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情報サービス業

産業分類コード 39

(2)

2

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① 営業種目

‣ ソフトウェア業

‣ 情報処理・提供サービス業

② 業界規模

総売上高 17 兆 5,091 億円 上場企業数 219 社

非上場企業数 90,976 社

③ 業界サマリー

情報通信業は、ハードウェア、ソフトウェア、情報処理・提供サービス、インターネット・Web の4つの業 界に大別され、市場規模は約 50 兆円を有する。このうち、情報サービス業は、IT 業界のうち、「ソフトウェ ア業」と「情報処理・提供サービス業」の2つを含み、市場規模は約 17 兆円である。

情報サービス業の売上高構成は、受託開発ソフトウェア業が約 50%を占め、次いで情報処理サービス業が 20%超を占めている。

従業員構成では、ソフトウェア業で従業員 100 名未満の事業者が約半数、500 名以上の事業者が約 25%と なっており、情報処理サービス業では、従業員 100 名未満及び 500 名以上の事業者がそれぞれ約 35%となっ ている。産業人口の半分以上は中堅・中小企業の人材で構成されている。

「ソフトウェア業」は、①顧客の委託により、コンピュータプログラムの制作を行う「受託開発ソフトウ ェア業」、②情報通信機械器具、輸送用機械器具、家庭用電気製品などに組み込まれ、機器の機能を実現する ためのソフトウェアの制作を行う「組み込みソフトウェア業」、③多数の顧客の利用を意図して作成されるパ ッケージソフトウェアの制作を行う「パッケージソフトウェア業」、④家庭用テレビゲーム機、携帯用電子ゲ ーム機、PC 等で用いるゲームソフトウェアの制作を行う「ゲームソフトウェア業」の4つに大別される。

「情報処理・提供サービス業」は、①コンピュータなどを用いた顧客の計算処理の請負や、データエント リーサービスなどを行う「情報処理サービス業」、②データベース業ともいわれ、各種のデータを収集、加 工、蓄積し、情報として提供する「情報提供サービス業」、③市場調査、世論調査など他に分類されない「そ の他の情報処理・提供サービス業」の3つに大別される。

(業界としての特徴)

‣ ゼネコン型の重層的な下請け構造を形成 : 下位層ほど受注が不安定。

‣ 新規参入が容易で競争が激しい : ソフトウェア業において顕著。

‣ 大都市集約型 : 東京だけで、事業所数約 30%、従業員数約 50%、売上高約 60%を占める。

‣ 労働集約型 : コンサルティングやソフトウェア開発などは、機械化が困難。

情報サービス業(産業分類コード 39)

(1)市場概要

(出所)総務省・経済産業省「平成 30 年情報通信業基本調査」

(3)

3

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84.1%

95.9%

59.8%

43.8%

29.3%

11.1% 8.2%

2.2%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

資本金 3,000万円~1億円未満 資本金 3億円以上

元請け 一次下請け 二次下請け 三次以降の下請け

業界の構造は、元請けとしてシステムインテグレーション(SI)を行う業者である SIer(上流工程)→下 請けのベンダー・ソフト開発企業(中流工程)→孫請けのソフト開発企業(下流工程)のように、多重下請 け構造となっている。

業界企業は、コンピューターメーカー系列会社である「メーカー系」、ユーザー企業の情報システム子会 社である「ユーザー系」、独立資本会社である「独立系」の3つに大別される。メーカー系、ユーザー系で は、親会社からの受注が多く、独立系においては、大口顧客からの受注に依存していることが多い。

資本規模が大きくなるほど元請けの割合が増加し、逆に下請けの割合は減少する。下請けの底辺では、単 価が元請けの3分の1以下になっていることも珍しくないため、下請け構造の頂点に近いほど収益力が向上 する。

顧客企業・官公庁

ハードウェア ベンダー

SIer (富士通・NEC・日立製作所など)

パッケージ

ソフトベンダー 通信会社 ソフトウェア 開発企業

ソフト開発 企業

ソフト開発 企業

(2) ビジネスモデル

元請け・下請けの資本金規模別企業数割合(2016 年)

多重下請け構造

(出所)総務省「情報通信業基本調査報告」

(4)

4

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91.9 92.1 92.2 92.3 92.3 92.3 91.6 90.8 89.4 87.5 85.7

17.1 19.5 21.9 24.4 26.9 29.3 34.8 40.2 46.1 52.5 58.7

100.0 102.4 104.8 107.1 109.4 111.6 116.0 120.2 124.4 128.4 132.5

0 20 40 60 80 100 120 140

0 20 40 60 80 100 120 140 160

2015 2016 2017 2018 2019 2020 2022 2024 2026 2028 2030

(万人) 供給人材数人材不足数

市場推移シナリオ(数値は2015年を100としたときの市場規模)

クラウド技術やビッグデータ分析の活用ニーズの高まりに加え、ドローン、人工知能、IoT などの新技術 を活用したビジネス展開や FinTech など他産業と IT を融合したサービスの増加により、情報サービス業の市 場は拡大を続けている。

特に、ビッグデータ、人工知能、IoT に関わる市場は拡大が期待されており、モノをインターネットに接 続し、情報交換や制御を行うために必要なソフトウェアを開発する「組み込みソフトウェア業」の市場規模 の拡大が顕著である。

一方で、クラウドサービスの市場拡大に伴い、サーバーやソフトウェアの一括販売モデルは縮小していく とみられ、「受託開発ソフトウェア業」や「パッケージソフトウェア業」の市場が伸び悩むなど、情報サー ビス業全体の市場としては拡大傾向にあるものの、技術動向による業界ごとの好不況の差がうかがえる。

IoT 化によって様々なモノが常時インターネットに接続した状態になることから、情報流出リスクの高まり が懸念され、斯業界では特に情報セキュリティの強化が求められる。2020 年の東京オリンピックや、2025 年 の大阪万博において、日本政府・企業がサイバー攻撃の標的となることも考えられ、情報セキュリティに関 わる技術やサービス、人材は今後さらに求められると思料される。

市場の拡大により、産業人口の確保が求められる業界であるが、人材は不足している。情報通信業全体の 市場規模は今後も拡大が見込まれるものの、供給人材は 2019 年をピークに減少に転じ、2030 年には約 60 万 人の人材不足が予想されている。技術革新が早く、最新技術に適応したスキルを持つ人材の獲得競争も激し い業界でもあるため、斯業界で生き抜くためには、今後ますます人材の維持・確保及び育成が重要となる。

(3) 業界動向

インターネットにつながるモノの数の推移・予測 クラウド・コンピューティングの利用拡大

(出所)経済産業省「IT 人材の最新動向と将来推計に関する調査結果(平成 28 年 6 月)」

10.9%

12.2%

14.1%

14.7%

16.0%

16.0%

17.1%

18.0%

19.7%

19.9%

39.2%

36.3%

40.9%

36.1%

45.7%

34.2%

38.6%

33.1%

36.3%

38.7%

44.3%

43.8%

41.0%

43.0%

35.1%

41.7%

40.2%

41.9%

37.3%

36.2%

4.5%

6.0%

3.3%

4.8%

2.5%

6.4%

3.0%

5.4%

5.5%

3.9%

1.1%

1.7%

0.6%

1.4%

0.8%

1.7%

1.1%

1.6%

1.1%

1.3%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

SNS ウェアラブル端末 モバイル端末 デジタルビジネス クラウドコンピューティング ロボット 情報セキュリティ 人口知能 IoT/M2M ビッグデータ

大 幅に拡 大する あ る程度 拡大す る あ まり変 わらな い や や縮小 する 大 幅に縮 小する

(5)

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(出所)中小企業庁「平成 30 年度中小企業実態基本調査」

(安全性分析)

情報サービス業の自己資本比率は、46.4%と高い水準となっている。加えて、流動比率は 221.8%、固定比 率は 55.6%、借入依存後 22.2%といずれも優良な水準であり、安全性の高い業種といえる。サービス提供に おいて、固定資産への大規模な投資を必要としないため、設備投資用途の借入が抑えられ、負債の割合が低減 されることが要因と考えられる。

(収益性分析・生産性分析)

斯業種は、労働集約型の産業であり、人件費のコスト割合が高くなるため、営業利益率(5.5%)は売上高 総利益率(49.3%)に比べ大幅に低い水準である。

付加価値の創造は、機械や設備によるものではなく、労働に依存しているため、付加価値に占める人件費の 割合を示す指標である労働分配率は 58.4%と高い水準にあり、労働集約的産業であることがうかがえる。

(効率性分析)

斯業種においては、提供する商品・サービスのほとんどは無形であるため、棚卸資産回転期間は 0.3 か月と 短期である。サービス提供において、大規模な設備を要しないため、必要最低限の資本で効果的に収益を生み 出しており、総資本回転率は 1.4 回となっている。

【 財務指標(2018年度) 】

情報サービス業 インターネット付随 サービス業

安全性

自己資本比率(%) 46.4 49.9

流動比率(%) 221.8 230.6

固定比率(%) 55.6 52.0

借入依存度(%) 22.2 24.0

収益性

売上高総利益率(%) 49.3 52.8

売上高営業利益率(%) 5.5 6.5

売上高経常利益率(%) 6.1 6.8

効率性

売掛債権回転期間 1.8 1.5

棚卸資産回転期間 0.3 0.1

買掛債務回転期間 0.7 0.5

総資本回転率(回) 1.4 1.4

生産性

労働分配率(%) 58.4 38.9

資本生産性(%) 97.4 95.2

(4) 財務指標分析

(6)

6

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■与信限度額の設定方法

与信限度額とは、取引において自社が許容する信用供与の最大額であり、いかなる時点でも超過してはなら ないものである。与信限度額は、「必要かつ安全な範囲内」で設定する必要がある。必要な限度額は、取引実 態を基に算出し、安全な限度額は、自社の財務体力や取引先の信用力(格付)を基に算出する。

●与信金額(必要な限度額)

実際の取引において、必要となる与信金額。情報サービス業において発生する与信取引としては、ソフトウ ェア販売・開発などでの「売買取引」が挙げられ、スポットでの取引が主と考えられるが、継続取引の場合、

取引における必要な与信金額は、月間の取引金額に回収サイトを掛け合わせた金額で算出される。

与信金額 = 月間の取引金額 × (回収サイト)

取引を行う際には、自社の取引条件が斯業界の平均水準から大きく乖離していないか、確認すべきである。

買掛債務回転期間の業界標準値が「斯業界の平均的な支払サイト」を表しているため、「月間の取引金額×買 掛債務回転期間の業界標準値」によって、与信金額の基準とすることができる。

非鉄金属製造業に対する平均的な与信金額 = 月間の取引金額 × 0.7 ヵ月

●基本許容金額(安全な限度額)

基本許容金額は、自社の財政がどの程度の貸倒れまで耐えうるかを予め計ることで、自社の体力を超える取 引に対する牽制機能を働かせるものであり、自社の財務体力と取引先の信用力を考慮して算出する。一例とし て、自社の自己資本額に対して、取引先の信用力(格付)に応じた割合を安全な限度額とする方法がある。

基本許容金額 = 自社の自己資本額 × 信用力に応じた割合

(例 : A 格 10%、B 格5%、C 格3%、D格 0.5%、E 格 0.3%、F 格0%)

●売込限度額(安全な限度額)

販売先において、自社との取引シェアが高くなり過ぎると、自社が取引から撤退することが困難となる恐れ がある。そのため、取引先の信用力(格付)に応じて取引シェアに上限を設けるべく、取引先が抱える買掛債 務額の一定割合を売込限度額として設定する方法が考えられる。

売込限度額 = 買掛債務額 × 信用力に応じた割合

(例 : A 格 30%、B 格 20%、C 格 15%、D格 10%、E 格6%、F 格0%)

仮に、取引先の売上高情報しかなく、買掛債務額が不明な場合であっても、業界標準値を用いて売上高総利 益率(49.3%)と買掛債務回転期間(0.7 ヵ月)から、以下のように買掛債務額を推定することができる。

買掛債務額 = 売上高/12[月商] ×(1-0.493)[原価率] × 0.7(か月)[買掛債務回転期間]

= 売上高 × 0.03

(例:売上高 100 億円・A格の場合:100 億円×0.03[買掛債務額]×30%[信用力に応じた割合]=0.9 億円)

(5) 与信限度額の考え方

(7)

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情報サービス業は、新規参入しやすく、競争が激しい業界である。技術の進歩が速い業界であるため、提供 しているサービスに独自性があり、模倣が容易ではない技術力を有しているか、ユーザーニーズを満たし続け る開発力や人材を有しているか等がポイントとなる。

また、ゼネコン型の多重下請け構造を形成していることから、取引先が元請け、下請けのどちらに該当する かを把握し、下請けの中小企業においては、元請けからのコスト削減圧力や下請け選別の影響を受けやすいこ とを考慮する必要がある。

提供する商品・サービスが無形であるため、他業種と比べ書類の上で取引を操作することが容易であり、架 空取引等の不正が発生しやすい。特に新興企業においては、自社の成長性をアピールするために売上高を水増 しする誘因が働くため、危険な取引をしていないか注意しなければならない。

取引先によって資金需要の発生度合が異なる点にも注意が必要である。取引先が SIer 等の場合は多額の資 金需要は発生しづらいが、エンドユーザーを取引先とする場合には入金がシステム完成時となるため、開発人 件費用途の資金需要が発生する。

斯業種においては、固定資産を有していることが少ないため、資金需要を借入で補う場合には、無担保借入 となることが多く、信用力の低い企業では資金調達力が乏しくなりやすい。

労働集約的な業種特性から、人件費および外注費の売上高に占める割合が高いため、売上高の低下が収益悪 化に直結するため、売上高や人件費、外注費の増減に注意すべきである。また、外注費や人件費を仕掛品や繰 延資産として計上しているケースもあるが、開発が中断している場合などには資産性に疑いがあるため、注意 が必要である。

【参考資料】

財務省:「平成 30 年度法人企業統計調査」

総務省統計局:「平成 26 年経済センサス-基礎調査」

総務省:「平成 30 年版情報通信白書」

総務省:「平成 30 年情報通信業基本調査報告書(平成 30 年度実績)」

経済産業省:「IT 人材の最新動向と将来設計に関する調査結果」

(6) 与信管理のポイント

参照

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