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【平成23年1月-3月授与分】博士学位論文内容の要旨 及び審査の結果の要旨
http://hdl.handle.net/2324/20205
出版情報:2011-10-07. 九州大学 バージョン:
権利関係:
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つつみ ひろ ゆき
氏名・(本籍・国籍) 堤 広 之(長崎県)
学 位 の 種 類 博士(薬 学)
学 位 記 番 号 薬博乙第561号 学 位 授 与 の 日 付 平成23年3月24日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第2項該当
学 位 論 文 題 目 カテキン類・カフェイン錯体の立体化学構造の解明 論 文 調 査 委 員 (主査) 教 授 末 宗 洋
(副査) 教 授 森 元 聡 准教授 宮 本 智 文 准教授 麻 生 真理子
論 文 内 容 の 要 旨
(10
• •
••
••
• • • ら)吉弘
Fig.1. 結品中におけるカテキン類の層状構造と分子間相互作用(赤点線、黒矢印、青矢印はそれぞれO‑H…0水素 結合、 CH‑π相互作用、 o酷etπーπ相互作用を示している。) め(CA鞘虫(b)GCg単独
2. GCg・カフェイン錯体の立体化学構造
X線結品構造解析を用いた新たなアプローチにより、カテキン類・カフェイン錯体の立体化学構造と分子間 相互作用の解明を試みた。 まず、 GCgとカフェインの庶濁液から、加熱、時間のみ異なる合劇去により得られ た2つの結晶は 1: 2と2:2 GCg・カフェイン錯体であった。 1: 2 GCg・カフェイン錯体の層状構造は、
GCgが同方向に並び、 GCgのA環とA環、 B'環とB'環の聞に生じる空間にカフェインを1分子ずつ挟みこむ ことにより形成していたが、 2:2 GCg・カフェイン錯体では、 GCgのみから成る層状構造の
B
環とB '
環にカ フェインが向かい合うことにより錯体を形成し、層状構造を形成していた。 また、どちらの錯体においても πーπ相互作用が層状構造の形成に大きな役割を果たしているのに対し、分子間水素結合は結晶構造における3 次元的な広がりに関与しているものと考えられた (Fig.2)。(10
カフェイン カフェイン
(b)
・. B'
Fig.2. 結晶中におけるGCg・カフェイン錯体の層状構造と分子間相互作用(赤矢印はface‑to‑faceπーπ相互作用を 示している。) ゆ(1: 2GCg・カフェイン錯体(b)2:2GCg・カフェイン錯体
3. カテキンとガロイノレカテキンのカフェイン錯体の立体化学構造
カテヨ子シ類はガレート基の有無により錯体形成能や生理活性に差があることが知られているが、その詳細は 明らかではない。 そこで、 2
,
3‑トランス型カテキンであるCAと2,
3‑トランス型ガロイルカテキンである(・〉カテキン3・0・ガレート (Cg)に注目し、カフェインとの錯体形成における立体化学構造と分子間相互作用の相 違について検討した。 CAはカフェインと 1: 1で錯体を形成しており、その層状構造はカフェインと CAの B環が同一平面上に並んだものが少しずつずれながら形成し、 CAとカフェインとの聞は0・R"N水素結合の みで結合していた。 一方、 Cgはカフェインと 1: 2で錯体を形成し、 1: 2GCg・カフェイン錯体と同様にそ のA環と A環、 B環 とB'環の聞に生じる空間にそれぞれ1分子のカフェインを挟みこんでいた。 その際、
O‑R"O水素結合以外にも offsetπ戸π相互作用および色白ーto‑faceπーπ相互作用が形成されていた。 同じ 2,3‑トランス型カテキン類ではあるが、ガレート基の有無によりカフェインと錯体を形成する際、働く分子間 相互作用には大きな違いが見られた (Fig.3)。
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論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨
(10 (b) Cg
Fig.3. ガレート基の有無によるカテキン類・カフェイン錯体の層状構造と分子間相互作用の相違(紘転線はO‑H'"
N水素結合を示している。)ゆ(;1: 1 CA・カフェイン錯体(b)1 : 2Cg・カフェイン錯体
これまで繍夜中において詳細が明らかでなかった2,3‑トランス型カテキン類・カフェイン鮪本の立体化学構 造とその中で形成されている分子間相互作用について明らカ斗とした。 これらの結果は、カテキン類とカフェ インの錯体形成機構を明らかにするだけでなく、立体化学概査や分子間相互作用は生理活性に大きく影響を及 ぼすことが考えられることから、これらの錯体が持つ生理活性の角軌斤に大きな役割を果たすと考えられる。
チャノキの葉の主成分であるカテキ刈賓とカフェインは錯体を形成することが知られているが、
その錯体の構造化学的研究、生理活性研究、分子間相互作用研究については錯体結品化の困難さよ り、これまで、ほとんど進展が見られていなかった。本論文はカテキL領・カフェイン錯体の立体化 学構造解明と共に、本錯体形成における分子間相互作用の誼礎的情報を明らかにすることを目的と
し、錯体の詳細な構造研究を検討している。
第一章では、これまで困難とされてきたカテキン類の結品化において、目的物に等量のジアステ レオマー (1種)を加えることにより、目的物の結晶化を達成する新樹古品化法を確立している。
料去によりその結晶化に成功した
2
,3
ートランス型カテキン( C A )
および2
,3
ートランス型ガロ イノレカテキン (GCg) について、 X 線結品4街宣~平析を行い、それぞれの立体化判部査と分子間相互作用 について初めて明らかにしている。その中で栴蚊的なこととして、共に層側部査を取る中で¥CA
で は水素締合形成による3次元的ネットワークを榊築していた。一方、G C g
では特異な立体配座を取 ることにより、冗ー π相互作用が大きく作用し、特にoffsetπ ーπ相互作用の寄与が明らかになっ た。第二章で、は
G C g
とカフェインにより形成される錯体について論述している。まず、錯体形劇去の 検討の結果、加熱時間IjÚ1ßl~1乙よる 1:2 および 2: 2 G C g
・カフェイン錯体の鴎糊持築に成功して いる。ついで、これらのX
期締古品構造J桝斤を行い、それぞれの立体化学構造と分子間相互作用につい ても初めて明らかにしている。その中で樹蚊的なこととして、 2種の鈷体ではカフェイン分子の取 り込み方に大きな差異があること、その違いにG C g
分子の立体配座が関与していることが判明した。さらに両錯体形成に共通の知見として、 πーπ相互作用の大きな寄与とともに、 3次元的ネットワ ークの構築に分子間水素結合が大きく関与していることを明らかにしている。
第三章では、カテキン類がカフェインと錯体形成するにあたり、ガロイノレ基の関与を中心に検討し ている。具体的には、 2,3ートランス型カテキン
( C A )
・カフェイン1: 1
錯体および2,3ート ランス型ガロイルカテキン( C g )
・カフェイン1:2
錨体のX
線結品1
齢査j附庁を行い、それぞれの立 体化学1梓造と分子間相互作用について初めて明らかにしている。その中で鞘蚊的なこととして、 1:1 C A
・カフェイン錯体ではC A
とカフェインはかR . . N
水素結合のみで相互作用しているのに対し、1 :
2Cg
・カフェイン錯体では水素結合に加え、 offsetπ 同 π相互作用、 face‑to‑face πーπ相互 作用の寄与があきらかになり、ガロイノレ基の働きを明らかにしている。本結果は、従来、明らかではなかったカテキン類とカフェインとの錨体の立体化明博造および分子 間相互作用について X 線結品構造~耽斤を基盤に明らかにしたものであり、今後のさらなる研究の発
展が大いに期待できるところである。
本輸文はカテキ玲賓とカブこにインとの鏑障研:究において、議鞭結晶イ首長の開発に成功する とともに、 X締 結 晶 機 錨l断を行い、それJぞれの立体化学模造と分子関相五作用について初めて解 明することに成功している。これらの結果は今後の本相究