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われる 授 業 研 究 ( 校 内 研 究 )で 買 い 物 学 習 を 題 材 として 研 究 を 進 めた 21 円 や 32 円 とい った 小 さな2 桁 までの 数 に 対 して 同 額 を 準 備 して 支 払 うという 内 容 で お 金 を 使 った 活 動 に 子 どもたちはとても

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Academic year: 2021

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われる授業研究(校内研究)で買い物学習を 題材として研究を進めた。21 円や 32 円とい った小さな2桁までの数に対して同額を準備 して支払うという内容で、お金を使った活動 に子どもたちはとても意欲的に活動をするこ とができた。また、買い物という日常生活の 指導にもつながる有意義な学習を行うことが できた。 このお金を使った活動に、より算数的な数 の学習を取り入れることで、子どもたちの数 量概念が育つのではないかと考えて、本研究 を行うことにした。 Ⅱ.研究の目的 本研究では、4以上の数量をなかなか理解 することが難しい子どもたち3名に対して、 次のような仮説を立てて研究を進めた。 提示された数字に対して、お金を使って その数量を示すことにより、4以上の数 量の概念が育つのではないか。 子どもたちが言葉で表現できることは少な いので、子どもたちの行動の変容を指導者が 捉えるようにした。 あわせて、校内研究において実施する授業 研究の内容でもあったことから、校内研究の 協議の中で話題になったことも考察に加えて いきたい。 Ⅲ.研究の内容 本研究では日常生活に不可欠なお金の学習 を行う。私たちが一般的に買い物をするとき は、多数の商品を選択し総額と同じ代金かそ れよりも大きな代金で支払って品物を購入す る。それができるようになるためには次のよ うな力が必要になると考える。 ①金種を理解することができる。 (一円玉、十円玉、百円玉など) ②数字を理解することができる。(0~9) ③数字を理解して、その金種をその数だけ 出すことができる。 (198 円は百円玉1枚、十円玉9枚、 一円玉8枚など) ④5のまとまりを理解して、5を使いなが らその数だけ金種を出すことができる。 (198 円は百円玉1枚、五十円玉1枚と十円 玉4枚、五円玉1枚と一円玉3枚など) ⑤数の大小を理解して、その数字より大き な金額を支払うことができる。 (198 円に対して 200 円など) ⑥複数の商品を買うための計算ができる。 (繰り上がりのない1桁+1桁、 繰り上がりのある1桁+1桁…) ⑦概算を理解して、複数の商品のおおよそ の総額を理解し、それに合った金額を支 払うことができる。 (3個で約500 円ぐらいなど) 本 学 級 の 子 ど も た ち の 発 達 段 階 に 合 わ せ て、①~③を主にねらい学習を進めることに した。特に、 ③数字を理解して、その金種をその数 だけ出すことができる。 ということができるようになると、本研究の 目的である4以上の概念が育つことにつなが ると考えた。子どもたちがよりお金を準備し やすくなるように教具を開発すること、一人 ひとりの発達段階に合わせて課題を設定し、 その課題を達成できるような支援をスモール ステップで計画的に行うこと、この二つを研 究の柱とした。 1.教具の開発 <お金> 買い物学習を行う場合、お金は大きさ、形、 色、質量などを考えると、本物を使った方が より生活に生かすことができると思われる。 しかし、本物のお金を教室に常備しておくこ

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とのリスクと指導の継続性を考慮して、紙で お金を作ることにした。 このお金を使って、提示された3桁の数字 に対して、百の位は百円玉、十の位は十円玉、 一の位は一円玉を使ってお金を準備するよう にした。 本学級は肢体不自由で、物を掴むことに困 難がある子もいるため、ペットボトルのふた にお金を貼り付けて持ちやすくもした。 <提示するときの数字> 3桁の数字を提示した時、それに合わせた お金を準備しやすいように、使用するお金の 色に合わせて、百の位を灰色、十の位を赤色、 一の位を青色で表示することにした。 123を 表示する 場合 <区分け財布> 子どもたちがお金を準備するとき操作をし やすいように、提示するときの数字の色に合 わせて、百円玉は灰色、十円玉は赤色、一円 玉は青色で区分けされた財布を使用した。 <お金シート> 子どもたちがお金を準備するとき、百円玉、 十円玉、一円玉をそれぞれ何枚ずつ準備すれ ばよいかが分かるように、1~ 10 までの数 字シールがはってあるシートを準備した。提 示するときの数字と区分け財布の色に合わせ て、百の位は灰色、十の位は赤色、一の位は 青色で区分けした。 このように、色をてがかりにすることで、 3桁の数も0~9までの数字の組み合わせに なり、子どもたちはそれに合わせたお金を準 備できるようになると考えた。

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2.スモールステップによる課題設定と支援 (1)スモールステップによる課題設定 一人ひとりの発達段階に合わせた数字を提 示するようにした。 4以上の概念の育ちをねらいにする子に対 しては5までの数字を組み合わせた3桁の数 を提示した。(120、234 など) 4以上の概念が確立しつつある子に対して は9までの数字を組み合わせた3桁の数を提 示した。(586、680、898 など) それに対して、五円玉、五十円玉、五百円 玉を「五」と数えて5の場所に置くようにし、 その続きの数を「六、七、…」と数えながら、 6以上の場所に置くようにした。このように 5を一円玉、十円玉、百円玉とは異なる五の お金を使うことで、5のまとまりを意識でき るように指導した。 (2)スモールステップによる支援 教具の開発で示した、提示するときの数字、 区分け財布、お金シートの3つを子どもの発 達段階に合わせて使い分けた。その支援の仕 方を①から順にスモールステップで表し、子 どもたちの理解が深まるにつれて徐々にその 支援がなくなるようにした。学習が進むにつ れて最終的には全ての支援がなくなり、日常 生活に般化できるようにした。 <提示するときの数字> ①色分け数字 色 を 手 が か り に お 金 を 準 備 しやすい ② 色 分 け さ れ て いない数字 数 字 と 桁 を 手 が か り に お 金 を準備する ③数字を言われてお金を準備する 聴覚による理解と記憶の保持が必要 <区分け財布> ①百円玉 十円玉 一円玉が 入った財布 ②五百円玉 五十円玉 五円玉も 入った財布 ③区分けなし 全金種入り 見えやすく 取りやすい 財布 ④何が入っているか分かりにくく、取りに 出しにくい、一般的な財布

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<お金シート> ① 大 き く 数 字 が 書いてある お金シート ②小さく数字が 書いてある お金シート お金を置きやす いようにシール が貼ってある ③数字が書いてな いお金シート 罫線のみ ④罫線もない お金シート ⑤お金シートを使わない 最初は上記の支援の仕方①、提示するとき の数字①、区分け財布①、お金シート①、全 てを使って、子どもが色を手がかりにするこ とができる分かりやすい支援を心がけた。 子どもがその支援ツールを使って5回連続 できるようになりその段階を達成できたら、 お金シート② → 区分け財布② → 提示するときの数字② → お金シート③→ お金シート④ → 区分け財布③ お金シート⑤ → 提示するときの数字③→ 区分け財布④ の順で移行していき、最終的に全ての支援が なくなり、日常生活に般化できるようにした。 Ⅳ.研究の方法 研究内容で記述した、工夫された教材を活 用して、スモールステップによる課題設定と 支援のもと授業実践を行うことにより、4以 上の数量の概念が育つことを検証した。 その授業実践の流れとは、 (1)お金を準備する学習 (2)買い物場面を想定してお金を準備する 学習 (3)実際にお店へ買い物へ行く学習 このように、大きく3つに分けて単元を組 み授業を行った。特に、(1)の学習は繰り返 し行い、子どもの理解度に合わせて、スモー ルステップによる課題設定と支援で系統的に 指導し、そのねらいが達成できるようにした。 (1)お金を準備する学習 上記の支援ツールを使いながら、下記の方 法で、繰り返し学習を行った。 ①金種を確認する。 ②色のついた数字カードで、金種とその数 を確認する。 ③子どもたちは、お金シート等を使って、 提示された金額を準備する。 ④指導者は、提示された数だけお金カード をホワイトボードに貼って、子どもたち の思考を整理する。

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(2)買い物場面を想定してお金を準備する学習 <場の設定> おもちゃなど子どもたちが欲しいと思うよ うな商品を並べて、欲しい物を選ぶようにし た。金額は商品に表示されているのではなく、 指導者がスモールステップによる課題設定を 考慮して、意図的にその子にあった金額を提 示するようにした。 <会計での確認> 提示された金額と子どもが準備したお金を 桁ごとに並べて、数字とそのお金が同じなの か見合えるようにした。ゲーム感覚も取り入 れられるように、○×のピンポンブザーも使 って、楽しく確認できるようにした。 <自動販売機の使用> 子どもが4つの商品から選択できる自動販 売機を作成した。百円玉、五十円玉、十円玉、 一円玉の4種類を入れることができる投入口 を作って、マッチングができるようにもした。 子どもたちがお金を投入したときは、指導 者が数字ボードをめくることで、活動してい る子も見ている子も何円お金を入れたのかが 分かるようにした。 ただ、自動販売機による活動は子どもたち にとって大変魅力的ではあるが、一人しか行 うことができず学習効率が悪い。そこで、子 どもたちの手元とお金の投入口をビデオで撮 影し、それをテレビにつないで、みんなで活 動をより見合えるようにした。 (3)実際にお店へ買い物に行く学習 小山小学校の徒歩圏に大型スーパーマーケ ットがあり、その中にある駄菓子屋さんには、 2桁と3桁の金額でお菓子が売られている。 そこに支援ツールを持って行き、子どもたち が一人でお金を準備して支払うようにした。 Ⅴ.研究の成果と課題 1.子どもたちの変容 本研究では、4以上の数量をなかなか理解 することが難しい子どもたち3名に対して、 提示された数字に対して、お金を使って その数量を示すことにより、4以上の数 量の概念が育つのではないか。 という仮説を立てて研究を行った。 A児は、研究実践前からなんとか 50 まで の数を言うことができたり、5までの物を数 えたりできていた。 A児にも最初は、みんなと同じ全ての支援 ツールを使った。スモールステップによる支 援の手順で学習を進めていったところ、『お 金シート④:罫線もないもの』と『区分け財 布③:区分けなし』の場面で、少し時間がか かったが、繰り返し学習をする中でそのステ ップも達成した。そして、支援ツールを何も 使わなくても、3桁の提示された数字に対し て五百円玉や五十円玉、五円玉を使い、5の まとまりを意識してお金を準備できるように なった。

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これにより、日常生活における買い物でも 一人で商品を選び、それにあった金額を支払 うことができるようになった。 また、物を数えるときも一対一対応で正確 に物を数えることができるようになった。10 までの数量は完全に理解し、20 程度までは 大体物を数えることができるようになった。 B児は、研究実践前は1~ 10 まで言われ た数の数字カードを取ったり、順番に並べた り、3までの物を数えたりすることはできて いた。 B児に、『提示するときの数字①』、『区分 け 財 布 ① 』、『 お 金 シ ー ト ① 』 を 全 て 使 っ て 学習を始めた。最初は 300 円を提示されたと き、お金シートの3のところに 100 円を1枚 置くだけであったが、学習を繰り返す中で、 100 円を1~3まで順番に3枚置けるように なり、区分け財布とお金シートを使うことで、 3桁の数を見てお金を準備することができる ようになった。学習を通して、『提示すると きの数字②:色分けされていない数字』、『区 分け財布②:五百円、五十円、五円も入った 財 布 』、『 お 金 シ ー ト ③ : 数 字 が 書 い て い な い罫線のみ』の段階まで進み、ときどき五円 を使うなど5のまとまりを意識した行動がみ られた。お金シートの数字がなくても、枠の 中に8や9といった大きな数字の数だけお金 を置くこともできるようになった。 これにより、支援ツールを使うことで、一 人でなんとか買い物をすることができるよう になった。 また、5までの数量は大体理解して、物を 数えたり手渡ししたりできるようになった。 C児は、研究実践前は1~ 30 まで言われ た数の数字カードを取ったり、順番に並べた り、3までの物を数えたりすることはできて いた。 C児は自発的な行動が少なく、指導者の言 葉で行動をするようなところがあり、見取り が難しかったが、『提示するときの数字②: 色 分 け さ れ て い な い 数 字 』、『 区 分 け 財 布 ② :五百円、五十円、五円も入った財布』、『お 金シート②:小さく数字が書いてある』まで 学習できた。提示された数字を見て、指導者 の言葉かけのもと、シートの数字の上にお金 を置くことができるようになった。 これにより、支援ツールを使うことで、一 人でなんとか買い物をすることができるよう になった。 また、C児は言葉が出るようになってきた ため、1~ 10 までは数を数えながら一対一 対 応 で 物 を 数 え る こ と が で き る よ う に な っ た。10 までの数量は大体理解して、物を数 えたり手渡ししたりできるようになった。 2.課題 本研究では、本物のお金を教室に常備して お く こ と の リ ス ク と 指 導 の 継 続 性 を 考 慮 し て、紙のお金を使用した。紙の一円玉の色が 青色だったので、一の位は青色とした。しか し、実際の一円玉の色は白色や灰色に近い。 また、百円の色が灰色だったので、百の位は 灰色としたが、実際の百円玉の色はギラギラ した輝きを持っている。 このように、紙のお金と本物のお金の色は 異なっている。本物のお金を使ったお店での 買い物学習をするときに、子どもたちが戸惑 うのではないかと危惧し、学習の中でもとき どき本物のお金を使うようにした。お店では 間違えずにお金を使うことができた。 また、子どもたちの変容から、今回実施し た課題と支援のスモールステップはこの子た ちには合っていたと思われる。このスモール ステップが、常にどの子どもたちにも有効か どうか、今後検証していきたい。 校内研究の研究協議では、教材と教具、一 人ひとりのねらいに合わせた課題設定と支援 方法が工夫されていてよかったという意見が

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多く、本研究の手だてが評価された。 その中で、「子どもたちが今後学習を深め ていく中で、例えば123 という数字に対して、 数の大きさに気がついたとき、この学習との ギャップを感じるのではないか」という意見 が出された。 本研究は、お金を通した数理解の学習であ り、123 の数の大きさを理解するものではな い。子どもが 123 という数を理解するには、 『5の合成』や『10 の合成』『一桁の足し算、 引き算』『繰り上がり、繰り下がりのある足 し算、引き算』を学習していく必要があると 考える。そのような学習を積み重ねていく中 で、数理解も深まり、子どもは自然に 123 と いう数の大きさを理解するかもしれない。実 際に1円玉を 123 枚並べるような学習も有効 であるかもしれない。このことも、今後確認 する必要があるだろう。 Ⅵ.研究のまとめ 本研究の中で、子どもたちはお金を使った 指導により、数量の概念が育ってきたような 場面を確認することができた。もちろん、こ の学習の他にも個別学習や集団学習における 数の学習、家庭での学習や日常生活の中で身 についたものなど、子どもたちの学びは多様 であり、この学習だけで数理解が深まったと は思わない。しかし、子どもたちが生き生き と楽しそうに学習する姿は、明らかに主体的 であり、本研究の柱である教具の開発と、ス モールステップによる課題設定と支援、学ぶ 意欲を喚起させるようなお金を使った学習単 元の構成は、子どもたちにとって有用であっ ただろう。 Ⅶ.おわりに 本研究では、4以上の数量概念の形成を目 的に3名の子どもたちに論点を絞った。実際 は本校の特別支援学級(肢体不自由)には、 7名の児童が在籍している。この学習を通し て、その子どもたちへのねらいは D児・2つの商品を選択し、繰り上がりのな い足し算(120 + 40 など)を暗算し て、お金を準備できる。 ・複数の商品を選択して電卓で合計を出 しそれよりも切りのよいお金を出して 電卓でお釣りを計算できる。 E児・色で区別された3桁の数字カード(1、 10、100 など)やお金を見ることができる。 ・ペットボトルのお金を持って、介助者 と一緒に数えることができる。 F児・色で区別された3桁の数字カード(1、 10、100 など)を見たり、言葉でその 金種を言われたりして、同じ金種を選 ぶことができる。 ・ペットボトルのお金を持って、介助者 と一緒に数えながら、お金を離すこと ができる。 G児・3桁の数字(236、751 など)を聞い て、お金を準備できる。 ・複数の商品を選択し、簡単な足し算(6 +8、80 + 90 など)を暗算して、お 金を準備することができる。 とし、このねらいが達成できるような支援を 行った。この子どもたちも生き生きと楽しく 学習をする中で、それぞれのねらいを達成す ることができた。 このように、一人ひとりにあった課題設定 と支援ツールを準備できるこの学習は、ユニ バーサルデザイン教材とも考えられる。 誰にでも分かりやすく、学びやすい環境を これからも整えていきたい。 引用文献 著書:文部科学省 『特別支援学校学習指導要領解説 総則等編(幼稚部・小 学部・中学部)』 P285 教育出版株式会社 2009 年 参考HP お金の画像: 特別支援学校の授業に役立つ自作創作教材・教具 http://www.asahi-net.or.jp/~ue6s-kzk/ 自動販売機の作り方: 『Poo Web Comic』

参照

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