制度の相違であり︑このことは︑まさにローマの方式書訴訟において 守られた形式から完全に独立しており︑また︑それの没落に決して影響されないものである︒右の区別の内的かつ本質的なことは︑
これは︑今日においても︑完全に正当である︒複数の訴訟の順序の完全な理論は︑今日の法によっても︑この原則にもとづく︒
現代の訴訟法学は︑以前から︑右の基本的な相違を顧慮していない︒先決の抗弁の制度と先決の命令の制度︑将来の訴訟の先決
ビューロー
︵ 一
九 七
︶
先決
pr ae ju di ci um
は ︑
利益において︶異議を提出しうるにすぎない︒
( 6
)
( 4 ) ( 5 )
り重要でない訴訟によって行なわれてはならぬということが︑
( 6 )
いる︑という点にである︒
︵ 一
九 八
︶
pr ae ju di ci um u t f
u r i praejudiciumjudiciiと倖匝犀〖中の訴訟の先決
p e n d e n t i s j u d i c
︑被告の申立による干渉と職権による干渉︑
i iそれぞれ相互に区別することをまった<怠っている︒先決の抗弁の制度のみが知られており︑そして︑そこに︑まったく異種の現
在の訴訟の先決
pr ae ju di ci um j u d i c i i p r a e s e n t i s
および職権による干渉の場合をも含ませているのである︒このあいまいで不当な 先決の抗弁の概念の︑実際上まさに耐えがたい帰結は︑以下の点に示されている︒すなわち︑将来の重要な訴訟に対する先決がよ
まったく一般的に職権によっても配慮されねばならぬと信じられて 先決の命令と先決の抗弁の示唆された限界づけを個々的に貫徹し︑また証明する前に︑そこにおいて︑主張された対立が最も明
瞭に表明されている史料の証言を相互に対立させてみよう︒
L .
13
de e x c
4.
4,
1 .
後出︱二六頁を見よ︒
W e t z e l l , S .
8 1 1
A
,
nm . 65
が考えるように︒だが他方で︑彼は︑区別自体は完全に正当と認める︒ーーー著者の以前の論文 においては︑この点がおそらくまだ十分に強調されていない︒概して︑この第二︑四および五節において述べられた観察が︑
そこではまだ見出されないのである︒人が一般的に︑前掲の論文
i D s s e r t a t i o n
において不十分にしか論じられていない先決
理論の全体の核心を見逃す︑という経験は︑著者に︑この章において詳しく演繹すること
i
そのほかの場合︑そうするこ
とが著者のお気に入りであるーが当たり前であるという決定をさせたに違いない︒
︑︑︑
P l a n c k , M eh rh ei t d er R e c h t s s t r e i t i g k e i t e n ,
§ 2 6
,
35
, 5
6
,
63
(とくに一八六頁︑一八七頁︑一九二頁︑一九四ー一九六頁︑
二 0 五ーニニ 0
頁︶もまだこの見解にたっている︒もっとも︑われわれは︑以前の言い知れないほど混乱した先決の抗弁理
︑ ︑
︑ ︑
︑ ︑
論に対する︑きわめて著しい進展をはっきりと彼に感謝する︒以前の理論について︑たとえば︑
Ra ev ar du s, l i b r
.
I I .
de
︑ ︑
︑ ︑
︑ ︑
p r a e j u d i c i i s ( i n o p p . r F a n k o
£ . 1 60 1, p .
815 ,
86 7) ,
B r a c k e n h o f t , i e d I d e n t i t a t u nd ma t e r i e l l e C o n n e x i t a t de r R e c h t s v e r h a l t n i s s e ,
︑
︑
︑
︑
︑
︑
︑
︑
︑
︑
︑
︑
︑
︑
︑
S .
35 1‑ 46 3,
B
et hm an n , H
ol lw eg , V er su ch e, S.
12 3£
£. ,
Zi mm er n, e G sc hi ch te de s r om . P r i v a t r .
3
§ 9 6 ,
L e
i s t , d e pe j u d . r a
i n
︑ ︑
︑ ︑
co nc ur su ca u s . c r i m . e t c i v i l i u m G o e t t . 1 84 0, S a v i g n y , S ys te m
6
S .
43 5‑ 43 7.
~
自加
L
ょ
゜ 車
コ 誌
呵 牛
心 迫
い の
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# と
牛 心
泣 い
の ム
叩 ム
下 の
泊 此
凹 同
︑ ︑
︑
これらの概念と先決の訴え
P r a j u d i c i a k l l a g e
(この意味での先決
p r a e j u d i c i a )
および中世において発見された
に ︑
さ ら
に ︑
関 法 第 五 七 巻
一 号
一 九
八
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