• 検索結果がありません。

論文内容要旨

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "論文内容要旨"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

論文内容要旨

ASD における人物動画に対する視線計測

精神科 (第 26 巻 第 2 号 2019 年)

内科系精神医学 太田 真里絵

近年、成人期における ASD、ADHD などの発達障害が臨床上も研究上も主要なテ ーマとなりつつある。しかしながら、これらの疾患に対して特異的な生物学的指 標は認められておらず、診断に関しては臨床症状と経過から判断しているのが現 状である。Klin らは、思春期の高機能自閉症を対象として映画の対話シーンを 視聴している際の視線計測を行った。この結果、定型発達の対象群と比較して、

自閉症群においては有意に目を見る時間が短く口を見る時間が長かったと報告 した。このような所見は ASD の生物学的指標となる可能性を持っており、その後 も同様の研究が行われてきたが、対象者の年齢や検査条件において必ずしも一定 の結果を得られておらず、また成人を対象とした検討は十分に行われていない。

そこで本研究においては、Klin らの課題と類似した動画課題を作成し、ASD 患者 と健常成人を対象に視線計測を行ない、視線計測が ASD 患者の生物学的指標とな るかどうか検討を行った。

対象として、ASD 群は、昭和大学附属烏山病院において外来通院中の 15 名の 男性患者(平均年齢 32.3 歳) である。年齢は 18 歳以上とし、DSM-5 の診断基準 を満たすものとした。精神疾患の既往のない健康男性 16 名 (平均年齢 31.1 歳) を対照群とした。

視線計測は Tobii 社 (Stockholm, Sweden) の T120 Eye Tracker 及び、17 イ ンチ TFT モニターを用いて記録した。動画刺激としては、Klin らと同様に古典 的な映画から 2 人の対話シーンを抽出して編集し、被験者にディスプレー上に提 示した。約 10 分間の映像を動画刺激として用い、特に人物が大きく映し出され ている場面を抽出し、画面上を①目、②口、③体(目と口は除く)、④背景の4箇 所に分類し、各々の範囲に視線がある時間を計測した。

(2)

本研究では、健常群の注視時間と比較すると、ASD 群においては、目に対する 注視時間は有意に短く、口に対する注視時間は有意に長かった。体と背景に対す る注視時間に両群の差は認めなかった。

また、ASD 群においては、口に対する注視時間は、目、背景より有意に長く、

また体に対する注視時間は、背景よりも有意に短かった。健常群では目に対する 注視時間は、口、体、背景と比較して有意に長く、背景に対する注視時間は、口、

体と比較して有意に短かった。

本研究の結果から、他の研究結果と同様に、成人期の ASD においては、注視点 において特徴的な所見がみられることが示された。この結果がどのような病態生 理と関するかについては現在のところ明らかではないが、多くの当事者に利用可 能な検査方法を考案することにより、臨床応用も可能となると思われる。今後対 象症例を増やすとともに、疾患特異性について検討を重ねたい。

参照

関連したドキュメント

睡眠を十分とらないと身体にこたえる 社会的な人とのつき合いは大切にしている

 音楽は古くから親しまれ,私たちの生活に密着したも

また,具体としては,都市部において,①社区

3 当社は、当社に登録された会員 ID 及びパスワードとの同一性を確認した場合、会員に

たとえば、市町村の計画冊子に載せられているアンケート内容をみると、 「朝食を摂っています か 」 「睡眠時間は十分とっていますか」

①配慮義務の内容として︑どの程度の措置をとる必要があるかについては︑粘り強い議論が行なわれた︒メンガー

原則としてメール等にて,理由を明 記した上で返却いたします。内容を ご確認の上,再申込をお願いいた

※優良緑地として登録を 希望する場合は、第 6 条各 号の中から2つ以上の要 件について取組内容を記