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金属繊維層の異方性を利用した対流熱伝達の促進

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Academic year: 2021

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金属繊維層の異方性を利用した対流熱伝達の促進

1. はじめに

 エネルギーの有効利用の観点から,

新しいエネルギー変換システムの開発 も大切であるが,既存システムの熱交 換過程や排熱回収過程の高効率化は極 めて重要な意味をもつ.その鍵となる 機器の一つが熱交換器であり,高性能 化と小型化は,発熱部の冷却問題とも 関連して重要な課題である.

 本稿では,熱交換器への応用を念頭 に著者らが行っている,金属繊維層を 利用した空気流の対流熱伝達促進につ いての研究事例(1)(2)を紹介する.

2. 背景と着眼点

 対流熱伝達の促進手法には種々の方 法があるが,熱交換器の空気側流路へ の応用を考えると,拡大伝熱面(フィ ン)の設置が大きな流れである.フィ ン面密度(比表面積)が 700 m2/m3を 超える要素をコンパクト型と呼んでい るが,高密度化とフィン前縁効果によ り,その性能は年々上がっている.

 他方,最近では,多孔質体を利用した 研究例が提案されている.多孔質体は,

これまで触媒反応装置,流動層,蓄熱・

断熱層等の用途で研究されてきた.独 特な構造を持ち,製法や空隙数にもよ るが,代表的なアルミ発泡体の比表面 積は 1 000~3 000 m2/m3にも達する.

熱伝導率も高いため,伝熱面に接触さ せれば,熱は熱伝導でも発泡体を介し て運ばれ,空気へと熱伝達で伝わり,優 れたフィンとなり得る.ただし今のと ころ,製造業者が限られ,割高である.

 筆者は,発泡体と同程度の比表面積 をもつ直径数百 μm 程度の金属繊維 に注目している.それは,繊維軸を流 路の中でうまく配置すれば,繊維中を 伝わる熱の伝導方向を変え,この異方 性を利用して細かい伝熱制御が可能に なると考えるためである.アルミ繊維 は一般的に伸縮性と加工性が高く,軽 量で劣化が少ない.換気フィルタ,吸 音材,電磁波シールド,触媒担体,ろ 過材等に使われ安価である.現在,直 径 100 μm の不織布状のアルミ繊維を 層状に重ね,流路内に設置し,その性 能を調べている.

3. 実験結果

 図 1にアルミ繊維層の一例を示す.

(a)の SEM 写真のように繊維は互い に絡み合っている.(b)のように流 路に設置して実験を行う.(c)は X 線 CT 写真,(d)は繊維軸配向度であ り,伝熱面に垂直な方向ほど明るい色 で示した.X 型(左図)は配向度が低 く,伝熱面に平行な繊維が多い.一方,

Y 型(右図)は配向度が高く,垂直方 向の繊維を多く含む.高さ 10 mm,

幅 150 mm,長さ 150 mm の流路に設 置し,下壁を加熱して壁温を測定し,

局所熱伝達率を求め,設置前の壁面に 対する熱伝達促進比を調べた.

 図 2は熱伝達促進比の一例である.

その比は,伝熱面への垂直配向度が高 い Y 型が上流側で約 20 倍と最も高い.

X 型が約 8 倍,アルミ発泡体が約 5 倍 であった.アルミ発泡体との比較は,

今後も検討する必要があるが,アルミ 繊維層の伝熱異方性の影響が大きく,

最適配置方法についてさらに検討すべ きと考えている.

4. おわりに

 アルミ繊維層の伝熱異方性により,

10倍を超える伝熱促進率を達成した.

一般的に,気体流路の熱伝達率は液体 流路に対して 1~2 桁程度低いが,さ らなる改善で,液体流路と同等な性能 を発揮できる可能性がある.熱交換器 へと展開するには,圧力損失との関係,

単位体積当たりの伝熱量評価,伝熱面 への接合方法等,検討課題が多くある.

今後さらに研究を進めたいと思う.

(原稿受付 2015 年 2 月 2 日)

〔稲岡恭二 同志社大学〕

●文 献

( 1 )岡崎圭佑・山本光佑・阪上雅昭・千田  衞・稲岡恭二,アルミニウム繊維層を設置 した流路の熱伝達と圧力損失特性,日本機 械学会論文集,79-800,B(2013),649- 659.

( 2 )Imai, K., Yamamoto, M., Sakagami, M., Senda, M. and Inaoka, K., Heat Transfer Performance of a Channel Flow with Alu- minum Fiber Layers (Comparison with Aluminum Porous Foams), Proc. 15th Int.

Heat Trans. Conf., (2014-8), IHTC15- 9080.

(b)熱移動の概要 (d)アルミ繊維軸の垂直配向度(明るい色:配向度大)

(c)X線 CT イメージ [X86.9+]

[X86.9+]

伝熱面 アルミニウム 繊維層

熱伝逹 熱伝導

[Y82.8-]

[Y82.8-]

配向度

(a)アルミ繊維 SEM 写真

図1 アルミ繊維層サンプルの一例

図2 熱伝達促進比の一例 0.000

5 10 熱伝逹促進比 h(x)/ho(x)

15 20 25

0.05

アルミ繊維層(Y81.8-空隙率 81.8%)

アルミ繊維層(Y82.8-空隙率 82.8%)

アルミ繊維層(X81.5+空隙率 81.5%)

アルミ発泡体(40PPI 空隙率 83.0%)

流れ方向座標 x(m)

0.10

ReD=4600

0.15

─ 37 ─

日本機械学会誌 2015. 7 Vol. 118 No.1160 423

TOPICS.indb 37 2015/06/29 20:29:47

参照

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1  第 52.11 項(綿織物(綿の重量が全重量の 85%未満のもので、混用繊維の全部又は大部分 が人造繊維のもののうち、重量が 1 平方メートルにつき

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