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基礎化学 ( 問題 ) 光速 c = m/s, プランク定数 h = J s, 電気素量 e = C 電子の質量 m e = kg, 真空中の誘電率 ε 0 = C 2 s 2 (kg

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Academic year: 2021

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基礎化学(問題)

光速𝑐 = 3.0×108 m/s, プランク定数ℎ = 6.626×10−34 J ∙ s, 電気素量𝑒 = 1.602×10−19 C 電子の質量𝑚𝑒= 9.109×10−31 kg, 真空中の誘電率𝜀0= 8.854×10−12C2∙ s2⁄(kg ∙ m3) とする。 ◎物理化学分野(基本問題) 1. (1)速度𝑣[m/s]で動く質量𝑚[kg]の物体の持つ運動エネルギー𝐾を求めよ。単位もかけ。 (2)速度 7km/s で運動する物体の運動エネルギーが 1.47×109 J のとき物体の質量𝑚を求めよ。 2. 光の速さを𝑐[m/s] , 波長を𝜆[nm], 波数を𝜈̃[/cm]としたとき、振動数𝜈[Hz] を二通りで表せ。 3. 光速を𝑐として、光のエネルギー𝐸を波数𝜈̃, 波長𝜆 を用いて二通りで表せ。 4. 波長が 200nm の光がある。 (1)光の振動数𝜈と波数𝜈̃を求めよ。 (2)光の持つエネルギー𝐸を求めよ。 5. 10V の電位差で 1C の電荷が加速されたときに電荷が持つエネルギーを求めよ。 6. (1) 1eV を J に単位変化せよ。ただし、電気素量𝑒 = 1.602×10−19 C とする。

(2) 1eV を kJ/mol に単位変化せよ。ただし、アボガドロ数𝑁𝐴= 6.02×1023 /mol とする。

7. (1) 5eV のエネルギーをもつ荷電粒子と波長が 200nm の光の持つエネルギーはどちらが大きいか。 (2) 基底状態の水素原子から電子を取り去るのに必要なエネルギーは 13.6 eV である。水分子 1 個を 1K 上昇させるのに必要なエネルギーと比べよ。ただし、1 cal = 4.184 J である。 8. 水素原子において電子(𝑛 = 1)のまわる円軌道半径𝑎0(これをボーア半径と呼ぶ)を求めよ。 9. 水素原子の電子のエネルギー𝐸 (𝑛 = 1)を求めよ。 10. Li2+の電子がn=3 から n=2 の準位に遷移したときに放出される光のエネルギーと波長を求めよ。 11. Li 原子の 2s 軌道にある電子がもつエネルギーを求めよ。ただし、1s 電子 1 個が他の 1s 電子 1 個、 および2s 電子に対して遮蔽に寄与する遮蔽定数はそれぞれ、 𝜎1= 0.30, 𝜎2= 0.85 である。 12. 下の表はそれぞれの原子における電子配列を表したものである。表を完成させよ。 K 殻 L 殻 M 殻 N 殻 1s 2s 2p 3s 3p 3d 4s 4p 4d 4f 10Ne 2 2 6 11Na 2 2 6 12Mg 2 2 6 13Al 2 2 6 14Si 2 2 6 15P 2 2 6 16S 2 2 6 17Cl 2 2 6 18Ar 2 2 6 19K 2 2 6 20Ca 2 2 6 21Sc 2 2 6 22Ti 2 2 6

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2 23V 2 2 6 24Cr 2 2 6 25Mn 2 2 6 26Fe 2 2 6 27Co 2 2 6 28Ni 2 2 6 29Cu 2 2 6 30Zn 2 2 6 13. 質量 50kg の人が速さ 2m/s で走っているときのド・ブロイ波長𝜆を求めよ。 14. 運動エネルギー𝐾 = 31eVの電子線のド・ブロイ波長𝜆を求めよ。 15. 水素原子の基底状態にある電子のエネルギーは 13.6eV である。 (1)この電子の運動量𝑝を求め、ド・ブロイ波長𝜆を計算せよ。 (2)ボーア半径から基底状態にある電子の軌道の円周の長さℓを計算せよ。 16. Na+ Cl- が無限遠から平衡核間距離0.276nm まで近づくときのクーロン(静電)引力による ポテンシャルエネルギーの変化Δ𝑈を求めよ。 17. NaCl の格子エネルギーを求めよ。 ・ Na(s)の昇華熱 …… 108.4 kJ mol-1 ・ Na(g)のイオン化ポテンシャル …… 5.14 eV ・ Cl2(g)の解離エネルギー …… 241.8 kJ mol-1 ・ Cl(g)の電子親和力 …… 3.61 eV ・ NaCl(s)の生成エネルギー …… -411.1 kJ mol-1 18. Cl のポーリングの電気陰性度𝜒𝐶𝑙 を求めよ。 ・H2の結合エネルギー …… 4.49 eV ・Cl2の結合エネルギー …… 2.48 eV ・HCl の結合エネルギー …… 4.44 eV ・H の電気陰性度 …… 𝜒𝐻= 2.1 19. ポーリングのイオン結合度の式を用いて、HCl のイオン結合度𝐼𝐻𝐶𝑙 を求めよ。 ただし、𝜒𝐻= 2.1 , 𝜒𝐶𝑙 = 3.0 である。 20. HCl 分子の双極子モーメント𝜇 = 1.03 D、原子間距離𝑙 = 0.13 nm である。 HCl 分子のイオン結合度𝐼𝐻𝐶𝑙 を求めよ。 ◎物理化学分野(応用記述問題) 21. 100W のナトリウムランプ(𝜆 = 589 nm)は全ての方向に一様にエネルギーを放出する。 1 秒間にランプから放出される光子数𝑁を有効数字 3 桁で求めよ。 22. 𝛼線( He2+ 2 4 ) を Au 79 158 原子核 に対し、まっすぐ照射したとき、𝛼線粒子は Au 原子核の中心から どれくらいの距離まで近づくか。ただし、 He2+ 2 4 の初速度𝑣 0= 2.0×107 m/s であったとし、 He2+ 2 4 の質量𝑚 = 6.6×10−27 kg , 電気素量𝑒 = 1.6×10−19 C を用いてもよい。 23. 高温のHe+イオンから放出される光のうち、あるスペクトル系列の最小波長は91.2 nm であった。 電子がどの電子殻に遷移したときのスペクトル系列か答えよ。

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3 24. (1)斥力とは何か、述べよ。 (2)内側にある電子によって、外側にある電子のエネルギーが高くなるのはなぜか。 “斥力”という語句を用いて説明せよ。 25. 水分子H2Oの形状を電子雲の重なりを模式的に書いた図とともに説明せよ。 26. 原子あるいはイオンの全エネルギーが、各電子のエネルギーの合計で表されるとして、 Li の 第 1 及び第 2 イオン化ポテンシャル[eV]を求めよ。ただし、1s 電子 1 個が他の 1s 電子、 および2s 電子 1 個に対して遮蔽に寄与する遮蔽定数はそれぞれ、 𝜎1= 0.30, 𝜎2= 0.85 である。 ◎無機化学分野(基本問題) 原子量 : H = 1.0 , C = 12 , N = 14 , O = 16 , Na = 23 , Cl = 35.5 , K = 39 , Mn = 55 とする。 27. KMnO4 1.58 g の物質量𝑛と、これを純水に溶かして 250 cm3 に希釈した溶液の濃度𝐶を求めよ。 28. 28wt% 濃 NH3𝑎𝑞 (17 g/mol) の密度が 0.90 g/cm3 であるとき、4M NH3𝑎𝑞 1L を調製するのに、 必要な濃NH3𝑎𝑞の体積𝑉を求めよ。 29. 質量パーセント濃度 37%の濃 HCl𝑎𝑞 (密度𝑑 = 1.19g/cm3) を希釈して、0.1M HCl𝑎𝑞 1L を 作るときに必要な濃HCl𝑎𝑞 の体積𝑉を求めよ。 30. C2H5OH 10.0g と純水 90.0g を混合した溶液中の C2H5OH のモル分率𝑥およびモル濃度𝐶を求めよ。 ただし、混合液の密度は 0.98 g/cm3 である。 31. 次の各反応式における物質が、酸・塩基の、どちらの働きをしているか答えよ。 (1) CO32− + H2O ⇄ HCO3−+ OH− (2) NH3 + H2S ⇄ NH4+ + HS− (3) [: SnCl3]− + (CO) 5MnCl ⇄ (CO)5Mn − SnCl3 + Cl−

32. (1) 250 ml 中に Na2SO4を6.0 μmol 含む溶液がある。Na の含有量を百万分率で求めよ。

(2)次のイオンを 100ppm 含む溶液をそれぞれ 1L ずつ調整するのに必要な NaCl の質量を求めよ。 (a) Na+ (b) Cl

(3) KClO3を500ppm 含む溶液 1L に含まれるK+の質量𝑚[kg]をもとめよ。

33. Ca(NO3)2を0.10 mol, HCl を 0.20 mol, CaCl2を0.30 mol だけ水に溶かして、1L とした。 溶液中に存在する各イオン濃度を求めよ。また、この溶液が電気的中性であることを示せ。 34. 化学物質 A,B が反応し、C,D が生成する反応 A + B ⇄ C + D がある。

反応物 A,B の初濃度は 0.20 mol/L, 0.50 mol/L で反応の平衡定数が 0.30 のとき、 平衡時の反応物 A,B と生成物 C,D の濃度𝐶A~𝐶Dをそれぞれ求めよ。 35. pH = 3.00 の強酸 2.0ml と pH = 10.00 の強塩基 3.0ml の混合液の pH を求めよ。 36. 1.00×10−8 mol/L の HCl𝑎𝑞の pH を求めよ。 37. 25℃, 0.100 M の溶液中に CH3COOH は 1.34 %解離することが確認されたとき、 CH3COOH の酸解離定数𝐾𝑎 を求めよ。 38. 0.0100 mol/L の CH3COOH𝑎𝑞の電離度𝛼と pH を求めよ。ただし、酸解離指数p𝐾𝑎= 4.76 である。 39. 0.055 mol/L の NH3𝑎𝑞の pH を求めよ。ただし、塩基解離指数p𝐾𝑏= 4.76 である。 40. 0.10 mol/L の CH3COOK の pH を求めよ。ただし、酸解離指数p𝐾𝑎 = 4.76 である。

41. 0.10 mol/L の NaOH𝑎𝑞 50ml を、0.10 mol/L の HCl𝑎𝑞で中和滴定した。 (1) HCl𝑎𝑞を 49.9 ml 加えた時の pH を求めよ。

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4 (2) HCl𝑎𝑞を 50.1 ml 加えた時の pH を求めよ。

42. 0.10 mol/L の CH3COOH𝑎𝑞 50ml を、0.10 mol/L NaOHaq で中和滴定した。

滴定前の pH と当量点の pH をそれぞれ求めよ。ただし、酸解離指数p𝐾𝑎= 4.76 である。 なお、強塩基による弱酸の滴定で当量点のpH は、 pH =1 2(p𝐾𝑎+ log10 𝐶HA𝑉HA 𝑉HA+ 𝑉OH + p𝐾𝑤) 43. 0.020 mol/L の H3PO4𝑎𝑞の pH を求めよ。 ただし、H3PO4の第一解離定数𝐾𝑎= 7.52×10−3 mol/L は第二解離定数より大きい。

44. 0.020 mol/L の CH3COOH𝑎𝑞 50cm30.200 mol/L の CH3COONa𝑎𝑞 30cm3を混合し調整した 緩衝溶液のpH を求めよ。また、この溶液に 0.10 mol/L の NaOH𝑎𝑞を 2.0cm3加えた時のpH を 求めよ。ただし、酸解離指数p𝐾𝑎= 4.75 である。

45. PbF2は1L 中に 0.736 g 溶解する。PbF2の溶解度積𝐾𝑠𝑝を求めよ。

46. 純水中および Na2SO4𝑎𝑞(1.0×10−2 mol/L)中の BaSO4の溶解度𝑆, 𝑆’をそれぞれ求めよ。

ただし、𝐾𝑠𝑝(BaSO4) = 1.08×10−10(mol L⁄ )2 である。 47. 金属イオンM2+は 中性配位子 L と 1:1 錯体を生成し、生成定数𝐾 𝛿= 1.0×10−3 mol/L である。 同体積の 0.10 mol/L のM2+水溶液と 0.20 mol/L の L 水溶液を混合したとき、 金属イオンの平衡濃度を求めよ。 48. 次の各問に答えよ。 (1)二クロム酸カリウム K2Cr2O7の各原子の酸化数を求めよ。 (2)Fe2+の水溶液にCl 2を通じると、Fe3+とCl−が生じる。この反応の化学反応式をかけ。 (3)酸素と水が反応して水酸化物が生じる化学反応式を書き、酸化反応か還元反応か示せ。 49. ボルタ電池 (Zn|H2SO4𝑎𝑞|H2(Cu)) の起電力を求めよ。 ただし、Zn2++ 2e→ Zn ; 𝐸= −0.762 V , 2H++ 2e→ H 2 ; 𝐸∘= 0.00 V である。 ◎無機化学分野(応用記述問題) 50. 塩化アンモニウム水溶液が弱酸性を示す理由を説明せよ。 51. ある一価の弱酸 2.0 g を水に溶かして作った 50 mL 水溶液の pH は 2.5 であった。 この水溶液10 mL を中和するのに、0.10 mol L⁄ のNaOH𝑎𝑞を 66.5 mL 要した。 弱酸のモル質量を求めよ。また、この中和滴定での当量点でのpH を求めよ。 52. H2Sの第一段階と第二段階の電離定数はそれぞれ、𝐾1= 1.0×10−7 mol/L , 𝐾2= 1.0×10−14 mol/L (1) 0.10 mol/L の H2S 水溶液を pH = 2 および pH = 8 にした時の[S2−]を求めよ。 (2) Cu2+, Zn2+, Fe2+がそれぞれ0.10 mol/L ずつ含まれる水溶液に、pH を一定に保ったまま H2S を 十分に通じる。pH = 2に保った場合と、pH = 8に保った場合に生じる沈殿の化学式を答えよ。 ただし、pH によらず H2S の水に対する溶解度は 0.10 mol/L とし、溶解度積の値はそれぞれ、 𝐾𝑠𝑝(CuS) = 6.5×10−30, 𝐾𝑠𝑝(ZnS) = 2.2×10−18, 𝐾𝑠𝑝(FeS) = 2.5×10−9 である。 53. (1) 緩衝溶液は pH を一定に保つ働きをもつ。その理由を記せ。 (2) 0.300 mol/L の酢酸水溶液 60.0 ml と 0.300 mol/L の酢酸ナトリウム水溶液 40.0 ml を混合して 作成した緩衝溶液に1.00 mol/L の NaOH𝑎𝑞を 10.0 ml 加えた時の pH を求めよ。 ただし、酢酸の酸解離定数𝐾𝑎= 2.0×10−5とする。

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基礎化学(基礎問題:略解)

1. (1) 𝐾 =1 2𝑚𝑣 2 , ジュール[J] (2) 𝑚 = 60 kg 2. 𝜈 =𝑐×109 𝜆 , 𝜈 = 𝑐𝜈̃×10 2 3. 𝐸 =ℎ𝑐 𝜆 , 𝐸 = ℎ𝑐𝜈̃ 4. (1) 𝜈 = 1.5×1015 Hz , 𝜈̃ = 5.0×104 cm−1 (2) 𝐸 = 9.9×10−19 J 5. 10 J 6. (1) 1.602×10−19 J (2) 96.5 kJ/mol 7. (1) 荷電粒子: 8.01×10−19 J 光: 9.94×10−19 J (2) 電子: 2.179×10−18 J 水分子: 1.251×10−22 J 8. 𝑎0= 0.0529 nm 9. 𝐸 = −13.6 eV 10. Δ𝐸 = 17 eV , 𝜆 = 7.3×10−8 m 11. 𝐸 = −5.75 eV 12. (省略:「基礎化学という名の物理」を参照) 13. 𝜆 = 6.626×10−21 m 14. 𝜆 = 2.203×10−10 m 15. (1) 𝑝 = 1.99×10−24 kg ∙ m s 𝜆 = 3.33×10−10 m (2) 𝑙 = 3.32×10−10 m 16. Δ𝑈 = −5.2 eV 17. 𝑄 = −8.17 eV 18. 𝜒𝐶𝑙= 3.1 19. 𝐼 = 18.3 % 20. 𝐼 = 16.5 % 21. 下記解説へ 22. 下記解説へ 23. 下記解説へ 24. 下記解説へ 25. 下記解説へ 26. 下記解説へ 27. 𝑛 = 1.00×10−2mol , 𝐶 = 4.00×10−2mol L 28. 𝑉 = 0.27 L 29. 𝑉 = 8.3×10−3 L 30. 𝑥 = 0.042 , 𝐶 = 2.1 mol L31. (1)~(3) 塩基 + 酸 ⇄ 酸 + 塩基 32. (1) 1.1 ppm (2)(a) 0.25 g (b) 0.16 g (3) 𝑚 = 0.16 g 33. Ca2+: 0.40, NO 3−: 0.20, H+: 0.20, Cl−: 0.80 [H+] + [Ca2+]: [NO 3−] + [Cl−] = 5: 5 = 1: 1 34. A: 0.09, B: 0.39, C: 0.11, D: 0.11 35. pH = 3.5 36. pH = 6.98 37. 𝐾𝑎= 1.82×10−5 38. α = 0.0408 , pH = 3.38 39. pH = 10.99 40. pH = 8.88 41. (1) pH = 10.0 (2) pH = 4.0 42. 前: pH = 2.9 後: pH = 8.7 43. pH = 2.0 44. ① pH = 4.5 ② pH = 4.8 45. 𝐾𝑠𝑝= 1.08× 10−7 mol L⁄ 46. 𝑆1= 1.04×10−5 mol/L 𝑆2= 1.08× 10−8 mol L⁄ 47. 9.6×10−4 mol/L 48. (1) K: +1, Cr: +6, O: −2 (2) 2Fe++ Cl 2→ 2Fe3++ 2Cl− (3) 2H2O + O2+ 4𝑒−→ 4OH− : 還元反応 49. 0.762 V 50. 下記解説へ 51. 下記解説へ 52. 下記解説へ 53. 下記解説へ

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基礎化学(応用記述問題:解説)

[物理化学分野] 21. 100W のナトリウムランプ(𝜆 = 589 nm)は全ての方向に一様にエネルギーを放出する。 1 秒間にランプから放出される光子数𝑁を有効数字 3 桁で求めよ。 (解) 光子 1 個のエネルギー𝐸 =ℎ𝑐 𝜆 = (6.626×10−34 J ∙ s)×(3.0×108 m s⁄ ) 589×10−9 m = 3.375×10 −19 J より、 1 秒間に放出される光子数𝑁 = 100 W 3.375×10−19 J= 2.96×1020 s⁄ 22. 𝛼線( He2+ 2 4 ) を Au 79 158 原子核 に対し、まっすぐ照射したとき、𝛼線粒子は Au 原子核の中心から どれくらいの距離まで近づくか。ただし、 He2+ 2 4 の初速度𝑣 0= 2.0×107 m/s であったとし、 He2+ 2 4 の質量𝑚 = 6.6×10−27 kg , 電気素量𝑒 = 1.6×10−19 C を用いてもよい。 (解) 無限遠で与えた運動エネルギー𝐾が、すべてクーロンポテンシャル𝑈になる位置まで近づく。 𝛼線( He2+ 2 4 )のもつ電気量𝑞 1= 2𝑒 , 15879Au原子核のもつ電気量𝑞2= 79𝑒 より、 𝐾 = 𝑈 ⇔ 1 2𝑚𝑣0 2= 𝑞1𝑞2 4𝜋𝜀0𝑟 ⇔ 𝑟 = 𝑞1𝑞2 2𝜋𝜀0𝑚𝑣02 = 158𝑒 2 2𝜋𝜀0𝑚𝑣02 = 2.8×10−14 m 23. 高温のHe+イオンから放出される光のうち、あるスペクトル系列の最小波長は91.2 nm であった。 電子がどの電子殻に遷移したときのスペクトル系列か答えよ。 (解) He+は電子一個なので、他の電子による影響は考えなくてよく、ボーア理論が成り立つ。 原子番号Zの原子において、主量子数𝑛2→ 𝑛1の遷移で放出される光の波長𝜆との関係は、 エネルギー𝐸 =ℎ𝑐 𝜆 = 𝑒4𝑚 8𝜀02ℎ2 (𝑍 2 𝑛12 − 𝑍 2 𝑛22 ) ⋯ (∗) で表される。 同一スペクトル系列内の最小波長の条件より、放出される光のエネルギーは系列内最大であり、 即ち、エネルギー準位差が最大なので、𝑛2= ∞ からの遷移を考えればよい。 𝑒 4𝑚 8𝜀02ℎ2 = 13.6 [eV] = 13.6𝑒 [J] かつ、 𝜆 = 91.2 [nm] = 91.2×10−9 [m] より、 (∗) ⇔ ℎ𝑐 𝜆 = 13.6𝑒× 𝑍2 𝑛12 ⇔ 𝑛1= √ 𝑍2×13.6𝑒×𝜆 ℎ𝑐 = 2.0 ∴ L 殻 24. (1)斥力とは何か、述べよ。 (2)内側にある電子によって、外側にある電子のエネルギーが高くなるのはなぜか。 “斥力”という語句を用いて説明せよ。 チェックポイントに網掛けを付した。そこの記述ができているか確認しよう。 (解) (1) 2 つの物体の間にはたらく相互作用のうち、反発しあう(互いを遠ざけようとする)力のこと。 (2)内側の電子とその側の電子との間で斥力がはたらき、外側の電子と原子核との間にはたらく 引力の影響が弱まることで、クーロンポテンシャルが小さくなるため。

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7 25. 水分子H2Oの形状を電子雲の重なりを模式的に書いた図とともに説明せよ。 チェックポイントに網掛けを付した。そこの記述ができているか確認しよう。 (解) 共有結合時に酸素原子Oは励起して、sp3混成軌道を描く。 混成軌道のうち、2 つは非共有電子対により占有され、 余った軌道にそれぞれ水素原子Hの電子雲が重なり、 結合が生じるので、水分子は折れ線の形状となる。 26. 原子あるいはイオンの全エネルギーが、各電子のエネルギーの合計で表されるとして、 Li の 第 1 及び第 2 イオン化ポテンシャル[eV]を求めよ。ただし、1s 電子 1 個が他の 1s 電子、 および2s 電子 1 個に対して遮蔽に寄与する遮蔽定数はそれぞれ、 𝜎1= 0.30, 𝜎2= 0.85 である。 (解) Li , Li+, Li2+ の電子配置は、それぞれ (1s)2(2s)1 , (1s)2 , (1s)1 である。 1 つの電子が持つエネルギー𝐸𝑖= − (𝑍 − ∑ 𝜎𝑖)2 𝑛2 𝑒4𝑚 8𝜀02ℎ2 = −(𝑍 − ∑ 𝜎𝑖) 2 𝑛2 ∙ 13.6 [eV] であるから、 𝐸Li = 2× {− (3 − 0.30)2 12 ∙ 13.6} + {− (3 − 0.85×2)2 22 ∙ 13.6} = 2×(−99.1) + (−5.75) = −204.0 eV 同様にして、𝐸Li+= 2×(−99.1) = −198.2 eV , 𝐸Li2+= − 32 12∙ 13.6 = −122.4 eV 従って、 第一イオン化ポテンシャル𝐼𝑝1 = 𝐸Li+− 𝐸Li= 5.8 eV 第二イオン化ポテンシャル𝐼𝑝2 = 𝐸Li2+− 𝐸Li+ = 76 eV [無機分野] 50. 塩化アンモニウム水溶液が弱酸性を示す理由を説明せよ。 チェックポイントに網掛けを付した。そこの記述ができているか確認しよう。 (解) 塩化アンモニウムは水中で次のように電離する。 NH4Cl → NH4++ Cl− これにより生じたNH4+が次のように加水分解を起こし、水素イオンが生じる。 NH4++ H2O → NH3+ H3O+ 従って、溶液は弱酸性を示す。

(8)

8 51. ある一価の弱酸 2.0 g を水に溶かして作った 50 mL 水溶液の pH は 2.5 であった。 この水溶液10 mL を中和するのに、0.10 mol L⁄ のNaOH𝑎𝑞を 66.5 mL 要した。 弱酸のモル質量を求めよ。また、この中和滴定での当量点でのpH を求めよ。 (解) 強塩基による弱酸の滴定での当量点の pH は、 pH =1 2(p𝐾𝑎+ log10 𝐶HA𝑉HA 𝑉HA+ 𝑉OH + p𝐾𝑤) ⋯ (∗) で求められる。 まず、中和反応の量的関係より、 1×𝐶HA×(10mL) = 1×(0.10 mol L⁄ )×(66.5mL) ⇔ 𝐶HA= 0.665 mol L⁄ ここで、 𝐶HA= 2.0 g 𝑀 × 1 0.050 L= 0.665 mol L⁄ ⇔ 𝑀 = 60 g mol⁄ 弱酸水溶液の電離平衡時における pH の関係式(2.6.1)より、 pH =1 2(p𝐾𝑎− log 𝐶HA) = 2.5 ⇔ p𝐾𝑎= 2×2.5 + log 𝐶HA= 4.82 従って、当量点での pH は、 (∗) ⇔ pH =1 2(4.82 + log 0.665×0.010 0.010 + 0.0665+ 14) = 8.9 52. H2Sの第一段階と第二段階の電離定数はそれぞれ、𝐾1= 1.0×10−7 mol/L , 𝐾2= 1.0×10−14 mol/L (1) 0.10 mol/L の H2S 水溶液を pH = 2 および pH = 8 にした時の[S2−]を求めよ。 (2) Cu2+, Zn2+, Fe2+がそれぞれ0.10 mol/L ずつ含まれる水溶液に、pH を一定に保ったまま H2S を 十分に通じる。pH = 2に保った場合と、pH = 8に保った場合に生じる沈殿の化学式を答えよ。 ただし、pH によらず H2S の水に対する溶解度は 0.10 mol/L とし、溶解度積の値はそれぞれ、 𝐾𝑠𝑝(CuS) = 6.5×10−30, 𝐾𝑠𝑝(ZnS) = 2.2×10−18, 𝐾𝑠𝑝(FeS) = 2.5×10−9 である。 (解) (1) 第一段階と第二段階、二つの段階を合わせたH2S ⇄ S2−+ 2H+ の電離定数𝐾を求めると、 𝐾 =[S 2−][H+]2 [H2S] =[HS −][H+] [H2S] [S2−][H+] [HS−] = 𝐾1×𝐾2= 1.0×10 −7×1.0×10−14= 1.0×10−21 (mol/L)2 よって、求める硫化物イオンの濃度[S2−]は、 pH = 2 のとき、[S2−] = 𝐾 1𝐾2 [H2S] [H+]2= 1.0×10−21 (mol/L)2 ×0.10 mol/L (1.0×10−2)2 (mol/L)2 = 1.0×10 −18 mol/L pH = 8 のとき、[S2−] = 𝐾 1𝐾2 [H2S] [H+]2= 1.0×10−21 (mol/L)2×0.10 mol/L (1.0×10−8)2 (mol/L)2 = 1.0×10 −6 mol/L (2) 水溶液中の金属イオン(M2+とする)はいずれも0.10 mol/L であるから、 (2) pH = 2のとき、[S2−][M2+] = 1.0×10−19 (mol/L)2 (2) pH = 8のとき、[S2−][M2+] = 1.0×10−7 (mol/L)2 (2) これらの値がそれぞれの沈殿物の溶解度積の値を超えているとき、沈殿物が生じるから、 (2) pH = 2のとき、 CuS

(

2

)

pH = 8のとき、 CuS、ZnS、FeS

(9)

9 53. (1) 緩衝溶液は pH を一定に保つ働きをもつ。その理由を記せ。 (2) 0.300 mol/L の酢酸水溶液 60.0 ml と 0.300 mol/L の酢酸ナトリウム水溶液 40.0 ml を混合して 作成した緩衝溶液に1.00 mol/L の NaOH𝑎𝑞を 10.0 ml 加えた時の pH を求めよ。 ただし、酢酸の酸解離定数𝐾𝑎= 2.0×10−5とする。 チェックポイントに網掛けを付した。そこの記述ができているか確認しよう。 (解) (1) 弱酸は以下の解離がみられる。 H2O + HA ⇌ A−+ H3O+ ここで、H+を加えれば平衡は左へ、OHを加えれば平衡が右に傾き、 [H+]を一定に保つ働きが現れるから。

(2) H2O + CH3COOH ⇌ CH3COO−+ H3O+ の平衡が成り立ち、NaOHを加えれば平衡は右に傾く。

NaOH の物質量𝑛 = 1.00[mol L⁄ ]×10.0 1000[L] = 0.010 mol であるから、 [CH3COOH] = (0.300[mol L⁄ ]× 60.0 1000[L] − 0.010 mol) × 1000 60.0 + 40.0 + 10.0 L= 0.072 mol/L (2) [CH3COO−] = (0.300[mol L⁄ ]× 40.0 1000[L] + 0.010 mol) × 1000 60.0 + 40.0 + 10.0 L= 0.20 mol/L 53. よって、求めるpH は(3.4.1)式より、 pH = p𝐾𝑎+ log [CH3COO−] [CH3COOH] = − log 𝐾𝑎+ log 0.20 0.072= 5.14 2017 年 5 月 12 日最終更新 文責: B16-2311 大久保淳熙 協力: 水野吉宗

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