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土木学会論文集 D3( 土木計画学 ), Vol. 67, No. 3, , 多車線高速道路における統合型速度推定モデル 洪性俊 1 2 大口敬 1 正会員東京大学助教生産技術研究所 ( 東京都目黒区駒場 4-6-1)

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Academic year: 2021

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多車線高速道路における統合型速度推定モデル

洪 性俊

1

・大口 敬

2 1正会員 東京大学助教 生産技術研究所(〒153-8505 東京都目黒区駒場4-6-1) E-mail: [email protected] 2正会員 首都大学東京大学院教授 都市環境科学研究科(〒192-0397 東京都八王子市南大沢1-1) E-mail: [email protected] 本研究では多車線高速道路の単路部における非渋滞流を対象に,道路線形条件,交通量および大型車混 入率の交通条件,降雨量の天候条件を統合的に説明要因に組み込んだ速度推定モデルを提案する.既存の モデルでは円曲線区間のような特定の条件のみを考慮した場合が多いが,本モデルでは実証分析に基づい て任意の道路・交通・降雨量条件における車線別速度を推定し,これに車種別車線選択率モデルを組み合 わせることで道路断面平均速度も推定可能である.これは,近年活発に議論されている性能照査型道路計 画設計において速度という交通性能を評価するためのツールとして位置づけられる.ここでは,上下流の 道路線形条件による影響を考慮するために有効平面曲率と有効縦断勾配という新たな指標を考案し,その 有効性を検証している.

Key Words : speed, traffic flow, rain, truck percentage, highway geometry, lane use

1. はじめに 近年日本で性能照査型道路計画設計に関する議論が活 発化している.その概念とは,計画道路における機能上 の性能指標を定め,様々な走行条件において期待される 性能がその目標値を満たすかを計画あるいは設計段階で 評価して道路仕様・交通運用手法を計画・設計に反映す ることである 1), 2).自動車専用道路等の単路部における 交通性能の一般的な評価指標は速度であり 2),これを交 通量,道路線形,天候条件等を含む任意条件において推 定することが必要である. ところが,現状では様々な速度変動要因を同時に考慮 した速度推定モデルの例はほとんど見当たらない.代表 的な速度変動要因として交通量と道路幾何構造・線形条 件が挙げられるが,交通量と速度との関係(QV 関係) において道路条件を同時に考慮した場合は少ない.その 逆の場合も同様である.すなわち,道路幾何構造や線形 条件によって変動する QV 関係を考慮した検討例は少な く,さらに,そういった速度推定において天候条件まで 考慮した例は見当たらない. その理由としてはまずそうした複雑なモデルの必要性 がなかったことが挙げられる.また,複雑なモデルが良 好な推計精度をもたらすとも限らない.しかし,任意条 件において速度推定が可能になることは,計画道路のみ ならず現有道路の交通サービスの向上・渋滞対策を検討 するにあたって強力なツールともなり,様々な条件の中 で特定条件のみの変化による交通性能の変動特性に関す る総合的な知見を得るためにも有効である. 一方,多車線道路において交通条件による速度変動 (QV 関係)を分析した研究例,あるいは HCM 20003) ような設計マニュアルでは,各車線別でなく全車線の平 均速度を用いる例が多い.しかし,日本のように走行は 外側車線,追越は内側車線で行うという通行方法を採択 している国の多車線道路では,そうした車線利用特性に よって各車線の速度分布,速度変動特性は異なると考え られる.また,そうした特性は交通量の車線分布にも影 響を及ぼす4) ~ 6).したがって,多車線道路において各車 線別に交通現象を的確に把握することは多車線道路に関 する知見を深めるとともに,交通運用等においても重要 な情報になると考えられる. このような研究の背景のもと,本研究では地方部の多 車線高速道路単路部を対象に,道路線形条件,交通条件, さらに降雨条件を考慮した車線別速度推定モデルを試み る.また,断面交通量の車線分布特性を定式化し,交通 需要から各車線の速度および断面平均速度を推定する体 系的方法を提示する.本研究では現有道路の渋滞対策よ り道路計画設計における性能評価を想定しているので, 非渋滞流のみを対象にする.

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2. 既存研究 本章では,交通流の速度特性に関する既存研究,特に 交通量,車種構成,天候,道路線形等が速度特性へ与え る影響に関する分析事例を紹介するとともに,本研究の モデルの位置づけおよび研究の意義について述べる. (1) 交通量‐速度(QV)関係 1970 年代までは非渋滞流の QV 関係を直線で表すこと が多い 7), 8).しかし,それ以降は,交通流率の低い状態 では交通流率と関係なく速度は一定であり,交通流率が ある値以上では交通流率の増加によって速度は急激に低 下するように表す 3), 9)-~11)ことが一般的である.ところが, このような QV 関係は多車線高速道路の全車線平均速度 を対象としたものであり,車線別に QV 関係を調べた Hurdle ら12)は 3 次曲線を利用するなど,車線別の QV 関 係において上記のような傾向が見られるとは限らない. (2) 大型車混入率と速度 交通流に関するマクロ分析においては,乗用車換算係 数(PCE)を用い,小型車のみの交通流状態に大型車を 換算することが多い.PCE は大きくミクロ的方法 13) ~ 15) とマクロ的方法 16) ~ 20)によって算出される.PCE の値は 算出対象となる交通サービス水準やその評価指標,算出 方法によって異なる.ところが,大型車混入率を含む 様々な条件によって変動する QV 関係が正確に推定でき れば,PCE の概念が必ずしも必要とは限らず,必要であ れば,任意条件における PCE の算出も可能になると考 えられる. (3) 降雨量と速度 降雨条件による速度,あるいは QV 関係への影響を分 析した研究は多い.しかし,Ibrahim・Hall21),Unrau・ Andrey22),Agarwal ら23)のような既存研究,HCM 20003) ような設計マニュアルでは,小雨・大雨といったカテゴ リを対象に定性的分析の結果のみが提示されている現状 である.これに対し,Hong・Oguchi24)は車線別に降雨量 による速度低下量の定量分析を行い,車線によらず降雨 量の増加による速度低下が見られること,降雨量の速度 低下量への影響は線形的ではなく,非降雨時から降雨時 に変化する際(降雨量 0mm から 1mm へ変化)の速度低 下量がもっとも大きいことを明らかにした. (4) 道路条件を考慮した速度推定モデル 平面・縦断線形条件による速度推定モデルのほとんど は走行安全性の評価を目的としている.そのため,対象 となる速度は相対的に危険性の高い高速状態で観測され る速度である必要があり,したがって,交通流の影響の ない単独走行速度(operating speed)がモデルの目的変数 として用いられる.また,小型車のみを対象にした例が 多い. a) 平面線形条件と単独走行速度 小型車は大型車ほど縦断線形の影響を大きく受けない ため25),多くの速度推定モデルでは平面線形の影響のみ を考慮している.また,多くの研究では曲線区間と直線 区間のどちらかを対象にしたものが多い.曲線区間を対 象にしているモデル26)~30)はいずれも説明変数に平面曲線 半径を用いている.一方,Polus ら 31)は,直線区間にお ける速度は上流側の円曲線区間の曲率と直線区間におけ る速度観測位置により説明できるとしている. b) 縦断線形条件と単独走行速度 縦断勾配は速度に影響を及ぼす代表的な要因の 1 つで あり,特に大型車への影響が大きい.しかし,実際の道 路計画における大型車の影響は,縦断勾配別に算出され る PCE で対応することがほとんどであり,登坂車線の 設計では基準となる大型車の性能曲線を用いる程度であ る. St. John・Kobett25)や Bester32)のように大型車の速度モ デルはあるが,いずれも単独走行速度であり, クレス ト(凸型縦断曲線)区間を対象に統計的に分析した Jessen ら33)の場合も単独速度である. c) 平面・縦断線形を同時に考慮したモデル ほとんどの既存研究は上記の平面線形あるいは縦断線 形の条件のみを考慮した 2 次元モデルであるに対し, Gibreel ら34)は平面線形と縦断線形を同時に考慮した 3 次 元モデルを利用することで速度推定誤差が低下すると報 告した.しかし,この研究では「平面曲線+クレスト区 間」と「平面曲線+サグ区間」といった特定の線形条件 の組み合わせのみを対象としている.新井ら35)は首都高 速道路を対象にしたモデルを提案した.このモデルでは 1 つ上流側の平面および縦断線形条件までを考慮したこ とが 1つの特徴である. (5) 速度プロファイルモデル Ottesen・Krammes28),Fitzpatrick・Collins36)では,単独走 行速度を推定する速度プロファイルモデルを提案した. いずれも平面曲線区間では主に平面曲線半径を説明変数 とし,直線区間では希望速度を最高速度として設定した 上で,上下流側の円曲線区間の曲線半径,対象地点から 上下流側の円曲線区間までの距離,および一定の加速度 を考慮して個別車両の速度の空間変動を推定するモデル である.Fitzpatrick・Collins36)では,さらに縦断線形によ る 速 度 変 動 を 推 定 す る た め , St. John ・ Kobett25) TWOPAS モデルにおける小型車・大型車の車両性能モ デルを用いている.このように,ある地点で観測される

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速度はその地点の線形条件のみならず,上下流側の平 面・縦断線形条件の影響を受けるとの考えは妥当であろ う.したがって,こうした上下流側の線形条件を適切に 考慮することが重要と考えられる. (6) 本研究で目指す速度推定モデルの位置づけ 道路条件に該当する車線・路肩幅員のような道路幾何 構造,道路線形条件による既存の速度推定モデルは,い ずれも単独走行速度のみを対象としており,交通条件に よる速度特性の変化は評価できない.一方,QV 関係に 関する既存研究や HCM 20003)のような設計マニュアルが 提示する QV 曲線では,線形条件のような道路条件によ る影響は明確にはなっていない.また,ほとんどの事例 が良好な天候条件を仮定しており,HCM 2000 で小雨・ 大雨のような定性的カテゴリ別の悪天候条件における QV 曲線が提示されるにとどまっている.さらに,道路 線形条件を考慮した既存の速度プロファイルモデルは, 良好な天候条件における個別車両の単独走行速度を推計 しているに過ぎない.著者らは,大型車混入率と降雨量 を定量的に考慮した速度変動モデルを提示したが24),道 路線形条件までは考慮していない.多車線高速道路にお いて性能照査型道路計画設計を実現するためには,道路 線形条件までも考慮した任意条件における速度特性を的 確に推定できることが必要である. そこで本研究では,道路,交通,降雨の条件を総合的 に考慮し,任意条件における速度特性を推定できる速度 推定モデルを開発することを目指している. 3. 分析方法と分析データ (1) 分析方法 任意の道路・交通・降雨の条件に対応する統合型速度 推定モデルの開発において,本研究では以下のような速 度要因を考慮する. • 道路条件:平面・縦断線形条件,規制速度,片側 車線数 • 交通条件:交通量,大型車混入率 • 降雨条件:降雨量 2 章で示したように,車線・路肩の幅員のような道路 幾何構造も速度に影響を及ぼす.しかし,日本の道路の 幾何構造は種級区分と設計速度によって定められている ので,分析対象である地方部多車線高速道路の幾何構造 は類似する.片勾配等のような設計要素は平面曲線半径 のような線形条件や設計速度と相関が高いので,規制速 度を加えた上記の要因によるモデルには必ずしも必要と は考えられない. 本研究ではまず,道路線形条件によらず平均的に成立 する交通・環境条件が速度に与える要因を分析しモデル 化する(4 章).これは既に著者らが提案24)したもので, 線形条件によらず平均的に期待される QV 関係を意味す る.ここではこれを「平均的 QV モデル」と呼ぶ.次に 5 章で,そのモデルを道路線形条件まで考慮したモデル に拡張するために,任意地点の道路線形条件に上下流の 道路線形条件の影響も考慮した新しい道路線形指標を提 案する.6 章では,「平均的 QV モデル」にその指標を 追加した統合型速度推定モデルの提案と検証を行う. (2) 分析データ 本研究で用いる分析データは,平面・縦断線形データ, 交通量・速度等の交通データ,降雨量データである.以 下に分析の対象道路・期間,そして分析データの作成に ついて説明する. a) 分析対象道路および期間 東名高速道路(東京~三ケ日区間),および東北・中 央・中国自動車道(いずれも全線)の 4 道路で,本線 部・単路部を分析対象とする.対象区間の片側車線数は 2 または 3 車線,規制速度は 80 km/h または 100 km/h であ る(一部の 60, 70km/h 区間は対象外).ただし,片側 3 車線・規制速度 80 km/h の区間の分析対象箇所数は必ず しも十分とはならなかった. 分析期間は 1998 年~2001 年の 4 年間とし(データ入 手の事情により,東北・中国道の一部は 2001 年の 1 年 間,中央道の一部は 2000 年から 2 年間),正月やお盆 等の行楽シーズンおよび通常の土日休日を除いた平日の 昼間(8時~16 時)のみを対象とする. b) 道路線形データ 対象道路の平面・縦断線形データは(旧)JH から提供し て頂いた.これらのデータには道路施工に必要な円曲線, 緩和曲線,縦断勾配,縦断曲線,片勾配等に関するすべ ての線形要素の情報が含まれており,線形条件の変動, 任意地点の線形条件を正確に把握することができる. c) 車両感知器データ 本研究では,多くの地点からの大量のデータによる統 計分析を主とすることとし, (旧)JHから提供して頂いた 車両感知器により計測される地点・車線別の交通量,大 型車交通量,占有率,平均速度の 5 分単位で集計された 値を分析に使用する.車両感知器の仕組み上,長さ 5.5 m 以上の車両は大型車としてカウントされる.入手した データにおける分析対象道路の本線部の車両感知器は上 下線合計 860個所である. d) 降雨量データ 降雨量データは気象協会が提供している AMeDAS デ ータに基づいて作成した.これは日本全国にある約

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1,300 箇所の気候観測所で観測された気象観測データが 10 分単位で集計されたものである.降水量は 0.5 mm 単 位で記録されている.本研究ではこの降水量を降雨量と みなして分析を行う.降雪の場合は後で説明するデータ クレンジングにより削除されると考えられる.5 分間の 交通データと 10 分間の降雨量データを対応させるため, 各 10 分間の降雨量を二等分して 5 分間降雨量に換算す る.また,各車両感知器位置と気候観測所位置にもとづ いて最寄り気候観測所を特定し,この降雨量データを車 両感知器データに対応させた. 本研究では,速度(厳密にはある 5 分間の平均速度) が観測された時点から遡った 1 時間の累積雨量を降雨量 とした.これにより,交通条件を観測した 5 分間の道路 路面の湿潤条件を反映することを試みている.なお,降 雨により規制速度が変更される可能性はあるが,一時的 な速度規制の情報はデータベースとして残されておらず, この影響を考慮することはできない.また路面の湿潤状 態は,道路路面が高機能舗装化されているかどうかで大 きく異なり,その結果,速度特性にも影響があるものと 考えられるが,本分析ではこの影響も考慮していない. 降雪および路面凍結時のデータは分析から除外するよう に工夫するが,実際の状況と異なる可能性はある.これ らの問題については今後の検討課題である. e) データクレンジングとカテゴリ化 本研究では図-1のようなデータクレンジングとカテゴ リ化を行い,分析に用いる. データクレンジング(A)では一般に速度の明確に異な る特殊な地点からのデータ削除が目的である.(B)は赤 羽・越37)の手法で設定した降雨・非降雨時別,地点・車 線別の速度の閾値を基準として行う.(C)は一定期間 (最初は6ヶ月)別にQV曲線を作成・比較し,異なるパ ターンを示す期間については更に細かい期間別に再び QV曲線を作成・比較することで異常時期を判定する方 法を用いる.一方,(C)で全期間にわたって安定したQV 関係を示す場合でも,交通量や大型車交通量の計測精度 が他の感知器とは異なる場合がある.そこで(D)では隣 接する2つのIC間に設置されている各感知器から観測さ れた交通量および大型車交通量を比較し,明らかに異な る感知器からのデータを削除する.以上の結果,対象4 路線の対象区間における860箇所の感知器のうち,最終 的には633箇所からのデータを用いる.表-1は対象地点 を路線・規制速度・片側車線数別に集計したものである. クレンジング済みのデータは図-1 で示したようにカ テゴリ化する.その後,各カテゴリの組み合わせにおけ る速度データの 85%タイル値を本研究では 1 つの「サン プル」と定義し,分析およびモデルパラメータの推定で 利用する.ここで,1 つのサンプル(各地点・車線)の 算出は 30 個以上の速度データをもつカテゴリの組み合 わせのみとする.したがって,例えばある交通量・大型 車混入率・降雨量の条件におけるある車線の速度サンプ ルが 100 個あるとすると,これは同一条件において 100 地点の 85%タイル速度のことを意味する.ただし,高い 水準の交通量,大型車混入率および降雨量のカテゴリの データは少ない.したがって,本研究における分析対象 範囲は,車線別 5 分間交通量 200 台/5 分/車線以下,車線 (B) 渋滞流データ,事故等のインシデント発生時デ ータの削除 (D) 交通量・大型車交通量の計測精度の低い感知器 からのデータの削除 (A) 流出入部,本線料金所,路線の基・終点,トン ネル等の付近からのデータの削除 (C) 工事・道路メンテナンス時データ,精度の低下 した時期の感知器からのデータの削除 降雨量:2 mm 降雨量:1 mm 降雨量:0 mm(非降雨時) Ph:大型車混入率 交通量: ・・・ 交通量: 41~60 / 5 分 交通量: 21~40 / 5 分 交通量: 1~20 / 5 分 10% ≤ Ph < 20% 交通量: … 交通量: 41~60 / 5 分 交通量: 21~40 / 5 分 交通量: 1~20 / 5 分 0% ≤ Ph < 10% … … Œ 地点・車線別にカテゴリ化 データクレンジング データのカテゴリ化 図-1 本研究におけるデータクレンジングとカテゴリ化 表-1 分析対象地点数の集計 ・車線数は「片側車線数」 ・上段:上り方向,下段:下り方向 ・東名高速道路は「東京-三ケ日」区間のみを対象 ・データクレンジング後の地点数 注) 規制速度80 km/h 規制速度100 km/h 対象道路 2車線 3車線 2車線 3車線 計 東名 1 13 74 22 110 (251.7 km) 8 5 80 22 115 東北 6 1 59 36 102 (679.5 km) 5 1 37 36 79 中央 62 - 6 - 68 (366.8 km) 70 - 9 - 79 中国 25 8 4 2 39 (543.1 km) 24 10 5 2 41 94 22 143 60 107 16 131 60 計 633

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別大型車混入率 60%以下,1 時間累積降雨量 6mm 以下 に限定されている. 4. 道路線形条件によらない平均的なQV関係 本章では著者らによる平均的なQV関係に関する既存 研究6), 24)の概要を示す.道路計画・設計段階における交 通需要は車線別でなく断面交通量として与えられる.こ こでは交通需要から各車線のQV関係を推定することを 目的としているため,分析の内容は(1)車線別のQV関係 の変動特性の分析と定式化,(2)交通量の車線分布特性 の分析と定式化からなる.なお,この分析結果は,任意 の大型車混入率および降雨量の条件に対して,様々な道 路線形条件における平均的なQV関係を示すものである. (1) 降雨量・大型車混入率による速度変動の実証分析と モデル化 図-2(a)はある分析対象地点における降雨量による速度 変動の例を示したものである.3.(2)節で述べたように, データが30個以上のカテゴリからのみ85%タイル値を計 算して分析に用いるので,交通量・降雨量の多いカテゴ リの速度はない.しかし,非降雨時(降雨量0 mm)に 比べて降雨時の速度は明らかに低下していることがわか る.図-2(b)は図-2(a)と同様の手法・地点で作成した大型 車混入率による速度変動の例を示したものである.大型 車混入率の増加による速度低下は,大きくはないが明確 に見られる.以上の調査を全対象地点で行い,平均的変 動特性の分析,および降雨量・大型車混入率を考慮した 速度推定モデルを以下のように提案する. a) 降雨量による速度低下 図-3 は降雨量の増加と速度低下との関係を車線別, かつ車線交通量カテゴリ別に示したものである.この図 における速度低下量とは,各地点の同一の車線交通量お よび大型車混入率のカテゴリにおいて,「(降雨量 0 mm のカテゴリにおける速度サンプル)-(当該降雨量 カテゴリにおける速度サンプル)」である(速度サンプ ルとは 3.2 節で定義した「各地点のカテゴリ別 85%タイ ル速度」).また,図-3 における 1つの点は,車線交通 量・大型車混入率(この図では 10-20%)・降雨量・車 線別に各地点の速度低下量を平均したものである.図は, 降雨量と速度低下量との定量的な関係を示しており,降 雨量が増加すると速度低下量は多くなる.しかし,1mm の降雨量の増加に対する速度低下量は,降雨量 0 mm か ら 1 mm への増加の場合が最も大きい.なお,走行車線 では車線交通量によらず速度低下量の傾向はほぼ一定で あるが,追越車線では車線交通量が多くなると速度低下 の度合いは若干大きくなる傾向がある. b) 大型車による速度低下 図-4 は大型車混入率の増加と速度低下との関係を車 線別,かつ車線交通量カテゴリ別に示したものである. 図-4 における速度低下量とは,各地点の同一の車線交 通量および降雨量のカテゴリにおいて,「(大型車混入 率 0-10%のカテゴリにおける速度サンプル)-(当該大 型車混入率カテゴリにおける速度サンプル)」である. また,図-4 における 1つの点は,車線交通量・大型車混 入率・降雨量(この図では 0 mm)・車線別に各地点の 速度低下量を平均したものである.図-4 によると,大 型車混入率が増加すると速度低下量は多くなる.この傾 向は車線交通量によらず概ね一定であるが,追越車線で は車線交通量条件によって大型車混入率による速度低下 の度合いは異なっている. 以上,降雨量と大型車混入率による速度低下傾向は, 追越車線では車線交通量条件によって異なってくる傾向 が見られた.そこで図-5に,降雨量別と大型車混入率別 の車線交通量と速度低下量との関係をに示す.わずかで はあるが,車線交通量の増加によって降雨による速度低 下は大きくなることがわかる(図-5(a)).なお,大型車 混入率が高い条件ほど,車線交通量の増大に伴う速度低 下量がより多くなる傾向が確認できる(図-5(b)). c) 降雨量・大型車混入率による速度推定モデル 以上の分析にもとづいて,降雨量と大型車混入率によ る速度低下の傾向を次のように定式化する24) 2 2 1 0 q q Videal =α −α −α (1) 0 500 1000 1500 2000 60 70 80 90 100 110 120 130 車線交通流率(台/時/車線) 速 度 ( k m/h) (b) 大型混入率とQV関係(降雨量0mm) 0%~10% 10%~20% 20%~30% 30%~40% 40%~50% 50%~60%

}

追越車線 走行 車線

{

0 500 1000 1500 2000 60 70 80 90 100 110 120 130 車線交通流率(台/時/車線) 速度 ( k m/h) (a) 降雨量とQV関係(大型車混入率=20~30%) 0mm 1mm 2mm 3mm 4mm 5mm 6mm 7mm 8mm 9mm 10mm

}

追越車線

}

走行 車線 図-2 降雨量と大型車混入率による QV関係の変動の例 (東北道(上り)110.075KP,片側 2車線・規制速度 100km/h)

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1 0 , β β Pq VadjHV = h (2) Rq R Vadj,rain=γ0 γ1 +γ2 (3) ここで, Videal=降雨量 0 mm,大型車混入率 0%の条件におけ る速度(km/h) Vadj,HV=大型車混入率による速度低下値(km/h) Vadj,rain=降雨量による速度低下値(km/h) q=交通量(vph) Ph=車線大型車混入率(%) R=降雨量(mm) α0, α1, α2, β0, β1, γ0, γ1, γ2=パラメータ 式(1)は降雨量 0 mm,大型車混入率 0%における QV関係 を表す.対象は非渋滞領域だけだが,2 次関数により非 線形性を考慮する.式(2)は図-5(b)の傾向を考慮した大型 車混入率による速度の低下量を表す.式(3)は図-5(a)の傾 向を考慮した降雨量による速度の低下量を表す.以上を 利用して,交通量・大型車混入率・降雨量による速度変 動推定モデル式の構造は次式(4)=(式(1)-式(2)-式 (3))で与えられるものとする. 1 1 0 0 2 2 2 1 0 , , ) (α γ α β β γ γ α R q q Pq R V V V V h rain adj HV adj ideal G − − − + − = − − = (4) 式(4)に分析データを当てはめて非線形回帰分析を行 い,車線・片側車線数・規制速度別のパラメータを推定 した結果を表-2 に示す.ただし,片側 3車線・規制速度 80 km/h の区間からのデータは少なく(633 箇所のうち 38 箇所),統計的に有意なパラメータは得られなかった. このモデルで推定される速度(VG)は,任意の交通 量・大型車混入率・降雨量の条件において,車線・規制 速度の同一なさまざまな道路線形条件の道路区間で期待 される 85%タイル速度の平均値である.走行車線におい て β1が 0 であることは,大型車混入率による速度低下 量は交通量によらず一定であることを意味し,図-4 で 示した傾向を適切に表現している.追越車線において α2が 0 であることは QV 関係が直線的であることを意味 する.また,α0は降雨量 0 mm,大型車混入率 0%におけ る自由走行速度に該当するが,これは規制速度が高いほ ど,また内側車線ほど高く推定されており,実際の状況 を適切に反映していると考えられる.表-2 に示した片 側 2 車線・規制速度 80 km/h 区間の場合,モデルの決定 係数は比較的小さい.これは,相対的に道路線形条件の 厳しい同区間において道路線形を考慮していないことが 原因であるものと考えられる. (2) 車線選択特性分析とモデル化 図-6 は断面交通量の一般的な車線利用率を示す.し かし,一般に小型車に比べて大型車の走行性能は劣るこ と,大型車の高速道路の法定最高速度は 80 km/h に制限 されることなどから,車線利用分布特性には車種による 0 10 20 30 40 50 60 70 0 2 4 6 8 10 12 大型車混入率(%) 速度 低 下 量 (k m / h ) (a) 第1走行車線 0 10 20 30 40 50 60 70 0 2 4 6 8 10 12 大型車混入率(%) 速度 低下 量 ( k m/h ) (b) 第2走行車線 0-240 240-480 480-720 720-960 960-1200 1200-1440 1440-1680 1680-1920 1920-2160 0 10 20 30 40 50 60 70 大型車混入率(%) (c) 追越車線 車線交通流率 (台/時/車線) 図-4 大型車混入率と速度低下との関係の例(降雨量 0 mm の場合,車線交通量別に作成) 0 1 2 3 4 5 6 降雨量(mm) (c) 追越車線 0 1 2 3 4 5 6 0 2 4 6 8 10 12 降雨量(mm) 速度 低下 量 (k m / h ) (b) 第2走行車線 0 1 2 3 4 5 6 0 2 4 6 8 10 12 降雨量(mm) 速度 低下 量 (k m / h ) (a) 第1走行車線 0-240 240-480 480-720 720-960 960-1200 1200-1440 車線交通流率 (台/時/車線) 図-3 降雨量と速度低下との関係の例(大型車混入率 10-20% の場合,車線交通量別に作成) 0 500 1000 1500 2000 0 2 4 6 8 10 12 車線交通流率(台/時/車線) 速度 低下 量 ( km/h ) (a) 降雨量別 (大型車混入率10-20%) 1mm 2mm 3mm 4mm 5mm 0 500 1000 1500 2000 2500 (b) 大型車混入率別 (降雨量0mm) 10-20% 20-30% 30-40% 40-50% 50-60% 60-100% 図-5 降雨量と大型車混入率別に見た車線交通量と速度低下 との関係の例(追越車線) * 図-3(c)と図-4(c)の横軸を車線交通流率に変換して作成

(7)

違いがあると考えられる.これを確かめるために,図-6 を車種別に分けて作成したものが図-7 と図-8 である. 図-7 は片側 2 車線区間(図-6(a)),図-8 は片側 3 車線区 間(図-6(b))における小型車と大型車の車線選択率を示 す.車種別の車線選択率とは次のように定義する. 「(ある車線における特定車種の交通量)/(断面交 通量におけるその車種の交通量)」 データのばらつきは大きいものの,車線選択率には車 種による大きな違いが見られる.片側 2 車線区間の場合, 小型車では断面交通量の増大に伴い追越車線選択率が増 大し,ある断面交通量レベル以上では 50%を超える.一 方,大型車では,同様の傾向はあるものの,全ての交通 量レベルにおいて走行車線選択率の方が高い傾向がある. 片側 3 車線の場合,小型車では,断面交通量の少ない状 態では第 2 走行車線の利用が最も多く,その次が第 1 走 行車線である.そして,断面交通量の増加により,第 1・2 走行車線の選択率が減少し,追越車線選択率が増 大する.一方,大型車では,断面交通量の少ない状態で は第 1 走行車線の利用が最も多く,断面交通量の増大に 伴い主に第 2 走行車線の選択率が増加し,追越車線選択 率は微増である. 以上の一般的な傾向を定式化すると式(5)~式(8)のよう になる6), 24).表-3 に,様々な道路線形条件における平均 的な傾向を知るために,この車種別車線選択率モデルの パラメータを感知器データを用いて推定した結果を示す. 図-9 は,得られたモデルを図示したものである. } ) exp{(a2 a3P Q LU = + H (5) } ) exp{( ) (a0 a1P a2 a3P Q LU = + H + H (6) }] ) exp{( 1 [ 2 3 0 a a P Q a LU = − + H (7) Q P a a LU =( 0+ 1 H) (8) 0 1000 2000 3000 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 断面交通流率(台/時) 車線 利用 率 (a) 片側2車線区間の例 (108.055KP) 0 1000 2000 3000 4000 (b) 片側3車線区間の例 (87.200KP) 図-6 特定地点における交通量の車線分布の例 (東北自動車道上り方向・規制速度 100 km/h) * 2001 年 11 月の 1ヶ月間 * 大型車混入率・降雨量の考慮なし 追越車線 走行車線 追越車線 第 1車線 第 2車線 0 1000 2000 3000 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 断面交通流率(台/時) 車種 別 車線 選択 率 (a) 小型車 0 1000 2000 3000 (b) 大型車 図-7 片側 2車線区間における車種別車線選択特性の例 (東北自動車道上り方向 108.055KP) * 2001 年 11 月の 1ヶ月間 * 規制速度 100 km/h * 断面大型車混入率・降雨量の考慮なし 追越車線 走行車線 追越車線 走行車線 0 1000 2000 3000 4000 (b) 大型車 0 1000 2000 3000 4000 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 断面交通流率(台/時) 車種 別 車線 選 択 率 (a) 小型車 図-8 片側 3車線区間における車種別車線選択特性の例 (東北自動車道上り方向 87.200KP) * 2001 年 11 月の 1ヶ月間 * 規制速度 100 km/h * 断面大型車混入率・降雨量の考慮なし 追越車線 第 2走行車線 第 1走行車線 追越車線 第 2走行車線 第 1走行車線 表-2 道路線形条件によらない平均的な QV関係(式(4))のパラメータ推定結果 走行車線(第1走行車線) 第2走行車線 追越車線 片側2車線 片側3車線 片側3車線 片側2車線 片側3車線 規制速度 規制速度 規制速度 規制速度 規制速度 80 km/h 100 km/h 100 km/h 100 km/h 80 km/h 100 km/h 100 km/h α0 102.4 106.5 98.1 118.9 118.1 122.6 128.8 α1 (×10 -3 ) 6.978 5.245 6.275 11.170 9.613 10.184 8.535 γ2 (×10 -4 ) 4.576 4.298 10.209 6.791 0 4.585 9.842 α2 (×10 -6 ) 2.573 5.622 3.893 0 0 0 0 β0 (×10 -2 ) 8.314 11.402 6.550 15.141 1.663 4.512 0.543 β1 (×10 -1 ) 0 0 0 0 3.416 2.121 5.602 γ0 2.844 3.540 2.818 3.824 4.100 4.032 5.121 γ1 (×10 -1 ) 3.622 2.443 1.675 2.251 4.325 2.704 3.224 R2 0.479 0.581 0.546 0.695 0.370 0.640 0.642 RMSE 4.024 4.409 3.769 3.585 5.744 4.496 4.308 n 6,772 12,607 5,161 5,894 6,414 14,731 5,286 注) は有意水準5%で有意でないので(p-value < 0.05)「0」に置換.

(8)

ここで, LU = 車種別車線選択率(0 ≤ LU ≤ 1) Q = 断面交通流率(台/時) PH = 断面大型車混入率(%) a0, a1, a2, a3 = パラメータ(ただし,a0 > 0, (a0 + a1PH ) > 0, (a2 + a3PH) < 0) (3) 断面全体の QV 性能モデル 式(5)~(8)の車種別車線選択率モデルを用いて断面交 通量から各車線の交通量が計算され,これを式(4)の車 線別 QV モデルに適用すれば,そのときの車線別の速度 推定値が得られ,これを車線交通量で重み付けした平均 を取れば全車線平均速度が求められる.図-10 にこの計 算結果の例を示す.これは,Roess ら 9),Hurdle・Datta10) HCM 20003)が示す QV 関係とほぼ同じ傾向を示している ことを確認することができた. 5. 道路線形条件に関する新しい指標 本章では道路線形に関する新しい指標を提案する.一 般に平面線形は曲率,縦断線形は縦断勾配を用いて条件 を表すことが多い.しかしある地点の速度は,その地点 の道路線形条件だけでなく上下流の道路線形条件にも影 響を受けるものと考えられる.そこで本研究では,対象 地点の曲率と縦断勾配の値を上下流の道路線形条件を考 慮して補正し,これを説明変数として道路線形条件によ る速度の変動特性を記述するものとする.ここでは,こ の補正されたものを,それぞれ有効平面曲率と有効縦断 勾配と呼ぶことにする. 図-10 断面交通量と車線別および全車線平均の速度の例 (断面大型車混入率 20-30%・非降雨時) 0 2000 4000 60 80 100 120 140 断面交通流率(台/時) 速度 (k m/ h) (a) 片側2車線 走行車線 追越車線 全車線平均 0 2000 4000 6000 (b) 片側3車線 第2走行車線 第1走行車線 全車線平均 追越車線 図-9 車種別車線選択率の定式化 第 1 走行車線 第 2 走行車線 追越車線 断面交通流量 (a)片側 2 車線・小型車 車線選 択 率 1 0 (c)片側 3 車線・小型車 (d)片側 3 車線・大型車 (b)片側 2 車線・大型車 車線選 択 率 1 0 車線選 択 率 1 0 車線選 択 率 1 0 断面交通流量 断面交通流量 断面交通流量 (式 5) (1 - 式 5) (式 5) (1 - 式 5) (式 6) (式 7) (1 - 式 6 - 式 7) (式 6) (1 - 式 6 - 式 8) (式 8) 表-3 車種別車線選択率モデルのパラメータ推定結果 車種 車線数 天候条件 規制速度 車線 利用式 a0 a1 a2 a3 R2 データ数 小型車 2 非降雨時 80 走行 式5 - - -3.456E-04 -3.989E-06 0.975 3,334 100 走行 式5 - - -3.541E-04 -3.343E-06 0.981 5,648 降雨時 80 走行 式5 - - -4.225E-04 -2.323E-06 0.984 1,731 100 走行 式5 - - -4.063E-04 -2.127E-06 0.988 3,406

3 非降雨時 80 第2走行 式6 6.225E-01 1.754E-03 -1.072E-04 -1.371E-06 0.872 760

追越 式7 5.309E-01 - -4.028E-04 -1.061E-06 0.905 760

100 第2走行 式6 6.676E-01 1.368E-03 -1.299E-04 -9.891E-07 0.882 3,385

追越 式7 6.866E-01 - -2.583E-04 -1.068E-06 0.901 3,385

降雨時 80 第2走行 式6 5.240E-01 4.957E-03 -7.306E-05 -3.352E-06 0.805 387

追越 式7 4.991E-01 - -4.285E-04 -1.533E-05 0.791 387

100 第2走行 式6 6.082E-01 3.025E-03 -1.106E-04 -2.090E-06 0.901 1,618

追越 式7 6.888E-01 - -2.494E-04 -1.097E-06 0.889 1,618

大型車 2 非降雨時 80 走行 式5 - - -1.658E-04 -2.107E-06 0.952 3,337

100 走行 式5 - - -1.406E-04 -2.318E-06 0.978 5,648

降雨時 80 走行 式5 - - -2.288E-04 -1.592E-06 0.975 1,727

100 走行 式5 - - -2.242E-04 -1.363E-06 0.991 3,406

3 非降雨時 80 第1走行 式6 6.683E-01 1.077E-01 -5.387E-05 -3.520E-06 0.634 760

追越 式8 3.668E-05 2.029E-07 - - 0.805 760

100 第1走行 式6 7.949E-01 0* -1.195E-04 -3.025E-06 0.836 3,385

追越 式8 3.330E-05 1.948E-07 - - 0.935 3,385

降雨時 80 第1走行 式6 5.564E-01 3.737E-03 0* -5.754E-06 0.668 387

追越 式8 3.981E-05 2.927E-07 - - 0.932 387

100 第1走行 式6 7.909E-01 0* -1.844E-04 -2.520E-06 0.863 1,618

追越 式8 4.057E-05 2.483E-07 - - 0.965 1,618

(9)

(1) 有効平面曲率 仮に,ある地点の速度が平面曲率の 1 次式で表される とすると,平面線形による速度変動は式(9)のように定 式化できる.図-11 の上図の点線のイメージの平面線形 条件に式(9)を適用すると,下図の点線のような速度変 動特性が得られる. C Vh0−α1 (9) ここで,Vh =平面線形条件による推定速度(m/s) C = 曲率(1/m) α0, α1 = パラメータ 一方,運転者が平面曲率に合わせて速度調整を行うた めに必要な加速度は,平均的にはある一定の値を取るも のと考えられる.そのため,たとえば円曲線から直線区 間への加速(逆の場合は減速)に必要な距離(S)より 緩和曲線長が短い場合は,直線区間に入っても加速(減 速)が行われ,かつ緩和曲線区間においても,単にその 地点の曲率を式(9)に適用して得られる速度より低い (高い)速度となるものと考えられる(図-11 の下図の 実線).この仮説が正しければ,速度観測値の空間変動 は点線よりは実線に近い傾向を示すはずであり, Ottesen・Krammes28),Fitzpatrick・Collins36)の速度プロファ イルモデルにもこの考え方が適用されている. ここで図-11 の下図の実線のように空間変動する速度 を式(9)に適用すれば,式(9)を満たす平面曲率 C を連続 的に逆算できる(図-11 の上図の実線).この C をここ では逆算曲率(C*)と呼ぶ.加減速時の加速度(a)を 一定と仮定すれば,C*と S は式(10)と式(11)により計算で きる(式(10)と式(11)の導出は付録 Aを参照). 1 2 0 1 0 0 ( ) 2 * α α α α C aL C = − − + (10) a C S 2 ) ( 0 1 0 2 2 0 α α α − − = (11) ここで, C0 = 上流側(または下流側)の円曲線区間の曲率 a = 加速度(m/s2,減速の場合 a < 0) L = 上流側の円曲線区間から(または下流側の円曲 線区間まで)の距離(m,ただし,L < S) 図-12 に,細い実線で表される実際の平面曲率と,こ れに式(9)~(11)を適用して得られる C*のイメージを破線 で示す.なお,平面線形の繋がりが速度に与える影響に 曲線の向きは関係ないものとし,計算上および図では一 般にカーブの方向を表す曲率の符号は考慮せず,非負の 値を取るものとする.ここで前後の平面線形の繋がりを 考えると,速度変動から逆算される平面線形は C と C* の大きい方の値になると考えられる(図-12 の太い実 線).本研究ではこれを有効平面曲率(Ce)と呼び,平 面線形に関する新たな指標として提案する(Ce ≥ 0). 有効平面曲率を求めるためには加速度 a,パラメータ α0とα1を決める必要がある.本研究では既存モデルを参 考に,加速度 a=0.85 m/s2(加速・減速で絶対値は同 じ)とおく28), 38)~40) またパラメータα0とα1は,平面線形条件以外の要因に よる速度変動が生じない条件,すなわち縦断線形・交 通・天候条件の影響のない条件の速度データを用いれば 推定できるはずである.そこで,以下の条件を満たす速 度データを分析に用いる. • 平面線形:直線区間,円曲線区間 • 縦断線形:直線,さらに縦断勾配が-0.5%~0.5%の平 坦区間 • 交通流率:0~720 台/時(0~60 台/5 分/車線) • 大型車混入率:0~10% • 降雨条件:非降雨時 交通量条件は,データ上の制約から 720 vphpl 以下とし た.それでも統計的に有意な結果が得られたのは規制速 度 80 km/h・片側 2車線区間(6箇所)の走行車線の場合 のみで,α0は 31.8(m/s),α1は 10.5×103(m2/s)(信頼水準 図-11 逆算曲率の概念 速度, V 0 V2 V1 0 Vt 距離 (m) La Sa Sd Ld Vd Va 曲率, C C1 C2 直線 実際の曲率 の変動 加速度一定時の速度 から求めた逆算曲率 緩和曲線 A 円曲線 A 円曲線 B 緩和曲線 B Cd Ca 実際の曲率から の推定速度 距離 (m) 加速度一定時の速度 距離 曲率 実際の曲率 加減速時の逆算曲率 有効平面曲率 図-12 有効平面曲率の概念

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95%)となった.他の車線や規制速度 100 km/h の区間で は統計的に有意な結果が得られなかった.これは,上記 の線形条件を満たす地点のほとんどが平坦区間に位置し, そもそも大きな曲率の平面線形があまり存在しないため と考えられる.これらの条件におけるパラメータα0,α1 の実証的な推計に関しては今後の課題とし,本研究では, 上記で得られたα0とα1を全条件において適用して,有効 平面曲率を求めるものとする. (2) 有効縦断勾配 道路構造令の解説と運用41)における車両性能曲線によ ると,上り坂においてある距離までは車両速度が低下し (下り坂では上昇),それ以降は縦断勾配に応じた一定 速度となる.ある地点の速度をその地点の縦断勾配で説 明できるのは,一定速度に至った長い勾配区間において のみである.一般には,ある地点の速度はその勾配の始 点からの距離とその始点への進入速度によって決まるも のと考えられる.ここで平面線形の影響を無視すれば, 勾配始点への進入速度は上流側縦断線形条件の影響を受 ける.また,その上流側縦断勾配への進入速度はさらに 上流側の縦断線形の影響を受けると考えられる.本研究 では,有効平面曲率の概念と同様に上流側縦断線形条件 を考慮して任意地点における実際の縦断勾配を補正した 縦断勾配に関する新しい指標を導入するものとする. ここで考慮すべき縦断線形条件の上流範囲が問題とな る.ここでは,便宜的に図-13 のように 2 つ上流側縦断 勾配までとその縦断勾配への進入速度(V0)を考慮し, さらに上流からの影響は V0に反映されるものと考える ことにする.すなわち,縦断線形条件による推定速度 (Vv)は式(12)で与えられるものとする. 0 8 23 7 12 6 3 5 2 5 1 4 3 3 2 2 1 1 0 VTL VCL VCL V VTL VTL G G G Vv η η η η η η η η η η + + + + + + + + + = (12) ここで, Vv = 縦断線形条件による推定速度(km/h) G1 = 対象地点の縦断勾配(%) G2 = 1 つ上流側の縦断勾配(%) G3 = 2 つ上流側の縦断勾配(%) VTL1 = G1始点から対象地点までの距離(m) VTL2 = G2区間長(m) VTL3 = G3区間長(m) VCL12=G1と G2の間の縦断曲線長(m) VCL23=G2と G3の間の縦断曲線長(m) V0 = G3への進入速度(km/h) η0~η8 = パラメータ ここで,Geを式(13)のように定義すると,式(12)は式(14) のように書き換えることができる. ⎟⎟ ⎠ ⎞ ⎜⎜ ⎝ ⎛ + + + + + = 0 1 8 1 1 4 3 1 3 2 1 2 1 G G VTL V G Ge η η η η η η η η L (13) e v G V =η0 +η1 (14) ここで,Geを有効縦断勾配と呼ぶことにする.Geの 算定に必要なパラメータ(η1~η8)は式(12)により,車 線・片側車線数,規制速度別に,さらに縦断線形による 速度への影響は車種によっても大きく異なるので,車種 別に重回帰分析して推定するものとする. この重回帰分析には平面線形の影響がない直線区間で 縦断線形条件のみが変化する長い区間における観測デー タが必要である.しかし,現実的にそのような区間は存 在しないので,本研究では,仮想の縦断線形条件を設定 し,TWOPAS モデルで用いられた車種別車両性能モデ ルを利用して各縦断線形条件のおける速度変動を仮想的 に計算し,これを用いて式(12)のパラメータを推定する ことにした(詳細は付録 B参照). 推定されたパラメータを用いて式(13)を書き換えると, 式(15)が得られた.表-4 に式(15)のパラメータを示す. 1 1 4 3 1 3 2 1 2 1 G G VTL G Ge η η η η η η + + + = (15) 表-4 より,一般に速度の高い内側車線ほど,また大型 車は小型車より上流側縦断線形条件の影響を強く受ける ことがわかる. 標高 VTL1 VTL3 ① V 交 • V C 走行 方向 縦断勾配 =G3 縦断勾配 =G2 縦断勾配 =G1 速度観測 地点 速度 V0 VTL2 図-13 有効縦断勾配の算定における上流側縦断線形の範囲 表-4 有効縦断勾配算定式(式(15))のパラメータ

パラメータ Case 1 Case 2 Case 3 Case 1 Case 2 Case 3

η21 (×10 -1 ) - - 0.792 3.288 4.504 5.085 η31 (×10 -1 ) - - - 0.514 1.096 1.473 η41 (×10 -3 ) - 1.403 1.078 0.451 0.354 0.283 小型車 大型車 注)・Case 1:走行車線(片側 3車線区間では第 1走行車線) ・Case 2:片側 3車線区間の第 2走行車線,片側 2車線区間 の追越車線 ・Case 3:片側 3車線区間の追越車線

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6. 統合型速度推定モデル ここでは,4章の速度推定モデル(式(4)と表-2)に,5 章で提案する上下流の道路線形条件を考慮した新しい指 標を導入し,道路条件・交通条件・降雨条件を総合的に 考慮したモデルの構築を試みる. (1) モデルの構造 式(1)(または式(4))における定数項α0は交通量,大型 車混入率,降雨量がすべて0で,様々な道路線形条件に おける平均的な速度(85%タイル速度)である.これは 平均的な小型車の単独走行速度に相当する.単独走行速 度は道路線形条件に影響されると考えられるので,式 (1)のα0を道路線形条件の影響を考慮した形に修正する. e pc e C G, 2 1 0 0 δ δ δ α = − − (16) ここで, Ge,pc = 小型車の有効縦断勾配(%) Ce = 有効平面曲率(1/m) δ0, δ1, δ2 = パラメータ 表-2 にあるように相対的に速度の高い追越車線では, 非渋滞域の QV 関係には非線形性がみられずほぼ線形の 関係となる.この傾向は単独走行速度が高い条件におい て一般的に成立するものと考えられるので,単独走行速 度が高ければ QV 関係は線形性が高くなり,かつ QV 関 係の右下がり傾向も強くなるものと考えられる.しかし, 式(4)のままでは線形条件が変動してもα0のみが変化し, QV 関係の形は変化しない(上下に平行移動するのみ). そこで,式(4)を次のように拡張する. 1 1 0 0 2 2 2 1 0 0 } ' ) ' ' {( γ β γ β α γ α α α R q P q q R V h G − − − + − = (17) 式(17)の α1 ',γ2 ',α2 ' はそれぞれ式(4)の α1,γ2,α2をα0で 除したものであり,線形条件によって変動する α1,γ2, α2から線形条件の影響を除いたものと解釈できる. 最後に,同じ大型車混入率(Ph)でも大型車による速 度低下の影響は縦断勾配条件により異なるものと考えら れる.式(17)を式(18)のように変更してこの影響を考慮す る. 1 1 0 , 3 0 2 2 2 1 0 0 ) 1 ( } ' ) ' ' {( γ β γ δ β α γ α α α R q P G q q R V h tr e G − + − + + − = (18) ここで, Ge,tr = 大型車の有効縦断勾配(%) δ3 = パラメータ なお,有効縦断勾配の影響が有意でない場合(δ3=0)で も大型車の影響は存在する可能性があるので,式(4)に おける β0を β0(1+δ3Ge,tr)に置き換えている.得られた式 (18)のα0に式(16)を代入すると式(19)となる. 1 1 0 , 3 0 2 2 2 1 2 , 1 0 ) 1 ( } ' ) ' ' ( 1 ){ ( γ β γ δ β α γ α δ δ δ R q P G q q R C G V h tr e e pc e s − + − − + − − − = (19) ここで,Vs = 道路線形条件を考慮した速度(km/h) 式(19)は,道路条件(平面線形・縦断線形),交通条 件(交通量,大型車混入率),天候条件(降雨)の各要 因を総合的に考慮した統合型速度推定モデルである.た だし,このモデルでは単純のため平面線形と縦断線形の 影響を加法的に考慮し,相互作用は無視した. (2) モデルパラメータの推定結果 表-5 に式(19)のパラメータを非線形回帰分析により推 定した結果を示す.また,式(19)の Ceには分析対象地点 における実際の曲率(C),Ge,pcと Ge,trの両方には実際 の縦断勾配(G)を入力してパラメータ推定を行った結 果を表-6 に示し,有効平面曲率と有効縦断勾配を用い る場合と用いない場合のパラメータ推定結果を比較する. いずれも表-2 と同様に,地点が少ないため,片側 3 車 線・規制速度 80 km/h の区間の条件については統計的に 有意なパラメータは得られなかった(633 箇所のうち 38 箇所).また,表においてパラメータ推定値が 0 となっ ているものは 95%の信頼水準で有意でなかった説明変数 を示す. パラメータδ0は道路・交通・降雨の全ての条件の影響 がない場合の単独走行速度とみなすことができる.表-5 と表-6 ともに,内側車線ほど,また規制速度が高いほ どこの推定値は高くなっており,妥当な傾向を示してい る.また,片側 3 車線の場合は片側 2 車線に比べて第 1 走行車線の速度は低く,追越車線(最内側車線)の速度 は高い.これも一般的に妥当な傾向である.さらに,線 形条件に関するパラメータδ1~δ3以外のパラメータは, 表-2 とほぼ同じ傾向を示している.ただし,片側 2 車 線・規制速度 80 km/h においては,走行車線のβ1が 0 で ないこと,追越車線のγ2が 0 となったことに関しては, その理由は不明である. 有効平面曲率のパラメータδ2は表-5,表-6 ともに片側 3 車線において統計的に有意でない.この条件では,速 度に影響を与えるほど大きな曲率の平面線形条件が生じ にくいためと考えられる.ただし,片側 2 車線・規制速 度 100 km/h の走行車線において有意でない原因は不明で ある.表-6 における大型車の縦断勾配パラメータδ3は, 一部の条件を除いて有意とならなかった.しかし,表-5 においては全ての条件で有意である.これは,大型車は 上流縦断線形条件の影響を大きく受けるため,この特性 を考慮した有効縦断勾配と大型車混入率とを同時に考慮

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することにより(表-5),大型車混入率が速度に与える 影響をより正しく推定できることを示すものと考えられ る.一方,小型車の縦断勾配パラメータδ1は表-5,表-6 共に全ての条件において統計的に有意である.すなわち, 縦断線形条件は小型車にも影響を及ぼすことを明確に示 している.ただし,大型車の場合とは異なり,δ1は上流 側を考慮しない表-6 でも有意である.これは,第 5 章 2 節で示したように,小型車は上流側縦断勾配の影響をあ まり受けず,Ge,pcは対象地点の縦断勾配(G1)に比べて 大きな差がないからと考えられる. 統合型速度推定モデルの決定係数(R2)は約 0.6~0.7 程度,RMSE(推定誤差の平均)は約 3.2~4.2 km/h となっ た.道路線形条件を考慮することで,これを考慮しない 場合より速度の推定精度は高くなった.特に,相対的に 線形条件の厳しい規制速度 80 km/h 区間での推定精度が 大きく向上している.表-6 では,1 条件の例外を除くと 表-5 と比べて決定係数が少し低い.すなわち,有効平 面曲率と有効縦断勾配を用いることによってモデルの推 定精度はわずかに向上している.モデル構造やパラメー タの有意性と符号を勘案すると,提案モデルにより道路 線形,大型車混入率,天候条件を総合的に考慮すること ができているものと判断することができる. 表-5 統合型速度推定モデル(式(19))のパラメータ推定結果 表-6 有効平面曲率・有効縦断勾配を用いずにその地点の線形条件を用いたモデル(式(19))パラメータ推定結果 走行車線(第1走行車線) 第2走行車線 追越車線 片側2車線 片側3車線 片側3車線 片側2車線 片側3車線 規制速度 規制速度 規制速度 規制速度 規制速度 80 km/h 100 km/h 100 km/h 100 km/h 80 km/h 100 km/h 100 km/h δ0 102.7 106.7 98.6 118.0 121.5 123.9 129.0 δ1 (×10 -1 ) 7.397 8.038 5.392 8.547 10.162 5.564 17.373 δ2 (×10 3 ) 2.375 0 0 0 3.867 1.600 0 α1' (×10 -5 ) 3.250 5.127 7.375 7.389 8.250 8.500 6.840 γ2' (×10 -6 ) 4.003 4.317 9.660 6.302 0 4.184 6.826 α2' (×10 -8 ) 4.281 5.123 2.961 1.013 0 0 0 β0 (×10-2) 3.279 11.771 7.103 14.901 2.351 6.843 0.824 δ3 (×10 -2 ) 4.643 7.155 16.018 16.611 10.480 13.842 5.160 β1 (×10 -1 ) 1.335 0 0 0 2.693 1.593 4.785 γ0 2.872 3.537 2.815 3.948 4.099 4.094 5.266 γ1 (×10 -1 ) 3.872 2.267 2.083 1.788 4.401 2.380 3.085 R2 0.633 0.630 0.595 0.761 0.634 0.708 0.713 RMSE 3.420 4.158 3.520 3.170 4.363 4.051 3.829 n 6,871 12,727 5,274 5,835 6,490 14,867 5,339 注) は有意水準5%で有意でないので(p-value < 0.05)「0」に置換. 走行車線(第1走行車線) 第2走行車線 追越車線 片側2車線 片側3車線 片側3車線 片側2車線 片側3車線 規制速度 規制速度 規制速度 規制速度 規制速度 80 km/h 100 km/h 100 km/h 100 km/h 80 km/h 100 km/h 100 km/h δ0 103.0 106.8 98.6 118.1 120.5 123.6 128.8 δ1 0.895 1.208 1.063 1.771 1.336 1.587 2.030 δ2 (×10 3 ) 1.770 0 0 0 3.016 1.512 0 α1' (×10 -5 ) 5.207 5.237 7.388 7.610 8.226 8.383 6.848 γ2' (×10 -6 ) 4.350 4.234 9.626 6.265 0 3.859 7.383 α2' (×10 -8 ) 3.396 5.061 2.966 0.925 0 0 0 β0 (×10 -2 ) 8.206 11.837 7.097 15.102 1.999 5.676 0.792 δ3 (×10 -2 ) 0 0 0 0 40.855 0 0 β1 (×10 -1 ) 0 0 0 0 3.138 1.878 4.882 γ0 2.847 3.533 2.805 3.918 4.119 4.067 5.219 γ1 (×10 -1 ) 3.778 2.301 2.144 1.876 4.335 2.481 3.048 R2 0.604 0.629 0.593 0.756 0.605 0.711 0.708 RMSE 3.551 4.166 3.530 3.199 4.533 4.027 3.857 n 6,871 12,727 5,274 5,835 6,490 14,867 5,339 注) は有意水準5%で有意でないので(p-value < 0.05)「0」に置換.

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(3) モデルの適用例 本研究における統合型速度推定モデルの特徴は,任意 の道路線形・交通・降雨の条件において,車線・片側車 線数・規制速度別に 85%速度を推定できることにある. すなわちこのモデルを用いれば,ある特定地点において 交通・降雨の条件に伴う速度変動や,ある交通・降雨条 件における速度の空間変動を推定できる.ここでは,提 案モデルの適用例として速度の空間変動を示す. 一般に道路計画・設計の段階で与えられる交通量(交 通需要)は車線別でなく,全車線合計,すなわち断面交 通量である.車種別車線選択率モデル(式(5)~(8))を 用いれば,断面の交通需要と断面の大型車混入率が与え られると,各車線の車種別交通量を推定できる.ただし, この車種別車線選択率は,特に縦断線形など道路線形条 件に依存して変化するものと考えられるが,このモデル ではこうした道路線形の影響は考慮できない.ここでは 各車線の車種別交通量は道路条件によらず一定と仮定す る.各車線について,この車種別交通量を用いて車線交 通量と大型車混入率を求め,これを表-5 のパラメータ を用いた式(19)に代入して,対象区間の道路線形条件に 応じて計算を行う.図-14 に,対象区間を東名高速道路 下り方向 60-80KP(左ルート)として推定した結果を示 す. 図-14(a)は断面交通量=1,080 vph(90台/5分)・断面の 大型車混入率=25%・非降雨時の条件における各車線お よび断面平均の85%タイル速度の空間変動を示したもの である.また,図には車線別交通量と車線別の大型車混 入率も示している.図-14(b)は,(a)の約2倍の断面交通量 =2,040 vph(170台/5分)に設定し,他の条件を同じとし て計算した例である.図の車両感知器設置位置には,こ の条件における実測の85%タイル速度も示している.推 定された速度は実測速度を若干上回る傾向が見られるが, 概ね速度変動の傾向をよく推定しているといえよう. 7. まとめと今後の課題 本研究では多車線の都市間高速道路の単路部における 非渋滞流を対象に,任意の道路線形・交通・降雨条件に おける速度(85%タイル速度)を車線・片側車線数・規 制速度別に推定できる統合型速度推定モデルを開発した. 速度の空間変動を推定する既存モデルは主に単独走行速 度を対象にしており,また各種道路設計マニュアルなど における QV 関係は道路条件や天候条件の影響はほとん ど考慮していない.提案モデルは道路線形条件,交通条 件,降雨条件を同時に考慮して,任意条件において速度 を推定できる.また有効平面曲率と有効縦断勾配という 新しい指標を提案し,上下流の道路線形条件も考慮する ことで,車両速度の連続的な変化を表現することができ た.さらに,断面交通量と断面大型車混入率が与えられ れば,車種別車線選択率モデルを用いて各車線の速度お よび全車線平均速度の空間変動を計算できる.本モデル を活用すれば,多車線高速道路の単路部を対象に,任意 の道路・交通・環境条件における交通性能の評価ツール として,性能照査型道路計画設計において利用すること が可能である. 本モデルを実際の道路計画設計に適用するには,まだ いくつか解決しなければならない問題がある.以下に主 な今後の課題を示す. 1) 車両感知器データ(633 箇所・4 年間)を大量に用 いたにもかかわらず,道路線形の変動範囲は十分で はなく,道路線形の影響については,限定的な実証 分析に留まった.これは,さらに車両感知器データ を増やす,または戦略的に地点を選定して速度を実 測することなどにより解決できる可能性がある. 2) 有効平面曲率についてはその有効性の評価ができな かった.その有効性が現れそうな区間(例えば,短 い緩和曲線)からのデータを用いての検討が必要で ある. 3) 有効縦断勾配については,本研究では極めて単純な モデル化にもとづいており,またパラメータはシミ ュレーション結果を回帰分析して求めたもので,必 ずしも十分に検証できていない.また,本研究で提 案した有効縦断勾配は空間的に不連続となる地点が 生じるため,十分に合理的な指標であるとはいえな い.したがって,上流側縦断線形の影響を表現する 方法についてはさらなる検討が必要である. 4) 本研究で用いた説明変数は多数あるが,モデルの単 純化のため,その相互作用については考慮していな い.これらの考慮についても今後の検討課題である. 5) 近年,日本では大型車へのスピードリミッタ取り付 けが義務化されており,大型車の速度特性が変化す ることが予想される.したがってその後のデータを 収集蓄積して,大型車の影響を再評価することも必 要である. 6) 本研究のモデルでは 85%タイル速度を推定している が,速度分布の変動範囲を推定することができれば, 道路の計画設計や交通運用にさらに有効に活用でき るものと考えられる. 7) 道路線形条件の影響は基本的に単独走行速度(QV 関係における Q=0 の条件)についてのみ考慮した ものであり,道路線形が QV 関係そのものに与える 影響は分析できていない.これらの検討も今後の課 題である.

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謝辞:本研究に用いた道路線形・車両感知器データは, (旧)JH試験研究所交通研究室より提供頂いた.また本研 究は,2005-2007年度文部科学省科学研究費補助金基盤研 究(B)(一般)(課題番号:17360245),2005-2007年度国土交 通省道路政策の質の向上に資する技術研究開発「道路機 能に対応した性能目標照査型道路計画・設計手法論の研 究開発」,2005-2007年度(財)国際交通安全学会自主研究 「道路機能に対応した性能目標照査型道路計画・設計手 法論の研究開発」の一部として実施したものである.関 係各位に謝意を表する. 付録A 加減速時の加速度はほぼ一定と仮定すれば,等加速度 運動方程式より,加減速に必要な距離 S(m)(図-11 の Saまたは Sd)は式(20)を用いて計算できる. a V V S t 2 2 0 2 = (20) ここで, Vt = 直線区間の最大速度(m/s) 図-14 速度(85%タイル速度)の空間変動推定の例:東名高速道路下り方向(左ルート)60-80KP -0.004 -0.002 0 0.002 0.004 -8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8 曲率 (1 /m ) 縦断 勾配 (% ) <線形図> 80 90 100 110 120 速 度 (k m /h) (a) 断面交通量1,080 vph(90台/5分) 60 65 70 75 80 80 90 100 110 120 KP (km) 速 度 (k m /h) (b) 断面交通量2,040 vph(170台/5分) 60.290 64.490 66.480 72.510 74.710 76.590 車両感知器 曲率 勾配 走行車線 追越車線 重み付け平均 走行車線 追越車線 重み付け平均 推定値 観測値 追越車線 q=366 vphpl ph=15.5% 走行車線 q=714 vphpl ph=29.9% 走行車線 q=943 vphpl ph=34.6% 追越車線 q=1,097 vphpl ph=16.7% * 観測値:断面交通量80~100台/5分,断面大型車混入率20~30%,非降雨時における各車線の 5分間平均速度の85th-percentile値と5分間の重み付け平均速度の85th-percentile値 車線別 推定交通量 車線別 推定交通量 進行方向

* 道路条件:片側 2 車線・規制速度 80 km/h * 断面交通量:1,080 vph (a)・2,040 vph (b) * 断面大型車混入率:25% * 降雨条件:非降雨時 * 観測値:断面交通量 80-100 台/5 分・断面大型車混入率 20-30%・非降雨時における各車線の 5 分間平均速度の 85th percentile 値,および重み付け平均速度の 85th percentile 値. 右カーブ,0 < 直線,0 = 左カーブ,0 >

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V0 = 上流(下流)側円曲線区間の速度(m/s) a= 加速度(m/s2) 加速の場合,V0は上流側の円曲線区間の速度(図-11 の V1)で a > 0 であり,減速の場合,V0は下流側の円曲線 区間の速度(図-11 の V2)で a < 0 である(常に V0 < Vt). 上流側円曲線区間終点から速度推定地点まで(あるい は速度推定地点から下流側円曲線区間始点まで)の距離 L(m)(それぞれ図-11 の Laと Ld)は S と同様に式(21) から算定できる. a V V L 2 2 0 2 = (ただし,L≤ )S (21) ここで, V = 速度推定地点における速度(m/s) なお,V0≤ V ≤ Vt このとき,式(9)から V = α0 - α1C*(図-11 において V が Va,Vdの場合,C*はそれぞれ Ca,Cd)となる.また上 下流側円曲線区間の曲率を C0(図-11 の C1または C2) とすれば, V0 = α0 - α1C0(V0は C1と C2に対し,それぞれ 図-11 の V1と V2)となる.これらを式(21)に代入すれば 式(10)が得られ,C*を求めることができる. 1 2 0 1 0 0 ( ) 2 * α α α α C aL C = − − + (10) また,直線区間における最大速度を式(9)のパラメータα0 とすれば,S は式(11)により求めることができる. a C S 2 ) ( 0 1 0 2 2 0 α α α − − = (11) 付録B 仮想的な道路空間として様々な縦断線形条件の道路設 定し,TWOPAS モデルにおける小型車と大型車の車両 性能モデル(Fitzpatrick ら40)を参照)を利用して,有効縦 断勾配のパラメータ推定に用いる速度値を計算する. この車両性能モデルでは縦断勾配 0%における最高速 度を初期値として設定する必要がある.本研究で収集し たデータでは,この初期値の参考となる値は見つけられ なかった.したがって本研究では,表-2 における定数 項α0の推定結果を参考に,概略値として以下の値を初期 速度(最高速度)として用いることにする. case 1: 走行車線(第 1 走行車線):100 km/h case 2: 第 2 走行車線,片側 2 車線の追越車線:120 km/h case 3: 片側 3 車線の追越車線:130 km/h 小型車と大型車の車両性能は,道路構造令41)を参考に, 以下のように仮定する. • 小型車:最高速度 180 km/h,最大加速度 2 m/s2 • 大型車:総重量 14 t,重量当たり馬力(満載時)10 PS/t,車両前面投影面積 6.2 m2,海抜高度 0 m 小型車の最大加速度は,日本の普通乗用車のゼロヨン 加速値(発進してから 400 m に到達するまでかかる時 間)である 18~20 秒42)を参考に,等加速と仮定してゼロ ヨン加速に 20 秒かかる場合の加速度に相当するものと した.また,大型車の車両性能モデルに用いる海抜高度 は 0 mと仮定した. 仮想的な道路空間として設定した縦断線形条件は以下 のとおりである. • VTL1,VTL2,VTL3:0~2,000 m の範囲で 500 m 刻み で設定(125ケース) • VCL12,VCL23:200~1,400 m の範囲で 400 m 刻みで 設定(16ケース) • G1,G2,G3:-4%~4%の範囲で 2%刻みで設定(125 ケース) • V0:60~120 km/h の範囲で 20 km/h 刻みで設定(4ケ ース) すべての組み合わせのうち,G1=G2および G2=G3のケー ス(合わせて 36 万ケース)を除いた(64 万ケース)対 象地点の速度(仮想データ)を,TWOPAS モデルにお ける車種別の車両性能モデルを用いて計算し,この計算 結果を被説明変数として式(12)の回帰モデルのパラメー タを推定する. その結果,大型車では,各説明変数のパラメータは全 て信頼水準 95%で有意であり,一部を除き,信頼水準 99%で有意となった.ここで,Case 3 の場合の決定係数 (R2)は 0.718であるが, V 0, VTL2,VTL3,VCL12,VCL23 のパラメータの推定値は,統計的に有意ではあるものの 無視できるほど小さい.これらの変数を除いてモデルを 再推定しても決定係数は 0.716 であり,全説明変数を利 用した場合とほとんど差はない.Case 2,Case 3 におい ても同様の特徴が見られた.そこで,寄与率の低い説明 変数の項は除外し,大型車の有効縦断勾配算定には G1, G2,G3,VTL1の 4変数を用いることとする. 小型車の場合も大型車の場合と同様にパラメータを推 定した.ただし,Case 2 と Case 3 の決定係数はそれぞれ 0.285,0.405 であり,大型車の場合よりも説明力は低く, それぞれ統計的に有意なパラメータは 2 つ(G1,G2), 3 つ(G1,G2,VTL1)となった.一方,Case 1 では,9個 のパラメータはすべて信頼水準 99%で有意であるが,決 定係数は極めて 0 に近くなった.これは,仮想空間にお

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