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Title 文学模擬裁判『高瀬舟』の実践的研究(Ⅰ) ―「総合的な探究の時間

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Academic year: 2022

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(1)

Hokkaido University of Education

Title 文学模擬裁判『高瀬舟』の実践的研究(Ⅰ) ―「総合的な探究の時間

」での実践より―

Author(s) 札埜, 和男

Citation 国語論集, 19: 65‑87

Issue Date 2022‑03

URL http://s‑ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/12193

Rights

(2)

・吟 味 を 踏 まえ なが ら、 言 葉 や 表 現 を 思 考

・判 断 して 改 善

・選 択 して いる 姿 がと らえ られ る。 これ はま さ に、 書 く こと への 姿 勢 であ る。 この 単 元 が書 く 力育 成 へと 有効 であ った との 証左 であ るだ ろう

。 ただ し、 課 題 もい くつ かあ る。 一 つに

、学 習 者 が選 択 した 語 句 の評 価で あ る。 この 実 践 では

、学 習 者 たち は根 拠 を示 しな がら 語 句 を選 択 して いた

。た だし

、そ の選 んだ 語 句 その も のは 相 応 しか った のか

、 あ るい は、 最 善 だっ たの か。 この こと につ いて 評 価 はで き るの だろ うか

。 同 様 に、 作 成 した 短 歌 その も のの 評 価 であ る。 その 短 歌 そ のも のは ど のよ う な 評 価 と なる のだ ろう か。 少 なく と も「 言 語 文 化

」は 短 歌 作 成 や 文 学 創 作 の力 の向 上 を目 指 して はい な い。 しか し、 学 習 者 に と って は、 自 身 の作 品 につ いて の評 価 も や はり 気 にな るだ ろう

。そ こ にど う や って 応 え るこ とが でき るか

。大 き な課 題 であ る。 も う 一 つ に、 提 示 す る随 想 や 短 歌 エッ セイ の選 び方 であ る。 随 想 その も のの 気 軽さ はよ く機 能 した が、 さ らに より よい 随 想 や 短 歌エ ッセ イは ない だ ろう か。 あ るい は、 教 科 書掲 載 文 章 の中 には ない だろ う か。 いず れに せよ

、さ ら なる 教 材 発 掘 の必 要 性 があ るだ ろう

。以 上 のこ とは

、今 後 の課 題と し継 続研 究 の視 点 の一 つと す る。

〈 注

〉 注 1 大 村 勅夫

(二

〇 一 六

「 随 想 を読 むこ との 単 元の 考 察―

も の の見 方

・感 じ方

・考 え 方 を 豊 か にす る指 導

」『 国 語 論 集 1 3』 北 海道 教 育 大 学釧 路 校 国 語科 研 究 室

注 2 大 村勅 夫

(二

〇 一 四)

「評 価 を 活 用 した

「 書 くこ と」 の「 国 語 総 合

」単 元

『 月 刊 国 語 教 育 研 究

』N o. 50 6 日 本 国 語 教 育 学 会 注 3 大 村 勅 夫

(二

〇 一 八

「 高 校 国 語 にお け る創 作 単 元 の考 察

- 随 想 教 材 を活 用 す る単 元 の考 察

」『 国 語 論 集 15

』北 海 道 教 育大 学 釧 路 校国 語 科 研 究室 注 4 大 岡 信監 修 日 本 う たこ とば 表 現 辞 典 刊 行 会 編

(二

〇 九

『 日本 う たこ とば 表 現 辞 典 本歌 本 説 取 編』 遊 子館 注 5 岡 井 隆 監 修 三 枝 昂 之 ら 編

(一 九 九 九

『 岩 波 現 代 短 歌 辞 典

』岩 波 書 店 注 6 青 木 雅 一

(二

〇 二 一

)『 高 等 学 校 国 語 授 業 の探 究

- 短 歌 の 創 作

・鑑 賞 指 導を 求め て-

』渓 水 社 注 7 川 上 弘 美

(二

〇九

「 北 千 住」

『 此 処 彼 処』 新 潮社 注 8 穂 村 弘

(二

〇 九)

「 蜂 蜜 入 門」

『 世 界 音 痴』 小 学館 注 9 俵 万 智

(二

〇 一 七

「 四 年 生 ドラ ムの 響 き

『 あ りが とう のか んづ め』 小学 館

(お おむ らと き お/ 札 幌国 際 大 学 准教 授

文 学 模 擬 裁 判

『 高 瀬 舟

』 の 実 践 的 研 究 (

) ー 「 総 合 的 な 探 究 の 時 間 」 で の 実 践 よ り ー

札 埜 和 男 一、 は じめ に 一

.一

「探 究

」と 現場 の困 惑 平 成 三

〇 年告 示 に よ り学 習 指 導 要領 が 改 訂 さ れ、 高 等 学 校で は

「 総 合 的 な 学 習 の 時 間

」( 以 下

「 総 合

」 と 称 す

) が

「 総 合 的 な 探 究 の 時 間

」( 以 下

「 探 究

」 と 称 す

) に 変 わ っ た

。 2 0 1 9 年 度 の 試 行 期 間 か ら 各 校 で「 探 究

」が 始 ま り

、 2 0 2 1 年 か ら は 本 格 的 実 施 の 段 階 に 入 っ て い る

。「 総 合

」 で は 既 に

「 探 究 的 な 学 習

」が 重 要 で あ る と さ れ て き た が「 探 究

」 に シ フ ト し た 背 景 に は「 探 究 の プ ロ セ ス の 中 で も『 整 理・ 分 析

』,

『 ま と め・ 表 現

』に 対 す る 取 組 が 十 分 で は な い と い う 課 題 が あ る こ と

」、

「 本 来 の 趣 旨 を 実 現 で き て い な い 学 校

」が あ る こ と な ど が 挙 げ ら れ て い る

( 文 部 科 学 省 2 0 1 9

: 6

)。 で は

「 総 合

」 と

「 探 究

」 で は 何 が 違 う の か

。 2 0 0 9 年 と 2 0 1 9 年 に 告 示 さ れ た 目 標 の 違 い か ら

「 総 合

」 と

「 探 究

」 を比 較 す る

。 表 1 目 標 か らみ た

「 総 合」 と

「 探 究」 の 違 い

( 文部 科 学 省 20 0 9年

・2 0 19 年 より

科目 総合的な学習の時間 総合的な探究の時間 目標 横断的・総合的な学習や

(A)探究的な学習を通し て, 自ら課題を見付け, 自ら学び, 自ら考え, 主 体的に判断し,(B)より よく問題を解決する資質 や能力を育成するととも に,学び方やものの考え 方を身に付け,問題の解 決や探究活動に主体的, 創造的, 協同的に取り組 む態度を育て,(C)自己 の在り方生き方を考える こ と が で き る よ う に す る.

(a)探究の見方・考え方 を働かせ, 横断的・総合的 な 学 習 を 行 う こ と を 通 し て,(c)自己の在り方生き 方を考えながら,(b)より よく課題を発見し解決して いくための資質・能力を次 のとおり育成することを目 指す.

(3)

両 者 の 違 いに つ い て 札埜

( 2 0 21

: 1 3 5

)は 次 の よ うに 述べ る

「 総 合

」 に対 し

「 探 究」 は

( A

)「 探 究 的な 学 習

」 から

( a

「探 究

」 と なっ て い る

。( C

)「 自 己 の在 り 方 生 き方 を 考 え るこ とが で き る よう に

」な れ ば 良 か った

「 総 合」 に 対 して

( c

)「 自 己の 在 り 方 生き 方 を 考 えな が ら

」と な り

、 こ れ が前 提 に な って いる

。ま た「 総 合」 は( B

)「 よ り よ く問 題 を 解 決す る 資 質 や能 力を 育 成 す ると と も に

」と 付 随 的 だが

、「 探究

」 で は

(b

)「 よ りよ く 課 題 を発 見 し 解 決し て い く ため の 資 質

・ 能力 を 次 の とお り育 成 す る こと を 目 指 す」 と 明 確 に目 的 化 し て いる

。( B

)「 問 題を 解 決 す る」 ので は な く( b

)「 課 題 を 発 見し 解 決 す る」 とと ある

。 両 者 を見 比 べ る と「 総 合

」 に比 べ

「 探 究

」は よ り

「 学問 的」 にな っ て い ると い え る だろ う

。「 探究

」の

「第 3 指 導 計画 の作 成 と 内 容の 取 扱 い

」に も「 課題 の 設 定 にお い て は, 生 徒 が自 分 で 課 題 を 発 見 す る 過 程 を 重 視 す る こ と

」( 文 部 科 学 省 2 0 1 9: 4 7

) とあ る

。 教 師側 が 問 い を設 け る 形 で はな い こ と がわ かる

。「 探 究」 で身 に 付 け よう と す る 力 は「 課題 の 発 見

、お よび その 解 決

」 とい う こ と にな る

。 そ の 目 指 す学 習 モ デ ルは

「 課 題 設定→

情 報 の 収集→

整 理

・分

析→ ま と め・ 表 現→ 新た な 課 題 設定

」と い う 発 展 的 循環 で あ る

。 図 1で 示 す と 次の よ う に なる

。 図 1 探究 で の生 徒の 学 習の 姿( 文 部科 学省 2 01 9: 1 2) 一

、 高 校 で の

「 総 合

」 の 実 態 に つ い て は

、 高 橋

( 2 0 1 9

) に 詳 し い

。「 あ ま り 印 象 に 残 っ て い な い

」、

「 全 く 印 象 に 残 っ て い な い

」が 質 問 紙 調 査 の 回 答 者 の 7 割 強 を 占 め

、学 習 内 容 は 修 学 旅 行 の 事 前 事 後 指 導 や 進 路 学 習 が 中 心 で あ り

、学 習 方 法 は 資 料 検 索 や 読 解 が 多 く

、学 ん だ こ と は「 自 分 の 将 来 の 進 路 が は っ き り し た

」こ と が 最 も 多 い( 高 橋 2 0 1 9: 5 2

) と い う

。こ の

「 総 合

」 の 実 態 は

「 探 究

」 の 目 指 す 姿 か ら は 程 遠 い こ と が わ か る

。 こ れ ま で の 調 べ 学 習 中 心 の

「 総 合

」 の

実 態 か ら

、探 究 活 動 を メ イ ン と す る「 探 究

」を ど う す る か 悩 む 高 校 の 存 在 が 予 想 さ れ る

。「 探 究

」 で 求 め ら れ る 方 法 は 高 等 学 校 に

「 コ ペ ル ニ ク ス 的 転 回

」を 余 儀 な く 迫 る

。今 回 の 改 定 で は

「 古 典 探 究

」「 数 理 探 究

」 な ど 他 教 科

・ 科 目 で も 行 わ れ る が

、「 探 究

」 は

「 実 社 会 や 実 生 活 に お け る 複 雑 な 文 脈 の 中 に 存 在 す る 事 象 を 対 象 と す る

」、

「 複 数 の 教 科・ 科 目 等 に お け る 見 方

・ 考 え 方 を 総 合 的・ 統 合 的 に 働 か せ る

」、

「 解 決 の 筋 道 が す ぐ に は 明 ら か に な ら な い 課 題 や

、唯 一 の 正 解 が 存 在 し な い 課 題 に 対 し 最 適 解 や 納 得 解 を 見 出 す こ と を 重 視 す る

」 点 等 が 異 な る と い え る

。 一

.二

国 語 科 とし ての 模 擬 裁 判 で は こ の よ う な 高 等 学 校 現 場 の 現 実 的 要 請 に 対 し て

、国 語 科 と し て 何 が で き る の で あ ろ う か

。筆 者 は「 探 究

」 の 実 践 と し て 国 語 科 と し て の 模 擬 裁 判 が 有 効 で あ る と 考 え る

。模 擬 裁 判 は 学 校 教 育 の 中 で は 社 会 科 の 教 材 と し て 捉 え ら れ る が

、裁 判 自 体 は こ と ば な く し て 成 立 し え な い 営 み で あ る の で

、模 擬 裁 判 は 言 語 活 動 そ の も の で あ る( 実 際 に 筆 者 は 2 0 0 2 年 よ り 国 語 科 の 中 で 継 続 し て 模 擬 裁 判 を 実 践 し て い る

。 有 効 と 考 え る 理 由 に つ い て

、前 述 の 他 教 科 と の 探 究 の 違 い に 則 し 三 点 説 明 し よ う

。第 一 は そ の 教 材 内 容 の 複 雑 さ で あ る

。 教材 は 一 つ の事 件 を 扱 うわ け だ が

、事 件 を扱 う と い う 点で

「 実

社 会 や 実 生 活 に お け る 複 雑 な 文 脈 の 中 に 存 在 す る 事 象 を 対 象 と す る

」探 究 に 当 て は ま る と い え る

。第 二 は 模 擬 裁 判 の 学 習 は あ ら ゆ る 教 科 が 関 わ っ て く る 点 で あ る

。も ち ろ ん 法 の 知 識 や法 的 思 考 力は 必 要 と され る が「 人 間

」が 起 こ し た 社会 の「 事 件

」を 扱 う 以 上「 人 間 と 社 会

」を 深 く 考 え ら れ る 教 材 で あ り

、 そ の 解 明 の た め に は あ ら ゆ る 教 科 の 知 見 が 必 要 と さ れ

、ど の 教 科 の 担 当 者 で あ っ て も 関 わ れ る 教 材 で あ り

、教 科 を 横 断 す る「 探 究

」 の 教 材 と し て の 可 能 性 を 持 つ

。そ の 授 業 は お の ず と 教 科 の 枠 を 越 え た 探 究 的 な 学 習 と な り「 複 数 の 教 科・ 科 目 等 に お け る 見 方

・ 考 え 方 を 総 合 的・ 統 合 的 に 働 か せ る

」 探 究 に 適 う 教 材 だ と い え る

。第 三 に 判 決 に は 正 解 が な い

。正 解 が な い 一 方

、そ の 出 し た 結 論 に は 説 得 力 を 持 た せ る 必 要 が あ る

。 こ の 点 に お い て「 解 決 の 筋 道 が す ぐ に は 明 ら か に な ら な い 課 題 や

、唯 一 の 正 解 が 存 在 し な い 課 題 に 対 し 最 適 解 や 納 得 解 を 見 出 す こ と を 重 視 す る

」 探 究 に も 該 当 す る と い え る

。 ま た「 探 究

」で は 生 徒 の 主 体 的 な 姿 勢 が 求 め ら れ 教 員 の 役 割 と し て はteacher

で は な くcoordinator

と し て の 役 割 が 求 め ら れ る

。生 徒 が 探 究 す る 環 境 を ど う 整 え る か で あ る

。模 擬 裁 判 に 詳 し い 弁 護 士 は 言 う

。「 先 生 は 法 律 の 専 門 家 で は あ り ま せ ん か ら 当 然 生 徒 と 一 緒 に 悩 む こ と に な り ま す

。そ れ ぞ れ 教 師 と 生 徒 が 一 緒 に な っ て 独 自 の 努 力 を さ れ る と こ ろ に 意 義 が あ り ま す

」。 教 師 と 生 徒 が 同 じ 立 場 の 目 線 で 共 に 考 え て

(4)

両 者 の 違 いに つ い て 札埜

( 2 0 21

: 1 3 5

)は 次 の よ うに 述べ る

「 総 合

」 に対 し

「 探 究」 は

( A

)「 探 究 的な 学 習

」 から

( a

「探 究

」 と なっ て い る

。( C

)「 自 己 の在 り 方 生 き方 を 考 え るこ とが で き る よう に

」な れ ば 良 か った

「 総 合」 に 対 して

( c

)「 自 己の 在 り 方 生き 方 を 考 えな が ら

」と な り

、 こ れ が前 提 に な って いる

。ま た「 総 合」 は( B

)「 よ り よ く問 題 を 解 決す る 資 質 や能 力を 育 成 す ると と も に

」と 付 随 的 だが

、「 探究

」 で は

(b

)「 よ りよ く 課 題 を発 見 し 解 決し て い く ため の 資 質

・ 能力 を 次 の とお り育 成 す る こと を 目 指 す」 と 明 確 に目 的 化 し て いる

。( B

)「 問 題を 解 決 す る」 ので は な く( b

)「 課 題 を 発 見し 解 決 す る」 とと ある

。 両 者 を見 比 べ る と「 総 合

」 に比 べ

「 探 究

」は よ り

「 学問 的」 にな っ て い ると い え る だろ う

。「 探究

」の

「第 3 指 導 計画 の作 成 と 内 容の 取 扱 い

」に も「 課題 の 設 定 にお い て は, 生 徒 が自 分 で 課 題 を 発 見 す る 過 程 を 重 視 す る こ と

」( 文 部 科 学 省 2 0 1 9: 4 7

) とあ る

。 教 師側 が 問 い を設 け る 形 で はな い こ と がわ かる

。「 探 究」 で身 に 付 け よう と す る 力 は「 課題 の 発 見

、お よび その 解 決

」 とい う こ と にな る

。 そ の 目 指 す学 習 モ デ ルは

「 課 題 設定→

情 報 の 収集→

整 理

・分

析→ ま と め・ 表 現→ 新た な 課 題 設定

」と い う 発 展 的 循環 で あ る

。 図 1で 示 す と 次の よ う に なる

。 図 1 探究 で の生 徒の 学 習の 姿( 文 部科 学省 2 01 9: 1 2) 一

、 高 校 で の

「 総 合

」 の 実 態 に つ い て は

、 高 橋

( 2 0 1 9

) に 詳 し い

。「 あ ま り 印 象 に 残 っ て い な い

」、

「 全 く 印 象 に 残 っ て い な い

」が 質 問 紙 調 査 の 回 答 者 の 7 割 強 を 占 め

、学 習 内 容 は 修 学 旅 行 の 事 前 事 後 指 導 や 進 路 学 習 が 中 心 で あ り

、学 習 方 法 は 資 料 検 索 や 読 解 が 多 く

、学 ん だ こ と は「 自 分 の 将 来 の 進 路 が は っ き り し た

」こ と が 最 も 多 い( 高 橋 2 0 1 9: 5 2

) と い う

。こ の

「 総 合

」 の 実 態 は

「 探 究

」 の 目 指 す 姿 か ら は 程 遠 い こ と が わ か る

。 こ れ ま で の 調 べ 学 習 中 心 の

「 総 合

」 の

実 態 か ら

、探 究 活 動 を メ イ ン と す る「 探 究

」を ど う す る か 悩 む 高 校 の 存 在 が 予 想 さ れ る

。「 探 究

」 で 求 め ら れ る 方 法 は 高 等 学 校 に

「 コ ペ ル ニ ク ス 的 転 回

」を 余 儀 な く 迫 る

。今 回 の 改 定 で は

「 古 典 探 究

」「 数 理 探 究

」 な ど 他 教 科

・ 科 目 で も 行 わ れ る が

、「 探 究

」 は

「 実 社 会 や 実 生 活 に お け る 複 雑 な 文 脈 の 中 に 存 在 す る 事 象 を 対 象 と す る

」、

「 複 数 の 教 科・ 科 目 等 に お け る 見 方

・ 考 え 方 を 総 合 的・ 統 合 的 に 働 か せ る

」、

「 解 決 の 筋 道 が す ぐ に は 明 ら か に な ら な い 課 題 や

、唯 一 の 正 解 が 存 在 し な い 課 題 に 対 し 最 適 解 や 納 得 解 を 見 出 す こ と を 重 視 す る

」 点 等 が 異 な る と い え る

。 一

.二

国 語 科 とし ての 模 擬 裁 判 で は こ の よ う な 高 等 学 校 現 場 の 現 実 的 要 請 に 対 し て

、国 語 科 と し て 何 が で き る の で あ ろ う か

。筆 者 は「 探 究

」 の 実 践 と し て 国 語 科 と し て の 模 擬 裁 判 が 有 効 で あ る と 考 え る

。模 擬 裁 判 は 学 校 教 育 の 中 で は 社 会 科 の 教 材 と し て 捉 え ら れ る が

、裁 判 自 体 は こ と ば な く し て 成 立 し え な い 営 み で あ る の で

、模 擬 裁 判 は 言 語 活 動 そ の も の で あ る( 実 際 に 筆 者 は 2 0 0 2 年 よ り 国 語 科 の 中 で 継 続 し て 模 擬 裁 判 を 実 践 し て い る

。 有 効 と 考 え る 理 由 に つ い て

、前 述 の 他 教 科 と の 探 究 の 違 い に 則 し 三 点 説 明 し よ う

。第 一 は そ の 教 材 内 容 の 複 雑 さ で あ る

。 教材 は 一 つ の事 件 を 扱 うわ け だ が

、事 件 を扱 う と い う 点で

「 実

社 会 や 実 生 活 に お け る 複 雑 な 文 脈 の 中 に 存 在 す る 事 象 を 対 象 と す る

」探 究 に 当 て は ま る と い え る

。第 二 は 模 擬 裁 判 の 学 習 は あ ら ゆ る 教 科 が 関 わ っ て く る 点 で あ る

。も ち ろ ん 法 の 知 識 や法 的 思 考 力は 必 要 と され る が「 人 間

」が 起 こ し た 社会 の「 事 件

」を 扱 う 以

「上 人 間 と 社 会

」を 深 く 考 え ら れ る 教 材 で あ り

、 そ の 解 明 の た め に は あ ら ゆ る 教 科 の 知 見 が 必 要 と さ れ

、ど の 教 科 の 担 当 者 で あ っ て も 関 わ れ る 教 材 で あ り

、教 科 を 横 断 す る「 探 究

」 の 教 材 と し て の 可 能 性 を 持 つ

。そ の 授 業 は お の ず と 教 科 の 枠 を 越 え た 探 究 的 な 学 習 と な り「 複 数 の 教 科・ 科 目 等 に お け る 見 方

・ 考 え 方 を 総 合 的・ 統 合 的 に 働 か せ る

」 探 究 に 適 う 教 材 だ と い え る

。第 三 に 判 決 に は 正 解 が な い

。正 解 が な い 一 方

、そ の 出 し た 結 論 に は 説 得 力 を 持 た せ る 必 要 が あ る

。 こ の 点 に お い て「 解 決 の 筋 道 が す ぐ に は 明 ら か に な ら な い 課 題 や

、唯 一 の 正 解 が 存 在 し な い 課 題 に 対 し 最 適 解 や 納 得 解 を 見 出 す こ と を 重 視 す る

」 探 究 に も 該 当 す る と い え る

。 ま た「 探 究

」で は 生 徒 の 主 体 的 な 姿 勢 が 求 め ら れ 教 員 の 役 割 と し て はteacher

で は な くcoordinator

と し て の 役 割 が 求 め ら れ る

。生 徒 が 探 究 す る 環 境 を ど う 整 え る か で あ る

。模 擬 裁 判 に 詳 し い 弁 護 士 は 言 う

。「 先 生 は 法 律 の 専 門 家 で は あ り ま せ ん か ら 当 然 生 徒 と 一 緒 に 悩 む こ と に な り ま す

。そ れ ぞ れ 教 師 と 生 徒 が 一 緒 に な っ て 独 自 の 努 力 を さ れ る と こ ろ に 意 義 が あ り ま す

」。 教 師 と 生 徒 が 同 じ 立 場 の 目 線 で 共 に 考 え て

(5)

い け る 点 に お い て も 模 擬 裁 判 は

、教 員 が 生 徒 の 学 び の 伴 走 者 と し て 求 め ら れ る

「 探 究

」 に 合 う 教 材 で あ る と い え る

。 一

.三 模 擬 裁判 の定 義と 文 学模 擬裁 判 こ こ で 学 校教 育

( 小

・中

・ 高 等 学校

) で の 模 擬裁 判 に つ いて 説明 し て お く。 ま ず 学 校教 育 で の 模擬 裁 判 は 大 学や 法 曹 に よる 模擬 裁 判 と は性 質 を 異 にす る

。 例 えば 大 学 で の 模擬 裁 判 は 法学 教育 を

、 法 曹に よ る 模 擬裁 判 は 実 務を 意 識 し て 行わ れ る が

、学 校教 育 で の 模擬 裁 判 は 法教 育 と し て行 わ れ る

。 法律 学 を 専 攻す る学 生 を 対 象と す る 法 学教 育 と 多 様な 生 徒 を 対 象と す る 法 教育 は全 く 異 な る。 法 学教 育 で の 模 擬裁 判 は 実 務に 基 づ い て行 わ れ

、 手続 き

、 ル ール

、 振 舞 は厳 格 で あ る。 し か し 法 教育 に お け る模 擬裁 判 は 法 的な 思 考 力 を養 う と こ ろに 重 点 が あ るの で

、 法 学教 育の そ れ と は異 な り 緩 やか で あ る

。成 り 切 る と いう 点 か ら 演劇 的要 素 も 関 わる

。 現 場 では あ り 得 ない こ と か も しれ な い が

、異 議を 出 す 時 は机 を 叩 い て出 す こ と もあ る

。 教 材 も昔 話 で あ った り小 説 で あ った り す る

。ま た 判 決 を下 さ な い 場 合も あ る

。 法学 教育 や 法 曹 実務 と い う 視点 で 見 た 場合

、 そ の よ うな 模 擬 裁 判を 模擬 裁 判 と 言え な い と 主張 す る 向 きが あ る だ ろ う。 し か し その よう な 見 方 は皮 相 の 見 であ り

、「 教 育 現 場」 を わ かっ て い な いと 言わ ざ る を 得な い

。 学 校教 育 で 行 われ る 模 擬 裁 判は 法 学 の 基礎 を教 え る 目 的で も な け れば

、 ま し てや 司 法 修 習 生を 育 て る 目的

で もな い

。 最 低限 法 的 な 思考 力 を 養 うた め に 行 われ る 学 校 教育 で の模 擬 裁 判 も、 学 校 教 育の 中 で は それ は

「 模 擬裁 判

」 な ので あ る。 方 法 に し て も シ ナ リ オ 通 り に 行 う

「 踏 襲 型

」、 元 あ る シ ナ リ オ を 書 き 換 え る

「 改 変 型

」、 司 法 修 習 生 同 様 に ゼ ロ か ら シ ナ リ オ を 創 る「 創 作 型

」の 三 パ タ ー ン の や り 方 が あ る( い ず れ も 筆 者 に よ る 分 類 に よ る

)。 さら に 言 え ば、 国 語 科 の立 場 か ら 模擬 裁 判 を 見る 視 点 は

、法 律 面や 物 事 の とら え 方 や 論理 的 思 考 力と い っ た 狭い 枠 に 留 まる も ので は な い

。法 的 思考 に と ど まら ず

、多 様 な 視 点 から 表 現 力

、 コ ミュ ニ ケ ー ショ ン 力 の 育成 を 図 り つつ 人 間 や 社会 を 深 く 考え て いく の が 国 語科 で の 模 擬裁 判 で あ ると い え る

。そ の 魅力 は「 人 間 が見 え て く る」 点 で あ り「 犯 罪 を 糸口 に し て

、欠 点 だ ら けで 矛 盾に 満 ち た 人間

、 不 条 理な 社 会 と いう も の を 知り

、 深 く 考え る

。教 科 書 が 並べ 立 て る よう な

、 き れい ご と で ない 社 会 の 裏側 が 見え て く る

」( 中国 新 聞 2 0 20

)と ころ に あ る

。そ れ ら は 法 学 教育 で の 模 擬裁 判 と 明 らか に 異 な る。 模 擬 裁 判で 人 間 や 社会 と いう 不 条 理 な存 在 を 深 く考 え る 姿 勢を 養 う 模 擬裁 判 を

「 国語 的 模擬 裁 判

」、 そ の 中で も 文 学 作 品 を 題 材 と し た 模 擬 裁 判 を

「 文 学 模 擬 裁 判

」 と 名 付 け る

「 探 究

」 で 行 う 模 擬 裁 判 と し て は

「 文 学 模 擬 裁 判

」が 最 適 で あ る と 考 え る

。な ぜ な ら「 探 究

」で は「 複 数 の 教 科

・ 科 目 等 に お け る 見 方

・ 考 え 方 を 総 合 的

・ 統 合 的 に 働 か せ る

」 こ と に

な る が「 文 学

」と

「 模 擬 裁 判

」だ け で 少 な く と も 自 然 に「 国 語

」 と「 社 会

」 と い う 複 数 の 教 科 に お け る 見 方

・ 考 え 方 を 総 合 的

・統 合 的 に 働 か せ る こ と に な る か ら で あ る

。ま た 目 標 に

「 自 己 の在 り 方 生 き方 を 考 え なが ら

」 とあ る が

、文 学 は 人 間を 考え る こ と に繋 が り

、 それ は 必 然 的に 自 己 や 生 き方 に 関 わ って くる と い え るか ら で あ る。 本 論 文 に おい て は

「 探究

」 で の 文学 模 擬 裁 判 の実 践 を 総 括し なが ら

、 そ の有 効 性 を 明ら か に す る。 と り わ け

「探 究

」 で 身に 付け よ う と する

「 課 題 の発 見

、 お よび そ の 解 決

」す る 力 が 養わ れ、 そ の 目指 す「 課題 設 定→ 情報 の 収 集→ 整 理・ 分析→

ま と め

・ 表現→

新 た な課 題 設 定

」と い う 発 展的 循 環 の モ デル を 描 く 点を 明ら か に し たい

。 そ し てよ り 改 善 する 方 策 を 探 って い く

。 二 研 究の 対象

につ いて 二. 一 対 象と な る実 践 文 学 模 擬 裁判 を 始 め た2 0 1 5 年か ら 今 回 の 研究 対 象 校

(⑬ A高 校

) ま での 実 践 の 経緯 は 表 2 の通 り で あ る

。 二. 二 実 践 校 につ いて 今 回 実 践の 舞 台 と な る学 校 は 兵 庫 県の キ リ ス ト教 の 私 立 A 高 校( 共 学

)で あ る

。筆 者 は A 高校 で は 2 01 9 年 秋

(④

) での

『羅 生 門

』 文学 模 擬 裁 判( 高 校 二 年現 代 文 と 現 代社 会 の 教 科横

表2

文学 模擬 裁 判の 実践

( 20 21 年 2月 ま で) 断

型授 業

)や 2 0 2 0年 1 月

~ 2月 に か け ての 窃 盗 未 遂事 件( 人 文 探究 で の 授 業) の 模 擬 裁判 と 関 わ って き た

。 学校 と し て これ ま での

「 総 合

」と は 異 な る「 探 究

」 の本 格 的 実 施に 向 け て

、そ

回・年月 作品名 学校・対象・科目他

①2015/7 蜻蛉日記 京都教育大学附属高校(古文)

②2016/3 高瀬舟 京都教育大学附属高校 1 年生(国語総合)

③2019/10 羅生門 岐阜県立関高校 2 年生(現代文)

④2019/10 羅生門 A高校 2 年生(国語科・社会科共同)

⑤2019/10 羅生門 大阪大学 4 年学生・院生(教職実践演習)

⑥2019/11 羅生門 大阪大学 4 年学生・院生(教職実践演習)

⑦2019/11 高瀬舟 千葉県立千葉東高校 3 年生(現代文)

⑧2020/1 こころ 岐阜県立関高校 2 年生(現代文)

⑨2020/8 高瀬舟 第 1 回オンライン高校生模擬裁判選手権

(参加 10 校)

⑩2020/10 猿の嫁 大阪大学 4 年生・院生(教職実践演習)

⑪2020/11 猿の嫁 大阪大学 4 年生・院生(教職実践演習)

⑫2020/11 高瀬舟 秋のオンライン高校生模擬裁判対抗戦(参加4校)

⑬2021/2 高瀬舟 A高校 1 年生(探究)

(6)

い け る 点 に お い て も 模 擬 裁 判 は

、教 員 が 生 徒 の 学 び の 伴 走 者 と し て 求 め ら れ る

「 探 究

」 に 合 う 教 材 で あ る と い え る

。 一

.三 模 擬 裁判 の定 義と 文 学模 擬裁 判 こ こ で 学 校教 育

( 小

・中

・ 高 等 学校

) で の 模 擬裁 判 に つ いて 説明 し て お く。 ま ず 学 校教 育 で の 模擬 裁 判 は 大 学や 法 曹 に よる 模擬 裁 判 と は性 質 を 異 にす る

。 例 えば 大 学 で の 模擬 裁 判 は 法学 教育 を

、 法 曹に よ る 模 擬裁 判 は 実 務を 意 識 し て 行わ れ る が

、学 校教 育 で の 模擬 裁 判 は 法教 育 と し て行 わ れ る

。 法律 学 を 専 攻す る学 生 を 対 象と す る 法 学教 育 と 多 様な 生 徒 を 対 象と す る 法 教育 は全 く 異 な る。 法 学教 育 で の 模 擬裁 判 は 実 務に 基 づ い て行 わ れ

、 手続 き

、 ル ール

、 振 舞 は厳 格 で あ る。 し か し 法 教育 に お け る模 擬裁 判 は 法 的な 思 考 力 を養 う と こ ろに 重 点 が あ るの で

、 法 学教 育の そ れ と は異 な り 緩 やか で あ る

。成 り 切 る と いう 点 か ら 演劇 的要 素 も 関 わる

。 現 場 では あ り 得 ない こ と か も しれ な い が

、異 議を 出 す 時 は机 を 叩 い て出 す こ と もあ る

。 教 材 も昔 話 で あ った り小 説 で あ った り す る

。ま た 判 決 を下 さ な い 場 合も あ る

。 法学 教育 や 法 曹 実務 と い う 視点 で 見 た 場合

、 そ の よ うな 模 擬 裁 判を 模擬 裁 判 と 言え な い と 主張 す る 向 きが あ る だ ろ う。 し か し その よう な 見 方 は皮 相 の 見 であ り

、「 教 育 現 場」 を わ かっ て い な いと 言わ ざ る を 得な い

。 学 校教 育 で 行 われ る 模 擬 裁 判は 法 学 の 基礎 を教 え る 目 的で も な け れば

、 ま し てや 司 法 修 習 生を 育 て る 目的

で もな い

。 最 低限 法 的 な 思考 力 を 養 うた め に 行 われ る 学 校 教育 で の模 擬 裁 判 も、 学 校 教 育の 中 で は それ は

「 模 擬裁 判

」 な ので あ る。 方 法 に し て も シ ナ リ オ 通 り に 行 う

「 踏 襲 型

」、 元 あ る シ ナ リ オ を 書 き 換 え る

「 改 変 型

」、 司 法 修 習 生 同 様 に ゼ ロ か ら シ ナ リ オ を 創 る「 創 作 型

」の 三 パ タ ー ン の や り 方 が あ る( い ず れ も 筆 者 に よ る 分 類 に よ る

)。 さら に 言 え ば、 国 語 科 の立 場 か ら 模擬 裁 判 を 見る 視 点 は

、法 律 面や 物 事 の とら え 方 や 論理 的 思 考 力と い っ た 狭い 枠 に 留 まる も ので は な い

。法 的 思考 に と ど まら ず

、多 様 な 視 点 から 表 現 力

、 コ ミュ ニ ケ ー ショ ン 力 の 育成 を 図 り つつ 人 間 や 社会 を 深 く 考え て いく の が 国 語科 で の 模 擬裁 判 で あ ると い え る

。そ の 魅力 は「 人 間 が見 え て く る」 点 で あ り「 犯 罪 を 糸口 に し て

、欠 点 だ ら けで 矛 盾に 満 ち た 人間

、 不 条 理な 社 会 と いう も の を 知り

、 深 く 考え る

。教 科 書 が 並べ 立 て る よう な

、 き れい ご と で ない 社 会 の 裏側 が 見え て く る

」( 中国 新 聞 2 0 20

)と ころ に あ る

。そ れ ら は 法 学 教育 で の 模 擬裁 判 と 明 らか に 異 な る。 模 擬 裁 判で 人 間 や 社会 と いう 不 条 理 な存 在 を 深 く考 え る 姿 勢を 養 う 模 擬裁 判 を

「 国語 的 模擬 裁 判

」、 そ の 中で も 文 学 作 品 を 題 材 と し た 模 擬 裁 判 を

「 文 学 模 擬 裁 判

」 と 名 付 け る

「 探 究

」 で 行 う 模 擬 裁 判 と し て は

「 文 学 模 擬 裁 判

」が 最 適 で あ る と 考 え る

。な ぜ な ら「 探 究

」で は「 複 数 の 教 科

・ 科 目 等 に お け る 見 方

・ 考 え 方 を 総 合 的

・ 統 合 的 に 働 か せ る

」 こ と に

な る が「 文 学

」と

「 模 擬 裁 判

」だ け で 少 な く と も 自 然 に「 国 語

」 と「 社 会

」 と い う 複 数 の 教 科 に お け る 見 方

・ 考 え 方 を 総 合 的

・統 合 的 に 働 か せ る こ と に な る か ら で あ る

。ま た 目 標 に

「 自 己 の在 り 方 生 き方 を 考 え なが ら

」 とあ る が

、文 学 は 人 間を 考え る こ と に繋 が り

、 それ は 必 然 的に 自 己 や 生 き方 に 関 わ って くる と い え るか ら で あ る。 本 論 文 に おい て は

「 探究

」 で の 文学 模 擬 裁 判 の実 践 を 総 括し なが ら

、 そ の有 効 性 を 明ら か に す る。 と り わ け

「探 究

」 で 身に 付け よ う と する

「 課 題 の発 見

、 お よび そ の 解 決

」す る 力 が 養わ れ、 そ の 目指 す「 課題 設 定→ 情報 の 収 集→ 整 理・ 分析→

ま と め

・ 表現→

新 た な課 題 設 定

」と い う 発 展的 循 環 の モ デル を 描 く 点を 明ら か に し たい

。 そ し てよ り 改 善 する 方 策 を 探 って い く

。 二 研 究の 対象

につ いて 二. 一 対 象と な る実 践 文 学 模 擬 裁判 を 始 め た2 0 1 5 年か ら 今 回 の 研究 対 象 校

(⑬ A高 校

) ま での 実 践 の 経緯 は 表 2 の通 り で あ る

。 二. 二 実 践 校 につ いて 今 回 実 践の 舞 台 と な る学 校 は 兵 庫 県の キ リ ス ト教 の 私 立 A 高 校( 共 学

)で あ る

。筆 者 は A 高校 で は 2 01 9 年 秋

(④

) での

『羅 生 門

』 文学 模 擬 裁 判( 高 校 二 年現 代 文 と 現 代社 会 の 教 科横

表2

文学 模擬 裁 判の 実践

( 20 21 年 2月 ま で) 断

型授 業

)や 2 0 2 0年 1 月

~ 2月 に か け ての 窃 盗 未 遂事 件( 人 文 探究 で の 授 業) の 模 擬 裁判 と 関 わ って き た

。 学校 と し て これ ま での

「 総 合

」と は 異 な る「 探 究

」 の本 格 的 実 施に 向 け て

、そ

回・年月 作品名 学校・対象・科目他

①2015/7 蜻蛉日記 京都教育大学附属高校(古文)

②2016/3 高瀬舟 京都教育大学附属高校 1 年生(国語総合)

③2019/10 羅生門 岐阜県立関高校 2 年生(現代文)

④2019/10 羅生門 A高校 2 年生(国語科・社会科共同)

⑤2019/10 羅生門 大阪大学 4 年学生・院生(教職実践演習)

⑥2019/11 羅生門 大阪大学 4 年学生・院生(教職実践演習)

⑦2019/11 高瀬舟 千葉県立千葉東高校 3 年生(現代文)

⑧2020/1 こころ 岐阜県立関高校 2 年生(現代文)

⑨2020/8 高瀬舟 第 1 回オンライン高校生模擬裁判選手権

(参加 10 校)

⑩2020/10 猿の嫁 大阪大学 4 年生・院生(教職実践演習)

⑪2020/11 猿の嫁 大阪大学 4 年生・院生(教職実践演習)

⑫2020/11 高瀬舟 秋のオンライン高校生模擬裁判対抗戦(参加4校)

⑬2021/2 高瀬舟 A高校 1 年生(探究)

(7)

の方 法 の 一 環と し て 模 擬裁 判 を 試 験的 に 採 用 さ れ、 筆 者 が その 実施 に あ た って 専 門 家 の立 場 か ら 協力 し て い る

。今 回 の 実 践は 一年 生 3 7 名を 対 象 と した

「 人 文 探究

」 で 2 0 21 年 1 月 から 2月 に か け て取 り 組 ん だ。

『 羅生 門

』文 学 模 擬 裁 判の 際 は 模 索的 であ っ た が

、 今 回 は「 探 究」 での 円 滑 な 実 施に 向 け て

、見 通し を持 ち な が ら実 践 し て いっ た

。 森 鷗外

『 高 瀬 舟

』を 題 材 に した 理由 は

、 喜 助の 弟 殺 し が殺 人 か 同 意殺 人 か を 問 える だ け に とど まら ず

、 人 間や 社 会 の 不合 理 性 に 葛藤 を 生 じ さ せる 教 材 で ある こと

、 千 葉 東高 校 で 二 カ月 の 長 期 にわ た り 本 格 的に 取 り 上 げた 国語 科 で の 実践 経 験

⑦) が

「 探 究」 に 活 か せ るこ と

、 出 身中 学校 で 学 習 済み の 生 徒 が比 較 的 多 かっ た こ と が 挙げ ら れ る

。 三 授業 内 容に つい て 三. 一 授業 の流 れ 授 業 の 流 れは 表 3 の よう に な る

。コ ロ ナ 禍 の ため

、 前 半 は岡 山と 兵 庫 を ZO O M で 繋い で 行 っ た。 シ ナ リ オ 改変 型 の 授 業で ある

。 三. 二 授業 の 内容 一 回 目 は今 回 の 争 点が 喜 助 の 弟殺 し を 巡 っ て殺 人 罪 が 成立 す るか 同 意 殺 人罪 が 成 立 する か で あ るの で

、 殺 人 罪( 刑 法 1 99 条)

「 人を 殺 し た者 は

、死 刑又 は 無 期 若し く は 5 年以 上 の 懲 役に

表 3 授業 の 流れ

(全 1 0時 間) 二回

目 は

『 高瀬 舟

』 本 文を も と に 登場 人 物

( 喜助

・ 庄 兵 衛・ 弟

・婆 さ ん

) がど の よ う なエ ピ ソ ー ドを 持 ち

、 どの よ う な 人物 な のか と い う キャ ラ ク タ リゼ ー シ ョ ン化 を 行 っ た。 班 学 習 のス タ イル で あ り

、班 ご と に こち ら で 指 名し

、 Z O OM 画 面 の 前で

月日

(時間数)

内容

1 1/12(1) 関係する法律知識について(ZOOM)

2 1/19(1) キャラクタリゼーション・事実について・医学的知識 について(ZOOM)

3 1/26(2) キャラクタリゼーション・小説の舞台「京都」につい て(ZOOM)

4 2/2(2) 質問・尋問の作り方について(対面)

5 2/15(2) リハーサル(キャストのみ・放課後対面で実施)

6 2/18(2) 本番(兵庫県弁護士会よりゲスト講師来校)

処 す る

」 と 同 意 殺 人 罪( 刑 法

)「 人 を 教唆 し 若 し く は 幇 助 し て 自 殺 さ せ

、 又 は 人 を そ の 嘱 託 を 受 け 若 し く は そ の 承 諾 を 得 て 殺 し た 者 は

、 6 月 以 上 7 年 以 下 の 懲 役 又 は 禁 錮 に 処 す る

」 の 条 文 に つ い て

、 構 成 要 件 を 踏 ま え て 説 明 を行 っ た

また 読 み 方 と し て テ ク ス ト 論 と 作 家 論 の 二 つ を 挙 げ 読 解 の 答 え に 正 解 は 無 く 読 者 に 委 ね ら れ る こ と に つ い て 説 明 し た

。 発表

し て も らう 工 夫 を 採っ た

。 ま た事 実 群 を 構 成す る 事 実 には 三種 類 あ り

「公 知 の 事 実」

、「 検 察

・弁 護 間 で 争 いの な い 事 実」

「証 拠 か ら 導き 出 せ る 事実

」 の 三 種類 が あ る こ と、 事 実 は 証拠 から 導 き 出 せる も の で ある こ と

、証 拠 と は 証 拠 物

、証 拠 書 類( 書 証

、 証 言

、 供 述 な ど の こ と を 指 す こ と を 講 義 し た(

)

。 そ し て『 高 瀬 舟

』を 医 学 的 に 解 説 し た 約 1 0 分 の D V D を 視 聴 さ せ た

。小 説 の 中 で 弟 は 首 を 剃 刀 で 切 っ て も 言 葉 を 発 し て い る が

、果 た し て 声 を 出 せ る の か

、一 体 喜 助 は 首 の ど の あ た り を 切 っ た の か

、死 因 は 何 な の か な ど 小 説 の 中 で は 明 確 に 鷗 外 は 記 し て い な い

。た だ 殺 人 か 同 意 殺 人 か 判 断 す る に あ た り

、 医 学 的 見 地 か ら の 知 識 は 必 要 と な っ て く る

。 三 回 目 は 作 品 の 舞 台 と な っ た

『 高 瀬 舟

』 ゆ か り の 京 都 の ス ポ ッ ト を 編 集 し た ス ラ イ ド 資 料 を 使 っ て 解 説 し た

。文 学 に 限 らず 国 語 の 教材 は イ メ ージ が 目 の 前 に立 ち 上 が るか 否 か が 読解 に関 係 す る

。兵 庫 の 高 校生 に

「 舞 台で あ る 京 都 にあ る 高 瀬 川」 をイ メ ー ジ させ

、 読 み を深 め さ せ るた め に

『 高 瀬舟

』 ゆ か りの 地の フ ィ ー ルド ワ ー ク を行 い

、 そ れを パ ワ ー ポ イン ト 資 料 とし て教 材 化 し た。 舞 台 を 認識 さ せ る こと が 喜 助 の 人物 形 象 を 深め る 上 で重 要 だ か ら で あ る

。 筆 者 が ゆ か り の 地 を 巡 り フ ィ ー ル ド ワ ー ク を 行 っ て 明 ら か に な っ た こ と を 説 明 し て い っ た

。 喜 助 兄 弟 が 働 い た 西 陣

、住 ん で い た 紙 屋 川 を 渡 っ た 北 山 の あ た り

、流 さ れ た 高 瀬 川 流 域 の 風 景

、淀 川 と の 合 流 点 の 伏 見 港

な ど の 写 真 資 料 で あ る

。兄 弟 の 職 業 で あ る「 空 引 き

」と い っ て も ほ と ん ど の 読 者 は 想 像 で き な い で あ ろ う

。西 陣 織 会 館 に は 空 引 き 機 が 保 存 さ れ て お り

、実 際 に 空 引 き 機 を 使 っ た 西 陣 織 の 伝 統 工 芸 士 が 健 在 で あ る

。空 引 き 機 の 観 察 や 伝 統 工 芸 士 へ の イ ン タ ビ ュ ー か ら

、西 陣 の 職 場 の 労 務 環 境 が 当 時 劣 悪 で あ っ た こ と

、空 引 き は 二 人 で 行 う の で 息 を 合 わ せ る こ と が 大 事 で あ る こ と

、子 供 で も で き る 簡 単 な 仕 事 で あ っ た こ と

、高 さ 三 メ ー ト ル の と こ ろ に 上 っ て 仕 事 は す る が

、な れ た ら 危 険 で は な い こ と な ど 得 た 知 識 を

、写 真 資 料 と 一 緒 に 説 明 し て い っ た

。こ の よ う な 視 覚 資 料 を 使 っ て

、こ の 作 品 の 舞 台 や 時 代 を 明 確 に 理 解 し た 上 で『 高 瀬 舟

』の 世 界 の 形 象 を 生 徒 の そ れ ぞ れ に 立 ち 上 が ら せ る の で あ る

。ま た 引 き 続 き キ ャ ラ ク タ リ ゼ ー シ ョ ン を 行 っ た

。模 擬 裁 判 で は 人 物 を 演 じ る 必 要 が あ る の で

、全 員 で ど の よ う な 人 物 な の か 把 握 す る 作 業 が 重 要 と な る

。 第 四 回 で は 対 面 で 質 問 や 尋 問 の 作 り 方 を 主 に 説 明 し た

。 尋 問 と 質 問 の 違 い

、 証 言 と 供 述 の 違 い

、 基 本 的 に は 主 尋

( 質

) 問 はopen question

、 反 対 尋

( 質

) 問 はclosed question

で 作 る こ と な ど 実 際 に 手 本 を 示 し な が ら ワ ー ク シ ョ ッ プ 的 に 進 め た

。今 回 は シ ナ リ オ 改 変 型 で 実 施 し た が

、シ ナ リ オ 作 成 の 説 明 に あ た っ て は

、論 告 弁 論 が あ ら ゆ る 始 ま り で あ り「 初 め に 終 わ り( 結 論

) を 考 え る

」 こ と を 説 明 し た

。説 得 力 の あ

(8)

の方 法 の 一 環と し て 模 擬裁 判 を 試 験的 に 採 用 さ れ、 筆 者 が その 実施 に あ た って 専 門 家 の立 場 か ら 協力 し て い る

。今 回 の 実 践は 一年 生 3 7 名を 対 象 と した

「 人 文 探究

」 で 2 0 21 年 1 月 から 2月 に か け て取 り 組 ん だ。

『 羅生 門

』文 学 模 擬 裁 判の 際 は 模 索的 であ っ た が

、 今 回 は「 探 究」 での 円 滑 な 実 施に 向 け て

、見 通し を持 ち な が ら実 践 し て いっ た

。 森 鷗外

『 高 瀬 舟

』を 題 材 に した 理由 は

、 喜 助の 弟 殺 し が殺 人 か 同 意殺 人 か を 問 える だ け に とど まら ず

、 人 間や 社 会 の 不合 理 性 に 葛藤 を 生 じ さ せる 教 材 で ある こと

、 千 葉 東高 校 で 二 カ月 の 長 期 にわ た り 本 格 的に 取 り 上 げた 国語 科 で の 実践 経 験

⑦) が

「 探 究」 に 活 か せ るこ と

、 出 身中 学校 で 学 習 済み の 生 徒 が比 較 的 多 かっ た こ と が 挙げ ら れ る

。 三 授業 内 容に つい て 三. 一 授業 の流 れ 授 業 の 流 れは 表 3 の よう に な る

。コ ロ ナ 禍 の ため

、 前 半 は岡 山と 兵 庫 を ZO O M で 繋い で 行 っ た。 シ ナ リ オ 改変 型 の 授 業で ある

。 三. 二 授業 の 内容 一 回 目 は今 回 の 争 点が 喜 助 の 弟殺 し を 巡 っ て殺 人 罪 が 成立 す るか 同 意 殺 人罪 が 成 立 する か で あ るの で

、 殺 人 罪( 刑 法 1 99 条)

「 人を 殺 し た者 は

、死 刑又 は 無 期 若し く は 5 年以 上 の 懲 役に

表 3 授業 の 流れ

(全 1 0時 間) 二回

目 は

『 高瀬 舟

』 本 文を も と に 登場 人 物

( 喜助

・ 庄 兵 衛・ 弟

・婆 さ ん

) がど の よ う なエ ピ ソ ー ドを 持 ち

、 どの よ う な 人物 な のか と い う キャ ラ ク タ リゼ ー シ ョ ン化 を 行 っ た。 班 学 習 のス タ イル で あ り

、班 ご と に こち ら で 指 名し

、 Z O OM 画 面 の 前で

月日

(時間数) 内容

1 1/12(1) 関係する法律知識について(ZOOM)

2 1/19(1) キャラクタリゼーション・事実について・医学的知識 について(ZOOM)

3 1/26(2) キャラクタリゼーション・小説の舞台「京都」につい て(ZOOM)

4 2/2(2) 質問・尋問の作り方について(対面)

5 2/15(2) リハーサル(キャストのみ・放課後対面で実施)

6 2/18(2) 本番(兵庫県弁護士会よりゲスト講師来校)

処 す る

」 と 同 意 殺 人 罪( 刑 法

)「 人 を 教唆 し 若 し く は 幇 助 し て 自 殺 さ せ

、 又 は 人 を そ の 嘱 託 を 受 け 若 し く は そ の 承 諾 を 得 て 殺 し た 者 は

、 6 月 以 上 7 年 以 下 の 懲 役 又 は 禁 錮 に 処 す る

」 の 条 文 に つ い て

、 構 成 要 件 を 踏 ま え て 説 明 を行 っ た

また 読 み 方 と し て テ ク ス ト 論 と 作 家 論 の 二 つ を 挙 げ 読 解 の 答 え に 正 解 は 無 く 読 者 に 委 ね ら れ る こ と に つ い て 説 明 し た

。 発表

し て も らう 工 夫 を 採っ た

。 ま た事 実 群 を 構 成す る 事 実 には 三種 類 あ り

「公 知 の 事 実」

、「 検 察

・弁 護 間 で 争 いの な い 事 実」

「証 拠 か ら 導き 出 せ る 事実

」 の 三 種類 が あ る こ と、 事 実 は 証拠 から 導 き 出 せる も の で ある こ と

、証 拠 と は 証 拠 物

、証 拠 書 類( 書 証

、 証 言

、 供 述 な ど の こ と を 指 す こ と を 講 義 し た(

)

。 そ し て『 高 瀬 舟

』を 医 学 的 に 解 説 し た 約 1 0 分 の D V D を 視 聴 さ せ た

。小 説 の 中 で 弟 は 首 を 剃 刀 で 切 っ て も 言 葉 を 発 し て い る が

、果 た し て 声 を 出 せ る の か

、一 体 喜 助 は 首 の ど の あ た り を 切 っ た の か

、死 因 は 何 な の か な ど 小 説 の 中 で は 明 確 に 鷗 外 は 記 し て い な い

。た だ 殺 人 か 同 意 殺 人 か 判 断 す る に あ た り

、 医 学 的 見 地 か ら の 知 識 は 必 要 と な っ て く る

。 三 回 目 は 作 品 の 舞 台 と な っ た

『 高 瀬 舟

』 ゆ か り の 京 都 の ス ポ ッ ト を 編 集 し た ス ラ イ ド 資 料 を 使 っ て 解 説 し た

。文 学 に 限 らず 国 語 の 教材 は イ メ ージ が 目 の 前 に立 ち 上 が るか 否 か が 読解 に関 係 す る

。兵 庫 の 高 校生 に

「 舞 台 であ る 京 都 にあ る 高 瀬 川」 をイ メ ー ジ させ

、 読 み を深 め さ せ る ため に

『 高 瀬舟

』 ゆ か りの 地の フ ィ ー ルド ワ ー ク を行 い

、 そ れ をパ ワ ー ポ イン ト 資 料 とし て教 材 化 し た。 舞 台 を 認識 さ せ る こ とが 喜 助 の 人物 形 象 を 深め る 上 で重 要 だ か ら で あ る

。 筆 者 が ゆ か り の 地 を 巡 り フ ィ ー ル ド ワ ー ク を 行 っ て 明 ら か に な っ た こ と を 説 明 し て い っ た

。 喜 助 兄 弟 が 働 い た 西 陣

、住 ん で い た 紙 屋 川 を 渡 っ た 北 山 の あ た り

、流 さ れ た 高 瀬 川 流 域 の 風 景

、淀 川 と の 合 流 点 の 伏 見 港

な ど の 写 真 資 料 で あ る

。兄 弟 の 職 業 で あ る「 空 引 き

」と い っ て も ほ と ん ど の 読 者 は 想 像 で き な い で あ ろ う

。西 陣 織 会 館 に は 空 引 き 機 が 保 存 さ れ て お り

、実 際 に 空 引 き 機 を 使 っ た 西 陣 織 の 伝 統 工 芸 士 が 健 在 で あ る

。空 引 き 機 の 観 察 や 伝 統 工 芸 士 へ の イ ン タ ビ ュ ー か ら

、西 陣 の 職 場 の 労 務 環 境 が 当 時 劣 悪 で あ っ た こ と

、空 引 き は 二 人 で 行 う の で 息 を 合 わ せ る こ と が 大 事 で あ る こ と

、子 供 で も で き る 簡 単 な 仕 事 で あ っ た こ と

、高 さ 三 メ ー ト ル の と こ ろ に 上 っ て 仕 事 は す る が

、な れ た ら 危 険 で は な い こ と な ど 得 た 知 識 を

、写 真 資 料 と 一 緒 に 説 明 し て い っ た

。こ の よ う な 視 覚 資 料 を 使 っ て

、こ の 作 品 の 舞 台 や 時 代 を 明 確 に 理 解 し た 上 で『 高 瀬 舟

』の 世 界 の 形 象 を 生 徒 の そ れ ぞ れ に 立 ち 上 が ら せ る の で あ る

。ま た 引 き 続 き キ ャ ラ ク タ リ ゼ ー シ ョ ン を 行 っ た

。模 擬 裁 判 で は 人 物 を 演 じ る 必 要 が あ る の で

、全 員 で ど の よ う な 人 物 な の か 把 握 す る 作 業 が 重 要 と な る

。 第 四 回 で は 対 面 で 質 問 や 尋 問 の 作 り 方 を 主 に 説 明 し た

。 尋 問 と 質 問 の 違 い

、 証 言 と 供 述 の 違 い

、 基 本 的 に は 主 尋

( 質

) 問 はopen question

、 反 対 尋

( 質

) 問 はclosed question

で 作 る こ と な ど 実 際 に 手 本 を 示 し な が ら ワ ー ク シ ョ ッ プ 的 に 進 め た

。今 回 は シ ナ リ オ 改 変 型 で 実 施 し た が

、シ ナ リ オ 作 成 の 説 明 に あ た っ て は

、論 告 弁 論 が あ ら ゆ る 始 ま り で あ り「 初 め に 終 わ り

( 結 論

) を 考 え る

」 こ と を 説 明 し た

。説 得 力 の あ

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