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序. 調査の目的 概要 1 調査の目的 北海道は アジアの中でも魅力的な観光資源を有していることもあり 東アジアからの団体旅行者の増加をもたらし 我が国における外国人旅行者の増加に寄与しているところであるが 今後更なる増加を推進するには 個人旅行を好む欧米等の旅行者の取り込みも重要である このため

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(1)

平成 22 年度

北海道開発計画調査

外国人個人旅行者に向けた

情報発信検討調査

国土交通省 北海道開発局

開発監理部 開発調査課

Development Research Division

Development Administration Department

Hokkaido Regional Development Bureau

(2)

日本国内を旅行する外国人旅行者(FIT)のうち欧米豪州人(以下「欧米豪州人旅行者」という。) 【基礎調査】 欧米豪州人旅行者の 動向把握 【情報源の調査】 情報源の実態把握 情報源の分析 効率的な観光情報の 発信方策の提案

調査対象者

1.基礎調査

日本を訪れる欧米豪州人旅行者の動向を把握するため、

既存資料等を整理した。

1 欧米豪州人旅行者の旅行動向

JNTO「日本の国際観光統計(2009 年)

」によると、

訪日外国人数はアジア諸国からが約 74%で、欧米豪州諸

国からは約 26%であるが、年間の出国者数では、欧米諸

国が約 86%、アジア諸国が約 11%と、欧米諸国の出国

者数がアジア諸国より多くなっている。なお、ビジット・

ジャパン事業で重点市場とされているドイツ、英国、米国

が、出国者数の上位を占めている。

また、欧米から距離が離れているアジアにも、中国へは

米国人が日本の約 2.3 倍の 178 万人、タイへは英国人が

日本の約 4 倍の 82 万人が来訪している。

北海道内における訪日外国人旅行者の宿泊延べ数では、

北海道全体で見ると、台湾、香港、韓国、中国等のアジア

諸国が多いが、米国、豪州、英国、フランス等の宿泊者が

多い地域もある。

序.調査の目的・概要

1 調査の目的

北海道は、アジアの中でも魅力的な観光資源を有していることもあり、東アジアからの団体旅行

者の増加をもたらし、我が国における外国人旅行者の増加に寄与しているところであるが、今後更

なる増加を推進するには、個人旅行を好む欧米等の旅行者の取り込みも重要である。

このため、本調査では、旅行行動に影響を与えると考えられる情報源に着目し、欧米等の旅行者

が旅行する際に参考としている海外の書籍、Web 等の情報源をより詳細に把握し、今後の北海道

観光の情報発信方策を検討するものである。

2 調査の概要

調査フロー図

順位 国・地域 訪日外客数 国・地域 訪日外客数 1 韓国 2382.4 韓国 1,586.8 2 台湾 1390.4 台湾 1,024.3 3 中国 1000.4 中国 1,006.1 4 米国 763.8 米国 699.9 5 香港 550.2 香港 449.6 6 豪州 242.0 豪州 211.7 7 英国 206.6 英国 181.5 8 タイ 191.9 タイ 177.5 9 カナダ 168.3 カナダ 152.8 10 シンガポール 167.9 シンガポール 145.2 11 フランス 147.6 フランス 141.3 12 ドイツ 126.2 ドイツ 110.7 13 マレーシア 105.7 マレーシア 89.5 14 フィリピン 82.2 フィリピン 71.5 15 インド 67.3 インドネシア 63.6 16 インドネシア 66.6 イタリア 59.6 17 ロシア 66.3 インド 58.9 18 イタリア 56.2 ロシア 47.0 19 スペイン 40.9 スペイン 42.5 20 ベトナム 34.8 ベトナム 34.2 アジア諸国 計 6,039.8 アジア諸国 計 4,707.2 欧米豪州諸国 計 1,817.9 欧米豪州諸国 計 1,647.0 合 計 7,857.7 合 計 6,354.2 訪日外客数(総数 上位20か国・地域) (単位:千人) 2008年 2009年 出典:日本政府観光局(JNTO)「日本の国際観光統計(2009 年)」

(3)

0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 中国 タイ 香港 シンガポール 日本 マレーシア 韓国 インドネシア フィリピン ベトナム 台湾 カンボジア 訪問者 アジア各国・地域への訪問者数(2008年) 英国人 フランス人 ドイツ人 イタリア人 米国人 カナダ人 豪州人 ロシア人 訪問国

2 欧米豪州人旅行者の特徴

欧米豪州人旅行者は、個人旅行が主流の旅行形態で、アジア人旅行者より平均滞在日数が長く、

旅行中の1日当たりの消費額が比較的多い傾向がある。

出典:日本政府観光局(JNTO)の資料を基に開発調査課にて作成 6.5 5.2 5.4 7.2 10.5 12.3 10.3 12.5 15.7 28.5 31.8 32.0 32.9 23.5 50.9 63.8 80.9 93.5 93.4 92.5 90.5 87.5 85.7 85.0 84.4 83.4 69.6 67.2 66.6 66.5 64.7 47.1 34.8 15.2 1.4 2.2 2.3 2.0 1.9 4.7 3.1 0.9 1.9 0.9 1.4 0.6 11.8 1.9 1.4 2.0 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% スペイン 英国 イタリア 豪州 米国 ドイツ フランス ロシア カナダ シンガポール 香港 韓国 タイ インド 台湾 マレーシア 中国 訪日旅行形態 団体旅行(ガイド付き団体パッケージツアー) 個人旅行 その他・不明 出典:日本政府観光局(JNTO)「JNTO 訪日外客訪問地調査 2010」 (単位:千人) 順位 国・地域 出国者数 1 ドイツ 73,000 2 英国 69,011 3 米国 63,684 4 ポーランド 63,684 5 中国 45,844 6 ロシア 36,538 7 イタリア 28,284 8 カナダ 27,037 9 スロバキア 23,837 10 フランス 23,347 11 ポルトガル 20,989 12 ハンガリー 18,471 13 オランダ 18,458 14 ウクライナ 15,499 15 メキシコ 14,450 16 スウェーデン 13,290 17 ルーマニア 13,072 18 韓国 11,996 19 スペイン 11,229 20 インド 10,868 アジア諸国 計 68,708 欧米諸国 計 519,430 その他 計 14,450 合 計 602,588 注:日本除く(14位 15,987) 世界各国・地域からの出国者数 (2008年 上位20位) 2008年 出典:日本政府観光局(JNTO)     「JNTO日本の国際観光統計(2009年)」 (千人) 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 欧州 (2 5 か国) 9.8 9.6 9.2 9.3 9.8 北米 (3 か国) 7.6 7.7 7.7 7.8 8.0 オセアニア (2 か国) 6.9 7.4 7.7 7.9 8.7 アジア (26か国) 7.7 6.6 5.8 5.6 6.0 (単位:日) 国・地域/年別 訪日外客 平均滞在日数 出典:日本政府観光局(JNTO)「JNTO日本の国際観光統計(2009年)」 平成21年度 訪日外国人宿泊人数調べ(宿泊延べ数 上位10か国・地域) 期 間 1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位 上半期 台湾 香港 韓国 中国 シンガポール 米国 マレーシア タイ ロシア 豪州 4~9月 239,945 176,784 110,512 79,548 42,213 20,770 8,514 7,778 6,149 5,162 下半期 台湾 香港 中国 豪州 韓国 シンガポール 米国 マレーシア タイ ロシア 10~3月 324,163 259,365 160,636 124,890 120,292 102,364 24,435 21,611 14,878 8,442 旧宗谷支庁 上半期 台湾 ロシア 香港 米国 中国 シンガポール フランス 韓国 豪州 カナダ 1,181 728 646 465 326 211 188 137 136 108 下半期 香港 ロシア 台湾 米国 韓国 フランス 中国 シンガポール ドイツ 豪州 994 347 232 131 93 74 68 63 57 55 旧根室支庁 上半期 ロシア 米国 台湾 中国 豪州 フランス 香港 英国 ドイツ 韓国 1,170 119 91 71 68 42 41 33 26 21 下半期 ロシア 米国 香港 英国 台湾 ドイツ フランス 中国 豪州 シンガポール 555 140 128 128 61 31 29 27 22 15 注:その他のアジア、その他のヨーロッパ、その他のオセアニアを除く 出典:北海道経済部観光局「訪日外国人宿泊人数調べ」に基づき作成 北海道全体 地 域 全体 4,117 10.6 241,684 11,078 英国 189 9.3 350,647 1 13,975 2 米国 667 12.6 332,361 2 11,908 5 フランス 94 15.3 327,104 3 10,288 9 ドイツ 137 10.9 324,329 4 10,709 8 インド 63 19.0 321,743 5 9,245 11 カナダ 113 9.0 290,896 6 11,486 7 豪州 188 7.0 289,727 7 11,804 6 ロシア 32 19.5 277,465 8 6,942 15 シンガポール 127 7.5 251,922 9 11,949 4 マレーシア 74 11.0 238,139 10 8,756 13 香港 258 6.5 226,766 11 22,106 1 中国 528 13.9 200,457 12 9,189 12 タイ 93 14.6 192,668 13 7,135 14 台湾 766 9.7 184,985 14 12,174 3 韓国 788 6.8 133,820 15 10,067 10 その他 542 13.5 308,765 10,002 出典:日本政府観光局(JNTO)「JNTO 訪日外客消費動向調査2007-2008」 市場別 総消費額(旅行前+旅行中)及び1日当たり旅行中消費額 1日当たり 旅行中消費額 (円) 順位 居住国 回答者数 (人) 回答者の平 均滞在日数 (日) 総合消費額 (円) 順位

(4)

■ 調査結果概要

1 回答者数は 189 人、国籍は 23 か国

地域別では「欧州」が 54.5%、「北米」が 25.9%、「オセアニ ア」が 14.8%である。国別では、「英国」、「米国」、「カナダ」、「豪 州」、「ドイツ」、「フランス」、「スペイン」等が上位を占める。性別 では、男性が 52.4%(99 人)、女性が 46%(87 人)で、年齢 は 20 歳代と 30 歳代が中心である。

2 国内の訪問先は、主要都市、観光地のみならず地方にも

日本国内においては、主要都市や観光資源に恵まれた地域だけ ではなく、少数ではあるが、脇野沢(青森県むつ市)、妻籠宿(長 野県木曽郡南木曽町)などの地方も訪問している。

3 北海道での滞在日数は、「2 週間以内」が約 4 分の 3

北海道での滞在日数は、「5~7 日」と「8~14 日」が 25.4%、 4 日以内が 21.7%である。また、日本での滞在日数は、「15~ 21 日」が 21.2%、「8~14 日」が 20.6%となっている。

4 移動手段は、約 8 割が鉄道を利用し、鉄道利用者の約半数がジャパンレールパスを所持

北海道内の移動手段は「鉄道」が 82%と圧倒的に多く、次いで「バス」が 48.1%、「飛行機」が 46%、 「レンタカー」が 21.2%となっている。また、鉄道利用者のうち、ジャパンレールパス所持者は 56.5%に なっている。

5 最も役に立った旅行前の情報源は「ガイドブック」、

旅行中の情報源は「観光案内所」

旅行前に最も役に立った情報源は「ガイドブック」が 41.8%、 「Web サイト」が 39.7%で、旅行中は「観光案内所」が 54.0%、 「ガイドブック」が 29.6%、「無料の印刷配布物」が 19.6%と なっている。

6 最も多く利用されているガイドブックは「Lonely planet Japan」、Web サイトは「JNTO」

最も多く利用されているガイドブックは「Lonely planet Japan」で、旅行前では 54.5%、旅行中では 41.8%と圧倒的に多い。なお、Web サイトでは「JNTO」が最も多く、旅行前で 40.7%、旅行中で 23.3% となっている。

2.情報源に関するアンケート調査

欧米豪州人旅行者が北海道旅行をする際(旅行前・旅行中)に活用している情報源について、アン

ケート調査を実施した。

※アンケート調査結果では、中東、アフリカ、中南米の旅行者も参考に集計した。 41.8% 39.7% 18.0% 6.9% 3.2% 1.6% 12.2% 29.6% 13.8% 16.9% 19.6% 0.5% 54.0% 1.1% 15.3% 0% 20% 40% 60% 80% ガイドブック Web 口コミ 無料の印刷配布物 テレビ番組 観光案内所 その他 回答無し 最も役に立った情報源:回答者全体 (N=189) 旅行前 旅行中 54.5% 9.5% 8.5% 5.3% 1.1% 18.0% 25.4% 41.8% 7.9% 5.3% 3.2% 0.0% 18.5% 34.9% 0% 20% 40% 60% 80%

Lonely Planet Japan The Rough Guides to Japan Eyewitness Travel Japan Let's Go Japan Gateway to Japan その他 回答無し ガイドブック:回答者全体 (N=189) 旅行前 旅行中 40.7% 24.3% 13.8% 11.6% 10.6% 5.3% 0.5% 2.6% 16.9% 28.0% 23.3% 12.7% 7.9% 3.7% 3.2% 1.6% 10.1% 53.4% 0% 20% 40% 60% 80% JNTO Trip advisor Wikitravel Hokkaido Travel Guide(japan-guide.com) Hokkaido Guide(hokkaido Guide.com) ブログ Twitter FaceBook その他 回答無し Web:回答者全体 (N=189) 旅行前 旅行中 0 10 20 30 英国 米国 カナダ 豪州 ドイツ フランス スペイン スイス ニュージーランド オランダ ノルウェー ロシア イスラエル オーストリア 南アフリカ ポルトガル コロンビア ブラジル ペルー デンマーク イタリア エジプト スロバキア (人) 回答者国籍(N=189)

(5)

■ 分析を行う情報源の選定

アンケート結果によると、欧米豪州人旅行者にとって最も役立った情報源は、旅行前はガイドブック、 WEB、口コミの順で、ガイドブックとWEBが約8割を占めた。また、旅行中は観光案内所が最も高く、 次にガイドブック、無料の印刷配布物、WEBの順であった。 まずは、旅行前の適切な情報提供が重要であることから、分析対象とする情報源を「ガイドブック」と 「WEB」に絞って実施した。

□ 分析を行う情報源の選定

1 ガイドブック

アンケート結果では、「lonely planet Japan(ロンリープラネット)」の活用が圧倒的に多く、次いで 「The Rough Guides to Japan(ラフガイド)」となっているため、この2冊を分析対象とした。また、 オセアニアの旅行者では「Eyewitness Travel Japan(アイウィットネス)」の活用が若干割合が高く、来 道外国人旅行者で豪州人旅行者が多いことから、「Eyewitness Travel Japan」も分析対象とした。なお、 「Eyewitness Travel Japan」は、他のガイドブックに比べ写真や図が多く使用されていることも、分析 対象とした理由である。

2 WEB

WEBの活用状況では、「JNTO(日本政府観光局)」が最も多く、次に「Trip Advisor(トリップアド バイザー)」、「Wikitravel(ウィキトラベル)」の順であった。

なお、「JNTO」は、海外から発信される情報源ではないため、「Trip Advisor」、「Wikitravel」の2サイ トを分析対象とした。

□ 分析方法

1 ガイドブックの分析方法

2 WEBの分析方法

3.情報源の分析(1)

欧米豪州人旅行者が北海道を旅行する際に活用している情報源について、アンケート結果から代表

的な情報源 5 つを選択し、それぞれ、北海道に関する掲載内容等の把握・分析を行った。

① 発行会社、所在、編集者、発行部数、歴史などの情報の整理 ② 編集の方針や特徴を整理 ③ 全体構成と量的な配分の分析 ④ 北海道掲載の全体における割合と掲載場所を把握し、カテゴリーごとに整理 ⑤ ガイドブックにおける情報発信の今後の展望を考察 ① 運営会社、所在、制作意図、ユーザー所在地別アクセス数等の基礎的な情報の整理 ② 特色あるコンテンツ(観光地ランキングなど)の整理 ③ 北海道に関する記述内容の整理 ④ Web サイトにおける情報発信の今後の展望を考察

(6)

■ 「

lonely planet Japan

1 概要

「lonely planet」は、1973 年に創立された同名の出版社(本社:豪州メルボルン市)が発行する、英 語圏では最も利用されているガイドブックである。現在では世界の全ての地域をカバーしており、日本に関す る英語のガイドブックでは世界一のシェアを誇っている。初版は 1981 年(昭和 56 年)に「a Travel survival kit」という名前で出版され、1997 年(第 6 版)から現在の「lonely planet Japan」となった。基本的には 英語圏の国(豪州、米国、英国)で出版され、現在、17 か国語の言語で翻訳されている。

今回の調査では「lonely planet Japan(2009 年 10 月出版)」を分析する。その他にも、「lonely planet 社」出版で日本を取り上げているものには、「lonely planet Discover Japan」、「lonely planet Tokyo」、「lonely planet Kyoto」がある。

2 編集の特徴

取り上げるテーマ、地域(エリア)や箇所に関しては、ライターに一任されている。ライターは旅行者の目 線で記事を書き、掲載されたツアー会社・ホテル・レストランなどからのリベートを一切受け取らない。

「lonely planet Japan」は旅を進める上で、線上に点在する「小さくて魅力的な街」や「とっておきの隠れ 家的リゾート」などを詳細に紹介している。レンタカーでちょっと立ち寄った小さな村で美味しい郷土料理を食 べてみたい、鉄道を使った旅であてもなく降りたってしまった名も知らぬ駅で B&B(bed and breakfast の 略、朝食付きの簡易的な宿泊施設)を探したいという利用者ニーズに即して、主要都市だけではなく小さな街や 村も取材している。

「lonely planet Japan」は、基本的にはテキストデータ(文字情報)を中心としたガイドブックであり、写 真などのビジュアル的なページは少なく、写真付きのページは巻頭の「Japan Highlights」くらいである。

3 全体構成

全体で 900 ページ弱のボリュームのガイドブックである。内訳は、日本全体の概要(観光の概要、歴史、文 化、飲食、環境、温泉、スキー、建築物など)に関する部分が 13%、地域別の概要では、東京及び東京周辺の 情報が 15%、本州中部 9%、関西 14%、本州西部 7%、本州北部 7%、北海道 8%、四国 4%、九州 9%、 沖縄他 5%となっており、東京、東京周辺及び関西地域についての記述が全体の約 3 割を占めている。

4 日本の概要

ガイドブックの巻頭にカラー写真で「Japan Highlights」として、ライター等が推薦する、日本を観光する 上での見所 28 件を紹介している。日本文化や日本の生活に関連する項目が多く、有形、無形の文化遺産が多い 中で、現代文化の中から唯一、カラオケが選ばれている。自然資源については、富士山、沖縄、上高地・剣岳、 沖縄の海、嵐山、小笠原諸島と、掲載数は少ない。ユニークな点は、自治体ごとに違うデザインが施されたマン ホールの蓋や新宿駅のラ ッシュアワーの人混みな どが挙げられる。

3.情報源の分析(2)

欧米豪州人旅行者が最も多く活用していた「lonely planet Japan」について、概要を掲載する。

京都の寺と庭(金閣寺)、広島平和記念公園、和風旅館(法師温泉長寿館:群馬県)、高野山奥の院 (和歌山県)、築地市場、表参道での買物(東京)、八塔寺(岡山県)、道頓堀の夜景(大阪)、芸 者(祇園:京都府)、大相撲、銀閣寺、富士山と山中湖、温泉、沖縄の海、日本食、カラオケ、嵐山 の竹林、錦市場(京都府)、日本アルプス登山(上高地・剣岳)、東大寺(奈良県)、マンホールカ バー、金沢兼六園(石川県)、小笠原諸島(東京都)、姫路城(兵庫県)、ラッシュアワーの混雑 (新宿駅:東京都)、花見、大阪水族館(海遊館:大阪府)、馬籠・妻籠ハイキング(岐阜県) 注:赤字は、北海道でも体験可能 【Japan Highlights】

(7)

5 北海道関係の掲載状況

北海道観光で特に関心の高い項目をコラムとして強調して紹介している。紹介されているコラムは、「カニ」、 「ジンギスカン」、「スープカレー」、「サッポロビール」など北海道を代表する飲食物、「さっぽろ雪まつり」、「大 通り納涼ガーデン」、「北海盆踊り」など札幌大通公園で開催されるイベントや祭、「青函トンネル」、「スキー場」、 「温泉」、「アイヌ・ルネッサンス」、「ロシアとのフェリー航路」、「大雪山登山」、「シーニックドライブ」、「旅 行者に聞く北海道の魅力」、「ヒグマへの注意」などといったものである。青函トンネルについては、北海道新 幹線が将来青森から函館に向かいこのトンネルを走ることにも言及している。 例:【風景・街並み】 ガイドブックに掲載されている地域ごと の観光ポイント【風景・街並み】を表に示 す。表中の赤字は、「The Rough Guides to Japan」と共通して掲載されているエリア である。 北海道の場合、全体的な傾向として、歴 史的街並みと国立公園の景勝ポイントの記 載が多くを占め、地域としては、江差町、 松前町、函館市などの道南圏、街並みとし ては、小樽市の歴史的建造物が紹介されて いる。 また、支笏洞爺国立公園、大雪山国立公 園、阿寒国立公園、釧路湿原国立公園、知 床国立公園については、山並み、滝、湖沼、 岬などの自然資源を紹介している。北海道 特有の野生動植物の紹介が多いことも、北 海道らしさを感じ取れる作りになっている。 取り上げられているのは、アザラシ、エゾ シカ、タンチョウ、光苔、珊瑚草、原生花 園などである。 また、昆布干し場や昆布漁の風景が掲載 されていることから、漁師の日常的な生活風景も、貴重な観光資源に成りうることを認識する必要があると考 えられる。

□ ガイドブックにおける今後の情報発信の展望

1 各ガイドブックにおける北海道情報の割合を増やす

2 北海道に関する掲載内容の魅力を高め、観光目的地として北海道を選択させるため

① 北海道の観光地としてのイメージが「自然」に固定化されないような情報提供

② 写真などのビジュアル情報の提供や、地域住民と連携した潜在資源の発掘

□ WEB における今後の情報発信の展望

WEB の旅行サイトに口コミが掲載されることによる効果

多くの口コミが集まる施設は「人気スポット」として注目され、さらにアクセスが増える可能性が高

い。また、人気の高い施設や地域への書き込みを読むことで、旅行者がどのような情報を求めており、

どのようなポイントが評価されているのかを知ることができ、サービス改善に役立たせることができる。

エリア  都市・地域等 風景・街並み 道南 函館市 朝市、元町、ハリストス正教会、旧函館公会堂、旧英国領事館、外人墓地、函館山、 函館山ロープウェイ、函館山要塞、五稜郭、大沼国定公園、青函トンネル 松前町 松前城、松前藩屋敷 江差町 横山家、旧中村家住宅、江差追分会館 襟裳岬 (えりも町) 襟裳岬、緑化、昆布、アザラシ 道央 札幌市 北大植物園、時計台、テレビ塔、北海道大学、藻岩ロープウェイ、北海道神宮、ススキノ、二 条市場 小樽市 小樽運河、日本郵船株式会社小樽支社、日銀通り、日本銀行小樽支店 ニセコ町 羊蹄山 留寿都村 (ルスツ) 支笏洞爺 国立公園 【洞爺】洞爺湖、昭和新山、有珠山、有珠山ロープウェイ、花火 【登別】地獄谷、大湯沼 【支笏】支笏湖、紋別岳、恵庭岳、樽前岳、苔の洞門 室蘭市 地球岬 道北 旭川市 稚内市 稚内公園、稚内開基百年記念塔、ノシャップ岬、昆布干し場、宗谷岬、アザラシ観察 (抜海)、サロベツ原野 利尻礼文サロ ベツ国立公園 【利尻】利尻岳、姫沼 【礼文】スコトン岬、桃岩、礼文岳 美瑛町 大雪山系 富良野市 富良野ラベンダー畑、ファーム冨田 大雪山国立公園 【旭岳】旭岳ロープウェイ、羽衣の滝 【層雲峡】流星の滝、銀河の滝、大函・小函、層雲峡ロープウェイ&チェアリフト、      黒岳、赤岳 【十勝】十勝岳 道東 網走市 天都山、サンゴ草群生地、ワッカ原生花園 阿寒国立公園 【川湯】硫黄山、屈斜路湖、摩周湖 【阿寒】アイヌコタン、まりも、雄阿寒岳、雌阿寒岳、白湯山 釧路市・根室市 【釧路】釧路湿原国立公園、細岡展望台、釧路湿原展望台、     野生動物(丹頂鶴、エゾシカ) 【根室】北方領土、納沙布岬平和の塔、昆布干し場 斜里町・知床 国立公園 【斜里】小清水原生花園【知床】羅臼、羅臼岳、光苔、知床五湖 帯広市 大雪山系、日高山系 池田町 ワイン城

(8)

1 北海道の情報をガイドブックに掲載させるための働きかけ

2 北海道在住の欧米豪州人によるWEB上での発信

3 宿泊施設等のネットワーク化

4.効率的な情報発信方策の提案

各種調査結果と有識者のヒアリング結果から、低コストで効率的な北海道の観光情報の発信方策を

提案する。

① ガイドブックライターとの接点形成

記事がガイドブックに掲載されるかはライターの影響が大きい。ライターがその土地を知っている か、訪ねたことがあるかが大きく左右する。ライターが見聞きし体験したことをどれほど魅力的と感 じたかにより、記事掲載の有無が決まるといってよい。よって、ライターとの接点をどう作るかが重 要になってくると考えられる。

② 情報提供システムの構築

ライターに「北海道に行って取材したい」と思わせるためには、先方が必要な北海道各地の情報を、 必要な時期に一つの窓口から提供するシステムを構築することが効率的である。そのためには、欧米 豪州人旅行者が関心を寄せるようなテーマやコンテンツ(既に掲載されている情報や、既存の観光資 源を除く)の抽出とデータベース作成、編集などを行う体制づくりが必要と考えられる。 北海道在住の欧米豪州人の「口コミ」を生かすことは、低コストかつ信頼性があり効果的と考えられ る。留学生や研究者、語学学校教師、道内の自治体に在籍している ALT(外国語指導助手:Assistant Language Teacher)、ビジネスマン等に、自分の暮らすまちや、道内の旅行先について情報発信をし てもらうような働きかけも必要である。 欧米豪州人旅行者は、旅行先や宿泊先を事前に決めない ケースが多い。よって、宿泊施設などのロビーなど、旅行 者同士が情報交換する場所に各地のパンフレット等の情報 を集積することは、低コストで効果的な情報発信の一つで あると言える。

― 問合せ先 ―

国土交通省北海道開発局開発監理部開発調査課

〒060-8511 札幌市北区北 8 条西 2 丁目 札幌第一合同庁舎 TEL 011-709-2311 (5440) 澤の屋旅館パンフレットコーナー

参照

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