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2014,12 月 京 谷 西 牧 菅 野 りをせず 籾 米 のまま 利 用 することにより 籾 摺 りに 要 する 手 間 やコストを 削 減 できる 利 点 もある 例 え ば, 市 販 配 合 飼 料 に 籾 米 を 50% 配 合 すると, 玄 米 を 50% 配 合 した 場 合 に 比

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(1)

原 著

籾米の配合割合の違いが肥育後期豚の飼養成績,

枝肉成績および肉質に及ぼす影響

京谷隆侍

1

・西牧由佳

2

・菅野美樹夫

3 1福島県農業総合センター畜産研究所,福島県福島市,960-2156 2福島県県南家畜保健衛生所,福島県白河市,961-0053 3酪農学園大学酪農学園フィールド教育研究センター,北海道江別市,069-8501 (2014 年 7 月 1 日受付,2014 年 10 月 14 日受理) 要 約 トウモロコシを籾米に一部代替した飼料を肥育後期豚に給与し,飼養成績,枝肉成 績および肉質に及ぼす影響を検討した。供試豚は LWD 三元交雑種の去勢雄(5 腹 21 頭)を用 いた。供試飼料は,慣行飼料と同様のトウモロコシ主体飼料(対照区),トウモロコシの代替で 籾米を配合した籾米 30% 配合飼料(籾米 30% 区)および籾米 40% 配合飼料(籾米 40% 区)を 調製した。各供試飼料を体重 70 kg から 110 kg までの肥育後期に給与した。一日増体量は対 照区および籾米 30% 区に比べて籾米 40% 区で低かった(P<0.05)。肥育日数は対照区に比べ て籾米 40% 区で長かった(P<0.05)。枝肉成績については,背脂肪厚(肩)が対照区および籾 米 30% 区に比べて籾米 40% 区で薄かった(P<0.05)。その他の形質に差はなかった。肉質に ついては,胸最長筋の肉色の a* 値および b* 値が,対照区および籾米 40% 区に比べて籾米 30% 区で高かった(P<0.05)。背脂肪内層の脂肪色および上昇融点は試験区間に差はなかった。胸 最長筋の加熱損失,剪断力価および筋肉内脂肪含量は試験区間に差はなかった。胸最長筋およ び背脂肪内層の脂肪酸組成は試験区間に差はなかった。以上から,籾米をトウモロコシの代替 原料として飼料に 30% 配合し肥育後期豚に給与しても,飼養成績,枝肉成績および肉質を低下 させることなく肥育可能であることが確認された。 ─────────────────────────

我が国で流通している養豚用配合飼料は,原料の 多くを輸入トウモロコシが占めている。そのため, 国内の養豚産業はその価格変動の影響を受け,決し て安定したものとは言えない。一方,近年の飼料用 穀物の国際価格の高騰や水田の利活用推進,飼料自 給率の向上を目指した施策などを背景に,飼料用米 の作付面積は年々増加している。2005 年には 45 ha であったが,2012 年には 34,525 ha となっており,7 年間で約 767 倍に増加した(農林水産省,2013)。 こうした中,トウモロコシの代替となる飼料原料 として飼料用米の活用が期待されており,肥育豚へ の効率的な飼料用米給与技術の開発が求められてい る。飼料用米の利用形態は玄米と籾米に大別され, 玄米を肥育豚に給与した試験については様々な報告 がある。例えば,配合飼料中のトウモロコシを玄米 に一部代替した試験(勝俣ら,2009)や同様に全量 代替した試験(高橋ら,2011),配合飼料自体を玄米 に一部代替した試験(真原ら,2011 ; 佐々木と吉田, 2013 ; 鈴木と佐々木,2013 ; 堤ら,2013)などが報告 されており,玄米はトウモロコシの代替となる飼料 原料として十分に利用可能であることが示されてい る。一方,籾米の給与について検討した報告は少な い。勝俣ら(2013)の報告によると,籾米は玄米に 比べて酸化劣化しにくく保存性が高い。また,籾摺

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りをせず籾米のまま利用することにより籾摺りに要 する手間やコストを削減できる利点もある。例え ば,市販配合飼料に籾米を 50% 配合すると,玄米を 50% 配合した場合に比べて飼料単価は約 9%,肥育 後期における 1 頭当たりの飼料費は約 14% 低下す ることが報告されている(堀之内ら,2010)。こうし たことから,籾米についても飼料原料としての利用 性を十分に検討する必要があると考える。 近年の我が国の肉豚生産では,ランドレース(L) 種,大ヨークシャー(W)種およびデュロック(D) 種を交配して生産した LWD 三元交雑種が最も多く 飼養されている(農林水産省,2009)。したがって, 飼料用米の給与方法を検討する上で,供試豚に LWD 三元交雑種を用いることが望ましい。実際, 前述の玄米の給与に関する研究報告においても供試 豚は LWD あるいは WLD 三元交雑種である(勝俣 ら,2009 ; 真原ら,2011 ; 高橋ら,2011 ; 佐々木と吉 田,2013 ; 鈴木と佐々木,2013 ; 堤ら,2013)。これ まで,トウモロコシの代替で籾米を LWD 三元交雑 種の肥育豚に給与した試験には,松本ら(2009)お よ び 石 川 と 龍 田(2013)の 報 告 が あ る。松 本 ら (2009)は,籾米をトウモロコシの代替で飼料に 15% 配合し肥育後期に給与しても,飼養成績や肉質 は低下しなかったと報告している。さらに,石川と 龍田(2013)は,同様に籾米を 21% 配合し肥育後期 に給与した結果,飼養成績や枝肉成績,肉質に影響 はなかったと報告している。籾米は籾殻を含むため にトウモロコシや玄米に比べて粗繊維含量が高く, 可消化養分総量(TDN)や粗タンパク質(CP)含量 が低い(農研機構,2009)。したがって,トウモロコ シを籾米に代替する割合,すなわち飼料中の籾米の 配合割合が高くなるにつれて肥育豚の発育が低下す ることが予想される。しかしながら,籾米の配合割 合をさらに高くした飼料の給与を検討した研究報告 はない。 そこで本研究では,トウモロコシの代替で籾米を 30% および 40% 配合した飼料を LWD 三元交雑種 の肥育後期豚に給与したときの,飼養成績,枝肉成 績および肉質に及ぼす影響を検討した。

材料および方法

供試豚は LWD 三元交雑種の去勢雄(5 腹 21 頭) を用いた。同腹内から体重約 70 kg に到達した 3 頭 または 6 頭を選抜し,腹を考慮して対照区,籾米 30% 区,籾米 40% 区に割り振り,飼養試験した。飼 養条件は,単飼,不断給餌,自由飲水とした。飼養 試験は,福島県農業総合センター畜産研究所の豚舎 内で 2011 年 9 月から 2012 年 1 月の期間に 7 反復実 施した。対照区には慣行飼料と同様に調製したトウ モロコシ主体飼料を,籾米 30% 区にはトウモロコ シの代替で籾米を 30% 配合した飼料を,籾米 40% 区には同様に籾米を 40% 配合した飼料を給与した。 籾米は飼料用米破砕機(DHC-2000 ; DELICA,長 野)により,ロール間隔 0.2 mm で 1 回破砕した。 供試した籾米は 2010 年に福島県内で収穫された 「ふくひびき」で,「飼料として使用する籾米への農 薬の使用について」(農林水産省)に従い出穂以降の 農薬散布は行っていない。また,籾米の原物中の粗 蛋白質,粗脂肪,粗繊維の含量は,それぞれ 5.5%, 1.4%,8.9% であった。各成分の分析は,十勝農業協 同組合連合会農産化学研究所に依頼した。表 1 に供 試飼料の配合割合および成分組成(計算値)を示し た。 供試豚は,体重約 110 kg に到達した時点で(株) 福島県食肉流通センターに出荷し,24 時間絶食後に と畜した。枝肉を 4℃の冷蔵庫で 24 時間放冷した 後,枝肉重量,と体長,背腰長ⅠおよびⅡ,と体幅, 背脂肪厚(背,肩,腰)を測定した。その後,左半 丸の第 4・5 胸椎間から第 13・14 胸椎間のロース部 位を採取し,第 4・5 胸椎間のロース芯断面積を測定 した。後日,第 4・5 胸椎間から第 5・6 胸椎間の ロース部位から胸最長筋を採取し,肉色,筋肉内脂 肪含量,脂肪酸組成を分析した。さらに,同部位か ら背脂肪内層を採取し,脂肪色,脂肪酸組成,上昇 融点を分析した。また,第 6・7 胸椎間から第 13・14 胸椎間のロース部位から胸最長筋を採取し,加熱損 失,剪断力価を分析した。肉色および脂肪色は,切 断面を 4℃に設定した冷蔵庫内で 30 分間発色させ た後,分光測色計(CM-200,KONICA MINOLTA, 東京)により測定した。筋肉内脂肪含量は,胸最長 筋をミンチにした後にエーテル抽出法により測定し た。脂肪酸組成は,胸最長筋からはクロロホルムお よびメタノールの混液(2 : 1,v/v)で,また,背脂 肪内層からはジクロロメタンおよびヘキサンの混液 (1 : 1,v/v)で脂質を抽出し,三ふっ化ホウ素メタ ノール錯体メタノール溶液によりメチルエステル化 をした後,ガスクロマトグラフ装置(GC-1700,(株) 島津製作所,京都)で測定した。背脂肪内層の上昇 融点は,脂肪をジエチルエーテルで抽出し,自動上 昇融点測定器(EX-871A,(株)エレックス科学,東

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京)で測定した。なお,脂肪酸組成および上昇融点 は(財)日本食品分析センターに分析を依頼した。 加熱損失は,2 cm×4 cm×4 cm に整形した胸最長 筋をビニール袋に入れ,72℃のお湯の中で 20 分間 加温し,流水中で 30 分間冷却後,加熱前後の胸最長 筋の重量から算出した。剪断力価は,加熱損失測定 後の胸最長筋から直径 1/2 インチの円柱状のサンプ ルを筋線維に沿って調製し,テクスチャーアナライ ザー TA.XT Plus((株)英弘精機,東京)で測定し た。アタッチメントは,Warner-Bratzler ブレード (V 型)を使用し,剪断速度は 250 mm/分とした。 得られたデータの統計処理は,腹をブロック効 果,飼料を主効果とした乱塊法により分散分析を行 い,有意差があった項目については多重比較検定 (Tukey 法)を行った。

表 2 に飼養成績を示した。一日増体量は,対照区 および籾米 30% 区に比べて籾米 40% 区で低かった (P<0.05)。飼料摂取量は試験区間に差はなかった。 飼料要求率は,対照区に比べて籾米 30% 区および 籾米 40% 区で高かった(P<0.05)。肥育日数は,対 照区に比べて籾米 40% 区で長かった(P<0.05)。 表 3 に枝肉成績を示した。背脂肪厚(肩)は,対 照区および籾米 30% 区に比べて籾米 40% 区で薄 かった(P<0.05)。その他の項目については,試験 区間に差はなかった。 表 4 に肉質の結果を示した。胸最長筋の肉色にお いて,a* 値および b* 値は対照区および籾米 40% 区 に比べて籾米 30% 区で高かった(P<0.05)。背脂肪 内層の脂肪色については,試験区間に差はなかっ た。背脂肪内層の上昇融点および胸最長筋の加熱損 失,剪断力価,筋肉内脂肪含量は,試験区間に差は なかった。 表 5 に,胸最長筋および背脂肪内層の脂肪酸組成 を示した。パルミチン酸(C16 : 0),パルミトレイ

Control 30% rice 40% rice Ingredient (%, as-fed basis)

Table 1. Ingredient and calculated composition of the experimental diets 表 1. 供試飼料の配合割合および成分組成(計算値) Ether extract Alfalfa meal Dicalcium phosphate 49.0 Corn 39.0 Crude protein Paddy rice Soybean meal HCl-lysine 0.0 30.0 40.0

Composition (%, as-fed basis)

79.0

Calcium carbonate

16.0 16.0 16.0

Salt

Vitamin and mineral mix1)

2.5 2.5 2.5

1)Containing the following (per kilogram of Vitamin and mineral mix):

vitamin A 3,000,000 IU, vitamin D 600,000 IU, vitamin E 3.0 g, vitamin K 0.5 g, thiamin 0.4 g, riboflavin 3.0 g, pantothenic acid 2.0 g, niacin 5.0 g, pyri-doxine 1.0 g, folic acid 125 mg, choline 12,000 g, vitamin B122.5 mg, Fe 9.27 g,

Cu 0.95 g, Co 15.89 mg, Zn 24.51 g, Mn 24.65 g. 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 1.0 1.0 1.0 0.2 0.2 0.2 0.3 0.3 0.3 3.37 2.89 2.73 13.9 13.6 13.5 0.91 0.91 0.92 Lysine 69.7 71.4 76.4 Total digestible nutrient

3.07 3.15

3.37 Digestible energy (Mcal/kg)

5.57 4.88

2.81 Crude fiber

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Control 30% rice 40% rice Daily gain (kg/day)

Table 2. Effects of paddy rice feeding on growth performance of finishing pigs

Fattening period (day)

表 2. 籾米の給与が肥育後期豚の飼養成績に及ぼす影響

1.07±0.24a 0.93±0.15b

4.06±0.68

Feed intake (kg/day) 3.68±0.54

Feed conversion ratio

1.13±0.17a

3.47±0.46a 4.08±0.61b 4.19±0.52b

3.69±0.40

Values are means±SD, n=7. Means without a common superscript letter differ (P

<0.05).

34±6a 35±7ab 39±8b

Control 30% rice 40% rice Carcass weight (kg)

Table 3. Effects of paddy rice feeding on carcass characteristics of finishing pigs

Loin

表 3. 籾米の給与が肥育後期豚の枝肉成績に及ぼす影響

70.2±3.4

Back and loin length Ⅱ (cm)

71.6±4.5

Carcass width (cm)

66.3±1.4

Dressing percentage (%) 65.9±1.3

Carcass length (cm)

Back and loin length Ⅰ (cm)

74.1±3.2

Middle

90.2±2.8 91.0±2.6 91.1±1.6 67.6±1.3

Longissimus dorsi area (cm2)

72.5±2.3 74.0±2.5 74.3±2.0

Backfat thickness (cm) Shoulder

63.2±1.9 64.5±2.6 65.3±1.9

Values are means±SD, n=7. Means without a common superscript letter differ (P<0.05). 24.5±1.5 21.8±2.4 24.5±3.6 34.9±1.2 34.6±1.6 35.0±1.2

4.24±0.26a 4.49±0.36a 3.83±0.46b

2.24±0.16 2.33±0.23 2.23±0.18 3.29±0.20 3.47±0.42 3.40±0.63

Control 30% rice 40% rice Color value of muscle

Table 4. Effects of paddy rice feeding on meat quality of finishing pigs

Intramuscular fat content (%)

表 4. 籾米の給与が肥育後期豚の肉質に及ぼす影響

Color value of fat L* 49.3±2.6 L* 47.6±3.0 a* b* Cooking loss (%) 3.6±0.9a 4.8±0.4b 3.7±1.1a

Warner-Bratzler shear force (kg)

47.4±4.6

a*

7.3±1.1a 8.6±0.8b 7.4±1.1a

b*

Fat melting point (℃)

Values are means±SD, n=7. Means without a common superscript letter differ (P<0.05). 1.9±0.4 2.1±0.5 1.9±0.5 74.5±1.3 73.8±1.2 73.9±1.1 41.2±1.3 41.0±0.9 40.6±1.4 8.2±0.7 8.3±0.9 8.1±0.6 3.28±0.82 3.16±0.52 22.8±1.6 22.3±1.7 22.4±1.9 2.89±0.63 5.13±0.92 6.18±1.77 5.47±1.20

(5)

ン酸(C16 : 1),ステアリン酸(C18 : 0),オレイン 酸(C18 : 1),リノール酸(C18 : 2),リノレン酸 (C18 : 3),飽和脂肪酸,一価不飽和脂肪酸および多 価不飽和脂肪酸のいずれも試験区間に差はなかっ た。

日本標準飼料成分表 2009 年版(農研機構,2009) によると,トウモロコシの原物中の CP 含量は 7.6 %,TDN は 80.8% であり,一方で籾米についてはそ れぞれ 6.5%,64.0% である。実際,本研究で供試し たトウモロコシおよび籾米の原物中の CP 含量を分 析したところ,6.8% および 5.5% であった。このこ とから,籾米をトウモロコシの代替原料として飼料 に配合する場合,その配合割合が高くなるにつれて 飼料中の CP 含量や TDN が低くなり,肥育豚の発 育 が 低 下 す る こ と が 予 想 さ れ る。石 川 と 龍 田 (2013)は,トウモロコシの代替で籾米を 21% 配合 した飼料を肥育後期に給与しても,一日増体量や肥 育日数はトウモロコシ主体飼料を給与した豚と同等 であったことを報告している。本研究では,籾米の 配合割合をさらに高くした籾米 30% 配合飼料およ び籾米 40% 配合飼料を肥育後期に給与し,飼養成 績への影響を検討した。その結果,籾米 30% 配合 飼料を給与した籾米 30% 区の一日増体量は,慣行 飼料を想定したトウモロコシ主体飼料を給与した対 照区と同等で,肥育日数にも差はなかった。一方, 籾米 40% 配合飼料を給与した籾米 40% 区は,対照 区および籾米 30% 区に比べて一日増体量が低くな り,肥育日数が長くなった。このときの飼料摂取量 および供試飼料の成分組成(計算値)から一日当た りの TDN 摂取量(kg/day)を算出すると,対照区 で 2.82±0.30,籾米 30% 区で 2.90±0.49,籾米 40% 区で 2.57±0.38 となり,有意差はないものの籾米 40% 区で少ない傾向がみられた。齋藤ら(2003) は,去勢雄の肥育後期において飼料中の TDN を低 くすると,TDN 摂取量が少なくなり,一日増体量 の低下および肥育日数の延長が生じることを報告し ている。すなわち,トウモロコシの代替で籾米を 40% 以上配合する場合,増体に必要なエネルギーが 十分に摂取できず,肥育豚の飼養成績は低下するも のと考える。 枝肉成績については,籾米 40% 区の背脂肪厚 (肩)が対照区および籾米 30% 区に比べて薄かっ た。前述の齋藤ら(2003)の報告の中で,TDN 摂取 量の減少により枝肉の背脂肪厚が薄くなることが示 されている。本研究においても同様に,対照区およ び籾米 30% 区に比べて籾米 40% 区で TDN 摂取量 が少ない傾向にあったため,背脂肪厚が薄くなった と考える。他の項目については籾米の給与による影 響はみられなかったことから,トウモロコシの代替 原料として籾米を 30% あるいは 40% 配合し肥育後 期に給与してもトウモロコシ主体飼料を給与した場 合と遜色ない枝肉が得られるものと考えられる。 肉質については,胸最長筋の加熱損失や剪断力 価,筋肉内脂肪含量,背脂肪内層の脂肪色や上昇融 40% rice

Longissimus dorsi muscle Backfat C16:0

Table 5. Effects of paddy rice feeding on fatty acid composition of longissimus dorsi muscle and inner layer backfat

of finishing pigs

30% rice Control

Poly-unsaturated fatty acid

表 5. 籾米の給与が肥育後期豚の胸最長筋および背脂肪内層の脂肪酸組成に及ぼす影響 26.0±0.5 40% rice C18:2 25.9±0.7 25.2±1.0 30% rice 25.0±1.1 Control C18:3 24.5±0.8 3.1±0.3 C16:1 3.2±0.3 1.4±0.2 C18:0 1.5±0.1 1.4±0.2 C18:1 25.7±0.9 13.6±0.7 13.6±0.3 13.3±0.8 17.9±0.9 17.3±1.0 17.0±1.6 3.0±0.3

Saturated fatty acid

48.4±2.0 48.5±1.3 48.2±1.3

Mono-unsaturated fatty acid

43.0±0.9 43.8±1.1 44.1±0.8 0.44±0.05 0.49±0.06 0.50±0.08 4.7±0.7 4.4±0.5 4.5±1.0 8.1±0.9

Values are means±SD, n=7.

8.0±0.8 8.4±1.1 46.8±0.9 40.9±1.6 41.3±0.7 41.0±1.3 44.9±1.5 44.1±2.1 43.4±2.0 0.17±0.05 0.19±0.03 0.19±0.06 52.3±2.1 52.5±1.3 52.3±1.6 45.6±0.9 46.4±1.1 9.1±1.0 9.5±1.3 5.9±1.0 5.4±0.6 5.9±1.5 9.1±0.9

(6)

点に籾米の給与の影響はなかったが,一方で胸最長 筋の肉色の a* 値および b* 値が,対照区および籾米 40% 区に比べて籾米 30% 区で高かった。松本ら (2009)および石川と龍田(2013)の報告では,籾米 を給与しても胸最長筋の肉色は変化していない。ま た,玄米を給与しても胸最長筋の肉色は変化しない ことが示されている(勝俣ら,2009 ; 真原ら,2011 ; 高橋ら,2011 ; 佐々木と吉田,2013 ; 鈴木と佐々木, 2013)。これらのことから,本研究で籾米を 30% 配 合した飼料の給与により a* 値および b* 値が高く なったが,再現性の有無やメカニズムについては今 後の検討が必要である。 豚の体脂肪の脂肪酸組成は,飼料の脂肪酸組成の 影響を受けて変化することが知られている(KOCH ら,1968 ; 高田ら,1992 ; 山田ら,2001)。玄米を配 合した飼料は,トウモロコシ主体飼料に比べてオレ イン酸割合が高く,リノール酸割合が低いことか ら,玄米を配合した飼料を給与すると肥育豚の背脂 肪内層のオレイン酸割合が高くなること,ならびに リノール酸割合が低くなることが示されている(勝 俣ら,2009 ; 松本ら,2009 ; 高橋ら,2011)。これら のことから,本研究においても籾米の給与により同 様の変化が起きると考えられたが,背脂肪内層およ び胸最長筋の脂肪酸組成に有意な差はなかった。堀 之内ら(2010)の報告では,配合飼料との代替で籾 米を 50% 配合し肥育後期に給与したとき,ロース 肉およびロース周辺脂肪のリノール酸割合が低く なっているが,10% の配合割合では同様の変化はみ られない。また,トウモロコシの代替で籾米を 15% 配合し肥育後期に給与した松本ら(2009)の報告で は,背脂肪内層の脂肪酸組成に変化がない。このよ うに,籾米の配合割合の違いが体脂肪の脂肪酸組成 の変化に影響する可能性が考えられる。また,籾米 の給与期間や粉砕粒度の違いが体脂肪の脂肪酸組成 の変化に影響する可能性もあるため,今後の検討が 必要である。 以上の結果から,籾米をトウモロコシの代替原料 として飼料に 30% 配合し肥育後期に給与しても飼 養成績の低下はなく,また,慣行のトウモロコシ主 体飼料を給与した豚と同等の枝肉を生産できること が明らかとなった。一方,籾米の配合割合を 40% 以上にする場合には,増体に必要なエネルギーが不 足し飼養成績が低下するが,他の飼料原料によりエ ネルギー含量を補正することで対応できると考え る。今後は,籾米 30% の配合割合を基本として,籾 米の給与期間や時期の違いが,肥育豚の発育や肉質 に及ぼす影響を検討する必要がある。

本研究は,平成 23 年度農林水産省委託プロジェ クト研究「自給飼料を基盤とした国産畜産物の高付 加価値化技術の開発(国産飼料プロ)」における研究 課題「自給飼料多給による高付加価値豚肉生産技術 の開発」の一環として実施した。 本研究を実施するに当たり,豚の飼養管理にご協 力頂いた福島県農業総合センター畜産研究所第 3 班 の皆様,枝肉調査およびサンプル採取にご協力頂い た JA 全農福島畜産部ならびに(株)福島県食肉流 通センター業務部の方々に深く感謝致します。

参 考 文 献

独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構編 : 2009,「(2)一般成分組成,消化率,栄養価:豚およ び鶏」,日本標準飼料成分表(2009 年版),106-107,中央畜産会,東京. 堀之内正次郎・中塩屋正志・岩切正芳・船ヶ山裕二・ 山崎紀子 : 2010,肥育豚に対する飼料用米給与試 験,宮崎畜試研報,22,72-87. 石川 翔・龍田 健 : 2013,形状の異なる飼料用米 の給与が肉豚の発育と肉質に及ぼす影響,兵庫農 技総セ研報,49,6-10. 勝俣昌也・佐々木啓介・斉藤真二・石田藍子・京谷 隆侍・本山三知代・大塚 誠・中島一喜・澤田一 彦・三津本充 : 2009,肥育後期豚への玄米の給与 が皮下脂肪の性状に及ぼす影響,日畜会報,80, 63-69. 勝俣昌也・石田藍子・豊田裕子 : 2013,生産現場で 収穫した飼料用米の化学組成ならびに保管条件が 玄米と籾米の脂肪酸度におよぼす影響,日豚会 誌,50,164-172.

KOCH, D.E., A.M. PEARSON, W.T. MAGEE, J.A. HOEFER

and B.S. SCHWEIGERT: 1968, Effect of diet on the

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(7)

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Effects of Dietary Level of Paddy Rice onGrowth Performance,

Carcass Characteristics and Meat Quality in Finishing Pigs

Takahito K

YOYA1

, Yuka N

ISHIMAKI2

and Mikio S

UGANO3

1Livestock Research Centre, Fukushima Agricultural Technology Centre,

Fukushima, Fukushima 960-2156, Japan

2Fukushima Prefecture Kennan Livestock Hygiene Service Centre,

Shirakawa, Fukushima 961-0053, Japan

3Rakuno Gakuen Field Education and Research center, Rakuno Gakuen University,

Ebetsu, Hokkaido 069-8501, Japan

The present study was conducted to elucidate the effects of feeding paddy rice as substitute for corn on growth performance, carcass characteristics and meat quality in finishing pigs. Twenty one barrows (LW×D crossbred) from five litters were used. We prepared experimental diets: a control diet based on corn (control group) and paddy rice diets. To make the paddy rice diets, we replaced corn in the control diet with paddy rice: the levels of paddy rice contained in the paddy rice diets were 30 (30% rice group) or 40% (40% rice group). The pigs were fed these diets throughout fattening period (70 to 110 kg of body-weight). Daily gain of the 40% rice group was lower than that of the control and 30% rice group (P<0.05). Fattening period of the 40% rice group was longer than that of the control group (P<0.05). Backfat thickness of the 40% rice group was thicker than that of the control and 30% rice group (P<0.05). There were no differences among the groups in other carcass characteristics. Muscle color a* and b* values of Longissimus dorsi (L. dorsi) muscles of the 30% rice group were higher than that of the control and 40% rice group (P<0.05). Fat colors and melting point of inner layer backfat were not affected by the dietary treatments. Cooking loss, Warner-Bratzler shear force and intramuscular fat content of L. dorsi muscles also were not affected by the dietary treatments. There were no differences among the groups in fatty acid composition of L. dorsi muscles and inner layer backfat. These results suggest that a diet containing paddy rice at a level of 30% as substitute for corn fed to finishing pigs without negative effects on growth performance, carcass characteristics and meat quality.

Jpn. J. Swine Science, 51, 4 : 191-197

Table 1. Ingredient and calculated composition of the experimental diets表 1. 供試飼料の配合割合および成分組成(計算値) Ether extractAlfalfa meal Dicalcium phosphate 49.0Corn 39.0Crude proteinPaddy riceSoybean mealHCl-lysine0.030.040.0
Table 3. Effects of paddy rice feeding on carcass characteristics of finishing pigs
Table 5. Effects of paddy rice feeding on fatty acid composition of longissimus dorsi muscle and inner layer backfat

参照

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