ブランダイス判事のアメリカ法史に於ける意義
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(2) ブランダイス判事のアメリカ法史に於ける意義 うことが出來よう︵註一︶︒. 二二〇. 終職以來日本肚會の民主的再編成の一環として取りいれられてきたものの一つに︑最高裁判所の新たな機能︵法律. 審査穫︶が敷えられる︒この制度はアメリカ合衆國に於けるそれの導入であると言はれているが︑アメリカに於て. は︑長い最高裁判所の歴史が︑こうした憲法を最高法規とする機構に由來する最高裁到所の法律審査権の具肥的な活. 用が︑基本的人擢や︑肚會の民主的な襲展を助成したか︑若しくは阻害したかと言うことをはつきりと画き出してい. る︒ブランダイスが到事として最高裁到所の法廷に始めて登揚した時︑法律審査椹は充分な機能を果してはいなかつ. た︒それ故に︑彼の法律學の實践は︑法律審査椹の充分な活用と正しい蓮用とのために主としてなされたといえよ. う︒以下に於て私は︑特に勢資關係を規律する法律に關する問題を中心として︑ブランダイスのそれらの業績をみた. 彼の著作としてまとめられたものは次の三つしかないQ即ち宙霧50器ー︾ギ9窃巴o口︵おにyO島Rb8覧8蜜o昌oと. いとかんがえる︒ 註一. ブランダイスとその背景. >β儀国o毒魯oω角β犀臼のq︒︒o㌣︵お置ンそして︑ざ8℃ザ言oOo箆ヨm鼻と共同で︑↓富O器o︾αq巴昌象2蒔浮名o鱒閏oN 毛oヨob︵一〇一〇〇︶. 一. ブランダイスは南北職争の始まる八年前︑一八五六年一一月二二日ケンタッキーのルイスヴィルに生れた︒彼の爾. 親は欧州を追われてボヘミヤから移住してきた亡命者であつた︒それ故に政治的肚會的な塵迫に甥して自由を愛しこ. れを守ろうとする氣質は傳統的に培われていたという︵註一︶︒+六歳の年︑雨親は彼をドレスデンの實業學校に邊つ. たが︑ドイッの大學には進まず︑ケンタッキーに蹄つてきて︑やがてハーバード法律學校に入つたっ彼は普通三年で.
(3) ︵一八. 終るところを二年で卒業し一八七七年二十一歳の若さで法學士の資格をえ︑やがて友人のサ︑・・ユエル・ワレン留B−. 琴一U●≦貰お口甘と共にボストンで辮護士を始めこの辮護士時代は彼が最高裁判所判事の席につく年まで. 七九ー一九一六︶績いた︒この期間は︑彼に法律の實践に關して多くの知識と経験とを輿えた︒彼は始め實業家の顧. じ. じ. ち. 問辮護士をしていたが︑やがて肚會の下層を形成する人達−小市民及び勢働者ーのために活動する様になつた︒こう. した人民の辮護士としての活動は︑資本主義の醸成する多くの杜會間題の原因及その影響に關するより多くの知識を. 要請した︒濁占資本の重塵は︑特にそれらの中でも顯著なものであつた︒彼は次の様にこの當時について語つてい. る︒﹁私は直ぐOoeヨ2一餌巧がより簡軍な生活條件の上に構成されたものであつて︑近代産業構逡の複雑した關係. を調整するためには不充分な基盤を提供するにすぎないことを襲見した︒私はノオトを投げ出し︑私の主題にむかつ. て新たな角度から近づいていつた﹂︵註二︶︒その新たな角度とは︑彼にあつては法律の概念的操作ではなくて︑肚會. 學的︑政治學的︑経濟學的な現實の分折究明という新しい﹁科學的な﹂態度であつた︒彼は自己の艦験を通じて法律. は杜會の具騰的現實的諸關係の科學的な分折の上に於て把握されなくてはならないという事を焚見したのである︒ 卜曜↓●竃器o員いO●ω冨5山o一鴇づ餌9①竃o山oぢω冨8︵一〇ωO︶マN9. 註二いω●蜜︒冨昼d℃即︒目>冴8R餌昌︵ご置︶冒一ωP魯巴一三窪山も●零. 註一. この時代に痴けるアメリカ杜會はどういう状態にあつたか︑この小論の中心的問題としてとりあげた勢資關係ー階 級闘孚1の歴史的な襲展について少しく見ることとする︒. アメリカ國民のすべてをかりたてたいわゆるフ・ンティアー蓮動も一八入○年代に終りをつげた︒この事はアメリ. コ一二. カの襲展の範園を一感確立したという重要な意味をもつていた︒フロンティアー・スピリットに燃えて開拓する事に ブランダイス判事のアメリカ法史に於ける意義.
(4) ブランダイス判事のアメリカ法史に於ける意義. 二一三. より︑叉は原住民から奪取する事によつて思うがま﹄に土地を得ることの出來る機會の許された時代は終りをつげ. た︒そして︑一八九〇年には工業生産物の債格総数がはじめて農業生産物の憤格総敷を上まわり︑十年のちの一九〇. 〇年には前者は後者の二倍を示していたという事によつても知りうる様に︑アメリカ資本主義ますます強大となり︑. 肚會の階級分裂をより深刻化せしめた︒そしてこの急調子の資本主義の驚異的な焚展は︑州際通商法及びシヤーマン. 反濁占法等による抵抗をも︑他に色々な理由はあつたが︑殆んど何ら障害とせず︑急速に濁占資本主義時代え突入し. た︒一九〇一年にはU・S︑スチール︑一九〇三年デユポン︑一九〇四年ベッレヘムスチール︑一九〇八年ゼネラ. ル・モータース等々濁占は重工業からやがては食糧まであらゆる分野をうずめつくす勢いにあつた︵註一︶︒. こうしたアメリカ資本主義の急速な嚢展は︑階級としての勢働者を廣汎な形に於て形成し︑勢働間題を前面におし. だし︑その他あらゆるその内臓する矛盾をも同時に振大し獲展せしめた︒勢働階級の廣汎な形に於ての出現︑そして. 勢働間題の深刻化は︑勢働者の團結して資本家に抵抗しそれと斗孚する大きな肚會間題をうみだした︒一八六九年に. は勢働騎士團20露Φ〇三R9些o囚昌蒔げけω鉱ピ筈亀と呼ぶ努働組合の連合團髄が結成され︑一八八六正には現. 在までアメリカ勢働組合の主流をなしているアメリカ勢働絡同盟︵A・E・L︶︸ヨ①鼠8昌男8R讐ご昌9ピ餌び霞. の結成︑一九〇〇年には世界産業別勢働者組合︵1・W・W︶↓冨冒含馨ユ巴≦o蒔Rωo︷浮①ミ自匡の結成等. ひきつgき強力な勢働蓮動の襲展をもたらした︒こうした勢働階級の政治的経濟的地位の向上をめざすはげしいた﹄. かいは︑嘗て奴隷問題がそうであつた様に︑+九世紀末以降の最も重要な肚會問題となつた︒併し勢働者の椹利を承. 認する勢働立法は遅々としてはかどらなかつた︒同じOo目目9訂毛の母國たる英國に於ては次々と勢働立法かな. されたいたにもか﹄はらず︑アメリカに於ては勢働者の團結それ自鰹が未だOoヨ目8一帥妻のOo口oD且寅昌の法理.
(5) によつて違法と考えられていた︵註き︒. アメリカ合衆國でこの様に勢働立法が遅々として進まなかつた原因の一斑は︑勢働者の小市民的心情と︑人種的相. 亙排斥によつて主髄的條件が確立せられず︑劣悪なものであつた事にあると考えられる︵註三︶︒そしてそれらが集中. 的に反映されて財産椹︵資本家の︶の擁護の名目の下に裁判所が濫襲する禁止令の勢働孚議に封する干渉︑立法府の. 立法活動i警察権勺〇一一8bo毛角によつて制定せられつ﹄あつた勢働法規に封する最高裁判所の公共の幅祉の名を 以てする反封的態度を︑終に一九二十年代までもちこさしめたといえよう︒. これちが具髄的に︑どの様な表現をとつたか次に勢働時間に關する立法についての二つの到決をみることにする︒. 勢働時間を一日八時間にせよと言う要求は︑A・E・Lも勢働騎士團もその重要な目標としてか﹄げていた︒勢働時. 間を制限する事によつて︑勢働者は使用者乃至有産者との實質的な李等の一部を獲得しようとしていた︒︸八九〇年. 代になつてやつと二.三の州では表抗勢働者の勢働時間を八時間に制限する法律を制定した︒ホルデン封ハーディ事. 件におけるユタ州もその一つであつた︒このユタ州の法律は州最高裁判所によつても合衆國最高裁判所によつても合. セ. ち. う. セ. ヤ. ち. り. や. ち. 憲と認められた︒その理由は︑炭坑勢働者は危瞼にさらされて地下の有害な空氣を呼級するものであるから彼等の勢 働時間を制限することは警察権の正當な行使と認められるというのである釜四︶︒. 併しもう一つの到例の場合︑ロツクナー封ニヱ1ヨーク事件に於ては反封の判決が記録せられてある︒ホルデン事. 件の数年後ニヱーヨーク州で製パン所の勢働者の勢働時間を十時間に制限する法律が作られ︑それはニューヨーク控. 訴裁判所では有効と判決されたのであるが合衆國最高裁判所はこれを違憲とした︒その理由はパンを焼く仕事は本質. 二壬二. 的に危瞼なものではなく﹁パンが清潔であるか又衛生的であるかどうかは︑パン僥職人が︸日十時聞しか働かないか ブランダイス判事のアメリカ法史に於ける意義.
(6) ブランダイス判事のアメリヵ法史に於ける意義. 一三四. ≦に訣けるもの. とうかというごとは全く關係のない事である﹂︒それ故にその工揚で働く勢働者の勢働時間を制限することは不當な. る警察穫の行使であり立法の趣旨として﹁憲法檜補第+四條にいう適法手績U器ギ08器亀ピ と言わなくてはならない﹂︒というのである︵註五︶︒. この二つの事件の判決を通じて明らかなことは︑基本的人椹の擁護のために主張せられた勢働時間の制限に關する. 間題が︑警察椹の正當性の間題として取り扱われ︑しかもその正當性不當性を判断するためには軍に人髄に鋤する保. 健的見地からのみ論ぜられこいると言う事である︒これは第一に裁判官たちの意識の根底に﹁小市民性﹂が強く支配. していたと言うこと︑第二に︑後者の判例の揚合に明確にせられている様に︑それらは︑憲法檜補第+四條︵南北職. 孚の後に黒人奴隷を白人と同等な地位に置くべく意圖せられた︶の適法手績節の援用によつて契約自由の原則の侵害. であるとせらた事︑言いかえれば︑人は生れながらにして自由季等であるという市民肚會の要請の一つをそのままに. 實質的に自由であり李等であると考える古い﹁原理﹂に裁判官がその判断の基礎を置いていたということの二つを明 かにする︵註六︶︒. 義の生成と蛮展一六二頁以下参照. 註一 こうした資本主義の猫占化の過程が如何ははげしいものであつたかについては︑神野璋一郎︑宇治田富造︑アメリカ資本主. 註二 野村卒爾教授﹁アメリカにおける團結椹の歴史﹂戒能通孝教授﹁イギリスにおける團結椹﹂参照︵團結椹の研究所収︶. 四頁︑戒能通孝教授﹁公共の幅祉と基本的人権倒﹂︵法律時報昭和二五年一月號五八頁以下︶>.曽日び2↓富田曾oむ亀︾ヨ?. 註三 この小市民性と︑移民による人種的な相互排斥が勢働者の主禮的條件の確立をおくらせたことについては︑野村教授同書八. 臨8昌名o蒔ぎのO一霧ω︵お憩ごや一ω線●. 又ポク・スーキの編輯した北米合衆國史の中には︑アメリカ勢働者の意識中にフ・ンティアー運動が終つてからも︑フ・ンテ. ィアー精神と呼ぶべきものが残存していて︑未だ自分自身の企業を作り上げたη︑自分自身の亘萬の財産を築き上げたりする事.
(7) またげた﹂ことをあげている︵廣島定吉課︑昭和一二年︶︒又移民について一九〇八年の合衆國移民委員會の報告は︑鐵および. ができるという根強い夢を勢働者がもつていて︑そのことが﹁雇傭勢働と資本との利害の間に横たわる深淵を意識することをさ. 製鋼産業における螢働者の五+八パーセントは外國生れであり︑ご一ズーセントは外國人を父とするアメリカ生れ︑五パーセン. トは黒人であつたことを報じている︒︵フ・ーレンス・ピタースン﹁アメリカの勢働組合﹂阪本泉課二+頁︶. マoo一露.. 〇 ︶一$qψ器9び鴇閏旨8ぼ閃o薯霧ω鋤鷺2>ωΦ一一〇︒自︒ロ︒︷o餌ωg薗ロ山O浮R︾仁跨o昌凱①︒ =o罷自メ=畦山矯︵一〇〇〇〇. o⇒い餌げ9ピ帥零一露ω. 註四. 法律の合憲性を主張したことは有名である︒鵜飼信成教授﹁判事オリバー・ウェンデル・ホームズ﹂法學志林四八巻一號四二頁. oqψホ︵這8︶げ鴇号5マoo鴇いなおこの事件に於てホームズ判事が小歎意見としてこの 註五 いooげづ魯く.Z①≦鴫負F這o. 法廷技術としてのブランダイス・メソッド. これらの鮎については戒能教授﹁公共の幅祉と基本的人権国﹂参照︒. 以下参照︒. 註六. 二. 一九〇八年消費者同盟08零冒Rρ冨禮器の顧間辮護士をしていたブランダイスは︑・・ユーフ封オレゴン事件の. オレゴン州側の辮護士として合衆國最高裁判所に極めて斬新な方法で辮論を展開しこれを勝訴にみちびかせた︒この. 時の彼の事件要領書ω二像は法延技術としても極めてすぐれたものであつたためにブランダイスのオレゴン.ブリ. ーフとして大きく評憤されているものであるが︑このブリーフに於て示された彼の實謹的な方法は同時に彼の法律學. における態度をも鮮明にするものであり︑彼の法律學を知る上に於ても意義があるので概観することとする︒. 事件はオレゴン州の一九〇三年に制定した婦人十時間勢働法を蓮憲であるとして孚われたものである︒この事件の. 一三五. 州側辮護人としてブランダイスはジョセフィン・ゴールドマーク︵註一︶を指導しつ玉ブリーフを作成せしめ裁判所 ブランダイス判事のアメリカ法史に於ける意義. ︒.
(8) ブランダイス判事のアメリカ法史に於ける意義 に提出した︒. 一三六. このブリーフには︑法規の解繹及び判例については極く一部をあてるのみで︑他はすべて比較法的乃至實詮的な研. 究に基く主張にあてられている︒即ち︑第一部では諸國の婦人勢働時間を規律する法律に關する見討にあて︑廣くヨ. ーロッパ各國及びアメリヵ合衆國の諸州の立法について論及し︑次に第二部では︑長時間勢働の危瞼性︑短時間勢働. の公盆性︑+時間勢働の合理性等々として︑この間題に關する著書︑報告書︑實態的調査に基く勢資及び馨師の見解その. 他を充分に利用しつ﹄この法律の合理性を實詮している︒そして結論として﹁吾々が見て來たこの六十年來の欧州諸. 國の立法例︑叉二十年來の吾が諸州の立法例を参酌すれば︑オレゴン州の立法府が公衆の保健︑安全︑編祉のために. 制定した法律に封して何らのそれを不合理とする根振はないし︑又︑その様には主張しえないものである﹂︵註二︶︒. かくてこの事件はオレゴン州の勝訴となつたが︑問題はこの事件の到決にあたつてブリユアー閃器名R判事によ. つて代表されるその判決文にも明かな様に裁判所はこの法律をた父婦人の保健という面に於ぞのみ妥當としたにすぎ. ないという事である︵註三︶︒裁判所は強固に契約自由の原則を守つていて︑それを或る程度まで侵しうるのはこの種 の法律にあつては公共の幅阯を以て呼ばれる公衆保健に限つていた︒. しかしながらブランダイスによつて始められた事實の詮明によつて自己の主張を生かかすという法廷技術は法曹の. 間にかなり大きな影響を及ぼした︒例えば︑一九〇七年にニユーヨークの控訴裁判所はピープル封ウィリアムス事件. ︵註四︶において婦人の夜間勢働を制限しようとする法律を違憲であると判決したが一九一五年にはピープル封スヱ. ヴァインラー事件︵註五︶において︑實質的には殆んど同一の法律を合憲とした︒この判決中で︑前の判決に反する. 判決を下すことについて次の様な苦しい言い護が述べられている︒﹁それは︑前の法律の健康のためと行政的措置と.
(9) しての合憲性を主張し︑又︑その合憲性を妥當な諸事實と諸條件と之の論及によつて強調し︑かくて吾々の注意をそ れえむけるべく辮護人がうまく主張しなかつたからである﹂︒. ブランダイス・メソッドはこの様に裁判所が苦しい言い謬をせざるをえない様な所えもち來らした︒併しながら︑. この方法は後にいたつて常に勝訴する事は出來なくなつた様に法廷技術としてのブランダイス・メソッドは有効なも. のであつたものの限界性をもつていた︒その限界以上は法律學自身の中にこうした科學的検討に立脚する肚會の要請. に適合した新しい原則を開拓して︑實質的には極めて不自由な契約自︑由の原則を︑叉實質的には不李等な法律李等保. 護の原則を一つ一つ修正していく必要があつた︒そしてそれ故にブランダイスの最高裁判所判事としての登場は最も 願わしい事であつたし︑又大きな意義をもつていることででもあつた︒ 註一 甘器℃露需Ωo匡ヨ貰パ彼のω韓Rぎ鼠多であつたし︑また助手でもあつた︒. 註二〇〇頴g&旦︾5&=︒沖↓ぽω︒畠ご&国88且︒≦︒壽鉱竃い甘毘︒①団冨&︒す這o︒︒も6器翼 註三 客三一霞く●O話σqo昌︵一800︶80 0q︐ω●自Nvび琉ω帥矯N20︾9ρ. Ooβ旨9︾℃需巴o隔2︑界曽戯Z・イo o3︵げ矯ω昌器田o馴oぎやooお︶. 最高裁到におけるブランダイスの活動. 註五 蜀8覧①ダOゲ霧一8ωoゲ妻oぎ一R勺8器. 註四 頃8覧o︿.≦崖鼠き200β昌o︷︾℃需巴鉱Z︒鴫︒︵ごミ︶一〇〇〇2.ド爲一︵げ鴇ω角属20マo芦℃●oo8︶. 三. 一九一四年七月二八日オーストリア・かンガリアの醤セルビア宣戦以來欧州は第一次世界大職の渦中にあり︑更に. 一九一七年に到つてアメリカもその永いモンロー主義の傅統を破つてこの渦中に入つていつた︒そして叉この年には. 一三七. ロシアでは肚會主義革命が成功し︑世界の肚會間題に甥して大きな影響をあたえた︑更に︑戦孚によつて経濟的な基 ブランダイス判事のアメリヵ法史に於ける意義.
(10) ブランダイス判事のアメリカ法史に於ける意義. 一三八. 盤は全く大攣動をきたしていた︒こうした新らしい胎動の感ぜられつ﹄ある時期にブランダイスは最高裁判所判事に. 任命された︒即ち理想主義の名をもつてつたえられる時の大統領ウッドロー・ウイルソン≦8母o≦≦房9は一. 九一六年一月二八日逝去せるレーマー判事甘ω膏q卜鎖日畦の後任として︑州際通商委員禽の顧間として以外は全く. 公的な職務に経験のない辮護士ブランダイスを指名した︒しかしその承認をうるために上院で審議がなされた時には. Ooヨ需おを任命するも同然だと. 多くの強い反封にあつた︒五ケ月間の調査で四十三人の詮人が喚問され千三百頁の詮言が記録された︒ブランダイス の任命に反封した者の多くは資本家たちであつた︒彼等は大統領はゴムパースω いきまいた︒併し終に四十七票封二十二票の差で彼の任命は確定した︵註哨︶︒. こうしてブランダイスは﹁憲法の番人﹂として仕事︑言いかえれば何百年にも前に制定された憲法の精紳を現實肚. 會に生かすという重要な仕事にとりか﹄つた︒憲法が若し固定的な肚會的諸關係を規律するにすぎないものであつた. ならば︑それは激愛する肚會情勢の中でひとたまりもなくついえ去つたであろう︒憲法は弾力性に富んだ常にその生. 命を保ちうるものでなくてはならないというのは憲法を最高法規とする合衆國の組織に於て必然的に要請されること. がらであつた︒かくして憲法の精神は最高裁判所の判事たちの判断それ自胆として表現されるにいたる︒フランクフ. ルター写壁霞畦叶①き悶o一訂はこの事を最高裁判所は憲法それ自髄である﹂と表現している︵註二︶︒こうした機能. を持つ最高裁判所の判事の任務はそれだけ重要なものであるのに︑實際は︑裁判所を支配するものは古典的な︑當時. のアメリカ法曹界の中で塵倒的な勢力を占めていた自然法思想であり小市民性であつたことは先に掲げた到例におい. ても明らかなところである︒この様な最高裁到所の中でブランダイスの任務は︑自然法思想の支配する抽象的論理操. 作になれた裁判所の法律學の中に︑具燈的現實的フアクト融9の探究による憲法の精沸の把握というより進歩的な.
(11) ぎ窪o島β9す♂ザ矯. 法律學を導入する事にあつた︒われわれは以下に於て︑彼の小敷の法廷での意見を通観することによつて彼の法律學 の一斑をうか父いたいと考える︒. この時の事情については︸●い一〇捨↓げ①ω09巴自旨山国8鐸oヨざく8≦の亀蜜卜︸島江8団吋Φ昌8δの. ρ︾.劇9昆に詳しい︒. 註一. 簿&ぎ︾●θ竃錺o戸︑.田即巳︒一のきα↓ぼ竃&①旨ω聾①︑︑も︒S. 註二 男巴㌶蜀暴昌霞葺3斜︑.↓ゲ①q三富山望象窃ω醒冥oヨoOo一﹄昌竃o巳伍ぎ内昏①Oo昌ω臨ε葛oβ.︑wO仁旨o算=凶の8量りζ麟矯お8︸. 彼は彼自身の思想について﹁私は如何なる肚會哲學をも持たない﹂と言つているけれども︑彼の最高裁判所での活. 動を通じて常に不攣であつた彼の基本的なものは容易に讃み取る事が出來る︒法律家︑わけても裁判官は︑常に﹁肚. 會正義﹂の把握につとめなくてはならないし︑叉︑そうした正義を守つていこうとする誠實さと勇氣とを必要とせら. れる︒特にそれが﹁人間の行爲の最たるもの﹂としての戦争の場合どの様にブランダイスに於て果されたかを知るこ. とは彼の思想を知る上にも有意義なことであろう︒職孚という大目的の前に市民の自由は抑制され制限され特に言論 の自由は完封されてしまつた事は我が國の人々の皆髄験したことがらである︒. ブランダイスは一九一六年六月五日に最高裁判所判事の席についたが︑その翌年一九一七年に田風o冨鴨︾9が. 作られて言論の自由が職時態勢にきりかえられてから俄かに言論の自由に關する多くの問題が生じてきた︒それは. ー・W・W・を先頭とする進歩的な勢働組合が職孚反封を叫び叉肚會主義者が同じく職孚反封を叫んで政府の方針に 反封するにいたつて︑憲法檜補第一條との間に重要な間題を提起した︒. ﹁憲法の下において議會が言論の自由に封して制約を加えうる範園はω9器身ダ鍔ψに於て全員一致を以て以下. 一三九. の如く宣言されている︒すべての事件における問題は︑使用せられた言葉が本來的に議會が豫防する構利を有する實 プランダイス判事のアメリカ法史に於ける意義.
(12) ブランダイス判事のアメリカ法史に於ける意義. 一四〇. 質的な悪をもたらすであろう様な︑明白な現實的な危険を作り出す様なものであり︑又その榛な條件の下に於て使用 せられているかどうかである︒それは緊迫度と程度との問題である︒﹂︵註一︶. ﹁被告人︵肚會主義者︶たちのためにそれらについての判断がなされなけれぼならなかつた︒何故ならこのリーフレ. ットはその様な條件に於てでもなければ︑本來的に明白な現實的な危瞼︑︵こ﹂で問題とせられている︶陸海軍に徴. 集される義務の拒否という不忠誠をもたらさんがためでもなしに配布されたという事の故に︒リーフレットにははげ. しい︑そして多少誇張的な職争の恐怖について書いてある﹂::併しながらこのリーフレットは法に封する不服從を. す玉め︑現存する制度の下における抵抗の無希望性を指摘し︑逆らいがたい政府の軍事力を画き出し︑そして黙從す. ることが必要であるという事を指摘する様なものとは全く別個なものである︒反抗︑不順︑暴動︑そして陸海軍の兵. 役の義務を拒否する事は嚴重に罰せられる︒普通の知性をもち普通.の判断の出來る人間であるならば︑このリーフレ. ットの中の如何なるものによつてもその様な目的のために犯そうと考えるなどという事は考えられないことである︒. 將にそこには何らの明白なそして現實的なその檬な結果をもたらすが如き危瞼は存在しなかつたのである︒. より良き歌態を作るために新しい立法を通じ叉新しい團髄を通じてた﹄かう基本的な自由人の構利は塵迫されては. ならない︒若しそれが︑そうした努力が市民たちに言論を以て確立されようとしていても︑そこに持ち出された理論. が軍に到噺を下す司法機力にとつては現存する悪に甥する記述が不正に見え叉それを言葉によつて記述し理由づける. ことが不健全であるという理由だけで︑現存法に封する刑事的煽動と解される事さえなければ︑うした自由入の椹利. は塵迫されることはない︒﹁私の意見に從えぱ︑﹃私達が支沸う金﹄︵リi7レットの標題︶の中に表された論理以上 に如何なるものも論理的であるとは考えられない﹂︵註二︶︒.
(13) ﹁人間の行爲の最たるものとしての職雫の原因は軍純なものではない︒普通多くのからみあい互に規制しあつている. 諸原則多くの異れる條件︑行動︑信念の結果である︒歴史家たちはほとんど特定の戦孚に於て何が決定的な原因であ. つたかについての判断に於て一致することはない﹂︒それ故に職孚の原因について政府と異なつた見解を襲表しても︑. ωoげ器︷Rダd・φ︑謡ピd.ψ&①︵一旨O︶傷δの①算︵9帯自一戸閃巴営閃冨昌厘仁旨①二.︑ビゼ一島島8ω冨口8ぼ倉︒5山島①. それは直に罪として罰するためにあたいする事がらではない︵註三︶︒ 註一. Oo霧江ε昌g..堕頃畦毒鼠萄≦国︒≦①書くo一︒骸く.ZoL●一〇ω一︶. 註三. 霊R8<︒O︒¢. o︵HO8︶岳o︒︒ 註二 霊Roo<●¢ ω●O認¢●ω︐NGoP.N刈ω〜刈o o o葺︶︵器ヨ①︶. これらを通じてわれわれは彼が強い勇氣と誠實さをもつて︑職孚縫績中に於ても李時と攣りなく言論の自由という. 市民の自由は常に保障せられていなくてはならないと主張しつ穿けている事を知る事が出來る︒︑そしてこのことによ. つてブランダイスは革新的な自由主義者であつたと言う事が出來るように思う︒何故ならその自由主義は決して資本. 主義的自由主義に止まるものではなく︑人々が資本主義的自由主義の限界だとして考えるであろう様なものを起えた. 自由主義であつたと言う事が出來るからである︒更に彼の法律學に於ける思想をさぐつてみよう︒. 一九一西年︑ジェイバーンズ株式會肚封ブライアン事件に於て孚はれたのは︑ネブラスカ州に於て制定せられたパ. ンの基準重量に關する法律の違憲性の問題であつた︒即ちネブラスカ州では焼いて二十四時間以内で店頭に費るパン. はすべて一定の重量︵一ポンド︑牛ポンド等︶をもつていなくてはならないと言う法律を施行し︑それによつて不正. 量による不當利得をおさえようとした︒併し最高裁判所の多敷意見は︑この法律が憲法檜補第十四條に違反してパン. 一四一. 屋を不當に塵迫するが故に無効なりとした︒これに封してブランダイスは︵ホームズも同意見︶到事たちが實態を知 ブランダイス判事のアメリカ法史に於ける意義.
(14) ブランダイス判事のアメリカ法史に於ける意義. 一四二. らないことについてこう言つている︒﹁知識は理解の本質であり理解は判断をもたらす︑若し︑吾々が理性の光りに. 導びかれていない時には吾々は吾々の心を大ならしめばならない︑吾々はパン作りや︑その職業の蓮螢にいて全く知. らない︑それ故に心を大いにしてこの法律の適用される當の肚會關係を考えなけれぱならない︒この法律は︑購買者. が量の少ないパンを買わされたりしない様に︑そうした目的に於て制定されたものである︒しかるにこの法律が軍に. パン屋の利盆に於てのみ違憲とせられ︑無効であるとは到底考えられない事である︵註一︶︒. 併しこの反封の揚合言いかえれぼ︑施行せられた法律が肚會の具鰹的現實に適感しないものであつた場合︑及び判 例が誤うたものであつた場合については︑. ﹁施行せられた法規は實験的なものと思わなけれぼならない︒何故なら多くの異なれるファクトのために︑そのどれ. にそれが適用せられるかは豫見し難いものであるからである︒攣更は襲展を意味する︒それが法の生命である︒吾々. のこの法規の具髄的適用に關する経験とこの法廷での討論とは施行されたこの規則が不健全なものである事を明かに した︵註二︶︒. ﹁法律規則が制定されるということよりもそれが正しく制定されるということの方がより一般的重要性をもつ︑法律. の誤まつた施行ということが重大な問題となる様な場合ですから︑先ず立法によつて補正を求めた方が良い﹂︒ω貫器. Uo息巴の︵判例法主義︶に含まれている多くの人間の経験は吾々に︑しばしば先例に從うという事がよいことである. のを教えはするけれども︵それは決してユニヴァーサルなものでも不動の命令でもない︵註三︶︒それは法律の制定ま. でも包含するものではない︒或る特定の法律に關して︑その作成に於て誤りがなかつたかどうか︑叉その實効性に於. て欠けるところがなかつたかどうかという事に關しては︑判例法主義に支配さるべきではない︒判例法主義は吾々が.
(15) 他の法律に關與しうる機會をもつている時に再び誤まることを命ずるものではない︒この間題に關しても︑言葉の論 理は實在の論理に道をゆずるべきである︵註四︶︒. 註一 冒図bξ塁劇鎚パぼ晩oP〜国同矯mP鱒袋ご︒¢8畠●︵一旨藤︶島器o馨■︵げ図仁Φ抽oやo一ε︶. oや9﹃やoo刈︶. 註二名器岳囲け8〜ご鎚誤8帥Oo﹄欝O●ω﹄這︵一り漣︶侮一m︒・①導︵9&ごコ寄導寵霞侍①きo℃●葺 署︒o︒ρo︒刈︶. Uあ旨8ダ弓窪霧胤くき冨uNおd.ψ認︵ご鴇︶象器窪幹︵畠&ぎ7津§匡g富H. 白器寓昌讐o昌. U勢薯のo口. 註四. 註三. 法律家はピo笹09名o巳ωをはなれてピo瞥09冨昌菖窃にその法律適用についての基本的な考察を置かねば. ならないとした彼のこの判決丈に於ける言葉は︑彼の法律學の基調をなす所のものを適確に表現している︒. 抽象的観念的にぎ笹09≦o巳のをもつて現實肚會を観念するならば︑それは市民杜會的な自由と李等とが支配. しているかの如くである︒併しながら具髄的現實的肚會に於ては︑實質的な自由と李等とは極端に近い程偏在してい. る︒そして︑そうした實質的な自由と李等とが︑その恩恵に浴していない努働階級によつて主張されるときに︑それ. は現存する穰利と産まれつ瓦ある新しい樺利とのた﹄かいという形をとる︒それ故に︑勢働問題が深刻化した肚會に. あつては相反する多くの椹利が資本家と勢働者との間に存在する様に考えられる︒所で近代市民肚會はその存立の基. 礎として私有財産権の奪重を第一の原理としている︒私有財産模は絶封的なものとされた︒併し私有財産椹が資本主. 義祉會に於ける資本としての所有構たる地歩を確立し︑所有者と非所有者!−資本家と勢働者ーの利害の封立がお﹄い. がたい明白な事實となり︑叉脛濟的な焚展にともなつて尖鏡化する様になると︑民主的肚會に於ては資本家の財産権. に基く主張が或る程度制限せられることによつて﹁肚會の健全な襲展﹂が守られようとする段階に到達する︒資本家. 一四三. はその蓮螢する事業揚の中に勢働組合が結成されるのを妨害し排除し彼等を放逐する椹利も自由ももたない︒叉團髄 ブランダイス判事のアメリヵ法史に於ける意義.
(16) ブランダイス判事のアメリカ法史に於ける意義. 一四四. 交渉を拒否したり黄犬契約ー契約自由の原則に從つてーを結ぶ権利ももつていない︒このことは現在のわれわれにと. つては常識であるけれども︑こうした穫利を勢働者が獲得するためには多くの血が流された︒即ちアメリカにあつて. は一八八六年のヘイマーケット事件︑一九一一のロサンゼルス・タイムス肚爆破事件︑一九一四年のルドロー・キヤ. ムプ事件等々︑勢働者の確立を求める勢働者とあくまで自己の財産椹を主張しようとする資本家︑更にはその要請に よつてこれを援助した國家穰力との問に蓮績した流血事件が起つていた︵註一︶︒. 併し勢働立法は遅々としてはかどらず最高裁判所の多数の判事たちは勢働問題の肚會的経濟的な基礎についての知. 識に基いて勢働問題を論ずるのではなしに自然法やコモン・ローの古い法原則によつてこれを判断していた︒その判. 断の下には新しい形成せられつ﹄ある権利は存在の鯨地を認められず︑財産穫を始めとする資本家的権利が外くは安. 當なものとせられた︒次に述べる五つの事件はこうした勢働問題を規律する法律についての裁判所及びブランダイス の意見を明かにするものである. ワシントン州が職業斡旋機關の周旋料徴集を禁ずる法律を公布してまもなく︑私立の職業斡旋業者からこの法律は. A 桂庵事件国ヨ覧昌日①暮︾鵬9昌O器o︵ご嵩︶︵要約︶ ︵. 憲法檜補第十四條の適法手績節に違反して彼等の権利を侵害するものであるという訴訟が蓮邦地方裁判所に提起せら. れた︒もともとこの法律は職を求める勢働者を利用した桂庵の不當な利得をおさえ︑無料で職業を斡旋する事によつ. て失業間題の解決に資そうという肚會政策的な目的をもつていたのであるが︑受訴裁判所はインジヤンクシヨンの焚. 行を拒否し訴歌を却下した︒しかし最高裁判所は五封四で私立の職業斡旋業者の主張を支持した︒即ちマックレイノ. ルヅ判事甘ω鉱8竃o肉亀唇一房は裁判所の多数意見を代表して︑﹁この企業の弊害がこの法律の制定をもたらした.
(17) のであるにか﹄わらず︑この法律はこの種の企業の破滅をもたらした︒﹁この企業が適當に蓮螢せられぼ職を求める. 勢働者にとつて︑私立の職業斡旋所が有釜でありうるであろう時にそれを破滅せしめることは專制的墜制的なことで. ある﹂とした︒マツクヶンナ︑ホームズ︑クラーク︑ブフンダイスの四判事竃o国窪昌欝寓巳ヨoρΩ畦犀ρ閃醤昌αユω. は小敷意見の立場をとり︑ホームズ︑クラーク爾判事はブランダイスのそれに賛同した︒ブランダイスの意見を概略 すれば以下の如くである︒. このワシントンの︾び9鴇ぼ騎団ヨ筥畠目①導○臼8寓$霊おと呼ばれる法案は一九一四年二月州民投票によ. つて十六萬票鋤十四萬票で認められたものであつて規定上軍に求職者から周旋料をとる℃とを禁止しているにすぎな. いものである︒この法律に關して投票するにあたつて︑ワシントンの住民が當面した間題は軍に私立の斡旋所に求職. 申込みをする勢働者の利盆の保護という問題ではなくて︑より廣汎な︑より基本的なものであつた︒それは近代塵業. に於ける多分最も困難なものであり且つ深刻なものである失業の慢性化の問題であつた︒企業の不振に起因するこの. 問題はアメリカに於ける最も尖鏡なものである︒失業者は賃下げや肚會不穏の檜加をもたらす産業の恒常的蓮螢が確. 立せられていないこと︑及び不安定な勢働需要に起因するものである︒失業問題の研究はその解決のために雇用局叉. は勢働斡旋所の確實な設置を不可訣なものとして必要とするという事を教える︒ワシントン州民が住民投票にあたつ. て私立の斡旋所や︑被雇者からの周旋料の徴集を肚會的不正義であると考えたのみではなく︑その様な企業を追放す. ることが失業問題を解決するための行政的措置として必要なことであるという事を考えたであろうことは充分考えら. れることである︒吾々は更に︑この法律がワシントン州最高裁判所に於ても︑又︑共にその地方的條件に多分に精通. 一四五. していると考えられる蓮邦地方裁判所によつても合憲とされたことを充分に考慮しなくてはならない︒ ブランダイス判事のアメリカ法史に於ける意義.
(18) プランダイス判事のアメリヵ法史に於ける意義. 一四六. マグナ・カルタが署名せられた日から現在の瞬間にいたるまで法律構造えの補正追加は遽檜している︒そしてそれ. らが更に縫績することを止めるであろうなどと考えることは不可能である︒何故なら法はそれ自身新しい肚會的條件. に︑そして特に勢資關係が現われてくる様になればその新らしい關係に於て適合せらるべく強要せられるが故にであ. る︒而して︑ワシントン州の制定したこの法律は憲法檜補第十四條に反するものではないとせられねばならない﹂︵誰 二︶Q. デュプレックス印刷機械製作會肚はニューヨークに工揚をもつていた︒この工場の附近には四つの印刷機械會祉が. ラ U唇一震ギぼ鉱畠O器①︵一〇曽﹀︵デュプレックス印刷事件︶︵要約︶ B ︵. あつてた父このデュプレックスの從業員だけが未だ國際機械工組合ヨ富彗讐一9巴︾のω09鉾一89鼠8匡且ω富の. 傘下に入つていなかつた︒組合はこの會肚の未組織が彼等の勢働條件の改善にもその地位の向上にも大きな障害とな. つていることを知つて︑その組織化のために地匠分會はストライキに入つた︒併しこれは失敢に終つてデュプレック. スでは僅かに十一人の機械工組合員が仕事を放棄しただけであった︒そこで組合はデュプレックス製品に封してニュ. ーヨーク及びその周邊でボイコットという手段に出た︒會肚はこれがシャーマン反濁占法留巽日弩︾昌亭↓霊馨. り. ち. じ. も. も. ち. >9に違反して州際通商を妨害するものであるとして提訴したが︑この前にクレイトン法Ω昌8ロ︾9が議會を. 通過した︒クレイトン法の第二十條は使用者と勢働者との聞に於ける雇用の期間及び條件に關する︑若しくはその派. じ. り. り. ち. む. む. む. う. む. じ. も. ヤ. ち. ち. う. ち. じ. う. む. 生的な紛孚に野してインヂャンクションの嚢行を禁止していた︒そこでこの事件はこの規定の解繹をめぐつての孚い. となつた︒下級裁判所はこの事件は二十條のか瓦る紛孚における爾當事者に關するものであるが故にインヂャンクシ. ョンを襲行する事を禁ぜられたのだと解した︒しかし最高裁判所はピトニー判事冒の二8頃9昌によつて代表され.
(19) セ. む. レ. じ. じ. ヤ. う. も. し. ち. セ. リ. セ. セ. も. り. る次の様な多藪意見を述べた︒﹁この法規は現實に紛孚に關輿している爾當事者を限定するものである︑それ故に.. 機械工組合の六萬の粗合員はなべてこのデュプレックス會杜に封してた﹂かいをいどむことは許されない︒何故なら. ば原告︵會杜︶の業務は不法な介入に封して保護を保障せられたる財産権であるからであり︑而して組合が同情スト. を行つたり原告の製品の顧客である諸使用者に封してボイコットを行つたりすることは通商を妨害する共同謀議Oo−. 霧且声昌を構成する︒議會はクレイトン法の制定にあたつて個々の各自の紛孚を考えていたのであつて︑一般的な 階級闘孚を考えていたのではない﹂︒. これに封して小数意見の側にたつたホームズ・クラークの爾判事はブランダイス判事の小籔意見に賛同した︒ブラ. ンダイス判事はクレイトン法をその様に狭義に解することに反封して次の様に述べた︒﹁何故なら私は州のコモン・. ローも合衆國の制定した法律︵クレイトン法︶も共に産業の中での闘孚において︑その闘孚を自己の利盆を正當化す. る限度までおしす﹄めることが出來る権利を宣言したものであるとの結論に達したからである︒多くの構利は彼等が. 現存する肚會の目的に由來するものである︒産業關係の中に於て襲達しつ﹄ある朕態はその中に關輿する者たちが彼. 等の闘孚を共同髄に封する危瞼なしに縫績することのできない種のものであろう︒しかしながらその様な歌態にある. かないかを決定するのは判事ではないし︑叉その闘孚に許容しうる限界づけを行つたり︑新しい歌態が依存する義務. について宣言を焚したりする事も剣事たちの仕事ではない︑それは立法者の職能であり︑叉同時に個人的な︑若しく. は集團的な攻撃と防衛の穫利を制限し︑そして素朴な審理の方法に代えるに何が正當であるかという事の到漸を闘争 によつて代置するものである﹂︵註三︶︒. 一四七. 勢働者の團結は︑濁占資本に封する小市民的利釜の主張という理由にその制定の根嫁の大牛をおいていると考えら ブランダイス判事のアメリカ法史に於ける意義.
(20) ブランダイス剣事のアメリカ法史に於ける意義. 一四八. れるシャーマン反濁占法によつて全く方向ちがいにも制限され禁示されていた︒これが長い間の勢働者の闘いにょっ. てクレイトン法の出現となつた時に︑勢働者はシャーマン法の束縛から解放されるものと信じ大きな期待をもつてこ. の法律の實施をみまもつていた︒併し先ずこのデヱプレックス事件によつて︑そして更に後述するトールアックス事 件ベッド・フオード事件によつて︑全く實効性を失つてしまつた︒ C ↓旨㊤図O器o︵お曽︶︵要約︶. アメリカの勢働蓮動が常にそれによつて激しい弾墜をこうむつてき︑やつと一九三二年のノーリス・ラガーディア. ︵. 法︵反禁止令法︶20霞甲い餌の弩島 ︾9︵︾暮工昌a⁝畠9>9︶によつて救濟された問題は裁判所の襲行する禁. 止令冒甘目&9であつた︒インジャンクションははじめ保護のための手段であつた︒併し一八九五年の判例︵Uoげω. ー・インヂャンクションと呼び直された位極めて多くの勢働事件に封して濫襲され︑使用者の最強の利器となつた︒. 8ω①︶︵註四︶それが犯罪の豫防という措置でもありうる事を明らかにした︒この時以來インヂャンクションはレィバ. り勢働者の企圖するストライキは強制的冷却期間に入る課で攻撃を與える有利 インヂャンクションが襲行されると↑. な機會を喪失する︒@それはた穿一人に封してのみではなく︑藪千︑敷萬の勢働者に直ちに拘束力を襲生する︒のデ. ブス事件によつて擾大されたインヂャンクションの適用範園は勢働者の殆んどすべての蓮動を包含する程のものであ. る︒⇔それは如何なるストライキが不當であるかの基準を設けることによつて立法樺を侵害することになるし︑叉そ. れのみか憲法に保障する言論︑集會︑結杜の自由をも侵害するようなものですらある︒困事實審理に重きがおかれね. ばならない努働問題に封して︑何等の事實審理もなく通常一人の裁判官によつて襲行しうることによつて極めて不當 な結果を生ずる︵ 註 五 ︶ ︒.
(21) こうした多くの訣黙をもつた禁止令の襲行に封する勢働者の反封蓮動は極めて激しいものであつた︒そしてこの要. 求をとりいれた法律が一九ご二年にカリフオルニアで議會を過し︑叉一九一四年には蓮邦議會で殆んど同一の内容を. もつたクレイトン法が制定された︒このカリフオルニア法の合憲憲性が孚はれたのがトルーアックス事件であり︑ク. レイトン法の合憲性に關聯する問題として極めて重要なものであつた︒この事件に於て最高裁判所の多数意見を代表. してタフト裁判長O置焦冒隆8↓織叶は次の様にその違憲性を主張した︒﹁このカリフォルニア法は憲法檜補第十. 四條の適法手績節にも法律李等保護節国β巴零o冨9一99ピ四譲Ω窪器にも反するものである︒何故ならぼ人は も. も. う. ヤ. ち. すべて刑課を課せられうると同じく卒等に保護せられなくてはならない︒暴力行爲をともなはない揚合に於ても使用. 者は勢働組合に封抗する唯一の手段としてインヂャンクションを下附せられを槽利は確保せられなければならない︒﹂ これに封してホームズと共にブランダイスは反封意見を述べた︒. ﹁使用者と被傭者との關係を規律する法の巾での攣化は或る意味に於てその爾者の一方の自由権若しくは財産権を奪. はれなくてはならない︑警察罐の運用によつて制定された法が専制的であり不合理であるかどうかと言う事が剣断の. 封象になる時には︑最近それによつて影響をうける杜會の肚會的産業的政治的な考察によつて決定される︒叉︑そこ. に於てはコモン.ロー及びその自由権と財産に關する考えが優つている國々及びわが合衆國の諸州における経験が援. 用されなくてはならない︒︵こエで国5笹凶警ω需躊ぼ閃09導﹃一8に於ける團結穫の歴史的な考究がなされる︶︒イ. ンヂャンクションは賃勢働者の自由槽を侵害する危瞼をもつている︒インヂャンクションの請求によつて使用者は支. 配椹−主椹的なーを確立する︒言葉をかえていえぱ財産樺の保護に名をかりて使用者は主椹的権力を求めていたので. 一四九. ある︒努働者が使用者との孚いの中で正しい歌態を獲得するまでこの廣大な勢資聞の闘争に於て國家椹力を一方の側 ブランダイス判事のアメリカ法史に於ける意義.
(22) ブランダイス判事のアメリカ法史に於ける意義. 一五〇. にその法からひきだされた原則にしたがつて附與する事は賢明なことではない︒産業における諸關係を規律する新し. い原則が誕生するまで國家はその個々の紛争にインヂャンクションによつて介入しない方がより賢明である﹂︵註六︶︒. D ω88巳O器o︵ご曽︶︵要約︶ ︵ 石切工組合冒5旨亀ヨ窪ω8器O葺帯誘.︾ωの09魯δロはインディアナ石友岩業者の二十三の事業所とベッドフ. ォード石材會肚の從業員を組織しようとしていた︒この組織のためには︑組合貫の存在するところでは非組合員の作. 業し始めた場所での就勢を拒否するという方法がとられた︒これに封して會肚は地方裁判所に禁止令の焚行を請求し. たが拒否せられた︒そこで更に上訴して最高裁判所に到達したのがこの事件であつた︒最高裁判所はサザーランド判. 事冒ω甑8望爵R冨且によつて代表せられて︑﹁デュプレックス事件はこの事件の判断にあたつて大いに参考にな. るものである﹂としてシャーマン反濁占法を嚴密に解して以下の様に述べた︒﹁原告會杜に封ナる組合の孚議指令が. 強制的なものであつて︑組合自髄は合法的團騰であり︑且つ合法的目的を有するのであるが︑業務の蓮螢に關與する. ことによつて必然的に原告の州際通商を制限し威嚇し︑かくて購買者を妨害したが故にそのストライキはシャーマン. ω富お留9ωδを尊重してデ. 法に反して違法なものである︒サンフォード判事甘ω賦8留旨o民はデュプレックス事件と同一であるとし︑スト ーン判事冒の広8ω8器はこの組合の行爲を正當なものではないかと考えるのだが︑. ュプレックス事件の権威に從うとしてその他の判事と共にサザーランド判事の意見に賛同した︒これに封してブラン ダイスは反勤の立場をとり次の様な意見をのべた︒. ﹁この石切工組合のストライキは︑石の蓮搬にも︑切断にも又それを積み上げたりその他の建築作業に影響を與えた. りする様なものでも︑叉その様な事を自的とするものでもなく︑しかも何等の實際的な叉脅迫的な暴力行爲もピケッ.
(23) テイングもボイコットも︑・ての様な性質の如何なる手段もとらなかつた事は先づ明記せられねばならない︒︵デュプ セ ち ち. ち. レックス事件との相違︶︒シャーマン法は州際通商に封する不當な制限をのみ禁止しているものである︒私の考えに. よればこ・で課せられた争議指令による制限は不當なものではない︒個々の石切工も組合も︑如何なる原告側のもの. とも叉︑彼等の顧客ども如何なる約定も結んでいない︒個をの石切工にとつては働くか︑使用者組合のメンバーによ. つて石切場で切られた石の上で働くことを拒否するかは全く自由である︒しかし石切工組合について考える限り個々. の石切工は自由ではなかつた︒彼等は組合に加入する時に﹃私は﹄組合に﹃反勤する立場に於て働くものの切つた﹄. 石の上では働きませんと言う事を確認している︒それは組合員に翼して違守することを義務としてきめられたもので. ある︒一方︑こうした組合に封している原告は強力な組合に封立された弱い使用者というたぐいのものではない︒彼. 等は亘額の脛濟的資源をもつているし︑この地方に於ける全石材の七十%を移出している︒そして更に孤立してもい. ない︒彼等は地方の使用者組織に加入し︑叉その地方組織はH導霞鍔鼠9巴O昌ωε器聾αO=鋤畦矯ヨ自ω.トのω8−. 一象一9と呼ばれる全國組織に加入している︒これに封して︑廣く地方に分散している組合の百五十の分會は弱いも. のである︒分會の李均組合員数はわずかに三十三人である︒強力な使用者はこれらの分會を他の町々から﹃ストライ. キ破りをもつてくるだ﹄けでつぶしてしまうことが出來る︒石切工組合は僅かに全國で五千人の石切工を組織し︑組. 合に封する忠誠の下に彼等自身の仕事を彼等のために擁護することを得せしめようとするにすぎない︒. 彼等がその組織の確立のために爲したストライキは︑組合自身を防衛するために本來的に必要とされる行爲であつ. た︒それは組織えの︑叉同盟者えの忠誠として各自に要求されていた事である︒若しこの様に明かとなつたこの事件. 一五一. の雫うべからざる事實に於て仕事を拒否することが禁ぜられると吟うのならば議會はシャーマン法とクレイトン法に ブランダイス判事のアメリカ法史に於ける意義.
(24) プランダイス判事のアメリカ法史に於ける意義. 一五二. よつて意に反する苦役としての勢働を勢働者に封して強制する様な法律を作つたことになる︒シャーマン法は合衆國. 封合衆國製鋼蓮合事件に於て︑資本家が合衆國の製鋼工業の五十%を軍一髄え連合することを禁止するために支持さ. れ︑又合衆國封製靴機械會肚事件に於ては︑資本家に事實上完全に全國の製靴機械産業を一つの團髄に蓮合するこ. と︑必然的にその團髄に合衆國製靴機械産業の上に於ける支配権の確立をもたらす様な行爲を禁止するために支持さ れたのである︒. 若し議會がこの同じ法律によつて小さな勢働者の勢働組合の組合員に勤して軍に意に反する仕事をさけるために團. 結する椹利︑しかもそれが︑その團結することが強力な使用者の團結に封する勢働者の自己防衛の唯一の手段である. のに︑その團結する椹利を禁ずる意圖をもつていたと言うのはまことにおかしなことである︒私は議會がその様な事. U曾9矯O器o︵お8︶︵要約︶. をしたことは考えられない﹂︵註七︶︒ E. ︵ この様にわれわれはブランダイスの小数意見をながめることによつて彼がきわめて進歩的な意見をもつていた事を. 知ったけれども︑それらの間に黙在した彼の進歩性の限界が要約的表現をとつたものとしてこのU興昌O霧①を見 る事が出來る様に思う︒彼は裁判所の多敷意見に賛同して次の様に述べた︒. ﹁企業を運螢する構利は自由椹と呼ばれようと財産椹と呼ばれようと一つの債値をもつている︒この椹利に封して正. 當な理由なしに介入することは遠法である︒事實︑ストライキによつて加えられた損害は罪なしとせられる︒しかし. ながらその方法に於て通常であつても目的においてストライキは違法でありうる︒嘗てその企業にやとわれていた組. 合員に蹄すべきであると主張する有効か無効かはつきりしない賃金賃椹を徴集すると言うことは直ちに許さるべきこ.
(25) とではない︒それは裁判所の決定することがらである︒ストライキよつて支沸いを強制する事は明らかに強堅的であ. りそれを指導したものは脅迫その他の罪にとはれる︒コモン.ローも︑憲法檜補第十四條も共にストライキに封する. 卜号目. oω︸9山一︒く●↓睾器お>ヰo旨20窪曾巴o断島oω欝けoo︷嶺角ω匡昌讐o♂9帥一←鱒魔qω.紹O︵ξ留質20℃●9こ. 岡本廣作﹁アメリカ勢働経濟史﹂一五二頁その他. ︒h︾﹂W営げε︑.↓ぽ届緯o曙o︷︾ヨΦ膏聾譲o島ぎαQΩ器ω﹂O曽. 絶封的な権利をあたえたものではない﹂︵註八︶︒ 註一. 註三. 註二. ワ誤一︶. ぎ. 器Ooげの︶一㎝o oqω.q露︵一〇〇3︶︵ぴ︾ω帥異20b.9. 註四. ︒一N︵駐ω︒暮︶︵ξ留属Po掌9 ↓置輿︶①ξ一︒〜Oo鼠αq昏︸9の一﹄誤q︒ω︒o. これらの諸貼に關しては甘ゲ目︾●固8ダ.︑6ぽO即ま89ぎ傷5鼠巴¢霞o呂一爲ト︾ミ綿参照. Uq覧窪ギぎユロαqOPダUoRぎαq電㎝食d.ω︒僻戯ω︵島のの〇三︶︵げ﹃ω蝉属20℃.9♪℃●詮ooh︶. 註五. 団oユ︷oaO暮ω8昌oOP︿●ω8まO昌宕話︑>ωωoo一舞一〇PN謹qω︒oo刈︵島器o糞︶︵ぴ矯︾=o晦︺.︑↓ゲoωoo一巴卑昌ユ閃?. や器蒜︶. 註六 註七. U日&鴇ダ民睾ω器ω認d. ω. o9︵098畦Φ算︶︵ξ=禽5匡︶これに封して劣働者たちに︑この判決は憲法増補等+ o. て強力であつた︒鑑罰8Fま罫︾.臣ヨ富堕8﹄置岡本廣作前掲書一五二頁以下. 使用者園禮はこの外にも趣めて澤山あつて︑そのあるものは明らかに反勢働組合運動を目的とするものであり︑且つ趣め. O口O一B一〇 < 一 〇 奢 の O 蜜N ・︷O ロの凱8ω鍔ロ傷o団の︸一8Pや&い︶. 註八. 結. 語. 四條によって保障された勢働者の争議権を奪うものであると強く反勤した︒鑑竃器oPoや畠・や一〇〇9. 四. 諸州は勢働者の強力な要求のもとに績々と勢働立法をうみだしつ瓦あつた︒併しながら最高裁判所の判事たちは資. 一五三. 本主義の胎生期の法をそして法概念をそのま﹄に援用し︑それによつてこれらの勢働立法を評憤し︑叉︑それによつ ブランダイス判事のアメリカ法史に於ける意義.
(26) ブランダイス判事のアメリカ法史に於ける意義. 一五四. て勢資關係を規律しようとしていた︒これらのことは今までの通覧した所で明らかなことである︒. これに勤してプラグマティズムの哲學に同調して法律の中にもプラグマティズムを導入しようとする傾向がめぼえ. つ﹄あつた︒ロスコー・パウンド勾oω8①頃2昌ρホームズ・ブランダイスがそうした人々であつた︒特にホーム. ズ︵註一︶はブランダイスと共に最高裁判所の判事として活躍した人であり︑ホームズを語る時にブランダイスを忘. れてはならない様にブランダイスを語るときにもホームズの存在は忘れてはならないものである︒われわれはホーム. ズの業績をやはりブランダイスの業績と同じ様に法律學に封する新しい生命の導入として高く評債しなくてはならな. いであろうけれども︑彼はファクトの重要性にきづいていたが相甥主義︑若しくは懐疑主義として知られる様に︑フ. ァクトの判断を殆んど全く立法活動にゆだねた︒殆んどめつたに文書にした事のない裁判所での意見に於ても︑ブラ. ンダイスの様な實誰主義はもつていなかつた︒そして︑﹁大きなものは國の災い﹂というむしろ穏健な︑保守的とす. ら言える様な小市民性にときには支配されていた︑と言う事は︑彼とブランダイスの業績を明かに匪別するものとし て知つていなくてはならないと思う︵註二︶︒. われわれがこの小論の中で通観したブランダイスの少敷意見は︑彼の杜會哲學をはつきりと投影する︒即ち彼にあ. つては︑各個人が最もよく政治的にも肚會的にも焚展出來る様な理想肚會が常に追求せられていたと言う事である︒. 彼はそのために︑そうした個人の襲展をさまたげる様な自由に封する抑塵︑椹利の侵害に封しては︑肚會的不正義の. 名をもつて反迫しなくてはならないとした︒それ故に︑現存杜會に於て最も塵迫さされている勢働階級の解放が最も. 強く主張された︒併し彼が肚會主義者であつたとは言えない︒何故なら︑彼の意見の中にも散見される様に︑彼は私. 有財産構を否定しようと思はなかつたし︑叉︑生存椹的基本椹としての裏うちを鉄いた彼の自由・季等に關する主張.
(27) は︑程度の差こそあれ究極的には形式的なものにすぎなかつたからである︒. 併しながら事實の探究によつて︑實存の論理によつて法律は解せられねばならないという彼の主張は︑アメリカ法. 史上に於て極めて大きな意義をもつていた︑例えば今までわれわれが見てきた判例に於ても明かな如く︑憲法檜補第. 十四條の精帥は少くとも以下の様に攣貌している︒先づ︑それは黒人の保護︑解放のためのものであつた︒次にそれ. は警察槽に封して資本家の財産権を守るものであつた︒そして最後にそれはU99矯事件に於て勢働者の孚議構を. 保障したものであると主張せられている︒これらの事を若し現實杜會の歴史的な︑肚會的経濟的基盤から遊離して︑. 概念として把握しようとする時︑人々は非常な困難を感じるにちがいない︒これらを最も正しく判断するためには壮. 會を歴史的に︑経濟的肚會的政治的な観黙から分折する事が必要である事を主張したブランダイスの法律學はそれ故. に極めて大きな影響を及ぼした︒彼は︑フランクフルター勾宰彗箆q旨Rの調査によれば︑判事の席についてか ら十六年間に四百五十の意見を稜表した︵註三︶︑. これらの法廷での意見に盛られた彼の新しい法律學に封する示唆は︵もちろん・−︑れのみによつたのではないけれど. も︶リアリズム法學︑肚會的法學として︑アメリカ法學の中にすくなからざる割り合いを占めるにいたつた︒. そして叉︑彼の・てれらの意見は︑ノーリス・ラガーディア法そしてワグナー法≦夷昌①吋︾o叶の出現によつて正. しいものであつた事が實詮せられた︒彼の生存した杜會が更に多︑の民主的な襲展をやめない限り彼の主張は常に生き 生きと法の嚢展すべき道を示し績けるであろう︒. 一五五. ブランダイスは一九三九年二月十三日最高裁判所判事の席をむりぞき︑二年の後一九四一年十月五日ワシントンで 永眠した︒. ブランダイス判事のアメリカ法史に於ける意義.
(28) プランダイス判事のアメリカ法史に於ける意義. 一五六. なお︑この小論の中では一九二〇年代までの彼の一定範園の活動しか集録し得なかつたが︑特にニユー・ディール 以降の諸要問題に關しては次の機會に譲りたいと考える︒. 註一 〇一貯9毛o且亀=o一3β彼についてはo●望頃oぎ8..Oo一一8一巴ピ詔巴評冨誘.︑︵一露O︶︑.↓ぽU一のω①旨ぎαqO且巳ー o蕊o︷㍉qの鼠8=o一ヨo碧. なお︑ホームズとブランダイスについては次の様な話がつたえられている︒ブランダイスが判事の席についてまもなくの. 註二 戒能教授﹁公共の編祉と基本的人穰﹂国にはこれらについて分析されている︒. 或る夏に︑休暇をとつて田舎え出かげるホームズが﹁統計を學ぶべきだ﹂というブランダイスの主張をきいて感心し︑彼に. 良い本をえらんで途る様にたのんだ︒所でその本が彼の宿について︑包装を解いてみると︑出て來たのは八時間勢働︑機業. 竃墜o戸..劇㎏睾傷o冨き傷島oζ&o旨ω冨a︑.つ認q. o●. つけ︑又プラトーを讃み始めた︒という︒ω昌器団雪ε︑.冒のユ80一一<R名9飢巴一頃o一ヨ窃︑︑︵ご認︶℃マ拐O−山田o一酔&. 勢働︑婦人勢働︑使用者責任等々と題する恐るべき敷の論丈︑書籍であつた︒ホームズは肩をすくめて︑迭り返す様に言い ぎ. 註三閃①算牢印爵︷巨g︑︑ζづ一巨一8卑き鼠の餌&けぼ08ω昏&8︑︑=舞く畦山ピ睾幻象︒ぎく︒一・民く・2︒・ド℃・G︒9. 冒隆8劇置民包900=8貯巴ξコ男冨爵ぼ昌9一¢器︸20≦=窪く窪これは参照し得なかつた︒. 参考丈献 主なものをあげれば︑. o一はブランダイスの七十五回目の誕生日を帆う特集で︑匹oヨ雪の巴o碗F こ鴇奉乱い鎖≦勾o≦①ヨぎ一︒箆<︒20﹂︒20ぎ日げ9おo. ≧嘗①畠↓ぎ馨の竃器︒p︑.騨餌巳︒δ帥巳↓ぽζ︒山︒旨ω聾①︑︑︵一︒ω①︶蜜ε邑国§︒=ぼ曽曙●. 毘窪蔓≦o属国匡夕劉男冨5霞霞35勾88①勺oβ口傷が論文を︾悔彼表している︒. ↓ぽω09巴角包国8ぎ且︒<一①誤o︷匡き甘ωユ︒︒﹈W冨且︒一︒︑︑導Oo=9一&惹酔ぎぎ身9q20蕾駒ξ>年&=︒臣︵一〇G︒O︶.
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