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九州大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2022

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

血液透析患者および一般成人の血清脳由来神経栄養 因子と精神的健康度との関連性に関する研究

西地, 令子

https://doi.org/10.15017/1654972

出版情報:Kyushu University, 2015, 博士(人間環境学), 論文博士 バージョン:

権利関係:Fulltext available.

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氏 名 西地 令子

論 文 名 血液透析患者および一般成人の血清脳由来神経栄養因子と精神的健 康度との関連性に関する研究

論文調査委員 主査 九州大学 教授 熊谷秋三 副査 九州大学 准教授 杉山佳生

副査 九州大学大学院医学研究院 教授 萩原明人

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

本論文は,血清脳由来神経栄養因子( brain-derived neurotrophic factor: BDNF) と精神的健康度 との関連 性を明 らかに したも のである 。研究 Ⅰ において は,精 神的健 康度の 不良(psychogenic distress :PD) が一般的兆候となっている慢性血液透析(hemodialysis: HD)患者の血清BDNFと精 神的健康度との関連性を検討した。その結果,HD患者の血清BDNFは非HD患者群(以下「一般 者」)に比較して,低レベルであることに加え,精神的健康度の不良が確認された。また,HD患者 内での血清BDNF低レベル群は高レベル群に比較してPDのリスクが約5倍であることを見出した。

その上,HD患者の低レベルはCRPなどの炎症マーカーが高く,心血管疾患の有病率への関与を示 唆している。研究Ⅱでは,HD患者における血清BDNFおよび精神的健康度への運動効果を検証し ている。結果としては,HD患者の体力の向上効果や糖代謝の改善傾向が確認できたが,血清BDNF および精神的健康度への影響を確認することができなかった。この要因として,運動種類や介入期 間等の運動プログラムなどが一要因であるものの,HD 患者の糖・脂質代謝,重篤なインスリン抵 抗性群である等,血清BDNFへの運動効果の顕在化が困難であることが根底にあると結論づけてい る。研究Ⅲでは,一般成人を対象として,血清BDNFと精神的健康度および睡眠異常との関連性を 検討した。その結果,女性のみであるが,血清 BDNFとGHQスコアおよび睡眠評価(PSQI)ス コアとの間に負の相関が認められた。さらに,女性の血清BDNF低レベル群は高レベル群に比較し てPDのリスクが約2.5倍,睡眠異常のリスク約8倍のリスクであったことを報告している。一方,

男性においてはこのような関連は認められなかった。これらの報告は,精神的健康度の不良のみな らず、今後の睡眠異常へのBDNFの役割に関する研究への貢献が大きいものと考えられる。

よって,本論文は博士(人間環境学)の学位に値するものと認める。

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