日本ヘルニア学会の支部会となる東北ヘルニア研究会が平成20年5月10日に発足し、
第1回東北ヘルニア研究会を平成20年12月6日に盛岡で開催することになりました。記念
すべき第1回東北ヘルニア研究会の当番世話人をつとめさせていただくことは、私にとっ
ても岩手医大外科にとっても大変名誉あることと存じます。師走のお忙しい時期ですが、
18題もの演題が集まりました。これは、東北地方でもヘルニア手術への関心が多いに高まっ
ていることの現れでしょうし、また世話人の先生方のご尽力によるものと心より御礼申し
上げます。特別講演には聖路加国際病院外科から柵瀬信太郎先生をお招きし、「鼠径ヘル
ニア手術の歴史:Bassini法から各種tension free repairまで」という大変興味深い内容の
ご講演を賜ることになっております。東北ヘルニア研究会は、腹部のヘルニアで困って
いる患者さんに満足度の高い手術とより良いケアを提供するために発足いたしました。
第1回東北ヘルニア研究会での活発なご討議を通じて、東北地方の一般外科医が腹部のヘ
ルニア手術に関する知識と経験を共有し、質の高いヘルニア手術の提供がなされることを
期待しております。教室をあげて準備致しますので、どうか皆様、お誘い合わせの上、多
数のご参加をお待ちしております。
第1回東北ヘルニア研究会 当番世話人若 林 剛
(岩手医科大学外科)第1回東北ヘルニア研究会開催にあたって
― 2 ―
ご 案 内
■参加者へのご案内
参加費:医師(¥2,000)、看護師、コメディカル(¥1,000)■発表者へのご案内
○発表時間:発表5分、質疑応答3分 ○発表方法:すべての発表はコンピュータープレゼンテーションとします。当日会場に設置されるPC(OS)は Windows XPです。発表データーはPower Point 2003か2007 で作成の上、USBメモリーかCD-Rに保存したものをご持参ください。ただしMacで作成の場合 や、動画を使用される場合はノートPCをご持参ください。 ○発表開始時刻の30分前までにPC受付にて試写をお願いいたします。
■東北ヘルニア研究会のホームページのご案内
東北ヘルニア研究会のホームページが出来ました。下記アドレスにてご覧ください。 URL http://surgery.iwate-med.ac.jp/tohoku-hernia/■会場案内図
URL http://www.malios.co.jpプ ロ グ ラ ム
開会のあいさつ:
12:00 ~ 12:05
岩手医科大学医学部 外科学講座 若林 剛1.当院における鼠径ヘルニア再発症例の検討
山形県立中央病院 外科 ○長谷川和住、岡田 恭穂、須藤 剛 鈴木 明彦、櫻井 直樹、工藤 俊 佐藤 敏彦、福島 紀雅、飯澤 肇2.当科における成人鼠径・大腿ヘルニアに対するKugel法の検討―再発例を中心に―
黒石市国民健康保険黒石病院 外科 ○八木橋信夫、高橋 誠司、大澤 忠治 平尾 良範3.鼠径ヘルニアTEP術後の難治性疼痛に対し腹腔鏡下3Dメッシュ摘除術を施行した1例
仙台社会保険病院 外科 ○高山 哲郎、天田 憲利、大江 洋文 菊地 廣行、佐々木 茂、福森 龍也 芳賀 泉、半田 和義、佐藤 明史 河村圭一郎4.鼠径ヘルニア根治術後、創部疼痛により再手術を要した1例
岩手県立千厩病院 外科 ○遠野 千尋、櫻井亜希子、坂下 伸夫 伊藤達朗5.メッシュ摘出を要した鼠径ヘルニア術後感染の2例
仙台赤十字病院 外科 ○中川 国利、小村 俊博、藪内 伸一 小林 照忠、遠藤 公人、鈴木 幸正6.大腿ヘルニア絞扼性嵌頓症例の検討
東北労災病院 外科 ○安本 明浩、徳村 弘実、舟山 裕士 豊島 隆、高橋 賢一、福山 尚治 武者 宏昭、山崎 満夫、松村 直樹 佐々木宏之セッション1:
12:05 ~ 12:53
座長:伊東藤男(公立岩瀬病院 外科)― 4 ―
7.人工骨頭置換術後の閉鎖孔ヘルニア2症例の報告
岩手県立中央病院 消化器外科 ○植松 智海、井上 宰、伊藤 千絵 桜庭 伸悟、宮澤 恒持、鈴木 洋 村上 和重、臼田 昌広、平野 拓司 中野 達也、島岡 理、望月 泉8.大腿ヘルニアに対するKugel法の手技と成績
済生会山形済性病院 外科 ○川口 清、浦山 雅弘、瀬尾 伸夫 太田 圭治、山岸 岳人9.当科における腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(TEPP)の手技定型化への工夫
東北労災病院 外科 ○松村 直樹、安本 明浩、佐々木宏之 山崎 満夫、武者 宏昭、福山 尚治 高橋 賢一、豊島 隆、舟山 裕士 徳村 弘実10.成人鼠径ヘルニアに対するKugel法における麻酔法の比較検討
岩手医科大学 外科 ○岩谷 岳、川村 英伸、中嶋 潤 板橋 哲也、野田 芳範、馬場 誠朗 高橋 正統、木村 聡元、若林 剛11.当院で施行した腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア根治術症例の検討
白河厚生総合病院 外科 ○竹村 真一、黒田 房邦、土井 孝志 長谷川康弘、中村 啓之、藤井 紳司 中山 瞬12.後方アプローチによる鼠径ヘルニア修復術(Kugel、TAPP、TEPP法)から得られた
鼠径部筋膜層構造の知見
公立岩瀬病院 外科 ○伊東 藤男、大谷 聡、塚田 学 三浦 純一休憩(9分)
セッション2:
12:53 ~ 13:41
座長:八木橋信夫(黒石市国民健康保険黒石病院 外科)13.鼠径ヘルニア手術における手術時間の検討―Mesh Plug,PHS,Kugel,Direct Kugelの比較―
財団法人三友堂病院 外科 ○牧野 孝俊、横山 英一、川村 博司14.当院の鼠径ヘルニア手術について-これまでの手技と麻酔の変遷-
盛岡赤十字病院 外科 ○畠山 元、杉村 好彦、小川 雅彰 馬場 祐康、有末 篤弘、石井 千加 旭 博史15.当院における鼠径ヘルニアに対する術式の変遷
岩手県立久慈病院 外科 ○板橋 英教、下沖 収、及川 誠 吉田 雅一、武田 大樹、小松 英明 皆川 幸洋、阿部 正16.当院におけるダイレクトクーゲル法の経験
栗原市立栗原中央病院 外科、麻酔科* ○名久井雅樹、中鉢 誠司、大橋 裕介 内田 孝、長谷川惇一*17.当院におけるヘルニア分類に基づく鼠径ヘルニア術式の検討
財団法人脳神経疾患研究所附属総合南東北病院 外科 ○鈴木 伸康、高野 祥直、樫村 省吾 薮田 智範、添田 暢俊、藁谷 暢 母里 正敏、寺西 寧18.当科における鼠径ヘルニア術式の選択
市立秋田総合病院 外科 ○伊藤 誠司、木村 昭利、長谷川 傑 和嶋 直紀、橋爪 隆弘、古屋 智規 高橋 賢一、添野 武彦休憩(12分)
「鼠径ヘルニア手術の歴史:Bassini法から各種tension-free repairまで」
聖路加国際病院 消化器・一般外科 医長柵 瀬 信太郎
先生
閉会のあいさつ:
16:30 ~ 16:35
東北労災病院外科 徳村 弘実セッション3:
13:50 ~ 14:38
座長:徳村弘実(東北労災病院 外科)特別講演:
14:50 ~ 16:30
司会:若林 剛(岩手医科大学医学部 外科学講座 教授)― 6 ―
「鼠径ヘルニア手術の歴史:
Bassini法から各種tension-free repairまで」
聖路加国際病院 消化器・一般外科 医長
柵 瀬 信太郎
先生
特 別 講 演
司会:若 林 剛(岩手医科大学医学部 外科学講座 教授)
― 8 ― 山形県立中央病院 外科
○長谷川和住、岡田 恭穂、須藤 剛、鈴木 明彦、櫻井 直樹
工藤 俊、佐藤 敏彦、福島 紀雅、飯澤 肇
【目的】今後の鼠径ヘルニアの手術成績向上・再発ゼロを目指すため、再発例の検討を行った。 【対象】当院で人工物を用いて手術を施行し、過去5年間に鼠径ヘルニア再発にて手術を行った14 例を対象とした。男性10例、女性4例で平均年齢67.1歳(46 ~ 76歳)。 【結果】初回手術から再発までの期間は平均29.4 ヶ月(1日~ 168 ヶ月)。初回手術の内訳は右6例、 左8例で外鼠径ヘルニア8例、内鼠径ヘルニア6例であった。初回に用いた人工物はmesh plug法 10例、PHS法2例、Kugel法1例、Direct Kugel法1例であった。再発部位としてはⅡ-1型(膀胱上) 8例、Ⅱ-2型(限局)4例、Ⅰ型1例、大腿ヘルニア1例(初回手術時PHS法)であった。再発時 の術式はmesh plug法12例、Kugel法2例であった。また、再々発例が2例ありTAPP法で修復が 行われていた。 【結語】初回の術式に関わらず、約80%が内鼠径ヘルニアの形で再発していた。初回手術において on lay patchを充分に展開し、補強を行う事が重要と考えられた。今後、さらに再発を防ぐために は鼠径部の解剖のみならず、人工物の特性と使用法を熟知していく事が重要と考えられた。当院における鼠径ヘルニア再発症例の検討
1
セッション 1:12:05 ~ 12:53黒石市国民健康保険黒石病院 外科
○八木橋信夫、高橋 誠司、大澤 忠治、平尾 良範
成人鼠径・大腿ヘルニアに対して現在まで種々の手技が提唱されているがそれぞれに問題があ り、次々に新しい出術手技が生み出されている。当科では2002年11月より主に初発例に対して Kugel法を第一選択手技として行ってきたが、2008年8月末まで130例を経験した。鼠径ヘルニア は124例(129 ヶ所)であり男性108例(112 ヶ所件)、女性16例(17 ヶ所)、年齢は14歳から82歳で 平均年齢は65歳であった。この中には両側の鼠径ヘルニアが5例(男性4人、女性1人)が含まれる。 大腿ヘルニアは6例(6ヶ所)であり男性1例、女性5例、年齢は72 ~ 77歳、平均年齢は74歳であっ た。使用したパッチサイズはSサイズが大腿ヘルニアに3個、鼠径ヘルニアに91個使用され、Mサイ ズのパッチは大腿ヘルニアに3個、鼠径ヘルニアに38個使用された。合併症は漿液種が8例(4例 に穿刺を要した)、穿刺を要した血腫が1例、7日以上続く又は退院が延びた原因となった疼痛が 3例などで6例に再発を見た。鼠径ヘルニア手術後が5例、大腿ヘルニア手術後が1例であり、使 用パッチサイズではSで4例、Mで2例であった。この6例の再発例を中心に検討しKugel法の問 題点について報告する。当科における成人鼠径・大腿ヘルニアに対するKugel法の検討
―再発例を中心に―
2
セッション 1:12:05 ~ 12:53― 10 ― 仙台社会保険病院 外科
○高山 哲郎、天田 憲利、大江 洋文、菊地 廣行、佐々木 茂
福森 龍也、芳賀 泉、半田 和義、佐藤 明史、河村圭一郎
患者は30歳代の女性。両側鼠径ヘルニアの診断にて当科で腹腔鏡下両側鼠径ヘルニア根治術 (TEP法)を施行し、第4病日に軽快退院していた。術後2ヶ月目より右下腹部痛が出現し徐々 に増強したため当科再診。鎮痛剤内服にて疼痛はいったん自制内となっていたが術後5ヶ月目より 再び増悪した。体位により疼痛の程度が変化すること、疼痛部位がピンポイントに限局しており メッシュ固定に用いたステイプル部と一致することから、ステイプル関連痛の診断にて腹腔鏡下3 Dメッシュ摘除術を施行したところ、術後速やかに疼痛が消失した。当科ではこれまで3Dメッシュ はクーパー靱帯、腹直筋、腹横筋の3点をステイプルで固定していたが、TEP術後の慢性疼痛を 減少させるために、今後はメッシュ固定にステイプルを使用しない選択も考慮にいれる必要がある と考えられた。鼠径ヘルニアTEP術後の難治性疼痛に対し
腹腔鏡下3Dメッシュ摘除術を施行した1例
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セッション 1:12:05 ~ 12:53岩手県立千厩病院 外科
○遠野 千尋、櫻井亜希子、坂下 伸夫、伊藤 達朗
症例は70歳男性。既往歴として、糖尿病、高血圧、高脂血症、慢性心不全、徐脈性心房細動があった。 主訴は左鼠径部の膨隆で、外鼠径ヘルニアの診断で手術の方針となった。ワーファリン内服中から 全身麻酔下にヘルニア根治術を行った。経皮アプローチでヘルニア嚢を切除し腹膜前腔にModifi ed Kugel Hernia Patchを留置し、on lay patchをおいた。しかし、術後に下肢体動時の鼠径部から下 腹部にかける疼痛があり、皮膚表面も触れるだけで激痛を訴えた。対策として鎮痛剤の他、抗痙攣 剤、表面麻酔、局所浸潤麻酔、腸骨鼠径神経の神経ブロックなど可能な鎮痛処置をしたが、すべて 無効だった。そこで再手術の方針となり、初回手術から2ヶ月後の8月25日に再手術を施行した。 手術所見としては腸骨鼠径神経がon lay patchに癒着しており、これを切除した。また、腸骨下腹 神経前皮枝、陰部大腿神経陰部枝と考えられた神経を切除した。術後は疼痛が軽快し、術後1ヶ月 現在疼痛はほぼ消失している。鼠径ヘルニア根治術後、創部疼痛により再手術を要した1例
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セッション 1:12:05 ~ 12:53― 12 ― 仙台赤十字病院 外科
○中川 国利、小村 俊博、藪内 伸一、小林 照忠、遠藤 公人、鈴木 幸正
鼠径ヘルニア術後の感染にて、メッシュ摘出を要した2例を経験したので報告する。症例1は52 歳の女性で、右鼠径ヘルニアにて他施設でメッシュを用いた修復術を施行された。6年4ヶ月後に 右鼠径部に膿瘍が生じたため、5ヶ月間にわたり切開ドレナージ、生理食塩水による洗浄、抗生剤 投与などの保存的治療を行った。感染が治癒しないため、メッシュを摘出した。再手術後2年9ヶ 月が経過したが、感染やヘルニア再発は認めていない。症例2は70歳の男性で、左鼠径ヘルニアに て当院で修復術を施行された。7年10 ヶ月後に左鼠径部に膿瘍が生じたため、2ヶ月間にわたり 保存的治療を行った。感染が治癒しないため、メッシュを摘出した。再手術後1年7ヶ月が経過し たが、感染やヘルニア再発は認めていない。鼠径ヘルニア修復後の遅発性感染例では保存的療法に 固執することなく、患者の同意の下に感染源であるメッシュの摘出を考慮すべきである。メッシュ摘出を要した鼠径ヘルニア術後感染の2例
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セッション 1:12:05 ~ 12:53東北労災病院 外科
○安本 明浩、徳村 弘実、舟山 裕士、豊島 隆、高橋 賢一
福山 尚治、武者 宏昭、山崎 満夫、松村 直樹、佐々木宏之
【目的】当院での大腿ヘルニア紋扼性嵌頓症例について検討したので報告する。 【対象】2005年1月から2007年12月までの5年間に当院で経験した大腿ヘルニア紋扼性嵌頓症例13 例。 【結果】年齢は68歳から96歳までで平均77.7歳であった。男女比は2:11で女性に圧倒的に多かった。 部位は右側7例、左側6例であった。嵌頓内容は小腸12例、盲腸の脂肪垂1例であった。嵌頓内容 が小腸であった12例を腸切除群(A群)4例、腸非切除群(B群)8例に分け検討した。平均年齢 はA群77.4歳、B群77.3歳であった。主訴として嘔気、嘔吐、腹痛などの腸閉塞症状を認めた症例は A群4例、B群6例であった。来院時白血球数はA群8025/㎣、B群9387/㎣であった。術式は、A群 では開腹+大腿輪縫縮2例、PHS 1例、Mesh-plug 1例、B群ではMesh-plug, PHSなどのメッシュ を8例全例に使用した。術後合併症については、A群では4例中3例に認め、敗血症1例、誤嚥性 肺炎1例、原因不明のショック1例(死亡)であった。B群では術後合併症を認めなかった。 【結語】大腿ヘルニア紋扼性嵌頓において、腸切除例は腸非切除例に比べて術後合併症を多く認め た。大腿ヘルニア絞扼性嵌頓症例の検討
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セッション 1:12:05 ~ 12:53― 14 ― 岩手県立中央病院 消化器外科
○植松 智海、井上 宰、伊藤 千絵、桜庭 伸悟、宮澤 恒持、鈴木 洋
村上 和重、臼田 昌広、平野 拓司、中野 達也、島岡 理、望月 泉
閉鎖孔ヘルニアは、以前は術前診断が困難といわれていたが、CTの活用により術前診断は格段 に進歩した。しかし、人工骨頭置換術後の患者では、金属のアーチファクトによりCTでの術前診 断が困難である。今回、我々は人工骨頭置換術後で、術前CTにて術前診断困難であった閉鎖孔ヘ ルニアの2症例を経験したので報告する。 【症例1】81歳女性。イレウス症状で来院。CTでイレウス、急性腹膜炎の診断で手術。右閉鎖孔 ヘルニア、回腸嵌頓・壊死にて、回腸部分切除と閉鎖孔ヘルニア嚢の反転切除・縫縮術施行。 【症例2】84歳女性。イレウス症状で他院より紹介。CTでイレウス、急性腹膜炎の診断で手術。 右閉鎖孔ヘルニア、回腸嵌頓・虚血性変化による小腸大量壊死にて、広汎小腸切除と閉鎖孔ヘルニ ア嚢の反転切除・縫縮術施行。閉鎖孔ヘルニアは比較的稀な症例と言われてきたが、高齢化社会に 伴いその数は増加しており、当院も例外ではない。また、人工骨頭置換術後の患者も同様に増加し てゆくと思われる。人工骨頭置換術後の閉鎖孔ヘルニアについて、文献的考察を含め、その対策に ついて報告する。人工骨頭置換術後の閉鎖孔ヘルニア2症例の報告
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セッション 2:12:53 ~ 13:41済生会山形済性病院 外科
○川口 清、浦山 雅弘、瀬尾 伸夫、太田 圭治、山岸 岳人
当科では大腿ヘルニアに対しKugel法を施行しているので手技と成績を報告する。 【手技】通常のKugel法の切開位置で皮切を置くが、1~2cm長めにする。外腹斜筋腱膜の前面を 尾側に向かって、大腿ヘルニアに達し、ヘルニア嚢を周囲や大腿輪と剥離し、そのまま押し込ん で還納する。嵌頓症例では腹膜を開放し、腸管の虚血など確かめた後に還納する、場合により、 Kugel法と同様に腹膜前腔からもアプローチし、内外側から還納を試みる。後はparietalization後 Kugel patchを留置する。 【成績】2004年12月から現在までに17症例20病変(再発例1例)に対して施行した。嵌頓の緊急手 術は6例。平均の手術時間は30分。合併症は穿刺を要するseromaが7例と少し多かったが、他に は認めず、術後のつっぱりの愁訴はなかった。現在のところ再発も認めていない。 【まとめ】Kugel法は皮切をやや大きくすれば大腿ヘルニアにおいても簡便で有用な手術と考えて いる。大腿ヘルニアに対するKugel法の手技と成績
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セッション 2:12:53 ~ 13:41― 16 ― 東北労災病院 外科
○松村 直樹、安本 明浩、佐々木宏之、山崎 満夫、武者 宏昭
福山 尚治、高橋 賢一、豊島 隆、舟山 裕士、徳村 弘実
【はじめに】1991年以降、腹膜外腔アプローチ(以下TEPP)145例を経験している。外鼠径ヘル ニアではヘルニア嚢と精索との剥離が手技において最も困難で、手術時間を左右する一番の要因と なっている。外鼠径ヘルニアにおけるTEPPの手術手技の工夫を提示し、現在までの治療成績を検 討する。 【手技の要点】ヘルニア嚢を全周性に剥離する際、外側から腹膜縁に沿って剥離を開始する。可能 であれば精管・精巣動静脈をヘルニア嚢から剥離するがこだわらない。外側からラパーゼを挿入し、 これをメルクマールに内側から剥離すると容易に全周性剥離ができる。ヘルニア嚢を仮結紮切離し たのち、精索に注意しながらヘルニア嚢を切離する。精索が結紮されていれば腹膜のみエンドルー プで本結紮し、仮結紮糸を解除する。3Dメッシュで補強する。 【まとめ】ラパーゼ挿入・仮結紮法は無理な剥離にこだわらないことにより腹膜損傷や臓器損傷を 予防し、かつ安定した手術手技を可能にすると考えられた。当科における腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(TEPP)の
手技定型化への工夫
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セッション 2:12:53 ~ 13:41岩手医科大学 外科
○岩谷 岳、川村 英伸、中嶋 潤、板橋 哲也、野田 芳範
馬場 誠朗、高橋 正統、木村 聡元、若林 剛
教室では成人鼠径ヘルニアの基本術式として、2003年4月からKugel法を導入し、現在までに 300症例以上経験した。麻酔は、以前は腰椎麻酔・全身麻酔が中心であったが、2007年6月より局 所麻酔手術を導入した。今回の検討では、2005年11月から2008年6月までに成人鼠径ヘルニアに対 しKugel法による修復術を施行した連続する192例を対象とし、各麻酔法別の手術成績、手術およ び麻酔合併症について比較検討した。 麻酔法は局所麻酔72例、腰椎麻酔72例、全身麻酔48例であった。局所麻酔法は、塩酸リドカイン 20ml、塩酸ブピバカイン20mlに生理食塩水100mlを加え全量140mlとする希釈液を用いstep by step 法により施行した。また、全例ミダゾラム静脈麻酔を併施した。 患者背景因子が多少異なるため正確な比較は困難であるが、全身麻酔・腰椎麻酔に比し局所麻酔 群では、手術時間は短く、出血量も少ない傾向にあった。手術合併症の発生はいずれの麻酔法でも 低頻度であった。入院期間は各麻酔法で差がなかった。 麻酔関連合併症の比較では、腰椎麻酔・全身麻酔に比し、局所麻酔は麻酔合併症の発生を著明に 減少させた。腰椎麻酔では、術中・術後の血圧低下や徐脈、排尿困難が30%に、全身麻酔では、術 後の嘔気・嘔吐、排尿困難が10%に認められた。局所麻酔ではこれらの合併症は極めて低率であっ た。局所麻酔手術では、麻酔合併症の発生が著明に減少し、入院期間短縮以外にも多くの利点を有 していた。成人鼠径ヘルニアに対するKugel法における麻酔法の比較検討
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セッション 2:12:53 ~ 13:41― 18 ― 白河厚生総合病院 外科
○竹村 真一、黒田 房邦、土井 孝志、長谷川康弘
中村 啓之、藤井 紳司、中山 瞬
当院では2006年4月より腹壁瘢痕ヘルニアに対してmeshを用いた腹腔鏡下腹壁ヘルニア根治術 (LVHR)を導入している。これまで施行した4症例について検討した。 男女比は1: 3、平均年齢73.2歳。腹壁瘢痕ヘルニアの内訳は上腹部正中創2例、右肋弓下切開 創1例、ポートサイト1例であった。4例中、1例は開腹術へ移行し、3例はLVHRを完遂した。 手術手技はビデオで供覧する。LVHR完遂例3例の平均手術時間は120分であり、同時期の開腹手 術群の98分と比較すると、若干長かった。平均術後在院日数は9.6日であり、開腹手術群12.6日に比 し短かった。術後合併症、再発は認めず、高齢者にも安全に施行可能であった。LVHRは、1)ヘ ルニア部以外からのアプローチにより、創感染のリスクが少ない、2)ポート挿入部の傷のみで手 術可能であり、術後創痛も少ない、3)ヘルニア門を腹腔内から観察することにより、確実にmesh で被覆することが可能である、等の利点があると考えられる。当院で施行した腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア根治術症例の検討
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セッション 2:12:53 ~ 13:41公立岩瀬病院 外科
○伊東 藤男、大谷 聡、塚田 学、三浦 純一
【はじめに】メッシュ使用の鼠径ヘルニア修復術の当施設に於ける主な術式はKugel法と腹腔鏡下 鼠径ヘルニア修復術(TAPP、TEPP)である。これらの三法は、修復部位が同じあってもアプロー チが異なり、鼠径部筋膜層構造の捉え方にも若干の違いがあるように見受けられる。我々は三法を 同程度に経験しており、三法間での術野の見え方の共通点と違いについての知見を提示したい。 【方法】Kugel法では体表からの筋膜層構造を腹腔鏡にて録画記録した。TAPP法では我々の発案 した探索棒による腹腔側からの腹膜前腔剥離を行いTEPPの剥離層と比較した。TAPP法では、カ メラによる鈍的剥離を先行させ、バルーン剥離による筋膜層構造の破壊をすることなく各筋膜層を 順次に切離した。 【結果・まとめ】Kugel, TAPP, TEPP法で観察される術中解剖の記録を三法間で連続させて考え ることで筋膜層構造に関する知見が得られた。後方アプローチによる鼠径ヘルニア修復術(Kugel、TAPP、
TEPP法)から得られた鼠径部筋膜層構造の知見
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セッション 2:12:53 ~ 13:41― 20 ― 財団法人三友堂病院 外科
○牧野 孝俊、横山 英一、川村 博司
【要旨】成人の鼠径ヘルニア手術に関してはMesh Plug(以下MP)の出現以来、tension freeの術 式がスタンダードである。その後、Prolene Hernia System(以下PHS)、Kugel法などinlayの考え 方が広まり、更に前方アプローチから、inlayにパッチを充てる、Direct Kugel(以下DK)が開発され、 日常診療で使用されている。2004年1月から2008年8月まで、3施設において、行ったヘルニア手 術のうち、メッシュを使用した、tension-freeのヘルニア根治術は合計61例であった。(MP 30例、 PHS 7例、Kugel 6例、DK 18例)平均手術時間は、MP 38.5分、PHS 51.4分、Kugel 45.6分、DK 39.2分であった。 それぞれの術式を、手術手技、手術時間について検討した。鼠径ヘルニア手術における手術時間の検討
―Mesh Plug, PHS, Kugel, Direct Kugelの比較―
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盛岡赤十字病院 外科
○畠山 元、杉村 好彦、小川 雅彰、馬場 祐康
有末 篤弘、石井 千加、旭 博史
当院では1998年からメッシュプラグ法を2003年からはKugel法を導入し最近は、Direct Kugel法 も症例を選択し行っている。麻酔は腰椎麻酔、局所麻酔、静脈麻酔併用腰椎麻酔と種々変遷したが 最近はレミフェンタニルを使用した全身麻酔で行っている。 クーゲル法に代表されるように、鼠径ヘルニア手術の基本は腹膜前腔にメッシュを確実に留置す ることである。麻酔は患者にも術者にもストレスの少ない全身麻酔が基本であると考えているが、 患者の病状(全身状態、かんとんや再手術の有無など)によって術式、麻酔法を選択することが必 要である。当院の鼠径ヘルニア手術について
-これまでの手技と麻酔の変遷-
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セッション 3:13:50 ~ 14:38― 22 ― 岩手県立久慈病院 外科
○板橋 英教、下沖 収、及川 誠、吉田 雅一
武田 大樹、小松 英明、皆川 幸洋、阿部 正
鼠径管後壁、あるいはヘルニア門を修復するとしてTension-freeの鼠径ヘルニア根治術が標準術 式となり、短期の観察では従来法に比べ再発や術後の疼痛・違和感も少ないと報告されている。当 院ではMeshを用いた補強法として様々な方法で施行してきた。2006年5月からKugel法を導入し、 2007年6月からはDirect Kugel法を用いている。現在は再発症例、手術既往症例以外の症例では Direct Kugel法で施行しており、44症例を経験した。今回我々は、2003 ~ 2008(現在まで)の全 213症例(男女比;189:24、再発症例14例、両側症例7例)における鼠径ヘルニア根治術に対する 術式の変遷と入院期間、手術時間、治療成績などを検討し報告する。当院における鼠径ヘルニアに対する術式の変遷
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セッション 3:13:50 ~ 14:38栗原市立栗原中央病院 外科、麻酔科*
○名久井雅樹、中鉢 誠司、大橋 裕介、内田 孝、長谷川惇一*
ダイレクトクーゲル法は見慣れた視野であるanteior approchiによりinlay mesh repairを行う方 法で、一度に鼠径管のトータルリペアを行うことができる術式である。当院でも2005年4月よりダ イレクトクーゲル法を導入し、2008年9月まで、80例86側を経験した。平均手術時間は42分、後出 血を認めた1例を除く79例が翌日には退院可能であり、実際の術後在院日数の中央値は3日であっ た。外来経過観察中に認めた合併症はseroma 5例、hematoma 4例、術後疼痛1例であった。ま た現在まで再発は一例も経験していない。ダイレクトクーゲル法は大腿ヘルニアを含む全ての鼠径 部ヘルニアに対応可能であり、かつ習熟が比較的容易である。本法は患者満足度と再発率の低下が 期待できると考えられた。当院におけるダイレクトクーゲル法の経験
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セッション 3:13:50 ~ 14:38― 24 ― 財団法人脳神経疾患研究所附属総合南東北病院 外科
○鈴木 伸康、高野 祥直、樫村 省吾、薮田 智範
添田 暢俊、藁谷 暢、母里 正敏、寺西 寧
鼠径ヘルニアは若手外科医が行う手術の一つであり、最近はTension-free法が主に行われてい る。その一つであるpreperitoneal repairは腹膜前腔にメッシュを挿入し、後壁を補強する術式であ り、理にかなった後壁補強方法である。 当院では前方到達法によるpreperiotneal repairを行っている。直接ヘルニアはその視野展開から 剥離操作及びデバイスの確認が容易であるが、間接ヘルニアでは視野が狭く特に研修医では困難な ことが多い。そのため、当院では腹膜前腔の剥離が不十分でもunder lay patchがやわらかく広が るPHSをヘルニア分類Ⅰに、形状記憶リングがあり、剥離が十分に必要なDirect Kugel PatchをⅡ およびⅢに使用している。 2006年10月から2007年12月までに施行した鼠径ヘルニア症例126例、134病変を対象に上記分類の 術式を施行した。どちらとも在院日数に差はなく、合併症として創感染、術後出血を認めたが、再 発例は認めなかった。 デバイスの特徴を生かしたヘルニア分類に基づく選択は研修医が術者でも確実に修復できる方法 の一つであると思われる。当院におけるヘルニア分類に基づく鼠径ヘルニア術式の検討
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セッション 3:13:50 ~ 14:38市立秋田総合病院 外科
○伊藤 誠司、木村 昭利、長谷川 傑、和嶋 直紀
橋爪 隆弘、古屋 智規、高橋 賢一、添野 武彦
当科における成人鼠径ヘルニアに対するtension free術式の選択について報告する。Polypropylene メッシュを使用したtension free法による鼠径部ヘルニア修復術は1995年2月からmesh plug法が 174例、1998年10月からPHS法が151例、2002年7月からKugel patch法が373例、Direct Kugel patch 法が4例、腹腔鏡下修復術が7例、その他のmesh使用法が3例であった。 現在は鼠径部ヘルニアの標準術式としてはKugel patch法を選択しており、ヘルニア嚢を確実な 剥離とpatchを十分な伸展に注意すれば根治性の高い手術ができると考えている。手術創が3cm ~4cmと比較的小さく、メッシュが深部に存在するため瘠せた人でも皮下に硬結を形成しないこ とも利点と考える。 しかし、前立腺や直腸の疾患で手術後で下腹部に切開創の存在する場合には下腹壁血管と腹膜が 繊維性に癒着して剥離が困難であり、正中側におけるpatchの進展が不十分な例が多かった。この 点に対応するためon-lay patchを併用するmesh plug法やdirect Kugel patch法を採用している。再 発、感染などの手術成績についても報告する。当科における鼠径ヘルニア術式の選択
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セッション 3:13:50 ~ 14:38― 26 ―