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ぶ ど う 膜 炎 ・ 感 染 症

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新・眼科診療アップデートセミナー2016

in Kyoto

Q&A 集

開催日時: 2016 年3月 19 日(土)

・20 日(日)

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加齢黄斑変性の診療アップデート 東京女子医科大学 飯田 知弘 先生 3 月 19 日(土) 14:05-14:30 Q PDT を併用するか抗 VEGF だけでやるかという判断はどうなさっていますか? 抗VEGF を使いたいが脳梗塞、心筋梗塞を数年前に起こしたという患者では様子を見るしかないのでしょうか。 A 現時点では、基本的に抗VEGF 薬の単独治療を第一選択としていますが、治療眼の視力、対側眼の状態、また患 者さんの社会的背景や経済状況、治療に対する意欲などを考慮して治療方針を決定しています。 PCV に対しては、抗 VEGF 薬併用 PDT は少ない治療回数で視力維持・改善ができるというメタ解析の結果が 出ていますので、抗VEGF 薬に対する反応や上記のことを考えて PDT を併用するかどうかを判断しています。 添付文書には「脳卒中(脳梗塞、脳出血等)又は一過性脳虚血発作の既往歴等の脳卒中の危険因子のある患者」 に対しては慎重投与と記載されています。最近の血管イベントでなければ、抗VEGF 薬の全身合併症のリスクを お話して、患者さんと相談の上で抗VEGF 薬を使用しています。抗 VEGF 薬を選択しなかった場合には、PDT あるいは経過観察を行っています。 Q 脳梗塞、心筋梗塞の既往のある方の抗 VEGF 抗体治療にはルセンティス、アイリーア、マクジェンいずれを選択 するべきでしょうか? A いずれの薬剤も VEGF 阻害に起因する全身合併症のリスクはありますので、どの薬剤を選択すべきかは難しいと 思います。ただ、硝子体注射後の血清中の薬物動態や VEGF 濃度、高齢者での血圧上昇の頻度など、薬剤間の違 いも報告されていますので、合併症リスクのある患者さんへの薬剤選択では、それらを考慮してよいと思います。 しかし、それが全身合併症の発生にどの程度関係するかはまだ不明だと思います。 Q 大学病院で3年にわたり通院している患者さんがいます。CNV は消退し Dry retina になり視力も(0.6)ですが、 3ヶ月毎にアイリーア硝子体注射を行っています。Treat & Extend の意味から間隔を伸ばしてもよいように思い ます。また、この患者さんは白内障が中等度進行し白内障手術を勧めたいのですが、白内障術後にAMD が再発 するとのことで大学病院から手術の許可が出ません。Dry retina で落ち着いているので心配ないかと思うのです が…。硝子体注射の間隔と白内障手術について先生のご意見をお聞かせいただければ幸いです。

A

報告されている前向き研究において、Treat & Extend (TAE)のレジメンが最長3ヶ月までは延ばす、とされたこ とが関係しているのだと思います。実臨床では、dry retina を維持している患者さんに対しては、間隔を延ばす こと、あるいはprn に切り替えることを考慮してよいと思います。もちろん、再発をする症例に対して TAE は よい治療だと思いますが、症例ごとに維持期の治療法を考えていくことは必要だと思います。 私は、白内障による視力への影響が出てきたら、患者さんのメリットを考えて白内障手術を行っています。 網脈絡膜疾患の OCT の読み方 京都大学 吉村 長久 先生 3 月 19 日(土) 14:30-14:55

Q 網膜内層の高反射(点状)がみられる場合について、OCT 所見として RPE の migration と HRF はどうやって

区別、判断するのでしょうか?

A

1) 存在部位

RPE migration の場合には RPE のすぐ近傍に高反射が認められます。それに対して、HRF は神経網膜、とりわ け外境界膜近傍に認められることが特徴です。外境界膜は、高分子物質に対するバリア機能を持っていて、HRF を構成するような脂質あるいは脂質を貪食したマクロファージは外境界膜近傍に集積しがちです。 2) 形状 HRF と RPEmigration では、その形態が異なります。後者のほうが、辺縁が「ころっと」した形状を示すこと が多いです。 実際には、両者の区別に難渋することはまずないと思います。

Q Hyperreflective foci が出現していても、抗 VEGF やステロイド硝子体注など、通常のびまん性 DME 治療を行

うしかないのでしょうか?

A

HRF の存在によって治療方針を変えることは、実際には難しいと思います。HRF の存在は、治療結果が必ずし も思わしくないことを示唆する重要な所見ではあっても、それによって選択を変更できるような、治療手段をわ れわれは、持っていませんので。

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白内障治療の社会的インパクト 奈良県立医科大学 緒方 奈保子 先生 3 月 19 日(土) 14:55-15:20 Q なぜ以前は白内障手術をうけた方の死亡率が高いと言われていたのでしょうか? A 白内障の進行は同時に老化が進んでいるということなので死亡率が高かったと推測されます。 Q 認知機能、サーカディアンリズムに関して白内障手術が有効とのことですが、術前の水晶体混濁の程度に関して はどうなのでしょうか? A 白内障の進行に伴い、ブルーライトの透過は障害されます。程度の違いと術後との関係までは解析できておりません。 白内障手術における屈折の考え方 北里大学 清水 公也 先生 3 月 19 日(土) 15:40-16:05 Q モノビジョン白内障手術におけるIOL パワーは、優位眼では emme で、非優位眼では-1.0D くらいがよいので しょうか(眼軸長にもよりますが…)。 A モノビジョンを成功させるには近見眼位が12△以内であることが重要です。 12△以内であれば 2D 程度の差をつけてもよいと思いますが、12△を超えているような例では、1D 以内に抑え た方が良いと思います。これは将来的に外斜視を起こす症例があるためです。高齢者では瞳孔径が小さいので1 でも十分な焦点深度が得られます。 Q 眼軸の左右差が大きい人では何mm 差がある場合から不等像に留意すべきでしょうか。 対応方法を教えてください。 A 1mm の眼軸差で約 6%の不等像が発生します。 許容範囲の上限はおよそ6%程度と考えられますので、1mm 以上の差ある場合は不等像に留意し 1D 分ずらす等 の対策が良いかと思われます。 Q 両眼-4.0~-5.0D の近視で片眼のみ白内障の手術適応の患者様で、反対眼の-4.0~-5.0D に IOL パワーを合わせて 他院で手術を受けられたのですが、術後また眼鏡装用しなければならず患者様が不満を感じておられます。片眼 コンタクトレンズ装用が可能な方はコンタクトにして片眼の手術でも裸眼視力1.0 に合わせた方がいいように思 うのですが…。 先生のご意見をお聞かせください。 A もし眼鏡装用者なら近方視野、近方視力が優位になっていることが多いです。 そのような方には-2.0D 程度に合わせておくと、良好な近方~中間視力がえられ、遠方視力も 0.2-0.3 程度出るこ とがありますので、総じて患者満足度が高いことが多いように思います。 感染症内眼炎の診断と治療 JCHO 大阪病院 大黒 伸行 先生 3 月 19 日(土) 16:05-16:30 Q 菌の同定がすぐにできない場合、まずはどういった治療が必要でしょうか? A まずは広域抗生剤(モダシン、バンコマイシンなど)の投与が必要かとおもわれます。 Q 梅毒でのPSL 併用量のプロトコールはありますか? A 体重あたりランに準じます。0.5mg から PSL 投与開始、プロトコールについては日本眼科学会の会報のサルコイドーシス治療プ Q ねこひっかき病について ① 抗体の結果が出るまでの間はどのような治療をするといいでしょうか?経過観察でよいでしょうか? ② プレドニゾロン内服とバクタ内服開始し1ヶ月で軽快しない場合はいつまで継続したらいいですか? ③ ERM が残った場合は手術すべきでしょうか? A ① 明らかに猫に引っ搔かれた現病歴、発熱などの全身症状があるなら内科と相談の上、結果が出るまでに抗菌 薬治療開始したほうが良いと思われます。 ② 申し訳ありませんが経験症例がなく、ステロイドは投与するとしても 5~10mg 感染症専門医と相談のうえで治療はいかがでしょうか。 ③ 炎症が改善しており、変視の訴えがあるなら、ERM は通常の手術適応に準じて手術すればよいと思われま す。

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Q 内因性細菌性眼内炎で硝子体手術が無効であった場合、生命予後のことを考え、眼球摘出を行うべきでしょうか? A 蜂窩織炎などで眼球自体が原因でない限り、生命予後の原因となることはないので眼球摘出はする必要はないの ではないでしょうか。 Q 肺MAC 症でも結核と同様にぶどう膜炎を発症するのでしょうか? 眼所見についてもご教授ください。 A 肺MAC 症でもぶどう膜炎はありえます。 私も1例だけ経験があるのですが網膜血管炎はなく硝子体混濁が出現していました。 Q 非定型的なBRVO 症例を PC 治療中です。眼内炎症所見(-)ですが結核もチェックすべきでしょうか? A 非定型的であってもチェックしたほうがよいと思われます。 Q 結節性強膜炎の原因として結核はあるでしょうか? 角膜には実質浸潤はなく、T-SPOT は陽性ですが、組織では肉芽腫は明らかではありません。結核の治療はすべ きでしょうか? A 角膜浸潤がない症例はあまり経験がないですが、組織に結核菌がいないか病理検査を依頼してみてはどうでしょ うか? T-SPOT 陽性でも 60 歳以上の方なら既往としてありえるので通常の強膜炎治療でもよろしいかと思います。 Q 結核性ぶどう膜炎の場合、全身的には結核所見がなくてもツ反、T-SPOT、クオンティフェロンはいずれも陽性になりますか? A ツ反とT-SPOT もしくはツ反とクオンティフェロンの組み合わせでどちらも陽性となり診断確定となります Q 結核性血管炎とBRVO の鑑別をご教授ください。 A BRVO は動静脈の交差部で起こります。 結核性血管炎は交差部とは無関係で血管起始部が白鞘化しています。 Q 内科での中心静脈カテーテルなどからカンジダが出現した場合、特記すべき所見がない場合、次回のフォローはどうすればよいですか? A カンジダ血症がなくなるまで週一回の診察は必要かと思われます。 近視予防、弱視・斜視の治療法 大阪大学 不二門 尚 先生 3 月 19 日(土) 16:30-16:55 Q MC レンズの眼鏡は具体的にどのように処方するのでしょうか。 眼鏡屋さんでも手に入るのでしょうか? A MC レンズは Carl-Zwiss 社製で小児に特化した多焦点眼鏡であり、老視矯正の眼鏡とは異なります。遠見用の 部分と近見用の部分が明瞭にわかれているので、近視進行予防には適した眼鏡と思われます。 入手方法はインターネットで検索すれば出てくるかと思いますので、それを参考にしてください。 Q 最近の子供たちは屋外遊びといっても座ってカードゲームであったり、公園でニンテンドーDS 等のゲームをしていることも多いようです。そのようなゲームでも、屋外ですれば室内でするよりは多少ましなのでしょうか? A はっきりしたエビデンス自体はないようですが、屋外でゲームをすれば多少は近視予防の効果があるのでは、とする報告はあるようです。 Q sagging eye syndrome の症状は開散麻痺によるものが多いのでしょうか?

A 加齢に伴う斜視の頻度としては、開散麻痺よりも上下偏位の方が多いと思われます。

Q 小学校入学時にすでに-6D を超えているような症例には近視進行のためどの方法が良いのでしょうか。

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PG 関連薬の作用機序とその使い方

東京大学 相原 一 先生 3 月 19 日(土) 17:40-18:05

Q キサラタン点眼液のジェネリックのうちでラタノプロストを選ばれた理由を教えていただけますでしょうか?

A

ジェネリックの基材の相違によってラタノプロストの眼内移行が変化するかを検討したのですが、幸いに変化が なかったので、どのdrug でも構いません。しかし、日点は BAK フリーの製剤と BAK の代わりに安息香酸の入 ったものがあり、特徴があるので、先発品で副作用があるものについては変更するにふさわしいと考えました。 Q PG 薬は朝、夕いつでも点眼してよいとのことでしたがβブロッカーで1回/日のものは朝夕どちらの点眼がよい ですか?眼圧下降作用に差がでますか? A ベータ遮断薬の徐放剤については、朝をお勧めしています。夜点眼したときにはもともとベータ遮断薬の効果が 夜間の眼圧下降にあまり効果がないこと、また明け方は循環系の疾患のリスクが上がるのでそれを避けるためで す。交感神経の活動が高い時期が良いと思います。 Q 前立腺に対するロボット手術では数時間頭を下げた状態でいるため、眼圧が相当上がるといわれていますが、どの程度上昇するのでしょうか。また緑内障患者への影響はどうなのでしょう? A 昨年出た論文では30 ぐらいに上がることがわかっていますが、それ以上は上がりません。また position を戻せ ば回復します。翌日に一過性にERG の sensitivity が下がるようですが、機能的には問題ないようです。ただし 閉塞隅角の患者に対しては明確な論文がありません。ダビンチによるposition の問題に加えて麻酔では atropine の影響もあるので、現時点では何とも言えません。今後研究する必要があります。一般的には緑内障があっても、 ダビンチ手術の目的が優先するのであれば行うべきで、心配な場合は翌日診察すればよいと思っています。 知っておきたい神経眼科疾患 兵庫医科大学 三村 治 先生 3 月 19 日(土) 18:05-18:30 Q ボツリヌス毒素注射での治療の効果は一時的なものでしょうか。繰り返し注射が必要でしょうか。 A 疾患によって異なります。乳児内斜視では1 回で半数、残り半数は 2-3 回の注射で治療は完了しますが、恒常性 外斜視や、間欠性外斜視での反復投与が必要です。今回お示ししましたように、輻輳痙攣では1 回ないし 2-3 回 で半数が治癒しますが、残る半数は戻ってしまします。 Q 斜視へのなくなれば改善するのでしょうか?BTX-A 治療で起こりうる副作用の眼瞼下垂はどれくらいの割合で改善しますか?ボツリヌスの効果が A 100%回復します。主作用の筋力低下によりも早くに 1-2 か月で回復することがほとんどです。 Q 斜視手術にBTX を併用する際に筋の移動量と BTX の投与量はどのように決めておられますか? A 今データを集めている段階で、結論的なことは言いにくいのですが、予想される筋の後転量を2 ㎜-3 ㎜減らす 分をBTX 2.5 単位で代理できるように考えています。 Q 下斜筋過動症にはボツリヌス注射の効果はありますか?(治験例はありますでしょうか?) A 下斜筋は経結膜的に刺入が難しく、また筋に上下方向の作用もあり、効果が不安定と考えられています。 これまでに下斜筋にBTX 注射を行って解析したデータはないようです。 Q 外傷性上転障害で複視があります、下斜筋にBTX 注射は有効ですか? A 下斜筋ではなく、下直筋に注射を行います。ただ、下転障害を生じて、かえって日常視で不自由になることもあ り、充分患者さんに説明をしてから行う必要があります。手技的には非常に容易で、眼瞼下垂もきたしません。 Q ボツリヌス毒素療法での再発はありますか?効果は永続的でしょうか? A 疾患によって異なります。乳児内斜視では1 回から数回でほぼ正位付近で落ち着くようで、再発はないと考えら れています。間歇性外斜視や恒常性外斜視ではまず効果に永続性はなく、一時的で繰り返し注射が必要になると 考えてよいようです。 Q ボツリヌス毒素注射での治療の効果は一時的なものでしょうか。繰り返し注射 が必要でしょうか。 A 疾患によって異なります。乳児内斜視では常性外斜視ではまず一時的で繰り返し注射が必要になると考えてよいようです。1 回から数回でほぼ正位付近で落ち着くようです。間歇性外斜視や恒 Q 斜視へのBTX-A 治療で起こりうる副作用の眼瞼下垂はどれくらいの割合で改善しますか?ボツリヌスの効果が なくなれば改善するのでしょうか? A 全例改善します。しかも主作用(眼位の変化)よりも早く1 か月前後で回復することが多いようです。

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Q 斜視手術にBTX を併用する際に筋の移動量と BTX の投与量はどのように決めておられますか? A これは現在データを集積中です。今のところ軽度から中等度の斜視では2.5 単位を、大角度の斜視では 5.0 単位 を使用しています。 Q ボツリヌス毒素療法での再発はありますか?効果は永続的でしょうか? A 疾患によって異なります。乳児内斜視では1 回から数回でほぼ正位付近で落ち着くようで、再発はないと考えら れています。間歇性外斜視や恒常性外斜視ではまず効果に永続性はなく、一時的で繰り返し注射が必要になると 考えてよいようです。 Q 下斜筋過動症にはボツリヌス注射の効果はありますか?(治験例はありますでしょうか?) A 経皮的に注射可能とは思いますが、かなり経皮的では疼痛を伴いますので、行ったことはなく、文献上も報告は ないようです。 Q 外傷性上転障害で複視があります、下斜筋にBTX 注射は有効ですか? A 対象筋を間違えています。下直筋に注射すべきで、その報告はかなりあります。当科でも1 例施行しています。 多焦点コンタクトレンズを上手に使う しおや眼科 塩谷 浩 先生 3 月 20 日(日) 08:05-08:30 Q 両眼とも近視性乱視の人の場合での、遠・近モノビジョン法を用いるのでしょうか? CL 処方のコツがありましたら教えてください。モディファイド、 A 多焦点SCL を処方する場合にはまず両眼に低カニュー度数で処方を試みます。 もしも残用乱視の影響で遠方視に不満がある場合は優位眼をトーリック SCL にするモディファイドモノビジョ ン法に切り替えます。それでもうまくいかない場合には、両眼とも、トーリック SCL に交換してモノビジョン 法で処方します。 Q モディファイドモノビジョンで非優位眼に乱視がある場合(先生の症例のケース2の逆パターン)、優位眼に多 焦点はうまくいかないことが多いでしょうか?その場合は非優位眼の乱視を残してみるのも1 つの方法でしょう か? A まずは、乱視を考慮せず優位眼を単焦点レンズ 、乱視のある非優位眼を多焦点レンズで処方を試みます。それ でうまくいかなかった場合には優位眼を多焦点CL にして、非優位眼をトーリック SCL にするモディファイド モノビジョンを試してみます。実際に、この方法で処方を成功した経験があります。 Q 円錐角膜でのヤギーバッグについて教えてください。

使用するSCL の度数について→power/BC のお勧めは sac 通常は dispo(ONEDAY)でしょうか?

A 使用するSCL は Dk/L の高いものを選択します。そのためフィッティングに問題がなければシリコンハイドロレ ンズを選択することが多くあります。Base curve の選択はセンタリングをとれるものを選択します。スティープ 側のレンズカーブを選択することが結果的に多くなります。パワーの選択は一般的にはハードコンタクトレンズ のフィッティングを安定させるために+0.5D が第一選択になります。あとは症例に応じて SCL 単独での近方の 見え方を考慮して、その人の屈折にあわせてpower を選択することもあります。 角膜感染症とホストの関係 京都府立医科大学 外園 千恵 先生 3 月 20 日(日) 08:30-08:55 Q 角膜感染症による角膜炎の病巣部やその周辺の白濁部は、炎症細胞浸潤と病原菌がメインと考えればよいでしょ うか A 感染性角膜炎の病巣部(濃い白濁)には病原体と炎症細胞が存在し、病原体とホスト免疫反応によって、病原体 と炎症細胞の比率が異なります。 例えば、緑膿菌感染の病巣部には緑膿菌と好中球が存在し、細菌(緑膿菌)を貪食している好中球がみられます。 一方で代表的な日和見感染であるカンジダによる角膜真菌症では、病巣擦過物をみると真菌(カンジダ)が多数 存在し、好中球はほとんど見られません、すなわち、緑膿菌性角膜炎では生体(ホスト)が病原体をターゲット に炎症反応を生じているのに対して、真菌による日和見感染では病原体に対して反応できていない、と考えられ ます。 前者は、高度の結膜充血・結膜浮腫、眼痛を伴い、病巣部周辺の角膜実質に浮腫や淡い混濁が見られます。後者 は、結膜充血や眼痛を伴わず、ほとんどの場合に病巣部周辺の実質浮腫・混濁を伴いません。 ご質問の「その周辺の白濁」は病巣周囲を指すと思われますので、実質浮腫および炎症細胞と考えてよいと思わ れます。

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Q コンタクトレンズユーザーの小さな浸潤には、抗菌薬とこれば細菌感染ではないということでしょうか。 steroid を使用した方が治癒が良い印象がありますが、 A ご質問の「コンタクトレンズユーザーの小さな浸潤」は、ブドウ球菌感染でみられる円形の白い浸潤病巣を指し ていると思われます。この部分を擦過して検鏡すると、多数の好中球が観察されます。コンタクトレンズユーザ ーの多くは年齢が若く、健康なホストであり、病原体に対する攻撃反応を高度に生じます。治療には抗菌薬が必 須であり、抗菌点眼薬のみで治癒しますが、過剰なまでの炎症反応をステロイド併用により緩和すると、炎症所 見や症状(眼痛など)を早く軽減することができます。 ステロイド併用は「抗菌薬が効くこと」が大前提となりますので、最初から併用するのではなく、先に抗菌点眼 薬のみを処方し、効果を確認してから低濃度ステロイドを1 日 2 回程度で併用する方が安全でしょう。 Q セラチア感染でクラビットなど耐性があり、バンコマイシンやゲンタシンの結膜下注射を行った経験がありま す。先生は点眼、内服、結膜下注射、硝子体注射などをどのように使い分けておられるでしょうか。 A 2 点、お返事します。 セラチアは生活環境に存在するグラム陰性の細菌であり、多剤耐性を獲得したセラチア感染症の増加が問題にな っています。バンコマイシンはMRSA に有用であることから、万能のように思われがちですが、グラム陽性菌 に有用な一方で、グラム陰性菌には効力を発揮しません。グラム陰性菌には、一般的にアミノグリコシド系の抗 菌薬がに有用です。ご経験の症例には、ゲンタシンが効いたのではないかと推測いたします。 角膜感染症に対する薬剤の投与経路を考える場合に、点滴や内服といった全身投与は、かなり希釈された濃度で 病巣部に到達します。一方で点眼は、最も確実に病巣に薬剤を到達させることができます。角膜感染症が高度な 場合には前房炎症も高度ですが、感染性眼内炎ではないので、硝子体注射をした経験はありません。難治な角膜 真菌症において、結膜下注射を用いる場合もあります。 コロナサインと角膜内渦流 愛媛大学 大橋 裕一 先生 3 月 20 日(日) 08:55-09:20 Q アマンタジンを使っている方では、無症状でも角膜内皮数のモニターは必要ですか。 A 韓国における多数例での観察では投与量、投与期間に比例して角膜内皮細胞数の有意な減少が認められています が(Ophthalmology 2010;117:1214–1219)、浮腫を起こすほどの変化ではありません。実際に角膜浮腫を起こし てくるのは何らかの危険因子を持った一部の症例ですが、気になられる場合には、半年あるいは1年毎にスペキ ュラーを撮って変化をモニターするのがいいと思います。 Q 落屑症候群関連角膜内皮症候群の診断ポイントを教えてください。 A これについては現在診断基準を検討中ですが、以下のような症例については臨床的にPE による角膜内皮障害が 疑われます。 1)両眼の角膜内皮障害がある。ただし、一般に進行には左右差が認められる。 2)滴状角膜の所見はなく、瞳孔縁、水晶体表面に落屑物質の沈着が認められる。 3)浅前房眼である。 Q CMV 角膜内皮炎が中年男性に起こりやすいのはなぜでしょうか。 A 理由は分かりませんが、60 歳前後の男性に多いという印象があります。この年齢層には、サイトメガロウイルス のみならず、単純ヘルペスウイルス(marginal herpes, ACV 耐性株)や水痘疱疹ウイルス(眼部帯状ヘルペス) による角膜感染がよく見られます。加齢による影響(性ホルモンが関与?)でウイルスに対する免疫能が低下し、 再活性化を許しているのかも知れないとの妄想を持っています。 Q コロナサインはハードコンタクトレンズの装用と関連があると思われますか? A ハードコンタクトレンズとは直接関係はないと思いますが、コンタクトレンズ装用に伴う急性の酸素不足とは関 連があると思います。お見せしたカラーコンタクトレンズの症例のように、タイトフィッティングに伴う急性の 酸素不足によって内皮ポンプ機能が低下し、高度の角膜浮腫を起こすことはあり得ます。

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網膜循環障害に対する治療 横浜市立大学 門之園 一明 先生 3 月 20 日(日) 09:35-10:00 Q RVO の患者さんには、Sheathotomy を勧めた方がよいでしょうか。 A 虚血型BRVO,発症から 2 週以内であれば、有効性は十分に高いですので、勧めて良いと思います。 Q RVO の自然経過を待つときに、内服薬を処方するとすれば、どの薬を処方するのが良いですか。 A RVO の自然経過は、無治療もしくは、アドナの内服投与程度で良いと思います。 Q t-PA 網膜動脈内投与の効果は勉強になりましたが、硝子体術者でなくても対応できる治療として、t-PA 全身投与との効果の違い、併用について教えてください。 A tPA の網膜動脈投与は、安全性と簡便性に関して全身投与よりも優れています。また、全身投与をする場合、脳 出血などのリスクがあるので、神経内科との協力が必要でしょう。併用療法は不明ですが、必要性が少ないと思 います。 Q Sheathotomy 後の FAG では、無灌流領域が残存していましたが、レーザー治療の必要性はあるでしょうか。 A Nonperfusion に光凝固の必要性はありません。①VEGF の産生量は少なく、②硝子体術後眼なので、VEGF が

眼内に貯留しないので、の理由により黄斑浮腫の再発の主原因にはならないと考えられます。 Q BRVO に対して、周辺部のレーザー治療の必要性はないでしょうか。 A BRVO では、周辺部の光凝固の必要性はありません。CRVO と異なり、NVG に進展する危険性は極めて少ない からです。 Q Sheathotomy や、t-PA 局所注入について、現在日本ではどの程度行われているでしょうか。 A 現在、RVO の硝子体手術は、大学病院の限られた施設でのみ行われています。安全性と簡便性の観点で、抗 VEGF が勝っているため、ほとんどの施設では手術は行われていません。 Q CRAO の方が受信された時、本人の希望があれば、手術目的に先生の病院を紹介してもよいでしょうか。発症後何日くらいまでが適応でしょうか。 A CRAO の患者さん、発症から 72 時間以内であれば、ご紹介頂ければ迅速に対応します。 Q 網膜色素変性症患者のばご教示ください。 CME に対して抗 VEGF 投与の効果があるとお考えでしょうか。また実際に投与例があれ A 網膜色素変性症のCME に関しては言及していませんが、RP の CME の治療は慎重に対応する必要があると考 えています。RP の CME の発症は、牽引や色素上皮の機能異常により生じると考えられるので、眼内の VEGF 濃度は高値ではなく、抗VEGF は、基本的に適応外と思います。

Q 自然軽快するるのでしょうか。BRVO かどうかは、初診時視力で判断するのでしょうか。OCT などで oedema の丈や範囲で考え A 非虚血、比較的若い方、視力がほとんど障害されていない、初回の場合、自然経過で良くなる可能性が高いと思 います。当然、浮腫は低い傾向があります。 Q BRVO の OCT では、動脈が静脈を圧迫、閉塞しているのではなく、動脈により静脈が網膜深層に向かって蛇行していると聞きましたが、いかがでしょうか。この場合、交叉部の鞘切開はどこまで意味があるでしょうか。 A BRVO の動静脈交差部では、通常、静脈は動脈により網膜の外層に向かって強く圧排されています。その結果、 おそらく血栓形成により閉塞が生じます。ですので、器質的変化の少ない早期の場合に限り、ILM を外し、動脈 との癒着を外すことで圧出を解除して、静脈圧を下げることができます。 Q BRVO、CRVO で、ルーチンで採血をしているとのことですが、採血項目を教えていただけますか。 A 採血では、末血と凝固能(INR)を測定します。INR が 1.7 以上の場合は、補正をすることで症状が改善するこ とがあります。

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Q 自然治癒傾向のあるBRVO に対し、Sheathotomy をする際の手術適応条件、判断基準を教えてください。 A Sheathotomy の適応は、虚血型(よって視力は不良)、発症より少なくとも 2 週間以内、全身疾患のない患者で す。また、HT のある場合は、周術期の血圧管理は重要になります。それ以外の場合、抗 VEGF でも同等の効果 を得られる可能性があります。もちろん、自然治癒傾向のある場合は、積極的な手術適応ではありません。 落屑症候群の考え方 岐阜大学 山本 哲也 先生 3 月 20 日(日) 10:00-10:25 Q 落屑緑内障に対する手術療法としてトラベクロトミーとトラベクレクトミーのどちらが適切でしょうか。 A ロトミーは落屑緑内障に対して、原発開放隅角緑内障よりも有効性が高いとされています。対して、トラベクレ クトミーは、長期成績では落屑緑内障で少し劣ります。ですから、初期の落屑緑内障であれば、トラベクロトミ ーの選択でよろしいと思います。後期の落屑緑内障であれば、トラベクレクトミーが適切でしょう。 Q 落屑緑内障は、Laser Trabeculoplasty の成績が比較的良好といわれていました。今もその考え方でよろしいでしょうか。 A Laser Trbeculoplasty の成績は、確かに落屑緑内障では原発開放隅角緑内障に比べ、良好であるとされています。 ただし、長期的には、次第にその効果は減弱しますので、そのことを理解して適応を決めてください。また、Laser Trabeculoplasty を行った後は、トラベクロトミーの成績が少し悪くなるとされています。そのことも知ってお かれるとよろしいかと思います。 Q 落屑緑内障の方で、白内障手術を早期に行うと、落屑物質の隅角への沈着が減少するでしょうか。 A 以前はそういう考えの方もいらっしゃいましたが、現在では、この考えは否定されています。 Q 視野、OCT 正常、眼圧が 25mmHg 程度の落屑症候群に対する点眼はどうすべきでしょうか。 A 落屑症候群では眼圧の変動が比較的大きいとされており、これが落屑症候群であることが緑内障進行のリスクと なる理由の一部をなすと考えられます。したがって、緑内障を発症していなくとも、眼圧の高い落屑症候群では、 眼圧下降治療が早めに必要であると思います。 ROCK 阻害点眼薬の可能性 熊本大学 谷原 秀信 先生 3 月 20 日(日) 10:25-10:50 Q 主経路からの房水産生が増加するならば第一選択にすべきではないのでしょうか。 A 他の第一選択と比べると眼圧下降作用がマイルドであるので、行政から第2 選択薬で承認されています。 Q Rho は生理的には眼内でどう作用していますか。 A 房水主経路については生理的な流出抵抗の成立、ひいては正常眼圧の調節にかかわっていると考えられていま す。ただし、非常に普遍的なシグナル伝達なので眼組織の恒常性維持全般に関連している可能性が高いと考えら れています。 Q グラナテック点眼液に充血止めの点眼を併用してはどうでしょうか。 A たしかに結膜の一過性の充血を抑制できるかもしれませんが、基本的には薬理作用による血管拡張作用なので、 それを他の薬剤によって収縮させることは点眼数増加によるアドヒアランスの悪化か、あるいは他の副作用など のリスクを高める可能性があるため個人的にはそのような併用は推奨しておりません。 Q ROCK 阻害薬の副作用に白内障があるが、臨床上、若年者に使用して問題はないのでしょうか。 A 動物実験で水晶体の変化が指摘されていますので、そのリスクを完全に否定することはできません。ただし、こ れまでの臨床試験でそのようなエビデンスは示されておりませんので今後の臨床研究の課題になると考えてい ます。 Q グラナテックの効きにくい方の原因は何でしょうか。 A 房水の組成の中にRho-ROCK を活性化させる組成が含まれております。それらの房水組成の濃度上昇によって 生じる眼圧上昇と、そうでないタイプがあると考えております。前者は理論的には ROCK 阻害薬によく反応す る病型であると考えられます。年齢に関しては今のところ大きな差はみられておりません。

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眼内リンパ腫の診断と治療 東京医科大学 後藤 浩 先生 3 月 20 日(日) 11:30-11:55 Q リンパ腫を疑う方は積極的に硝子体手術を行ってよいか。また、とると悪化がありうるのか。 A 基本的にぶどう膜炎には滅多やたらに硝子体手術を行うべきではないと考えています。 疾患によってはもちろん、炎症は悪化します。術後の低眼圧に悩まされることもあります。 眼内リンパ腫でも網膜(下)に病変を形成するタイプは多くの場合、臨床的に診断可能であるので、いわば‘ダメ 押し’的に硝子体切除サンプルで診断を確定することになります。 問題は硝子体混濁のみを呈する症例ですが、一通りの検査を行って既知のどのぶどう膜炎に該当しないことを確 認の上、講演でも触れたような特徴的な混濁パターン、年齢(特に60 歳以上)、そしてステロイドの内服や後部 テノン嚢下注射に対する反応性(=反応しないという意味)を総合的に勘案し、診断目的に硝子体手術を行って います。 医原性裂孔などを作らない限り、眼内リンパ腫であるならば硝子体を切除しても何も問題はありません。術前の 混濁が強い場合は視機能の向上も期待できます。 Q IgH 遺伝子 PCR やサイトカイン測定のコストはどうされておられますか。いつか保険適応になりますでしょう か。 A IgH 遺伝子再構成の検索は「悪性リンパ腫」の病名で通ります。 サイトカインの測定は医局から支払っています。 Q 眼のみのリンパ腫に対しては、局所/全身/局所+全身の治療選択はどうされていますか。 A 我々は眼局所療法のみを行っています。 (現行の)全身療法、あるいは放射線の全脳照射を行うことによって中枢神経系リンパ腫の発生を予防効できる という証拠がないからです。一方、症例の年齢にもよると思いますが、予防的全身療法や全脳照射の弊害は一定 の割合で起こり得ます(白質脳症など)。 「眼のみのリンパ腫」であっても、80%近くのケースで中枢神経系リンパ腫が起こり得ることを前提に、3-4 か 月に一度、造影頭部MRI を撮像することによって CNS リンパ腫の早期発見、早期治療に努めています。 その3-4 か月のインターバルの間に CNS リンパ腫が発症、増悪するケースも当然あり得るので、ご本人やご家 族には少しでも神経症状(麻痺や構語障害など)が疑われるようなことがあれば、予約を無視して直ちに受診し ていただくように強調しています。 Q クリニックレベルでは仮面症候群を疑う患者さんを紹介する場合、ステロイドを使ってから反応性をみて紹介することが多いと思いますが、内服など開始する前に紹介したほうがよいのでしょうか。 A 出来れば何もしていない状態で診たいところですが、そうもいかない場合も多いと思います。 ステロイドを投与されたとしても、せめてステロイド使用前と使用後の眼底写真などがあると非常に参考にな り、助かります。 (眼内リンパ腫に限らず、すべてのぶどう膜炎に共通して言えることですが。) 黄斑上膜の考え方 群馬大学 岸 章治 先生 3 月 20 日(日) 11:55-12:20 Q OCT 上からは自覚症状があると思われるのに、ご本人は何もないといわれることがあります。こんな時所見か ら長くなったであろうと思われるもの、膜を除去しといたほうがいいのではと思う時があります。長膜おくとい うことはよくないですね!! A アムスラーチャートをやっても歪みや大視症がなければ、OCT でしっかり前膜があっても、私は手術しません。 患者さんにはありがた迷惑だと思います。 一方、視力が1.2 であっても、本人が歪みを訴えているときは手術をします。視力が良いからと言って、変視症 をそのまま何年もおいておくと、0.7 位になって手術しても変視症はよくならず(むしろ視力の回復によって自 覚症状が増大?)、不満を訴えることが多いようです。 Q 内境界膜はOPE 時一緒にとるべきかどうかおしえてください A 内境界膜は広めにしっかりととるべきです。内境界膜はtype 4 collagen ですので、これを残すと、その上に細胞 増殖が起こり、2次性の前膜が高率に再発します。内境界膜のピーリング範囲が小さいと、周囲の残った内境界 膜に細胞増殖が起こり、黄斑を囲む輪状の増殖になることがあり、それが収縮すると黄斑が隆起することさえあ ります。 術中、前膜をピーリングした後で、内境界膜が同時にとれたと思っても、必ず、BBG で染色して残った内境界 膜をとらなければなりません。

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Q pseudo-hole は foveu 部だけ ERM が自然剥離した状況でしょうか? A PVD に伴う残存皮質には黄斑全体に円板状に遺残する場合と、中心窩には残存皮質がなく、その周囲に皮質が 残る場合があります。Pseudohole は後者のパターンの残存皮質に細胞増殖が付加したもので、中心窩周囲の前 膜が輪状に収縮することで中心窩の陥凹が円筒形に深くなって偽円孔になるのではと推論しております。 Q 続発性黄斑前膜の手術の適応について教えてください(特に網膜裂孔の方など) A 網膜裂孔をレーザーで治療しても、続発性に黄斑前膜が生じることは良くあります。この場合も特発性と同様に 自覚症状があれば手術します。この場合、裂孔に付着した硝子体もしっかりとらなければなりません。一方、特 発性前膜と思っていても、隠れた裂孔がないか注意が必要です。 Q 分層円孔の手術意志はどのようにお考えですか? 偽黄斑円孔とおなじでしょうか? A 本来の分層円孔は、嚢胞様黄斑浮腫の前壁が破裂したもの、あるいは黄斑円孔になる過程で中心窩の嚢胞の前壁 がはずれたものです。しかし現在、一般に言われている分層円孔は、実際は偽円孔であることがほとんどです。 OCT で中心窩の陥凹がω型になって、中心窩の縁がせり上がっているのを、世間では分層円孔と呼んでいます。 この場合、中心窩周囲にしばしば網膜分離があります。この定義はOCT でなされたもので、その病態の成立過 程を無視しています。しかし、最近のペーパーではこの定義がまかり通っています。 いわゆる分層円孔(実際は偽円孔)でも、変視症があればオペの適応になります。 Q ERM の硝子体 OP により、変視症の改善する確率 視機能増悪はありませんか。 A 視力が良く(0.9~1.2)、変視になってから間もない例では、オペ後、数ヶ月で変視症は消えることが多いです。オペ後、1~3 か月は術前より視力はむしろ落ちますが、その後半年くらいで術前を上まわります。 Q 基本的なことですが、分層円孔と偽円孔の鑑別をお教えください A 本来の分層円孔は、嚢胞様黄斑浮腫の前壁が破裂したもの、あるいは黄斑円孔になる過程で中心窩の嚢胞の前壁 がはずれたものです。しかし現在、一般に言われている分層円孔は、実際は偽円孔であることがほとんどです。 OCT で中心窩の陥凹がω型になって、中心窩の縁がせり上がっているのを、世間では分層円孔と呼んでいます。 この場合、中心窩周囲にしばしば網膜分離があります。この定義はOCT でなされたもので、その病態の成立過 程を無視しています。しかし、最近のペーパーではこの定義がまかり通っています。 いわゆる分層円孔(実際は偽円孔)でも、変視症があればオペの適応になります。

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