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五 十 嵐 健

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Academic year: 2021

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(1)

総合的な学習における学力形成と生き方に与える影響の検証

一卒業後の追跡周査による体験者の語りを中心に‑

学 校 教 育 専 攻 総 合 学 習 開 発 コ ー ス 五 十 嵐 健

1. 

問題の所在

本研究における学力とは,裁進学力という言 葉に表される知識偏重の狭義の学力ではなく,

[生きるカ]に表される,社会生活に生かされ る広い意味での学力のことをす旨す。

本研究は,総合的な学習が学習者の学力形 成やその後の生き方に与える景怨について,卒 業後の追蹴周査による体験者の語りを中心

i

こ検 証することを目的としている。総合的な学習に よる経験や学びについての,経験の語りという 個別の事例から,校種や内容を越えて総合的な 学習に潜在する普通性を見出すことができるの ではなし、かと考えたからである。

なお,本研究においては体験者が総合的な 学習によって身に付し1た力が卒業後に役立つと 語ったことを,総合的な学習で形成された学力 が卒業後の生き方に影響を与えていることとし て捉えた。

2.  研究の手順

①総合的な学習を体験した卒業生に対して,

当時の経験と現在の生き方についての総験 的資料を得るために追蹴局査を行う。

②①の調査で得られた経験的資料を分析し,

そこから浮かび上がった概念をもとに学 習者の学力形成やその後の生き方に景簿を 与えた要因となる総合;的な学習の総験を検 証する。

③同様に,小学校,中学校及び高等学校での

指導教員

キ ナ )

I1  雅弘

総合的な学習による学びが学習者の卒業後 の生き方に影響する要因の,校種間の共通 性明虫自性を明らか

i

こする。

3.  研究の結果と考察

総合的な学習を経験した卒業生の追跡調査 では,小学校 2校,中学校 1校,高等学校 1 校の 4つの事例を取り上げ,卒業生と当時の 担任耕市を招き,グループ・インタビューを行 った。グループ・インタピューを採用した理由 は,参加者相互のやりとりによって,個別でイ ンタピ、ューを行うよりも広範囲で,豊富なデー タを収集することが可能であると考えられるか

らである。

3.1 

r

特色jとして例虫自性

各事例で,学習者の学力形成にイ系る概念,

及びその要因となった総合的な学習の経験,現 在の生き方に与える影響について語られている 多くの部分が,校種や学校間における独自性だ と意味づけることができる。その独自性は,各 事例の総合的な学習のカリキュラムの違い,取 り組む活動の違い,また,カリキュラムや活動 内容,主たるテーマとして取り上げる題材の違 い等による学習経験の差に起因することが考え

られる。

総合的な学習が,地域や学校及び学習者の 実態等に応じた学習であることを鑑みれば,総 合的な学習の一つひとつに独自性があることは 明白で、あり,それが学力の形成や生き方に与え

つ 山

ti  

っ

(2)

る影響と,その経験の語りにも「特色」として 表れるのだと考える。

3.2  語りから見る共通性

しかし一方で、,卒業生の諮りからは,カリ キュラムや活動及び内容に独自性や差異があっ ても,語る学力や経験に共通性を見出すことが できた。(表1)

表1 各事例における学カの概念を整理したもの

事 例 争力罪事成I之 係 る 概 念 共 通 す る 学 力 学 習 冨 揮 と の 関 わ り 事事事例例例24 1  自 己 理 解 自 己 理 解

認 知 的 側 萄 事 例 1 他者を理る解カしようとす

他者の」とをが考でえき理 他 者 理 解 事 例Z 解 す る こ と きる

事事例例34  問 題 解 決 カ 自 ら 謀 題 を 見

山

l事主型例L4  情 報 活 用 力

つ考けえ.判主断体し的.解に 決してし、くこと 事 例4 論 理 的 思 考 力 が で き る

害 要

技 能 的 側 面 表 現 力

わ他る者こととうがまで〈関き

l i

  J事事例例z3  コミュニケーションカ る 事 例4 社 会 に 寅 献 す る 力

事 例 1 商 い 学 習 意 欲

自容己のの指海向す化よを・白肉

事 例3 探 究 心

事 例3 進路に対荷す揚る 意 欲 の

事 例 1 困難を乗すりる越カえようと で物や事とりをす遂最るげ後よまう 情 意 的 側 面 事 例2 強 い 責 任 感

事 例 1 仲 間 意 識 の 高 楊

他り.者す他とる者協意!働こ欲貢し献た 事 例2 他 者 に 貢E献 す る 意 欲

事例間に共通して見られる学力が見えてき た。また,学習者の認知的側面・技能的側面・

情意的側面との関連がみられ,各側面において

「自己に関すること J

r

他者との関わりに関す ること」としづ視点で束ねることができる。

3.2.1自己に関すること

「問題解決力Jや「情報活用力J,

r

論理的 思考力j としづ学力は,中学ヰ交と高等学校の事 例において顕著に表れた概含、である。これらの 概念は

r

自ら課題を見つけ,主体的に考え,

判断し,収集した情報を活用することで解決し ていくことができる力Jとして関連づけ・意味 づけることができる。小学校における事例でも 経験として語られたが,発達段階を経るに従つ

て,そのような技能を習得した経験や卒業後の 生活に生かされている様子が多く語られた。

3.2.2他者との関わりに関すること すべての事例に共通する力として見出され たのは,表現jJやコミュニケーシ'ヨンカといっ た「他者とうまく関わることができる力Jであ る。これは他者との関わりにおける技能的な側 面であると捉えられる。他者とうまく関わるこ とができる力に影響を与える経験として,事例 1における相互割高を用いた協働の経験,事例 2における多様な他者との関わり,事例 3にお ける「交流Jの単元など関連付けることができ る。

3.2.3達成感という経験の共通

卒業生の語りを整理し,本研究における達 成感の意味やその条件を意味づけた。達成感と

は何かを成し遂げることで,深い感銘を受けて 強く心を動かされることである。また,ただ成 し遂げるだけではなく,その過程で行為の主体 となる者(学習者)が誠子錯誤したり,苦労を 感じたりすることが条件である。達成感を感じ た経験は,学力の形成に係るすべての概念、を支 える基盤として,語られた0

4 

今後の課題

卒業生の語りは,調査時点での彼らの語り であるといえる。卒業生が,将来の自分につい て語っていることや, [生きる力]が,社会に 出た時に求められる力であることを考えれば,

追蹴周査は今後も繍亮して行うことで,また新 たな成果を得ることができると考える。彼らが,

学校生活の中で、出会った総合的な学習による学 びは,これからも彼らの生き方として継続して いくことがナ餓リされる。

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唱i

つ 山

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