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学生時代と図書館 「私の図書館利用法」

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Academic year: 2021

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GAIDAI BIBLIOTHECA

私は、大学生時代にそれほど勉強熱心ではなかっ たためか、図書館を利用するのは試験準備がほとん どであったと記憶している。図書館で頻繁に何かを 調べるとか図書を借り出して読むということをした かというとそのようなこともあまりなかったように 思う。

図書館についての思い出というと、大学2年生 の春だったと思うが、中国語学科の先生から図書館 に新しく入った中国語書籍の整理を手伝うようにと の話があり、私を含め数名の学生が図書館の一室

(現在の事務室)に集められた。作業の内容は、中 国語書籍名と著者名の発音をピンイン(中国式発音 ローマ字)で表記することであった。これは簡単な ようで実はなかなか大変な作業である。中国語を学 び始めて1年余りの学生と言えば、それほど多くの 簡体字(簡略化された漢字)や繁体字(簡略化され る以前の漢字)を知っているはずもない。それが見 覚えのある漢字であるならまだしも初めてお目にか かる漢字であれば、《新華字典》(中国で最も規範 的な字典)を利用して筆画を調べ、実際の発音を表 記しなければならなかった。お陰で多くの漢字の発 音を覚えることができたと同時に図書館の業務の一 端を垣間見ることができたことは私には新鮮であっ た。

大学院に進んでからは、自らの研究と関係がある 著書や論文のうち、入手困難なものを図書館で探し、

それを借り出したり、複写依頼をしたりして活用さ せてもらった。この時ほど図書館のありがたさを実 感したことはなかったように思う。進学した大学院 には、私の研究領域である語学のみならず中国文 学・中国哲学などの専攻も開設していたので、図書 館には語学以外の様々な図書も収蔵されていた。幾 度となく中国関係図書が整然と並ぶ書庫に足を踏み 入れ、自らの研究に関する本を探すだけでなく、他

の分野の書籍をじっくり 見て歩くことで得たもの も多い。

入手が比較的容易なも のは、無理をしてでも購 入した。当時、中国語書

籍の流通環境が悪かったためか、書店で売り切れと なった本が今度いつ入荷するのか、また、入荷しな いのかが判明しにくい事情もあり、緊急に読む必要 があるか否かに関わらず、欲しいと思った本は購入 するように心がけた。もっとも大半は「つんどく」

に終わったが…。親からは、「こんなにたくさん本 を買ってどうするのか!?」と、度々言われはした が、そのうち親も呆れてしまったようで、何も言わ なくなってしまった。

入手困難あるいは個人では所有できない図書は、

図書館を利用させてもらう。これが私の大学院時代 から現在までの図書館利用の方法である。自らの研 究が予期せず他の分野に広がることもある。購入す るまでもないが、どうしても目を通さなければなら ない図書や資料は、図書館所蔵のものを利用させて もらっている。

今や必要な図書や資料はコンピュータで簡単に検 索できる時代となっている。便利この上ない。しか し、同時に図書館の本は、本来大学の所有物であり、

大勢の人が利用するものであるという意識の欠如か らか、本を丁寧に扱わない状況が見受けられるのは 残念である。図書館の図書を利用する者は、最低限 のマナーを守って欲しいものである。

本を大切に、丁寧に扱うと言えば、このようなこ とが以前にあった。ある学生に私が所有している本 を貸したところ、きれいな模様がついた紙のカバー を付けたまま返してくれた。おそらく、その学生は、

私から本を借りた後すぐにそのカバーを付け、読み 終わってからカバーをはずすことなくそのままにし て、「貴重な本を借りたのだから、そんざいに扱っ ていませんよ」という証にしたのだろうと思う。こ のような心遣いは、貸す側も気分の良いものである。

きただ くにひこ(教授・中国語学・中国語教育)

 

学生時代と図書館 

「私の図書館利用法」 

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喜多田久仁彦 

参照

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