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JR東日本の高速車両開発 JR East High-speed Rolling Stock Development

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Academic year: 2021

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S pecial feature article

JR東日本としての新幹線車両の歴史は、国鉄時代の 1982年東北・上越新幹線開業時にデビューした200系新 幹線から始まります。当初は12両編成のオール電動車で 営業最高速度は210km/hでした。

その後当社管内の5方面に延伸した新幹線ネットワーク は様々な運行形態を有するようになり(図1)、200系後も この運行形態に合わせ、かつ営業速度を向上した新幹線 車両が開発されてきました。標準タイプの新幹線専用車 両の他に、秋田や新庄に向かう新在直通用車両、近距離 の大量輸送のための2階建て車両などお客さまのニーズに 合わせた車両が登場しました。さらにワンランク上のサー ビスを提供するグランクラス、乗って楽しい列車である「と れいゆ」や「GENBI新幹線」など、様々なサービスを提 供してきました(図2)。

長距離輸送を担う新幹線は、新幹線ネットワークの延 伸と共に航空機などとの競争を強いられます。お客さまに 新幹線を選んでいただくためには、如何に魅力的で快適 な新幹線とするかを考えなければなりません。例えば、

速度向上などによる目的地までの到達時間の短縮や、よ り良い乗り心地や快適な室内環境といった快適性の向上、

東日本旅客鉄道株式会社 JR東日本研究開発センター 先端鉄道システム開発センター所長

浅野 浩二

JR東日本の高速車両開発

JR East High-speed Rolling Stock Development

1. はじめに

お客さまそれぞれの要求に合った機能的サービスの提供 など、「乗りたくなる新幹線」を作り上げることが必要とな ります。

また世界の高速鉄道の動向を見てみると、多くの国で 300km/h超の営業運転が実現していますし、イタリアで はさらに速度を向上して360km/h営業運転を目指すこと がアナウンスされています。今後、当社の高速鉄道技術 の海外展開においても競争力維持のために高速走行技術 の蓄積が必要となってきます。

このような状況の中で当社ではお客さまに喜んでいただ ける、快適で安全、そして信頼性の高い新幹線車両をご 提供するべく、常に新しい技術を活用した新幹線車両シ ステムの開発を進めています。

新潟

北陸(長野)新幹線

新庄

新潟 山形

東京

仙台

福島 金沢方面へ

北海道新幹線 新青森〜新函館間 年 月開業 km)

上越妙高

長野 高崎 東北新幹線

上越新幹線

秋田新幹線

山形新幹線

北陸新幹線 長野〜金沢間 年 月開業

(長野〜上越妙高

秋田 盛岡

営業キロ ミニ新幹線

札幌 北海道新幹線 新函館北斗〜札幌間

年度開業予定

新青森 八戸 新函館北斗

大宮 上野

図1 JR東日本の新幹線ネットワーク

標準タイプ

E7系 E2系

2階建タイプ

E4系 新在直通タイプ

E6系 E3系

E5系

楽しい列車タイプ

とれいゆ つばさ

GENBI SHINKANSEN

図2 JR東日本の新幹線車両

(2)

Special feature article

2.2 FASTECH プロジェクト

FASTECHプロジェクトにおける試験車両の開発コンセ プトを図4に示します。

FASTECH360は「360km/h運転車両のプロトタイプ」

「高速走行時の現象解明の実験プラットホーム」「近未来 快適移動空間の提案ステージ」をコンセプトとした試験 車両です。次世代の実用車両に向けての技術検証を目的 としたプ ロトタイプ 車 両 であり、 新 幹 線 専 用 車 の FA S T E C H 3 6 0 S( 以下「 3 6 0 S」)と新在 直 通 車の FASTECH360Z(以下「360Z」)の2編成が製作されました

(図5)。

試験車両の名前のとおり営業最高速度360km/hを目標 として、「走行速度の向上」「安全性・信頼性の確保」「環 境への適用」「快適性の向上」を技術的な4大テーマとし て技術開発を進めました。

試験車両の製作と共に地上設備の改良も行い、目標営 業速度環境下での車両・地上設備の総合的な評価・検証を 目的とした走行試験を2005年から2009年にかけて実施し ました。

本稿では、これまでの高速車両の開発の概要とこれか らの新幹線車両に向けた技術開発に関してご紹介します。

JR東日本の高速車両開発

2.

2.1 新幹線高速化開発の経緯

技術開発部門にとって新幹線の高速化は普遍の課題で あり、この課題をクリアして営業速度を向上させるととも に鉄道技術を進歩させてきました。

ただ速く走るだけでなく、安全かつ快適に高速化を達 成するために、種々の試験車両により高速走行試験を実 施しました(図3)。1991年には400系新幹線で試験最高速 度345.8km/hを記録し、1993年にSTAR21試験電車で 425km/hを達成しています。2002年に発足した新幹線高 速化(FASTECH)プロジェクトにおいては、試験最高速 度を狙うのではなく、営業車両の速達性向上と最高水準 の信頼性・快適性、そして環境との調和を達成することを 目的として、高速試験車両FASTECH360により開発・試 験評価を実施しました。

360km/h運転車両の プロトタイプ

近未来快適移動空間の 提案ステージ

360km/hで営業運転できる車両を実現する

限界を見極めて各アイテムのチューニングを 行い量産車の最適スペックを見出す 

近未来の新幹線にふさわしい車内空間を

高速走行時の現象解明の 実験プラットホーム

デザインし社内外に提案する 

図4 FASTECH360開発のコンセプト

図5 新幹線高速試験電車(FASTECH360)

(左:FASTEC360Z 右:FASTECH360S)

※FASTECH: FASt TECHnology(高速技術)を短縮した造語、360は技術開発上の目標速度 400 系(山形新幹線

「つばさ」型車両)で 最高速度 345.8km/h

記録

速達性向上 最高水準の信頼性・快適性

環境との調和 高速試験専用車両

最高速度 425km/h 記録

1988-1991 1991-1998 2002 プロジェクト発足→

2005-2009(走行試験)

図3 JR東日本の新幹線高速化開発(試験走行)

(3)

Special feature article 特 集 記 事

2.3 主な技術開発の概要 2.3.1 走行速度の向上(図 6)

高速走行時に集電系から発生する騒音低減のために、

それまで1編成2台搭載されていたパンタグラフを1編成1台 とした集電システムの開発を行いました。パンタグラフに ついては、すり板を細かく分割し、それぞれをばねで支 えて架線へ柔軟に追従する「多分割すり板」を搭載した 新型低騒音パンタグラフを開発しました。これらの開発成 果とトロリ線の軽量化、高張力化等と合わせて、高速走 行においても極めて安定した集電が可能となりました。

安定した高速運転を実現するため、電動機方式や冷却 方式に異なる特徴を有する複数種類の高出力・小型軽量 主回路システムを開発しました。また車上に情報ネットワーク を構築し、制御指令の伝送化や機器コントロールを行う車両 情報制御装置を搭載しました。これらを使い、高速域での 粘着力を最大限活用して、空転・滑走が発生した場合には 編成内の軸位に応じた最適なトルク・ブレーキ配分を行って、

編成全体の加速力やブレーキ力を確保するようにしました。

2.3.2 安全性 ・ 信頼性の確保(図 7)

走行速度向上に伴う台車や台車部品の負荷増大に対応 するため、台車枠・輪軸については過去に製作した試験車 両のデータをもとに設計し、基礎ブレーキ装置、車軸軸受、

駆動装置等は負荷増大に対応した新方式のものを開発し ました。また、高速走行中の台車異常振動、車軸軸受、

駆動装置の異常を検知する台車モニタリング装置を新たに 開発しました。 実負荷耐久試験の他、 走行試験では 400km/h域までの高速走行安定性の確認、および360Zに ついては在来線小曲線の通過性能検証を行いました。

地震発生時の安全性確保については、非常ブレーキ 指令の迅速化と万一脱線しても車両が軌道から大きく逸 脱することを防止する逸脱防止車両ガイドの開発を行いま した。また速度向上に伴う地震発生時のリスク上昇を抑 制するために、編成内各車の粘着力を最大限活用する編 成ブレーキ力制御や滑走時のブレーキ制御方法の改良 に加え、これまでにない方式として空気抵抗増加装置を 開発しました。

新幹線車両に付着した雪が高速走行中に落下すると、

地上設備や車両を破損させる原因となります。そこで車両 への着雪量を減らすため、雪の着きにくい台車構造、ヒー タによる融雪などの試験を行いました。

2.3.3 環境への適合(図 8)

騒音の抑制は新幹線高速化における重要な課題の一つ です。車両対策の主なものは、パンタグラフの空力音対 策としてパンタグラフ台枠の低騒音化、一本主枠型低騒 音パンタグラフ、パンタグラフ遮音板、全周ホロ、乗務員 乗降口の取手部の平滑化、スノープラウカバー、プラグ 式ドア、台車カバーの空力音対策、車体下部スカート部・

床下部の吸音構造の開発を行いました。また地上のスポッ ト対策として、上部を改良して回折減衰効果を高めた新 型防音壁の技術開発を行いました。

新幹線の高速化に伴って増大するトンネル微気圧波対策 として2種類のロングノーズ先頭形状および異なるノーズ長の 比較検証を行いました。また地上対策としてコストダウンを目 的にダクト付緩衝工、軽量パネル型緩衝工の開発を行いま した。

【高速対応基礎ブレーキ】

ライニング分割式

中央締結式ブレー キ ディス ク

【粘着力増加装置】

セ ラミック粒子噴射装置

実負荷耐久試験 高信頼性・

低騒音駆動装置

高速対応車軸軸受 走行関係部品の信頼性確保

ブレーキ性能の向上・非常ブレーキ距離の短縮

着落雪防止対策

融雪ヒータ付台車端部フサギ板 地震発生時対策

逸脱防止車両ガイド

安全性・信頼性の 確保

【空気抵抗増加装置】

図7 主な技術開発の概要(安全性・信頼性の確保)

多分割すり板搭載パンタグラフ

永久磁石同期電動機 

バネ すり板  高速集電性能確保

走行速度の向上  【第1ユニット(2、3号車)】 

走行風冷水冷却主変換装置 

【第2ユニット(4、5号車)】 

高出力・小型軽量主回路システム

走行風冷水冷主変換装置を 特徴とする主回路システム 

永久磁石同期電動機を 特徴とする主回路システム 

走行風冷主変圧器を特徴  とする主回路システム 

走行風冷主変圧器 

【第3ユニット(6、7号車)】 

冷却フィン 

図6 主な技術開発の概要(走行速度の向上)

(4)

Special feature article

2.3.4 快適性の向上(図 9)

高速走行中の左右・上下振動対策のため台車の諸元を基 本から見直すとともに、走行試験を通してさまざまなチュー ニングを実施しました。また動揺防止装置アクチュエータ を空気式から電磁直動式・ローラーねじ式に変更し、応 答性、制御力を高め更なる左右振動低減を図りました。

さらに曲線通過時の乗り心地向上のために構成がシン プルな空気ばねストローク式の車体傾斜制御機構を導入 しました。これにより、超過遠心加速度を抑制しながら 曲線通過速度を向上することが可能となりました。併結 走行時の空力加振によるトンネル内動揺防止対策として 動揺防止装置の制御方法のチューニングを行い、乗り心 地の向上を図りました。

高速走行中も車内の静粛性を維持することは、お客さ まの快 適性にとって重要です。FA S T E C H 3 6 0では 360km/h走行中でも車内で普通に会話ができる程度の 静粛性を目指し、車体の遮音性向上と空調・床下機器等 の低騒音化を行いました。その他、快適な座り心地の椅 子やご利用しやすいサニタリースペースの開発も実施しま した。

2.4 FASTECH 開発成果の営業車への適用

前述のFASTECH360の試験結果などを基にして環境 対策やコスト対効果を検討した結果、E2系・E3系新幹線 車両の後継となるE5系・E6系新幹線車両の営業速度は国 内最高速となる320km/hとなりました。

FASTECHプロジェクトにおける開発成果でE5系新幹 線車両に採用された主な項目は以下のとおりです(図10)。

○環境性能の向上

・ロングノーズタイプ(先頭長15m)の先頭形状

・台車カバー、全周ホロ、低騒音パンタグラフ

○走行性能の向上と信頼性の確保

・主回路装置、分割スリ板パンタグラフ、ブレーキ装置

○快適性の向上

・電動式フルアクティブサスペンション(編成全車両)

・空気ばねストローク式車体傾斜制御システム 当初の目標であった営業速度360km/hの実現にはあと 一歩及びませんでしたが、今までの営業速度より45km/h も高い走行速度で安全性・信頼性・快適性を満足する車両 を実現できたことは大きな成果であったと考えています。

【車体動揺の防止】 

【曲線通過時の  乗り心地向上】 

【近未来快適移動空間の提案・快適な椅子】 

5号車(特別車)  6号車(普通車:2-2) 7号車(普通車:2-3) 

快適性の向上 

遮音性の高い車体構体  乗心地の向上 

車内静粛性の向上 

電磁アクチュエーター

FASTECH360S客室内  

サニタリースペース

女性専用エリア FASTECH360S FASTECH360Z室内

12号車(特別車) 

13号車(普通車) 

15号車(ミーティングスペース) 

動揺防止装置 車体傾斜制御機構 

制御装置

図9 FASTECH360の概要(快適性の向上)

○環境性能の向上

○車両諸元

編成 10両(8M2T) 車体 アルミニウム合金製車体 (車両性能)最高速度 320km/h

制御方式 VVVFインバータ制御 交流電動機 量産先行車 トンネル微気圧波を低減する

ロングノーズタイプの先頭形状 全周

台車カバー ホロ 低騒音パンタグラフ

電動式フルアクティブサスペンション

全車搭載による乗り心地の向上 空気ばねストローク式車体傾斜制御 による曲線通過時の乗り心地向上

台車 車体 制御器 新型アクチュエータ による動揺防止

動揺検知 センサ

○走行性能の向上 と信頼性の確保

・パンタグラフ

・主回路装置

・ブレーキ装置

○快適性の向上

図10 E5系新幹線で採用した開発成果

【低騒音パンタグラフ】 

【床下吸音構造】 

スカート部  機器下面 

【全周ホロ】(車体平滑化) 

【先頭のロングノーズ化(16m)】 

先頭形状の最適化(異なる2形状の比較) 

Arrow-line 8号車  環境への適合 

トンネル微気圧波の抑制 

騒音の抑制  【パンタグラフ遮音板】 

一本主枠型  Z型遮音板(2005年6月) 

平板型遮音板(2007年4月) 

【断面積の縮小】 

現在の車両(E2系) 

11.2㎡

954形式  10.8㎡ 

Stream-line 1号車 

「くの字」 主枠型 

2005年6月  2007年4月 

図8 主な技術開発の概要(環境への適合)

(5)

Special feature article 特 集 記 事

次世代の新幹線に向けた技術開発

3.

3.1 実現すべき新幹線像

「1.はじめに」でも述べましたが、お客さまに選んでい ただける魅力的で快適な新幹線を作り上げることが我々 のミッションです。E5系・E6系の後継となる次世代の新幹 線像を考えた時、キーワードとなるのは「安全性・安定性」

「快適性」「効率性」「環境性能」そして「インテリジェン ト化」です(図11)。

「安全性・安定性」は、お客さまに安心してご利用いた だく鉄道事業者としての使命であり、車両・地上設備状態 をリアルタイムで把握し情報共有化すると共に外部要因に 左右されにくいレジリエントな鉄道システムを目指します。

「快適性」は、速度向上などによる目的地までの到達時 間の短縮による利便性向上の他に、お客さまの要求に 合った機能的サービスの提供、上質な車内空間の提供を 目指します。「効率性」は、モニタリングやCBMによるメ ンテナンス低減や設備と車両のベストマッチングによるコ スト低減、設備のスリム化を目指します。「環境性能」は、

騒音・微気圧波といった沿線環境維持・改善の他に省エ ネ性能の向上を目指していきます。これらを実現するため にIoT×AIを活用した車両の「インテリジェント化」が必 要と考えています。

3.2 高速化の課題と要素開発

お客さまサービスに関して到達時間短縮は重要な要素 であり、これまで目指してきた高速化は今後も追及してい くべき課題です。FASTECHプロジェクトの研究開発を通 じて、360km/hの速度域を目指すための課題は項目とし てはかなり絞り込まれてきましたが、残された課題のハー

ドルはそれぞれ非常に高いこともはっきりしています。こ れらは一朝一夕に解決できる課題ではありませんが、次 なる飛躍を目指してこれまでの経験をもとに、研究開発に 引き続き取り組んでいきます。以下に代表例をご紹介しま す。

(1) 新幹線高速化の重要な課題の一つに、高速走行中の 沿線騒音を低減することが挙げられます。新幹線の主 な騒音発生部位は、パンタグラフと台車周辺です。こ のうちパンタグラフの騒音低減に関しては、シミュレー ションを活用して騒音発生要因を検討し、対策形状の 風洞試験等での評価、遮音、吸音手法等の検討も併 せて、総合的な低減対策の開発を進めています。台 車各部位から発生する空力騒音については、音源の 特定と対策の検討を進めています。特に車輪周辺の 音源候補の一つであるブレーキディスクの回転に伴い 発生する空力騒音について、騒音を低減するディスク フィン形状を開発中です(図 12)。

(2) 高速走行からの減速 ・ 停止を如何に早く行うかは、

地震発生時の安全性確保の面からも重要な課題で す。現状は車輪とレール間の粘着力に頼った機械ブ レーキ(ディスク&キャリパ&ライニング)のみの装備 ですが、地震時において高速域で不足する粘着ブ レーキを補い、ブレーキ停止距離を短縮する非粘着 式の減速度増加システムを開発しています。ひとつは FASTECH では通称「ネコミミ」と呼ばれていた空 気抵抗増加装置を小型分散化した「空力抵抗板ユニッ ト」であり、もうひとつはリニア技術を応用した「リニ ア式減速度増加装置」です(図 13)。

IoT×AIの活用 インテリジェント化

多様なお客さまの多様なニーズに対応する

快適性 安全性・安定性

徹底的なこだわり

沿線地域にも、地球にも優しい

環境性能

コスト構造の変革

効率性

機能的サービス 上質な車内空間 到達時分の短縮 車両・地上設備の状態モニタリング

自然災害・雪・寒さに強い 輸送品質向上

モニタリング&CBM 設備・車両のベストマッチング

設備のスリム化

環境性能を向上 省エネ優位性を磨く

図11 次世代新幹線の主な特徴

図12 沿線騒音低減対策

・ブレーキディスクの回転に伴う空力騒音に ついても、騒音低減に向けて低騒音形状 の開発

・車両下部から発生する空力騒音について、

シミュレーションや風洞試験を活用した音源の特定 や対策の検討

平均

1/3オクターブバンド中心周波数(縮尺換算後) [Hz]

騒音変化量[dB]

実験結果 実験に使用した

台車模型

実験結果(開口部有無による差、定置試験)

・シミュレーションや風洞試験等を活用し、空力騒音を さらに低減できる新型パンタグラフの開発 遮音板

パンタグラフ舟体

(A)現在の形状 (B)改良形状 表面圧力変動の例

・遮音・吸音手法を用いた集電系騒音の更なる低減を検討

ディスク

主電動機 ヨーダンパ ギアケース ブレーキキャリパ 軸箱 車輪

FLOW FLOW

(6)

Special feature article

(3) 当社の新幹線車両運用の特徴の一つに新幹線区間と 在来線区間を直通する新在直通運用があります。その 運用に供する新在直通用車両は、新幹線区間の高速 走行安定性と在来線区間の小曲線通過性能を両立す る必要があります。新幹線区間の最高走行速度が向 上するほど両者の性能の両立が困難となってきます が、軸箱前後支持剛性やヨーダンパ減衰などの台車 諸元の最適化をとおして課題解決を試みています

(図 14)。

4. おわりに

2016年11月にJR東日本は「技術革新中長期ビジョン」

を発表しました。このビジョンのコンセプトは「IoTやビッ グデータ、AI等により『モビリティ革命』の実現をめざす。」

です。我々が取り組んでいる次世代新幹線の実現は、こ のモビリティ革命の一翼を担うものです。

技術的進歩が著しいIoT、AI技術を活用して新幹線車 両のインテリジェント化を実現し、安全・安心・快適にお客 さまにご利用いただける新幹線を作り上げたいと考えてい ます。車両のインテリジェント化とはどのようなものか?

如何に実現するのか?等試行錯誤しながら技術開発をと おして具体化していきたいと思います。

●新・在で大幅に異なる走行条件の両立が必要

軸箱前後支持剛性 硬い 柔らかい

軸間距離

② 支持剛性低減

・だ行動限界速度 低下

・在来曲線通過性能 ⇒ 横圧低減

① 落成時

・高速域までだ行動発生なし

・在来曲線通過性能

⇒ 著大横圧発生

③ 軸間距離短縮

・だ行動限界速度 低下

・左右乗り心地 低下

在来曲線通過性能 ⇒ ②と同等

高速走行安定性 曲線通過性能 高速走行安定性 低

曲線通過性能 長い

短い

②を採用

■Fastech360Z(E955)横圧対策経緯

軸間距離 

軸箱前後  支持剛性 

軸箱左右  支持剛性 

ヨーダンパ 

○ 軸箱前後支持剛性低減

○ 軸間距離短縮

○ ヨーダンパ減衰力低減

○ 軌道側対策

(ロングレール化、レール削正等)

横圧対策 

+減衰切替式ヨーダンパ  新幹線区間

高速走行安定性

在来線区間 曲線通過性能(横圧特性)

図14 新在直通車両の性能検討 図13 停止距離の短縮

①空力抵抗板ユニット

(FASTECHネコミミ(空気抵抗増加装置)の改良)

②リニア式減速度増加装置

(リニア技術を応用した渦電流式減速度増加装置)

粘着ブレーキ

・空力抵抗板ユニット

・リニア式減速度増加装置

・機械ブレーキ

小型化分散搭載により空気抵抗力を確保 FASTECH360のネコミミ(空気抵抗増加装置) 

空力抵抗板ユニットの搭載イメージ 

収納時 展開時

動作時のみレールに近づける可動式

(レールには接触しない)

リニア式減速度増加装置の外観(案) 

地震時において、高速域で不足する粘着ブレーキを補い、

ブレーキ停止距離を短縮するとともに、室内空間を狭くしない 非粘着減速度増加装置の開発

非粘着減速度増加装置

0.5m 1m

空力抵抗板ユニット 抵抗板

レール 渦電流

交流電磁石 インバータ

搭載スペース

参照

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5. まとめ

現行加速走行騒音試験法の課題(乗用車・小型車)

今回,E5系やE6系では平滑取っ手の採用などによる車 体形状の平滑化を図り,図5に示す吸音材付き側カバー

Toshio Hirota, Environmental Research Institute, Waseda University, Japan 9 時間(sec) 音の大きさ (dB) 加速の 強さ (m/ s2) 時間(sec)

 プロジェクトの概要

 小牧研究施設では「鉄道技術のブ ラッシュアップ」として,常に鉄道に おける最先端の技術開発に取り組んで

表1300系新幹線電車の構体特性 構体の軽量化,耐圧強化を行 いながら,従来の100系新幹線電車に劣らぬ諸特性を得ている。 項目 車種 質

L文17 サイリスタモータ装置実験状況