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定着板付き内蔵鉄筋を接合材として用いたコンクリ-ト充填鋼管柱梁接合部の力学性能評価 [ PDF

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Academic year: 2021

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50-1 1. はじめに  本研究は,定着板付き内蔵鉄筋を接合材として用いた コンクリ-ト充填鋼管接合構法( 以下,鉄筋内蔵 CFT 接合構法) の開発に向けた研究の一環である.本構法は, コンクリートを介して鋼管と内蔵鉄筋間で応力伝達を行 うものであり,鋼管を溶接しなくても接合部耐力が確保 できることに加え,鋼管が無溶接のため,溶材強度を超 えるような超高強度鋼管CFT にも適用可能であること が既往の研究により示されている1) ~ 3).そこで本研究で は,鉄筋内蔵CFT 接合構法を柱梁接合部に適用し,柱 梁接合部に普通鋼を,柱に超高強度鋼を用いた構造形式 を提案するとともに,その力学性状の確認ならびに力学 性能評価を目的として実験的に研究を行うものである. 1.2 本構法の概要  提案する接合構法の概要を図1 に示す.本構法では溶 接の避けられない柱梁接合部に普通鋼,CFT 柱材に超 高強度鋼管を用いており,内蔵鉄筋を介して接合される.  図1 に示す固定用金物は,内蔵鉄筋の固定ならびに施 工時の角形鋼管柱設置の容易さを踏まえて考案したもの であり,柱梁接合部の柱端部およびCFT 柱端部とはメ タルタッチとなっている.また前述の通り,柱材に超高 強度鋼,接合部に普通鋼を用いることを想定しており, 接合部が相対的に弱くなる場合がある.本構法では図1 に示すように,固定用金物を介することで幅の異なる鋼 管同士の接合も可能となっており,そのような場合でも

定着板付き内蔵鉄筋を接合材として用いた

コンクリ-ト充填鋼管柱梁接合部の力学性能評価

戸川 太吾 図1 本構法の概要 接合部に柱材より断面の大きな鋼管を用いることで必要 な接合部耐力を確保できるようになっている.  内蔵鉄筋には高強度ネジ節鉄筋を用いることを前提と している.これにより,専用のナットを用いることで内 蔵鉄筋や定着板,固定用金物および柱梁接合部などをユ ニット化できるため,大幅な施工性の向上が期待できる. また,内蔵鉄筋の両端には定着板を取り付けることによ り支圧抵抗を期待し,内蔵鉄筋の長さをできるだけ短く することを意図している. 2. CFT 部材に内蔵した定着板付き鉄筋の引抜き性状  本接合構法は曲げ引張力や引張軸力に対して,基本的 に内蔵鉄筋の引抜き抵抗により抵抗する.したがって, 本接合部の健全な力学挙動を実現するためには,内蔵鉄 筋の定着長さやコンクリート強度等を適切に評価する手 法が求められる.そこで,CFT 部材に内蔵した定着板 付き鉄筋の単調引抜き実験により,内蔵鉄筋の引抜き性 状を確認するとともに,引抜き耐力評価法を検討する. 2. 1 実験概要  試験体図面を図2 に示す.試験体は鋼管内部に所定の 定着長さを確保した上で,1 本または複数本の鉄筋を挿 入し,鋼管内部にコンクリートを充填したものである. また,鉄筋端部には定着板,鋼管内面にはずれ止めを2 段設けている.実験変数は定着板の有無,定着長さ,コ ンクリート強度,鋼管幅,鉄筋本数,かぶり厚,定着板 形状などとし,試験体数は計10 体である. 図2 引抜き試験体図面 (a)No.1( 単数本試験体 ) (b)No.9( 複数本試験体 ) ᅛᐃ⏝㔠≀ ᐃ╔ᯈ ᰕᱱ᥋ྜ㒊 (ᚑ᮶㗰࡛ᵓᡂ) ㉸㧗ᙉᗘCFTᰕ ෆⶶ㕲➽ ᶵᲔᘧࡎࢀṆࡵ 325 940 370 220 25 65 205 70 15 150 ᐃ╔㛗ࡉ (6d) ࡡࡌ⠇㕲➽ USD685(D25) ᐃ╔ᯈ(2d) PL-9(SS400) ڧ100™3.2 STKR400 ࡎࢀṆࡵ PL-6(SS400) 5 5 75 805 40 100 40 300 325 65 70 15 150 ᐃ╔㛗ࡉ (6d) ᐃ╔ᯈ PL-9(SS400) BCR295 ࡡࡌ⠇㕲➽ USD685(D19) 165 122 82 ࡎࢀṆࡵ PL-6(SS400) ڧ200™6.0 100 100 200

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50-2 0 100 200 300 -5 0 5 10 15 20 2. 2 破壊性状および荷重-変形関係  図3 に荷重-鉄筋抜出し関係および破壊性状を代表的 な試験体について示す.破壊性状は付着破壊,定着板や ずれ止めでの支圧破壊,コーン状破壊の組み合わせから なる.特に,定着板支圧破壊により急激な付着切れと剛 性低下,コーン状破壊により急激な耐力低下が荷重-変 形関係から確認できる. 2. 3 各破壊耐力の評価法の検討  本論では,定着能力の低下に大きく寄与すると考えら れる,定着板支圧破壊およびコーン状破壊について耐力 評価を行う.以下にその概要を示す.  コーン状破壊耐力については,文献4) で提案されて いる,Mohr-Coulomb の破壊基準に基づく極限解析によ る評価法に則るものとする.定着板支圧破壊耐力につい ては,定着部周囲の鋼管およびコンクリートの拘束を考 慮した耐力式を新たに導出するものとする.耐力式の導 出に際して,定着板近傍のコンクリートの応力状態を図 4 のように仮定する.コンクリートには引抜きによる支 圧応力sbと周辺のコンクリートや鋼管による拘束応力 slが生じている.せん断すべりが生じる時のsbとslの 関係は,Mohr-Coulomb の破壊基準により与えられ,材 引張荷重 支圧力 付着力 0 100 200 300 400 500 -5 0 5 10 15 20 (a) 定着板支圧破壊→コーン状破壊 ( 単数本試験体 ) (b) コーン状破壊 + ずれ止め支圧破壊 ( 複数本試験体 ) 鉄筋抜出し[mm] 荷重[kN] 図3 荷重-鉄筋抜出し関係および破壊性状 ○ ▽ 定着板支圧破壊 コーン状破壊 ○ ▽ 引張荷重 支圧力 付着力 鉄筋抜出し[mm] 荷重[kN] ▽ 図4 定着板近傍の応力状態 (a) 機構 S (b) 機構 C 立断面図 立断面図 図5 仮定する崩壊機構 0 200 400 600 800 0 200 400 600 800 0 200 400 600 800 0 200 400 600 800 計算値[kN] 実験値[kN] 計算値[kN] 実験値[kN] 複数本試験体 図6 各破壊耐力の比較 (b) 定着板支圧破壊耐力 (a) コーン状破壊耐力 料の粘着力c と内部摩擦角j を用いて次式で与えられる.    よって,周辺のコンクリートおよび鋼管の拘束耐力を評 価することにより,支圧破壊時の支圧力を求められる.  拘束力を評価するために,定着板周辺のコンクリート および鋼管について,図5 に示す 2 つの崩壊機構を仮定 する.崩壊機構は,鋼管の面外降伏とコンクリートのせ ん断変形を伴う機構S と,コンクリートの圧縮降伏によ る機構C があり,それぞれの機構から得られる拘束力の 小さい方を支圧破壊時の拘束力blPyとし,(1) 式を介し て支圧力bPyを求める.算定式を以下に示す.

(

2 2

)

sin 1 sin 1 sin 1 cos 2 r d B r P c P bl y y b ⋅ ′ − ′      ′ ⋅ − + + − ⋅ = j j j j

[

C

]

y bl S y bl y blP =min P , P

(

r A

)

B f PyC c bl = ′⋅ ′+ l b c js j j j s sin 1 sin 1 sin 1 cos 2 − + + − ⋅ = ……… (1) ………… (2) ……… (3) ……… (4) ……… (5) ○ ▽ 定着板支圧破壊 コーン状破壊 y ss c c f f′=ν⋅

(

1.698 −0.333

)

⋅ = fc ν :鋼管降伏応力 ただし, 文献5), b

s

l

s

すべり面 q tan 2 d r′− ′ 2 d r′− ′ 2 d r′− ′ 2 d r′− ′ q 平断面図 平断面図 2 d r′− ′ 2 d r′− ′ 2 d r′− ′ 2 d r′− ′ d d d d 1 2t D − 1 2t D − D −2t1 A A A2 d r′− ′ A B aA aA

(

r A

)

B f PyC c bl = ′⋅ ′+

(

)

      − + ′+ + + + = a a a a s 2 2 2 21 3 A B A A r t D t PS s y y bl

(

r A

)

B f PyC c bl = ′⋅ ′+

(

)

      − + ′+ + + + = a a a a s 2 2 2 21 3 A B A A r t D t PS s y y bl

(

+ ′+ +

)

+ ′ + + + ′  ⋅ = A r B A f A AB rA A t PyS s y c bl 3 4 2 3 61 2 1 3 3 22 2 2 2 1 a a a a s

(

+ ′+ +

)

+ ′ + + + ′  ⋅ = A r B A f A AB rA A t PyS s y c bl 3 4 2 3 61 2 1 3 3 22 2 2 2 1 a a a a s

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50-3 0 50 100 150 200 0 0.05 0.1 なお,鉄筋が複数本の場合における評価については,鉄 筋に囲まれたコアコンクリート部分が引抜き耐力に寄与 するとは考えにくいため,鉄筋とコアコンクリートを一 体断面と考え,1 本の大断面鉄筋とみなして評価している. 2. 4 各耐力の実験値と計算値の比較  図6 に各耐力の実験値と計算値の比較を示す.なお, 文献4),6) における,計 17 体の試験体についても併せて 評価している.コーン状破壊耐力に関しては,鉄筋が1 本の試験体については精度良く評価できているが,複数 本の場合に過大評価となっている.この一因として,本 実験における複数本試験体ではコーン状破壊に加え,ず れ止めでの支圧破壊などが複合的に発生していることが 挙げられる.また,定着板支圧破壊耐力に関しては,す べての試験体で精度良く評価できている.しかしながら, 複数本試験体で定着板支圧破壊が発生した試験体は1 体 のみであるため,鉄筋が複数本の場合における,本提案 式の妥当性については今後検証していく必要がある. 3. 鉄筋内蔵 CFT 継手の曲げせん断性状 3. 1 曲げせん断に対する引抜き耐力評価  前述の単調引抜きに対する引抜き耐力評価法を応用し, 曲げせん断作用時における内蔵鉄筋の引抜き耐力の評価 を行う.耐力の評価に際しては,曲げに対して引張側最 外縁に位置する鉄筋に注目する.これらの鉄筋および定 着板の引抜きに対して崩壊機構を仮定し,引抜き耐力を 算出する.設計の際には,この引抜き耐力が引張側最外 縁鉄筋の引張降伏応力以下であることを確認することに より,引抜き耐力の検討を行う.  耐力の算定において,引張側最外縁鉄筋に対する定着 板有効支圧領域を図7 のように仮定する.なお,本研究 で提案するような接合詳細では,最外縁引張鉄筋の間に あるコンクリートは周囲の鉄筋と一体的に動くものと考 375 750 190 ᐃ╔㛗ࡉ ෆⶶ㕲➽ (USD685) ୖഃᰕᮦ (BCR295) 250 ຍຊ἞ල ຍຊⅬ ୗഃᰕᮦ (BCR295) ᅛᐃ⏝㔠≀ ࡎࢀṆࡵ ᐃ╔ᯈ 205 200 55 55 55 図9 曲げせん断試験体図面 図8 コーン状破壊機構における降伏領域 (b) 立断面 (a) 平断面 図7 定着板有効支圧領域 えられるので,図7 に示すような一体断面であると仮定 する.また,鉄筋より内側の支圧領域については,ずれ 止め-定着板間に形成される圧縮ストラットのような応 力伝達経路が存在せず,大きな支圧力が生じるとは考え にくいため,有効支圧領域から除外している.コーン状 破壊の算定においては,図7 の有効支圧領域を起点とし たコーン状破壊機構を図8 のように仮定し,文献 4) に 示されている手順で耐力を算出する.定着板支圧破壊耐 力の算定においては,単調引抜き時と同様に,図5 に示 す定着部周辺の鋼管およびコンクリートの面外崩壊機構 を仮定し,Mohr-Coulomb の破壊基準を用いて算出する. 算定式については梗概では割愛する. 3. 2 鉄筋内蔵 CFT 継手部の曲げせん断実験の概要  図9 に試験体図面を示す.本実験は,内蔵鉄筋により 接合したCFT 継手部に単調曲げせん断力を加えるものと する.実験変数は中段筋の有無,鋼管幅厚比,鋼管幅お よび鉄筋本数,定着長さとし,試験体数は計5 体である. なお,コンクリート強度はFc30 とした.  実験結果の一例を図10 に示す.なお,図 10(a) 中に示 している耐力計算値は,3.1 節の評価法で得られた各破壊 発生時における引張側最外縁鉄筋の引張荷重を,平面保 持仮定により曲げモーメントに変換した値である.破壊 性状として,付着破壊,定着板の支圧破壊,ずれ止めの 支圧破壊,コーン状破壊が確認された.図10(b) に示すよ うに,ウェブ側コンクリートには引張側定着部を起点と してコーン状破壊面が形成されており,図8 で仮定した 破壊機構と良く対応している.また,実験最大耐力はコー ン状破壊耐力とよく対応している.一方で,定着板支圧 耐力に関しては最大耐力の5 割程度の値を示している. その一因として,鉄筋の付着作用を無視していることが 挙げられるが,詳細な検討については今後の課題である. 図10 曲げせん断実験結果一例 (a) 荷重-変形関係と耐力算定値の比較 (b) ウェブ側コンクリートの破壊状況 継手モーメント[kNm] 継手回転角[rad] コーン状破壊耐力 定着板支圧耐力 引張側 圧縮側 ᮾ ഃ す ഃ 領域W 領域F 有効支圧領域 定着板 鋼管 引張側 最外縁鉄筋

(4)

50-4 【参考文献】 福元敏之,岡安隆史,瀧正哉他:鉄筋を用いたコンクリー ト充填鋼管柱接合部の応力伝達機構に関する研究,日本建 築学会構造系論文集,第76 巻,第 668 号,pp.1873-1880, 2011.10.

Matsuo et al : Experimental Study on Mechanical Behavior of Exposed-type Square CFT Column Base with Built-in Reinforcing Bars, STESSA2012,pp.645-651,2012.1. 河口他:高強度鉄筋内蔵コンクリート充填鋼管柱継手の曲 げ性状に関する実験的研究,第10 回複合・合成構造の活用 に関するシンポジウム,CD-ROM No.44,2013.11. 李他:コンクリート充填鋼管に内蔵した高強度鉄筋の定着 部引抜き性状,鋼構造年次論文報告,第22 巻,pp.553-560, 2014.11.

COMIT EURO-INTERNATIONAL DU BETON:CEB-FIP MODEL CODE FOR CONCRETE STRUCTURE,1978. 李瑞東,戸川太吾,上岡幸太郎他:コンクリート充填鋼管 に内蔵した定着板付き高強度鉄筋の引抜き性状(その3), 日本建築学会研究報告,九州支部,第54 号,pp.621-624, 2015.3. 戸川他:内蔵鉄筋を接合材として用いたCFT 柱-仕口接合 部の力学挙動,鋼構造年次論文報告,第23 巻,pp.763-770, 2015.11. 1) 2) 3) 4) 5) 6) 7) 4. 柱材に超高強度鋼を用いた場合における性能検証 4. 1 実験概要  これまでの知見をもとに,柱に超高強度鋼を用いた場 合における本構法の性能検証を十字形部分架構試験体の 繰返し載荷実験により行った.試験体図面を図11 に示 す.本試験体は,柱に超高強度鋼(H-SA700) を用いたプ レス加工コラムを,接合部柱材に従来鋼(BCR295) を用 いた試験体である.なお,接合部柱材には超高強度鋼を 用いた柱材と同等の耐力を有するように断面の大きい鋼 管を使用し,固定用金物を介して接合している.鉄筋に は高強度ねじ節鉄筋USD685 を使用し,コンクリート 強度はFc60 とした.また,定着長さは 18D(D:鉄筋径 ) とした.載荷プログラムは層間変形角による変位制御と し,0.04rad まで 0.01rad 刻みで正負 2 回ずつ載荷を行っ た後,装置の限界まで正側に載荷を行った.以下,上側 継手部の実験結果について考察する. 4. 2 実験結果  図12 に継手モーメント-継手回転角関係および充填 コンクリートの破壊性状を示す.なお,図12 には文献 7) で提案されている評価法に基づく継手の曲げ耐力および 弾性回転剛性の実験値および計算値を併記している.  本試験体は0.02rad 正側載荷時に内蔵鉄筋の降伏によ り降伏に至った.その後,若干のスリップ性状を含むも のの,非常に安定した履歴挙動を示した.なお,超高強 度鋼の溶接部の破断等は確認されなかった.充填コンク リートには定着板での支圧破壊や前述のコーン状破壊面 が確認された.しかしながら,上記の破壊は載荷方向に 対して非対称的に生じており,最終ステップ載荷時に生 じたものであると考えられる.  また,曲げ耐力および弾性回転剛性の計算値について は,全塑性耐力および弾性回転剛性がやや過大評価と なっているが,いずれも精度良く評価できている. 引張側フランジ面 ウェブ面 図11 柱材に超高強度鋼を用いた十字形部分架構試験体図面 図12 履歴性状および破壊性状 1800 450 125 450 125 400 1950 200 200 1800 200 325 80 45° 325 300 ᰕᮦ(H-SA700) ᥋ྜ㒊ᰕᮦ(BCR295) ෆⶶ㕲➽(USD685) እࢲ࢖࢔ࣇ࣒ࣛ 253 48. 5 48. 5 350 303 555555 23. 5 23. 5 350 125 125 ᅛᐃ⏝㔠≀ ᱱᮦ(SN490B) PL 350™350™9(SS400) ࣆ࣮ࣥࣟࣛ ࣆࣥ 外ダイアフラム(SN490B) (a) 継手モーメント-継手回転角関係 (b) 充填コンクリートの破壊状況 5. 結論  本研究で得られた知見を以下にまとめる. 単調引抜き実験によりCFT 部材に内蔵した定着板鉄 筋の引抜き性状を調査するとともに,引抜き耐力評価 式を導出した.提案式により,実験値を精度よく評価 できたが,鉄筋が複数本の場合における本評価式の妥 当性については,今後検証が必要である. 引抜き実験の結果や既往の研究を参考に,曲げせん断 作用時における本接合構法の設計法を提案した.ま た,鉄筋内蔵CFT 継手の曲げせん断実験により,提 案した設計法の妥当性を検証した. 十字形試験体の繰返し載荷実験により,柱材に超高強 度鋼を用いた場合における本接合構法の性能検証を 行い,安定した履歴挙動を示すことを示した.また, 既往の評価式による各曲げ耐力および弾性回転剛性 の評価を行い,精度良く評価できることを確認した. ・ ・ ・ 上側 継手部 -300 -200 -100 0 100 200 300継手モーメント[kNm] 継手回転角[rad] 全塑性耐力 降伏耐力 弾性回転剛性 0 0.05 0.10 -0.05

参照

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