第6章 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化
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(2) 第 6章. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. 6.1 LPG エ ン ジ ン の 概 要. Injector. 試験用 エンジン の主諸元 を表 6.1 に , エン Spark plug ジ ン断面図 を図 6.1 に示 す. ベ ー ス エ ン ジ ン は 8 ト ン ク ラ ス用直列 4 気 筒, 排 気 量 4.6 L の タ ー ボ イ ン タ ー ク ー ラ付 き 直 接 噴 射 式 デ. Combustion Chamber. ィ ー ゼ ル エ ン ジ ン(日 産ディーゼル 工業(株 ) 製 )である .燃 料は LPG 供 給 施 設により 昇. Connecting rod. 圧 され , 10 も し くは 15 MPa 一 定 でエ ン ジ ン Oil jet. に 供給 さ れ る .燃焼室は シミュレーション 結 果 を反 映させた ハーフパイプ 型と し,圧 縮 比 は 10.0 とした . 図 6.1. 表 6.1 項. 目. LPG エ ン ジ ン 断 面 図. LPG エ ン ジ ンの諸 元. 直 噴 LPG エンジン. ベースディーゼルエンジン. FD46TA(水 冷 4cycl, 4cyl). ←. 動弁方式. 2 弁 OHV. ←. 吸気方式. ターボインタークーラ. ←. 着火方式. 火花点火. 圧縮着火. 4.617 L. ←. 108× 126mm. ←. エ ン ジ ン 形式. 主. 排気量. 諸. ボ ア ×ス ト ロ ー ク. 元. 圧縮比. 10.5. 18.2. スワール比. 0.5. 2.0. 最大出力. ベースエンジ ン目標. 129 kW/3100 rpm. 最大トルク. ベースエンジン目標. 441 Nm/1800 rpm. コモンレール 式筒内直噴. 列型機械式筒内直噴. 燃. 燃料分配方式. 料. 昇圧ポンプ. LPG供 給 設 備. 列型ポンプ. 供. ノズル仕様. ホ ー ル ノ ズ ル , 単噴孔. ホ ー ル ノ ズ ル , 多噴孔. 給. 噴孔径. φ 0.5 mm. -. 燃焼室. ハーフパイプ 型. 104. リエントラント型.
(3) 第 6章. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. Low Pressure Regulator High Pressure Regulator. Pump. Fuel Cut Valve. Liquid Level Sensor インタンク ポンプユニット. ECU PCM. Pump Control Unit. Throttle Unit. Fuel Tank. Intake Pressure, Temp. Sensor (DC24V) Common-Rail Pump. Injector Driver Unit. Inter Cooler. Injector Transmission (MT). Power Switch &Ignition coil EGR Control Unit. EGR Cooler Spark Plug. Waste Gate Valve. Catalyst. EGR Valve O2Sensor. O2 Sensor Air Cleaner. Muffler Turbo-charger. 図 6.2. LPG エ ン ジ ン計測設備. 図 6.2 に 本研究と 並行して日 産ディーゼルで実施されたエンジン性能試験 の計測設備 の 概 要 図を示す.各 センサーにより計測された温度,圧力,そして,動力計 により計測 され たエンジン動力 などのデ ー タはパソコンに取り込 み性能評価を行う .また ,シリンダヘッ ドに 取り付けられた筒内圧力センサー により筒内圧力波形 データを得 て KIVA-3 コ ー ドに よる 数値計算と の比較に利 用する .点火プ ラ グ近傍への 混合気の誘 導は,筒内空気流動を 用い ず噴霧貫通力と燃焼室形状のみにより行う.点 火プラグは ベースディーゼルエンジン の噴 射ノズル取 り付け位置 に設置し ,混合気点火に当たっては ,十分な点 火エネルギーを 確保 するため, 点火コイル を気筒毎に 配置し,通電時間を 2.3 ms 一 定とする. 以 上の エンジン 試験結果 を図 6.3, 4 に 示 す.こ れ ら の結 果を 通じ て低・中速回転で は, 安 定し た希 薄 成 層 燃 焼を 実現 し,高負荷 の正味熱効率 が 35%と , ディーゼル と同 等の レ ベ ルと な っ た. しかしながら ,最高出力点付近 の高 速・ 高 負 荷 領 域では ,ノッキング の 発 生や 効率低下 ,そして 低 負 荷 領 域で は混合気 が非 常に 希 薄 化さ れ可燃限界 を超 えた 混 合 気が 未燃 の ま ま排 出さ れ THC 排 出が 非常 に高 いレベル となった.さ ら に,高 速・低 負 荷 域で は THC 排 出 量が 大幅に 増加 した .. 105.
(4) 第 6章. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. 一 方, 各種 パ ラ メ ー タを 変化 さ せ た試 験からは ,ス ワ ー ル比 は低 く,噴 射 圧 力は 高く し た方 が燃 焼 変 動は 少な く, 熱 効 率も向 上し , THC も 減少 する . EGR に よ る NOx 低 減 効 果は 非常 に大 きく ,高負荷 において最 大 60%の 低減効果が 得られた . 1400. 500. 400 1000 300. 800. Torque [Nm]. BMEP [kPa]. 1200. LPG Before Improvement 600. Target Value (Diesel). 200. 400 620. 1240. 1860. 2480. 3100. Engine Speed [rpm]. 図 6.3. Improvement of the Knock limit Exhaust gas temperature (℃). 正味熱効率[%]. Conventional Injector(10MPa) 35.0. LPG エ ン ジ ンの性 能 特 性. 30.0 25.0 Improved Injector (15MPa). 20.0 15.0 10.0 5.0 0.0 200. 400. 600 800 BMEP[kPa]. 800 700 600 500 400 300 200 100 0. 1000 1200. 4000. 20000. 3500 3000. 15000. THC[ppm]. CO (ppm). 0. 3100rpm. 2500 2000 1500 1000 500. 0. 200. 400. 600 800 BMEP[kPa]. 0. 200. 400. 600 800 BMEP[kPa]. 1000 1200. 10000 5000 0. 0 0. 200. 400. 600 800 BMEP[kPa]. 図 6.4. 1000 1200. LPG エ ン ジ ンの性 能および 排気特性. 106. 1000 1200.
(5) 第 6章. 6.2 6.2.1. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. LPG エ ン ジ ン の 最 適 化 内部流動解析. 燃 料 の 噴 霧 や 燃 焼 に 大 き な 影 響 を 与 え る 燃 焼 室 内 の 乱 流 強 度 や 速 度 ベ ク ト ルな ど の 流 動 を ス ワ ー ル , エ ン ジ ン 回 転 速 度 お よ び燃 焼 室 形 状 を パ ラ メ ー タ として 解 析 を 行 っ た.乱流は,平均流消散率,熱伝達,火炎伝播に影響を与えるため,乱流強度分布を 調 べ る 必 要 が あ る . AVS を 用 い た 乱 流 強 度 の 分 布 図 , および 速 度 ベ ク ト ル を そ れ ぞ れ 図 6.5~6.8 に 示 す .速 度 ベ ク ト ル は ス ワ ー ル に よ る 水平速度成分 と ピ ス ト ン 運 動に よ る 縦 軸 方 向 成 分 を 分 けてそれぞれ 解 析 した .図 6.5 の 結 果 か ら 乱 流 強 度 はピ ス ト ンが 上 昇 す る 間 に 強 く な り , 上 死 点 付 近 で は 弱 くなる 傾 向 と な っ た . こ れ は 乱 流 強 度 が 速 度 の 二 乗 比 例 し , 内 部 の ス ワ ー ル や タ ン ブ ル な ど に よ り 影 響 を 大 き く 受 け るた め で あ る . こ こ で , 全体 の 乱 流エ ネ ル ギ ー は. TKE =. 1 1 2 1 2 1 2 2 ρVrms = ρ u rms + v rms + wrms 2 2 2 2 . で あ る.こ こ で,u , v , w は そ れ ぞ れ x, y, z 方 向 の 速 度 成 分 である .本 計 算 で使 わ れ た k − ε 乱 流 モ デ ルに お い て, 乱 流 の等 方 性 を仮 定 して. TKE ) k −ε =. 3 2 ρu rms 2. で あ る . 一方 , 速 度ベ ク ト ルは 下 死 点と 上死点 で は ほ ぼ 0 に 近 く ,上 死 点 前 90〜 45° の 間 に 縦 軸 方 向 の 速 度 成 分 が ピ ー ク 値 を 表し た . 旋 回 速 度 成 分 は 低 ス ワ ー ル 比 で は 大 き な 変 化 は見 ら れ な か っ た . 図 6.6 は エ ン ジ ン の 回 転 速 度 に よ る エ ン ジ ン 内 部 流 動 の 解 析 結 果を 示 す.スワール 比 0.5 の と き ,筒内流動 は エ ン ジ ン 回転数 が 増 加す る に し た が い,シリンダ 内 の 縦軸 と 水 平方向の旋回速度ベクトルは乱流強度とともに強くなる.水平旋回速度成分は上死点 を 過 ぎ て か ら 徐 々 に 減 少 し て い く が , 縦 軸 速 度 成 分 は 下 死 点 お よ び 上死点 ではほぼ 0 で あ り ,BTDC 70°付 近 で ピ ー ク 値 を示 す .その 最 高 値は 回転数 が 上 が る に し た が っ て 高 く な り ,上 死 点 を経 過 し た後 , ま た上 が り始 ま る . 次 に 回 転 速 度 2480rpm の と き ,ス ワ ー ル 比別 に 計 算し た 結 果を 図 6.7 に 示 す .ス ワ ー ル 比 が 高 く な る に し た が い 旋 回 速 度 も 早 く な る が , 縦 軸 方 向 の 速 度 で は大 き な 差 が 見 ら れ な い .乱 流 強 度は スワール 比 3.0 の 時 ,最も 強 くなり ,い ず れ の 図で も 上 死 点 付 近 で 減 少 し 始め る .. 107.
(6) 第 6章. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. さ ら に ,燃 焼 室 形 状に よ る筒 内 流 動の 解析結果 を 図 6.8 に 示 す .計算条件 は 2480 rpm, ス ワ ー ル 比 0.5 で 行 っ た .こ れ ら の 結果 か ら 燃 焼 室 形 状に よ る乱 流 強 度お よ び 速度 ベ ク ト ル に 大 きな 差 は 見ら れ な か っ た .. TKE. Velocity Scale : 25 m/sec. 図 6.5. 乱 流 強 度 と 速度 ベ ク ト ル の 時 間 別 変 化 (1860 rpm, Swirl 0.5). 108.
(7) 第 6章. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. TKE. Velocity Scale : 25 m/sec. @ 20°BTDC. 20. 20. 15 10. Engine Speed 10 1000 rpm. 5. 5. 0 -180 -135 -90 -45 0 Crank Angle degree. 図 6.6. Mean Speed m/sec 2 2 TKE m /s. Vertical Vector Horizontal Vector 15 Turbulence Mean Speed m/sec TKE m2/s2. Mean Speed m/sec K m2 /s2. 20. Engine Speed 15 1860 rpm. 0. 45-180 -135. -90 -45 0 Crank Angle degree. Engine Speed 2480 rpm. 10 5 0 45-180 -135 -90. -45. エ ン ジ ン 回 転 速 度 に よ る 乱 流 強 度 と 速度 ベクトル (Swirl 0.5). 109. 0. Crank Angle degree. 45.
(8) 第 6章. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. TKE. Velocity Scale : 25 m/sec. @ 20° BTDC. 20. Swirl Ratio 0.5. 10 0 -180. 40 Mean Speed m/sec TKE m2/s2. 30. 40 Vertical Vector Horizontal Vector 30 Turbulence Mean Speed m/sec 2 2 TKE m /s. Mean Speed m/sec 2 2 TKE m /s. 40. Swirl Ratio 1.5. 20 10 0. -135 -90 -45 0 Crank Angle degree. 図 6.7. 45 -180 -135 -90. -45. 0. Crank Angle degree. Swirl Ratio 3.0 30 20 10 0 0 45 -180 -135 -90 -45 Crank Angle degree. ス ワ ー ル による 乱 流 強 度 と 速度 ベクトル ( 2480 rpm). 110. 45.
(9) 第 6章. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. TKE. Velocity Scale : 25 m/sec. @ 20° BTDC. 10 5. Type A. 0 -180 -135 -90 -45 0 Crank Angle degree. 図 6.8. Type B. Mean Speed m/sec TKE m2/s2. 15. 20. 20. Vertical Vector Horizontal Vector 15 Turbulence Mean Speed m/sec TKE m2 /s2. Mean Speed m/sec 2 2 TKE m /s. 20. 10 5 0 45-180. -135. -90. -45. Crank Angle degree. 0. 15. Type C. 10 5. 0 -180 -135 -90 -45 0 45 Crank Angle degree. 燃 焼 室 形 状 に よ る 乱 流 強 度 と速 度 ベ ク ト ル ( 2480 rpm , Swirl 0.5 ). 111. 45.
(10) 第 6章. 6.2.2. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. 基 本 運 転 条 件に お け る計 算 結 果. マ グ ヌ ッ セ ン モ デ ル の 係 数 調 整に よ る 実 験 値 と の チ ュ ー ニ ン グ を エ ン ジ ン 回 転 数 1000, 1860, 2480rpm, 負 荷 率 20, 40, 60, 80%で 行 っ た 結 果 を 図 6.9〜 18 に 示 す . 前 述 し た よ う な 方 法 で 実 験 結 果 か ら の 圧 力 および 熱 発 生 率 デ ー タ と 計 算 結 果を 比 較 し た も の を 図 6.9〜 14 に 示 す .ま た,これらの 計算結果 か ら 求め た 混合気 の 当量比 ,未 燃 炭 化 水 素 , 温 度, OH 分 布 を図 6.15〜 18 に 示 す . こ れ ら の結 果 から 計 算 値と 実 験 値の 整 合 性 が 確 認 さ れ る と も に , 各 画 像 か ら は 混合気 の 進 行 状 態 , 燃 焼 の 具 合 な ど の 定 量 的 な 解 析 が 可 能 と な る . こ れ ら の 運 転 条 件 を ベ ー ス に , EGR, ス ワ ー ル , 燃 焼 室 形 状 な ど の 各 種 パ ラ メ ー ト リ ッ ク ス タ ー デ ィ を行 う . 図 6.15 の 当量比分布からは当量比 2.0 以上の 濃い混合気 がキャビティ壁面を沿 って巻 き上 がっている 様子が予測 された.この 結果は前述 した LIF 法 による撮影結果とよく 一致 しており,計算でも再 現されることがわかる .一 旦 巻き上が っ た混合気は 点火時期である BTDC 13°以前 に点火栓に 届き,燃焼が 始まる.未燃炭化水素 の濃度分布図からは燃 え切 れ な い炭化水素成分がキャビティ壁面 に多く存在 していることがわかる.これは LPG 噴 霧が 壁面に当た る際に蒸発潜熱による 壁面温度の 低下や付 着した液体状態の LPG が 蒸発 しながら濃い混合気を形成 したためと 考えられる .燃焼特性と NOx の生 成に深く関 係が ある OH の 分布に注目 すると,点火栓で OH が発生 し燃焼室全体に広がる 様子が明らかで ある . ATDC 10°の時, 濃い混 合 気が存在す る領域では OH が 存在せず, 真中部分が 空い たままで OH が広がっている.温度分布もこの OH 分布と似 た形で分布 を示している. 本 計 算 で は ,初 期 壁 面 温 度 を 130℃ 一 定 と し ,熱 伝 達 に よ る 壁面 の 温 度 変 化 は な い も のと設定して計算を行っており,温度分布図 から壁面温度は筒内気体温度 よりも低い た め 壁面付近 に お い て は 熱伝達 によって 温 度が 低 下 し て い る . 一方 ,同じ回 転 数の高負荷運転条件である 図 6.16 で は,噴射開始時期が 早く噴射量 も 多いため,当 量 比 2.0 付近 の濃い混 合 気が点火栓 まで広く分 布しており, OH の分 布 図か らわかるように 燃焼も良好 に行われている. 図 6.17 に 示 し た回 転 数 2480 rpm の場 合,このようなエンジンの早い 回転速度に 対して 噴射開始時期や 期間が十分 ではないため,混合気が 点火栓まで 届かず燃焼 が悪化している ことがわかる. 図 6.13 の 圧力と熱発生率結果 からも同じ 傾向となるのが明らかである. な お, 直 接 噴 射 式による 筒内圧縮着火方式 では ,成 層 燃 焼を 実 現 化す る こ と が で き, 燃 焼 改 善が 予想 されたが ,燃 料の 成 層 化と と も に, 温度分布形成 にも大 きく 影響 を与 え. 112.
(11) 第 6章. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. る こ と が分 かり ,それによる 燃焼制御 は よ り複 雑なものになると 予想される .つまり , 温度分布図 からわかるように ,燃 料 濃 度の 高い 部分 では 燃料 の蒸発潜熱 に よ り温 度が 低 下 し燃 料が 多く 存在 す る が, 温度 の影 響により 着火 しにくく ,逆 に燃料濃度 の薄 い部 分 で は温 度が 高いため 着火 ,燃 焼は 起こ り や す い が燃 料が 少な い た め効 率 的な 燃焼 は起 こ りにくいことになる .ま た, 燃料 の噴 射 温 度が 低く ,そのときの 筒内温度が 高い と熱 損 失 が大 きく 発生 し, 筒内圧力 の上昇度 が減 少す る た め, 結 果 的に 平均の 筒内温度 も低 下 することになる .こ の問 題を 解決 するには 燃料温度 と雰囲気温度 の差が 少な い早 期 噴 射 を す る こ と で可 能と な る が, そ れ に よ り空 気と の混 合が 進む た め に成 層 化の 効果 が薄 れ て し ま い, 結 果 的に 燃焼 は改 善されないと 予想 さ れ る. し た が っ て,成層混合気 に対 し て は火 花 点 火を 行う 方が 良好 な燃 焼が実 現するものと 考え ら れ る. 200 Rate of Heat Release J/deg. Cylinder Pressure MPa. 7.0 Cal Exp. 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0. 100 50 0. 0.0 -60. -40. -20 0 20 Crank Angle deg 図 6.9. 40. -40. -20 0 20 Crank Angle deg. 40. 60. 筒 内 圧 力 と 熱 発 生 率 (1000 rpm, 負 荷 率 20%) 200 200. Rate ReleaseJ/deg J/deg RateofofHeat Heat Release. Cylinder Pressure Pressure MPa MPa Cylinder. -60. 60. 7.0 7.0 Cal Exp. 6.0 6.0 5.0 5.0. 150 150. 4.0 4.0. Cal Exp. 100 100. 3.0 3.0 2.0 2.0 1.0 1.0 0.0 0.0. Cal Exp. 150. -60 -40 -40 -20 -20 00 -60 Crank Crank Angle Angle 図 6.10. 20 40 40 20 deg deg. 60 60. 50 50. 00 -60 -40 -40 -20 -20 20 40 -60 00 20 40 Crank Angle deg Crank Angle deg. 筒 内 圧 力 と 熱 発 生 率 (1000 rpm, 負 荷 率 80%). 113. 60 60.
(12) 第 6章. Rate ReleaseJ/deg J/deg RateofofHeat Heat Release. Cylinder Pressure Pressure MPa MPa. 7.0 7.0 Cal Exp. 6.0 6.0 5.0 5.0 4.0 4.0 3.0 3.0 2.0 2.0 1.0 1.0. 200 200. Cal Exp. 150 150. 100 100. 50 50. 00. 0.0 0.0. -60 -60 -40 -40 -20 00 20 20 40 40 Crank Angle Angle deg Crank deg 図 6.11. -60 -40 -20 20 40 -60 -40 -20 00 20 40 Crank Angle deg Crank Angle deg. 60 60. Rate J/deg RateofofHeat Heat Release Release J/deg. Cylinder Pressure MPa Cylinder Pressure MPa. Cal. 6.0 6.0. Exp. 5.0 5.0 4.0 4.0 3.0 3.0 2.0 2.0 1.0 1.0 0.0 0.0. -60 -40 -20 20 40 -60 -40 -20 00 20 40 Crank Angle deg Crank Angle deg. 図 6.12. 60 60. 筒 内 圧 力 と熱 発 生 率 (1860 rpm, 負 荷 率 40%). 7.0 7.0. 60. 200 150. Cal Exp. 100 50 0. -60 -40 -40 -20 00 20 -60 20 40 40 Crank Angle Angle deg Crank deg. 60. 60 60. 筒 内 圧 力 と 熱 発 生 率 (1860 rpm, 負 荷 率 60%). 7.0 7.0. 200 Rate of Heat Release J/deg. Cylinder MPa Cylinder Pressure Pressure MPa. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. Cal Exp. 6.0 6.0 5.0 5.0 4.0 4.0 3.0 3.0 2.0 2.0 1.0 1.0 0.0 0.0. 150. Cal Exp. 100 50 0. -60 -60. -40 -40. -20 00 20 -20 20 Crank Angle deg Crank Angle deg. 図 6.13. 40 40. 60 60. -60 -40 -40 -20 -20 00 20 -60 20 40 40 Crank Angle deg Crank Angle deg. 筒 内 圧 力 と 熱 発 生 率 (2480 rpm, 負 荷 率 20%). 114. 60 60.
(13) 第 6章. Rate of Heat Release J/deg. Cylinder Pressure MPa. 7.0 Cal Exp. 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 -60. -40. -20 0 20 40 Crank Angle deg 図 6.14. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. 200 Cal Exp. 150 100 50 0 -60. 60. -40. -20 0 20 Crank Angle deg. 筒 内 圧 力 と 熱 発 生 率 (2480 rpm, 負 荷 率 20%). 115. 40. 60.
(14) 第 6章. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. φ distribution. HC distribution. OH distribution. Temp. distribution. 図 6.15. 計算結果. (1000 rpm, 負 荷 率 21% : Tign : 13 BTDC. 116. T inj : 40 BTDC, Q inj : 20 mg).
(15) 第 6章. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. φ distribution. HC distribution. OH distribution. Temp. distribution. 図 6.16. 計算結果. ( 1000 rpm, 負 荷 率 80% : T ign : 14 BTDC. 117. T inj : 58 BTDC, Q inj : 50 mg ).
(16) 第 6章. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. φ distribution. HC distribution. OH distribution. Temp. distribution. 図 6.17. 計算結果. (2480 rpm, Load 20% , T ign : 25 BTDC, T inj : 89 BTDC, Q inj : 33 mg). 118.
(17) 第 6章. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. φ distribution. HC distribution. OH distribution. Temp. distribution. 図 6.18. 計算結果. (2480 rpm, Load 80% , T ign : 16 BTDC, T inj : 91 BTDC, Q inj : 81 mg). 119.
(18) 第 6章. 6.2.3. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. EGR に よ る 影 響. 実 機 では NOx 対 策 と し て EGR(Exhaust Gas Recirculation) が 採 用 さ れ て お り ,本 計 算 で も EGR に よ る 混合気 や 燃 焼の 定 量 的な 解 析 を行 っ た .EGR の 計 算 で は 1 サ イ ク ル の 計 算 が 終了 し た 後,排 出さ れ る 11 種 類 の 各 成 分 に EGR 率 を か け ,初 期 値 に 入力 し な け れ ば な ら な い が ,計 算 の 時間 を 節 約するため , EGR ガ ス を CO2 , H2 O , N2 で 代 表 さ せ て 計 算 を 行っ た . EGR 計算の概略図を 図 6.19 に 示 す.また, 実機では 2480 rpm 以 上 の 高 速 回 転 数 では 性 能 が低 下 し た こ と と ,高負荷領域で は運転できないため ,本計算 でも 低 負 荷で行った . 各 ク ラ ン ク角 度 に お け る OH, 温 度 , C O 2 , H 2 O, N 2. NOx の 筒 内 濃 度 分 布 図 を 図 6.20〜 21 に 示. EGR valve. す . NOx の 発 生 条 件 は OH と 同 じ く ,高 温,高酸素濃度状態でより多く発生する. Intake valve Exhaust valve. が,ここでの解析でもそれがわかる. Intake air. ATDC 10, 20 ° CA に お い て ,筒 内 におけ. Exhaust gas. る OH 濃 度 は EGR 率 が 高 いほど 低 くなっ. Piston. ており,筒内の温度も低下する.温度の 低 下 や OH の 発 生 が 抑制 さ れ ,NO 濃 度 も 低 く な る .NO の 低 減 率 は 高 速に な る と顕 著 に 現 れ, EGR 率 30%の 時 , 最 大 85%の. 図 6.19. 低 減 率 が 予測 さ れ た.. 120. EGR の 計算概略.
(19) 第 6章. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. OH distribution. Temp. distribution. 200 Rate of Heat Release J/deg. Cylinder Pressure MPa. 7.0 0% 20 % 30 %. 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0. 150 100. 0 -60. 0.0 -40. -20 0 20 Crank Angle deg. 40. 60. 20. 20. 15. 15 HC mg. NO mg. -60. 50. 10. 5. 0 -60. 0 60 120 Crank Angle deg. 1000 rpm. Load 20%. -60. 180. T ign : 16 BTDC 図 6.20. 0 60 120 Crank Angle deg. T inj : 47 BTDC. EGR の 計算結果. 121. -20 0 20 Crank Angle deg. 40. 60. 10. 5. 0. -40. Qi n j : 18 mg. 180.
(20) 第 6章. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. OH distribution. Cylinder Angle deg. 7.0. Rate of Heat Release J/deg. Temp. distribution. 0% 20 % 30 %. 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 -40. -20 0 20 Crank Angle deg. 40. 150 100 50. 60. 0 -60. 40. 40. 30. 30 HC mg. NO mg. -60. 200. 20. -40. -20 0 20 Crank Angle deg. 40. 60. 0 45 90 Crank Angle deg. 135. 180. 20 10. 10 0 -90. 0. -45. 0 45 90 Crank Angle deg. 135. 180. -90. -45. 1860 rpm, Load 40% , T i g n : 22 BTDC, T i n j : 81 BTDC, Q i n j : 40 mg, 図 6.21. EGR の 計算結果. 122.
(21) 第 6章. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. 6.2.4 スワールによる影響 スワールにより筒内流動が大きく影響を受けることが 6.2.1 から予測された.このことか ら,内部流動に伴って燃焼特性にも大きく影響を及ぼすものと予想され,本節では,スワー ル強度を変更し,その影響の解析を行った.基本条件のスワール比は 0.5 とし,これに対し, スワール比を 1.5,3.0 とした場合について筒内の当量比,OH および温度分布,着火特性, 燃焼状態における解析を行った.それぞれのスワール強度における筒内圧力,熱発生率の計 算結果を図 6.22〜23 示す. 図 6.22 より,スワール強度の変更により筒内混合気,OH および温度分布が大きく変化す る.特に,スワール比 0.5 の時の当量比分布をみると筒内に広く分布しているのに対して, スワール比 3.0 の場合は偏っており,混合気が十分形成されていないことが確認された.さ らに,中央付近はスワールによる空気流動が小さいため熱伝達は小さいが,半径方向外側に 向かうにつれスワールによる空気流動の影響が大きくなり,壁面との熱伝達が活発になるた め温度低下による性能低下も考えられる.このように,筒内温度はスワールによる筒内流動 にも大きく影響を受けると考えられるため,点火を確実に行うためには,スワールを低減さ せることが 望ましいと予想される. スワールによって圧力線図,熱発生率も大きく変化し,スワール強度が高くなるほど,燃 焼が悪化する傾向となった.また,低スワール状態での点火は,筒内の温度分布が均一状態 であるため ,筒内の大部分で同時に起こることがわかる.これにより,瞬間的に圧力が上昇 し,また,火炎伝播に要する時間も短くなる.燃焼後半における急激な熱発生の立ち上がり が発生しているが,これは燃焼室壁面に付着された燃料が燃えて発生したものと推測される ものの,筒内圧力に大きな影響を与えない理由は火炎温度に比べ壁面付近での温度が低いた めである.一方,高スワールの条件において,前述したように点火は温度の影響を受けやす く,このような温度低下の影響により熱発生率線図の立ち上がりが遅れており,スワールが 強すぎるため,点火に至っても,火炎伝播による燃焼が抑制され,これによりシリンダ外周 部に近づくにつれ燃焼が悪化し,温度上昇が起こらなくなっているものと 考えられる.同じ 回転数,負荷率 80%で計算した結果でもスワール比 3.0 の場合は混合気が広く分布している が,主にキャビティ部から溢れてクリアランス部に存在し火炎伝播が十分行われていないこ とが予測された.回転数 1860, 2480 rpm の場合も同じ傾向になったが,特に旋回速度がもっ とも大きい 2480 rpm の時には,図 6.23 に示すようにスワールによる性能低下が顕著に現れ, 高回転数でのスワールは大きな性能低下をもたらすと予測される.. 123.
(22) 第 6章 φ distribution. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. OH distribution. 7.0. 200. 5.0. Rate of Heat Release J/deg. Swirl 0.5 Swirl 1.5 Swirl 3.0. 6.0 Cylinder Pressure MPa. Temp. distribution. 4.0 3.0 2.0 1.0. Swirl 0.5 Swirl 1.5 Swirl 3.0. 150. 100. 0.0. 50. 0. -60. -40. -20. 0. 20. 40. -60. 60. -40. -20. 20. 40. 60. 2. 20. Swirl 0.5 Swirl 1.5 Swirl 3.0. Swirl 0.5 Swirl 1.5 Swirl 3.0. 1.5 NO mg. 15 HC mg. 0. Crank Angle deg. Crank Angle deg. 10. 5. 1. 0.5. 0. 0 -60. 0. 60. 120. 180. -60. Crank Angle deg. 1000 rpm. 0. 60. 120. Crank Angle deg. Load 20%. T ign : 16 BTDC. 図 6.22. T inj : 47 BTDC. Swirl の 計算結果. 124. Qi n j : 18 mg. 180.
(23) 第 6章. φ distribution. OH distribution. 7.0. Temp. distribution. 200. 5.0. Rate of Heat Release J/deg. Swirl 0.5 Swirl 1.5 Swirl 3.0. 6.0 Cylinder Pressure MPa. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0. Swirl 0.5 Swirl 1.5 Swirl 3.0. 150. 100. 50. 0 -60. -40. -20. 0. 20. 40. 60. -60. -40. -20. Crank Angle deg. 20. 40. 60. 40. 80. Swirl 0.5 Swirl 1.5 Swirl 3.0. 70 60. 30. 50. NO mg. HC mg. 0. Crank Angle deg. 40 30 20. 20 Swirl 0.5 Swirl 1.5 Swirl 3.0. 10. 10 0. 0 -60. 0. 60. 120. 180. -60. Crank Angle deg. 0. 60. 120. 180. Crank Angle deg. (2480 rpm, Load 80% , T ign : 16 BTDC, T inj : 91 BTDC, Q inj : 81 mg) 図 6.23. Swirl の 計算結果. 125.
(24) 第 6章. 6.2.5. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. 噴 射 圧 に よ る影 響. 高 速 回 転 領 域 に お け る 燃 料 の 混 合 が 十 分 に 形成 さ れ な い た め 効 率 が 低 下 す る原 因 を 6.2.2 で 究 明 し た .そ の 対 策と し て 混 合 気 形 成に は 燃 料の 噴 射 圧 力 を 上げ る こ と が 最 も 有 効 な 手 段 で あ る と 考 え ら れ , そ の 噴 射 圧力 に よ る 性 能 や 排 気 ガ ス 特 性へ の 影 響 を 調 べ た .高 圧 噴 射 による 貫通力 の 上 昇を 狙 い と し て 噴 射 圧 10 MPa を ベ ー スに 15, 20 MPa で の 計 算 を 2480 rpm, 負 荷 率 80%で 行 っ た .噴 射 圧 力を 上 げる 際 , 噴 射 量 を 等し く す る た め , 噴 射 期 間 を 10 MPa 噴 射 期 間 より 短 くする 必 要が あ り そ の 計算条件 を 表 6.2 に 示す .. 表 6.2 噴射圧. 計算条件. 噴射期間. deg.. 噴射時期. deg. BTDC. 10 MPa. 47.2. 91. 15 MPa. 38.5. 91. 20 MPa. 33.4. 91. 図 6.24 の 計 算 結 果に よ り 噴 射 圧 力 が高 く な る ほ ど 筒 内 圧 力 や熱 発 生 率が 改 善 さ れ て い る 反 面 NOx は 増 加 している . これは 高圧噴射 に よ る噴 霧 の貫 徹 力 が強 く , 短 時 間 に 噴 霧 が 燃 焼 全 体 に 広 が り , そ の 後 , 点 火 栓で の 混 合 気 が 広 く 形 成 さ れ ,燃 焼 が 促 進 さ れ た た め と考 えられる .HC に 関 し て は ,噴 射 圧 力 を 上げ る と混 合 気 形 成 が 改 善さ れ た こ と と 筒 内 温 度 が 高く な っ た た め 噴射圧 10 MPa に 比 べ 低 減さ れ る こ と が 予 測さ れ た . ま た ,当 量 比 分 布か ら も明 ら か の よ う に,噴射圧 10 MPa に 比 べ 15 MPa お よ び 20 MPa の 混 合 気 が よ り 広 く 分 布 し て お り , 内部流動 に よ る 混 合 気 分 布 の 分 裂 も抑 え ら れ て い る こ と が わ か る . 点 火 後 の 未 燃 炭 化 水 素 は, 噴 射 圧 が 高 い ほ ど 活 発 な 燃焼 に よ り そ の 濃 度 が 低 く な っ て い る 反 面 , OH が 多 く 発 生 し て い る こ と と 高 温 領 域 が 広 い こ と か ら NOx の 生 成 も 多く な る も の と 予測 さ れ た.. 126.
(25) 第 6章. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. 当量比. φ. Pinj 10 -10. Pinj 20. Pinj 15 TDC. -10. φ 0. 1. φ 2 0. TDC. 1. -10. TDC. 2. HC. HC Pinj 10 10. Pinj 15 40. 10. g/cm3. 40. g/cm 3 -3 1 2×10 0 1. 0. Pinj 20 10. 40. 2×10 - 3. OH. OH Pinj 10 10. Pinj 20. Pinj 15 40. mol frac.. 10. 40. 10. 40. frac 0.01 0 mole 0.005 0. 0.005 0.01. 温度. Temp.. Pinj 10. Pinj 15. 10. 40. K 500. 10. K. 図 6.24. 1750. Pinj 20 40. 10. 3000. 500. 1750. 3000. 噴 射 圧 力 に よ る計 算 結 果 (そ の 1). 127. 40.
(26) 第 6章. Rate of Heat Release J/deg. Cylinder Pressure MPa. 7.0 10 MPa 15 MPa 20 MPa. 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 -40. -20 0 20 Crank Angle deg. 40. 200 150 100 50 0 -60. 60. 60. 60. 50. 50. 40. 40. NO mg. HC mg. -60. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. 30 20. -20 0 20 Crank Angle deg. 40. 60. -45. 0 45 90 Crank Angle deg. 135. 180. 30 20. 10 0 -90. -40. 10. -45. 0 45 90 Crank Angle deg. 135. 0 -90. 180. (2480 rpm,負 荷 率 80%, T ign : 16 BTDC, BTDC, Q inj : 81 mg) 図 6.24. 6.2.6. 噴 射 圧 力 に よ る計 算 結 果 (そ の 2). 噴 射 パ タ ー ンに よ る 影響. こ れ ま で の 直 接 噴 射 エ ン ジ ン の 混 合 気 形 成 はス ワ ー ル や タ ン ブ ル 等 の 空気流動 を 積 極 的 に 利 用 し て 点 火 栓 近 傍 に 混 合 気 を 導 く方 法 が 一 般 的 で あ っ た が , この 方 法 は 吸 気 系 の 抵 抗 に よ っ て 体 積 効 率 の 低 下 を 招 く .こ れ に 対 し て 特 別 な 空 気 流 動 発 生 機 構 を 用 い ず , 噴 霧 自 信 が 持 つ 分 散 性 や 貫 通 力 を 利用 し て 混 合 気 形 成 を 図 り , 広 範 囲 の 運 転 条 件 で 成 層 燃 焼 を 可 能に す る ス リ ッ ト ノ ズ ル が 提 案さ れ た ( 6 1 ). こ の よ う な ス リ ッ ト ノ ズ ル を 使 う こ と に よ り 高 微 粒 化 , 高 分 散 , 高 貫 徹 力 を 形 成 で き る こ と が 知ら れ て い る . 計 算 で は 単 噴 孔 ノズル を ベース と し,広 が り角 60, 90°の ス リ ッ ト ノ ズ ル を 採 用し た 場 合 の 噴 霧 パ タ ー ン に よ る 計 算を 行 っ た. 図 6.26 に 各 噴 射 パ タ ー ン に お け る 燃 焼 特 性 を 示 す . こ れ ら の 結 果 か ら ス リ ッ ト ノ ズ ル に よ る 筒 内 圧 力 , 熱 発 生 率 は 大き な 差 が 見 ら れ な い も の の , HC と NOx が 低 減 された . HC が 低 減 さ れ た 理由 は当量比分布からもわ かるようにベ ー ス噴射の場 合,点火栓付近に当 量 比 2 近い濃い 領域が分 布するのに 対し,. 128.
(27) 第 6章. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. ス リ ッ ト ノ ズ ルの 場合は当量比 1.0 以下の 混 合 気が 広く 形成 されているためである. NOx に 関し て は OH 分 布 か ら明 らかのよ う に ベ ー ス条 件 よ り OH の 濃 度 や 高温領 30°. 域 が 少 な い か ら で あ る . し か し, ス リ ッ. 60°, 90°. ト ノ ズ ルの広 がり角が広 すぎると( 90°の 場合 )混 合 気がスワールの影響 を受けやす いことと,当量比 1.0 以下の薄 い混合気が 右側に偏ることにより性能悪化をもたら. Single hole 図 6.25. す恐 れがあるものと考えられる.. Slit hole(Fan spray) 噴射 パターン. φ 当量比. Base -10. 60° TDC. -10. φ. 90° TDC. 0. 1. -10. TDC. 2. HC. 10. 90°. 60°. Base 40. 10. 40. 10. 40. g/cm3 0. 1. 2×10-3. OH. Base 10. 60° 40. 10. 90° 40. mol frac. 0. 図 6.26. 0.005. 0.01. 噴射パターンによる計算結果. 129. 10. 40.
(28) 第 6章. 6.2.7. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. 燃焼室形状による影響. 高 効 率 を 実現 し ,排気 ガ ス を浄 化 す る た め に ,燃 料 噴 射 系 の 改良 を は じ め と す る種 々 の 技 術 が 研 究 さ れ て い る が , そ の な か で ,燃 焼 室 形 状 の 工 夫 に よ り 空 気 流 動 の 促 進 や 燃 料 噴 射 と の 衝 突 位 置 の 最 適 化 は 非 常 に 重要 で あ る と さ れ て い る . 燃焼室 は 火 炎 伝 播 距 離 が 短 く 比 表 面 積 ( 燃 焼 室 表 面 積 /燃 焼 室 容 積) の 小 さ いコ ン パ ク ト な 燃 焼 室 形 状 が 望 ま し い が,こ れ は 冷 却 損 失 の 低減 ,高 圧 縮 比 化 に よ る燃 費 向 上,ク エ ン チ HC の 低 減 に よ る 排 気 浄 化 の い ず れ の 観点 か ら も好 ましい . 圧 縮 比 10.0 の エ ン ジ ン実 験 で は高 負 荷 領 域 で の ノ ッ キ ン グの 問 題か ら 圧縮比 を 9.0 に 下 げ , そ の 性 能 と 排 気 ガ ス 予 測 を 行 っ た. 圧 縮 比 は エ ン ジ ン の 重 要 な基 本 仕 様 の 一 つ で あ り ,圧 縮 端 温 度 に 直 接 影 響 す る の で ,エ ン ジ ン 性能 や 排出 ガ ス 濃度 だ け で な く , 冷 間 時 の エ ン ジ ン 始 動 性 や 筒内最高圧力 , 温度 な ど を左 右 す る. 計 算 メッシュ は 図 5.8 に 示 し た よ う に い ず れ も ハーフパイプ 形 で Type 9-A は 既 存 ピ ス ト ン ヘ ッ ド を 3mm 切 削 し た も の で あ り ,Type 9-B は キ ャ ビ テ ィ の 容積 が 大 きい 形 状 で あ る . また , Type 10-A と Type 10-B は キ ャ ビ テ ィ 容積 を 減ら し , その 分 , ピ ス ト ン 周 り を 削 り補 間 し た形 で あ る. 図 6.27〜 30 に 各 燃 焼 室 別 の 当量比 , HC, OH, 温 度 分 布 図 お よ び 筒 内 圧 力 , 排出 ガ ス と 熱発生率 を 示 す. 圧 縮 比 が 9.0 で あ る Type 9-A の 場 合 , 圧縮比 10.0 に 比 べ 雰 囲 気 圧 力 が 低 い こ と と 噴 霧 が 壁 面 に 衝 突 してから 沿 う 距 離 が 短 い こ と に よ り点 火 栓 で の 混 合 気 形 成 は改 善 さ れ た が ,OH と 温 度 分 布 か ら,低 い 圧 縮 比 に よ り 十 分 燃 焼 温 度が 上 昇 せ ず OH の 生 成 が 少 な い こ と が わ か る .こ の 現 象は 同 じ く Type 9-B で も 現 れるが , 特 に キ ャ ビ テ ィ の 容 積 が 大 き く 噴 霧 が 底 面 を沿 う 距 離 が 長 い た め 混 合 気 形 成 は さ ら に 悪 化 す る . LPG エ ン ジ ン の 試 験 結 果 で も 計 算 結 果 と同 様 に 燃焼 が 不安定 お よ び 失火 に よ っ て 性 能 が 得 ら れ な か っ た . 低 圧 縮 比 化 に よ り 筒 内 圧 力 , 温 度 が 低 下 し, 燃 焼 が 抑 制 さ れ た た め, NOx は 低 減 す る . 図 6.31 は 圧 縮 比 10.0 の キ ャ ビ テ ィ 部 の 容積 を 減 ら し た 形 状を 利 用 し,中速 ,低 負 荷 領 域 で の 計 算 結 果 を 示 す . 当 量 比 分 布 か ら, ベ ー ス エ ン ジ ン よ り 混 合 気の 誘 導 が 改 善 さ れ て い る が , 巻 き上 が る と こ ろ で は当 量 比 2.0〜 3.0 の 濃 い 混 合 気 が分 布 し て お り , こ の 領 域 での 不 完 全 燃 焼 により HC が 既 存 エンジン よ り多 く 発 生し て い る の が 図 6.32 か ら も 明 ら か で あ る . そ し て こ れ ら が 原 因で 性 能 は 多 少 低 減 し て い る .一 方 , 混 合 気 の 二 分 化 はベ ー ス エ ン ジ ン と同 じ く 生じ る が, 多少改善 さ れ て い る .. 130.
(29) 第 6章. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. φ 当量比. Base -10. Type 9-A -10 TDC. TDC. φ. 0. 1. Type 9-B -10. TDC. 2. HC. Base 10. Type 9-A 40. Type 9-B. 10. 40. 10. 40. g/cm 3 0. 2×10-3. 1. OH. Base 10. Type9-A A Type 10 40. 40. Type9-BB Type 10 40. mol 0. 0.005. 0.01. Temp. 温度. Base 10. Type9-A A Type 40. 10. Type9BB Type 40. 10. 40. K 500. 1750. 1860 rpm, 負 荷 率 41% : Tign : 25 BTDC 図 6.27. 3000. T inj : 76 BTDC, Q inj : 41 mg. 燃 焼 室 形 状 による 計算結果. 131.
(30) 第 6章. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. φ 当量比. Base -10. Type9-A A Type -10 TDC. TDC. φ. 0. 1. Type9-BB Type -10 TDC. 2. HC. Base 10. Type9-A A Type 40. 10. Type9-BB Type 40. 10. 40. g/cm 3 0. 1. 2×10-3. OH. Base 10. Type9-A A Type 40. 10. Type9-BB Type 40. 10. 40. mol frac. 0. 0.005. 0.01. Temp. 温度. Base 10. Type9-A A Type 40. 10. Type9-BB Type 40. 10. K 500. 1750. 3000. 2480 rpm,Load 80% ,T ign : 16 BTDC,T inj : 91 BTDC,Q inj : 81 mg 図 6.28. 燃 焼 室 形 状 による 計算結果. 132. 40.
(31) 第 6章. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. 7.0. 200. Cylinder Pressure MPa. 5.0. Rate of Heat Release J/deg. Base Type 9A A Type 9B B. 6.0. 4.0 3.0 2.0 1.0. Base Type A Type B. 150. 100. 50. 0.0. 0 -60. -40. -20. 0. 20. 40. 60. -60. -40. -20. Crank Angle deg. 80. 20. 40. 60. 40. 70. Base. 60. Type A Type B. 50. Base Type A Type B. 30 NO mg. HC mg. 0. Crank Angle deg. 40 30 20. 20 10. 10 0. 0 -60. -40. -20 0 20 Crank Angle deg. 図 6.29. 40. 60. -60. 40. 60. 200. Base Type A 9A Type B 9B. 6.0 5.0. Rate of Heat Release J/deg. Cylinder Pressure MPa. -20 0 20 Crank Angle deg. 燃 焼 室 形 状 による 計算結果 (1860 rpm, Load 40 % ). 7.0. 4.0 3.0 2.0 1.0. Base Type A Type B. 150. 100. 50. 0. 0.0 -60. -40. -20 0 20 Crank Angle deg. 40. -60. 60. -40. -20. 0. 20. 40. 60. Crank Angle deg. 50. 70 60. 30. NO mg. 40. Base Type A Type B. 40. Base Type A Type B. 50 HC mg. -40. 30 20. 20 10. 10 0 -60. 0. -30 0 30 Crank Angle deg. 図 6.30. -60. 60. -30. 0 30 Crank Angle deg. 燃 焼 室 形 状 による 計算結果 (2480 rpm, Load 80 %). 133. 60.
(32) 第 6章. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. φ. Base. Type 10B. -10. TDC. -10. TDC. φ 0. 1. 2. HC. Base 10. Type 10B 40. 10. 40 40. 40. 3. g/cm. 0. 2×10 - 3. 1. OH. Base 10. Type 10B 40. 10. 40 40. 40. mo l frac. . 0. 0.005. 0.01. Temp. 温度 Base 10. Type 10B 40. 10. 40 40. K 500. 1750 3000. 1860 rpm, 負 荷 率 41% : Tign : 25 BTD C 図 6.31. Tinj : 76 BTDC, Q inj : 41 mg. 燃 焼 室 形 状 による 計算結果. 134. 40.
(33) 第 6章. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. 7.0. 200. Cylinder Angle deg. Rate of Heat Release J/deg. Base Type 10-B. 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0. 150. 100. 0 -60. 0.0 -40. -20 0 20 Crank Angle deg. 40. 60. 40. 40. 30. 30. 20. 10. 0 -90. -40. -20. 0. 20. 40. 60. 40. 60. Crank Angle deg. HC mg. NO mg. -60. 50. 20. 10. -45. 0. 45. 90. 135. 0 -60. 180. -40. 0. 20. Crank Angle deg. Crank Angle deg. 図 6.32. -20. 燃 焼 室 形 状による 計算結果. 図 6.33 は 上 述 の エ ン ジ ン を利 用 し た場 合 の 高 速 高 負 荷 領 域 での 計算結果 を 示 す. 当 量 比 分 布 図 か ら , ベ ー ス エ ン ジ ン よ り 混合気 の 誘 導 が 改 善 さ れ て い る が, 点 火 栓 付 近 で は 当 量 比 2.0〜 3.0 の 濃 い 混 合 気 が分 布 し て お り , その 領 域で は 蒸 発 潜 熱 に よ っ て 温 度 が 低 下 し て い る こ と が 温 度 分 布 図 か ら も わ か る . こ れ に よ っ て 燃 焼 はベ ー ス よ り 悪 化 し て お り ,HC 分 布 か ら 多 くの 燃 料 が燃 え き れ ず に 排 出さ れ る傾 向 と な っ た .図 6.34 の 筒 内 圧 力 線 図 および 熱発生率 か ら も明 らかに 性 能 が低 下 し て お り ,排 出 される HC も ベ ー ス 条 件よ り 多 い こ と が わ か る .. 135.
(34) 第 6章. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. φ. Base. Type 10B. -10. TDC. -10. TDC. φ 0. 1. 2. HC. Base 10. Type 10B 40. 10. 40 40. 40. 3. g/cm. 0. 1. 2×10 - 3. OH. Base 10. Type 10B 40. 10. 40 40. 40. mo l frac. 0. 0.005. 0.01. Temp. 温度 Base 10. Type 10B 40. 10. 40 40. K 500. 1750 3000. 2480 rpm,Load 80% ,T ign : 16 BTDC,T inj : 91 BTDC,Q inj : 81 mg 図 6.33. 燃 焼 室 形 状 による 計算結果. 136. 40.
(35) 第 6章. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. 200 Rate of Heat Release J/deg. Cylinder Pressure MPa. 7.0 Base Type 10-B. 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0. Base Type 10-B. 150 100 50 0. -60. -40. -20 0 20 Crank Angle deg. 40. 60. -60. 70. -40. -20 0 20 Crank Angle deg. 40. 60. -40. -20 0 20 Crank Angle deg. 40. 60. 50. 60 40. 40. NO mg. HC mg. 50 30. 30 20. 20 10. 10 0 -60. -40. -20 0 20 Crank Angle deg. 図 6.34. 6.2. 8. 40. 60. 0 -60. 燃 焼 室 形 状による 計算結果. 噴 射 方 向 による 影 響. 前 述 し た よ う に 内 部 流 動 に よ る 混 合 気 の 分 裂 や ス ワ ー ル に よ る 燃 焼 悪 化 , 未燃炭化 水素がキャビティ壁面に多量に発生することから噴射方向を変えることで 性能向上お よ び 排 気 ガス 改 善 を試 み た .図 6.35 の 左 に示すように,噴射方向はベースの 0°を 基準 に ± 20° と し た と き の 混 合. Injection direction. 気 形 成 や 燃 焼 特 性 を調 べ た . さ ら に,同 図の右側に 示した よ う に垂直方向 に対し 0, 20,. +20°. 40° で 噴 射 し た 場 合 に つ い. 0°. ても 調べた.. 40, 20, 0°. -20°. ま ず ,水 平の 噴射方向 を パ ラ メ ー タ と し た場 合の 計. 図 6.35. 噴射方向による 計算. 137. (1860 rpm 負 荷 率 80%).
(36) 第 6章. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. 算 結 果 を 図 6.36 に 示す.ベース条件で の混合気形成を見ると 混合気が上 下に分裂されて おり ,点火栓付近で当 量 比 2.0 付 近の混 合 気が形成されていることがわかる .それに 対し て噴射方向を反時計方向とした場合は 全体的に混合気分布 が狭く当 量 比 2.0 以 上の濃 い領 域が ベースより 広く存在していることがわかる.このような混合気分布により燃焼が 悪化 す る と同時 に HC も多 く発生す る と予測さ れ る.一方, 時計方向 20°の場合は当量比 1.0 付近 の混合気が 均等に分裂 され,全 体 的に広く分 布していることがわかる. OH お よ び温 度分布図からは 噴射方向 -20°の場合 ,OH の分布領域が他の条 件より狭くなっているのが わ か る. 図 6.37 に 示 し た 筒内圧線 および熱発生率から明 らかなように,噴射方向 –20°の場合 のみ 燃焼が悪化 すると同時 に未燃炭化水素も他の 条件より 多く発生す る.しかし,0, 20° は ほ ぼ同じ性能 が得たものの,ベース の条件で の NOx 生 成がより 多く発生している. 次 に ,垂直方向 に 0, 20, 40°の 噴 射 方 向 を 変 えた 時 の 混合気形成 お よ び燃 焼 特 性を 調 べ た . 図 6.38 の 当量比分布図か ら噴射方向 が 40°の場合,混合気がキャビティから 溢れ てクリアランス まで拡散しているのに 対し ,噴射角 0°の場合 は点火栓付近とシリン ダ右 側の 壁面を中心 に分布している. HC の分布図をみるとベースと 噴射角 0°はキャビティ の 斜面と混合気が 巻き上 がるところで多 く発生 しているのに対 し,噴射角 40°の場 合は 斜面 ではほとんど発生せ ず に巻き上がるところで 多く分布 している.こ れ は斜面と同 じ角 度で 燃料を噴射 させているため斜面に 当たる燃料 が少ない 半面,キャビティの曲面で 集中 的に 衝突するためである. OH および温度分布では 当量比分布 とほぼ同じ 形で燃焼が 行わ れており,ベ ー スと噴 射 角 0°条件 での高温分布が広いためである . 図 6.39 に 示 し た筒内圧力,熱発生率の結 果から噴 射 角 40°の場合では ,圧力が 多少高 く な り燃焼も早 いことがわかる.HC の排出量 は大きな差 が見られないものの NOx は 噴射 角度 40°でもっと 低い値が 得られた. これは NOx の 増 加 が 最高火炎温度 の 上 昇に よ る も の で は な く , あ る温 度 以 上の 高 温 火 炎 領 域の 拡 大 に よ る も の で あ り ,噴 射 角 40°の 場 合 そ の 領域 が 他 の条 件 よ り狭 い た め で あ る.以上の結果 から,沸 点が低い LPG 噴 霧の 貫通力向上 と混合気 の形 成を 改善 するためには 噴射角度 をキャビティ 斜面 と同 じ位 の角 度で 噴射することが有効であり,これによって性能 の向上や排 気ガスの改 善が実現するも のと 考えられる .. 138.
(37) 第 6章. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. 当量比 φ. Base -10. -20° TDC. -10. φ. +20° TDC. 0. 1. -10. TDC. 2. HC. -20°. Base 10. 40. 10. +20° 40. 10. 40. g/cm3 0. 1. 2×10-3. OH. Base 10. -20° 40. 10. +20° 40. 10. 40. mol frac. 0. 0.005. 0.01. Temp. 温度. Base 10. +20°. -20° 40. 10. 40. 10. K 500. 図 6.36. 1750. 3000. 噴射方向による 計算結果 (1860 rpm 負 荷 率 80%). 139. 40.
(38) 第 6章. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. 7.0. 200. Cylinder Pressure MPa. 5.0. Rate of Heat Release J/deg. Base +20 -20. 6.0. 4.0 3.0 2.0 1.0. Base +20 -20. 150. 100. 50. 0.0. 0 -60. -40. -20. 0. 20. 40. 60. -60. -40. -20. Crank Angle deg. 60. 20. 40. 60. 40. Base +20 -20. 50. 30 NO mg. 40 HC mg. 0. Crank Angle deg. 30. 20. 20. Base +20 -20. 10 10 0. 0 -60. 0. 60. 120. 180. -60. Crank Angle deg. 図 6.37. 0. 60 Crank Angle deg. 噴射方向による 計算結果 (1860 rpm 負 荷 率 80%). 140. 120. 180.
(39) 第 6章. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. 当量比 φ. Base -10. 40° TDC. -10. φ. 0° TDC. 0. 1. -10. TDC. 2. HC. 10. 0°. 40°. Base 40. 10. 40. 10. 40. g/cm3 0. 1. 2×10-3. OH. Base 10. 40° 40. 10. 0° 40. 10. 40. mol frac. 0. 0.005. 0.01. Temp. 温度. Base 10. 0°. 40° 40. 10. 40. 10. K 500. 図 6.38. 1750. 3000. 噴射方向による 計算結果 (1860 rpm 負 荷 率 80%). 141. 40.
(40) 第 6章. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. 7.0. 200. Cylinder Pressure MPa. 6.0 5.0. Rate of Heat Release J/deg. Base +40 0. 4.0 3.0 2.0 1.0. Base +40 0. 150. 100. 50. 0.0. 0 -60. -40. -20. 0. 20. 40. 60. -60. -40. -20. Crank Angle deg. 20. 40. 60. 40. 60. Base +40 0. 50. 30 NO mg. 40 HC mg. 0. Crank Angle deg. 30. 20. 20. Base +40 0. 10 10 0. 0 -60. 0. 60. 120. -60. 180. 図 6.39. 0. 60 Crank Angle deg. Crank Angle deg. 噴射方向による 計算結果 (1860 rpm 負 荷 率 80%). 142. 120. 180.
(41) 第 6章. 6.3. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. まとめ. LPG エ ン ジ ン の燃 焼 系 を最 適 化 す る た め ,前 章 で確 立 し た数 値 計 算モ デ ル を利 用 し て 各 種 の 設計 , 運 転パ ラ メ ー タ の 影 響を 調 査し た 結 果, 以 下 の よ う な 知見 を 得 た.. (1) 高 速 回 転 低 負 荷 領 域 で の 成 層 燃 焼 に お け る 効 率 低 下 は 混 合 気 が 点 火 プ ラ グ ま で 届 かないことが原因であると判断され,その混合気形成には噴射圧力を上げること が最も有効な手段である.これによって噴霧内の液滴の蒸発が促進され,混合気 形 成 状 態 が改 善 さ れ る こ と が図 6.40 か ら も わ かる . 一 方, スワール や ノ ッ ク 対 策 と し て の 低 圧 縮 比 ピ ス ト ン は性 能 低 下を も た ら す 恐 れ が あ る と予 測 された . 14. Pinj:10 MPa. 12 Volume Fraction %. Pinj:15 MPa 10. Pinj:20 MPa. 8 6 4 2 0 0.2. 0.6. 1. 1.4. 1.8. 2.2. 2.6. Equivalent Ratio. 図 6.40. 噴射圧力による 混合気分布結果. (1860 rpm 負 荷 率 80%, @20°BTDC) (2) 排 出 物 の 低減 の た め の EGR 計 算 を 行 い , NOx 低 減 の 対 策 の 可 能 性 を 確認 し た . (3) ノ ッ ク を 回 避 す る た め の 低 圧 縮 比 9.0 の 燃 焼 室 で は 筒 内 温 度 と 圧 力 の低 減 に よ っ て 燃 焼 が 悪化 し た . (4) 圧 縮 比 10.0 の キ ャ ビ テ ィ 容 積が 小 さ いエ ン ジ ン性 能 計 算 結 果 , 点 火 栓 ま で の 混 合 気誘導は改善されたが,濃い領域の増加により,不完全燃焼や燃料の蒸発潜熱に よ る 温度低下 が 原 因で ベ ー ス条 件 よ り性能低下 が 予 測さ れ た . (5) 以 上の 結果 から ,安 定し た燃 焼を 得るための 条件 と し て LPG の 噴射 を最 低 15 MPa 以 上,低ス ワ ー ル比 ,圧 縮 比 は 10.0 以 上が 好ましく ,ス リ ッ ト ノ ズ ルの 使用 と噴 射 を キャビティ の斜 面と 同じ 角度 に し た方 が排 出ガ ス低 減に 効果 があると 予測 さ れ た.. 143.
(42) 第 6章. 表 6.3 (増加. ) (減少. 数値計算によるエンジン燃焼系の最適化. 各 条 件 における 性 能お よ び 排出 ガ ス 特性 噴霧特性. ). メカニズム 噴霧粒径. 噴霧角. 到達距離 噴流単位体積あたりの表面積↓ ⇒摩擦↑ ⇒粒径↑ ⇒噴射角,L↑. ノ 噴孔径 ズ 噴孔長/ ル 噴孔径. −. 助走区間↑ ⇒噴霧角↓,圧損. 噴射圧. 噴射速度↑ ⇒摩擦↑,噴霧角↑. 背圧. 噴射速度↓ ⇒粒径↑ ,L ↓. 性能. HC. NO. スワール比 噴射角度. 熱発生率の減少と遅れ. −. -20°. 混合気の片寄り. 噴射圧. 燃焼改善による温度上昇. 噴射パターン Slit Inj. 燃焼室形状. メカニズム. −. −. 高温領域の減少. Type A. −. 筒内温度低減による燃焼悪化. Type B. −. 筒内温度低減および不十分な混合. 144.
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