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< 背 景 の 補 足 > 補 足 説 明 現 在 のインターネット 通 信 は 光 ネットワークにアクセスする 部 分 では 1 つの 波 長 ( 毎 秒 1 ギガビッ ト)を 複 数 のユーザがパケット 単 位 にタイムシェアしています また ネットワーク 内 の 中 継 ノードでは いったん

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(1)

100Gbps イーサネットを効率的に運ぶ広域光ネットワーキング実験に成功

~NICT 委託研究で、光通信の先端技術を開発、遠隔地の大容量データへのオンデマンドアクセスを実証~ 【背景】 急速に進展するブロードバンド環境や映像系コンテンツ利用の拡大に対応して、今後のネットワークに は更なる大容量化・高機能化が必要です。このため、中継ノードではなるべく電気信号に変換せずに通信 できる光ネットワークを構築し、究極的には、複数のユーザと遠隔地のサーバをオンデマンドに波長の束 で結び、広域網に遍在する多数の波長をユーザが意識せずとも効率的に共有できる仮想光網*5を実現する ことが期待されています。 【実験の概要と成果】

今回、NTT、NEC、NTT Com、三菱電機、日立、KDDI 研、富士通、OKI の各社は、NICT の委託に基づき広域 光ネットワーク技術を開発するとともに、今般そのプロトタイプ装置を持ち寄り、JGN2plus の光ファイバで 複数拠点を結んだ波長多重(WDM)実験網を構成し、100Gbps イーサネットを効率的に運ぶ広域光ネットワーク を動作させることに成功しました。具体的には今般開発された(1)ユーザによる網アクセスを効率化する技 術*1、(2)網内の波長を有効利用する技術*2、および(3)光リンクを高度化する技術*3を連携させることにより、 WDM 網内の波長資源を仮想化して有効利用することに成功しました。これによりユーザ要求にあわせて網内 の波長資源を動的に割当て、ユーザとサーバを 1~10 波(1波あたり毎秒 10 ギガビット)で結びます。本技術 により、ユーザは、最新の 100GbE*6インタフェースを用いて、従来の 100 倍の速度で光ネットワークにアク セスし、高精細(HD)映画1本相当(ブルーレイディスク1枚分* 7)のデータも、僅か 2 秒で end to end 500km の広域転送が可能になります。 【今後の展望】 今回の実証成果に加えて、今後も、波長あたり 100Gbps 伝送を革新する信号処理技術、光波長帯域幅を 適応的に最適化する技術、100Tbps 級のスイッチ容量を実現する光技術などの研究開発を進めるとともに、 それらを連携させてスループットがテラビット級の広域 LAN 環境の実証を進めていきます。 また、産学官の叡智を結集した我が国が世界に誇る「光」技術の研究開発を進めることにより、国際競 争力強化に資することも期待されます。 なお、本実験模様は、2010 年 12 月 16 日(木)及び 17 日(金)に静岡県三島市で開催される「光通信シス テムシンポジウム」* 8にて展示紹介する予定です。 < 本件に関する 問い合わせ先 > 独立行政法人情報通信研究機構 総合企画部 広報室 報道担当 Tel:042-327-6923 日本電信電話株式会社 NTT 先端技術総合研究所 広報担当 Tel:046-240-5157 三菱電機株式会社 広報部 Tel:03-3218-2333 日本電信電話株式会社(以下「NTT」)、日本電気株式会社(以下「NEC」)、NTT コミュニケーションズ株 式会社(以下「NTT Com」)、三菱電機株式会社(以下「三菱電機」)、株式会社日立製作所(以下「日立」)、 株式会社 KDDI 研究所(以下「KDDI 研」)、富士通株式会社(以下「富士通」)、沖電気工業株式会社(以下「OKI」) は、独立行政法人情報通信研究機構(以下「NICT」)の委託研究*1-3により開発した、光ファイバ内の通信 リソースである光の波長を効率的に利用するための複数の技術を連携させ、NICT の実験環境(JGN2plus*4 光ファイバ)を用いて、光波長をユーザにオンデマンドで割当てる仮想光網*5を構成し、毎秒 100 ギガビッ ト(現在の 100 倍)のアクセス速度による広域 LAN 環境を実現することに成功しました。 これは、今年 6 月に国際標準化された最新 100 ギガビットイーサネット(IEEE802.3ba 100GbE*6)に対応 した技術を用いて、デジタルシネマ級の高精細な映像通信や大容量のファイル交換を、遠隔地ともストレ スなく行える将来の広域 LAN 環境の構築が可能であることを、世界で初めて実証したものです。 独 立 行 政 法 人 情 報 通 信 研 究 機 構 日 本 電 信 電 話 株 式 会 社 日 本 電 気 株 式 会 社 NTTコミュニケーションズ株式会社 三 菱 電 機 株 式 会 社 株 式 会 社 日 立 製 作 所 株 式 会 社 K D D I 研 究 所 富 士 通 株 式 会 社 沖 電 気 工 業 株 式 会 社 プ レ ス リ リ ー ス 平 成 2 2 年 1 2 月 7 日 配布先:総務省記者クラブ、情報通信記者会 テレコム記者会、文部科学記者会

(2)

<背景の補足>

現在のインターネット通信は、光ネットワークにアクセスする部分では、1 つの波長(毎秒 1 ギガビッ ト)を複数のユーザがパケット単位にタイムシェアしています。また、ネットワーク内の中継ノードでは、 いったん電気信号に直して、パケット毎に宛先を確認して行き先ごとに振り分けてから、光信号に戻して います。これらは、電子メールや Web など、細かなデータの流れ(フロー)を、パケット単位に束ねて効率 的に運ぶのに適した方式です(図 1 下段)。 これに対して、2020 年頃には、100GbE 技術が端末インタフェースとして普及し始めると予想されてお り、中継ノードでは電気処理をせずにユーザと遠隔地のサーバをオンデマンドに波長の束で結び、広域網 の波長リソースを複数のユーザで効率的に共有する「波長単位にタイムシェア」という新しいパラダイム の開拓が期待されています(図1上段)。 図 1:波長リソースを有効活用する仮想光網が実現する将来の広域 LAN 環境(現在と比較)

<実験の詳細>

各社のプロトタイプ装置を持ち寄り、10~100Gbps(1~10 波)でのオンデマンド通信をユーザ主導で実 現する広域 LAN 環境としての連携動作を確認しました。実証実験は、NICT の JGN2plus 光ファイバテスト ベッド(小金井~大手町間 4 芯 各 50km)に、NTT・NEC の 100Gbps NIC(ネットワーク・インタフェース・ カード)、三菱電機・日立・KDDI 研の 100Gbps アグリゲータ(集線装置)、NEC のゲートウェイ、富士通・ 三菱電機の 100Gbps 光リンク、および OKI の 160Gbps 光再生中継リンクを接続して行いました(図 2)。 図 2:100GbE を効率的に運ぶ広域光ネットワーキング実験網の構成

補足説明

現在の広域LAN環境 1波長1Gbpsで光アクセス (パケット単位にタイムシェア) Ethernet スイッチ Ethernet スイッチ 波長は中継ノード との接続で占有 光ファイバ 中継ノードでは電気に戻して パケット単位に行先振分け 中継ノード (ルータ) ゲートウェイ (光終端装置) サーバ アクセスネットワーク 広域WDM光ネットワーク データセンタLAN LAN 複数波長 でアクセス 10Gbps超の各ユーザは 波長単位にタイムシェア 10Gbps以下 のユーザは従来通り パケット単位にタイムシェア 将来の広域LAN環境: ユーザとサーバを複数の波長でオンデマンドに接続して 大容量通信を実現 ゲートウェイ サーバ 中継ノードでは光のまま波 長単位に行先切替え 光ファイバ 光スイッチ ギガビット イーサネット 100GbE 各ユーザは1波長10Gbpsを パケット単位にタイムシェア 光ファイバ ユーザ

将来

現在

GW GW ゲートウェイ (GW) JGN2plus 光テストベッド (ダークファイバ4芯~50km)

小金井

大手町

拠点A

拠点B

拠点C

波長選択 光スイッチ (ROADM) 100G リンク 100G リンク 100G 光3R 100G 光3R 光スイッチ 100G ネットワーク インタフェース カード 波長多重(WDM)網 10G×10波長

仮想光網

WDM網内に遍在する波長資源を仮想化、ユーザ 要求にあわせて動的に経路設定&波長割当 サーバ データ流量に応じて1~10波 (1波あたり毎秒10ギガビット) ユーザ 100 GbE 100 GbE

(3)

映像配信アプリケーションでは、オンデマンドにユーザが 2 波長(20Gbps 相当)を確保し、ハイビジョ ン映像の 4 倍の解像度と 2 倍の時間分解能を持つ 4K(60P)超高精細映像の非圧縮パケットストリーム (12Gbps)を受信できることを確認しました (図 3a)。また、データ転送アプリケーションでは、オンデマ ンドに 10 波長(100Gbps 相当)を確保し、ブルーレイディスク 1 枚分に相当する 25 ギガバイトの超高精細 な衛星写真の瞬時転送に成功しました。現在のギガビット級ネットワークアクセスで広域転送すると 3 分 以上を要するものが、わずか 2 秒(1/100 の所要時間)で一括転送できることを確認しました(図 3b,3c)。 図 3:100GbE を効率的に運ぶ広域光ネットワーキング実験網の構成 広域網 小金井A 端 末 20Gbps Link 20Gbps Link GW 端 末 端 末 小金井B 大手町C 波長パス アグリゲーション 波長数可変 パケット送受信 広域網 3 x 10G 7 x 10G GW 小金井A 端 末 GW GW 端 末 端 末 小金井B 大手町C 100G Link 波長数可変 パケット送受信 波長パス アグリゲーション オンデマンドに 波長経路計算 100G 高効率 500km光リンク 光3R再生中継 (b) 100Gbpsで衛星写真を瞬時転送 (a) 13Gbps動画を2画面同時表示 (c) 超高精細な衛星写真を瞬時転送(上)、拡大しても鮮明(下)

(4)

<開発された技術のポイント>

今回、NICT 委託研究により開発された各社の技術は、以下のとおりです(図 4)。 (1)ユーザが 100GbE で仮想光網に効率的にアクセスする技術(λアクセス技術の研究開発*1) (1-1) パケット処理頻度を 1/100 に抑えて、複数波長に振分けてパケット送受信(NTT、NEC、NTT Com) (1-2) パケットを公平に束ねて、波長あたり 100Gbps でパケット送受信(三菱電機、日立、KDDI 研) (2)仮想光網内の波長利用効率を向上する技術(λユーティリティ技術の研究開発*2) (2-1) 1,000 ノード規模の波長資源をオンデマンドに計算して経路割当(NEC) (2-2) 多値変調と誤り訂正で波長利用効率を 10 倍に高め 100Gbps で広域光リンク(富士通、三菱電機) (2-3) 100Gbps を超える速度の光信号をそのままデジタル再生して光中継伝送(OKI) (3)LAN や WAN の光リンクを高度化する技術(ユニバーサルリンク技術の研究開発*3) (3-1) 100GbE のレーン障害を回避して高信頼化する並列レーン縮退伝送技術(日立) (3-2) 100Gbps クラスの多値変調光リンクの信号状態を高安定にモニタする信号処理技術(富士通)

図 4:「100GbE を効率的に運ぶ広域光ネットワーキング」を実現する主な開発技術 ユーザ網 ユーザ網

フォトニック

ネットワーク

2-2. 100G 高効率 長距離リンク

多値変調や誤り訂正符号で波長利用効率UP ゲート ウェイ

1-1. 多波長ネットワークアクセス

100Gデータフローを複数波長に自在に分割

1-2. 100G ネットワークアクセス

パケットを高品質に束ねて1波長でアクセス

2-1. マルチドメイン自動経路制御

複数ドメインで光ノードや波長を効率的にルーティング

2-3. 光3R 再生中継

光のまま波形を整え100G級で伝送

3-2. 100G 信号処理アルゴリズム

デジタル信号処理で高安定な光信号観測

3-1. 100GE高信頼化リンク

レーン障害時に並列数縮退で高信頼化

(5)

1 ユーザが 100GbE で仮想光網に効率的にアクセスする技術(λアクセス技術の研究開発)

将来の Tbps 級ネットワークインタフェース実現を目指して、複数波長への並列展開数と波長あたり の伝送速度を、それぞれ、従来(1 波,10Gbps)の 10 倍にする技術を開発しました。 1-1 パケット処理頻度を 1/100 に抑えて、複数波長に振分けてパケット送受信(NTT、NEC、NTT Com) NEC は、100Gbps でのネットワークアクセスに際して、ユーザが通信に用いるデータ単位であるフレー ムのサイズを大幅に大きくすることで、通信の効率を上げることを可能とするパケット送受信技術を開 発しました。今回開発した「超ジャンボフレーム処理技術」では、通信効率で課題であったフレームサ イズを最大1メガバイトと従来の 100 倍以上のサイズとし、このフレームの送信、受信処理部に新たな 回路を開発することによって、100Gbps 動作を実現しました。とくに、1 メガバイトという巨大なフレー ムの誤り検出情報を生成する回路、および誤りを検出する回路を実現することにより、多種多様なデー タを多重しても 100Gbps の速度で動作することを実現しました(図 5 a)。 NTT は、この「超ジャンボフレーム」を標準イーサネットフレームに小分けにするフラグメント機能 を新たに実装し、アプリケーションが必要とする帯域やネットワーク側の事情に応じて、並列数を自在 に変更できるパケット送受信技術*9と統合することで、100Gbps NIC(ネットワーク・インタフェース・カー ド)機能を実証しました。送信端の NIC でパケット毎にタイムスタンプを付与し、受信端の NIC ではこ のタイムスタンプに基づいてパケット順を正しく復元します。パケット網経由での網クロック配信*10

により NIC での時刻精度を常時数μ秒以内に保ち、end to end でのジッタをほぼ完全に抑圧した高品 質な大容量転送を実現します(図 5b)。 実験では、NTT Com が開発した送信端と受信端において複数の波長パスを1本に集約することにより 弾力的な大容量リンクの生成を実現する波長パスアグリゲーション技術*9を用いて、自動経路制御を行 うゲートウェイ(GW)と相互接続することにより、広域ネットワーク越しに、10Gbps~100Gbps の大容量 リンクをユーザがオンデマンドに設定可能で、容量も柔軟に変更できることを実証しました。 最大100G級ユーザデータ 最大1メガバイトフレーム 最大100G級ユーザデータ 送受信(従来比100倍) ・ 100Gbps級端末で課題 になる、ソフトウェア/OS の通信処理の速度ボトル ネックの解消を可能に ・・・ ・・・ 超ジャンボフレーム 受信処理 100Gbps級 送受信検証装置 超ジャンボフレーム ・・・ 広域LAN 100Gbpsフレーム ストリーム 超ジャンボフレーム 送信処理 フレーム長=64~1メガバイト 超ジャンボフレーム ・・・ 最大100G級ユーザデータ 最大1メガバイトフレーム 最大100G級ユーザデータ 送受信(従来比100倍) ・ 100Gbps級端末で課題 になる、ソフトウェア/OS の通信処理の速度ボトル ネックの解消を可能に ・・・ ・・・ 超ジャンボフレーム 受信処理 100Gbps級 送受信検証装置 超ジャンボフレーム ・・・ 広域LAN 広域LAN 100Gbpsフレーム ストリーム 超ジャンボフレーム 送信処理 フレーム長=64~1メガバイト 超ジャンボフレーム ・・・ (a) 超ジャンボフレーム処理技術の概要 (b) 波長数を変更できるパケット送受信技術の原理 図 5:パケット処理頻度を 1/100 に抑えて、複数波長に振り分けてパケット送受信 フロー合成処理 経路ごとの遅延差を補正し、 元の超ジャンボフレームを再生 要求レートに応じて Nx10Gbpsに 自在に分割 超ジャンボ フレーム イーサネット網 もしくは WDM光網 フロー分割処理 超ジャンボフレームをフラグメント し、必要十分な波長数に振分け 広域イーサネット フレーム 100GE インタフェース 100GbE インバースマックス装置

(6)

1-2 パケットを公平に束ねて、波長あたり 100Gbps でパケット送受信(三菱電機、日立、KDDI 研) 100GbE へパケットを公平に束ね、1 つのレーザにより発生した単一波長信号で光伝送するための符号 化技術、光伝送技術を世界に先駆けて開発しました。

三菱電機は、多数のユーザから受信するパケットを公平に多重化する方式を開発しました。本方式は 「DS-SWFQe: Delay Sensitive – Simplified Weighted Fair Queuing enhancement」と呼び、ユーザ単位、 アプリケーション単位に遅延時間と帯域の公平性を保証し、多重化するものです。入力側のインタフェー ス帯域に依存しないため、将来の高速、大規模なアクセスネットワークに対しても適用できます。 日立は、このフレーム単位に束ねられたデータストリームを、1 つの波長で 100Gbps の光伝送を可能 とする符号化・復号化技術を開発しました。今回開発した「単一波長対応符号化技術」では、多重/分 離処理において生じる信号伝播遅延差を検出して補正し正しい受信データを再生する標準機能*11に加 えて、1 つの光波長の通信密度を向上する光多値変復調に必要な差動符号化を行う機能を開発し、速度 100Gbps の動作を実現しました。 KDDI 研は、この符号化された信号を単一波長で光伝送する技術を開発しました。現在の 100GbE 標準 は複数(4 または 10)の光源を用いますが、単一波長方式とすることで、必要な光源数を 1 つへ削減でき ます。単一波長光伝送方式としては、差動 4 値位相変調方式を採用しました。この方式では、1 つの光 信号により 2 ビットの情報を伝送することができるため、100GbE 信号を伝送するための実効的な速度を 50Gbps に半減できます。そのため、光・電気部品に要求される応答速度や、光ファイバ伝送における各 種信号劣化要因の影響を大幅に軽減できます。 実験では、三菱電機が開発したフレーム多重技術により複数の 10Gbps イーサネット信号を 100Gbps 信号へと束ねた後、日立が開発した技術により符号化し、KDDI 研が開発した光伝送技術により単一波長 による 100Gbps でのパケット送受信を実証しました。(図 6) 図 6:パケットを公平に束ねて、波長あたり 100Gbps でパケット送受信 単一波長 100Gbps 光信号 10ギガイーサネット信号 x N フレーム多重イーサネット 複数の10ギガビットイーサネット 信号を公平に束ねる 100Gbps 光送受信 100GbE フレーミング 符号化 単一波長光伝送方式 (差動4相位相変調信号) で送受信 100GbE信号にフレーミング、 差動4相位相変調信号用に符号化 波長 10ギガビット イーサネットフレーム 100Gbps データストリーム 100ギガビット イーサネットフレーム (差動符号化)

(7)

2 仮想光網内の波長利用効率を向上する技術(λユーティリティ技術の研究開発)

2-1 1,000 ノード規模の波長資源をオンデマンドに計算して経路割当(NEC)

NEC は、複数ドメインからなるネットワークにおいて、異なるドメインにまたがる最適経路を複数の サーバが連携して計算するマルチドメイン自動経路制御技術*12を開発し、従来の 10 倍以上の大規模光

ネットワークにおける最適経路制御およびオンデマンドな波長パス設定の自動化を実現しました。さら に、偏波モード分散(Polarization Mode Dispersion:PMD*13)による光信号の劣化を監視する光品質モ

ニタを新たに開発しました。この光品質モニタを使って光信号の劣化を初期段階で検出し、品質のよい 他の波長パスに切り替えることで、ユーザの通信品質の劣化を未然に防ぐことに成功しました。これら の技術により、大規模光ネットワークにおいて、大容量ユーザ通信の体感品質を維持しながらオンデマ ンドに波長資源を効率よく利用できるようになります(図 7)。 図 7:1,000 ノード規模の波長資源をオンデマンドに計算して経路割当 2-2 多値変調と誤り訂正で波長利用効率を 10 倍に高め 100Gbps で広域光リンク(富士通、三菱電機) 富士通は、波長利用効率を従来の 10 倍に高めるための変調方式として、偏波多重 4 値位相変調方式 に着目し、それを実現するための光送受信機構成技術の開発を行いました。長期間安定な動作を実現す るために、①集積型光変調器、②光変調器の制御回路、③光復調器制御回路を開発し、試作機に実装し ました。開発した光送受信機を 500km を超える実フィールドファイバ伝送に適用して誤り率特性を評価 した結果、安定な特性が得られることを確認しました。 三菱電機は、低密度パリティ検査(LDPC)符号*14と軟判定復号による高利得・低消費電力 FEC 技術の 開発を行いました。軟判定とは、デジタル化した受信シンボルに、そのシンボルの確からしさを示す信 頼度を付与することです。今回、開発した 2bit 32G samples/s の高速処理可能な軟判定 LSI*15を用い

て、2bit という限られた軟判定情報でも高い誤り訂正性能を発揮する LDPC 符号を Field Programmable Gate Array(FPGA)エミュレータに実装しました。FPGA エミュレータによる 10Gbps スループットでの性 能検証の結果、従来よりも 3 倍高速の受信デジタル信号であっても確からしさを識別できることを確認 しました(図 8)。 図 8:多値変調と誤り訂正で波長利用効率を 10 倍に高め 100Gbps で広域光リンク 10Gbps x N波長多重 波長 10Gbps x N波長多重 波長 100Gbps x N波長多重 波長 100Gbps x N波長多重 波長 500km超の 長距離光ファイバ伝送 従来 今回 ・偏波多重 ・4値位相変調方式 ・高利得誤り訂正技術 ファイバ1本あたり 10倍の伝送容量

マルチドメイン光ネットワーク (1000ノード以上)

オンデマンド 要求 オンデマンド 要求 PCE PCE PCE PCE PCE

光品質劣化

オンデマンド 要求 オンデマンド 要求 オンデマンド 要求 PCE: 経路計算サーバ

(8)

2-3 100Gbps を超える速度の光信号をそのままデジタル再生して光中継伝送(OKI) OKI が開発した光 3R 再生中継装置*16は、従来の光増幅中継機能(Re-amplification)に、光信号の波 形歪を除去する波形整形機能(Re-shaping)と時間揺らぎを抑圧するタイミング再生機能(Re-timing)を 加えた新しい光中継器です。100Gbps を超える伝送速度では、波形の劣化や時間ゆらぎが顕著になり、 その伝送距離は短くなります。開発した光中継器により、160Gbps の光信号を光/電気変換することな く、そのまま効率良く再生することが可能になります。今回、あらたに開発した光中継器は、今後の信 号フォーマットの多様化を鑑み、複数の信号フォーマットに対応できる方式を採用しています(図 9)。 図 9:100Gbps を超える速度の光信号をそのままデジタル再生して光中継伝送

3 LAN や WAN の光リンクを高度化する技術(ユニバーサルリンク技術の研究開発)

3-1 100GbE のレーン障害を回避して高信頼化する並列レーン縮退伝送技術(日立) 日立は、LAN 領域でのリンクの高信頼化を実現する「並列レーン縮退伝送技術」を開発しました。標 準の 100G bps イーサネットでは、リンクを複数の伝送路(レーン)で構成するマルチレーン伝送を行いま すが、その際一部のレーンで障害が発生すると、その影響がリンク全体に波及し、最終的にリンクダウ ン(通信遮断)を引き起こします。今回開発した技術では、各レーンの通信状態を逐次監視し、障害が生 じたレーンの使用を即時停止して正常なレーンのみを使用することで、リンクダウンを防止します(図 10)。 この技術により LAN 領域でも光リンクの高信頼化を実現しました。 図 10:100GbE のレーン障害を回避して高信頼化する並列レーン縮退伝送技術 0 π π π 0 0 π 0 1 1 1 0 0 1 OOK信号 PSK信号 光ファイバ回線 光ファイバ回線 0 1 1 1 0 0 1 0 π π π 0 0 π 3R再生光信号 1R 1R 波形劣化モニタ・自動制御ユニット クロック 再生 光位相同期 パルス光源 光PLL 全光論理ゲート ・波形再生 ・タイミング再生 ・強度再生 PSK-to-OOK 変調方式変換 PMD 補償 0 π π π 0 0 π 0 1 1 1 0 0 1 OOK信号 PSK信号 光ファイバ回線 光ファイバ回線 0 1 1 1 0 0 1 0 π π π 0 0 π 3R再生光信号 1R 1R 1R 1R 波形劣化モニタ・自動制御ユニット クロック 再生 光位相同期 パルス光源 光PLL 全光論理ゲート ・波形再生 ・タイミング再生 ・強度再生 PSK-to-OOK 変調方式変換 PMD 補償 100G送信機 100G受信機 マルチレーン伝送 符号 化 データ フレーム データ フレーム の破損 符号化データ レーザ 受光器 レ ー ン 分配 均等分配 データ 結合 復号化 受信データ消失 障害 (ファイバ断) (a) 従来技術 100G送信機 100G受信機 符号 化 データ フレーム データの 正常受信 レーザ レー ン 分配 ④分配を変更 デー タ 結 合 復号 化 ②障害検出 (b) 並列レーン縮退伝送技術 ③障害状態通知 マルチレーン伝送 ①障害発生 100G送信機 100G受信機 マルチレーン伝送 符号 化 データ フレーム データ フレーム の破損 符号化データ レーザ 受光器 レ ー ン 分配 均等分配 データ 結合 復号化 受信データ消失 障害 (ファイバ断) (a) 従来技術 100G送信機 100G受信機 符号 化 データ フレーム データの 正常受信 レーザ レー ン 分配 ④分配を変更 デー タ 結 合 復号 化 ②障害検出 (b) 並列レーン縮退伝送技術 ③障害状態通知 マルチレーン伝送 ①障害発生

(9)

3-2 100 Gbps クラスの偏波多重多値変調光の信号モニタリングを可能にする信号処理技術(富士通) 富士通は、多値変調光の高安定なコヒーレント受信を実現するためのデジタル信号処理アルゴリズム を開発しました。このアルゴリズムを活用することにより、100Gbps クラスの偏波多重多値符号の特性 として、各偏波の振幅・位相の状態をモニタリングすることに成功しました(図 11)。 図 11:100Gbps クラスの偏波多重多値変調光の信号モニタリングを可能にする信号処理技術 高安定偏 波制御 高安定周 波数誤差 補償 高安定搬 送波位相 推定 位相ハイ ブリッド 信号光 局発光源 光電変換 AD変 換 デジタル信号処理 X偏波 Y偏波 振幅・位相状態の表示 高安定偏 波制御 高安定周 波数誤差 補償 高安定搬 送波位相 推定 位相ハイ ブリッド 信号光 局発光源 光電変換 AD変 換 デジタル信号処理 X偏波 Y偏波 振幅・位相状態の表示

(10)

<用語 解説>

*1 NICT の委託研究「λアクセス技術の研究開発」(2006 年~2010 年) NTT、NEC、東京大学、NTT Com、三菱電機、日立製作所、KDDI 研究所、慶応義塾 *2 NICT の委託研究「λユーティリティ技術の研究開発」(2006 年~2010 年) NEC、大阪大学、富士通、三菱電機、OKI *3 NICT の委託研究「ユニバーサルリンク技術の研究開発」(2008 年~2011 年) NTT、日立、富士通、三菱電機、NEC、NTT Com *4 JGN2plus NICT が運用する、研究開発用の超高速・高機能なテストベッドネットワーク。2008 年 4 月から運用。 *5 仮想光網(Virtualized Optical Network: VON)

フォトニックネットワーク(光網)内に遍在する波長資源を、ユーザには意識させずに、オンデマンドで End-to-End 通信用に提供。物理的なファイバ網の上に、ユーザ毎に分離された波長網を動的に構築。 *6 100 ギガビット Ethernet(100GbE) 米国電気電子学会(IEEE)802 標準委員会が 2010 年 6 月に標準化。並列伝送方式を採用し、10 波(短距離) もしくは 4 波(中長距離)を固定的に占有して通信する。 *7 2 秒で高精細映画 1 枚分 ブルーレイディスク 規格(一層片面、25GB)で換算。地上波デジタルハイビジョン画質映像 180 分に相当。 *8 光通信システムシンポジウム(OCS シンポジウム) 電子情報通信学会 光通信システム研究専門委員会(OCS)主催。光通信に関する日本最大の研究会。 *9 並列数を自在に変更できるパケット送受信技術、波長パスアグリゲーション技術 NTT が波長数を変更できるパケット送受信技術を、NTT Com が複数の波長パスを 1 本に集約して扱う技術 を開発し、大容量映像のオンデマンド瞬時配信に成功。 2009/12/8 報道発表 http://www.ntt.co.jp/news/news09/0912/091208a.html *10 パケット網経由での網クロック配信 標準 SNTP プロトコルをハードウェア処理する NTT 技術を利用。従来のソフトウェア処理に比べ 1,000 倍 以上も高精度で、非同期 IP ネットワーク経由でも同期ネットワーク並(~数μ秒)の同期精度を実現可能。 *11 正しい受信データを再生する標準機能 複数の通信路(レーン)を束ねて信号を伝送することにより、大容量伝送を実現する 100GbE 標準に準拠し たマルチレーン分配方式をフレーム伝送に採用した 100GE システムの試作に成功。 2009/7/15 報道発表 http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2009/07/0715a.html *12 マルチドメイン自動経路制御技術 超高速かつ大容量な光ネットワークの運用を自動化する技術(GMPLS)を利用し、数千台のネットワーク機 器で構成される大規模ネットワークに対応可能。 2007/10/23 報道発表 http://www.nec.co.jp/press/ja/0710/2301.html *13 PMD

偏波モード分散(Polarization Mode Dispersion)。偏波状態によって光ファイバの中を伝播する速度が 微妙に異なる物理現象により、受信側で信号波形が歪んで(劣化して)しまう現象を引き起こす。 *14 低密度パリティ検査(LDPC:Low Density Parity Check)

高い誤り訂正性能で注目されている符号化方法の一つ。理論限界に近い誤り訂正特性を、実装可能な計 算量で実現できる符号。 *15 100Gbps 光通信に適用可能な世界最高速の誤り訂正用軟判定 LSI を開発 世界最高速の軟判定速度(毎秒 32 ギガサンプル)を、最先端プロセスによる 1 チップ LSI 化により達成。 2008/10/16 報道発表 http://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2008/1016.htm *16 毎秒 160 ギガビットデータの超長距離伝送に成功 毎秒 160 ギガビットデータの光信号品質を 380km 伝送した後に復元する、全光信号再生中継伝送に成功。 2008/3/18 報道発表 http://www.oki.com/jp/press/2008/03/z07165.html

参照

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