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脳底部 に網状異常血管像を呈す る本邦人症例 の研究

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(1)616. 133. 33‑007‑073. 75. 脳底部 に網状異常血管像を呈す る本邦人症例 の研究 第1編 臨. 床. 的. 研. 究. 岡 山大学 医学 部脳神経 外科教室(主 任:西 本 大学院学生. 竹. 内. 伸. 〔昭和42年3月28日 目. 詮教授) 二. 受稿 〕 次. 言. 3). 主要症状. Ⅱ 研究対象. 4). 予. Ⅲ 自験症例. 5). 脳波所 見. Ⅳ 統計的観 察. 6). 脳 動脈写所見. Ⅰ 緒. 後. 1) 性および年 令. Ⅴ. 総括な らびに考按. 2) 初発症状. Ⅵ. 結. 論. 炎 症 性 血 管 閉 塞 に よ る 側 副 路 新 生 が 主 体 で あ る と考 Ⅰ. 緒. 脳 血管写 の普 及 に伴 い,種. 言. え る も の も あ る75).す な わ ち,従 来 の報 告 は報 告 者. 々 の脳 血 管 性 病 変 が 数. に よつ て独 自の 名 称 で 呼 ば れ,ま. ち ま ちで あ つ た た. 邦の. め,は た して 同一 疾 患 で あ つ た か 否 か 不 明 で あ つ. 脳 ・神経 関 係 の ク リニ ッ クで は 運 動 麻 痺 や卒 中 様 発. た.し か しそ の 特 異 な 脳 血 管 像 は広 く諸 家 の興 味 を. 作な どを を 呈 す る患 者 の 中 に,あ. 喚 起 し,そ の後 もひ き続 い て 報 告 が行 わ れ,次. 多 く発 見 され る よ う に な つ て きた が,最 近,本. る特 異 な 脳 血 管 写. 第に. 所 見 を示 す 症 例 の あ る こ と に数 年 前 よ り気 づ い て き. そ の症 例 数 を 増 して きて い る2)5)24)25)29)36)39)50)‑. た.こ れ らの 症 例 は 一 般 に若 年 者 に 多 く,臨 床 的 に. 52)56)‑62)70)76)83)89)90)102).. 運 動 ・知 覚 不 全 麻 痺,知 能 低 下,頭. モ膜 下 出. 著 者 は これ らの症 例 の 脳 底 部 に み られ る こ の よ う. 血.痙 れ ん 発 作,不 随 意 運 動 な どを 呈 す るが,症 状. な 変 化 は,同 一 の 機 序 に よ つ て 発 生 す る もの で あ. は しば しば 一 過 性 で あ り,軽 度 の もの が 多 い.特 有. り,欧 米 文 献 に本 症 と考 え られ る報 告 例 を ほ とん ど. な こ とは,そ の脳 血 管 写 所 見 で あつ て,両 側 性 に 内. み な い点 よ り,本 症 は 本 邦 人 特 有 の 疾 患 と考 え るべ. 頸 動 脈 サ イ フ ォ ン部 末 端(C1)に. 痛,ク. 閉 塞 な い し狭 窄 が. き も の で は な いか と考 え,著 者 の 自験 例9例. を含 め. あ り,さ らに そ の 近 傍 の 脳 底 部 に 両 側性 に チ リチ. て,こ れ ま で い ろ い ろ な 名 称 の も と に な さ れ た 学. リ,モ ヤ モ ヤ した異 常 な 血 管 網 様 の陰 影 が み られ る. 会 ・文 献 報 告 例,さ. こ とで あ る.さ. ニ ッ クヘ の ア ンケ ー トを も用 い て 類 似 症 例 を 集 め,. らに興 味 あ る こ と は,本 症 と思 わ れ. る症 例 は,外 国 に は ほ と ん ど そ の 報 告 を み な い とい う こ とで あつ て,お. らに 全 国 の脳 ・神 経 外 科 関 係 ク. 本 症 の本 態 の 解 明 を 行 な お う と試 み た.. そ ら く 日本 人 特 有 の疾 患 で は な Ⅱ.. い か と考 え られ る こ とで あ る . この よ うな 症 例 に つ い て は,最 初 は 脳 底 部 に み ら れ るtelangiectasiaと い う意 味 でcerebral juxtabasal telangiectasia70)と呼 ば れ た り,内 頸 動 脈 閉 塞 症 の 一 型 と して 報 告 され た り81)84) ,そ の他,脳 血 管 奇 形 50)56),ウ イ リス動 脈 輪 不 全 症38),脳 底 部 内頸 動 脈 血 管 腫 様 奇 形57)58)59)な どの 名 称 も用 い られ,ま. た,. 研. 究 対. 研 究 対 象 とす る症 例 は,で. 象. き る だ け 多 くの症 例 を. 集 め るた め, 1965年 夏 全 国 的 に 脳 ・神 経 外 科 ク リニ ッ クを 中 心 に ア ンケ ー トを 送 つ て 調 査 しえ た もの, お よ び1966年12月. 迄 の学 会 ・文 献 報 告 中 詳 細 の 明 ら. か な も の で あ つ て,自 験 症 例9例 で あ る(第1表).. を含 め 合 計118例.

(2) 312. 竹. 第1表. 内. 全 国 ク リニ ッ ク別 内 訳. 伸. 二. き か た を した り,ま た 急 に起 立 で き ぬ こ と が あ つ た.こ の 頃 よ り知能 低 下 に気 づ く.昭 和37年4月 右 手 に痙 れ ん様 の 発 作 が1〜2分. に. 間 の 持 続 で 月 に1. 回 の 割 合 で起 こ り始 め た.そ の 後 発 作 は しだ い にそ の 回 数 を 増 し,月 に10〜15回 ぐ らい とな る. 昭 和38年10月28日,突. 然 間 代 性 痙 れ んが 起 こり,. 約1時 間 持 続 した.痙 れ ん は ま ず 右 手 に始 ま り,右 足 に も お よ ん だ が,左 半 身 に は 起 こ らな か つ た.こ の 間,意 識 障害 は な く,舌 が 動 か ぬ た め に応 答が で きな か つ た.以 来,言 語 障害,右. 顔 面 神 経 麻 痺,右. 手 の 運 動 障 害 を きた して い る.昭 和38年12月23日 入 院. 臨 床 症 状 ・神 経 学 的 所 見:入 院 時,知 能 低下,軽 度 の 言 語 障害,軽. 度 の右 中枢 性 顔 面 神 経麻 痺,右 手. の 運 動 障 害 と舞 踏 病 様 運 動 が あ つ た が,右 顔面 神経 麻 痺 はそ の 後1ヵ 月 半 で 治癒 し,ま た 言 語 障 害 も2 ヵ 月 後 に は全 治 し た.耳 鼻 科,眼 科 的 に 異 常 はな か つ た. 臨 床 検 査 成 績:血. 圧95〜60mmHg,血. 赤 血 球457×104,血 指 数1.09,白. 血 球 数9200,ヘ. 出 血 時 間4分,コ. 液 所見;. 色 素 量100%(ザ. ー リ),色 素. マ トク リ ッ ト35.5%,. レ ス テ ロ ー ル199mg/dl,肝. 異 常 な く,血 清 総 蛋 白7.4g/dl,尿 時 間 値23, 2時 間 値48,ツ 腰 椎 穿 刺;初 圧192mm. 反 応(+),ワ. H2O,終. 機能. 尿 正 常,血 沈1. 圧180mm. 氏 反応(‑), H2O,. 4cc. 採 取 し髄 液 の性 状 は正 常 で あ つ た. レ線 所 見 1). 気 脳 写:脳 室 系 は 左 右 対 称 で 偏 位 な く,軽 度. に 拡 大 して お り,ま た クモ膜 下 腔 も全 般 的 に多少拡 これ らの 症 例 のな か に は 真 の 意 味 の本 症 で あ るの か,あ. るい は 他 の類 似 疾 患,た. とえ ば単 な る内 頸 動. 脈 閉塞 症 の ご と き も のが 混 入 して は い な い か とい う 疑 問 が起 こ るの で あ る が,本 症 の 定 義 の十 分 確 立 し て い な い現 在 で は症 例 の取 捨 選 択 の基 準 が た て が た く,一 応 上 述 の ご と き本 症 の 概 念 の も と に 症 例 を 集 め,こ れ ら118例 に つ い て検 討 を 試 み た. Ⅲ.. 自 験. 症. 大 して お り,軽 度 の脳 萎 縮 の 所 見 あ り. 2). 脳血 管写 ⅰ ). 右 頸 動 脈 写: 76%の. ウ ロ グ ラ フイ ン10ml. 注 入.側 面 像 で は 内頸 動 脈 はサ イ フ ォン部 まではま つ た く正 常 に 造 影 され て い るが,サ (C1)で. イ フ ォン部末端. 著 明 な 狭 窄 が み られ る.前 お よ び 中大脳動. 脈 は造 影 され ず,脳 底 部 に 異 常 な血 管網 が顕 著にみ られ,造. 例. 影 剤 は サ イ フ ォン部 末 端 の 狭窄 部 よ りただ. ち に この血 管 網 へ 移行 流 入 す る.後 交通 動 脈 および 症 例1. 小○川清○. 家 族 歴:脳 卒 中(+)母 既 往 歴:満. 期 安 産.. 女. 昭 和30年4月30日. 生.. 方 の 祖 母. 5才 の 時,軽. 血 管 網 に 血 流 を 送 つ て い る.眼 動 脈 は正 常 であつた. い左 中 耳 炎 に罹. 患. 主 訴:右. 後 大 脳動 脈 はか な り拡 張 し,こ れ か ら も脳底 部異常. (第1図A,. B).. 前 後 像 で は,前 大 脳 動 脈 が 血管 網 を 介 して造影さ 手 の 運 動 不 全 麻 痺.. 現 病 歴:生 来 健 康 で あ つ た が,昭 和36年11月 り時 々,朝,寝. れ る が,走 行 は 不 規 則 で全 般 的 に 細 い(第1図C). 頃よ. 床 の 中 で 舌 が もつ れ る よ うな 口 の き. ⅱ ). 左 頸 動 脈 写:右 側 と だ い たい 同 様 であ り,. 側 面 像 で 内頸 動 脈 は サ イ フ ォ ン部 ま で は正 常である.

(3) 脳底部 に網状 異常血管像を呈 す る本邦人症 例の研 究. 313. 第1図A. 症例1. 右頸 動脈写 側面像. 第1図D. 症例1. 左頸動 脈写 側面像. 第1図B. 症 例1. 右 頸 動 脈 写 模式 図. 第1図E. 症 例1. 左 頸 動 脈写 前 後 像. 第1図C. 症 例1. 右 頸 動 脈写 前 後 像. は前 述 の ご と き所 見 が 認 め られ た.脳 底 動 脈,後 通 動 脈 間 の 連 絡 は ほ ぼ 正 常 と考 え られ,ま. 交. た脳 底 動. 脈 流 域 に は特 記 す べ き異 常 所 見 を 認 めな か つ た(第 1図F).こ. れ は前 後 像 で も同 様 で あ る.. 第1図F. が,サ. 症 例1. 右逆行性椎 骨動脈写. イフ ォン部末 端 で 閉 塞 し,中 大 脳 動 脈 は 造 影. され ず,こ の 部 に 顕 著 な 異 常 血 管 網 が 認 め られ る. 前 大 脳 動 脈 は この血 管網 を 介 して 造 影 され るが,走 行 は不 規 則 で 造 影 も不 十 分 で あ る.後 交 通 動 脈 お よ び後 大 脳 動 脈 は 拡 張 し,か な りの分 枝 を 血 管 網 に送 つて お り,一 部 はR.. spleniiを 介 して 前 大 脳 動 脈 流. 域 まで 血 流 を 送 つ て い る.眼 動 脈 は 正 常 で あ る. 前 後 像 に も 同様 の 所 見 が 認 め られ る(第1図D, E).. 脳 波 所 見: backgroundは. あ る が左 右 差 は 認 め られ な い. 昭 和40年9月6日,検. ⅲ ) 右 逆 行 性 椎 骨 動 脈 写:側. 面像で は右椎骨動脈. およ び 脳底 動 脈 の走 行 に 異 常 は な いが,内. 頸動脈 に. α‑activityを 欠 き,. 6〜4cps. 50μVの 徐 波 お よ び 不 規 則 な 波 形 が 主 体 で. 査 の 目 的 で 再 入 院 す.約1. 年 前 よ り知 能 低 下,言 語 障 害,右. 手 の 運 動 障 害 と舞. 踏病 様 運 動 が 増 悪 し,右 半 身 に1日3回. 位 の痙攣発.

(4) 314. 竹. 内. 作 を き た す よ うに な つ た.通 学 不 能 の た め休 学 中. 臨 床 検 査 成 績:血 圧124〜68mmHgと. 前 回 に比 し. 上 昇,血. 液 所見 は 前 回 と大 差 な く,ヘ マ トク リ ッ ト. 29.5%と. 低 下,そ の 他 血 沈 が1時 間 値4, 2時 間 値10. に 低 下, CRP検 査(‑),. RAテ. 刺;初 圧115mm. 圧110mm. H2O,終. 常 で あつ た.眼 底 も前 回 同 様,異. ス ト(‑),腰. 椎穿. H2O,髄. 液 は正. 伸. 二. 頭 痛 を き た し,昭 和38年7月16日. 臨 床 症 状 ・神 経 学 的 所 見:入. 嘔 吐 は な か つ た.両 側 膝 蓋 腱 反 射 が 亢 進 して い る以 外 に は 神 経 学 的 所 見 は な か つ た. 臨 床 検 査 成 績:血 圧120〜70mmHg,血. つ た.な お,本 患 者 に 染 色 体 検 査 を 行 な つ たが,核. 赤 血 球470×104,血. 型46XXで. 白血 球 数5150,白. 脳 血 管 写 所 見:左 頸 動 脈 写 お よ び右 逆 行 性 椎 骨 動. 30秒,コ. 色 素 量102%,色. レス テ ロ ール125mg/dl,肝. 血 清 総 蛋 白7.4g/dl,血. 内頸 動 脈 は分 岐 部 よ り細 く,最 初 眼 動脈,後. A/G. 脈 は 両 側 と も正 常 に造 影 され て い る の に,約1年 後 の 今 回 は 閉塞 が 両 側 と もす で にC3の. 半. 部 よ り起 こ. Cu. 1.09で. り,眼 動 脈 が 充 分 に造 影 され ず 閉 塞 が 進 行性 で あ る こ とを 示 した(第1図G).. た.. 機 能 異 常 な く,. 清 蛋 白分 画 に も異 常 な く, 69γ/dl,. の 他 は 異 常 な か つ た.尿 尿 正 常,. 間 値13,. 反応(‑),脊. 素 指 数1.09,. あつ た.血 清 電 解 質 で はFe. 143γ/dlで,そ. 血 沈1時. 液 所見;. 血 球 分 類 異 常 な く,出 血 時 間2分. 脈 連 続 撮 影 を行 な つ た.前 回 の脳 血 管 写 所 見 に 比 し 交通動. 院 時,軽 度 の 言 語障. 害 お よ び 部 位 不 定 の持 続 性 の頭 痛 が あ つ た が 悪心,. 常 所見 を 認 め な か. 染 色 体 構 造 に異 常 は認 め られ な か つ た.. に 当科 へ 入 院 し. た.. 2時 間 値22,ツ. 反 応(+),ワ. 氏. 髄 液 は そ の 圧,性 状 に 異 常 が な か つ. レ線 所 見 第1図G. 症 例1. 左 頸 動 脈 写(1年. 半 後). 1). 気 脳 写:. 2回 施 行 した が,脳 室 系 に 空 気 の流. 入 が 認 め られ ず,ク. モ 膜 下 腔 は 全般 的 に や や拡 大 し. て い る. 2) ⅰ). 脳血管写 右 頸 動 脈 写:側 面 像 で は 内 頸 動 脈 は分 岐部 第2図A. 脳 波:. backgrouudに. あ る い は6cps.位 右 差 な く,前. α‑activityを. の50〜100μVの. 症 例2. 右 頸 動 脈写 側 面 像. 欠 き2〜4cps. 徐 波が主体で左. 回 の脳 波 所 見 に比 し高 振 巾徐 波 傾 向 が. 強 くな つ て い る.. 症 例2. 赤○ 良 ○. 男. 昭 和2年6月16日. 生.. 家 族 歴:特 記 す べ き も のな し.. 第2図B. 既 往 歴:特 記 す べ き も の な し. 主 訴:頭 痛. 現 病 歴:昭 和38年2月26日,仕. 事 中 誘 因 な く突 然. 後 頭 部 に 痛 みが 起 こ り,同 時 に左 足 に 運 動 不 全 麻 痺 お よ び知 覚 障害 を きた した.右 足 に も軽 い運 動 障 害 が あつ た.た だ ちに 開 業 医 を 訪 れ,髄 液 中 に 出血 を 証 明 され 入 院 した.. 1週 間 後,右. 側頭 部 か ら後 頭 部. に か け て 激 痛 を き た し,悪 心 が 持 続 し 嘔吐 も頻 回 に あ つ た が,治 療 に よ り頭 痛 お よ び嘔 吐 は そ の 後1週 間 で しだ い に お さ ま り,同 時 に 左 足 の運 動,知 害 も しだ い に 回 復 して き た.以 来,時. 覚障. 々部 位 不 定 の. 症 例2. 右 頸 動 脈写 模 式図.

(5) 脳底部 に網状異常血管像 を呈 す る本邦人症例 の研究 直 後 よ り約3cmに. わ た りや や 細 くなつ て い るが,. そ れ 以 後 は正 常 に造 影 され,サ. イ フ ォ ン部 末 端 に い. 症 例3. 中 ○ 久 ○. 既 往 歴:特. はま つ た く造 影 され ず,脳. 主 訴:コ. 網 状 血 管 像 が 認 め られ る.眼 動 脈 は正 常 で あ り,後. 倒 れ,意 識 混 濁,右 血 圧 は100〜80mmHgで. フ ォン部 ま で は 正 常 に造 影 され るが,サ. イ フ ォン部. 生.. ル サ コ フ症 候 群.. 現 病 歴:昭 和37年12月19日,仕. B).前. ⅱ ) 左 頸 動 脈 写:側 面 像 で は,内 頸 動 脈 は サ イ. 昭 和2年12年2日. 記 す べ き もの な し.. 交 通 動 脈 は ま つ た く造 影 され て い な い(第2図A, 後 像 で も同 様 の所 見 が あ る.. 男. 家 族 歴:特 記 す べ き もの な し.. た り著 明 な 狭 窄 が認 め られ る.前 お よ び 中 大 脳 動 脈 底 部 に 中等 度 に 発達 した. 315. 収 容 され,腰. 片 麻 痺,嘔. 事 中 誘 因 な く突 然 吐 を き た した.当 時. あつ た.た. だ ち に病 院 に. 椎 穿 刺 を う け,初 圧450mm. H2O,脊. 液 は 血 性 で あつ た.そ の 後 も意 識 障 害,右 片 麻 痺 は. 末 端 で狭 窄 を 認 め る.前 お よ び 中 大 脳 動 脈 は ま つ た. 持 続 した が,し. く造 影 さ れ な い で,脳 底 部 に 中 等 度 の血 管 網 を 認 め. 正 常 とな つ た.昭 和38年1月20日. る.後 交 通 動 脈 と思 われ る血 管 は か な り の太 さ に 造. 神 経麻 痺 を 併 発 した が,治 療 に よ り軽 快 した.. 影 され て い るが,後 大 脳 動 脈 に 移 行 す る あ た りで 血 管網 を一 部 形成 して い る.眼 動 脈 は か な り太 い. な お,外 頸 動 脈 の 分 枝 は左 右 と もや や 拡 張 して い る(第2図C, 第2図C. D).. 髄. だ い に回 復 し,約1月. 半後 にはほぼ. よ り右 中 枢 性 顔 面. そ の 後,逆 行 性 健 忘,記 憶 障 害,見. 当識障害が著. 明 と な り,コ ル サ コフ症 候 群 と して昭 和38年6月17 日当 科 へ 入 院 した. 臨 床 症 状 ・神 経 学 的所 見:記 憶 障害,前 頭 部 痛 が. 症 例2. 左頸 動 脈 写 側 面 像. あ るが,神. 経 学 的 に は両 側 の 視 野 狭 窄 以 外 に 異 常 を. 認 めな い. 臨 床 検 査 成 績:血 赤 血 球555×104,血 白血 球 数8800,白 ト37.5%,出 182mg/dl,肝 値10.5%以. 圧124〜60mmHg,血 色 素 量108%,色. 液 所 見; 素 指 数0.97,. 血 球 分 類 異 常 な く,ヘ マ トク リ ッ 血 時 間3分30秒,コ. レス テ ロー ル. 機 能 はBSPが30分. 値14.5%.. 外 に は異 常 な く,血 清 総 蛋 白6.2g/dl,. 血 清 蛋 白分 画 で は ア ル ブ ミ ン52.2%,α1グ 4.3%,α2グ. ロ ブ リン10.1%,β. γグ ロ ブ リン20.3%, 第2図D. 症 例2. 左頸動脈写模 式図. 45分. 常,血 沈1時 間 値1, 氏 反応(‑)で. A/G. ロ ブ リン. グ ロブ リン13.1%,. 1.09で あ つ た.尿 屎 正. 2時 間 値3,ツ. 反 応(+),ワ. あ つ た.. レ線 所 見 ⅰ ). 右 頸 動 脈 写:側. 面 像 で は,内 頸 動 脈 は サ イ. フ ォ ン部 ま で 異 常 な く,サ イ フ ォ ン部 末 端 で 狭 窄 し,脳 底 部 の 異 常 血 管 網 に 移 行 して い る.こ の血 管 網 よ り前 大 脳 動 脈 の一 部 と思 わ れ る血 管 が 派 生 して. 第3図A. ⅲ ) 右逆行性椎骨動脈写:側 面像 で,右 椎骨動 脈および脳底 動脈 には異常所見な く,後 大脳 動脈 も 正常 である.し か し右 内頸 動脈は頸動脈写所 見 と同 様で,脳 底部に軽度の血管網 を認め る.後 交通 動脈 はまつ た く造影 されず,し たがつて脳底動脈 との吻 合 もない.. 症例3. 右頸動 脈写側面像.

(6) 316. 竹. 第3図B. 症 例3. 内. 伸. 二. 第3図D. 右頸動脈写模式 図. 症 例3. 左頸動脈写前後像. い る.眼 動 脈 は か な り太 く,後 交 通 動 脈 お よ び 後 大 脳 動 脈 も 拡 張 し て い る.ま た 後 大 脳 動 脈 流 域 よ り R. spleniiを 介 して 前 大 脳 動 脈 流 域 に 血 流 を 送 つ て い る(第3図A,. B).. 前 後 像 で も同 様 の 所 見 が認 め られ る(第3図C). 第3図C. 症 例3. 素 量16.9g/dl,色. 素 指 数1.0,白. 血 球 分 類 で 好 酸 球 が6%で. 右頸動脈写前後像. 血 球 数10700,白. や や 増 加 して い る以 外 に. は 異 常 な く,ヘ マ トク リ ッ ト41.0%,出. 血 時 間3. 分,血. 沈1時 間 値4,. 2時 間 値10,. 査(‑),. RAテ. ス ト(+),ワ. 氏 反 応(‑),腰. 115mm. H2O,髄. 核 型46. XYで. long Yも. CRP検. 椎 穿 刺;初 圧. 液 は 正 常 で あ つ た.染 色 体 検 査 で は 染 色 体 構 造 に 異 常 は 認 め ら れ ず,. 認 め られ な か つ た(第10図).. 脳 血 管 写 所 見:左 頸 動 脈 写 お よび 右 逆 行 性 椎骨 動 脈 撮 影 を い ず れ も連 続 撮 影 で 行 な つ た.前 回 の脳 血 管 写 所 見 に 比 し,ま つ た く所 見 の変 化 を みず,や は り両 側 内 頸 動 脈 サ イ フ ォ ン部 末 端 の狭 窄 お よび 脳底 部 異 常血 管 網 が 認 め られ た. 脳 波 所 見: backgroundは10cps.の. α‑activity. で 左 右 差 を認 め,左 側 優 位 に 低 電 圧 の 不 規 則性 徐 波 が 存 在 し, photic drivingは ⅱ ) 左 頸 動 脈 写:右. 側 と同 様 に そ の 側 面 像 に お. 右 側 の み に あ り左側 に. は 出現 しな い.. い て,内 頸 動 脈 は サ イ フ ォン部 ま で 異 常 な く,サ イ フ ォン部 末 端 で 狭窄 し,脳 底 部 に 軽 度 の 血 管 網 を認. 症 例4. 久○佐○ 子. 女. 昭 和12年4月20日. め る.前 大 脳 動 脈 は この 血 管 網 を 介 して 不 規 則 に造. 家 族 歴:母 方 の祖 母 が 脳 卒 中 で死 亡.. 影 さ れ,そ の 分 枝 は前 大 脳 動脈 流 域 に お よ ん で い. 既 往 歴:6才. る.眼 動脈 は 正 常 な い しや や太 目で あ る.前 後 像 で. 主 訴:左 手 の しび れ 感.. も右 側 とほ ぼ 対 称 的 で あ る(第3図C, 昭 和40年9月1日,検. D).. 現 病 歴:満. 査 の 目的 で 再 入 院 す る.前. 回 当 科 を 退 院 後,症 状 次 第 に 軽 快 し,昭 和39年7月. 生.. の 時 喉 頭 ヂ フテ リー に罹 患.. 期 安 産 で 幼 児 期 に は健 康 で 他 の子供 と. 比 較 して変 つ た 点 は な か つ た.学 業 は 中位 で 短大 ま で 終 了.. よ り復 職 し簡 単 な 仕 事 を して い るが 軽 度 の 記 憶 障 害. 昭 和38年4月,朝,家. の 周 囲 の 掃 除 の 後,家 に入. が 残 つ て い る.神 経 学 的 には 前 回 と 同 様,両 側 の視. つ た と た ん に頭 痛 を きた し意 識 消 失 し倒 れ た.た だ. 野 狭 窄 以 外 に異 常 所 見 な し.. ち に 医 師 の 往 診 を う け,腰 椎 穿 刺 で 血 性 髄 液 を証明. 臨 床 検 査 成 績:血 mmHgで. 圧 前 回 と ほ ぼ 同 様 で125〜66. 正 常,血 液 所 見;赤. 血 球527×104,血. さ れ,ク モ 膜 下 出 血 と診 断 さ れ 入 院, 25日 間 の加療 色. で 軽 快 退 院 した,そ. の後 経 過 は順 調 で あ つ たが,昭.

(7) 脳底部 に網状異常血管像 を呈す る本邦人症例 の研究 和39年9月14日,双. 第4図B. 生 児 を分 娩 し,そ の 後 左 顔 面 の. 317. 症例4. 右頸動脈写模式 図. しび れ 感 と言 語 障 害 を き た した. 10月 に入 つ て か ら 左 上 下 肢 に運 動 不 全 麻 痺 を き た す よ う にな り, 10月 31日,某. 院 に入 院 し た.入 院 後 チ ト クロー ムC製 剤. の 注 射 を うけ, 12月 に入 つ て 少 しず つ 歩 け る よ うに な り, 40年2月27日. に は不 自 由 な く歩 け る よ う に な. り退 院 した.そ れ 以 来,過 労 の 時 や く しや み の後 に 左 手 の しび れ 感 を きた して い た.昭. 和40年10月2. 日当 科入 院. 臨 床症 状 ・神 経 学 的 所 見:入. 院時,神. 異 常 所 見 を認 め な い.耳 鼻 科,眼. 経学的 には. 科 的 に も異 常 は な. かつ た. 臨床 検 査 成 績:血 圧135〜75mmHg,血 赤 血球408×104,血 白血球 数7050,白. 液 所 見;. 色 素 量12.2g/dl,色. 素 指 数0.94. 血 球 分 類 で は 好 酸 球 が13%と. 加 してい る以 外 に は異 常 な く,出 血 時 間3分30秒 レス テ ロー ル125mg/dl,肝 6.29g/dl,尿 CRPテ. RAテ. 色 体検査:核 型46. XX,構. コ. 機 能 正 常,血 清 総 蛋 白. 屎 正 常,ツ 反 応(+),ワ. ス ト(‑),. 増. 氏 反 応(‑),. ス ト(‑)で. あつ た.染. 造 異 常 は 認 め られ な か つ. 介 して 後 大 脳 動 脈 に流 れ,後 交 通 動 脈 は正 常 よ り太 く造 影 され て い る.前 大 脳 動 脈 は 造 影 さ れ て い な い が,後 大 脳 動 脈 の 流 域 よ りR. spleniiを 介 して 前 大 脳 動 脈 流 域 に い た る血 流 が 認 め られ る.中 大 脳 動 脈 は異 常 血 管 網 を 介 して 造 影 さ れ て い る.や 頸 動 脈 系 と のrete. は り外. mirabileが 認 め ら れ る(第4図. C). 第4図C. 症 例4. 左 頸 動 脈 写(連. 続撮 影2秒 後). た. 脳血管 写 所 見 ⅰ ) 右 頸 動 脈 写:側 面 像 で は 内 頸 動 脈 は 正常 よ りや や細 く,サ イ フ ォン 部末 端 で 狭 窄 が み られ,そ の部 に 中等 度 の 異 常 血 管 網 が 認 め られ る.前 大 脳 動 脈 は造 影 され て い な い が,中. 大 脳 動 脈 は こ の 異常 血. 管網 を 介 して 造 影 され て い る.眼 動 脈 は 正 常 よ りや や細 い.な お,外 頸 動 脈 系 とのrete め られ る(第4図A,. mirabileが 認. B).. 前 後 像 で も同 様 の 所 見 が 認 め られ る. 脳 波 所 見: backgroundはregulation不 第4図A. 症 例4. 右頸 動 脈 写 側 面 像. 良 の10〜. 11cps.α‑activityが 比 較 的 低電 圧 に存 在 し,不 規 則 性 徐 波 を 混 ず るが 左 右 差 は な い.過 呼 吸 に よ りbuild upあ. り4〜5cps.の. 不 規則性徐波 が 右後頭 葉に優. 位 に存 在 す る.. 症 例5. 西○. 家 族 歴:父. 繁. 女. 既 往 歴:約2年. 生.. 前 に意 識 消 失 発 作 あ り.. 主 訴:意 識 消 失 発 作,右 現 病 歴:昭. 昭 和4年5月. が48才 で 脳 卒 中 で死 亡.. 和38年2月. 片麻 痺.. 主 人 の 母 を 看 病 して い る と. き銭 湯 に て意 識 不 明 とな り近 くの 病 院 へ 入 院 した.. ⅱ ) 左頸動脈写(連 続撮 影):内 頸動脈 は サ イ フ ォン部で眼動脈 を分 岐 した後で狭窄 し,そ の部 に. 当 時 血 圧 は高 くな か つ た.約1カ. やはり異常血管網 を認 め る,造 影剤 は後交通動脈を. 行 な い,. 月 して ベ ッ トの 上. に 起 き上 れ る よ うに な り2カ 月 目頃 よ り歩 行 練 習 を 3ヵ 月 目に 一 応 言 語 が はつ き り し退 院 した.

(8) 318. 竹. が 計 算 は不 能 で 誤 字 が 多 か つ た.. 内. 伸. 二. 1年 後 に は 外 見 は. 第5図B. 症 例5. 右 頸 動 脈 写 模式 図. 普 通 の 人 と 変 りな い よ う に な つ た が,頭 痛 を 時 々 き た して い た. 昭 和40年2月,自. 動 車 に 乗 つ て い て 気 分 が 悪 くな. つ た が 銭 湯 に 行 き意 識 消 失 発 作 を お こ し倒 れ,. 2月. 26日 直 ちに 入 院. 臨 床 症 状 ・神経 学 的 所 見:入 院 時 意 識 消 失,左 瞼 下 垂,左. 眼. 瞳孔 散 大,顔 面 を含 む 右 片 麻 痺 あ り, 3. 月9日 頃 よ り意 識 や や恢 復 し,そ の 後 次 第 に 軽快 し 右 顔 面 麻 痺,左 眼 瞼 下 垂 は 消 失 す る も右 片 麻 痺 と言 語 障 害 を残 す.反 射 は右 上 肢,右 膝 蓋 腱,右. アキ レ. ス腱 いず れ も微 弱 な る も病 的 反 射 は 認 めな い.眼 底 所 見 で は視 神 経 萎 縮 を 認 め る以 外 に は 異 常 を 認 め な い.な. お,全 経 過 を 通 じ て 微 熱 持 続 し,時. 前 後 の発 熱 あ り.. 症 例6. 臨 床 検 査 成 績:血 圧 正 常,血 液 所 見 で は 白血 球 数 が16900と. 増 加 して い る が そ の 他 異 常 な く,腰 椎 穿. 刺 で 初 圧130mm. H2O,終. 圧90mm. H2O,. 2cc採 取 し. 髄 液 は正 常 で あ つ た.. 井 ○昭○. 女. 昭 和3年9月19日. 生.. 家 族 歴:父 が 肺 結 核 に て死 亡. 既 往 歴: 10年 前,前. 置胎 盤 に て 婦 人 科 医 で手術 を. 受 けた 際 に言 語 障 害,右 半 身 の運 動 障害 を きた した が2〜3ヵ. 月 で 軽快 し た.ま た, 5年 前,胞 状鬼 胎. で手 術 を う け た 際 に も同 様 の右 半 身 の運 動 麻 痺を き. 脳血管写所見 ⅰ ). 造 影 さ れ る.. 々38℃. 右頸 動 脈 写:内. 頸 動脈 は 側 面 像 に お い て 分. た した が これ も2〜3ヵ. 月 で 軽 快 した.. 岐 部 よ りサ イ フ ォ ン部 ま で は まつ た く正 常 で,眼 動. 主 訴:失 語 症. 脈 お よ び後 交 通 動 脈 は正 常 に 造 影 され て い るが,後. 現 病 歴:昭 和41年4月17日,特. 別 の誘 因 な く,左. 交 通 動 脈 分 岐 後 の サ イ フ ォ ン部 末 端 で 狭 窄 が み られ. 頭 頂 部 よ り後 頭 部 に か けて 頭 痛 を き た し,眩 量 を伴. この 部 に 中 等 度 の異 常血 管 網 が み られ る.こ の血 管. な つ た.し ば ら く して,自 分 で は云 い たい ことが解. 網 よ り前 お よ び 中大 脳 動 脈 の一 部 と考 え られ る血 管 が 造 影 され て い る.後 大 脳 動脈 流 域 よ りR. を介 す る血 流 は み られ な い(第5図A,. splenii. B).. つ て い るが 言 葉 が見 つ か らず,話 す こ とが で きない で 同 僚 か ら も お か しい とい わ れ た. 5月18日,精. 臨 床 症 状 ・神 経 学 的 所 見:入 第5図A. 症 例5. 右頸 動脈写側面像. 査. の 目 的 で 当 科 へ 入 院 した. 院 時,失 語 症 を 認. め,右 側 方 注 視 に て 複 視 あ り.両 側 膝 蓋 腱 反射低下 を 認 め る が そ の 他 の 反 射 は 正 常 で あつ た.複 視 は2 月 後 の退 院 時 に は軽 快 して い た が 失 語 症 は不 変で あ つ た.眼. 科的に も近 視 以 外には異常所見を認 めな. い. 臨 床 検 査 成 績:血 赤血 球428×104,血 白血 球 数7650,白. 圧102〜55mmHg,血. 液所見;. 色 量 素9.7g/dl,色. 素指 数0.76,. 血 球 分 類 に は 異 常 を認 めな い.出. 血 時 間3分30秒,肝. 機 能 正 常,血 清 総 蛋 白7.2g/dl,. 血 清 蛋 白分 画 で は α2グ ロ ブ リン11%,γ ン28.5%と. ⅱ ) 左頸動脈写:内 頸動脈 は右 側に比 し,分 岐. く, A/G. 部以 後やや細いが眼動脈 は正常に造影 され てい る.. 間 値8,. 右側 と同様にや はりサ イフ ォン部末端で 内頸 動脈は. CRP検. 狭窄 し,脳 底部 に 中等度 の 異常 な 血管網 陰影 を認 め,前 および中大脳動脈が この異常血管網 を介 して. 圧70mm. グ ロブ リ. 軽 度 の増 加 を 認 め るの み で そ の他 異常な 0.87で. あ つ た.尿 屎 異 常 な く,血 沈1時. 2時 間値12,ツ 査(‑), H2Oで. な か つ た.. RAテ. 反 応(+),ワ. 氏 反 応(‑),. ス ト(‑),腰. 椎 穿 刺 にて初. 圧 が 低 い が そ の 他 に は 異 常を認め.

(9) 脳底部 に網 状異常血管像 を呈す る本邦人症 例の研究 脳血管写所 見. 319. 昭 和42年2月28日(前. ⅰ ) 右頸動脈写:内 頸動脈 は分岐部 以後正常 の 内腔を示 し,サ イフ ォン部末 端で も狭窄 をみず中大 脳動脈は内頸 動脈よ り直接分 岐 してい るが,前 大脳. 回 検 査 日よ り約9ヵ. 月 後). 左 右 頸 動 脈 写 を 施 行 した が,前 回 の脳 血 管 写 所 見 に 比 しま つ た く所 見 の変 化 を み ず,臨 床 症 状 に も進 行 性 増 悪 は認 め られ ず む しろ や や 軽 快 して い た.. 動脈起始部 で狭窄を示 し こ の 部 に 異常血管網 をみ る.前 大 脳動 脈は こ の 異常血管 網を介 して 造影 さ れ,前 交通動脈 を介 して左前大脳動 脈 も造影 され て いる(第6図A, 第6図A. B). 症 例6. 症 例7. 鰰. ○. 勝. 男. 昭 和17年1月19日. 生.. 家 族 歴:特 記 す べ き もの な し. 既 往 歴:特 記 す べ き も の な し.. 右 頸 動 脈写 側 面 像. 主 訴:頭. 痛.. 現 病 歴:昭. 和41年3月6日. 昼 頃,突 然 頭 痛 を き た. し頻 回 に嘔 吐 した が 意 識 は清 明 で あ つ た.. 3月8日. 昼 頃,昏 睡 状 態 とな り直 ち に近 くの病 院 に 入 院 し腰 椎 穿 刺 を う け血 性 の 髄 液 を 証 明 され た.約5日. 間で. 意 識 が 次 第 に清 明 と な つ た が よ く物 忘 れ す る状 態 が 2週 間 続 い た.. 5月27日 軽 快 退 院 .そ の 後,ク モ 膜. 下 出血 の 原 因 求 明 の た め 他 医 で 左,右 頸 動 脈 写 を う け異 常 血 管 を 発 見 され 当 科 に紹 介 され た.昭 和41年 8月8日. 入 院.. 臨 床 症 状 ・神経 学 的 所 見:入 院 時,発 作 的 に特 別 第6図B. 症 例6. 右頸動脈写模式 図. の 誘 因 な く30分 間 位 の頭 痛 を き た す こ とが 時 々 あ る 以 外 に は 自覚 症 状 な く,神 経 学 的 に も両 側 ア キ レス 腱 反射 が 低下 して い る以 外 に は 異 常 所 見 な く,眼 科 的 に も異 常 を 認 め な い. 臨 床 検 査成 績:血 圧120〜83mmHg,血 赤 血 球529×104,血 0.97,白 血 球 数9400,白 ク リ ッ ト35.5%,出 198mg/dl,肝. 液 所 見;. 色 素 量16.5g/dl,色. 血 時 間4分,コ. レ ス テ ロー ル. 機 能 異 常 な く,血 清 総 蛋 白6.7g/dl,. 血 清 蛋 白 分 画 で は ア ル ブ ミ ン58.5%,α1グ ⅱ ) 左 頸 動 脈 写:内 頸 動 脈 は分 岐 部 以 後 よ り そ の 内腔 が 細 く,眼 動 脈 分 岐 後 狭 窄 を 示 し,こ の 部 に. ン6.5%,と. や や 増 加 し,α2グ. や や 減 少 して い る. A/G. く,空 腹 時 血 糖 値104mg/dl,尿. く造 影 され な い.前 頭 部 にrets. 間 値3,. mirabileが. 認 め ら. ⅲ ) 左 逆 行 性 椎 骨 動 脈 写:左. 椎骨 動 脈,脳 底 動. 脈 の 走行 に は異 常 を 認 めず,脳 底 動 脈,後 大 脳 動 脈. 10cps.. 50μVの. CRP検. 査(‑),. RAテ. 280mm. H2O,終. 圧50mm. 清 電 解質 異常な 屎 正常,血. 沈1時. 反 応(+),ワ. 氏 反 応(‑),. ス ト(‑),腰. 椎 穿 刺;初. H2O,. 8cc採. 圧. 取 し髄 液 の性. 状 は 正 常 で あつ た. 脳血管 写所見. 流域 に は特 別 の 異 常 所見 を 認 めな か つ た. 脳 波 所 見: backgroundにasymmetryあ. 2時 間 値15,ツ. ロブ リ. ロ ブ リン5.2%と. 1.41,血. 異 常血 管網 を認 め る.前 お よ び 中大 脳 動 脈 は ま つ た. れ 外 頸動 脈 と の吻 合 が よ く発 達 して い る.. 素 指数. 血 球 分 類 異 常 な く,ヘ マ ト. り,右 は. α‑activityが 存 在 し,左. は α‑. activityに 乏 し くflat pattern . photic drivingは 右. ⅰ ) 右 頸 動 脈 写(連. 続 撮 影):内. 頸 動 脈 は分 岐 部. よ りサ イ フ ォン部 末 端 ま で は正 常 に 造 影 され,眼 動 脈 も 正常 に 造 影 され る.後 交 通 動 脈 分 岐 後 の サ イフ. 側 のみ に 存 在 す る.左 大 脳 皮 質 後 方 の や や 広 範 の 障. ォ ン部 で 内 頸 動 脈 は狭 窄 し,脳 底 部 に 異 常 血 管 網 の. 害 と お もわ れ る.. 出現 を み る.前 お よ び 中 大 脳 動 脈 は 異 常 血 管 網 を 介. な お, 5% のpatternの. CO2 10分 間 の過 呼 吸 に よ り 脳 波 上 で. して造 影 され るが,前. 変 化 は認 め られ な か つ た.. 常 の走 行 を 示 さな い(第7図A,. 大脳動脈 の走行は不規則 で正 B)..

(10) 320. 竹. 第7図A. 症 例7. 内. 伸. 二. 脱 力 感,し. 右頸動脈写 側面像. び れ 感 が あ る のみ で,神 経 学 的 に は異 常. 所 見 を 認 め な い.眼 科 的 に も近 視 を 認 め る以 外 には 眼 底,視 野 と もに 正 常 で あつ た. 臨 床 検 査 成 績:血 分30秒,尿. 圧130〜75mmHg,出. 屎 異 常 な く,血 沈1時. 血 時 間3. 間 値4, 2時 間値9. で あ つ た. 脳血 管 写 所 見 ⅰ ) 右 頸 動脈 写:や. や 不 鮮 明 で あ るが,内 頸動. 脈 は 正 常 の 内腔 を示 し 中大 脳 動 脈 ま で 正 常 に造 影 さ れ て い る が前 大 脳 動 脈 起 始部 で 閉塞 を 示 し,そ の近 傍 の 脳 底 部 に 軽 度 の異 常 血 管 網 を 認 め る.前 大 脳動 第7図B. 症 例7. 右頸動脈写 模式図. 脈 は この 異 常血 管 網 お よ び後 大 脳動 脈 よ りR. splenii を 介 して 不 規 則,不. 鮮 明 に造 影 され て い る.眼 動脈. は 正 常 で あ つ た. ⅱ ) 左 頸 動 脈 写:内 頸 動 脈 は 分 岐 部 よ りやや細 く,眼 動 脈,後. 交 通 動 脈 分 岐 直 後 で 完 全 に 閉塞 し,. 脳 底 部 に 中 等度 の 異 常 血 管 網 が 認 め られ る.前 お よ び 中 大 脳 動 脈 は ま つ た く造 影 され な い.眼 動 脈お よ び 後 交 通 動 脈 は 造 影 さ れ て い るが 一 般 に 細 い(第8 図A,. B). 第8図A. ⅱ ) 左 頸 動 脈 写:右. 症 例8. 左 頸 動脈 写 側面 像. と同様に後交通動脈分岐部. ま で は 正 常 に 造 影 され,分. 岐 部 直 後 で 狭 窄 し脳 底 部. に 異 常 血 管 網 を 認 め る.前 大 脳 動 脈 は こ の異 常 血 管 網 を 介 して 造 影 さ れ る.後 大 脳 動 脈 よ りR.. splenii. を 介 して 前 大 脳 動 脈 に 向 か う血 流 が 認 め られ る. 脳 波 所 見:. backgroundはflat. patternこ. れに. 30μV 10cps.α‑activityが 混 在.過 呼 吸 に よ る変 化 は 認 め られ な い.. 症 例8. 矢○純 ○. 女. 昭 和27年3月24日. 生.. 第8図B. 症 例8. 左 頸 動 脈写 模 式図. 家 族歴:特 記 す べ き も の な し. 既 往 歴: 11才,左 主 訴:頭. 湿 性 肋 膜 炎.. 痛.. 現 病 歴:約2年. 前 頃 よ り1月 に1〜2回. の割合で. 朝 に の み30分 〜1時 間 頭 痛 を き た す こ と が あ つ た. 頭 痛 は頭 全体 に わ た る も の で,い つ も発 熱 を 随 伴 し て い た.昭 和39年12月 頃 よ り発 熱 を 伴 な う頭 痛 が1 週 間 に1〜2回. 起 こ る よ うに な つ た.ま た,こ れ と. は関 係 な く昭 和39年10月 頃 よ り右 手 に 脱 力感 お よ び し びれ 感 を2週 間 に1〜2回. き た す よ う に な つ た.. 昭 和40 2月26日 入 院. 臨 床 症 状 ・神 経 学 的 所 見:入 院 時,右. 手に軽度 の. 脳 波 所 見:. backgroundは. 振 巾100μVに. 近い.

(11) 脳 底部 に網状 異常血管像を呈 す る本邦人症 例の研究 regulationの. 非 常 に 不 良 な10cps.α‑activityと. 則 性 徐 波 よ りな り,左 よ りbuild. up著. 右 差 は み ら れ な い.過. 明 で1分. で3〜4cps.. 図9B. 不規. 321. 症例9. 右頸動脈写模 式図. 呼吸 に. 100〜150μV. の δ波 が 出 現 し, 2分 で は 単 一 律 動 性 δ 波 と な る.. 症 例9. 古○ 洋 ○. 女. 昭 和38年7月20日. 生.. 家 族 歴:特 記 す べ き も のな し. 既 往歴:出 産 時 仮 死.生 下 時 体 重3190g. 主 訴:歩. 行 障 害.. 現 病 歴:昭. 和40年6月. 初 旬,麻. 疹 罹 患 後10日 位 し. て,発 熱 の な い 時 に 急 に足 が立 た た くな つ た が2時 間後 に は歩 行 可 能 とな つ た. 7月 中 旬,自 宅 で 歩 行. され て い る.後 交 通 動 脈 は 造 影 され て い な い(第9. 中 倒 れ,起. 図A,. こ して み る と左 手 足 を 全 然 動 か さず,力. もな くな つ て い た た め近 くの病 院へ 入 院 し たが2時. B) ⅱ ) 左 頸 動 脈 写:右. と 同様 に 内 頸 動 脈 は 分 岐 部. 間 後 に は 自然 に 歩 行 可 能 とな り,そ れ 以 後 少 し長 く. よ りサ イ フ ォ ン部 ま で は まつ た く正 常 で あ る が,サ. 歩 くと左 足 の跛 行 が あ り転 倒 しや す くな つ て き た.. イフ ォ ン部 末 端 で 狭 窄 が み られ,脳. 本学 小 児 科 よ り当 科 に 紹 介 さ る.. 眼 窩 に 著 明 な 異 常 血 管 網 が 認 め られ る.脳 底 部 の 異. 臨床 症 状 ・神 経 学 的 所 見:栄 養 状 態 や や 不 良,身 長77cm,体. 重8900g,頭. 囲46.4cmの. 経 学 的 に は膝 蓋 腱 反 射,左. 幼 児 で,神. ア キ レス 腱 反 射 が 減 弱 し. て い る以 外 に は特 記 す べ き も の を み な い.眼 底 も正 常 で あ る.. 素 指 数0.93,白. 分 類 に異 常 を 認 め ず,尿 氏 反応(‑),腰 mm且g,. 血 球 数14600,白. 色. 屎 正 常,ツ. 血球. 反 応(‑),ワ. 椎 穿 刺;初 圧250mmHg,終. 中大 脳 動 脈 は この 異 常血 管 網 を 介 して 淡 く不 鮮 明 に 造 影 さ れ て い る.眼 動脈 は 正 常 に造 影 され るが 後 交 通 動 脈 は造 影 され て い な い.. 自験 症 例 を 含 め合 計118例. 告 す る. Ⅳ. 7cc採 取 し髄 液 正 常 で あつ た.. ⅰ ). を 文 献 お よ び ア ンケ ー ト. に よ り集 め え たの で 以 下 そ の 統 計 的 観 察 に つ い て 報. 圧120. 脳血管写所見. が,サ. 常 血 管 網 は 右 に 比 し左 の 方 が 著 明 で あ る.前 お よ び. 以 上 が 自験 症 例 で あ るが,緒 言 に の べ た ご と く,. 臨床 検 査 成 績:血 液 所 見;赤 血 球401×104,血 素 量76%,色. 底 部,顔 面 部,. 1). 右 頸 動 脈 写:内 頸 動 脈 は 正 常 の 内径 を 示 す イ フ ォ ン部 で 狭 窄 が 著 明 に み られ,脳 底 部,. 顔 面 部 お よ び 眼 窩 内に まで 異 常 血 管 網 が 著 明に 認 め られ る.眼 動 脈 は 起始 部 は正 常 に造 影 さ れ るが 末 梢. 統 計 的 観 察. 性 お よ び年 令. 男47例,女71例. で 女 性 に 多 く,年 令 分 布 と して. は,初 発 年 令 で 調 べ た と ころ10才 ま で が も つ と も多 く63例 を 占 め, 15才 以 下 の 小 児 が77例. で若 年者に. 多 発 して い る(第2表).. で は この 異 常血 管 網 に 移 行 して い る.前 お よび 中大 脳 動 脈 は脳 底 部 の 異 常 血 管 網 を 介 して 不 鮮 明 に 造 影 第9図A. 症 例9. 第2表. 初発年 令分布 お よび性別. 右 頸 動 脈写 側 面 像. 男:. 47例(39.8%). 女:. 71例(60.2%). {. 15才. 以 下:. 77例(65.9%). 16才. 以 上:. 41例(34.1%). {.

(12) 322. 2). 竹. 内. 初発症状. 二. ん 発 作 で16例,頭. 本 症 の 初 発 症 状 と して は,小 児 に み られ る もの と 成 人 に み られ る もの と で は か な り相 異 して い る こ と に 気 づ い た の で,初. 伸. 発年 令 が15才. 以 下 の もの と,. 痛14例. が み られ,次 い で 言 語 障. 害,不 随 意 運 動,知 能 低 下,眼 症 状 とな つ て い る. 16才 以 上 の群 で は クモ膜 下 出 血 が41例 中20例 で最 も多 く,次 い で 運 動 麻 痺,頭. 痛 とな つ て い る.痙 れ. 16才 以 上 の2群 に大 別 して 観 察 し た(第3表,第4. ん 発 作 は15才 以 下 の 例 に よ くみ られ るが16才 以上 の. 表).. 成 人 例 で は僅 か に3例,そ 第3表 (初 発 年 令 が15才. 初 発. の 中2例 が12才. で あ り,. 比 較 的 年 長 者 に み られ た に す ぎ な い こ とは 注 目すべ. 症 状. き で あ る.. 以 下 の もの, 77例). 3). 主要症状. 初 発 症 状 と 同 様 の 傾 向を 有 し, 15才 以 下 で は運 動 麻 痺 が 最 も 多 く,次 い で 言語 障 害,眼 症状,痙 れ ん 第5表 (初 発 年 令 が15才. 第4表 (初 発 年 令 が16才. 初 発. 主. 要 症 状. 以 下 の も の, 77例). 症 状. 以 上 の もの, 41例). 第6表 (初 発 年 令 が16才. 15才 以 下 で は 運 動 麻 痺 が 最 も多 く77例 中59例. を. 占 めて い る.こ れ らの 運 動 麻 痺 は比 較 的 急 激 に 起 こ り,速 や か に軽 快 し,ま た 再 発 しや す い とい う傾 向 を 示 す こ と が多 く,片 麻 痺 が 半 数 以 上 を 占 め,次 い で 単 麻 痺 が 多 い が,麻 痺 の 起 る側 が 移 動 す る こ と も しば しば み られ る.運 動 麻 痺 に 次 い で 多 い の は 痙 れ. 主. 要 症. 状. 以 上 の も の, 41例).

(13) 脳 底部 に網 状異常血管像を呈 す る本邦人症 例の研究 発 作,頭 痛 とな つ て い る の に対 し, 16才 以 上 で は ク モ膜 下 出血,運 動 麻 痺,頭. 痛 の 順 に な つ て い る.興. 6). 323. 脳血管写 所見. 本症 の 診 断 に は,脳 血 管 写 所 見 が もつ と も重 要 で. 味 あ る こ と は, 15才 以 下 で は 視 力 障 害 や眼震 な どの. あ る こ と はい うま で もな い.. 眼症 状 が15例 にみ られ る の に 対 し,成 人 例 で は 視 野. 施 行 例 は95例 で,こ の う ち両 側 と も内 頸 動 脈 サ イ フ. 狭 窄 が1例. に み ら れ た に す ぎな い こ とで あ る.な. 118例 中 両 側 頸 動 脈 写. ォ ン部 閉 塞 お よ び脳 底 部 異 常 血 管 網 の 認 め られ た も. お,意 識 障 害 の項 に算 入 した 症 例 数 に は痙 れ ん 発 作. の,す な わ ち確 実 に本 症 と診 断 さ れ る もの は71例 あ. や クモ膜 下 出血 に伴 な う 意 識 障 害 は除 外 し て あ る. る.サ. (第5, 4). なわ ち眼動脈 お. よ び 後 交 通 動 脈 分 岐 部 以 後 に お こ る もの で あ る が,. 6表). 予. イ フ ォ ン部 狭 窄 は通 常C1す. 後. 症 例 中 に は これ よ りや や 中 枢 側 で,す. な わ ちC1〜C4. 本症 の経 過 と して は,軽 い 症 状 を 繰 り返 す 例 が 多. の 間 で す で に 狭 窄 が お こ り後 交 通 動 脈 や 眼 動 脈 が 充. いの で,軽 快 ・不 変 ・再 発 とい う よ うな項 目を 一 括. 分 造 影 され な い も の も少 数 例 認 め られ た.一 側 にサ. した とこ ろ,こ れ が 最 も多 い.興 味 あ る こ と は, 15. イ フ ォ ン部 閉 塞 お よ び 脳 底 部 異 常血 管 網 が 認 め ら. 才 以下 の例 に おい て 進 行 性 増 悪 例 や 死 亡 例 を み た こ. れ,対 側 で は 血 管 写 が 不 鮮 明で あ つ た り,撮 影 の タ. とで あ る(第7表).こ 第7表. れ ら は ほ と ん ど が15才 予. (初 発 年 令 が15才. 以下. 後 以 下 の もの). イ ミ ン グが ず れ た り して い て 確 認 しが た い が,だ. い. た い 本 症 と考 え て よ い 所 見 を 呈 して い る もの の 例 が 13例 あ り,対 側 に あ ま り変 化 の な い もの が8例,両 側 と も血 管 写 が 不鮮 明 で あつ た り,タ イ ミン グが ず れ た り して い るが だ い た い 本 症 と考 え て よ い所 見 を 呈 して い る もの が3例. あつ た.. 一 側 の み しか 頸 動 脈 写 を行 な つ て い な い が ,内 頸 動 脈 サ イフ ォ ン部 閉 塞 お よ び脳 底 部 異 常 血 管 網 の 記 載 の あ つ た もの は23例 で,こ の 大 部 分 の 例 は 臨 床 症 状 よ りみ て対 側 に も所 見 が あ る と考 え られ る もの で (初 発 年 令 が16才. 以 上 の も の). あ つ た(第8表).. 第8表. 脳血管写所 見. の例 で あつ た.こ の よ う な点 や,上 述 の症 状 の 相 異 な どか ら,本 症 は小 児 に み られ る もの と成 人 に み ら れ る もの と を 区別 すべ き で あ ろ う と思 う.な お,後 述 の剖検 例 の うち,安 藤 例,森 安 例 お よ び 鈴 木 例 は 詳 細 な 臨 床 症状,血 管 写 所 見 が え られ な か つ た の で 本 統 計 よ り除外 して い る. 5). 脳 波所 見. 自家症 例 や諸 報 告25)39)の脳 波 所 見 を 総 括 す る と次. OK:サ OK?:血. イ フ ォ ン部 閉 塞+異 常 血 管 網. 管 写 不 鮮 明 な る も本 症 と考 え られ る もの.. Ⅴ. 総括 ならび に考按. の よ うに 考 えて よ い と思 わ れ る.す な わ ち,一 般 に 安 静時 で は 正 常脳 波 を 呈 す る場 合 も あ るが,す で に. 脳血管写上,両 側性に 内頸動 脈サ イフ ォン部末端. 徐 波傾 向 の み られ る場 合 もあ る.か な り特 異 的 な こ. (C1)の 狭窄ない し閉塞 があ り,脳 底部 に両 側性 に. とは,過 呼 吸 に よ り,全 般 的 に 著 明 に徐 波 化 す る こ. 異常な網状血 管像を示 す症 例につ いて は,最 初 は各. とで あつ て,し か も過 呼 吸 を 中 止 して も徐 波 傾 向 が. ク リニ ックで経験 する症 例 も少な く,ま た剖検例 も. 正 常 化 な い し過 呼 吸前 の 状 態 に な か な か 戻 らな い こ. な かつたので,脳 血管 写所見を見て もその病変 の本. とで あ る.こ の よ うな 所 見 は,や は り脳 血 行 不 全 が. 態が不 明のま ま各人 が種 々の解釈 を行ない,種 々の. 存 在 す る ことを 示 唆 して い る.し か し,脳 波 の み で. 名称 で報告 して いた.. はそ の 診 断 的意 義 は少 い と思 わ れ る.. 本症 に関す るこれ迄 の主な学会 ・文献発表 をみ る.

(14) 324. 竹. 内. 伸. 二. と, 1959年 佐 野 は 「脳 の 動脈 瘤 と動 静 脈 瘤 」 と題 す. 例 は,成 人,そ れ も比 較 的高 令 者 に多 く,そ の原 因は. る東 京 医 学 会 に お け る講 演 で,脳. 動 脈 硬 化,ア. 底部 に み られ る. telapgiectasiaと い う意 味 でcerebral juxtabasal telan giectasiaと い う名 称 で 本 症 の1例 に つ い て 述 べ て い る70).そ の後1961年 竹 内81)は内頸 動 脈 閉 塞 症 と い う. テ ロ ー ム に よ る もの が 大部 分 で あ り,. 若 年 者 の 内 頸 動 脈 閉塞 症 の 報 告 は比 較 的少 ない86)95) 99). これ に 反 して,本. 邦 の 内頸 動 脈 閉塞 症 は 欧米 のそ. 報 告 の 中 に本 症 の1例 を あ げ,脳 底 部 異 常 血 管 網 は. れ と比 較 す る と若 年 者 に多 い 特 徴 が あ り,し か もそ. 側 副 路 新 生 と考 え て 記 載 して い る.同 年 野 村61)は脳. の原 因 は 動 脈 硬 化,ア. 血 管 異 常 と して 報 告 し,更 に1963年 黒 丸 ら44)が少 数. く,原 因 下 明 の特 発性 内頸 動 脈 閉塞 症 と して 報告 さ. 例 を 報 告 して い る.工 藤 は ウ イ リス 動 脈 輸 の 閉塞 な. れ て い る場 合 が 多 い よ うで あ る81)82).ま た,そ の閉. い し血 流 不 全 が あ つ て は じ めて 異 常 血 管 網 を生 ず る. 塞 部 位 に つ い て も,工 藤 は諸 家 の報 告 に 自験 例を加. とい う考 え か ら,最 初 は ウ イ リス 動 脈 輪 不 全 症38),. えて 本 邦 の 内頸 動 脈 閉 塞 症 につ いて 検 討 を 加 え,サ. テ ロー ム に よ る も の は 少 な. つ い で 若 年 性 ウ イ リス動 脈 輪 閉塞 症 とい う名 称 を 用. イ フ ォ ン部 の閉 塞 が 欧 米 例 に比 し多 い こ とを 指摘 し. い て い る39)42).森 安 ら49)56)は脳 血 管 奇 形 と考 え,鈴. て い る39).. 木 ら75)76)は本 症 に 頭 部 ・頸 部 の 炎 症 性 疾 患 が 既 往. 著 者 の 問 題 と す る症 例 は,脳 血 管 写 上,両 側 内頸. に み られ る こ と か ら,炎 症 性 血 管 閉 塞 に よ る 側 副 路. 動 脈 サ イ フ ォ ン部 末 端(C1)部. 新 生 が主 体 で あ る と い う説 を とつ て い る. 1964年 西. あ り,さ ら に そ の 近 傍 の脳 底 部 に両 側性 に モヤ モヤ,. 本 は そ れ ま で い ろ い ろ な 名 称 で 報 告 さ れ て い る もの. チ リチ リ した異 常 な 網 様 血 管 像 を 認 め る もので,こ. の 中 か ら本 症 と考 え られ る も のを 集 め,自 験 症 例2. の よ うな 症 例 に つ い て は現 在 ま で の 数 多 い 内頸動脈. 例 を 含 め た19例 につ い て統 計 的 観 察 を行 な い,本 症. 閉塞 症 に 関 す る外 国 文 献 中 に は ほ とん ど報 告 が な く,. を 恐 ら く本 邦 特 有 の 独 立 疾 患 で あ ろ う と予 想 し,脳. ただ 僅 か にWeidnerが. 底 部 内頸 動 脈 血 管 腫 様 奇 形 と呼 び 諸 家 の注 意 を 喚 起. 1例94)とLeedsら. した57)58).そ の 後 症 例 の 報 告 も次 第 に 多 くな り1966. び9才 の 日系 女児 の2例44)を. 年 第25回 日本脳 神 経 外 科 学 会 で は特 別 討 議 に と りあ. 本 邦 人 に 特 有 な もの で は な い か と思 われ る ものであ. げ られ る に い た つ た. と こ ろで,欧. に狭 窄 な い し閉塞 が. 報 告 し た31才 の 日系女性 の の報 告 し た12才 の 日系男 児 およ み る にす ぎず,恐 ら く. る.し か も これ ら の症 例 は15才 以 下 の小 児 例が118. 米 で は 内 頸 動 脈 閉 塞 症 の 報 告 は脳 血. 例 中77例. を 占 め る と い うよ う に 若 年 者 に圧 倒 的に. 管 写 の普 及 に伴 な い,か な り数多 くな さ れ て き て い. 多 発 す る点,閉. るが18)21)26)33)46)54)81),両 側 内 頸 動 脈 閉塞 症 の 症 例 の. 症 と は異 な り,内 外 頸 動 脈 分 岐 部 に は認 め られ ず,. 報 告 は少 な く,欧 米 の 文 献 で もFisherの16例22),. ほ と ん ど が 両 側 サ イ フ ォン部 で あ る点,ま た,従 来. Fieldsの16例20)そ. 報 告 さ れ て い る サ イ フ ォン部 の閉 塞 は片 側 性で もか. の 他Batley6), Clark12), Doniger15),. 塞 部 位 も動 脈 硬 化 性 の 内頸 動脈 閉塞. Yashon103)ら が 報 告 して い る程 度 で あ り,し か も 年. な り重 篤 な 神 経 症 状 を 呈 す る もの で あ るが,本 症で. 令 は50〜60才 が 最 も多 く若 年 者 の 症 例 は ま れ で あ る.. は 閉 塞 が両 側 性 に み られ る に もか か わ らず,そ の臨. 一 方 ,本 邦 で も両 側 内頸 動 脈 閉 塞 症 と して 報 告 さ. 床 症 状 は一 過 性 で 軽 度 の もの が ほ と ん どで あ ること,. れ て い る も の は 数 少 な い が83)88),本 邦 例 で は 欧 米 の. さ らに 内 頸 動 脈 閉 塞 症 にみ られ る側 副 路 と本症 のそ. 報 告 例 に く らべ て い ち じ る し く年 令 が 若 く,内 頸 動. れ と で は 後 述 の ご と くか な りの 相 異 が あ る点 な ど,. 脈 分 岐 部 よ り もむ し ろ サ イ フ ォ ン部 閉塞 例 が 多 い こ. 従 来 よ り云 われ て い る 内頸 動 脈 閉 塞 症 とは 明 らかに. とが 特 徴 的 で あ る.. 区 別 して 考 え る べ き疾 患 で あ る と考 え る.. 一 般 に 内頸 動 脈 閉 塞 症 の原 因 と し ては,動 脈 硬 化, ア テ ロー ム,頸 椎 症(環 椎 横 突 起 の 圧 迫)11),外 傷. 以 下,順 1). を追 つ て 検 討 を 加 え て み たい.. 家 族 歴 お よ び 既 往 歴:自 験 症 例9例 中には2. に よ る血 管 壁 の 損 傷9),急 性 お よ び 慢 性 炎 症 に よ る. 例 に脳 卒 中 の家 族 歴 を有 す る も の が あ るが,そ の他. 血 管 炎71),剥 離 性 動 脈 瘤,栓. に は 特 記 す べ き もの は な い.ま. 塞,脳 動 脈 か らの 逆 行. た,症 例4の28才 女. 性 血 栓,赤 血 球 増 多 症,血 管 の 捻 曲 な ど が 重 要 な 因. 性 に 既 往 に 喉頭 ヂ フ テ リー(6才. 子 と して 挙 げ られ て い る.更. に は 既 往 歴 に も特 記 す べ き もの は な い.. 原 因 不 明 の 内頸 動 脈 閉 塞 は. に,動 脈 硬 化 症 以 外 の 特 発性 内 頸 動 脈 閉 塞 症. と従 来 か ら呼 ば れ て い る. と ころ で,欧 米 に報 告 され て い る 内頸 動 脈 閉 塞 症. 時)を 認 め る以外. 一 方 ,全 国 統 計 で家 族 歴 で 注 目す べ き ことは118 例 中4組(8例)に. 同 胞 症 例 が 認 め られ た ことであ. る.こ れ は 全 症 例 の約6.8%に. 相 当 し見過 ごせない.

(15) 脳 底部 に網状 異常血管像を呈 す る本 邦人症 例の研 究 第9表. 同. 胞 症. 例. 325. 10才 ま で が63例 を 占 め, 15才 以 下 の小 児 例 が77例 (65.3%)で. 小 児 に 多 発 して い る.. と こ ろで,小. 児 の 内頸 動 脈 閉塞 の 症 例 を 外 国 文. 献 で み て み る と, Wellsら95)は77例. の50才 以 下 の. 内 頸 動 脈 閉 塞 症 例 中, 10才 以 下 の3例 Wisoffら99)は11才. (年令は初発年令を示 す). お よ び3才. を 報 告 し,. の 内頸 動 脈 閉 塞 症. の2自 験 例 を 報 告 し,更 に 文 献 よ り15才 事実 で あ る と考 え る(第9表).こ. の こ と は 本症 の. 成 因 と して 何 か先 天 的 因 子 が 関 与 して い るの で は な い か と い う こ とを 示 唆 して い る と考 え る.ま た,欧. 頸 動 脈 閉 塞 症22例. を 集 め,計24例. 以下 の 内. に つ い て 述 べ,. Fisher22)も ま た 自験 例1例 を 含 む15才 以 下 の16症 例 を集 め 報 告 して い る.そ の 他, Shillito71)は小 児338. 米 の文 献 に報 告 され て い る本 症 の3例 は,前 述 の ご. 例 に脳 血 管 写 を 行 な い, 12才 以 下 の 内頸 動脈 閉 塞 症. と く1例 はWeidner94)の. 14例 を 報 告 し, Brandtら10)は. 在 住 の 日系 女 性,他. 報 告 せ る31才 の ア メ リカ. の2例 はLeeds44)ら. の報告せ る. 12才 の ア メ リカ在 住 の 日系 男 児 お よ び9才 の ア メ リ カ在 住 の 日系 女 児(本. 例 は 工 藤 の報 告 せ る症 例539). 後 天 性 片 麻 痺24症 例. 中2例 を 報 告 し, Elvidgeら18)も. 報 告 して い る.し. か し,乳 幼 児 期 や小 児 期 に両 側 性 内頸 動 脈 閉 塞 を示 す もの は きわ め て ま れ で,欧 米 で はClarkら13)に. と同一 例 と思 われ る)で あ るが,こ れ ら3症 例 に共. よ る生 後1時 間 半 で死 亡 し た女 児 の報 告 を み る の み. 通 な因 子 は 日本 人 の 祖 先 を もつ て い る とい う こ とで. で,そ の 他 の 両 側 性 内 頸 動 脈 閉 塞 症 例 は 大 部 分 が50. あ る.現 在,欧 米 文 献 に これ ら3症 例 以 外 に本 症 と. 才 以 上 の高 令 者 で,動 脈 硬 化 性 病 変 が そ の原 因 で あ. 思 われ る症 例 の報 告 を み な い こと,本 邦 に お い て は. る と考 え られ る.こ の よ う に,欧 米 で 従 来 い わ れ て. 多少の地域 差 は あ る け れ ど も全 国 各 ク リニ ックで 発. い る 内頸 動 脈 閉 塞 症 と著 者 の問 題 とす る症 例 と は 初. 見 されてい る こ と を 考慮 す る と,本 症 は 恐 ら く本 邦 人特有 の疾 患 で あ り,し か も そ の発 生 には 日本 と い う風 土,気 候 な ど の 環 境 の因 子 よ り も何 か 民 族 性 因 子が 重要 な 役 割 を な して い る の で は な い か と い う印 象 を与 え るの で あ る. 中7例 に 既 往 にか な り頻. 発 す る口蓋 扁 桃 腺 炎 を 有 して お り,ま た1例. は全 治. に1年 を 要 した 後 頭 部 痴, 1例 は結 核 性 髄 膜 炎 に 罹 患 して い た と述 べ,頸 部 よ り頭 部 に か けて の炎 症 が あ る ことを 強 調 して い るが,む. しろ そ の よ う な既 往. 歴 を有 す る症 例 の 報 告 の方 が 少 な い よ うで あ る . お よび 年 令:こ. が 著 明で な い とす る も の70)もあ るが,症 例 数 が少 な い た め に性 差 につ いて は述 べ て い な い も の が大 部 分 で あ る.自 験 症 例 で は9例 中,男3例,女6例 性 に 多発 して い る.著 者 の集 め た全 国 症 例118例. で女 に. .8%),女71例(60.2%). で 女 性 に多 発 す る傾 向を 認 め る が 極 端 に女 性 に多 発 す る とは い えな い.こ. 3). 症 状:本 症 に み られ る症 状 は 多 種 多 様 で あ る. が, 118例 を 集 計 して 検 討 して み る と次 の ご と き興 な わ ち,小 児 に み られ る. 症 状 と成 人 の そ れ とで は か な り相 異 して いて,小 児 で は初 発 症 状,主. 要 症 状 と も運 動 麻 痺 が も つ と も多. く,次 い で痙 攣 発 作,頭 痛,言. 語 障 害.眼 症 状 な ど. とな つ て い る が,こ れ ら の運 動 麻 痺 は軽 度 で 一 過 性 の も の が 多 く,多. くは反 復 性 で麻 痺 側 の移 動 を み る. こ と も あ る.こ の よ う に比 較 的 急 激 に発 病 し,速 や. れま で の 少数例 の 報告 で. は,女 性 に多 発 して い る とい う もの39)59)76)80),性差. つ い てみ て も男47例(39. は 圧 倒 的 に乳 幼児 期 あ る い は小 児 期 に初 発 して い る.. 味 あ る結 果 が え られ た.す. 鈴木 ら76)は本 症 例10例. 2)性. 発 年 令 の 点 で も明 らか に差 異 を 示 し,著 者 の症 例 で. の よ う に,若 年 の女 性 に 多 発. か に軽 快 し,ま た 再 発 しや す い とい う傾 向 を 示 す 症 状 に は前 述 の 運 動 麻 痺 の 他 に痙 攣 発 作,頭. 痛,意 識. 障 害 な ど が あ り,こ れ らは一 過 性 に脳 の 乏 血 状 態 を 生 じ症 状 の 発 現 を み る も の と考 え られ る.一 方,知 能 低 下,視. 野 異 常 な ど の 眼 症 状,失 語 症,不. 随意運. 動 な ど は 軽 快 す る こと が 少 な く,固 定 症 状 と考 え ら れ る. 16才 以 上 の 成 人 例 で は クモ 膜 下 出 血 が もつ と も多 く,次 い で 運 動 麻 痺 とな つ て い る.成 人 に多 くみ ら. す る傾 向 を有 す る とい う こと は本 邦 に多 発 す る脈 な. れ る この クモ 膜 下 出 血 が 小 児 例 で は3例. し病,高 安 病 と同 じ傾 向 を示 し興 味 が あ る 点 で あ. れ ず,し か も そ の う ち2例 は12才 とい う比 較 的 年 長. る. 初 発年 令 で調 べ た と こ ろ,自 験 例 で は15才 以 下 の 小 児 例 が3例 で,成 人 例 の方 が 多 い が 全 国 統 計 で は. に しか み ら. 者 に み られ た と い う こ と は興 味 あ る こ とで あ る.ま た,逆. に主 要 症 状 で 小 児 例 で は 視 力 障 害,眼震. など. の 眠 症 状 が15例 み られ た の に対 し,成 人 で は 視 野 狭.

(16) 326. 竹. 窄 が1例. 内. に み られ た に す ぎな い こ と も興 味 あ る こ と. で あ る.. 伸. 二. 麻 痺 の症 例 中 に は 脳 血 管 写 を 施 行 す れ ば,脳 動脈 病 変 に原 因 が あ る症 例 が 数 多 く存 在 す るの で は ないか. 症 状 発 現 の様 相 もま ち ま ちで あ る.反 復 性 の運 動 麻痺 は小 児 で は 啼 泣 時,成 人 で は過 激 な 運 動 の後, 過 労 時,出 産 時,手. と思 わ れ る. 4). 検 査 成 績:自 験 例 に お け る検 査 成 績 を まとめ. 術 時 な ど に発 現 しや す く,や は. ると 第10表 の ご と くで あ る.血 圧 が 年 令 に比 しや や. り これ らの 誘 因 に よ り脳 に一 過 性 の 乏 血 状 態 を 生 じ. 高 い 値 を 示 す も の が 多 い と い う 報告 が あ るが40)76),. た結 果 発 症 す る もの と思 わ れ る.成 人 に 多 くみ られ. 自験 例 で は12才. る クモ 膜 下 出血 は あ る程 度 の 年 令 に な つ て か ら発 症. や 高 い 値 を 示 した の み で そ の他 の症 例 は正 常 の血圧. す る もの で あ るが,多. を 示 して い る.赤 血 球 数 が500万. くの 例 で は発 病 ま で 全 く正 常. の 女児1例. に130〜75mmHgと. や. 以上 の症 例 が2例. 人 と変 りな く発 育 して い た もの が 突 然,頭 痛,意 識. あ る が,特 に 赤 血 球 増 多 症 とい え る もので はな く,. 障害,嘔. 本 症 と直 接 関 係 して い る とは 考 え られ な い.ヘ マ ト. 吐 な どを 伴 な つ て 発 病 す る場 合 が 多 く,脳. 動 脈 瘤,動. 静 脈 奇形 の 発病 状 態 に類 似 して い る.. と ころ で,こ. れ ま で の 内頸 動 脈 閉 塞 症 に 関 す る多. くの文 献 で は,た. と え 閉塞 が一 側 性 に 生 じた 場 合 で. ク リ ッ ト値 も これ ら2例 に つ い て みて も,両 者 と も 正 常 値 よ りや や 低 い値 を示 し この こ と か ら も赤血球 増 多 症 は否 定 きで る.出 血 時 間,血 清 コ レス テ ロー. も症 状 は 重 篤 で 半 身 麻 痺 な どの 神 経 症 状 を 惹 起 し,. ル,血 清 蛋 白 量 は 正 常 範 囲 内 に あ り,肝 機能,髄 液. 本 症 に み られ るよ うな 軽 度 の一 過 性 の麻 痺 程 度 で は. 諸 検 査 に も と くに と り あ げ る べ き変 化 を 示 した もの. す ん で い な い66)69)99).この よ うな こと か ら も著 者 は. は な い.ま. た,血 沈 も極 端 に高 値 を 示 す も の は な. 本 症 の症 状 発 現 は 後 天 性 に生 じた 内 頸 動 脈 閉塞 に よ. く,最 高2時. る と は考 え が た く,む しろ 先 天 的 に 内頸 動 脈 系 に 形. く,ツ 反 応 は 陽性 の も のが 多 い が,ツ 反 応 が 明 らか. 成 不 全 が あ り,幼 小 児 期 に は異 常 血 管 網 を 介 す る血. に 陰性 の 時 期 に発 病 して い る も の が 多 い と い う報告. 流 に よ り脳 循 環 が 代 償 さ れて い るが,上 述 の種 々 の. もあ る40).リ ウマ チ反 応 は1例. 誘 因 に よ り脳 の 乏 血 を 生 じ一 過 性 の 軽 度 の 運 動 麻 痺. 陰 性 の もの が 大 部 分 で あ る.以 上 の よ うに特 に特 記. を 生 じ た り,ま た,年 令 と と も に脳 も発 育 し脳 の 酸. すべ き所見を示す ものは殆 んどないとい える.. 素 需 要 量 が 高 ま り,脳 循 環 の 代 償 不 全 が お こ つ た. 5). 脳 波:前. 間値48で. あ る.梅 毒 反 応 陽 性 の 例な. にRA(+)で. あ るが. 述 の ご と く,診 断 的意 義 は少 な い. り,全 身 血 圧 の上 昇 と と も に次 第 に 脆 弱 化 し た血 管. が,特 異 な こ と は過 呼 吸 に よ り全 般 的 に著 明 に徐波. が破 綻 し,ク 膜 下 出血 を 生 ず る と考 え るの が 妥 当 で. 化 す る こ とで,し. あ る と 考 え る.こ の よ うに 考 え る と小 児 例 で は運 動. が な か な か 正 常 化 な い し過 呼 吸 前 の状 態 に戻 らな い. 麻 痺 が 多 く,ク モ 膜 下 出血 の 少 な い 理 由 もあ る程 度. こ とで あ り,や は り脳 血 行 不 全 が 存 在 す る こ とを示. 説 明 さ れ る と考 え る.. 唆 して い る.著 者 は1例. さて,生. 来 健 康 な小 児 が,突 然 片 麻 痺 を き た し,. 時 に痙 れ ん 発 作,高 熱 を 伴 な う 症 例 の あ る こ と は 1884年Strumpellがpolicencephalitis 報 告 して 以 来,外. acuteの 名 で. 数 の 研 究 者 に よ つ て 注 目 され て き. た が,こ の 中で も特 にFordら23)の"Acute. infantile. か も過 呼 吸 を 中止 して もそ の徐波. に5%. CO2に. よ り過 呼吸. を 行 な い記 録 した が 著 変 は 認 め られ な か つ た. 6). 予 後:本. 症 の 経 過 と して は,た と えば軽 い片. 麻 痺 が お こ り,速 や か に 治 癒 し,さ らに それ が再発 した り,あ る い は こ の よ うな 片 麻 痺 が 反 対 側 にお こ る とい つ た よ うに 軽 い症 状 を くり返 す 例 が 大部 分で. hemiplegia of obscure origin"が 有 名 で あ り, 1961. あ り,進 行 性 増 悪 を 示 す 例 や 死 亡 例 は き わめて まれ. 年 に はGlevedonで. で あ る.自 験 例 で も進 行 性 増 悪 を 示 した8才 女 児の. シ ンポ ジ ウ ムが 開 か れ て い る7).. この小 児 の 急 性 片 麻 痺 の 本 態 は 大 部 分 が 不 明 で あ. 1例 以 外 はす べ て 軽 快 あ るい は 不 変 の症 例 で死亡 例. り, Clevedonの シ ンポ ジ ウ ムで は可 能 性 の あ る原 因. は 経験 して い な い.全 国 集 計 で も118例. 27が あ げ られ,そ. の 他 の 研 究 者 に よ つ て も原 因 に 関. 中死亡 例は. 5例 で あ り,こ の う ち1例 は頭 部 外 傷 に よ り死 亡 し. す る報 告 が な され て い る9)16).本 邦 で は原 因不 明 の. た もの で あ り,こ れ を 除 くと4例(3.4%)と. 急 性 小 児 片 麻 痺 例 に脳 血 管 写 を 行 な つ て 著 者 の問 題. 予 後 の 良 好 な もの と い え る.し か も興 味 あ る こと. なり. と す る症 例 に 特 有 な 脳 血 管 写 像 を認 め る急 性 反 復 性. は,進 行 性 増 悪 を 示 す 例 や 死 亡 例 は成 人で は僅 か1. 一 過 性 小 児片 麻 痺 の 症 例 が 報告 され て い る が25)63)79) ,. 例40)しか 認 め られ ず,そ. 欧 米 の 文 献 中 に は,著 者 が 調 査 し た と ころ で は こ の. り しか もそ の ほ と ん どが10才 以 下 の例 で あつ た.. よ うな 報 告 は み られ な い.本. 邦の急性小児一過 性片. の 他 の 例 は全 て 小 児例 であ. 欧 米 で の脳 動 脈 閉塞 に 関 す る諸 家 の 報 告 を み る.

(17) 脳底部 に網状異常血管像 を呈す る本 邦人 症例 の研 究 第10表. 自. 験9症. 例. 検. 査. 所. 見(そ. の1). 第10表. 自. 験9症. 例. 検. 査. 所. 見(そ. の2). 327.

(18) 328. 竹. 伸. 二. の10年. が形 成 さ れ る と述 べ て い る.本 症 の 脳 血 管 写 所 見 と. の 統 計 で,最 初 の 発 作 で21%. この 胎 児 脳 血 管 形成 進 展 の過 程 を 比 較 して み る と胎. と, Robinsonら69)は1947年 間 の脳 血 栓症1018例. 内. よ り1956年. が 致 命 的 で あ つ た と述 べ, Pincock66)は 脳 血 栓 症 で. 児 長11〜14mmの. 13.7%が. よ く似 て い る.す な わ ち,こ の時 期 で は 前 後脈 絡 叢. 致 命 的 で あつ た と述 べ,ま たWisoffら99). も小 児 例29例. 中8例 が 死 亡 し た と 述 べ て い る.他. 方, Berlinら8)は40才. 以 下 の13例 中,死 亡 例 は1. 例 の みで あ つ た と述 べ, Wellsら95)も50才. 以下 の. 脳 血 管 形 成 時 期 の 状 態 と非 常 に. 動 脈 と 椎 骨 脳 底 動 脈 が す で に形 成 さ れ,中 大脳 動 脈 は叢 状 で あ り,前 大 脳 動脈 は い ま だ形 成 さ れて い な い 状 態 に あ り,類 似 して い る点 が 多 い.こ の よ うに. 77例 中,死 亡 した の は24才 の女 性 で左 前 お よ び 中大. 本 症 に み られ る脳 底 部 の特 異 な 網 状 血 管 像 は胎 生期. 脳 動 脈 に血 栓 の認 め られ た1例. の み で あ り,若 年 者. 脳 血 管 形 成 過程 で 何 らか の 異 常 に よ り お こ り う る こ. の 場 合 は 予 後 が 良 い こと を 示 唆 して い る.こ れ ら の. とを 示 唆 す る が,本 症 の異 常 血 管 網 はす べ て 動脈 相. 欧 米 文 献 に み られ る症 例 は 前 述 の ご と く,大 部 分 が 一 側 内 頸 動 脈 あ る い は一 側 の 脳 主 幹 動 脈 の 閉 塞 で あ. で 造 影 され 動 静 脈 瘻 が 認 め られ な い こ とに よ りいわ. る に もか か わ らず 比 較 的 重 篤 な 予 後 を 示 す もの で あ. ゆ る動 静 脈 奇形 とは 異 る も の で あ る と考 え られ る. 本 症 の 閉 塞 部 位 は 大 部 分 が後 交 通 動脈 分 岐後 のサ. る が,本 邦 症 例 で は 内頸 動 脈 が 後 ・中 ・前 大 脳 動 脈. イ フ ォ ン部 末 端 で あ るが,少. 数 例 に 眼 動脈 や後 交 通. を分 岐 す る部 を 含 ん で 閉塞 し,し か も ほ と ん どの 症. 動 脈 が 充 分 に造 影 さ れ ず,そ. の あ た りか らす で にサ. 例 が両 側性 に 閉 塞 を 認 め る の で あ るが 神 経 症 状 が 軽. イ フ ォ ン部 の狭 窄 な い し閉 塞 が認 め られ る症 例 が あ. 度 で あ る とい う こ と,ま た 予 後 も良 好 な もの が 大部. つ た.い ず れ に して も本 症 の閉 塞 部 位 は す べて 頭蓋. 分 で あ り死 亡 例 は高 令 者 よ り も小 児 の 方 が多 い点 な. 内 で あ り,頭 蓋 外 で の 閉 塞 は みな い.. ど,予 後 の面 か ら も従 来 欧 米 で 報 告 され て い る 内頸 動 脈 閉 塞 症 と異 な る点 が 多 い. 7) 脳 血 管 写 所 見:本. Gurdjianら26)は131例. の 内頸 動 脈 閉塞 例 中 サ イ. フ ォ ン部 の 閉 塞 は11例 と し, Fisherら22)は15才. 症 の診 断 に最 も重 要 で あ り,. 以. 下 の 若 年 者 の 内 頸 動 脈 閉塞 症16例 を 文 献 よ り集 め,. 本 症 の所 見 で最 も特 徴 的 な も の は脳 血 管 写 所 見 で あ. サ イ フ ォ ン部 閉 塞 を み た もの は3例 で あつ た と述 べ. る.こ. こで そ の所 見 を 一 括 して み る.. て い る.ま た, Wisoffら99)は2例. 頸 動脈 は 全 走 行 にわ たつ て 細 く,そ の サ イ フ. 24例 の15才. ①. ン部 閉 塞 は7例 で あつ た と報 告 し, Silversteinら73). ォン部 末 端 で両 側 と もに 狭 窄 な い し閉塞 が あ る. ②. 内頸 動 脈 サ イ フ ォン部 末 端 の脳 底 部 に 扇 形 の. 異 常 な 血 管 網 様 陰影 を 認 め る. ③. の 自験 例 を含 む. 以 下 の 内頸 動脈 閉 塞 症 例 中,サ イ フ ォ. は 内 頸 動 脈 床 上 突 起 上 部 の 閉塞 症 例22例 につ いて考 察 し,同 部 の 閉塞 は 非 常 に ま れ な も ので3例 の床上. 前 お よ び 中大 脳 動脈 は,両 側 と もに そ の 起 始. 突 起 上 部 の 閉 塞 を み た 期 間 中 に 約125例. の 内頸 動脈. 部 で 閉塞 す るか ま た は狭 窄 して お り,た と え造 影 さ. 閉塞 症 を 経 験 した と述 べ て い る.こ の よ うに 欧米で. れ て もそ の 造 影 度 は 不 完全 で,走 行 も不 規 則 で あ る. は頭 蓋 内 の 閉 塞 は 少 な く,頭 蓋 外 で の 内頸 動脈 閉塞. こ と,し か も直 接 内頸 動 脈 よ りは 分 岐 せ ず,脳. 症 例 が 圧 倒 的 に多 い.. 底部. の 血 管 網 を 介 して 間 接 に造 影 され る. ④. と ころ で,本 症 の脳 血 管 写 判 読 上 注 意 す べ き こと. 上 述 の脳 血 管 写 所 見 は左 右 ほ ぼ 対 称 的 に 認 め. られ る. ⑤. は,い ろ い ろな 条 件 に よ り本 症 類 似 の所 見 を 呈す る 場 合 が あ る こ と で あ る.そ の一 つ は脳 血 管攣 縮 で あ. 後 交 通 動 脈 を 介 し,後 大 脳 動 脈 流 域 よ りR.. り,著 者 も本 症 に よ く似 た所 見 を 呈 した 例 を経験 し. spleniiを 介 して 前 大 脳 動 脈 流 域 ま で 血 流 を送 つ て. て い る.そ. い る もの が 多 くみ られ る.. 性 で,最. ⑥. (第11図),再. 外 頸 動 脈,椎 骨 動 脈 系 は正 常 で あ る.. 人 の胎 児 の脳 血 管 形 成 に 関 す る研 究 で はPadget64) の詳 細 な 業 績 が あ るが,胎. 児 長3mmの. 時 期 に は原. 始 的 な血 管 叢 よ り内頸 動 脈 が 形 成 さ れ, 4mmの. の例 は脳 動 脈 硬 化 の み られ た46才. の女. 初 の脳 血 管 写 で 本 症 類 似 の所 見 を 認 めたが 度 脳 血 管 写 を施 行 す る こ と によ り,中. 大 脳 動 脈 の 造 影 が え られ 除外 した. ま た, 46才 女 性 の 外 傷 性 脳 内 お よ び硬 膜 下血腫 合. 時. 併 例 に 両 側 性 に本 症 類 似 の所 見 を 認 め たが,日 をか. 期 に は原 始 内頸 動 脈 が 前 枝 お よ び 後 枝 に 大 き く分. えて 再 度 脳 血 管 写 を 施 行 した と こ ろ,閉 塞 ・狭窄 が. れ, 5〜8mmで. ま つ た く見 られ な か つ た 例 も経 験 し た.こ れ はおそ. 脳 底 動 脈 が 形 成 さ れ, 11〜12mm. で 叢 状 の 中大 脳 動 脈 枝 が 形 庫 され, 14mmに 椎 骨 動 脈 が 形 成 さ れ, 18mmに. なれ ば. ら く造 影 剤 注 入 速 度 や 頭 蓋 内 圧 な ど の 関 係 によ. 達す れば前大脳動脈. る4)32)もの と思 わ れ る.そ の 他,中 大 脳 動 脈起始部.

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