中村
雅一
Masakazu Nakamura
電磁気学Ⅰおよび演習(必)2セメ、木1および金2、96 名
電子デバイス(選)6セメ、火3、60 名
1.私の授業の組み立て方と取り組み方
担当している科目は、必修の専門基礎である電磁気学1およびその演習と、専門選択科目である電
子デバイスである。両者の性質は大きく異なるため、それぞれに適した方針で授業を行っている。
電磁気学および演習は、大学レベルの物理学基礎として全員が身につけるべきものである。ただし、
当学科の場合は、この先の専門科目を学ぶための土台としても重要である。そこで、一人でも多くの
学生がこの先電磁気学を「使える」最低限のレベルに達するように、講義と演習の連携を強め、予備
校的に「問題を解く能力を付けさせ、できるかぎり脱落者を出さない」ことを方針としている。その
ために、下から1/3前後のレベルの受講者の理解を高めることを目標とし、講義や演習問題を組み
立てている。講義では、必要な考え方を板書によって示し、問題を解くに当たって必要な考え方や法
則の要点を重点的に説明するとともに、学生自身で重要法則や要点をまとめた俗称「カンニングペー
パー」を作らせている。また、演習では、電磁気学をいかに使うかを学べるように基礎的かつ典型的
な問題をまんべんなく選ぶよう努め、毎回の終了時に解説を含む詳細な回答例を渡している。
一方、電子デバイスは選択の専門科目であり、興味を持つものが自ら学び取るべきものである。ま
た、科目の性格上、個々の現象や原理を突き詰めるのではなく、関連する広い知識を応用し、この分
野を俯瞰できる能力を身につけることが目標である。そこで、出来る限り多くの電子デバイスの実例
に触れ、その構造と動作基本原理および用途を自分なりに消化して説明できるようになることを目標
としている。講義内容が盛りだくさんにならざるを得ないため、講義ノートを穴埋めプリント形式に
し、重要な図などを自分で書き込ませるようにしている。また、講義の最初に幕張メッセで毎年開か
れているエレクトロニクス部品の日本最大の展示会を見学し、そのレポートを提出させている。これ
は、電子デバイスに対する認識を深め、また自分の将来の進路を考える上で非常に役立つものと考え
ている。成績については、参考文献を集めてそれを自分なりにまとめるレポートと、記憶が必要な持
ち込み無しの記述試験とで評価するポイントのバランスを取っている。
2.学生による授業評価結果、ならびにそれに対するコメント
アンケート裏面に書かれたコメントは常に参考にし、講義の改善に反映させてきた。しかし、アン
ケート各項目の平均点自体は、極端に良いあるいは悪いもの以外は残念ながら参考にならない。絶対
値自体は毎年入れ替わる受講者の雰囲気によって上下する上に、学科内他科目との比較も他の教科の
上下(どの科目でも甘い点を付ける学年が当たった年に上がる傾向がある)や受講生の科目に対する
好みに左右されるからである。評価結果とコメントについては、個別科目のところで述べる。
3.今後の授業改善について
赴任以来長年にわたる改善の結果を反映させており、おおむね良い方向に変化していると思われる。
今後もこの方針が効果的に学習に反映されるよう継続する。
電子デバイス
(選)、6セメ、火3、受講登録数 60 名
中村雅一
1.授業の組み立て方と取り組み方
この科目は選択の専門科目であり、興味を持つものが自ら学び取るべきものである。また、科目の
性格上、個々の現象や原理を突き詰めるのではなく、関連する広い知識を応用し、この分野を俯瞰で
きる能力を身につけることが目標である。そこで、出来る限り多くの電子デバイスの実例に触れ、そ
の構造と動作基本原理および用途を自分なりに消化して説明できるようになることを目標としている。
講義内容が盛りだくさんにならざるを得ないため、今年度から全面的に講義ノートをプリント形式に
し、重要な図や式のみを自分で書き込ませるようにしている。また、講義の最初に、地の利を活かし
て、幕張メッセで毎年開かれているエレクトロニクス部品の日本最大の展示会(CEATEC)を見学し、そ
のレポートを提出させている。これは、電子デバイスに対する認識を深め、また自分の将来の進路を
考える上で非常に役立つものと考えている。
成績評価方法については、参考文献を集めてそれを自分なりにまとめるレポートによって教科書や
様々な解説を理解しまとめる能力を、記憶が必要な持ち込み無しの記述試験によって講義で学んだ
様々な電子デバイスに対する知識とそれを論理的にまとめる力を評価している。また、いずれについ
ても、特定のデバイスを他のものと比較できているかについても重視している。
例年どおり、受講生との間のインタラクティブな講義になるように気をつけた。
2.学生による授業評価結果、ならびにそれに対するコメント
教員毎の欄でも述べたように個別の点の微妙な上下に一喜一憂する意味はあまりないと思われるが、
ほとんどの項目で学科平均より良い評価を得ているようである。個別の点数は年ごとにばらつくノイ
ズのみ目立つので、アンケート裏面の自由記述欄および講義中に受講生から聞いた意見についてコメ
ントする。
好意的な意見としては、「プリントがまとまっていてよかった」、「図を大きく書いていただいたので
写すのが楽」、「説明がわかりやすかった」などがあった。これについては今後も実践してゆくつもり
である。一方、「板書している間に説明が終わってしまっていて理解できない部分があった」との意見
もあった。今後注意する。
3.今後の授業改善について
過去何回か授業方法や内容を見直してきたが、徐々に学生の理解度と理解速度が落ちてきているよ
うに思われる。内容の末細を少し削るとともに、適宜宿題を出す必要があるかもしれない。
早乙女 英夫
Hideo Saotome
電磁気学 II および演習(必)、3セメ、月1と木1、受講登録数 90 名
1.私の授業の組み立て方と取り組み方
「手書き」のOHPを利用した講義を行っている。ここで、特に注意していることは、学生にノー
トを取るための時間を設けることである。学部教育では、方程式、計算過程、回路図などを学生が自
筆でノートすることが重要と考えている。手先と脳との繋がりを利用する古くからのこの学習法は効
果的と考えている。パワーポイントなどの活字ではなく「手書き」とすることで、安易にスクリーン
のコピーを求められることを避け、学生自身がノートを取る習慣を身に付けるように配慮している。
まず、スクリーンを参照しながらこれから学生に伝えたい概要を述べ、次に、学生にノートを取らせ、
その後、詳細な説明をすることで、学生は講義の進む方向を予測しながら説明を聞くことになり、講
義の理解度向上が図られている。
電磁気学は電気電子工学科の根幹となる授業であり、厳格な評価を行う一方、公式の暗記などの表
面的な理解や学習を避ける工夫を行っている。具体的には、一つ一つの物理現象をモデル化した簡素
図を必ず示して物理法則を説明し、その定量的表現としていわゆる公式があることを説明している。
また,それらの公式の源は実験から導かれたことを説明し、自然現象の観察や観測が物理法則を見出
す根源となっていることを繰り返し説明している。公式暗記を出発点にしがちな受験勉強のやり方か
ら本来の学習法に切りかえられるよう、示唆することを心がけている。
2.学生による授業評価結果、ならびにそれに対するコメント
座学に対する 17 項目のうち、授業の品質に大きく関わる項目3、5、9、10、11、15 および 16 の
7項目に対する評点はそれぞれ 4.9、4.7、3.9、4.1、4.2、3.3 および 3.4 であった。
学生のコメントを以下に示す。
・OHPのスライドを書く時間と説明の時間を明確に分けていたので,余裕をもって話を聞けた。
・OHPのスライドの色分けが工夫されており,式の重要度などが判別しやすかった。
・OHPのスライドが分かりやすかった。
・声が聞きやすかった。
・毎回、簡単な課題が出ていたので良い復習になった。
・授業に対する生徒への配慮の仕方が良かった。
・授業態度の悪い学生を注意したので,授業に集中できる環境だった。
(私の授業では、私語をする者はいない。極めて厳格に禁止している。)
・もっと演習問題を授業中にやってほしかった。
・教科書を使用しないので、講義全体の内容が把握しづらかった。
・1限にちゃんと起きるようになった。
・授業の内容が難しい。
・水くらいは飲ませてほしい。
・OHPシートの入れ替えのタイミングが早い時があった。
3.今後の授業改善について
授業に力が入り過ぎ、ニコニコしながら和やかな雰囲気で授業をすることがなかなかできないでい
る。この点を少しずつでも改善していきたい。
平田 廣則
Hironori Hirata
確率基礎論(選必)3セメ,水3 受講登録数 46 名
情報理論(選必),5セメ,月3,受講登録数 91 名
1
11
1...私.私私私のののの授業授業の授業授業のの組の組組組みみみみ立立て立立てて方て方方と方ととと取取り取取りりり組組組組みみみ方み方方 方
前年度の授業評価に基づき,特に「授業に対する満足度」の向上を目指して,努力してきた。情報
理論の授業においては,自書の教科書を使用し,学生の便をはかっている。授業は,教科書の本文に
準拠して行っているが,ここ 7 年目の使用でかなり有効に教科書を利用して授業が行えたかと思って
いる。確率基礎論は,昨年度から2年生で新しく始まった科目であり,基礎科目でもあるので,それ
なりに準備をして取り組んだつもりである。本年度は、昨年の反省をもとに改善を試みた。
2
22
2....学生学生学生学生によるによるによる授業評価結果による授業評価結果授業評価結果授業評価結果,,ならびにそれに,,ならびにそれにならびにそれにならびにそれに対対対する対するコメンするするコメンコメンコメントトト ト
まず,受講人数の多い情報理論について取り上げる。特に高い評価を得たのは,例年通り
(問 2)「教材は,授業の理解に役立ちましたか?」
(問 3)「教員の声は良く聞こえましたか?」
の 2 点であり,特に(問 2)において,教科書が 4.5 と評価されたのは,幸いであった。
昨年同様,
(問 16)「・・・この授業に満足しましたか?」
の向上を目指してきたが、残念ながら,3.7(前年 4.3)の評価になってしまった。その原因を探り次
年度以降更なる努力を続けていきたい。
次に,確率基礎論は,情報理論と異なり,授業満足度(問 16)に対して,残念ながら 3.3(前年 3.0)
の評価にとどまった。謙虚に反省をして,努力を継続していきたい。
3
33
3....今後今後今後今後ののの授業改善の授業改善授業改善について授業改善についてについてについて
情報理論については,十分の学習効果が上がっていると思われるが,確率基礎論については,試験
結果を見ると,基礎科目ゆえか,昨年同様、成績の差が非常に大きいように思われる。成績が中程以
下の学生について,「予習・復習時間が 1 時間未満である」学生が多い事実を踏まえ,来年度も学生の
勉強時間を増加させるための努力をするとともに,その実情を認識した上で,効果の上がる授業を考
え、より一層学生の立場に立った授業を実践していきたい。
科学技術英語
Engineering English
選択、5セメ、水3、受講登録数20名,担当:高橋秀夫
1.授業の組み立て方と取り組み方
本授業は電気電子工学科の学生に対し,工学系英語,科学技術系英語を素材とし,その分野におけ
る英語コミュニケーション能力を高めることを目的とする選択科目である.昨年度までは必修科目(電
子英語)で,約50名のクラス2つを筆者と他の複数の学科教員が隔週で担当する形態であったが,
本年度から選択科目となり,筆者が全15週を担当することとなった.第1回目の授業には31名が
集合したが,最終的に履修登録した学生は20名であった.授業は千葉大学言語教育センターで開発
した2種の Online 型 CALL 教材を使用して行われた.教材のひとつは米国コロラド大学の工学部実験
室紹介,音響音声学講義を収録したビデオを使用し,工学系の自然な速度で発話された英語を理解す
るための聴解力養成教材で,もうひとつは自然科学の分野で用いられる語彙を用例と音声とともに学
ぶ,語彙力養成教材である.学習は主に自宅からインターネット経由でアクセスする自習形態とし,
授業では学習進度調整,理解度測定のための小テストを毎週行うとともに,異文化理解のためのミニ
講義を組み入れ,動機づけを高める努力をした.また授業の前後では TOEIC Listening Section の模
擬試験を行い,英語力向上の効果を測定した.
2.学生による授業評価結果、ならびにそれに対するコメント
授業評価項目のうち,語学教育として重要な質問項目とその評価結果を抜き出して以下に示したが,
全体的に高い評価が得られている.特に本学で開発した CALL 教材を使用した学習の「有用性」「理解
度」「満足度」が高く評価されているのは,教材開発者,授業実施者としてはありがたかった.「質問
の頻度」に対する評価が 2.1 と低い値となっているが,これは授業が CALL 教材による独学を中心とし
た聴解力,語彙力の養成を目的としているため,ある意味で当然の結果である.また予習・復習量が
2.6 と少ない印象を与えるが,これは約週2時間に相当するもので,語学学習の平均学習時間として
は適切な量と判断する(ちなみに前期の同学科の授業の平均は 1.6 である).毎週最低 90 分の自宅で
の自習を義務付け,毎週テストを行うという一見ハードな授業実践ではあるが,適切なカリキュラム
と教材を使用し,力が付いたと自覚させることができれば,学習者は努力してついてくる.
教材の有用性 4.4 教材提示方法 4.8 例示の提示 4.3
授業/課題の関連 4.4 進度の適切さ 3.9 出席率 4.7
予習・復習量 2.6 質問の頻度 2.1 授業の理解度 4.1
全体的満足度 4.1
TOEIC Listening Section のみによる観察であるがが,半期 15 回の授業で 35 点上昇(t=3.613,
p<.005, df=18)が確認された.千葉大学で開発した CALL 教材を使用した場合,Listening Section
の得点上昇の 63%が Reading Section の上昇に転移することが報告されており,Listening Section 35
点の上昇は Total Score で 57 点に相当すると推定される.普遍での CALL 英語(半期)による教育効
果が TOEIC Total Score で 56 点であったことを考慮すると,言語教育センターで開発した Online 型
CALL システムの効果は普遍,専門を問わず,一定の効果を上げていることを示すものと考える.
3.今後の授業改善について
本授業形態は 1994 年設立の旧外国語センター以来積み重ねてきた知見と教材をもとに導入された
もので,普遍教育課程のみならず専門課程での語学教育にも有効に機能するはずである.来年度も本
年度の形態を踏襲して授業を行い,履修者の学習動向,教育効果等を観察する予定である.
近藤 圭一郎
Keiichiro Kondo
電気エネルギー変換機器(選)、電子機械6セメ電気電子4セメ同時開講,金2、
受講登録数 77 名
電力変換システム設計(選)、7セメ、水2、受講登録数 24 名
1.私の授業の組み立て方と取り組み方
電気エネルギー変換機器の2/3と,電力変換システム設計の1/3の講義は,黒板への手書きを講
義の基本形態としている。これは,手を動かすことで意識が活性化されることによる学生諸君の理解
度向上および,講義ペースの適正化を目的としている。なお,いずれの科目も実際の機器に関する講
義であることから,機器の形状,構造および応用事例を説明する場合等,視覚的な理解が有効と考え
られる場合には,適宜パワーポイントを用いた説明を行っている。
講義内容としては電気工学の体系の一部として必要な知識を身に付けさせることを目指している
のは勿論であるが,一方で,機器動作の表面的な理解や単なる事象・構造の暗記に終わることのない
ように心がけている。すなわち,機器内部で生じる電気磁気および力学現象とそれがどのように活用
されているかを理解することで,自然現象の利用という工学の本質を理解させりよう心がけている。
また,設計の講義であれば,特定の機器の設計に留まらず,ものごとを計画し実行するための普遍的
な手法が身につくように心がけている。これらは,学生がエンジニアとして社会で活躍する際に,ど
のような職種でも普遍的に活用できる能力の取得が重要であるという,自らの産業界での経験を通し
て得られた教育信条に基づくものである。
電力変換システム設計の後半では,デザイン教育の観点から,実際に回路や機器の設計・製作・評
価の実習を行う形態をとっている。これらの実務は初めての学生も多いことから,講義の時間にはパ
ワーポイントを用いて,実務の裏づけとなる理論や設計・製作・評価等,実務の進め方について詳述
し,設計製作の実務は講義時間以外に自習として実施させるようにしている。
2.学生による授業評価結果、ならびにそれに対するコメント
学科平均点と照らし合わせても,今回科目とも良好な評価を得たものと判断している。
電気エネルギー変換機器については,特に実機と原理・現象の対応や説明の丁寧さを評価する声が
あり,講義で留意した点が評価されたものと自負している。
一方で,電気エネルギー変換機器に関しては,講義内容と試験との間を埋める手段として,小テス
トやレポートを求める声があった。学問の“義”を“講”じる“講義”内容を理解し,その内容を適
切に示すことは本来学生の役割であると考えている。このことを教員,学生ともに理解した上で,今
年度はレポート毎回の講義で課したところ好評であった。しかし,これが本来の姿ではないことは是
非理解して頂きたい。
3.今後の授業改善について
概ね現在の内容・進め方が評価されていると考えているが,学生の本質的な学習意欲に対する満足
度を向上すべく,次年度以降も努力を続ける所存である。また,板書の時間をとってほしい,文字を
鮮明に記してほしい等の要望があった。これらは教員側でも日頃から留意しているが,今後はより一
層注意したいと考える。一方で,学生諸君も十分な予習や極力教室の前の方の席に座る(教壇前は大
抵空いている)等の”対策”も検討されたい。
以上
岡本 卓
Takashi Okamoto
偏微分方程式演習(選必)、4セメ、金3、受講登録数 66 名
1.私の授業の組み立て方と取り組み方
担当している偏微分方程式演習では,授業前半で,当該授業回の演習内容に関する講義を行い,後
半で,実際に演習問題を解いてもらい,その解答を後日レポートという形で提出してもらう形式で,
授業を行っている。受講生は,あらかじめ千葉大学 moodle 上で公開している講義資料と演習問題を
プリントアウトした上で,授業に参加する。演習問題の解答は,レポート期限の後に,Web 上で公開
する。
講義は,プレゼンテーション形式で行う。講義資料は,プレゼンテーションのハンドアウトの一部
分が空白となっているもので,受講生は,その空白部分を埋めながら,講義を聴講する。これは,プ
レゼンテーション形式で,なるべくわかりやすい説明を行いながらも,同時に重要な部分については,
手を動かして理解を深めてもらうことを意図している。
偏微分方程式は,学部 2 年生後期で扱うには,少し内容が高度な部分がある。そこで,演習科目で
はあるが,類題の解法を先に説明した上で,演習問題に取り組んでもらう形式としている。また,授
業後半の演習では,教員と TA 1 名がチューターとして指導を行い,できる限り質問を受けつけ,きめ
細かい指導が行えるよう努めている。
また,今年度から,試験を中間と期末の 2 回実施することに改めた。これは,前年度のアンケート
等の結果を踏まえて,試験 1 回では,試験範囲が広すぎる可能性があると考えたためである。
2.学生による授業評価結果、ならびにそれに対するコメント
全科目で共通の問 16 までの評価では,概ね平均以上の評価を受けており,講義としては,概ね良好
な結果だったと認識している。
各項目について詳しくみていくと,授業への取り組み方に関する問 2(4.8),3(4.9),5(5.0),9(4.4),
10(4.5)は(かっこ内は,5 点満点中の得点),総じて平均より高い評価を受けており,授業への取り
組み方に関しては,学生の満足度が高かったと考えられる。
一方で,理解度に関する問 15(3.7),平均点を上回るが,4 点を下回っている。また,授業アンケ
ートのコメントに,「レポートで解く問題量が多い」という旨の意見がいくつか見られる。しかし,ア
ンケート結果と最終成績の結果を,前年度と比較すると,改善が見られており,試験を 2 回実施する
改善が有効に機能したものと考えられる。
質問に関する設問である問 14(1.6)は,かなり低い値となっている。実際,今年度の演習時間では,
質問の数が少なかったように思える。この点は,質問しやすい環境整備等の改善が必要であると考え
られる。
また,対応する講義との連動性に関する問 19(3.7)は,平均値を下回っている。この点は,前年度
と同様に改善が必要であると考えられる。
3.今後の授業改善について
上述したように,前年度よりは改善されたが,全体的に授業内容が若干高度であったと評価されて
おり,授業の進度と内容については,改善を行う必要がある。また,質問の数が減少したので,質問
しやすい環境整備を整え,理解度と満足度の向上に努めたい。また,対応する講義との連携に関して
も,できる限り改善を図っていきたい。
工藤 一浩
Kazuhiro Kudo
物性・デバイス教育研究領域・分子機能デバイス研究分野・教授
応用電子物性:(選必)6セメ、火5、20 名
(普遍専門基礎科目:物理学 C:電磁気学入門(選必)2セメ、金 1、86 名)
1.私の授業の組み立て方と取り組み方
学部基礎科目は、学生が自筆でノートすることが重要と考え、担当している全科目とも参考書、教
科書を利用し、要点がノートに残るよう板書を中心とした講義を行っている。普遍科目の専門基礎で
ある物理学 C:電磁気学入門(機械工学科1年)は電磁気学の全体像をやさしく入門編として講義し、
理解を深めるために演習(主担当:酒井助教)が併設されている。選択必修科目ではあるが、対象学
科のほぼ全員が受講している。応用電子物性は基礎電子物性に引き続き6セメスタに電気電子工学科
の3年生を対象とする発展的科目で、より専門性が高いためか受講者数はやや少なめである。
2.学生による授業評価結果、ならびにそれに対するコメント
開講曜日が異なる講義(金)・演習(木)では進行度により、演習が習っていない部分も出される
ことにやや不満の意見がよせられている。これに対し、進行表の配布を行い、講義より進んだ演習問
題に対しては予備的知識を与え、予習の意味で演習を進めている。電磁気学の講義では適宜、電磁気
の基礎原理が今後の卒業研究や実社会での製品開発に役に立つかなどについても紹介している。また、
電子レンジ、携帯電話、ハードディスクなどの具体的な電子機器例を挙げ、実際に電磁気の基礎技術
の大切さを示す機会を設ける工夫をしている。一方、応用電子物性については、基礎科目を基盤とし
た応用部分が中心となるため、講義資料を毎回配布し、具体的な応用電子デバイスについて解説し、
パワーポイントによる最近話題となっているトピックス(物性に関係する学会などでの話題など)や
ディスプレイデバイスの実演なども取り入れて講義を行っている。両科目は、基礎と応用の両極端の
科目ではあるが、概ね良好と評価されていると判断できる。
3.今後の授業改善について
授業において、基礎学問がいかに大切、かつ色々な分野で役に立つかについて、ポイントを絞って
わかりやすく説明する努力を引き続き行いたい。また、基礎学問は専門科目に比べて面白みを感じて
もらえない場合が多いが、ビデオ教材による実例やシミュレーションを示した説明など、さらなる工
夫を計画している。講義の進行度に合わせた演習の進め方については、講義・演習の進行度について
担当者間で綿密な打ち合わせを行い、学生からの不満を最小限にする努力を継続する。一方、応用発
展的科目では、パワーポイントや応用デバイス動作を実際に体得できる工夫を継続する。
八代 健一郎
Kenichiro Yashiro
回路理論 I および演習(必),3セメ,金3-4,受講登録数 97 名
伝送工学(選必),6セメ,月4,受講登録数 15 名
1. 私の授業の組み立て方と取り組み方
回路理論 I および演習は電気電子工学の基礎をなす科目のひとつである。この科目は回路の各部の
電圧や電流などを数値的に求める、すなわち、定量的に把握し考えることができるようになることを
目標にしている。授業には定性的な話題も含んでいるが、その性質を利用すると、定量的な結果を導
き出すのが容易になるもので、定量的に捉えることが重要と考える。この授業は 2 コマ続きの授業と
なっているので,概ね 3 時限目を講義,4 時限目を演習に割り当てている。今年度は理解度を確認す
るために、授業開始直後、5 分程度で答えられる簡単な問題を毎回実施した。それが功を奏したかど
うかは確かではないが学生の成績が例年よりも若干良い結果になった。来年度も同様に簡単な問題を
解く時間を設けたい。教科書の内容の理解を助けるための PDF 資料(スライド様式)を用いて説明を
行った。授業は,液晶プロジェクタで資料を投影し,それに従って説明する形態で実施した。また,
液晶プロジェクター以外にも,必要に応じて板書により補足説明を行うようにした。演習としては,
ほぼ毎回 30 分程度で解ける問題をプリントでやってもらい,ティーチングアシスタントの学生に採点
してもらったものを返却すると共に黒板を用いて解説を行った。適宜,教科書に掲載されている演習
問題についても黒板で解説を行った。
伝送工学は,回路理論や電磁気学で学んだことを基礎にして情報の伝送路を調べることになるので,
知識を単に覚えるのではなく,どのように考えて知識を活かしていくか,その応用という面に力点を
おいている。教科書を使用せず,参考書を紹介するだけであり,受講者数が少ないこともあり,昨年
度に引き続き、今年度も授業で使用する PDF 資料を CD に焼いて配布した。授業では,この PDF 資料(ス
ライド様式)を液晶プロジェクターで投影し,スクリーン上で説明しながら講義を進め,必要に応じて
適宜板書して説明を付け加えた。特に出欠を取らなかったせいか、出席者が少なかったので、来年度
は出席を取ろうと考えている。
2.学生による授業評価結果、ならびにそれに対するコメント
回路理論 I および演習においてスライドを書き写す時間がないという意見がかなり見受けられた。
スライドは教科書の内容の説明用に準備しているので、全て書き写してもらおうつもりではなく、授
業中は内容の理解に集中してもらいたい。教科書を使用しているので、自分でも教科書を予め読んだ
り、後から読んだりして活用してもらいたいと思う。
3.今後の授業改善について
今年度、路理論 I および演習では、理解度を点検するためのごく簡単な設問を解いてもらう時間を
設けたところ学生の理解の助けになっていると思われる結果が得られた。年度によって多少成績が上
下するのは当然のことと思うが、この試みを次年度も引き続き実施したいと思う。
伝送工学についてもただ単に出欠を取るよりも、出欠を取るのを兼ねて簡単な問題を解いてもらお
うと考えている。
安
昌俊
Chang-Jun Ahn
通信工学基礎(選必)、前期、火3、受講登録数 84 名
信号処理(選)、後期、水3、受講登録数 14 名
1.私の授業の組み立て方と取り組み方
担当している2科目ともパワーポイントを利用した講義を行っている。「手書き」で講義を行うと学
生がノートを取る時間の確保などが必要であるため,授業できる時間と内容に制限が生じる問題があ
った。一方,パワーポイントを利用すると図などを使用した細かい概念の説明がしやすい点とパワー
ポイント資料を事前にホームページなどで公開する事で,学生自身が充実した予習・復習ができ,講
義の理解度向上が図られる長所がある。
「通信工学基礎」は,電気電子系コースの選択必修科目であり,連続時間(アナログ系)と離散時
間(ディジタル系)信号の違い,特徴などを理解するため必要なフーリエ級数・変換などについて講
義している。更に,高速通信方式として注目を浴びている周波数分割多重化(OFDM)など新しい技術
を講義している。「信号処理」は,電気電子系コースの選択科目であり,周波数領域における信号解析,
フーリエ変換,ディジタルフィルタ(FIR 及び IIR)などについて講義している。また,2科目ともに
最新技術を紹介しており,新しい技術にも対応できる独創的な技術者の育成を目的としている。
2.学生による授業評価結果、ならびにそれに対するコメント
今回は授業評価を信号処理のみに行った。結果は 80%以上であり,概ね良好と評価されていると判
断できる。
授業評価から示された意見ですが,練習問題を今より更に増やしてほしいの意見と信号処理と通信
工学基礎科目の開講時期を変えればとの意見があった。まず,練習問題に関しては授業が終わり 2 問
程度の練習問題を与え,理解度と学生の出席状況を把握している。それと別に授業中に講義と関連す
る内容を例題として与えており,更に練習問題を増やす計画はない。現在,講義資料を事前にホーム
ページで公開しており,参考になる練習問題を増やしてのせる予定である。
また,電気電子学科のシラバス上には通信工学基礎科目が前期,信号処理科目が後期に開講されて
いる。しかし,信号処理科目が通信工学基礎より,基礎的な内容を含めており,通信工学基礎科目を
聞く際には分からないことがあったが,信号処理科目を聞くとその内容が分かったとの意見があった。
そのため,前期に開講されている通信工学基礎科目を講義する際にあまり触らない内容(Z 変換など)
も追加しながら説明することで理解度を向上する予定である。また,学科のシラバス検討委員会に報
告し,将来的に信号処理と通信工学基礎科目の開講時期を変える方向で検討する予定である。
3.今後の授業改善について
通信工学基礎と信号処理科目はいずれも数式を使って概念などを説明している。しかし,数式の展
開を数ページに分けて説明すると誘導過程が分かり難い問題があり,文字の大きさを小さくして少な
いページ数で展開している。しかし,見難い問題などがあるため数式の文字の拡大し,見やすいパワ
ーポイント資料を作成するなど改善していきたい。更に,ホームページで公開されているパワーポイ
ント資料の解像度を向上する予定である。
橋本 研也 Hashimoto Ken-ya
回路理論 II 及び演習(必)T1R08001、4セメ、金4,5、受講登録数89名
集積電子回路(選)T1G052001、6セメ、水 4、受講登録数62名
1. 学生の授業評価結果、ならびにそれに対するコメント
最初に「集積電子回路」について言及する。シミュレータを新しいものに変更し、レポート課題も
新たに作り変えて3年目になる。昨年度より、課題を一つ増やし、しかもかなり難しい課題を課した
のにもかかわらず、かなり学生が脱落せず、そのほぼ全てが非常に質の高いレポートを完成させてく
れたのは嬉しい。ただ、学生による授業評価では、"講義内容の理解"や"講義への満足度"が平均を下
回ってしまった。
次に、「回路理論 II 及び演習」について言及する。この講義の場合、学問的に確立されたもので
ある。これまでは再履修学生のみが受講対象のものを担当していたが、今年度からは始めて履修する
学生も対象となった。このため、講義資料並びに演習問題の内容を全面的に刷新した。自分ではかな
り入念に準備した積もりであったが、学生の理解度との不一致や提示した講義資料や演習問題の不備
があり、講義資料に無い内容を説明したり、講義資料に書いてある部分を省略したりと、かなり試行
錯誤に近い講義となってしまった。特に後半に実施した分布定数回路の部分に問題が多かった。これ
を反映してか、教材や例題等に関する学生の評価が平均を下回ってしまった。
2. 今後の授業改善について
「集積電子回路」は"講義内容の理解"や"講義への満足度"が低下してしまったことを受け、講義自
体の内容を再検討したい。特に後半のデジタル回路とそのソフトウェアとの連携の部分に対する理解
度が低い様に思えるので、レポート課題も含めて再検討したい。さらに、講義の中で実習を実施して
いなかったが、総合メディア基盤センターの計算機端末を利用した実習を2回開催する事も計画した
いと考えている。
一方、「回路理論 II 及び演習」は、今年度の反省を踏まえて、講義自体の内容を再検討すると共に、
講義資料並びに演習問題の内容を全面的に刷新する予定である。また、今年度は、レポート課題用の
問題のみを学生に提示し、演習としたが、できれば、それとは別に独習用の問題も準備したいと考え
ている。なお、レポート課題や試験の出来具合にだいぶ差が有るので、講義の中で、よりレポート課
題や試験問題に近いものを取り上げるように計画したい。
劉
康志
Kang-Zhi Liu
基礎制御理論Ⅰ(必) 5セメ、月5、94名
1.私の授業の組み立て方と取り組み方
基本的な取り組みとして、基礎的概念の説明に重点を置き、例題を多用して説明するように心がけ
ています。また、学生の自主的な取り組みを重視し、毎回適度に宿題を出すようにしています。そし
て、宿題レポートを回収後、その解答をホームページで公開しています。
内容の説明に関しては、制御工学に関係する概念や方法がどのようにして考え出されたかについて、
物理的背景から説明するようにしています。また、なるべく多くの例を取り上げるようにもしていま
す。この科目は数理的側面が強く、直感的でないため、その個々の概念と学問の全体図をきちっと捉
えることが大事です。このことを常に意識しながら教えるようにしています。
さらに、絶えず進化している学問を最新の観点で学んでもらうために、陳腐化した内容を取り除き、
新しい視点や内容を取り入れるようにしています。
2.学生による授業評価結果、ならびにそれに対するコメント
全体的満足度では、学科平均を零点5ポイント上回っただけでなく、教員に対する評価項目すべて
が学科平均を超えています。逆に、学科平均を下回ったのは、7 番目の「教室環境」と 14 番目の「授
業で質問したか」の2項目です。このような評価が得られたのは、いままでの授業評価で「声が聞き
にくい」との学生の声に応えて、今年から授業でマイクを用いたことによる効果だと自己分析してい
ます。
「良かった点」として、「毎回宿題を出す」、「宿題に対して解答を配布」を上げる学生が多かった。
今後もこれを続けていきたい。
3.今後の授業改善について
これからは、さらに実例を増やして、抽象的な概念をわかりやすくする努力を続けていきたい。ま
た、受講者の理解度に応じて授業内容と進度を調整したりして、全員が満足感を得られるような授業
にしていきます。
石谷善博
Yoshihiro Ishitani
光エレクトロニクス(選)、7セメ、火2、受講登録数 17 名
基礎電子物性(必)、4セメ、火2、受講登録数 112 名
量子力学(選必)、4 セメ、月 1、受講登録数 87 名
1.私の授業の組み立て方と取り組み方
2 年次学生に対しては学生ができるだけ興味を覚え意欲が出るようにするが、一方で自ら主体的に学
ばなければ講義にはついていけないということを自覚させたい。学習内容については、基本的な習得
必要事項について項目が分かりやすい形で示し、キーワードを挙げてその説明ができるようにし、技
術者としての常識的内容を把握できるよう留意した。4 年生の学生に対しては自分で学習することを
実質的に要求し、内容的には将来的に当該分野で社会をリードしてゆくに必要であることを示し、か
つ 4 年生レベルの講義を行うことに留意した。講義はいずれも板書形式である。
2 年前後期必修科目の「基礎電子物性」および選択必修の「量子力学」は、ほぼ毎回のレポートを
課している。基礎電子物性について、一昨昨年度までは 2 クラス開講であったものが、昨年度より 1
クラス開講となり、全員のレポートを全てチェックことはできず、提出・未提出のチェックと学生の
解答状況の概略をつかむに留まっている。本年度は、下記の量子力学を含めて登録者全員に要点集の
解答例を送り学習の促進を求めた。
量子力学は 2 年目であった。初めて量子力学を履修するカリキュラムとなったため講義内容の構成
に苦慮している。昨年度講義内容の改編を一部行った。量子力学を理解するために、単に箱型ポテン
シャルなど単純な例にとどまることなく、量子力学の根本的特徴、古典力学と何が異なるかについて、
学生の反応を見ながらフィードバックし、焦点を絞ることができてきた。これに合わせ、キーワード
集の改訂を進めている。
量子力学、および基礎電子物性では、中間試験の結果が思わしくないことにより学生がセメスター
途中に学習を途中放棄または意欲低減を起こすことがないようにすることを目的に、中間試験をフィ
ードバックの機会と位置付けることとした。つまり、期末試験を後講義半部分を主な内容とするパー
ト I と前半部分を主な内容とするパート II に分け、中間試験で90点未満の学生にパート II を受験
する機会を与えた。量子力学では、期末試験結果で成績が向上し、上記対策が大変良く機能し、主要
個所の習得はかなり進んだ。
2.学生による授業評価結果、ならびにそれに対するコメント
理解度、満足度のそれぞれについて光エレクトロニクスは 2.7、3.5 量子力学は 3.2、3.4 であった。
全体的に理解度を上げたい。生からのクレームとして、黒板の前に立つ位置、講義開始時間について
一部批判があった。この点は改善する。レポート解答例は学生の理解を助け、試験勉強に役立ったと
のコメントが昨年度より非常に少なかった。色々原因はあり、また千葉大学の学生への要求したいも
のは多くあるが、学生の資質の変化にも対応してゆきたい。
3.今後の授業改善について
板書量を減らし丁寧に板書できるよう必要事項のダウンロード形式を本格的に進めたい。簡単な実
験を増やして机上での数式と実体との結びつきをできる限り感じることができるよう留意しているが、
更にこの内容を多くしたい。これらにより“ナノテクノロジー“への関心を高められるよう努力した
い。
佐藤 之彦
Yukihiko Sato
パワーエレクトロニクス(選)6セメ,後期月2,受講登録者数 77名
電力システム(選必)5セメ,前期水4,受講登録者数 81名
1.私の授業の組み立て方と取り組み方
単独で担当している2科目のうち,電力システムは,一時期,教科書を使用しないで授業を実施し
ていたが,本年度は昨年度,一昨年度に続いて教科書を使用して授業を行なった。また,パワーエレ
クトロニクスは,同じセメスターで開講されている電気エネルギー変換機器で使用している教科書と
内容的に重複していることなどを考慮して,一昨年度から継続で教科書は指定せずに授業を実施した。
試験を除いて15週の授業を確保することと,準備学習について具体的な指示を与えることが求めら
れていることに鑑みて,本年度は上記2授業科目でこの要求に対応するようにした。具体的には,毎
回の授業の先だって,説明用のスライドを事前にホームページにアップロードし,授業までに目を通
して予習することを求めた。あわせて,その中に演習問題を加え,これを復習として行うことも求め
た。また,授業を15週確保することと連動して授業期間中に1週分をとって中間試験を実施するこ
とができなくなったため,単元ごとに 20 分程度の時間で単元テストを,電力システムでは2回,パワ
ーエレクトロニクスでは3回実施した。昨年度のパワーエレクトロニクスでは,試行的な意味もあっ
て単元テストを5回実施したが,本年度は採点に要する時間的な制約などから,前述のような実施回
数にとどまった。例年同様,いずれの科目でも,写真や実物のサンプルなどを用いて実際の機器やシ
ステムなどと関連付けた実感を伴った理解が得られるような授業を行なうように心がけた。
授業では,学生の理解度を常に把握して適切なフィードバックをかけることに特に留意している。
このための具体的方策として,例年,学籍番号と氏名,授業に対するコメントを毎回記入するA4版
の記入票を学生個人ごとに作成し,授業時に記入させたものを次回の授業時までに目を通して返却す
るようにしているが,本年度も実施した。
2.学生による授業評価結果,ならびにそれに対するコメント
本年度からの電気電子工学科の3年次への学年進行により,電力システムが必修科目に準じた位置
づけの選択必修科目から,選択科目になったことに伴い,履修者数が30名減の 76.4%に減少した。
その結果,履修意欲の低い学生が受講しなくなったことが理由と予測しているが,ここ数年来目立っ
ていた私語をする学生が激減し,授業環境が改善した。授業アンケートの評価は,ほとんどすべての
項目で平均を上回っており,重大な問題は少ないと考えているが,平均と同程度かやや下回る項目と
して,学生の出席態度や自己学習時間などに関する項目が挙げられる。昨年度後期から,自己学習を
ガイドする取り組みとして,授業資料を事前に Moodle に掲載するなどの措置を講じてきたが,準備
学習・復習が1時間未満の学生が半数程度を占めており,その内容や量だけでなく取り組ませ方につ
いても工夫が必要と考えている。
3.今後の授業改善について
本年度は,大きな問題もなく授業が実施できたと考えているが,自己学習の誘導が不十分な点は,
例年から引きずっている課題として残った結果となっており,次年度以降もこの点に継続して取り組
むことが重要と考えている。そのためには,ある程度の自己学習を前提に理解できる程度のレベルの
授業を実施することが必要と考えているが,このような授業では脱落者が多く発生することが危惧さ
れるが,少しでもそのような状況に近づけたい。また,能動的な自己学習を誘導する方策として,
Moodleの機能を最大限に活用することにも取り組みたいと考えており,演習問題の作成・採点機能な
どの活用に挑戦したい。
中田裕之
Hiroyuki Nakata
複素解析演習(電)(選必)、3セメ、火2、受講登録数 87 名
電気電子工学実験 I(必)、4セメ、火45、受講登録数 77 名
電気電子工学実験 II(必)、5セメ、木3-5、受講登録数 73 名
1.私の授業の組み立て方と取り組み方
表記のとおり、電気電子工学実験と複素解析実習を担当している。この授業評価では、中田個人で
担当している複素解析演習について述べる。
複素解析は必修科目ではないが、ある周波数での波動現象を考える場合に用いられるフェーザ表示
や、2 次元での電磁場や流体の物理を考える場合にも利用されており、数学的教養のみならず、その
応用についても身につけておいてほしい科目である。複素解析演習では、理論的な原理・定理の理解
より、その適用例や応用を通じて複素解析の理解を深めてもらいたいと考えている。そのため、でき
るだけ多くの問題について触れてもらいたいと考えている。授業のスタイルは、授業前半にその回の
内容についてまとめ、後半に解説した内容について小テストを行っている。前半に解説した内容につ
いて、その直後に小テストを行うため、学生には前半部分が理解できないと小テストはかなり大変で
はないかと思われる。しかし、前半の解説を真剣に聞いてもらうために、このようなスタイルにした。
問題の解説は比較的平易な基礎的事項に限定し,小テストではある程度難易度の高いものに触れても
らうようにしている。前半の解説をただ覚えるだけでなく,原理・定理などをどのように応用すれば
よいかを考えてもらえるように心がけた。
2.学生による授業評価結果、ならびにそれに対するコメント
昨年度より演習は火曜 2 時限に変わり、講義の時間は火曜 3 時限になっている。今年度は昨年度と
同様の授業スタイルであったこともあり、多少内容を難易度の高いものに変えつつあった。そのため
か、理解度は多少下がり(4.1→3.5)、満足度も下がったようである(4.2→3.9)。また、難易度を上
げたことにより板書の量を多少増やしたせいか、スピードが速いという指摘がいくつかあった。来年
度は気をつけたいと思う。しかし、板所の見易さについては、それなりに高く評価されたと思われる
(4.6)。
3.今後の授業改善について
ここ数年、予復習の時間が短いことを反省点としてあげていた。今年度は予復習の時間を増やすべ
く、レポートを数回課してみたが、相変わらず準備学習の時間は半数以上が 1 時間未満とかなり少な
かった。今年度もより多くの時間を予復習に充ててもらうべく、レポートの課題を増やしていきたい
と考えている。教科書・問題集の選定については、各自で選ぶことが大事だと考えていることから、
演習では特に指定はしていないが、代わりに数をこなすような課題を出し、レポートなり、自宅学習
に充ててもらう工夫も必要かもしれない。
コメントをくれた学生の意見では、スタイルそのものには満足しているというものが多かったので、
授業スタイル自体は継続していきたいと考えている。今後はより理解度・満足度をあげるように心が
けていきたい。
下馬場 朋禄
Tomoyoshi Shimobaba
計算機工学(選必)、6セメ、火2、受講登録数 51 名
プログラミングⅠ(選必)、2セメ、金4、受講登録数 90 名
1。私の授業の組み立て方と取り組み方
担当している2科目ともプロジェクタを利用した講義を行っている。両科目共にコンピュータ演習
室での実習をメインに学習を進めている。講義はその日の実習内容を講義室で説明したあと、演習室
へ移動し実習を行う。移動時間があり多少非効率ではあるが、演習室で講義の説明を行うと受講生が
コンピュータの操作に集中してしまい説明に集中できない場合があるため、このような形態を取って
いる。
「計算機工学」は、電気電子系コースの専門選択必修科目であり、計算機の基礎で習得した論理回
路や演算回路の知識を使って、実際にデジタル回路設計の実習を行っている。「プログラミングⅠ」は、
電気電子系コースの専門選択必修科目であり、電気電子工学の技術者として常識的に備えなければな
らないプログラミングの基礎知識を講義及び実習している。
2。学生による授業評価結果、ならびにそれに対するコメント
授業評価アンケートの「項目 16。 全体を通して、この授業に満足しましたか?」の質問に対して、
計算機工学は 4.2 であり、学科の平均が 3.8 であることと比較して、概ね良好と評価されていると判
断できる。プログラミングⅠはアンケートを取らなかった。
2科目ともプロジェクタを使用した講義を行った後、演習室で実際に手を動かして実習を行うため
授業の理解を向上させていると思われる。また、実習時には友人や隣席の人との積極的な議論を推奨
している。
3。今後の授業改善について
アンケートの自由記述欄で、移動時間があり非効率ではあるという意見を複数いただいた。今後、
改善したいと考えている。
吉川 明彦 Akihiko Yoshikawa
半導体物性(選必)5セメ、水2、86名
半導体デバイス(選)6セメ、水2、27名
1.私の授業の組み立て方と取り組み方
半導体物性および半導体デバイスの2科目の講義において、講義内容についての物理現象に対する
理解を深めることは勿論であるが、半導体物理と関係する研究分野に対する取り組みへの研究者とし
ての「熱意」を感じさせ、学問の楽しさを伝えることを心がけている。大学教育では、学生に対して、
学問や研究への動機付けという点が、単に知識を与えることとは比較するべくもなく重要なことと考
えており、今後も引き続きこの点を大事にしていきたい。
半導体物性は、他の科目よりもやや抽象的な部分が多い講義内容であるため、理解が進みにくい。
そのため、学生によっては、計算はできるがイメージがつかめない場合も多く見られる。そこで、講
義内容に関係した物理モデルについては、これまでの経験をもとに「物理的に同等なわかりやすい例
をあげる」ことなどにより、可能な限り定性的な解釈を与えること、あるいは学生自身がそのモデル
について定性的なイメージを持てるよう努力している。また、定性的なイメージをより深め、また、
より具体的なイメージと深い理解を与えるためには、演習が必要な科目であると考えているが、講義
するだけでも時間が足りない。そこで、必要最小限の内容に限られるが、演習を行っている。
半導体デバイスは、講義内容の具体性が増すために学生にとってわかり易いと思われる。また、こ
の講義を通じて、半導体物性をより深く理解できる場合が多い。半導体デバイスでは、少し時間的な
余裕をとりやすく、定量的な理解がより必要であるため、演習を3回程度行っている。
なお、講義内容が積み上げ式で進展していくこともあり、一度わからなくなると続きが理解しにく
くなるので、これを避ける工夫が必要である。このため、総講義時間数の余裕が無い中であっても、
講義の最初に前の週の講義内容を復習することも含め、予習・復習をしない学生にとって、講義のみ
でも理解が進むように努力している。講義は、学生の理解スピードにあうように、板書によっている。
2.学生による授業評価結果、ならびにそれに対するコメント
半導体物性・半導体デバイスは、強く好印象を持つ学生が見られる一方、授業途中で内容が全くわ
からなくなり、授業に集中していない学生も少なからずいる。授業評価を見てもそれがわかり、これ
をどのように改善していくかが課題である。授業全体としては、「講義内容を聴いて理解する」と共に
「熱意」を感じさせることにも重点をおいており、講義をできるだけ多くの学生に深く理解させるた
めにどのように対応策を講じればよいか、検討しながら授業を進めていきたい。また、問題点として、
板書の読みにくさがあげられており、この点について、毎年わかりやすくなるように努力している。
3.今後の授業改善について
板書についての読みにくさを改善すること、および演習をより多くすることを心がけたい。また、
半導体デバイスの受講学生はナノサイエンス学科の学生の受講者数も多く、前提となる半導体物性の
未履修者も多いため、授業の組みたてが難しい。今後これらの点を加味して講義を改善していきたい。