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密教文化 Vol. 1976 No. 116 003静 慈圓「弘法大師の上表文における文章構造の特色 (下) P41-63」

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(下)

五 大 師 が 書 か れ た 上 表 文 の 中 に は、 自 ら を 卑 下 し 恐 縮 す る 文 章 表 現 が 見 ら れ る。 恐 櫻 の 表 現 は、 内 容 的 に 見 る と 次 の 二 つ の 型 に 分 か つ こ と が で き る。 第 一 は、 御 自 身 の 無 力 な こ と を 御 謙 遜 さ れ る 表 現、 第 二 は、 嵯 峨 帝 へ の 御 文 章 で、 書 道 に 関 し て 自 ら の 未 熟 を 恐 縮 さ れ る 表 現 で あ る。 以 下 に そ の 実 例 を 示 し な が ら、 文 章 構 造 と そ の 表 現 を 検 討 し て い く。 ( 表1) の 御 文 章 は、 嵯 峨 帝 へ 奉 進 す る 最 初 の 文 で あ る。 大 師 三 六 才 の 作。 最 初 で あ る た め か、 全 文 を 謙 退 の み に よ つ て 書 か れ て い る。 こ の よ う な 極 端 な 文 は、 こ の 一 例 だ け で あ る。 だ が 帝 に 奉 献 す る 御 文 章 の 謙 退 表 現 は、 実 は こ の 文 章 が 基 本 型 と な っ て い る。 従 っ て ま ず 始 め に ( 表1) の 御 文 章 に つ い て 検 討 す る。 ( 表1) に は、 次 に 示 す よ う に 謙 退 表 現 の 二 つ の 型 が 同 時 に 見 ら れ る。 (36) < 例 32> ( 表 1) ハ ノ 空 海 綴 林 朽 枝。 ノ ナ リ 法 海 燗 屍。 ︿ 通 釈 ﹀ 私 は、 ( 僧 衆 の 中 に あ っ て は) あ た か も 朽 枝 の 如 く に つ ま ら ぬ も の で あ り、 ま た 大 海 中 に 共 住 す る こ と を 許 さ れ な い 屍 の 如 く に つ ま ら ぬ 僧 で あ る。 右 文 は、 勅 命 を 承 っ て、 世 説 の 文 を 屏 風 に 書 き 奉 献 す る 文 で あ る。 こ の 語 句 に つ い て、 典 故 と 考 え ら れ る 典 籍 を 次 に 示 す。 ﹁ 纈 林 朽 枝 ﹂ は ﹃ 釈 氏 要 覧 ﹄ 上 巻、 ﹃ 智 度 論 ﹄ 第 三、 ﹃ 慈 恩 弘 法 大 師 の 上 表 文 に お け る 文 章 構 造 の 特 色 ( 下)

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密 教。 文 化 ノ 伝 ﹄ 第 入、 ﹃ 漢 書 ﹄ 列 伝 五 一 に 見 え る。 ﹁ 法 海 燗 屍 ﹂ は ﹃ 随 蝪 ス ヲ 帝 度 レ 人 勅 ﹄ (﹃ 広 弘 明 集 ﹄ 第 一 五)、 ﹃ 地 蔵 十 輪 経 ﹄ 第 四、 ﹃ 不 ノ 思 議 疏 ﹄ 上 巻 に 見 え る。 本 文 で は、 つ づ い て 自 ら が 筆 道 に つ い て 未 熟 な こ と を 恐 催 さ れ て い る。 (37) < 例 33> ( 表 1) ロ ン ヤ 寧 有 二 現 鬼 墨 池 之 才。 跳 龍 返 鵠 之 芸 一。 ニ ン ヤ テ ラ ン ト ハ ニ 豊 図 燕 石 魚 目 謬 当 二 天 簡 輔。 ノ レ テ ス ヲ 天 命 難 レ 追 敢 汗 二 珍 絵 一。 あ メ ス ヲ 既 無 二 驚 レ 人 之 抜 剣 一。 テ ヘ リ ス ヲ ヲ 還 続 二 械 レ 目 之 死 馳 一。 キ ヲ レ のプ ヲ タ リ 棟 レ 之 懊 レ 之 心 魂 個 然。 < 通 釈> ( 観 念 観 法 に 自 ら の 心 を 期 し て い る 私 で あ る か ら) ど う し て や、 か の 蒼 頷 が 鬼 を 果 せ し め た 程 の、 ま た 王 義 之 の 跳 龍 ・ 返 鵠 の 筆 勢 の 如 き 芸 才 が 自 分 に あ ろ う か、 あ る は ず が な い。 実 に 燕 石 魚 目 に も 等 し い つ ま ら ぬ 自 分 で あ る の に、 陛 下 の 御 簡 び に 預 か ろ う と は 思 い も 及 ば な い こ と で あ る。 し か る に 天 子 の 命 は 追 れ が た く、 敢 え て 珍 重 す べ き 屏 風 に 字 を 書 き 汗 し た て ま つ る。 私 の 書 は、 衆 人 の 中 で 剣 を 抜 き 人 々 を 驚 か す よ う な 筆 力 は な く、 死 蛇 に た と う べ き ほ ど の つ ま ら ぬ 文 字 で あ る。 聖 覧 を 汗 す の は、 実 に 恐 れ 多 い 極 み で あ る。 よ っ て 自 ら お そ れ お の の き、 欄 然 自 失 し 恐 縮 し て い る 次 第 で あ る。 右 文 は、 嵯 峨 帝 に 奉 進 す る 最 初 の 文 章 で あ る た め か、 帝 に 対 す る 懸 念 と 緊 張 が 如 実 に 感 じ ら れ る 文 で あ る。 文 中 に 含 ま れ る 故 事 に つ い て、 そ の 典 故 と 考 え ら れ る 典 籍 は 次 の 如 し。 ﹁ 現 鬼 ﹂ は ﹃ 潅 南 子 ﹄ 第 八 本 経 訓 に、 ﹁ 墨 池 ﹂ は ﹃ 晋 書 ﹄ 列 伝 ノ 第 六 に、 ﹁ 跳 龍 ﹂ は ﹃ 梁 武 帝 評 書 ﹄、 ﹃ 千 字 文 ﹄ 序 に、 ﹁ 返 鵠 ﹂ は ﹃ 白 氏 六 帖 ﹄ 三 二 書 部 に 見 え る。 ﹁ 燕 石 ﹂ は ﹃ 閾 子 ﹄ ( ﹃ 芸 ル ニ 文 ﹄ 第 六)、 ﹃ 劉 子 ﹄ に、 ﹁ 魚 目 ﹂ は ﹃ 任 彦 升 到 二 大 司 馬 記 室 一 カ 幾 ﹄ (﹃ 文 選 ﹄ 四 〇)、 ﹃ 張 景 陽 雑 詩 ﹄ (. 文 選 ・ 二 九)、 ﹃ 韓 詩 外 伝 ﹄、 カ ﹃ 任 肪 述 異 記 ﹄ に、 ﹁ 天 簡 ﹂ は ﹃ 論 語 ﹄ 暁 註 疏 第 二 〇 に 見 え ノ る。 ﹁ 抜 剣 ﹂ は ﹃ 梁 武 帝 評 書 ﹄ に、 ﹁ 偶 然 ﹂ は ﹃ 東 京 賦 ﹄ (﹃ 文 選 ﹄ 三)、 ﹃ 韻 会 ﹄ に 各 々 の 喩 え が 見 え る。 以 上 ︿ 例 32 > ︿ 例 33 > に よ っ て、 謙 退 文 の 基 本 的 な 表 現 を 見

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る こ と が 出 来 る。 以 下 つ づ い て 謙 退 表 現 の 二 面 を 検 索 す る こ と と す る。 ま ず、 第 一 の 面、 つ ま り 御 自 身 を 御 謙 遜 さ れ て い る 御 文 章 は、 次 の 七 例 を み る。 (38) < 例 34 > ( 表 2) ノ 錐 二 喧 蛎 心 体。 ノ ナ リ ト 羊 犬 神 識 囲。 ノ ノ 此 思 此 願。 ニ ツ ニ 常 策 二 心 馬 一。 < 通 釈> 私 は、 か の 蟷 蛎 の そ れ の 如 く に 身 心 共 に 卑 し く つ ま ら ぬ も の で あ り、 羊 や 犬 の 心 と 同 じ ほ ど 劣 り 卑 し き 心 で あ る。 そ の よ う な 自 分 で は あ る が、 国 を 思 い 君 を 思 う こ と は 寸 時 も 忘 れ ず、 及 ば ず な が ら 常 に 我 が 心 馬 を 策 励 し て い る 者 で あ る。 右 文 は、 国 家 の 奉 為 に 全 身 全 霊 を 捧 げ て 修 法 す る こ と を 明 す 文 中、 御 自 身 を 卑 下 さ れ て い る 箇 所 で あ る。 典 故 と 考 え ら ノ れ る も の は 次 の 如 し。 ﹁ 喧 蛎 ﹂ は ﹃ 毛 詩 伝 ﹄ 曹 風 婬 娠 に、 ﹁ 羊 カ ノ 犬 ﹂ は ﹃ 李 令 伯 陳 情 表 ﹄ (﹃ 文 選 ﹄ 三 七)、 ﹁ 策 心 馬 ﹂ は ﹃ 衆 経 撰 雑 讐 喩 経 ﹄ 上 巻 に 見 え る。 (39) < 例 35 > ( 表 6) ニ メ 空 海 瓦 礫 之 人。 テ ツ ヅ メ リ ヲ 謬 絨 二 燕 石 一。 リ キ オ ハ ぞ メ ヲ ニ 不 レ 謂 聖 聡 索 二 金 声 於 錫 麗 一。 ハ ン ト ハ ヲ ニ 訪 二 華 藤 於 朽 椙 唄。 フ ト ヲ 錐 レ 喜 二 聖 論 之 下 徹 嚇。 テ ツ ヲ 還 暫 二 享 箒 之 憲 過 一。 < 通 釈 > 私 は、 も と よ り 瓦 礫 の よ う に 無 価 値 な 者 で あ る。 し か し な が ら 外 見 は、 美 玉 に ま ち が わ れ て い る が、 そ の 実 は 燕 石 の よ う な も の で つ ま ら ぬ 者 で あ る。 だ か き こ り ら、 草 刈 や 樵 夫 に も 等 し い 下 賎 な 私 に、 金 声 の 如 き 立 派 な 文 章 を 求 め ら れ、 立 枯 れ の 木 に も 等 し い 私 に、 華 藤 の 如 き 麗 わ し い 文 章 を 求 め ら れ て も、 た だ た だ 困 惑 す る 次 第 で あ る。 天 子 の 宣 旨 が 私 に 下 っ た こ と は 恐 催 し 喜 び と す る け れ ど も、 貴 し と す る 愛 蔵 品 は、 自 分 勝 手 な も の ば 弘 法 大 師 の 上 表 文 に お け る 文 章 構 造 の 特 色 ( 下)

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密 教 文 化 か り で、 奉 進 す る に 堪 え な い の を 悪 づ 次 第 で あ る。 右 文 は、 帝 よ り 色 々 の 種 類 の 書 を 献 上 す る よ う 求 め ら れ た の に 対 し、 自 分 の 無 力 を 御 謙 退 さ れ た 箇 所 で あ る。 典 故 と し て は、 ﹁ 索 金 声 於 劉 莞 ﹂ は ﹃ 晋 書 ﹄ 孫 緯 列 伝 二 六、 ﹃ 毛 詩 ﹄ 大 雅 ノ に、 ﹁ 華 藤 ﹂ は ﹃ 桂 海 虞 衡 志 草 木 志 ﹄ に、 ﹁ 朽 椙 ﹂ は ﹃ 爾 雅 ﹄ ノ ノ に、 ﹁ 享 箒 之 葱 過 ﹂ は ﹃ 魏 文 帝 論 ﹄ (. 文 選 ﹄ 五 二)、 ﹃ 左 伝 ﹄ 註 昭 公 四 年 に 見 え る。 (40) < 例 36 > ( 表 8) ケ テ メ ヲ ニ ヅ ヲ 永 忠 柾 費 二 程 根 一実 葱 非 才 一。 シ ニ 歴 任 登 用 事 同 二 濫 吹 一。 ヤ 況 乎 如 今 行 年 七 十。 ニ ノ ニ リ ナ ン ト 筋 骨 劣 弱 窮 途 将 レ迫。 ク ン ク ヲ カ 残 魂 余 喘 能 得 二 幾 時 一。 チ ヘ ヲ 即 弛 二 僧 綱 之 綱 紀 一。 キ テ ン ヲ 又 闘 二 統 理 之 師 表 一。 < 通 釈> 私 ( 永 忠) は、 そ の 器 で も な い の に、 な み は ず れ た 俸 禄 を 戴 い て い る こ と は、 自 己 を 顧 み て、 た だ た だ 非 才 を 暫 づ 次 第 で あ る。 そ れ な の に 今 の 職 位 に 挙 げ 用 い ら れ た こ と は、 斉 の 宣 王 の 故 事 つ ま り、 竿 を 吹 か ぬ も の が、 能 く 吹 く 者 の 中 に 濫 り に 混 じ っ て い る も の と 同 じ で 恐 催 す る ば か り で あ る。 ま し て 私 も 年 す で に 七 〇 才。 筋 骨 も 劣 弱 に な り、 死 期 も 迫 り 来 て お り、 残 魂 余 命 い く ば く も な く 老 衰 し て い る。 だ か ら 僧 綱 の 職 に 在 っ て も そ の 職 責 を 果 す こ と が で き ず、 も は や 法 を 守 り 人 々 に 影 響 を 及 ぼ す こ と な ど は 出 き な い の で あ る。 右 文 は、 法 相 宗 の 永 忠 が、 年 老 い た た め、 少 僧 都 の 官 を 辞 職 せ ん と す る 上 表 文 で あ る。 大 師 が 依 頼 を 受 け て 作 っ た も の カ で あ る。 典 故 と し て は、 ﹁ 程 根 ﹂ は ﹃ 漢 書 ﹄ 東 方 朔 伝、 ﹃ 谷 永 上 対 ﹄ に、 ﹁ 歴 任 登 用 ﹂ は ﹃ 尚 書 ﹄ 虞 書 尭 典 に 見 え る。 ﹁ 濫 吹 ﹂ ノ は ﹃ 江 文 通 雑 体 詩 ﹄ ( 文 選 ﹄ 三 一)、 ﹃ 韓 非 子 ﹄ 第 九 内 儲 説 篇 の 故 事 を ふ ま え て い る。 (41) < 例 37 > ( 表 9) テ ニ ク イ タ ル コ ニ 如 宝 随 レ 師 遠 投 二 聖 朝 一。 ニ 山ハ ニ 十 年 干 今 一ム 矢。 フ ト ク ト リ ト コ ロ 錐 レ 云 二 徳 行 無 レ 取。

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エ 才 能 不 プ 聞。 ヨ ツ テ ノ ノ ニ 頼 二 先 師 余 慶 聖 朝 泰 沢 一。 ノ ン テ リ 積 恩 累 畳 積 有 二 年 歳 一。 < 通 釈 > 私 ( 如 宝) は、 鑑 真 和 尚 に 随 っ て 大 唐 よ り 聖 朝 に 来 て か ら、 既 に 六 十 年 に な る。 そ の 間 何 ら の 徳 行 も な け れ ば、 ま た 才 能 と て も な い。 し か る に 聖 朝 の 恩 沢 に 浴 し た こ と は、 こ れ 偏 に 先 師 鑑 真 和 尚 の 余 慶 を 蒙 っ て い る こ と に 他 な ら な い。 こ の よ う に 重 ね 重 ね 御 恩 を 蒙 っ て 今 日 ま で 過 し て 来 て い る の で あ る。 右 文 は、 唐 人 如 宝 が 招 提 寺 の 封 戸 を 賜 わ っ た の に 感 謝 す る 奉 答 文 で あ る。 大 師 が 依 頼 を 受 け て 作 っ た も の で あ る。 典 故 ル と 考 え ら れ る 典 籍 は 次 の 如 し。 ﹁ 徳 行 無 取 ﹂ は ﹃ 恵 津 法 師 与 ニ ニ ノ 暖 律 師 一書 ﹄ ( ﹃ 広 弘 明 集 ﹄ 三 二 Y に、 ﹁ 先 師 余 慶 ﹂ は ﹃ 周 易 ﹄ ノ 坤 卦 に 見 え る。 ﹁ 積 恩 累 畳 ﹂ は ﹃ 不 空 三 蔵 臨 終 陳 情 表 ﹄ (﹃ 表 制 集 ﹄ 第 一 八)、 ﹃ 説 苑 ﹄ 第 一 九 脩 文 篇 に、 ﹁ 積 有 年 歳 ﹂ は ﹃ 周 弘 ル ニ 譲 与 二 徐 陵 一書 ﹄ (. 弘 譲 集 ﹄) に 見 え る。 (42) < 例 38 > ( 表 10) ハ レ ニ ノ ニ ク ヲ 空 海 人 是 瓦 礫 毎 仰 二 金 仙 之 風 一。 ハ メ ヲ ク セ リ ニ 器 謝 二 巣 許 一久 臥 二 尭 帝 之 雲 一。 ノ ヒ ヒ ヲ 窟 観 余 暇 時 学 二 印 度 之 文 一。 シ テ ニ ミ ル ヲ 茶 湯 坐 来 乍 閲 二 震 旦 之 書 一。 < 通 釈> 私 は、 人 と な り は 瓦 礫 に も に て、 何 の 価 値 も な く つ ま ら ぬ も の で あ り、 つ ね に 金 仙 た る 仏 陀 を 仰 ぎ 慕 う も の で あ る。 ま た 器 は、 か の 尭 の 時 の 隠 人 巣 父 ・ 許 由 に は 遠 く 及 ば ず、 陛 下 の 下 で 安 楽 を 食 る も の で あ る。 書 物 に つ い て も、 禅 観 の 余 暇 に 時 々 印 度 の 文 を 学 び、 ま た 茶 湯 を 喫 す る 折 々 を 利 用 し て 震 旦 の 書 を 観 る 程 度 で あ る。 右 文 は、 梵 字 並 に 雑 文 を 献 じ 奉 る 上 表 文 の 一 節 で あ る。 典 故 と 考 え ら れ る も の を 次 に 示 す。 ﹁ 仰 金 仙 之 風 ﹂ は ﹃ 灌 確 類 ﹄ 六 一、 ﹃ 後 漢 書 ﹄ 劉 祐 列 伝 五 七、 ﹃ 事 物 異 名 ﹄、 ﹃ 本 行 経 ﹄ に、 ﹁ 巣 カ 許 ﹂ は ﹃ 皇 甫 諦 高 士 伝 ﹄ 上 巻 の 故 事 に よ っ て い る。 ﹁ 臥 尭 帝 カ 之 雲 ﹂ は ﹃ 法 苑 珠 林 ﹄ 一 二 〇、 ﹃ 飽 明 遠 楽 府 ﹄ (﹃ 文 選 ﹄ 二 八) に 見 え る。 ﹁ 窟 観 ﹂ は ﹃ 大 日 経 疏 ﹄ 第 = に、 ﹁ 印 度 之 文 ﹂ は 弘 法 大 師 の 上 表 文 に お け る 文 章 構 造 の 特 色 ( 下)

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密 教 文 化 ﹃ 西 域 記 ﹄ に、 ﹁ 震 旦 之 書 ﹂ は ﹃ 翻 訳 名 義 集 ﹄、 ﹃ 楼 炭 経 ﹄ に そ れ ぞ れ 見 え る。 以 上 は、 大 師 が 嵯 峨 帝 に 奉 進 し た 文 章 の 中、 御 自 身 を 謙 退 さ れ て い る 部 分 で あ る。 次 の 二 列 は、 淳 和 帝 に 奉 献 す る 文 中 に 見 ら れ る 例 で あ る。 (43) < 例 39 > (表 16) ル ニ テ ヲ テ リ ツ ニ 然 今 以 二 斗 答 之 才 一謬 処 二 法 綱 一。 テ ヲ リ ニ ラ バ ニ 以 二 鉛 刀 之 質 一明 居 二 僧 統 一。 ス メ フ ル ヲ リ ヲ 必 致 三 傷 レ 手 之 諦 一。 ニ ラ ン 遂 無 二 二 利 之 益 一。 < 通 釈> 然 る に 今、 取 る に 足 ら な い 才 能 を 以 て、 誤 っ て 僧 綱 に お り、 ま た 鉛 刀 の 如 き つ ま ら な い 素 質 で あ る の に、 み だ り に 僧 都 の 位 に 留 ま っ て い る。 こ の 身 分 不 相 応 の 高 官 に つ い て い る こ と は、 拙 工 傷 手 の 諺 り を ま ね き、 私 自 身 に も ま た 他 の 人 々 に も 何 の 益 に も な ら な い の で あ る。 右 文 は、 大 師 が 少 僧 都 の 官 を 辞 退 す る 上 表 文 に 見 え る。 自 ら は 禅 観 の み を 心 と し、 世 事 に 経 験 な き た め に、 任 に 耐 え な い 旨 を 述 べ て い る。 典 故 と 考 え ら れ る も の は 次 の 如 し。 ﹁ 斗 答 之 才 ﹂ は ﹃ 論 語 ﹄ 子 路 篇 に、 ﹁ 鉛 刀 之 質 ﹂ は ﹃ 後 漢 書 ﹄ 列 伝 三 七 に 見 え る。 ﹁ 傷 手 之 誇 ﹂ は ﹃ 老 子 ﹄ 下 巻 民 不 畏 死 章 の 故 事 を 引 い て い る。 (44) < 例 40> ( 表 19) ニ ラ ク ハ テ ノ ヲ 常 願 奮 二 蚊 虻 力 一。 セ ン ト ノ ヲ 答 二 海 岳 徳 一。 < 通 釈> 常 に 心 に 願 い 期 す る こ と は、 蚊 虻 の 如 き 微 力 を 傾 け て、 高 大 無 辺 の 御 恩 徳 に 対 し 報 答 せ ん と す る こ と で あ る。 右 文 は、 大 師 疾 に 嬰 っ て、 上 表 し て 大 僧 都 の 職 を 辞 す る 文 に 見 え る。 典 故 と し て は、 ﹁ 蚊 虻 ﹂ の た と え は ﹃ 荘 子 ﹄ 第 六 秋 水 篇 の 故 事 に よ る。 以 上、 大 師 が 御 自 身 を 謙 退 さ れ て い る 用 例 を 例 挙 し た。 こ れ に よ っ て 御 自 身 を ど の よ う な 文 章 を 用 い て 謙 遜 さ れ て い る か を 伺 う こ と が で き た。 以 上 の 謙 遜 の 語 句 を ま と め る と 次 の 如 く な る。 朽 枝 の 如 く に つ ま ら ぬ 私 ・ 大 海 の 中 に 住 む こ と を

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許 さ れ な い 屍 の 如 き 私 ︿ 例 32 >。 燕 石 魚 目 に 等 し い 私 く 例 33 V。 羊 や 犬 の 心 と 同 じ よ う に 劣 り 卑 し い 私 ︿ 例 34 >。 喧 蜥 の 如 く に 微 力 な 私 ︿ 例 34 > ︿ 例 40 >。 瓦 礫 の よ う に 無 価 値 な 私 ︿ 例 35 > ︿ 例 38 >。 草 刈 や 樵 夫 に も 等 し い 下 賎 な 私 ・ 立 枯 の 木 に も ひ と し い 私 く 例 35 V。 死 期 も 迫 り 来 て 残 魂 余 命 い く ば く も な く 老 衰 し て い る 私 は 非 才 を 漸 つ く 例 36 V。 こ れ と い う 徳 行 も な く 才 能 と て も な い 私 ︿ 例 37 >。 鉛 刀 の 如 き つ ま ら ぬ 素 質、 取 る に 足 ら な い 才 能 の 私 く 例 39 V で あ る。 次 に、 (第 二 の 面、 つ ま り 書 を 奉 献 す る 文 中、 自 ら を 謙 退 さ れ て い る 文 章 表 現 を 検 討 す る。 大 師 は、 書 に つ い て は、 御 自 身 の 書 を 謙 遜 す る だ け で な く、 上 表 文 の 中 に お い て、 大 い に 書 道 を 研 学 し た こ と を 示 し て い る と こ ろ も あ る。 例 え ば ク ミ テ ヲ 空 海 久 閲 二 翰 墨 一。 シ ニ 志 深 二 画 一 一。 ノ と リ ヲ 安 禅 余 隙 時 探 二 六 書 之 秘 奥 嚇。 マ と カ フ ヲ 持 観 之 暇 数 検 二 古 人 之 至 意 一。 な ど は そ の 一 例 で あ り、 ま た 後 述 す る 如 く、 中 国 で 書 法 を 学 (45) び 来 た こ と も 強 調 さ れ て い る。 筆 道 に は、 一 家 の 識 見 を 持 っ て お ら れ た こ と は 言 う ま で も な い が、 こ こ で は 謙 遜 さ れ て い る 文 章 に つ い て 検 索 す る こ と と す る。 謙 遜 表 現 と し て は、 次 の 如 く 入 例 見 え る。 (46) < 例 41 > ( 表 3) タ ラ ク バ ク ン テ ヲ カ ナ ハ ニ 但 恐 久 翻 二 揮 翰 輔筆 不 レ 勝 レ 意。 コ ヲ レ テ ノ ク ス コ ヲ ヲ 不 レ 免 三 強 書 空 汗 二 珍 紙 一。 ︿ 通 釈 > た だ 思 う の は、 私 は 久 し く 筆 を し ま っ て 書 か ら 遠 の い て い る た め、 筆 ・が 思 い ど う り に 動 か な い。 強 い て 無 理 に 書 い た た め、 徒 に 珍 紙 を 汗 し て い る に 過 ぎ な い こ と を 苦 く 思 う 次 第 で あ る。 (47) < 例 42 > ( 表 3) ク ハ メ ヤ エ ヘ ノ ヲ ノ セ ヲ テ ク ハ ン つ ヲ ヲ ニ 庶 令 三 属 文 士 知 二 見 之 一突。 還 恐 招 二 恥 遼 琢 一。 < 通 釈> 私 が 奉 進 す る 書 は、 ど う か 文 章 家 に は 見 せ な い で ほ し い。 自 分 は 珍 奇 だ と 思 っ て 奉 献 す る の で あ る が、 遼 東 の 故 事 の そ れ の 如 く、 か え っ て 恥 を か く こ と に な り 弘 法 大 師 の 上 表 文 に お け る 文 章 構 造 の 特 色 ( 下)

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密 教 文 化 は し な い か と 思 っ て い る 次 第 で あ る。 (48) < 例 43 > ( 表 3) メ ル ト サ ヲ レ ス ヲ ニ 虎 変 為 レ 犬。 盤 レ 未 レ 成 レ 功 夫 比 二 之 献 芹 一。 < 通 釈 > 私 の 書 は、 あ た か も 虎 を 画 い て 犬 に 見 え る よ う な も の で あ る。 立 派 な も の で は な い が、 自 分 自 身 は 珍 奇 な 品 と し て 贈 る も の で あ る。 右 三 例 は 劉 帝 夷 集 を 書 き 終 っ て 奉 進 す る 表 で あ る。 奉 進 す る 自 ら の 書 に つ い て 謙 遜 さ れ て い る。 典 故 は、 < 例 41 > の 中 カ ﹁ 久 輻 揮 翰 ﹂ は ﹃ 劉 孝 標 弁 命 論 ﹄ (﹃ 文 選 ﹄ 五 四) に 見 え る。 < 例 42 > の 中 ﹁ 属 文 ﹂ は ﹃ 漢 書 ﹄ 質 誼 列 伝 一 入 に 見 え る。 ﹁ 招 恥 遼 琢 ﹂ は ﹃ 東 観 漢 記 ﹄ (. 太 平 御 覧 ﹄ 九 〇 三) ﹃ 後 漢 書 ﹄ ニ ノ カ シ ニ 朱 浮 列 伝 二 一二、 ﹃ 為 二 幽 州 牧 一 与 二 彰 寵 一書 ﹄ ( ﹃ 文 選 ﹄ 四 一) の 故 事 を 踏 ま え て い る。 ︿ 例 43 > の 中 ﹁ 虎 変 為 犬 ﹂ は ﹃ 後 漢 書 ﹄ リガ ノ 馬 援 列 伝 一 四 に 見 え る。 ﹁ 比 之 献 芹 ﹂ は ﹃ 奮 康 絶 交 書 ﹄ ( ﹃ 文 選 ﹄ 四 三) の 故 事 を 引 い て い る。 (49) < 例 44 > ( 表 4) カ ナ リ ト ヲ 以 サ ン ヤ ヲ 錐 二 郵 輸 巧 思 一 而 鉛 刀 尽 レ 妙 乎。 タ カ ナ ハ ニ 太 不 レ 勝 レ 意。 ク テ ス 深 以 棟 歎。 タト ヒ キ ヲ ニ 若 使 繋 二 麟 足 於 釜 竈 一。 メ テ ヲ ニ 籠 二 鵬 翼 於 簗 簾 一。 メ ノ ヲ 責 二 其 滅 没 一。 セ ハ ヲ ニ 課 二 之 垂 天 一。 ニ ン ヤ カ ラ 堂 不 レ 難 哉。 < 通 釈> か の 匠 石 や 公 輸 の 如 き 工 匠 の 名 人 で あ っ て も、 鈍 刀 を も っ て し て は 其 の 妙 技 を 揮 う こ と は で き な い。 書 も こ れ と 同 様 で あ る。 ( 従 っ て 筆 悪 き た め に) 思 う 様 に 書 け ず、 は な は だ 深 く お そ れ 慨 歎 す る 次 第 で あ る。 よ し ん ば、 一 日 千 里 の 能 を 持 つ 麟 麟 を 釜 竈 の 如 き 狭 い 所 に 繋 ぎ、 ま た 一 躍 九 万 里 の 能 あ る 大 鵬 を 藩 擁 の 如 き 狭 い 場 所 に 綴 じ 込 め て 其 の 速 疾 な る こ と を 責 め て も 無 理 と い う も の で あ る。 し か し こ れ を 大 空 に 放 っ て 試 み れ ば、 一 瞬 に し て そ の 任 を 成 し と げ る こ と は 容 易 で あ ろ う。 ( だ が 私 の 如 き 先 天 的 に 悪 筆 の も の は、 よ い 筆 な く し て は、 快 心 の

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書 は な し 得 な い の で あ る。) (50) < 例 45 V( 表 4) ニ テ テ テ フ ヲ 天 論 忽 降 強 以 揮 レ 翰。 ク ハ シ ク ヤ ノ ハ ニ 恐 心 翰 空 費 不 レ 允 二 聖 心 一。 テ ノ ン ヨ ヲ タ ニ 珍 素 重 汚 被 レ 拗 二 醤 蓋 一。 < 通 釈 > み こ と の り が 急 に 降 っ た こ と に よ り、 強 い て 書 し 奉 る。 だ が 恐 ら く は、 自 分 の 誠 心 も 書 も 共 に 無 駄 ご と に 帰 し、 聖 心 に 允 う こ と と は な ら な い で あ ろ う。 た だ 貴 き 素 を 汚 し 奉 る こ と と な り、 味 噌 蓋 と し て 投 げ う た れ る 程 に つ ま ら ぬ こ と を 思 う と、 自 分 な が ら 自 ら の 無 力 を 恥 じ る 次 第 で あ る。 右 二 例 は、 劉 廷 芝 の 集 を 書 い て 献 納 す る 表 に 見 ら れ、 立 派 な 書 を 書 く た め に は、 道 具 悪 く し て は な し 難 き こ と を 記 し て い る。 典 故 と 考 え ら れ る も の は 次 の 如 し。 < 例 44 > の 中 ﹁ 匠 石 ﹂ の 故 事 は ﹃ 荘 子 ﹄ 第 八 徐 無 鬼 篇 に、 ﹁ 公 輸 ﹂ の 故 事 は ﹃ 潅 カ ズ ル 南 子 ﹄ 第 一 九 修 務 訓 に 見 え る。 ﹁ 鉛 刀 ﹂ の 讐 え は ﹃ 費 誼 弔 ニ ヲ 屈 原 一 賦 ﹄ (﹃ 史 記 ﹄ 列 伝 二 四、. 漢 書 ﹄ 列 伝 一 七、 ﹃ 文 選 ﹄ 六 〇) に ル ニ 見 え る。 ﹁ 麟 足 於 釜 竈 ﹂ は ﹃ 呉 質 答 二 子 建 一書 ﹄ (﹃ 文 選 ﹄ 四 二) に、 ﹁ 鵬 翼 於 奨 擁 ﹂ は ﹃ 荘 子 ﹄ 第 一 遣 遥 遊 篇、 ﹃ 爾 雅 ﹄ 釈 言、 ﹃ 張 カ ノ 華 鵜 鵬 賦 ﹄ (﹃ 文 選 ﹄ 一 三) に 見 え る。 ﹁ 責 其 滅 没 ﹂ は ﹃ 緒 白 ノ 馬 賦 ﹄ (﹃ 文 選 ﹄ 一 四) に、 ﹁ 垂 天 ﹂ は ﹃ 荘 子 ﹄ 第 一 遣 遥 遊 篇 カ ノ に 見 え る。 < 例 45 > の 中 ﹁ 拗 醤 蓋 ﹂ は ﹃ 楊 雄 伝 賛 ﹄ (﹃ 漢 書 ﹄ 列 伝 五 七 下) に 見 え る。 (51) < 例 46 > ( 表 5) ニ メ ミ ニ ル ニ ノ ヲ オ ト ラ コ ニ タ ル ハ ノ 空 海 自 家 試 看 二 新 作 者 一不 レ 減 二 唐 家 一。 但 恐 星 ヘミ ニ ノ ン ヲ ハ ニ 好 各 別 不 レ 允 二 聖 愛 一。 < 通 釈> 私 は、 自 家 に お い て、 試 み に 清 川 が 製 作 し た 新 作 の 筆 を 使 用 し て み た 所、 そ れ は 唐 製 の も の に 勝 る と も 劣 ら な い。 た だ 人 の 嗜 好 は、 各 人 そ の 好 む 所 を 異 に す る が 故 に、 私 は 善 い も の で あ る と 思 っ て い る も の の、 聖 帝 の 愛 好 に 適 わ な い の で は な い か と 恐 れ て い る 次 第 で あ る。 右 文 は、 奉 進 す る 筆 に 対 す る 謙 退 の 語 を 述 べ て い る。 典 故 と 考 え ら れ る も の は、 ﹁ 星 好 各 別 ﹂ は ﹃ 尚 書 ﹄ 洪 範 の 文 を 引 い 弘 法 大 師 の 上 表 文 に お け る 文 章 構 造 の 特 色 ( 下)

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密 教 文 化 て い る。 (52) < 例 47> ( 表 13) ト テ ニ 空 海 元 耽 二 観 牛 之 念 一。 ク ヅ ヲ 久 絶 二 返 鵠 之 書 一。 ス カ ラ ス カ セ ン ニ 達 夜 数 息 誰 労 二 穿 被 一。 ス ス ソ タ エ ン ニ 終 日 修 心 何 能 二 墨 池 一。 ス ニ ア ヘ リ ニ 人 非 二 曹 喜 一謬 対 二 漢 主 之 邸 一。 レ に セ ン ト ハ テ フ ヲ 欲 レ 辞 不 レ 能 強 揮 二 龍 管 一。 < 通 釈> 私 は、 元 よ り 観 法 を こ ら す 禅 定 三 昧 に 耽 り、 久 し く 書 道 よ り 遠 ざ か っ て い る。 夜 ど お し 数 息 の 禅 念 を 修 し て い る た め に、 魏 の 鍾 鎌 の 如 く 書 道 に 専 心 し て い る わ け で は な い。 ま た 終 日 修 行 に 心 を 遊 ば せ て い る が 故 に、 張 伯 英 が 池 に 臨 ん で 書 を 学 ん だ 如 く 書 道 に 専 心 し て い る わ け で も な い。 さ ら に、 か の 筆 隷 の 書 を 善 く し た 曹 喜 ほ ど の 能 書 で も な い。 そ れ に も か か わ ら ず、 謬 っ て 嵯 峨 帝 の 命 を 拝 し 奉 る こ と と な っ た。 非 才 で あ る が 故 に 辞 せ ん と 欲 す れ ど も 能 わ ざ る た め に、 敢 え て 龍 管 を 揮 っ て 書 し 奉 る 次 第 で あ る。 (53) < 例 48 > ( 表 13) ニ ヤ ニ テ ノ ヲ 何 況 空 海 耳 聞 二 其 義 一。 ニ セ ヲ 心 不 レ 存 レ 理。 ク ノ ヲ 空 費 二 筆 墨 一。 ク ス ヲ 添 汗 二 珍 屏 一。 ヒ ハ キ ヒ バ レ テ 一 棟 一 儂。 ス 心 魂 飛 越。 < 通 釈> ま し て 私 は、 ( 大 唐 に お い て 解 書 の 先 生 に 遇 っ て、) 柳 か 筆 道 の 深 義 を 聞 い た の で あ る が、 心 に そ の 理 を 解 せ ず、 た だ 空 し く 筆 墨 を 弄 ぶ 程 度 の も の で あ る。 然 る に 添 な く も 珍 重 す べ き 屏 風 を 汗 し 奉 る こ と は、 誠 に 恐 擢 に 堪 え ず、 心 魂 飛 越 し て 恐 れ 入 る 次 第 で あ る。 右 二 例 は、 嵯 峨 帝 の 勅 に 依 っ て 屏 風 に 詩 を 書 き 終 っ て 奉 献 す る 上 表 文 で あ る。 大 師 は、 御 自 身 の 書 に つ い て、 未 熟 で あ る た め そ の 能 に あ た ら な い が、 謬 っ て 任 に 当 る と 謙 退 さ れ て い る。 典 故 と み ら れ る も の は 次 の 如 し。 < 例 47 > ﹁ 観 牛 之 念 ﹂

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は ﹃ 摩 詞 般 若 経 ﹄ 第 六 広 乗 品、 ﹃ 釈 論 ﹄ 四 入 に、 ﹁ 返 鵠 之 書 ﹂ は ﹃ 白 紙 六 帖 ﹄ 三 二 書 部 に 見 え る。 ﹁ 穿 被 ﹂ の 故 事 は ﹃ 太 平 広 記 ﹄ 二 〇 六、 ﹃ 書 断 ﹄ 第 一 に、 ﹁ 墨 池 ﹂ の 故 事 は ﹃ 晋 書 ﹄ 列 伝 第 六 に 見 え る。 ﹁ 曹 喜 ﹂ の こ と は ﹃ 書 史 会 要 ﹄ 第 二 に、 ﹁ 漢 主 之 邸 ﹂ は ﹃ 漢 書 ﹄ 文 帝 紀 第 四 に 見 え る。 < 例 48 > ﹁ 心 魂 飛 越 ﹂ は ﹃ 劉 カ ノ 越 石 勧 進 表 ﹄ (﹃ 文 選 ﹄ 三 七) に 見 え る。 以 上、 大 師 が 御 自 身 の 筆 道 に 対 し、 御 謙 退 し て い る 諸 例 を 検 討 し た。 書 に つ い て の 謙 遜 表 現 は、 嵯 峨 帝 と の 関 係 に の み 見 ら れ、 淳 和 帝 と の 問 で は 見 ら れ な い。 以 上 述 べ て き た 表 現 内 容 を 集 約 す れ ば、 次 の 如 く な る。 筆 道 か ら 遠 の い て い る た め、 筆 が 思 い ど う り に 動 か な い が、 天 命 避 け 難 い か ら 強 い て 書 し 奉 る < 例 41 > < 例 47>。 書 に お け る 技 術 が 未 熟 で あ り ま た 非 才 な た め、 私 の 書 は 虎 を 画 い て 犬 に 見 え る 程 度 で あ る < 例 43 > < 例 48 >。 立 派 な 書 を 書 き た い が、 筆 悪 き た め に 思 う 様 に 書 け な い。 そ の た め 新 作 の 筆 ・を 研 究 考 慮 し て い る < 例 44 > < 例 46 >。 自 分 は 珍 奇 だ と 思 っ て 奉 献 す る も の の、 帝 か ら 見 れ ば つ ま ら ぬ も の で あ ろ う < 例 42 > < 例 45> と な る。 大 師 の 謙 退 表 現 の 項 < 例 32 > か ら < 例 48 > に お い て、 各 典 籍 か ら の 典 拠 を 見 る と、 ﹃ 文 選 ﹄ 所 収 の 諸 典 籍 か ら の 引 用 例 が 圧 倒 的 に 多 く 一 五 例 見 え る。 つ い で 主 な も の を 順 次 示 す と 次 の 如 く で あ る。 ﹃ 漢 書 ﹄ 五 例、 ﹃ 荘 子 ﹄ 四 例、 ﹃ 後 漢 書 ﹄ 四 例、 ﹃ 晋 書 ﹄ 三 例、 ﹃ 広 弘 明 集 ﹄ 二 例、 ﹃ 爾 雅 ﹄ 二 例、 ﹃ 潅 南 子 ﹄ ニ ノ 例、 ﹃ 梨 武 帝 評 書 ﹄ 二 例、 ﹃ 白 氏 六 帖 ﹄ 二 例 と な り、 そ の 他 の 引 用 典 籍 三 二 か ら は、 各 々 一 例 の み で あ る。 ま た 同 典 籍 同 箇 所 を 二 度 用 い て い る と こ ろ は 見 ら れ な い。 六 < 例 32 V か ら < 例 48 > で 述 べ た 如 く、 大 師 は、 御 自 身 を 謙 退 し、 ま た 自 ら の 能 書 を 謙 遜 す る こ と に 殊 の 外 気 を 配 っ て お ら れ る。 こ の よ う に 自 ら を 卑 下 さ れ る 大 師 御 自 身 は、 い っ た い 何 を 目 標 と し、 生 活 規 則 と 考 え ら れ て い た の で あ ろ う か。 こ の 問 題 に つ い て も、 大 師 は 端 的 に 答 え ら れ て い る。 即 ち 大 師 の 考 え る 僧 と し て の 生 活 目 標 と は、 ﹁ 禅 定 ﹂ を 意 味 し て い る。 先 に 示 し た < 例 47 > で は、 ﹁ 空 海 元 耽 二 観 牛 之 念 一 久 絶 二 返 鵠 之 書 一﹂ と 記 述 さ れ て お り、 筆 道 に 力 を 用 い ら れ な い の は、 修 法 に 耽 っ て い る た め で あ る と さ れ て い る。 同 じ く 修 法 と 筆 道 の 関 係 を 示 す も の に、 次 の 例 を 見 る。 弘 法 大 師 の 上 表 文 に お け る 文 章 構 造 の 特 色 ( 下)

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密 教 文 化 (54) < 例 49 > ( 表 4) に ツ テ ヲ 然 猶 願 二 定 水 之 澄 浄 一。 ミ ヲ 不 レ 顧 二 飛 雲 之 奇 体 一。 ノ ニ 奔 二 置 心 表 一。 ヒ セ ニ 不 レ 歯 二 豊 写 一。 < 通 釈 > 併 し な が ら 私 は、 ひ た す ら 観 念 を 凝 ら し て 心 の 澄 清 を 願 う 者 で あ り、 筆 ・道 に つ い て は 顧 み る 暇 も な い。 従 っ て 心 外 に 棄 て 置 き、 書 道 に 歳 月 を 費 や し て き た と い う こ と で は な い の で あ る。 ル ニ 右 文 の 典 故 と し て は、 ﹁ 定 水 之 澄 浄 ﹂ は ﹃ 真 観 師 与 二 徐 陵 一 書 ﹄ (﹃ 広 弘 明 集 ﹄ 二 七) に 見 え る。 自 ら 観 念 観 法 に 専 心 し て い る た め に、 書 道 に 専 念 で き な い と 謙 遜 さ れ て い る。 こ の よ う に 大 師 は、 観 法 を も っ て 自 ら の 生 活 規 律 と さ れ る の で あ る。 こ れ は 大 師 の 終 始 一 貫 し た 態 度 で あ る。 ﹁ 禅 定 ﹂ そ の も の に つ い て は、 次 の 如 く 表 現 さ れ て い る。 (55) < 例 50> ( 表 1) タ レ リ ノ ヲ テ シ ヲ 但 解 下 持 二 鉢 錫 一 以 行 レ 乞。 メ ニ つ ヲ ノ ミ ニ 吟 二 林 藪 一 而 住 上 レ 観。 < 通 釈 V 私 は、 た 濯 鉄 鉢 と 錫 杖 を 持 っ て 行 乞 し、 山 野 を 遍 歴 し な が ら 読 経 し、 且 つ 観 法 を 凝 ら す こ と を の み 知 っ て い る に す ぎ な い 者 で あ る。 典 故 と 考 え ら れ る 典 籍 は 次 の 如 し。 ﹁ 持 鉢 錫 以 行 乞 ﹂ は ﹃ 金 剛 般 若 経 ﹄ 第 一 法 会 因 由 分、 ﹃ 錫 杖 経 ﹄ に、 ﹁ 吟 林 藪 而 住 観 ﹂ は カ ノ ﹃ 石 崇 思 帰 引 序 ﹄ (﹃ 文 選 ﹄ 四 五)、 ﹃ 大 日 経 疏 ﹄ 第一一 に 見 え る。 (56) < 例 51 > ( 表 16) 空 海 従 二 弱 冠 一 マ テ ニ 及 二 知 命 一。 ヲ シ イ ヘ ト 山 藪 為 レ 宅。 ヲ ス ル 禅 黙 為 レ 心。 ヲ 不 レ 経 二 人 事 一。 エ ニ 不 レ 耐 二 煩 砕 一。 < 通 釈> 私 は、 弱 冠 の 頃 よ り 知 命 の 年 に 至 る 今 目 ま で、

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山 林 を 己 が 住 家 と し、 禅 観 を 修 す こ と を 目 的 と し て き た。 世 事 の 経 験 は な く、 こ ま ご ま し た 煩 わ し さ に 携 わ る 任 に 耐 え な い の で あ る。 典 故 は 次 の 如 し。 ﹁ 弱 冠 ﹂ は ﹃ 曲 礼 ﹄ (﹃ 礼 記 ﹄ 註 疏 第 一)、 ﹁ 知 命 ﹂ は ﹃ 論 語 ﹄ 為 政 に 見 え る。 ﹁ 山 藪 為 宅 ﹂ は ﹃ 智 度 論 ﹄ 三 五 に、 ﹁ 禅 黙 為 心 ﹂ は ﹃ 梁 高 僧 伝 ﹄ 第 入 に、 ﹁ 不 耐 煩 砕 ﹂ は ﹃ 漢 書 ﹄ 醇 宣 列 伝 五 三 に 見 え る。 (57) < 例 52 V ( 表 16) ニ カ ン ヤ キ ヲ ノ ヲ イ ヲ ニ 堂 若 焼 レ 香 念 レ 仏 老 二 形 一 室 一。 シ ヲ メ ヲ ス ヲ ニ 散 レ 華 講 レ 経 運 二 心 三 密 一。 < 通 釈 > 香 を 焼 き 心 を 静 め、 仏 を 念 じ な が ら 年 老 い て ゆ き、 花 を 供 養 し 経 を 講 じ て、 心 を 三 密 の 妙 行 に 運 ら し て い る。 ( こ れ ま た 私 の 本 分 に 適 っ て い る の で あ る。) 典 故 と 考 え ら れ る も の は、 ﹁ 焼 香 念 仏 ﹂ ﹁ 散 華 講 経 ﹂ は ﹃ 蘇 悉 地 経 ﹄ 下 巻、 ﹃ 荘 子 ﹄ 第 七 庚 桑 楚 篇 に 見 え る。 (58) < 例 53 > ( 表 8) ノ ク ハ テ ヲ ヤ メ リ 伏 願 知 レ 足 罷 帰。 ノ ノ ヲ 静 坐 念 レ 仏。 テ セ ン ヲ 以 報 二 国 恩 一。 < 通 釈 > 伏 し て 願 い 奉 る。 少 欲 知 足 の 沙 門 の 本 分 に 従 っ て ( 少 僧 都 を) 退 き 帰 り。 静 坐 観 法 し て 念 仏 三 昧 に 耽 り、 も っ て 国 恩 に 報 答 し 奉 る。 典 故 と し て は、 ﹁ 知 足 罷 帰 ﹂ は ﹃ 遺 教 経 ﹄、 ﹃ 漢 書 ﹄ 列 伝 四 三 に 見 え る。 以 上 の 如 く、 僧 侶 の 本 分 は、 禅 念 観 法 に 適 進 す る こ と で あ る と さ れ て い る の が、 大 師 の 態 度 で あ る。 次 に 示 す 高 野 の 地 を 乞 い 奉 る 上 表 文 ( 表 12) で は、 さ ら に こ の 立 場 を 明 確 に し て い る。 (59) < 例 54 > ( 表 12) タ ラ ク ハ ニ シ ク ノ 但 恨 高 山 深 嶺 乏 二 四 禅 客 一。 ニ レ ナ リ ノ 幽 藪 窮 巌 希 二 入 定 賓 一。 < 通 釈 > た だ 遺 憾 に 思 う の は、 高 山 深 嶺 に 四 禅 を 修 す る 弘 法 大 師 の 上 表 文 に お け る 文 章 構 造 の 特 色 ( 下)

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密 教 文 化 求 道 者 乏 し く、 幽 藪 窮 巌 に 入 定 の 求 法 者 希 で あ る と い う こ と で あ る。 典 故 と し て は、 ﹁ 幽 藪 窮 巌 ﹂ は ﹃ 後 漢 書 ﹄ 列 伝 二 六、 ﹃ 皇 甫 ノ 毘 玉 泉 寺 碑 ﹄ (﹃ 国 清 百 録 ﹄ 第 四) に 見 え る。 つ づ い て 同 文 中 に は、 高 野 を 望 み 蒙 り た い の は、 修 禅 の 道 揚 を 建 立 す る た め で あ る こ と を 示 し て い る。 (60) < 例 55> ( 表 12) バ ク ハ ニ ノ ハ ニ ノ ノ 今 思 上 奉 二 為 国 家 つ 下 為 二 諸 修 行 者 一。 リ ケ テ ヲ カ セ ン ヤ ノ ヲ 菱 二 夷 荒 藪 一っ 聯 建 二 立 修 禅 一 院 一。 < 通 釈 V 今 思 う に、 上 は 国 家 の お ん た め に、 下 は 多 く の 仏 道 修 行 者 の た め に、 荒 れ は て た や ぶ を 刈 り 除 き、 も っ て 柳 か 修 禅 の 一 院 を 建 立 し よ う と す る の で あ る。 カ 典 故 と し て は、 ﹁ 菱 夷 荒 藪 ﹂ は ﹃ 陸 僅 石 闘 銘 ﹄ (﹃ 文 選 ﹄ 五 六) に 見 え る。 以 上 に よ っ て 明 ら か な 如 く、 大 師 は、 日 常 生 活 に お い て 僧 侶 が 目 標 と す べ き は、 ﹁ 観 法 ﹂ で あ る こ と を 主 張 さ れ て い る。 大 師 御 自 身 は、 観 法 の 中 に あ っ て、 僧 侶 の 職 分 と し て、 護 国 の 修 法 を 主 張 し、 鎮 国 道 揚 の 建 設 に よ り 国 家 安 穏 を 祈 る と さ れ る の で あ る。 ﹁ 奉 為 国 家 請 修 法 表 ﹂ ( 表 2)、 ﹁ 奉 造 東 寺 塔 材 木 曳 運 勧 進 表 ﹂ ( 表 18) は、 こ の 態 度 が 如 実 に 現 わ れ て い る。 以 上 に よ っ て、 大 師 は、 自 ら を 謙 遜 す る 表 現 の 奥 に、 禅 定 を も っ て 最 上 と す る 立 場 を 常 に も っ て お ら れ る こ と が 理 解 で き る。 ま た、 < 例 49 > か ら く 例 55 V ま で の 典 故 に つ い て は、 ﹃ 文 選 ﹄ 二 回、 ﹃ 漢 書 ﹄ 二 回 と な り、 そ の 他 の 典 籍 は 全 て 一 回 の み で あ る。 観 法 を 主 張 す る 表 現 内 容 の 中 で、 同 じ 典 籍 を 使 用 せ ず、 ま た 同 巻 同 箇 所 を 全 く 避 け る な ど、 慎 重 を 期 し て い る 大 師 の 配 慮 を 伺 う こ と が で き る。 七 上 表 文 に お け る 特 色 の 一 つ に、 入 唐 し た 旨 を 文 中 に 示 さ れ て い る 箇 所 を 挙 げ る こ と が で き る。 い ず れ も 嵯 峨 帝 え の 上 表 文 の 中 に 見 ら れ、 そ の 内 容 は、 大 唐 に お い て 真 言 の 秘 法 を 学 ん だ こ と と、 書 道 を 習 学 し た こ と の 二 つ で あ る。 初 め に 真 言 の 秘 法 は、 自 ら 入 唐 し て 伝 え 来 た こ と を 示 さ れ て い る 箇 所 が 一 例 見 え る。

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(61) < 例 56 > ( 表 2) ス ニ ノ ノ ニ ク ヒ 沙 門 空 海 言。 空 海 幸 沐 二 先 帝 造 雨 一遠 遊 二 海 ニ と タ リ テ ニ ヲ ノ ノ 西 一。 償 得 下 入 二 潅 頂 道 場 一 授 申 一 百 余 部 金 剛 乗 ヲ ノ ハ チ ナ リ 法 門 上。 其 経 也 則 仏 之 心 肝 国 之 霊 宝。 ︿ 通 釈 > 沙 門 空 海 言 上 し 奉 る。 私 は、 幸 に も 先 帝 ( 桓 武 帝) の 御 恩 沢 を 蒙 り、 遠 く 大 唐 の 国 に 留 学 す る こ と を 得 た。 そ の 地 で た ま た ま 恵 果 阿 闊 梨 に 遇 い、 そ の 潅 頂 道 場 に 入 壇 し、 ま た 一 百 余 部 の 金 剛 乗 の 法 門 を 授 く る こ と を 得 た の で あ る。 そ の 授 り 得 た 経 は、 仏 の 心 肝 で あ り、 国 に と っ て は 霊 宝 で あ る。 右 文 は、 嵯 峨 帝 へ の 上 表 文 に 見 え、 大 師 三 七 才 の 作。 大 師 の 密 教 は、 入 唐 求 法 に よ る 相 伝 で あ る こ と を 明 示 さ れ て い る。 当 時 は、 入 唐 す る こ と 自 体、 至 難 な 事 で あ り、 ま た 日 本 国 が 挙 っ て 中 国 文 化 の 摂 取 に 懸 命 に な っ て い た 折 で あ る。 嵯 峨 帝 は、 入 唐 帰 り の 新 参 者 空 海 の 言 葉 に も、 鋭 敏 に 耳 を 献 て て い た に 違 い な い。 そ の 空 海 の 上 表 文 中 の 冒 頭 に ﹁ 遊 海 西 ﹂ と あ り、 大 唐 の 天 子 は、 開 元 以 来 密 教 秘 伝 の 潅 頂 を 受 け て い る こ と が 示 さ れ て い る。 典 故 と し て は、 コ 百 余 部 金 剛 乗 法 門 ﹂ は ﹃ 請 来 録 ﹄、 ﹃ 真 言 所 学 経 律 論 目 録 ﹄、 ﹃ 玲 祇 経 ﹄ 序 品 に 見 え る。 ﹁ 仏 之 心 肝 ﹂ は ﹃ 表 制 集 ﹄ 第 五 に、 ﹁ 国 之 霊 宝 ﹂ は ﹃ 張 カ 景 陽 七 命 ﹄ ( ﹃ 文 選 ﹄ 三 五) に 見 え る。 次 の 五 例 は、 書 道 に 関 係 す る 上 表 文 で あ る。 (62) < 例 57> ( 表 3) カ バ レ テ ノ 王 昌 齢 詩 格 一 巻。 此 是 在 唐 之 目。 於 二作 者 ニ と タ リ ノ ヲ ノ ハ リ ル ノ 塑 偶 得 二 此 書 一。 古 詩 格 等 錐 レ 有 二 数 家 一。 近 代 ロ ニ ス ノ ヲ 才 子 切 愛 二 此 格 一。 ︿ 通 釈 > 王 昌 齢 の 詩 格 一 巻。 こ れ は 在 唐 の お り、 あ る 詩 人 の と こ ろ で 偶 然 に 入 手 し 得 た も の で あ る。 古 詩 の 格 を 用 い る 詩 人 も 数 家 あ っ た が、 ま た 近 世 に お い て も、 優 れ た 詩 人 の 中 に は、 王 昌 齢 の 詩 格 も 愛 好 し て い る 一 派 も 存 し て い る よ う で あ る。 典 故 と し て は、 ﹁ 王 昌 齢 詩 格 一 巻 ﹂ は ﹃ 才 子 伝 ﹄ 第 二 に 見 え る。 (63) < 例 58 > ( 表 3) 弘 法 大 師 の 上 表 文 に お け る 文 章 構 造 の 特 色 ( 下)

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密 教 文 化 ノ レ ヒ テ ノ ヲ ニ 飛 白 書 一 巻。 亦 是 在 唐 之 日 一 見 二 此 体 一試 ス ヲ 書 レ 之。 < 通 釈 > 飛 白 の 書 一 巻。 ま た こ の 書 も 在 唐 の お り 習 得 し た も の で あ る。 あ る 日 飛 白 の 書 体 を 見 る こ と が で き、 試 み に 此 れ を 書 し た も の で あ る。 典 故 と し て は、 ﹁ 飛 白 書 ﹂ は ﹃ 書 史 会 要 ﹄ 第 一 に 見 え る。 右 二 例 は、 勅 命 を 拝 し て、 劉 希 夷 集 を 書 き 終 っ て 奉 進 す る に あ た り、 ﹁ 王 昌 齢 詩 格 一 巻 ﹂ と ﹁ 飛 白 書 一 巻 ﹂ を 添 え て 奉 献 す る こ と を 明 し た も の で あ る。 い ず れ も 共 に、 大 唐 に お い て 入 手 習 得 し た こ と を 明 示 し て い る。 (64) < 例 59> ( 表 4) テ ニ ル ヘ リ ヲ 余 於 二 海 西 一頗 閑 二 骨 法 一。 タ ヲ セ ヤ ヘ レ ワ ヲ 錐 レ 未 二 画 墨 一精 覚 二 規 矩 一。 < 通 釈 > 私 は、 大 唐 に お い て、 大 い に 筆 道 を 修 学 し た。 実 地 に 十 分 習 得 し た と は 言 い 難 い が、 だ が し か し そ の 筆 法 に つ い て は、 か な り 学 び 得 た つ も り で あ る。 右 文 は、 大 師 は、 筆 骨 書 法 を 大 唐 で 学 ん で き た 旨 を 記 し て カ い る。 典 故 は、 ﹁ 閑 骨 法 ﹂ は ﹃ 爾 雅 ﹄ 釈 話、 ﹃ 東 玉 神 女 賦 ﹄ (﹃ 文 選 ﹄ 一 九)、 ﹃ 翰 林 要 訣 ﹄ (﹃ 書 史 会 要 ﹄ 第 九) に 見 え る。 (65) < 例 60 > ( 表 5) テ ニ ロ キ シ シ ノ ノ ニ 空 海 於 二 海 西 一所 二 聴 見 一如 レ 此。 其 中 大 小 長 短 ナ ル ハ テ ノ ニ ヘ テ ス ル 強 柔 斉 尖 者。 随 二 字 勢 羅 細 一偬 取 捨 而 巳。 < 通 釈 > 私 は、 大 唐 に お い て 聞 き 見 て 学 び 得 た も の は か く の 如 く で あ っ た。 そ の 中、 筆 に は 大 小、 長 短、 強 柔、 斉 尖 と あ る が、 ど れ を 使 用 す る か は、 筆 勢 の 踊 細 に 随 っ て、 取 捨 選 択 し て 替 え 用 い る の で あ る。 右 文 は、 嵯 峨 帝 に 狸 毛 筆 を 奉 献 す る に つ い て の 文 章 の 中、 大 唐 に お い て 用 筆 法 を 学 び 得 た こ と を 明 し て い る。 ま た 奉 進 す る 筆 に 対 し て も ﹁ 空 海 自 家 試 看 二 新 作 者 一 不 レ 減 二 唐 家 一﹂ と あ り、 製 筆 の 方 法 に も、 そ の 自 信 の ほ ど が 伺 え る。 典 故 に つ い て は、 ﹁ 大 小 長 短 ﹂ 等 は ﹃ 墨 藪 ﹄、 ﹃ 説 文 ﹄ 第 二 に 見 え る。 (66) < 例 61 > ( 表 13)

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-56-と テ ノ ニ ホ ケ リ ヲ 空 海 償 遇 二 解 書 先 生 一粗 聞 二 P 訣 一 リ ト ス ニ メ テ メ ニ 錐 レ 然 所 レ 志 道 別 不 二 会 留 7 心。 < 通 釈 > 私 は、 大 唐 に お い て、 た ま た ま 解 書 の 先 生 に 遇 い、 ほ ぼ 書 道 の 口 訣 を 聞 く こ と が 出 来 た。 併 し な が ら、 志 す 道 が 違 っ て い た た め に、 本 心 か ら 習 学 し た こ と は な い の で あ る。 右 文 は、 書 道 の 至 極 の 境 地 に 到 達 す る の は、 仲 々 至 難 な こ と で あ る が、 た ま た ま 大 唐 に お い て、 書 道 の 口 訣 を 聞 き 得 た こ と を 記 し て い る。 典 故 と し て は、 ﹁ 解 書 先 生 ﹂ は ﹃ 書 史 会 要 ﹄ カ 第 三、 ﹃ 韓 詩 外 伝 ﹄ 第 六、 ﹃ 李 善 三 都 賦 ﹄ 注 に 見 え る。 以 上 の 五 例 は、 書 法 を 大 唐 よ り 学 び 帰 っ た こ と を、 嵯 峨 帝 に 明 ら か に し た 文 章 で あ る。 こ れ を 総 括 す れ ば 次 の 如 く な る。 < 例 57 > は ﹁ 王 昌 齢 詩 格 ﹂、 ︿ 例 58 > は ﹁ 飛 白 書 ﹂ を 奉 献 さ れ た こ と を 明 し て い る。 ︿ 例 59 > は 筆 法 に つ い て 記 し て い る。 ︿ 例 60 V は 用 筆 法 を 示 し た も の で あ る。 ︿ 例 61 > は 書 道 の 口 訣 を 明 し た も の で あ る。 つ ま り、 書 道 と 入 唐 を 関 係 づ け た 御 文 章 は、 そ の 主 張 す る と こ ろ、 各 々 に 異 な っ た 内 容 で 表 現 さ れ て い る。 ま た 唐 朝 の こ と を、 大 師 は、 ﹁ 海 西 ﹂ ﹁ 唐 家 ﹂ ﹁ 在 唐 ﹂ の 語 を も っ て 記 し て い る。 ︿ 例 56 > か ら ︿ 例 61 > ま で の 典 故 に つ い て み る に、 ﹃ 文 選 ﹄ に 収 録 さ れ て い る も の が 三 例 で 一 番 多 い。 ま た、 典 籍 か ら の 重 複 箇 所 は 見 ら れ な い。 次 に、 上 表 文 の 中 で 見 ら れ る 入 唐 の 記 述 に つ い て、 そ の 頻 度 を 検 索 す る と、 嵯 峨 帝 と 関 係 を 持 つ 最 も 初 期 に お い て、 集 中 的 に 使 用 さ れ て い る。 嵯 峨 帝 へ の 最 初 の 上 表 文 ( 表1) は、 終 始 謙 退 表 現 の み を も っ て 終 っ て い る。 つ い で (表 2) か ら ( 表 5) の 文 中 に、 入 唐 の 語 が 集 結 し て 示 さ れ て い る。 文 章 作 成 に つ い て、 大 師 の 入 念 な 注 意 を 伺 う こ と が 出 き る と 共 に、 嵯 峨 帝 に 追 随 せ ん と す る、 大 師 の 一 面 を 覗 き 見 る こ と が で き る。 八 上 表 文 の 最 後 の 部 分 は、 各 文 章 を 献 上 す る に あ た っ て の 願 望 を 示 し、 つ い で 書 止 め と 日 付 を 明 し て い る。 そ こ に 用 い ら れ る 文 章 構 造 は、 以 下 に 検 討 す る よ う に、 一 定 の 形 式 に 従 っ て い る。 弘 法 大 師 の 上 表 文 に お け る 文 章 構 造 の 特 色 ( 下)

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-57-密 教 文 化 (67) < 例 62> ( 表 2) タ リ ト ノ ヲ タ ハ ス ルコ 空 海 錐 レ 得 二 師 授 一未 レ 能 二 練 行 一。 メ ラ ク ハ ニ ノ ヰ テ ノ ヲ 伏 望 奉 二 為 国 家 一率 二 諸 弟 子 等 ス 以 下 二 二 字 略) ラ ク ハ テ ノ ニ テ ヲ ン つ ヲ ラ ノ ヲ 亦 望 於 二 其 中 間 一 不 レ 出 二 住 処 一不 レ 被 二 余 妨 一。 ( 以 下 四 五 字 略) ノ フ シ モ ヘ ヲ 伏 乞 昊 天 豊 二 察 款 誠 之 心 一。 ヘ ニ 不 レ 任 二 懇 誠 之 至 一。 テ サ テ ヘ ニ ス 謹 詣 レ閾 奉 表 陳 請 以 聞。 シ ク ケ カ メ ヲ 軽 触 二 威 厳 一。 メ ク ス 伏 深 戦 越。 沙 門 空 海 誠 憧 誠 恐 謹 言。 弘 仁 元 年 十 月 二 十 七 目 沙 門 空 海 上 表。 右 文 は、 国 家 の た め に 修 法 せ ん と 請 う 上 表 文 で あ る。 国 家 の た め に 全 身 全 霊 を 捧 げ て、, 修 法 し よ う と す る 決 意 が よ く 表 わ れ て い る。 典 故 と し て は、 ﹁ 法 力 成 就 ﹂、 は ﹃ 蘇 波 呼 童 子 経 ﹄ 中 巻 夢 証 品 に、 ﹁ 昊 天 ﹂ は ﹃ 毛 詩 ﹄ 小 雅 蓼 蓑、 ﹃ 爾 雅 ﹄ 釈 天 に 見 ス ル え る。 ﹁ 伏 深 戦 越 ﹂ は ﹃ 陸 機 詩 ﹄ (. 文 選 ﹄ 二 四)、 ﹃ 不 空 賀 レ ス ル ヲ ヲ 収 二 復 西 京 一表 ﹄ (. 表 制 集 ﹄ 第 一) に 見 え る。 (68) < 例 63> ( 表 3) メ ク ハ ケ テ ヤ エ ヘ ヲ 伏 願 天 慈 曲 垂 二 一 覧 一。 ヘ リ ニ 不 レ 任 二 葵 奮 之 至 一 テ メ ノ ヲ テ ヘ テ ニ セ シ ム 謹 遣 二 弟 子 僧 実 恵 一。 謹 随 レ 状 奉 進。 シ ク メ ヲ 軽 績 二 震 厳 一。 メ ク ス 伏 深 戦 汗。 テ ヅ ル 謹 進 ム ル 弘 仁 二 年 六 月 二 十 七 日 沙 門 空 海 進。 右 文 は、 陛 下 の 御 高 徳 を 仰 慕 さ れ て い る 箇 所 で あ る。 文 意 は 次 の 如 し。 伏 し て 願 く は、 陛 下 御 仁 慈 を 垂 れ さ せ た ま い、 ど う か 御 一 覧 な さ れ ん こ と を。 た だ 陛 下 の 御 高 徳 を 仰 ぎ 慕 い 奉 る の み。 と な り、 次 い で 奉 進 の 使 僧 の 名 を 明 記 し、 謹 ん で ノ 奉 進 し て い る。 典 故 と し て は、 ﹁ 天 慈 曲 垂 ﹂ は ﹃ 郡 陵 王 上 啓 ﹄ カ (﹃ 広 弘 明 集 ﹄) に 見 え る。 ﹁ 葵 蓉 ﹂ は ﹃ 李 嬌 詩 ﹄ (﹃ 百 詠 集 ﹄ カ 上)、 ﹃ 北 本 浬 葉 経 ﹄ 三 二 師 子 吼 品、 ﹃ 曹 子 建 表 ﹄ (﹃ 文 選 ﹄ 三 七)、 ﹃ 左 伝 ﹄ 成 公 一 七 年 に 見 え る。 右 二 例 土 ハ に、 同 じ 文 の 形 式 に よ っ て い る。 す な わ ち < 例 62 > の 文 は、 ﹁ 伏 望 云 云 ﹂ ﹁ 亦 望 云 云 ﹂ ﹁ 伏 乞 云 云 ﹂ と 何 度 も 畳 み 掛

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け て 願 望 さ れ て お り、 つ づ い て ﹁ 不 任 云 云 ﹂ と っ つ く。 次 に ﹁ 謹 云 云 ﹂ と あ り、 つ い で ﹁ 軽 触 云 云。 伏 深 云 云 ﹂ と つ づ け て、 書 止 め、 日 付 で 終 る。 ︿ 例 63 V も こ れ と 同 形 式 で あ る。 上 表 文 全 体 に つ い て、 文 末 に 用 い て い る こ の 形 式 を 整 理 す れ ば、 次 の 如 く な る。 ま ず、 願 望 ・ 希 望 を 表 わ す 語 句 の 冒 頭 は、 伏 乞 云 云 ( 表 2) ( 表 4) ( 表 10) ( 表 11) ( 表 13) ( 表 14) ( 表 19) の 七 つ。 伏 望 云 云 ( 表 2) ( 表 12) ( 表 16) の 三 つ。 伏 願 云 云 ( 表 3) ( 表 8) ( 表 10) の 三 つ。 伏 請 云 云 ( 表 19) の 一 つ。 今 望 云 云 ( 表 18) の 一 つ。 亦 望 云 云 ( 表 2) の 一 つ。 願 云 云 ( 表 14) の 一 つ。 後 願 如 是 ( 表 18) の 一 つ。 と 一 八 例 見 ら れ、 ﹁ 云 云 ﹂ の 箇 所 に、 各 文 章 に よ っ て そ れ ぞ れ 異 な っ た 願 望 の 主 旨 を 示 し て い る。 次 に、 ﹁ 不 任 云 云 ﹂ の と こ ろ は、 へ ぬッ ニ ヘ リ ニ 不 レ 任 二 懇 誠 之 至 一 ( 表 2) 不 レ 任 二 葵 蓉 之 至 一 (表 3) ヘ ニ ヘ テ ヲ ワ ル ニ ニ 不 レ 任 二 下 情 一 ( 表 8) 不 レ 任 二 以 レ 身 代 プ 物 ( 表 11) ヘ リ ニ ヘ リ ニ 不 レ 任 二 亮 藻 之 至 一 ( 表 15) 不 レ 任 二 愚 凡 之 至 一 ( 表 16) と あ り、 重 ね て 懇 願 を 強 調 す る の で あ る。 次 に、 書 止 め と 日 付 に つ い て 述 べ る が、 こ の 箇 所 で 特 色 と カ ク い え る 語 句 に、 ﹁ 軽 顯 云 云。 伏 深 云 云 ﹂ を 揚 げ る こ と が で き る。 以 下 こ の 語 句 に つ い て 検 討 す る。 ( 表 5) ( 表 7) ( 表 10) ( 表 11) シ ク メ ヲ シ ク メ ヲ シ ク メ ヲ シ ク メ ヲ 軽 穎 二 聖 眼 一。 軽 籍 二 聖 覧 一。 軽 懸 二 硫 晟 一 軽 顯 二 威 厳 一 メ ク ス メ ク ス メ ク ス メ ク ス 伏 深 棟 催。 伏 深 戦 越。 伏 深 戦 越。 伏 深 戦 越。 ( 表 12) ( 表 13) ( 表 15) ( 表 16) シ ク メ ヲ シ ク ノ ヲ シ ク メ ヲ シ ク ノ ヲ 軽 塵 二 農 晟 一。 軽 顯 二 聖 覧 一 軽 顯 二 震 厳 一 軽 顯 二 威 厳 一 メ ク ス メ ス ヲ メ ク ス メ ク ス 伏 深 棟 越。 伏 増 二 流 汗 一。 伏 深 戦 越。 伏 深 棟 汗。 右 に 示 し た よ う に、 ﹁ 軽 頚 云 云 ﹂ の 語 句 一 〇 例 は、 一 見 し て 明 ら か な よ う に、 文 章 の 形 式 は 同 じ で あ り、 こ の 箇 所 で 主 張 す る 意 味 も 変 ら な い。 ま た こ れ ら 一 〇 例 は、 大 師 三 七 才 か ら 五 一 才 ま で の 一 四 年 間 に ま た が っ て い る。 同 じ 文 意 で の 表 現 弘 法 大 師 の 上 表 文 に お け る 文 章 構 造 の 特 色 ( 下)

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密 教 文 化 が 求 め ら れ る 箇 所 で、 し か も 限 ら れ た 入 字 が、 全 く 同 じ 文 章 と な っ て い な い の は、 文 章 に 対 す る 緻 密 な 神 経 と 周 到 な 用 意 な く し て 出 き る も の で は な い。 お そ ら く 大 師 は、 上 表 文 の 草 案 を 手 元 に 置 き、 参 照 さ れ て い た に 違 い な い。 次 に、 文 末 で は、 ﹁ 軽 懸 云 云 ﹂ の 句 に つ づ け て、 ﹁ 沙 門 空 海 誠 憧 誠 恐 謹 言 ﹂ と 示 す。 こ の 語 句 は、 当 時 す で に 定 形 語 句 と し て、 ﹁ 臣 某 誠 憧 誠 恐 頓 首 頓 首 死 罪 死 罪 ﹂ ﹁ 謹 言 ﹂ の よ う に、 上 表 文 の 書 止 め に 使 用 さ れ て い た 表 現 で あ る。 大 師 の 上 表 文 に お い て、 こ の 句 は、 大 師 三 七 才 ( 表 2) の 文 に 初 め て 見 え、 次 に 見 え る の は、 三 九 才 ( 表 5) に お い て で あ る。 三 九 才 の 上 表 文 は、 ( 表 5) ( 表 6) ( 表 7) の 三 つ あ る が、 そ の 中 ﹁ 沙 門 空 海 云 云 ﹂ の 句 が 見 え る の は、 ( 表 5) だ け で あ る。 四 〇 才 ( 表 8) 以 後、 五 一 才 (表 17) ま で は、 全 て の 文 に ﹁ 沙 門 空 海 云 云 ﹂ の 句 が 用 い ら れ て い る。 こ れ に よ っ て、 次 の こ と が 明 ら か で あ る。 す な わ ち、 大 師 が 上 表 文 の 書 止 め に お い て、 ﹁ 沙 門 空 海 誠 憧 誠 恐 謹 言 ﹂ の 語 句 を 意 識 し て 用 い 始 め た の は、 四 〇 才 の 時 で あ ろ う と 理 解 で き る。 次 に、 願 望 の 項 の 典 故 に つ い て 示 す。 ︿ 例 62 > 以 後 の 文 章 を 総 括 し て、 多 い も の よ り 順 次 示 す と 次 の と お り で あ る。 ﹃ 文 選 ﹄ か ら の 引 用 は、 八 例 で 最 も 多 い。 つ い で、 ﹃ 史 記 ﹄ ﹃ 説 苑 ﹄ は 共 に 三 例、 つ づ い て ﹃ 漢 書 ﹄ ﹃ 後 漢 書 ﹄ ﹃ 広 弘 明 集 ﹄ ﹃ 表 制 集 ﹄ ﹃ 毛 詩 ﹄ は 共 に 二 例 で あ る。 そ の 他 の 典 籍 は、 各 々 一 例 つ つ 見 え、 広 範 囲 に わ た っ て い る。 九 以 上、 ﹃性 霊 集 ﹄ 所 収 の 一 九 の 上 表 文 に お い て、 文 章 を 分 解 す る こ と に よ っ て、 そ の 文 中 に 見 ら れ る 文 章 構 造 の 特 色 を 検 索 し た。 そ の 結 果、 判 明 し た 結 論 を、 総 括 的 に 示 せ ば、 次 の こ と が 指 摘 で き る。 一、 上 表 文 の 構 成 は、 表 現 内 容 か ら 分 類 す る と、 大 約 六 つ の 群 ( 本 論 文(石) 二 頁-三 頁) に 分 別 で き る。 各 群 に お け る 特 色 の 詳 細 は、 本 論 文 の 各 節 に そ の 結 論 を 譲 る。 一、 上 表 文 に お け る 文 章 構 造 の 特 色 の 一 つ は、 主 と し て 対 句 表 現 ( 書 出 し の 部 分 を 除 く) を 用 い て い る こ と で あ る。 こ れ は、 本 論 文 中 の 諸 例 で 取 り 扱 っ た 例 文 を 見 れ ば、 一 見 し て 明 ら か な と お り で あ る。 対 句 は、 三 言 句 か ら一一 言 句 ま で 欠 け る こ と な く 用 い ら れ て い る。 本 論 文 上 ・ 下 巻 に お い て 取 り 扱 っ た 文 章 を、 対

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句 の 頻 度 回 数 よ り 言 及 す る と、 四 言 句 が 圧 倒 的 に 多 く、 順 次 八 言 句、 六 言 句、 一 〇 言 句、 七 言 句、 九 言 句、 五 言 句、 一 一 言 句、 三 言 句 と な っ て い る。 ま た 四 言 句 の 頻 度 は、 八 言 句 の 二 倍 強 で あ り、 四 言 句 と 八 言 句 を 合 わ せ た も の は、 そ の 他 の 句 を 全 て 集 合 し た 回 数 の 二 倍 程 度 の 出 現 度 数 と な る。 以 上 に よ り 大 師 は、 四 言 句 を 文 章 構 造 の 基 礎 と さ れ て い る こ と が 理 解 で き る。 一、 上 表 文 で は、 同 文 章 同 語 句 を 意 識 的 に 避 け ( 一 例 と し て 本 論 文(斜) 五 九 頁 参 照) て い る。 ま た 成 作 さ れ た 年 代 別 に 検 索 す る も、 こ の 配 慮 は 確 実 に な さ れ て い る ( 本 論 文(石)一一 頁。 一 三 頁。 一 九 頁。(斜) 五 九 頁 参 照)。 文 章 作 成 に お け る 語 句 の 詮 索 に お い て、 大 師 の 緻 密 な 神 経 と 周 到 な 用 意 を 如 実 に 見 る こ と が 出 来 る。 一、 ﹃ 性 霊 集 ﹄ 所 収 の 上 表 文 は、 大 師 三 六 才 か ら 五 八 才 の 間 に 書 か れ て い る。 上 表 文 に お い て、 文 章 形 式 が 定 型 化 し た 時 期 を 探 る と、 弘 仁 四 ・ 五 年 ( 大 師 四 〇 才・ 四 一 才) と 結 論 で き る。 そ れ は 次 の 三 つ の 事 項 に よ る。 す な わ ち(一) 文 章 の 冒 頭 の 部 分、 ま た は そ れ に つ づ く 句 絶 の 語 句 の 使 用 例 か ら 見 て (本 論 文(上) 一 三 頁)。(二) 天 子 を 讃 嘆 す る 讃 嘆 句 の 構 成 か ら 検 討 し て ( 本 論 文(上) 一 九 頁)。 日 書 止 め の 用 例 か ら 検 索 し て ( 本 論 文(斜) 六 〇 頁) が そ れ で あ る。 こ れ ら は、 文 章 構 造 を 分 解 す る こ と に よ っ て 明 確 に な っ た。 一、 典 故 の 問 題 に つ い て は、 本 論 文 で は、 典 故 と し て 用 い ら れ た と 見 ら れ る 典 籍 の 分 類 と そ の 頻 度 の 多 少 を 探 る こ と に 留 意 し た。 大 師 が 典 故 と し て 用 い ら れ た と 考 え ら れ る 典 籍 は、 注 釈 書 で あ る ﹃ 遍 照 発 揮 性 霊 集 砂 ﹄ 運 傲 著、 ﹃ 遍 照 発 揮 性 霊 集 便 蒙 ﹄ 運 傲 著、 ﹃ 性 霊 集 便 蒙 砂 ﹄ 泰 音 著 の 三 書 に 詳 細 に 記 さ れ て あ り、 こ の 三 書 に よ っ て ほ ぼ そ の 大 綱 を 見 通 す こ と が で き る。 そ こ で こ れ ら 三 書 に 掲 載 さ れ て い る 典 籍 を、 本 論 文(上) ・ 的 で 取 り 扱 っ た 文 章 に お い て 分 析 し 整 理 す れ ば 次 の 如 く な る。 回 数 の 多 い も の よ り 順 次 十 ほ ど 示 す と、 ﹃ 文 選 ﹄ 六 二 回。 ﹃ 荘 子 ﹄一三 回。 ﹃ 漢 書 ﹄一三 回。 ﹃ 史 記 ﹄ 一 〇 回。 ﹃ 書 史 会 要 ﹄ 九 回。 ﹃ 尚 書 ﹄ 九 回。 ﹃ 周 易 ﹄ 九 回。 ﹃ 爾 雅 ﹄ 七 回。 ﹃ 毛 詩 ﹄ 六 回。 ﹃ 論 語 ﹄ 六 回 等 と な る。 以 上 の 結 論 は、 次 の よ う な 今 後 の 研 究 課 題 と 関 係 し て い く も の で あ る。 一 つ は、 大 師 の 上 表 文 の 表 現 と、 日 本 の 当 時 一 般 の 上 表 文 形 式 と の 比 較 検 討 の 問 題。 一 つ は、 上 表 文 中 に み ら れ た 一 特 色 で あ る 四 言 句 が、 中 国 の ﹃ 詩 経 ﹄ 等 を 代 表 と す 弘 法 大 師 の 上 表 文 に お け る 文 章 構 造 の 特 色 ( 下)

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密 教 文 化 る 四 言 句 の パ タ ー ン と、 い か に 関 連 し て い る の か、 と の 問 題。 一 つ は、 大 師 の 文 章 を 理 解 す る 為 に は、 先 に 見 て き た 引 用 諸 典 籍 の 解 釈 な し に は 理 解 で き な い。 従 っ て 上 表 文 で 見 て き た よ う に、 今 後 も ま た、 大 師 の一一 の 文 章 に お け る 典 故 の 検 索 を 行 な い、 そ れ ら の 典 故 の 理 解 を 通 じ て、 大 師 の 文 章 を み な お さ ね ば な ら な い。 こ れ ら は 稿 を 改 め て 考 察 し た い。 註 (36) ﹁ 大 師 全 集 ﹄ 四 三 五 頁、 注 釈 は、 ﹃ 性 霊 集 紗 ﹄ 巻 第 四 上、 二 丁 左 -三 丁 右。 ﹃ 便 蒙 ﹄ 一 〇 八 頁上-下。 ﹃ 便 蒙 妙 ﹄ 巻 第 四 之 一、 初 左 -二 丁 右。 (37) ﹃ 大 師 全 集 ﹄ 四 三 五 頁。 注 釈 は、 ﹃ 性 霊 集 紗 ﹄ 巻 第 四 上、 三 丁 左 -五 丁 右。 ﹃ 便 蒙 ﹄ 一 〇 八 頁下-一 〇 九 頁 上。 ﹃ 便 蒙 紗 ﹄ 巻 第 四 之 一、 二 丁左-三 丁 左。 (38) ﹃ 大 師 全 集 ﹄ 四 三 六 頁。 注 釈 は、 ﹃ 性 霊 集 紗 ﹄ 巻 第 四 上、 一 〇 丁 左。 ﹃ 便 蒙 ﹄ 一 一 〇 頁下-一一一 頁 上。 ﹃ 便 蒙 紗 ﹄ 巻 第 四 之 一、 七 丁左-八 丁 右。 (39) ﹃ 大 師 全 集 ﹄ 四 三 九頁-四 四 〇 頁。 注 釈 は、 ﹃性 霊 集 砂 ﹄ 巻 第 四 上、 二 三 丁右-左。 ﹃便 蒙 ﹄一一 六 頁 下。 ﹃ 便 蒙 紗 ﹄ 巻 第 四 之 一、 二 〇 丁 左。 (40) ﹃ 大 師 全 集 ﹄ 五 二 二 頁。 注 釈 は、 ﹃性 霊 集 砂 ﹄ 巻 第 九、 一 七 丁 右 -一 八 丁 右。 ﹃ 便 蒙 ﹄ 三 〇 一 頁下-三 〇 二 頁 上。 ﹃ 便 蒙 鋤 ﹄ 巻 第 九、 一 〇 丁左-一一 丁 左。 (41) ﹃ 大 師 全 集 ﹄ 四 四 八頁-四 四 九 頁。 注 釈 は、 ﹃ 性 霊 集 紗 ﹄ 巻 第 四 下、 二 二 丁 左。 ﹃ 便 蒙 ﹄一三 六 頁 上。 ﹃ 便 蒙 紗 ﹄ 巻 第 四 之 二、 一 九 丁 左。 (42) ﹃ 大 師 全 集 ﹄ 四 四 三 頁。 注 釈 は、 ﹃ 性 霊 集 紗 ﹄ 巻 第 四 上、 三 八 丁 右-三 九 丁 左。 ﹃ 便 蒙 ﹄ 一 二 三 頁 下-一 二 四 頁 上。 ﹃ 便 蒙 紗 ﹄ 巻 第 四 之 一、 三 六 丁右-三 七 丁 左。 (43) ﹃ 大 師 全 集 ﹄ 四 四 七 頁。 注 釈 は、 ﹃ 性 霊 集 紗 ﹄ 巻 第 四 下、 一 五 丁 左-一 六 丁 右。 ﹃ 便 蒙 ﹄ 一 三 二 頁下-一三三 頁 上。 ﹃ 便 蒙 紗 ﹄ 巻 第 四 之 二、 一 二 丁左-一 三 丁 右。 (44) ﹃ 大 師 全 集 ﹄ 五 二 〇 頁。 注 釈 は、 ﹃ 性 霊 集 紗 ﹄ 巻 第 九、 七 丁 左。 ﹃ 便 蒙 ﹄ 二 九 六 頁 下。 ﹃ 便 蒙 紗 ﹄ 巻 第 九、 四 丁 右。 (45) 上 表 文 中、 入 唐 し て 書 道 を 習 学 し た こ と を 明 す 部 分 で あ る。 本 論 文 中、 < 例 57 > か ら < 例 61 > ま で を 参 照。 (46) ﹃ 大 師 全 集 ﹄ 四 三 七 頁。 注 釈 は、 ﹃性 霊 集 紗 ﹄ 巻 第 四 上、 二 頁 左-一 二 頁 右。 ﹃ 便 蒙 ﹄一一 一 頁 下。 ﹃ 便 蒙 妙 ﹄ 巻 第 四 之 一、 九 丁 右。 (47) ﹃ 大 師 全 集 ﹄ 四 三 七 頁。 注 釈 は、 ﹃ 性 霊 集 砂 ﹄ 巻 第 四 上、一三 丁 右-左。 ﹃ 便 蒙 ﹄一一 二 上。 ﹃便 蒙 妙 ﹄ 巻 第 四 之 一、 一 〇 丁右-左。 (48) ﹃ 大 師 全 集 ﹄ 四 三 七 頁。 注 釈 は、 ﹃ 性 霊 集 紗 ﹄ 巻 第 四 上、 一 四 丁 右-一 五 丁 右。 ﹃ 便 蒙 ﹄ = 二 頁。 ﹃ 便 蒙 砂 ﹄ 巻 第 四 之 一、 一 一 丁 右-左。 (49) ﹃ 大 師 全 集 ﹄ 四 四 〇 頁。 注 釈 は、 ﹃ 性 霊 集 紗 ﹄ 巻 第 四 上。 二 四 丁 左-二 六 丁 右。 ﹃ 便 蒙 ﹄一一 七 頁上-下。 ﹃便 蒙 紗 ﹄ 巻 第 四 之 一、 二 一 丁左-二 三 丁 左。

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(50)﹃ 大 師 全 集 ﹄ 四 四 〇頁-四 四 一 頁。 注 釈 は、﹃ 性 霊 集 鋤 ﹄ 巻 第 四 上、 二 七 丁 左。﹃ 便 蒙 ﹄一一 八 頁 下。 ﹃ 便 蒙 砂 ﹄ 巻 第 四 之 一、 二 五 丁 右。 (51) ﹃ 大 師 全 集 ﹄ 四 三 九 頁。 注 釈 は、﹃ 性 霊 集 砂 ﹄ 巻 第 四 上、 二 〇 丁 右。﹃ 便 蒙 ﹄一一 五 頁上-下。﹃ 便 蒙 紗 ﹄ 巻 第 四 之 一、 一 七 丁 左-一 八 丁 右。 (52) ﹃ 大 師 全 集 ﹄ 四 二 六 頁。 注 釈 は、 ﹃ 性 霊 集 鋤 ﹄ 巻 第 三、 二 丁 左-四 丁 左。 ﹃ 便 蒙 ﹄ 八 一 頁上-下。 ﹃ 便 蒙 紗 ﹄ 巻 第 三 之 一、 二 丁 左-三 丁 左。 (53) ﹁ 大 師 全 集 ﹄ 四 二 八 頁。 注 釈 は、 ﹃性 霊 集 砂 ﹄ 巻 第 三、 一 七 丁 左。 ﹃ 便 蒙 ﹄ 八 八 頁 上。﹃ 便 蒙 紗 ﹄ 巻 第 三 之 一、 二 五 丁 右。 (54)﹃ 大 師 全 集 ﹄ 四 四 〇 頁。 注 釈 は、﹃ 性 霊 集 砂 ﹄ 巻 第 四 上、 二 七 丁 右-左。﹃ 便 蒙 ﹄ 一 一 八 頁 下。﹃ 便 蒙 妙 ﹄ 巻 第 四 之 一、 二 四 丁 右-二 五 丁 右。 (55) ﹃ 大 師 全 集 ﹄ 四 三 五 頁。 注 釈 は、 ﹃ 性 霊 集 紗 ﹄ 巻 第 四 上、 三 丁 右 -左。﹃ 便 蒙 ﹄ 一 〇 八 頁 下。﹃ 便 蒙 砂 ﹄ 巻 第 四 之 一、 二 丁右-左。 (56)﹃ 大 師 全 集 ﹄ 四 四 七 頁。 注 釈 は、﹃ 性 霊 集 妙 ﹄ 巻 第 四 下、 一 五 丁 左。 ﹃ 便 蒙 ﹄一三二 頁 下。 ﹃ 便 蒙 砂 ﹄ 巻 第 四 之 二、 一 二 丁右-左。 (57)﹃ 大 師 全 集 ﹄ 四 四 七 頁。 注 釈 は、﹃ 性 霊 集 鋤 ﹄ 巻 第 四 下、 一 六 丁 左。 ﹃ 便 蒙 ﹄一三三 頁 上。 ﹃ 便 蒙 砂 ﹄ 第 四 之 二、一三 丁 右。 (58) ﹃ 大 師 全 集 ﹄ 五 二 二頁-五 二 三 頁。 注 釈 は、﹃ 性 霊 集 紗 ﹄ 巻 第 九、 一 八 丁 右 に は 注 解 欠、﹃ 便 蒙 ﹄ 三 〇 二 頁 上。﹃ 便 蒙 妙 ﹄ 巻 第 九、 一 一 丁 左。 (59)﹃ 大 師 全 集 ﹄ 五 二 四 頁。 注 釈 は、﹃ 性 霊 集 紗 ﹄ 巻 第 九、 二 二 丁 左 -二 三 丁 右。 ﹃ 便 蒙 ﹄ 三 〇 四 頁上-下。 ﹃ 便 蒙 砂 ﹄ 巻 第 九、 十 四 丁 右-左。 (60)﹃ 大 師 全 集 ﹄ 五 二 四 頁。 注 釈 は、﹃ 性 霊 集 紗 ﹄ 巻 第 九、 二 三 丁 右 -二 四 丁 左。﹃ 便 蒙 ﹄ 三 〇 四 頁下-三 〇 五 頁 上。﹃ 便 蒙 紗 ﹄ 巻 第 九、 -四 丁左-一 五 丁 左。 (61)﹃ 大 師 全 集 ﹄ 四 三 五 頁。 注 釈 は、﹃ 性 霊 集 紗 ﹄ 巻 第 四 上、 五 丁 右 -左。﹃ 便 蒙 ﹄ 一 〇 九 頁上-下。﹃ 便 蒙 鋤 ﹄ 巻 第 四 之 一、 三 丁 左-四 丁 右。 (62) ﹃ 大 師 全 集 ﹄ 四 三 七 頁。 注 釈 は、 ﹃性 霊 集 砂 ﹄ 巻 第 四 上、 一 二 丁 右-左。﹃ 便 蒙 ﹄一一 一 頁 下。﹃ 便 蒙 紗 ﹄ 巻 第 四 之 一、 九 丁右-左。 (63)﹃ 大 師 全 集 ﹄ 四 三 七 頁。 注 釈 は、﹃ 性 霊 集 紗 ﹄ 巻 第 四 上、 一 四 丁 右-左。﹃ 便 蒙 ﹄一一 二 頁 下。﹃ 便 蒙 紗 ﹄ 巻 第 四 之 一、 一 一 丁右-左。 (64)﹃ 大 師 全 集 ﹄ 四 四 〇 頁。 注 釈 は、﹃ 性 霊 集 砂 ﹄ 巻 第 四 上、 二 七 丁 右。 ﹃ 便 蒙 ﹄一一 八 頁 上。 ﹃便 蒙 紗 ﹄ 巻 第 四 之 一、 二 三 丁左-二 四 丁 右。 (65) ﹃ 大 師 全 集 ﹄ 四 三 八頁-四 三 九 頁。 注 釈 は、 ﹃性 霊 集 砂 ﹄ 巻 第 四 上、 一 九 丁右-左。﹃ 便 蒙 ﹄一一 五 頁 上。﹃ 便 蒙 妙 ﹄ 巻 第 四 之 一、 一 七 丁 左。 (66) ﹃ 大 師 全 集 ﹄ 四 二 七 頁。 注 釈 は、 ﹃性 霊 集 鋤 ﹄ 巻 第 三、一一 丁 左 -一 二 丁 右、 ﹁ 便 蒙 ﹄ 八 五 頁 上。 ﹃ 便 蒙 紗 ﹄ 巻 第三 之 一、 一 七 丁 右。 (67)﹃ 大 師 全 集 ﹄ 四 三 六 頁。 注 釈 は、﹃ 性 霊 集 紗 ﹄ 巻 第 四 上、 九 丁 左 -一一 丁 左。 ﹃ 便 蒙 ﹄ 一 一 〇 頁下-一一一 頁 上。 ﹃ 便 蒙 紗 ﹄ 巻 第 四 之 一、 七 丁左-八 丁 右。 (68)﹃ 大 師 全 集 ﹄ 四 三 七 頁。 注 釈 は、﹃ 性 霊 集 紗 ﹄ 巻 第 四 上、 一 五 丁 右-左。 ﹃便 蒙 ﹄一一 三 頁 上。 ﹃ 便 蒙 妙 ﹄ 巻 第 四 之 一、 一 一 丁 左。 弘 法 大 師 の 上 表 文 に お け る 文 章 構 造 の 特 色 ( 下)

参照

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This paper focuses on the property of yue 'more', which obligatorily occurs in Chinese Comparative Correlative Construction (hereafter yue-construction). Yue appears before