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症状のレベルに応じた対応の実施 す 次の段階として 教職員は 校長の指示に従い 症状のレベルに応じた対応を行うこととしま 第 1 段階 ( 比較的軽いアレル ギー症状 ) 対応者校長 教頭養護教諭学級担任学年主任等 第 2 段階 ( やや強いアレルギ ー症状 ) 対応者校長 教頭養護教諭学級担任学年

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4 食物アレルギー発症時の対応

学校において児童生徒等がアナフィラキシーとなるなどの緊急時には、どの教職員でも初期対 応が行えるとともに、その後の応援体制の確保が必要となります。また、症状のレベルに応じた 適切な対応も重要であります。 そこで、本章では、緊急時における教職員の対応方法の流れを示すとともに、緊急事態発生に 備えた学校の体制づくりやアナフィラキシーショックが疑われる場合のエピペン®の使用方法等 について解説します。

4-1 緊急時対応の流れ

食物アレルギーの原因食物を誤食したり、アレルギー症状が現れたりした児童生徒等を発見 した、または、児童生徒等から通報を受けた教職員(学級担任等)は、次のとおり行動します。 【初期対応と応援体制の確保】 ① 誤食してから間もない場合は、口に入れたものを吐き出させたり口をすすがせたりします。 ② 原因食物に触れた皮膚や眼等の粘膜に症状が現れている時は、速やかに大量の流水で洗い流 し、目をこすらないにようにさせます。 ③ アレルギー症状を発症した児童生徒等を速やかに保健室等に連れて行きます。なお、本人の 症状によっては、その場で横にさせるなどして安静にし、経過を観察します。 ④ 校長、教頭、養護教諭、その他の教職員に連絡し応援を求めます。校長等は、本人の状態に 応じて、各教職員に役割を指示します。(P44~46 参照) ⑤ アレルギー症状を発症した児童生徒等の意識がある場合は、本人から、誤食をした食物、発 症した時間、症状の程度等について聞き取りを行います。意識がはっきりしない場合は、周り の児童生徒等から出来る限りの情報を聞き取ります。 ポイント ○ 食物アレルギー発症時の対応は、本人の症状が急激に悪化し、急速にアナ フィラキシーになることを想定して、迅速に行動することが重要です。 ○ 食物アレルギー発症時の対応については、危機意識をもち、校内でシミュレ ーションを行うなど発症時に備えた体制づくりが必要です。 ○ エピペン®を所持する児童生徒等が自分自身で注射できない場合は、教職 員が代わってエピペン®を注射し、その後、速やかに救急搬送を行います。

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40 【症状のレベルに応じた対応の実施】 次の段階として、教職員は、校長の指示に従い、症状のレベルに応じた対応を行うこととしま す。 ※ 幼稚園にあっては、校長の対応を園長が、教頭の対応を副園長が行います。また、養護教諭の対 応については、園長、副園長または保健担当が状況に応じてその役割を分担します。以下、この章 において同様に取り扱います。 エピペン®あり エピペン®なし 第 1 段階 ( 比 較 的 軽 い ア レ ル ギー症状) ※対応者 校長・教頭 養護教諭 学級担任 学年主任 等 口や目の周りのじんましんやかゆみ、腫れ等アレルギー症状としては軽症といえ ます。経過中に症状が速やかに消失する場合は、急いで医療機関を受診しないで済 むこともあります。 ① 症状が進行する可能性もあるため、最低1時間は保健室等で休養させ経過観察 を行います。その際、発症した児童生徒等を一人にしないことや症状が完全に消 失するまで観察を続けるなど慎重な対応をすることが必要です。 ② 必要に応じて主治医や学校医に連絡し指示を受ける。誤食時に主治医から内 服するよう指示されている薬(抗ヒスタミン薬やステロイド薬)がある場合は内服さ せます。 ③ 学級担任は保護者に食物アレルギーの発症について連絡し、必要に応じて学校 へ来ていただきます。 ④ 症状が軽快した場合も、学級担任は帰宅前に保護者に症状や経過について必 ず連絡し、一人で帰宅させません。 ⑤ エピペン®があれば準備します。 第 2 段階 ( や や 強 い ア レ ル ギ ー症状) ※対応者 校長・教頭 養護教諭 学級担任 学年主任 等 じんましんが胸部や腹部、手足等広範囲にみられ、それに伴いかゆみが強くなっ たり咳が出てきたりします。同時に腹痛、複数回の嘔吐や下痢等の症状がみられた ら、アナフィラキシーショックに備えた対応を実施します。 ① 養護教諭は児童生徒等をショック体位(足を頭より高くした状態)で寝かせ、呼吸 や心拍、血圧等のバイタルサインをチェックし経過を観察します。 ② 「アレルギー緊急時個別対応票(様 式 4)」の段階に応じて、エピペン® 使用します。 ② 主治医や学校医に相談し、指示を受け ます。 ③ 学級担任は医療機関の受診について保護者に連絡をするとともに、校長等は必 要に応じて救急車の要請を指示します。 第 3 段階 ( 強 い ア レ ル ギ ー 症 状) ※対応者 校長・教頭 養護教諭 学級担任 学年主任 等 この段階は、呼吸困難や強い腹痛、繰り返す嘔吐等激しい症状がみられ、咳がひ どく、全身状態も悪化するなどアナフィラキシーショック、または、それに近い状態で あると判断されるので、すぐに救急車を要請します。 ① エピペン®を使用するとともに、すぐ に救急車を要請します。 ② すぐに救急車を要請します。 ② 養護教諭は児童生徒等をショック体位(足を 頭より高くした状態)で寝かせ、息苦しさを訴え た場合は、座らせてバイタルサインをチェックし ます。 ※15~30 ㎝足を高くして寝かせる

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41 【緊急時対応の一連の流れ】※初期対応~症状のレベルに応じた対応 〈症状のレベルによる対応〉 第1段階(重症度1) 第2段階(重症度2) 第3段階(重症度3) 皮膚症状 部分的なじんましん・赤み 軽度のかゆみ 全身性のじんましん 強いかゆみ 粘膜症状 口唇・まぶたの腫れ のどのかゆみ・違和感 顔全体の腫れ 飲み込みづらい のどや胸が強く締め付けられ る、声がかすれる 消化器症状 軽い腹痛(がまんできる) 吐き気、単回の嘔吐、下痢 明らかな腹痛 複数回の嘔吐、下痢 持続する強い(がまんできな い)腹痛 繰り返し吐き続ける 呼吸器 鼻水、鼻づまり くしゃみ、 弱く連続しない咳 時々繰り返す咳 咳き込み 聴診器で聞こえる弱い喘鳴 持続する強い咳き込み 犬が吠えるような咳 ゼーゼーする呼吸 息がしにくい 唇や爪が青白い 全身症状 やや元気がない 明らかに元気がない 横になりたがる ぐったりしている 意識がもうろうとしている 尿や便をもらす 脈が触れにくい・不規則 対 応 処置と連絡 安静にさせ、経過観察 (同左) 必要に応じて心肺蘇生 対応人員確保、保護者連絡 (同左) (同左) 内 服 薬 ○(医師の指示に基づき内服) エピペン® △(エピペン®を準備) ○(エピペン®使用を考慮) ◎(速やかにエピペン®投与) 医療機関受診 △(主治医、学校医へ連絡) ○(必要に応じて救急車) ◎(救急車) 発 見 者 原因食物が皮膚に付いたとき 洗い流す(触った手で眼をこすらない) 眼の症状(かゆみ・充血・むくみなど) 洗眼後、抗アレルギー薬、ステロイド薬があれば 点眼する。 原因食物を口に入れたとき 口から出させたり、吐かせたりして口をすすぐ。 発見者(学級担任など)が保健室等に連れて行く。 必要な場合は、養護教諭が現場に行き、応急処置を行う(発症した児童生徒を一人にしない)。 初期対応 応援体制の確保 校長・教頭 ・職員への指示 教職員 ・児童生徒の管理 養護教諭 ①応急処置を行い、経過記録を記入 ・児童生徒の状態の観察と対応 ・症状の確認(出現時刻・具体的な症 状等) ②「食物アレルギー対応プラン(様式 5)、 「健康管理カード」の確認 学級担任 ・保護者への連絡

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42 【救急車の要請と要請後の動き】 救急車(119 番)を要請するときは、次の項目について連絡するとともに、 救急車が来るまでの応急処置についての指示を受けます。 119番 「救急です。」 「食物アレルギーによるアナフィラキシー患者の搬送依 頼です。」 いつ ○時○分(食後○分後) どこで ○○小学校(幼稚園・中学校) だれが ○歳(男子・女子)園児・児童・生徒 どうしたか ○○を摂取(原因食物がはっきりしている場合) どのような状態であるか アナフィラキシーの状態 エピペン®使用の有無 エピペン®使用の有無と時刻 通報者の氏名 ○○学校△△です。 また、救急車の要請後は、それぞれ次のとおり対応を行います。 ① 校長は、発症した児童生徒等が一人にならないよう、教職員を配置します。 ② 養護教諭は、救急車が到着するまでは引き続き応急処置を行うとともに、必要に応じて他の 教職員と連携し、心肺蘇生を実施します。 ③ 校長は、救急車の誘導を指示するとともに、救急隊員を現場へ誘導する教職員を配置します。 ④ 救急車到着後、校長、教頭または養護教諭は、「アレルギー緊急時個別対応票(様式 4)」の コピーを救急隊員に渡し、当該児童生徒等の状態の説明や応急処置の内容について説明します。 ⑤ 学級担任は、救急搬送する医療機関が決まったら、保護者に医療機関名を連絡します。 ⑥ 救急搬送する児童生徒等の「アレルギー緊急時個別対応票」のコピーを持参し、学級担任等 の事情が分かる教職員が救急車に同乗し、医療機関への受診に付き添います。 【緊急時の記録】 学校や宿泊施設等で児童生徒等にアレルギー症状が発症した場合、校長は、教職員に対し、そ の症状、経過及び対応方法等の詳細な記録を「アレルギー緊急時個別対応票」に記載するよう指 示します。また、その後、本人が医療機関を受診する際には、診断する医師(救急搬送の場合は、 救急隊員)にそのコピーを渡します。 なお、「アレルギー緊急時個別対応票」は、エピペン®を所持していない児童生徒等の場合も、 緊急時の対応記録として使用しますので、いつでもすぐに活用できるよう白紙のものを事前に準 備しておきます。 「アレルギー緊急時個別対応票」の記載方法は、次ページのとおりです。

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43 ※ エピペン®を所持している児童生徒等の場合、「アレルギー緊急時個別対応票」の医師記入欄 への記載が必要になるので、学校では、保護者に「学校生活管理指導表(様式 3)」を渡す際 に、併せて、白紙の「アレルギー緊急時個別対応票」を渡し、主治医への記載を依頼します。 また、児童生徒等がエピペン®を所持していない場合は、保護者へ食物アレルギーへの対応策 を説明する際に、その場で「アレルギー緊急時個別対応票」の保護者記入欄への記載をしても らいます。 【軽度のアレルギー症状だけで重症化しない場合】 アレルギーが発症した児童生徒等が、軽度の症状が見られるだけで重症化しない場合もありま す。この場合は、保健室や職員室などで養護教諭等が応急処置や経過観察を行い、「アレルギー (様式4) 摂 取 ・ 接 触 状 況 12時 45分 頃 何を 卵 どのくらい 一口 症 状 13時 00分 頃 ※初めて症状を確認した時刻を記入する 処 置 ・ 連 絡 内服  事前の指示の内服薬使用 ( 13時 10分 ) 連絡確認  保護者への連絡 (13時 27分 ) エピペン®  エピペン®の使用 (13時 23分 ) 連絡確認  救急車の要請 (13時 24分 ) 備 考 富山市立○○○小学校 主な症状と経過及び対応方法 ※ 該当する症状の□欄(軽・中等・重症)に☑する 余白に時間も記録する。 <初期処置> ・ 口の中のものを取り除く ・ うがいをする ・ 触れた部分を水で洗い流す ・ 助けを呼ぶ(誰か必ず側にいる) ・ 事前の指示がある場合は内服 ・ 保護者に連絡 <軽症> ・ エピペン®を用意しておく <重症> 1項目でもあればエピペン®を使用 □ 口や目の周りのじんましんやかゆみ  唇や目のまわりの腫れ □ 繰り返し吐き続ける  持続する強い(我慢できない)おなかの痛み □ のどや胸が強く締め付けられる □ 声がかすれる □ 犬が吠えるような咳 □ 持続する強い咳込み □ ゼーゼーする呼吸 □ 息がしにくい □ 唇や爪が青白い □ 脈がふれにくい・不規則  意識がもうろうとしている  ぐったりしている □ 尿や便をもらす ・ 事前の指示がある場合は内服 <中等症> 〔保護者記入欄〕 〔医師記入欄〕 記入日 平成 25 年 3 月 3日 名前 富山 太郎 生年月日 平成14年 10月 1日 緊急時連絡先(氏名、勤務先、TEL 等) ① 富山 太一 富山市役所 443-2136 ② 富山 ○子 富山小学校 443-2017 原因物質 鶏卵、牛乳、小麦 内服薬の処方  あり □ なし  原因物質を摂取・接触したとき □ 症状が出現したとき 医療機関 富山病院 小児科 医 師 名 ○○ ○○ 〔学校記入欄〕 25年 4月 4日発症 ・ 仰向けに寝かせ、足を持ち上げる (息苦しい時は、座らせてもよい) ※重症時はできるだけ移動させない (背負うなど頭を高くした状態での移動は避ける) ※エピペン®を使うかどうか迷った時は使用する ・ 救急車要請 119 内 服 す る タイミング □ 胸、腹、手足のじんましんやかゆみ □ 軽い咳や鼻水  軽い腹痛 ■アレルギー緊急時個別対応票(富山市) <エピペン®の使い方> 1 片手でしっかり握り、反対の 手で安全キャップを外す 2 太ももの前外側に垂直に強く 押し付け、数秒間待つ 3 エピペンを抜き取り、注射し たところを数秒間揉む (ファイザー株式会社の HP より) 小・中学校用 安全 キャップ 13:00 13:05 13:00 13:15 13:22 13:24 エピペン®を所 持していない 場合は、保護 者または主治 医に確認し、 養護教諭が記 入することも可 行った対応に ○をし、余白 に、その時間を 記録する。 該当する症状に チェック(✔)を入 れ、その時間を 記録する。 緊急時に、こ の欄以降を学 校で記録す る。(手書き) 記載例

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44 緊急時個別対応票」へ対応経過等を記録するとともに、バイタルサインを観察しながら「食物ア レルギー対応経過記録(様式 12)」への記入も行います。 【事後の対応】 食物アレルギーの事故が発生したときは、校長または教頭は、救急搬送の有無にかかわらず、速 やかに、事故の発生を教育委員会学校教育課(TEL:443-2210)へ電話報告します。その後、一連 の緊急対応が終了した後、次のとおり事後対応を行います。 ① 養護教諭は、「アレルギー緊急時個別対応票(様式 4)」を参考に、「食物アレルギー対応経 過記録」を作成し、対応経過等を校長または教頭へ報告します。 ② 教頭は、「事故略報(様式 13)」を作成し、それに「食物アレルギー対応経過記録」を添付し て、学校教育課へ提出します。 ③ 教育委員会は、学校に対し、今後の児童生徒等やその保護者、または、他の児童生徒等への 対応に関して、必要な指示・助言を行います。 ④ 学校では、事故発生の経過と対応について職員会議等で共通理解を図り、再発の防止と適切 な対応の実施を徹底します。 ⑤ 学校給食を起因とする食物アレルギーにかかる治療費については、日本スポーツ振興センタ ー災害共済給付の対象となるので、そのことを保護者に説明し、請求するかどうかの確認を行 います。ただし、医療保険各法に基づく療養に要した費用額が 5,000 円以上(自己負担額 1,500 円以上)の場合が対象です。

4-2 緊急時に備えた体制づくり

【緊急時における教職員の役割分担】 緊急時に教職員が適切に対応を行うためには、日頃からの研修会の実施が必要不可欠です。 また、アナフィラキシー発生時の対応について、次の表を参考に役割分担を決め、緊急時に備 えてシミュレートしておくことが重要です。 役割分担(例①) 主な役割 主な役割 発見者 現場で初期対応、応援要請 保健室へ搬送 教職員A 現場で応援(AED、エピペン®、内服薬等 の準備) 校 長 (教 頭) 教職員への対応の指示 教職員B 現場で「アレルギー緊急時個別対応票 (様式 4)」の記録 養護教諭 (学級担任) 応急処置と経過観察 主治医(学校医)への連絡 教職員C 周囲の児童生徒等の管理 学級担任 (学年主任等) 本人及びクラスの状況確認 保護者へ連絡、救急車に同乗 教職員D 救急車の要請及び誘導 ※( )は、主担当者が不在の場合に担当する者

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保健室

(養護教諭) ○応急処置 ○保健室へ搬送 ○症状の観察 ○「食物アレルギー対応プラン」に基づき対応 (症状に応じて、内服、エピペン®使用など) ○主治医(学校医)への連絡 ※近くにいる教 職員や児童生 徒に連絡を指示 児童生徒 の異変 【アナフィラキシー発生時の対応体制図(小学校・中学校)】 ※ 児童生徒の症状、校内の教職員の執務状況等により内容を変更 児童生徒本人がエピペン®を使用できないときは、速やかに教職員が代わって注射します。

職員室

指示 ①初期対応 ②連絡・応援要請 救急車(119)

保護者

学級担任

発見者

保護者への連絡事項 ・症状の程度 ・エピペン®投与の有無 ・搬送先 ・搬送先に来られるかどうかの確認 など 報告 本人からの訴え 周囲からの連絡など

校長

教頭

指示 報告

教職員A

教職員B

教職員C

教職員D

報告 エピペン®等準備 要請・誘導 「アレルギー緊急時個別対応票」の記録 周囲の児童生徒の管理 ③ 現 場 へ 応 援 電話 ③現場へ応援 本人及びクラスの状況確認 (必要に応じ状況確認)

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46 職員室 ○応急処置 ○症状の観察 ○「食物アレルギー対応プラン」に基づ き対応(症状に応じて、内服、エピペ ン®使用など) ※近くにいる教職員や園 児に連絡を指示 園児の異変 【アナフィラキシー発生時の対応体制図(幼稚園)】 ※ 園児の症状、園内の教職員の執務状況等により内容を変更 園児本人がエピペン®を使用できないときは、速やかに教職員が代わって注射します。 指示 ①初期対応 ②連絡・応援要請 救急車(119)

保護者

発見者

保護者への連絡事項 ・症状の程度 ・エピペン®投与の有無 ・搬送先 ・搬送先に来られるかどうかの確認 など 本人からの訴え 周囲からの連絡など

副園長

学級担任

用務員

報告 周囲の園児の管理 要請・誘導 「アレルギー緊急時個別対応票」の記録 ③ 現 場 へ 応 援 電話 ③現場へ応援 本人及びクラスの状況確認、エピペン®等準備

園 長

保健担当

主治医(園医)

電話

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4-3 エピペン

®

の使用について

【エピペン®とは】 エピペン®はアナフィラキシーを起こす危険性が高く、万一の場合に直ちに医療機関での治療が 受けられない状況下にいる者に対し事前に医師が処方する自己注射薬です。 医療機関での救急蘇生に用いられるアドレナリンという成分が充填されており、患者自らが注 射できるように作られています。エピペン®は医療機関外での一時的な緊急補助治療薬ですから、 万一、エピペン®が必要な状態になり、使用した後は、速やかに医療機関を受診しなければなりま せん。 【副作用】 副作用としては、効果の裏返しとしての血圧上昇や心拍数増加に伴う症状(動悸、頭痛、振戦、 高血圧)がありえます。動脈硬化や高血圧が進行している高齢者等では脳血管障害や心筋梗塞等の 副作用も起こりえますが、一般的に副作用は軽微であると言われています。 【エピペン®の保管場所について】 児童生徒等がアナフィラキシーに陥った時にエピペン®を迅速に注射するためには、児童生徒等 本人が携帯、管理することが基本です。しかし、それができない状況下にあり 、学校での対応を 必要とする場合は、利便性や安全性、危険性等を勘案したうえで、学校での保管(預かり)を検 討します。 【保管上の留意点】 ① エピペン®の成分であるアドレナリンは光により分解されやすいため、携帯用ケースに収めら れた状態で保管し、使用するまでは取り出さないようにします。 ② 15℃~30℃で保存することが望ましいので、冷所(冷蔵庫)、または、日光のあたる高温下 等に放置しないよう注意が必要です。 利 便 性 安 全 性 危 険 性 万が一のアナフィラキシー症状 発現時に備えて、エピペン®はすぐ に取り出せるところに保管します。 学校で保管する場合はもちろん のこと、本人が保管する場合は、 事前にエピペン®がどこに保管され ているかを教職員全員が共通理 解しておく必要があります。 保健室等、児童生徒等の出入 りの多い場所で管理する場合は、 児童生徒等の手が容易に届くとこ ろで管理することは避けます。 本人が教室内のランドセルの中 等で管理する場合も、ほかの児童 生徒等がエピペン®に触れないよう に注意します。 学校で保管した場合、学校への 登下校時にすぐにエピペン®を注射 できない可能性があります。 学校での保管によりエピペン® 破損等が発生した場合、学校の 過失等がなければ責任を負えな いことについて、保護者の理解を 求める必要があります。

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48 【エピペン®の使用について】 エピペン®は、本人もしくは保護者が自己注射する目的で作られたもので、自己注射の方法や投 与のタイミングは医師から処方される際に指導を受けています。エピペン®を所持している児童 生徒等がいる場合は、「アレルギー緊急時個別対応票(様式 4)」の提出を依頼するととも に、医師からの指導内容について、確認をしておく必要があります。 また、投与のタイミングとしては、日本小児アレルギー学会が一般向けのエピペン®の適応に ついて次のとおり定めています。エピペン®が処方されている児童生徒等が誤食した場合、また は、誤食が疑われる場合で次の症状が見られたときは、速やかにエピペン®注射が必要です。 <一般向けのエピペン®の適応> 消化器症状 繰り返し吐き続ける、持続する強い(がまんできない)おなかの痛み 呼吸器症状 のどや胸が強く締め付けられる、声がかすれる、犬が吠えるような咳 持続する強い咳き込み、ゼーゼーする呼吸、息がしにくい 全身症状 唇や爪が青白い、脈がふれにくい・不規則 意識がもうろうとしている、ぐったりしている、尿や便をもらす 出典 日本小児アレルギー学会 【エピペン®の使用手順と留意点】 万が一、児童生徒等が学校においてアナフィラキシーショックを発症した場合で、意識の低下 等により児童生徒等自身でエピペン®を注射することが出来ないときは、速やかに教職員が代わっ てエピペン®を注射することが必要です。このことから、学校では、教職員全員が参加する研修会 等を開催し、事前にエピペン®の使用方法について確認を行います。 次ページにおいて、エピペン®の使用手順と留意点を解説します。 エピペン®が処方されている患者でアナフィラキシーショックを疑う場合、 下記の症状が一つでもあれば使用すべきである。

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49 Step1 準備 携帯用ケースのカバーキャップを指で押し開け、エピペン®を取り出します。オレンジ色のニードル カバーを下に向けて、エピペン®のまん中を片手でしっかりと握り、もう片方の手で青色の安全キャッ プを外し、ロックを解除します。 Step2 注射 エピペン®を太ももの前外側に垂直になるようにし、オレンジ色のニードルカバーの先端を「カチッ」 と音がするまで強く押し付けます。太ももに押し付けたまま数秒間待ちます。エピペン®を太ももから 抜き取ります。 Step3 確認 注射後、オレンジ色のニードルカバーが伸びているかどうかを確認します。 ニードルカバーが伸び ていれば注射は完了です(針はニードルカバー内にあります)。 出典:ファイザー株式会社ホームページの資料を一部改変 90° ○ 青色の安全キャップをかぶせた状態では、バネが固定され ており、注射針が不用意に飛び出さないようになっています。 使用時まで青色の安全キャップは取り外さないでください。 ○ 安全キャップを外した後は、誤注射を防ぐため取り扱いに 十分注意してください。 ○ 絶対に指または手などをオレンジ色のニードルカバーの先 端に当てないように注意してください。 ○ 使用する前に注射器の窓から見える薬液が変色していない か、また沈殿物がないかを必ず確認してください。 ○ エピペン®の上下先端のどちらにも親指をかけないように握 ってください。 ○ 太ももの前外側以外には注射しないでください。 ○ 太ももにエピペン®を振りおろして注射しないでください。 ○ 注射の際は、本人が動かないように、複数人で上半身と下半 身を押さえてください。 ○ 緊急の場合には、衣服の上からでも注射できます。 ○ オレンジ色のニードルカバーが伸びていない場合は、注射は完 了していませんので、再度、STEP1~3を繰り返して注射してくだ さい。 ○ エピペン®の注射後は、 直ちに医師による診療を受けてくださ い。 ○ 使用済みのエピペン®は、ケースに入れ、受診した医療機関に 渡してください。 90° ※伸びた状態

参照

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