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筋萎縮性側索硬化症のゲノム基盤

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Academic year: 2021

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厚生労働科学研究費補助金  難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業)

神経変性疾患領域における基盤的調査研究 分担研究報告書

 

筋萎縮性側索硬化症のゲノム基盤

研究分担者  辻  省次  東京大学医学部附属病院神経内科

A. 研究目的

筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis: ALS)は,進行性の運動ニューロン 変性をきたす神経変性疾患である.一般に ALSの約5%は家族性(familial ALS: FALS) であるが,残りの大多数は孤発性(Sporadic ALS: SALS)である.遺伝的病因は,当科の FALSの約6割,SALSの約5%の症例で同 定されているが,人種による差も大きく,そ の病態は十分に明らかになっていない.特に SALSの大部分は病因・病態が未解明であり,

日本人のALSのゲノム基盤についてexome 解析を用いて明らかにする.

B. 研究方法

87 例の FALS 症例(家系発端者)と 377 例の SALS 症 例 を 解 析 対 象 と し た .Exome 解 析 (Illumina Hiseq2500) から,ALS の病因遺伝子 (17 個) の非同義,挿入・欠失,スプライス部位 のバリアントについて検討した.特に機能予測か ら有害性が高いと推定される稀なバリアントを抽 出し,ALS の臨床病型との関連について検討し,

分子疫学としてまとめた.さらに,最近関連解析 から同定されたTBK1, NEK1遺伝子の機能喪失 型 (LoF) バリアントについて本邦の SALS症例 でも関連があるか検討した.

倫理面への配慮:DNA 抽出に際して全研究参 加者から文書で同意を得た.本研究は東京大学

大学院医学系研究科ヒトゲノム・遺伝子解析研 究倫理委員会における承認を受けている.

B. 結果および D.考察

Exome 解析の結果から,FALS 症例の 56 例 (64.4%) ,SALS症例の78例 (20.7%) にALS の病因遺伝子の稀なバリアントを検出した.その うち SOD1 の病原性変異は,FALS の 32 例,

SALS の 6 例といずれも最も多く見られた.稀な バリアントが2個以上重複して検出された症例は,

FALSの7例,SALSの6例で認め,その臨床病 型についてまとめた.SALS症例のLoFバリアン トに着目した解析では,SALS 群の 6 例 (NEK1 5例,TBK1 1例) ,正常対照群の1例 (NEK1 1 例) に検出され,SALS 群で有意に多くの LoF バリアントが検出される結果であった (p=0.004, Fisher's exact test).

E. 結論

ALS の分子疫学について exome解析結果を 踏まえまとめた.有害性が高いと推定される 稀なバリアントの重複や,特定遺伝子のLoF バリアントは,ALSの病態に関与する可能性 があり,これらの遺伝子の網羅的な変異解析 に,exome解析は有用であった

G. 研究発表 研究要旨

日本人のALSのゲノム基盤についてexome解析を用いて明らかにする.

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64 1. 論文発表

1.論文発表

Naruse H, Ishiura H, Mitsui J, et al.

Molecular epidemiological study of familial amyotrophic lateral sclerosis in Japanese population by whole-exome sequencing and identification of novel HNRNPA1 mutation. Neurobiol Aging. 2018;61:255.

2.学会発表

Naruse H, Ishiura H, Mitsui J, et al.

Mutational analysis of sporadic

amyotrophic lateral sclerosis (ALS) with loss of function mutations in ALS-related genes in the Japanese population. The XXIII World Congress of Neurology (WCN 2017). Kyoto, October 2017.

H.知的財産権の出願・登録状況

:特記事項なし

参照

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