第2 聴覚・平衡・音声言語・そしゃく機能障害
障 害 程 度等 級表
級 別 聴 覚 障 害 平 衡 機 能 障 害 音 声 機 能 ・ 言 語 機 能 又 は そ し ゃ く 機 能 の 障 害 1 級 2 級 両 耳 の 聴 力 レ ベ ル が そ れ ぞ れ 1 0 0 デ シ ベ ル 以 上 の も の( 両 耳 全 ろ う ) 3 級 両 耳 の 聴 力 レ ベ ル が 9 0 デ シ ベ ル 以 上 の も の ( 耳 介 に 接 し な け れ ば 大 声 語 を 理 解 し 得 な い も の ) 平 衡 機 能 の 極 め て 著 し い 障 害 音 声 機 能 、 言 語 機 能 又 は そ し ゃ く 機 能 の そ う 失 4 級 1 両 耳 の 聴 力 レ ベ ル が 8 0 デ シ ベ ル 以 上 の も の ( 耳 介 に 接 し な け れ ば 話 声 語 を 理 解 し 得 な い も の ) 2 両 耳 に よ る 普 通 話 声 の 最 良 の 語 音 明 瞭 度 が 5 0 パ ー セ ン ト 以 下 の も の 音 声 機 能 、 言 語 機 能 又 は そ し ゃ く 機 能 の 著 し い 障 害 5 級 平 衡 機 能 の著 し い 障 害 6 級 1 両 耳 の 聴 力 レ ベ ル が 7 0 デ シ ベ ル 以 上 の も の ( 4 0 セ ン チ メ ー ト ル 以 上 の 距 離 で 発 声 さ れ た 会 話 語 を 理 解 し 得 な い も の ) 2 1 側 耳 の 聴 力 レ ベ ル が 9 0 デ シ ベ ル 以 上 、他 側 耳 の 聴 力 レ ベ ル が 5 0 デ シ ベ ル 以 上 の も の一 障 害程 度等 級 表 解 説
1 聴 覚 又 は 平 衡 機 能 の 障 害 ( 1 ) 聴 覚 障 害 ア 聴 力 測 定 に は 純 音 に よ る 方 法 と 言 語 に よ る 方 法 と が あ る が 、 聴 力 障 害 を 表 す に は オ ー ジ オ メ ー タ に よ る 方 法 を 主 体 と す る 。 イ 聴 力 測 定 は 、 補 聴 器 を 装 着 し な い 状 態 で 行 う 。 ウ 検 査 は 防 音 室 で 行 う こ と を 原 則 と す る 。 エ 純 音 オ ー ジ オ メ ー タ 検 査 (ア) 純 音 オ ー ジ オ メ ー タ は J I S 規 格 を 用 い る 。 (イ) 聴 力 レ ベ ル は 会 話 音 域 の 平 均 聴 力 レ ベ ル と し 、周 波 数 500、1000、2000 ヘ ル ツ の 純 音 に 対 す る 聴 力 レ ベ ル( d B 値 )を そ れ ぞ れ a 、b 、c と し た 場 合 、 次 の 算 式 に よ り 算 定 し た 数 値 と す る 。 a + 2 b + c 4 周 波 数 500、1000、2000 ヘ ル ツ の 純 音 の う ち 、い ず れ か 1 又 は 2 に お い て 、 100d B の 音 が 聴 取 で き な い 場 合 は 当 該 部 分 の d B を 105d B と し 、 上 記 算 式 を 計 上 し 、 聴 力 レ ベ ル を 算 定 す る 。 な お 、 前 述 の 検 査 方 法 に て 短 期 間 中 に 数 回 聴 力 測 定 を 行 っ た 場 合 は 、 最 小 の 聴 力 レ ベ ル ( d B 値 ) を も っ て 被 検 査 者 の 聴 力 レ ベ ル と す る 。 オ 語 音 に よ る 検 査 (ア) 語 音 明 瞭 度 の 検 査 語 は 、 次 に 定 め る 語 集 に よ る 。 検 査 に 当 た っ て は 、 通 常 の 会 話 音 の 強 さ で マ イ ク 又 は 録 音 機 に よ り 発 声 し 、そ の 音 量 を 適 度 に 調 節 し 、 被 検 査 者 に 最 も 適 し た 状 態 で 行 う 。 検 査 語 は そ の 配 列 を 適 宜 変 更 し な が ら 2 乃 至 3 秒 に 1 語 の 割 合 で 発 声 し 、 そ れ を 被 検 査 者 に 書 き と ら せ 、 そ の 結 果 、 正 答 し た 語 数 を 検 査 語 の 総 数 で 除 し て 、 求 め ら れ た 値 を 普 通 話 声 の 最 良 の 語 音 明 瞭 度 と す る 。 ス ピ ー チ オ ー ジ オ グ ラ ム を 使 用 す る 場 合 、 そ こ で 描 か れ た 語 音 明 瞭 度 曲 線 か ら 得 ら れ る そ の 最 高 明 瞭 度 を 以 っ て 、 語 音 明 瞭 度 の 結 果 と す る 。 語 音 明 瞭 度 検 査 語 集 イ シ タ オ ノ マ ナ カ ト テ ニ ク コ ワ デ ガ ス キ サ ウ ラ モ ル ア ツ リ ダ ヨ チ ハ ミ レ エ ソ ヤ ネ ド ケ セ ロ パ ジ メ ヒ フ ム ゴ ホ ユ ズ (イ) 聴 取 距 離 測 定 の 検 査 語 は 良 聴 単 語 を 用 い る 。 大 声 又 は 話 声 に て 発 声 し 、 遠 方 よ り 次 第 に 接 近 し 、正 し く 聴 こ え た 距 離 を そ の 被 検 査 者 の 聴 取 距 離 と す る 。 (ウ) 両 検 査 と も 詐 病 に は 十 分 注 意 す べ き で あ る 。( 2 ) 平 衡 機 能 障 害 ア 「 平 衡 機 能 の 極 め て 著 し い 障 害 」( 3 級 )と は 、四 肢 体 幹 に 器 質 的 異 常 が な く 、 他 覚 的 に 平 衡 機 能 障 害 を 認 め 、 閉 眼 に て 起 立 不 能 、 又 は 開 眼 で 直 線 を 歩 行 中 10 m 以 内 に 転 倒 若 し く は 著 し く よ ろ め い て 歩 行 を 中 断 せ ざ る を 得 な い も の を い う 。 イ 「 平 衡 機 能 の 著 し い 障 害 」( 5 級 )と は 、閉 眼 で 直 線 を 歩 行 中 10m 以 内 に 転 倒 又 は 著 し く よ ろ め い て 歩 行 を 中 断 せ ざ る を 得 な い も の を い う 。 ウ 平 衡 機 能 障 害 の 具 体 的 な 例 は 次 の と お り で あ る 。 a 末 梢 迷 路 性 平 衡 失 調 b 後 迷 路 性 及 び 小 脳 性 平 衡 失 調 c 外 傷 又 は 薬 物 に よ る 平 衡 失 調 d 中 枢 性 平 衡 失 調 2 音 声 機 能 、 言 語 機 能 又 は そ し ゃ く 機 能 の 障 害 ( 1 )「 音 声 機 能 又 は 言 語 機 能 の 喪 失 」( 3 級 ) と は 、 音 声 を 全 く 発 す る こ と が で き な い か 、 発 声 し て も 言 語 機 能 を 喪 失 し た も の を い う 。 な お 、 こ の 「 喪 失 」 に は 、 先 天 性 の も の も 含 ま れ る 。 具 体 的 な 例 は 次 の と お り で あ る 。 ア 音 声 機 能 喪 失 - 無 喉 頭 、 喉 頭 部 外 傷 に よ る 喪 失 、 発 声 筋 麻 痺 に よ る 音 声 機 能 の 喪 失 イ 言 語 機 能 喪 失 - 乳 幼 児 期 に 発 生 し た 高 度 難 聴 に と も な い 言 語 機 能 を 獲 得 で き な か っ た も の 、 失 語 症 ( 2 )「 音 声 機 能 又 は 言 語 機 能 の 著 し い 障 害 」( 4 級 ) と は 、 音 声 又 は 言 語 機 能 の 障 害 の た め 、 音 声 、 言 語 の み を 用 い て 意 思 を 疎 通 す る こ と が 困 難 な も の を い う 。 具 体 的 な 例 は 次 の と お り で あ る 。 ア 喉 頭 の 障 害 又 は 形 態 異 常 に よ る も の イ 構 音 器 官 の 障 害 又 は 形 態 異 常 に よ る も の ( 唇 顎 口 蓋 裂 の 後 遺 症 に よ る も の を 含 む 。) ウ 中 枢 性 疾 患 に よ る も の ( 3 )「 そ し ゃ く 機 能 の 喪 失( 注 1 )」( 3 級 )と は 、経 管 栄 養 以 外 に 方 法 の な い そ し ゃ く 、 嚥 下 障 害 を い う 。 具 体 的 な 例 は 、 次 の と お り で あ る 。 ア 重 症 筋 無 力 症 等 の 神 経 ・ 筋 疾 患 に よ る も の イ 延 髄 機 能 障 害( 仮 性 球 麻 痺 、血 管 障 害 を 含 む 。)及 び 末 梢 神 経 障 害 に よ る も の ウ 外 傷 、 腫 瘍 切 除 等 に よ る 顎 ( 顎 関 節 を 含 む 。)、 口 腔 ( 舌 、 口 唇 、 口 蓋 、 頬 、 そ し ゃ く 筋 等 )、 咽 頭 、 喉 頭 の 欠 損 等 に よ る も の ( 4 )「 そ し ゃ く 機 能 の 著 し い 障 害( 注 2 )」( 4 級 )と は 、著 し い そ し ゃ く・嚥 下 機 能 又 は 咬 合 異 常 に よ る そ し ゃ く 機 能 の 著 し い 障 害 を い う 。 具 体 的 な 例 は 、 次 の と お り で あ る 。 ア 重 症 筋 無 力 症 等 の 神 経 ・ 筋 疾 患 に よ る も の イ 延 髄 機 能 障 害( 仮 性 球 麻 痺 、血 管 障 害 を 含 む 。)及 び 末 梢 神 経 障 害 に よ る も の
ウ 外 傷 ・腫 瘍 切 除 等 に よ る 顎( 顎 関 節 を 含 む 。)口 腔( 舌 、口 唇 、口 蓋 、頬 、そ し ゃ く 筋 等 )、 咽 頭 、 喉 頭 の 欠 損 等 に よ る も の エ 口 唇 ・ 口 蓋 裂 等 の 先 天 異 常 の 後 遺 症 に よ る 咬 合 異 常 に よ る も の ( 注 1 ) 「 そ し ゃ く 機 能 の 喪 失 ( 3 級 ) と 判 断 す る 状 態 に つ い て 」 そ し ゃ く ・ 嚥 下 機 能 の 低 下 に 起 因 し て 、 経 口 的 に 食 物 等 を 摂 取 す る こ と が で き な い た め 、 経 管 栄 養 ( 口 腔 、 鼻 腔 、 胃 瘻 よ り 胃 内 に 管 ( チ ュ ー ブ ) を 挿 入 し て 流 動 食 を 注 入 し て 栄 養 を 補 給 す る 方 法 ) 以 外 に 方 法 が な い 状 態 を い う 。 ( 注 2 ) 「 そ し ゃ く 機 能 の 著 し い 障 害 ( 4 級 ) と 判 断 す る 状 態 に つ い て 」 「 そ し ゃ く ・ 嚥 下 機 能 の 低 下 に 起 因 し て 、 経 口 摂 取 の み で は 十 分 な 栄 養 摂 取 が で き な い た め に 、経 管 栄 養( 口 腔 、鼻 腔 、胃 瘻 よ り 胃 内 に 管( チ ュ ー ブ ) を 挿 入 し て 流 動 食 を 注 入 し て 栄 養 を 補 給 す る 方 法 ) の 併 用 が 必 要 あ る い は 摂 取 で き る 食 物 の 内 容 、 摂 取 方 法 に 著 し い 制 限 が あ る ( * ) 状 態 」 又 は 「 口 唇 ・ 口 蓋 裂 等 の 先 天 異 常 の 後 遺 症 」 に よ る 著 し い 咬 合 異 常 が あ る た め 、 歯 科 矯 正 治 療 等 を 必 要 と す る 状 態 」 を い う 。 ( * ) 「 摂 取 で き る 食 物 の 内 容 、 摂 取 方 法 に 著 し い 制 限 が あ る 」 と 判 断 す る 状 態 に つ い て 開 口 不 能 の た め 流 動 食 以 外 は 摂 取 で き な い 状 態 又 は 誤 嚥 の 危 険 が 大 き い た め 、 摂 取 が 半 固 形 物 ( ゼ ラ チ ン ・ 寒 天 ・ 増 粘 剤 添 加 物 等 ) 等 、 極 度 に 限 ら れ る 状 態 を い う 。 3 そ し ゃ く 機 能 障 害 に 関 す る 歯 科 医 師 の 診 断 及 び 意 見 に つ い て 口 唇 ・ 口 蓋 裂 等 の 先 天 異 常 の 後 遺 症 に よ る そ し ゃ く 機 能 障 害 の あ る 者 に つ い て 、 医 師 が 身 体 障 害 者 福 祉 法 第 1 5 条 に 基 づ き 診 断 書 及 び 意 見 書 を 作 成 す る と き は 、 あ ら か じ め 都 道 府 県 知 事 の 指 定 す る 歯 科 医 師 の 診 断 書 ・ 意 見 書 ( 規 則 第 4 条 に 定 め る 別 記 第 1 5 号 様 式 ) の 提 出 を 求 め る も の と す る 。 申 請 手 続 き は 以 下 の と お り と す る 。 身 体 障 害 者 手 帳 申 請 手 続 き 歯 科 医 師 法 15 条 指 定 医 師 申 請 者 ↓ 申 請 ( 1 、 2 を 添 付 ) 区 市 の 福 祉 事 務 所 町 村 の 福 祉 課 受 診 診 断 書 ・ 意 見 書 1 法 15 条 診 断 書・意 見 書 2 受 診 1 を 提 出
4 そ の 他 の 留 意 事 項 ( 1 ) 乳 幼 児 の 聴 力 測 定 に つ い て 原 則 と し て 聴 能 訓 練 を 行 い な が ら 聴 力 測 定 が 可 能 と な る 時 期 を 待 っ て 判 定 を 行 う こ と と す る 。 た だ し 、 幼 児 の 年 齢 に 応 じ た 聴 力 測 定 ( A B R , C O R 等 ) が 行 え る 場 合 、 医 学 的 に 判 断 し う る 限 度 に お い て そ の 障 害 程 度 の 認 定 を 行 う こ と と す る 。 な お 、1 歳 未 満 の 乳 幼 児 に つ い て は 、新 生 児 聴 覚 ス ク リ ー ニ ン グ 検 査 等 に よ り 、 難 聴 が 疑 わ れ 精 密 な 聴 力 検 査 が 必 要 と さ れ た 場 合 、 A B R 、 A S S R 、 B O A な ど 各 種 の 聴 力 検 査 、 聴 性 行 動 反 応 検 査 及 び 観 察 も 十 分 に 行 い 、 総 合 的 に 判 定 す る 必 要 が あ る 。 ( 2 ) 聴 覚 障 害 「 2 級 」 の 診 断 を す る 場 合 の 取 扱 い に つ い て 聴 覚 障 害 の 手 帳 を 所 持 し て い な い 者 に 対 し て 、 聴 覚 障 害 「 2 級 」 の 診 断 を す る 場 合 に は 、 聴 性 脳 幹 反 応 検 査 ( A B R ) 等 の 他 覚 的 聴 覚 検 査 又 は そ れ に 相 当 す る 検 査 ( 遅 延 側 音 検 査 、 ロ ン バ ー ル テ ス ト 、 ス テ ン ゲ ル テ ス ト 等 ) を 実 施 し 、 そ の 結 果 ( 実 施 し た 検 査 方 法 及 び 検 査 所 見 ) を 記 載 し 、 記 録 デ ー タ の コ ピ ー 等 を 添 付 す る こ と 。 ま た 、 過 去 に 聴 覚 障 害 の 手 帳 の 取 得 歴 が あ る が 、 検 査 時 に 所 持 し て い な い 場 合 も 同 様 に 取 扱 う こ と と す る 。 ( 3 ) 人 工 内 耳 埋 め 込 み 術 を 行 っ た 場 合 に つ い て 人 工 内 耳 埋 め 込 み 術 を 行 っ た 場 合 は 、 訓 練 す る こ と に よ り 、 声 や 周 囲 の 音 を 識 別 で き る よ う に な る 場 合 が 多 い が 、 術 前 の 状 態 で 障 害 の 認 定 を 行 う こ と と す る 。 ( 4 ) 平 衡 機 能 障 害 と 肢 体 不 自 由 ( 下 肢 ・ 体 幹 ) と の 重 複 認 定 に つ い て 障 害 の 原 因 が 同 一 疾 患 の 場 合 、 重 複 認 定 は 行 わ な い こ と と す る 。 具 体 的 な 例 は 次 の と お り で あ る 。 当 初 に 「 脊 髄 小 脳 変 性 症 に よ る 平 衡 機 能 障 害 5 級 」 を 認 定 さ れ て い た 者 が 、 障 害 程 度 が 重 度 化 し た た め 「 脊 髄 小 脳 変 性 症 に よ る 体 幹 機 能 障 害 3 級 」 と し て 障 害 程 度 の 更 新 申 請 が あ っ た 場 合 、 い ず れ も 脊 髄 小 脳 変 性 症 に よ る 運 動 失 調 で あ る こ と か ら 、「 体 幹 機 能 障 害 3 級 」を 認 定 し て「 平 衡 機 能 障 害 5 級 」は 障 害 名 か ら 削 除 す る こ と と す る 。 ( 5 ) 意 思 疎 通 困 難 の 程 度 に つ い て 音 声 又 は 言 語 の 障 害 の 基 準 は 、 意 思 を 疎 通 す る こ と が 困 難 な 度 合 に よ る が 、 具 体 的 に は 以 下 の 程 度 を も っ て 判 断 す る こ と と す る 。 ア 「 喪 失 」 と は 、 発 声 は あ る が 、 ほ と ん ど 肉 親 と の 会 話 の 用 を な さ な い 場 合 、 又 は 「 手 話 」、「 筆 談 」 等 で し か 意 思 の 疎 通 が 図 れ な い 場 合 を 言 う 。 イ 「 著 し い 障 害 」 と は 、 肉 親 と の 会 話 は 可 能 で あ る が 、 他 人 に は 通 じ な い 場 合 を 言 う 。 ウ 日 常 の 会 話 が 可 能 で あ れ ば 、 不 明 瞭 で 不 便 が あ る 場 合 で も 、 障 害 と は 認 め ら れ な い 。 ( 6 ) 聴 覚 障 害 と 音 声 又 は 言 語 機 能 の 障 害 が 重 複 す る 場 合 の 障 害 程 度 等 級 に つ い て 聴 覚 障 害 と 音 声 又 は 言 語 機 能 の 障 害 は 別 個 の 障 害 で あ る の で 、 重 複 障 害 と し て
認 定 す る こ と と す る 。 し た が っ て 、 例 え ば 、 先 天 的 な 原 因 に よ り 聴 覚 障 害 2 級 ( 両 耳 100d B 以 上 ) 及 び 言 語 機 能 障 害 3 級 ( 音 声 言 語 を も っ て は 意 思 を 通 ず る こ と が で き な い ) に 該 当 す る 場 合 は 、 指 数 加 算 に よ り 1 級 と な る 。 ( 7 ) 認 知 症 に よ り 発 声 ・ 言 語 が 困 難 な 者 の 障 害 認 定 に つ い て ア ル ツ ハ イ マ ー 症 等 認 知 症 に よ り 、 発 声 ・ 言 語 機 能 の 器 質 的 障 害 が な い に も か か わ ら ず 発 声 ・ 言 語 が 困 難 な 者 は 、 音 声 言 語 機 能 障 害 者 と し て は 認 定 を 行 わ な い こ と と す る 。 ( 8 ) 気 管 切 開 を 行 っ た 者 の 音 声 ・ 言 語 機 能 の 障 害 認 定 に つ い て 単 に 気 管 切 開 し 、 発 声 が 不 能 と な っ て い る こ と の み を も っ て は 、 音 声 ・ 言 語 機 能 障 害 と し て 認 定 す る こ と は で き な い 。 具 体 的 な 例 は 次 の と お り で あ る 。 ・ 事 故 に よ り 肺 活 量 が 低 下 し 、 気 管 切 開 し 将 来 と も 閉 鎖 で き な い と 認 め ら れ る 者 、 あ る い は 疾 病 に よ り 気 管 切 開 し カ ニ ュ ー レ 挿 入 中 の 者 に つ い て は 、 構 音 器 官 の 障 害 ま た は 形 態 異 常 が 認 め ら れ ず 、 ま た 、 中 枢 性 疾 病 に よ る も の で も な い た め 、 音 声 ・ 言 語 機 能 障 害 と し て 認 定 す る こ と は で き な い 。 た だ し 、 ・ 筋 萎 縮 性 側 索 硬 化 症 あ る い は 進 行 性 筋 ジ ス ト ロ フ ィ ー 等 の 疾 病 に よ り 気 管 切 開 し 、 人 工 呼 吸 器 を 装 着 し て 発 声 不 能 と な っ て い る 者 で 、 呼 吸 筋 が 完 全 に 麻 痺 し て い る 者 は 、 喉 頭 筋 麻 痺 の 有 無 に か か わ ら ず 、 発 声 の 基 礎 に な る 呼 気 の 発 生 が で き な い た め 、 喉 頭 は 無 機 能 に 等 し い と 考 え ら れ る 。 し た が っ て 、 音 声 ・ 言 語 機 能 障 害 と し て 認 定 す る こ と が で き る 。 ( 9 ) 口 唇 ・ 口 蓋 裂 等 の 乳 幼 児 の 音 声 ・ 言 語 機 能 障 害 に つ い て 口 唇 ・ 口 蓋 裂 等 の 乳 幼 児 ( 0 歳 ~ 3 歳 児 ) に 対 す る 音 声 ・ 言 語 機 能 障 害 の 認 定 に つ い て は 、 育 成 医 療 に よ る 手 術 を 先 行 さ せ る べ き で あ り 、 こ の 手 術 後 の 状 態 で 認 定 す る こ と と な る 。 た だ し 、 通 常 3 歳 時 に 行 わ れ る 手 術 的 治 療 を 行 わ な い 事 情 が あ れ ば こ の 限 り で は な い 。 ( 1 0 ) そ し ゃ く 機 能 障 害 の 障 害 認 定 に つ い て 食 道 の 機 能 障 害 に 起 因 す る そ し ゃ く 、 嚥 下 機 能 の 障 害 は 、 そ し ゃ く 機 能 障 害 と し て 認 定 す る こ と は で き な い 。 た と え ば 、 食 道 閉 鎖 症 に よ り 、 食 道 再 建 術 ・ 噴 門 形 成 術 を 行 い 、 現 在 経 管 栄 養 を 行 っ て い な い が 、 誤 嚥 に よ る 肺 炎 を 頻 繁 に 併 発 し て お り 、 嚥 下 不 能 と 考 え ら れ る も の で も 、 食 道 の 機 能 障 害 で あ る こ と か ら 、 そ し ゃ く 、 嚥 下 機 能 障 害 と し て 認 定 す る こ と は で き な い 。
第15号様式(第4条関係) 診断書・意見書(唇顎がく口蓋がい裂等の後遺症によるそしゃく機能障害用) 氏 名 年 月 日生 男 ・ 女 住 所 現 症 原因疾患名 治療経過 今後必要とする治療内容 (1) 歯科矯正治療の要否 (2) 口腔くう外科的手術の要否 (3) 治療完了までの見込み 向後 年 月 現症をもとに上記のとおり申し述べる。併せて以下の意見を付す。 障害の程度は、身体障害者福祉法別表に掲げる障害に ・該当する ・該当しない 年 月 日 病院又は診療所の 名 称 及 び 所 在 地 標榜診療科名 歯 科 医 師 名 印 (日本工業規格A列4番)
一 発育によりその障害程度に変化が生じることが予想されるとき ・ 医師の意見を踏まえて再認定対象者に該当するかどうか判定する。 ・ ただし、3歳未満で認定するものは「先天的な四肢欠損、形成不全」以外、原則として全て再認 定対象者とする。 ・ 具体的な例は、次のとおりである。 疾患・症例 留意事項 ・先天性難聴 ・言語の獲得が始まる1歳前後から補聴器を着用させるため3歳未満 の申請が増加している。(ABR、CORによる検査) ・純音での通常の聴力検査がオージオメーターにより可能となる年 齢、時点で、再認定のための診査を行うこととする。 二 進行性の病変による障害を有するとき 進行性の病変による障害を有するときは、障害程度の重度化が予想されるため、障害更新申請 の手続きによることとし、原則として、再認定のための診査を義務づけることはしない。 三 更生医療によりその障害程度に変化が生じることが予想されるとき ・ 更生医療の適用により障害程度の軽減が予想されることが身体障害者診断書で明らかなものは、 再認定対象者とする。 ・ 具体的な例は次のとおりである。なお、ゴシック表示のものは、本基準での再認定対象者とはし ないこととする。 障害種目 更生医療の内容 留意事項 1 聴覚 ・鼓室形成術 ・鼓膜穿孔閉鎖術 ・人工内耳 人工内耳は、術前の聴力レベルで認定するので、再認定対象者 とはしない。 2 音声言語そしゃく ・言語療法 ・歯科矯正(口唇・口蓋裂等の 先天異常の後遺症によるも の) そしゃく機能障害(口唇・口蓋裂等の先天異常の後遺症により 歯科矯正を必要とするもの)の再認定のための診査の期日は、概 ね歯科矯正の一応の成果が見られる3年後とする。
「再認定」対象とする際の疾患・症例一覧 (聴覚・平衡・音声・言語・そしゃく)
四 その他、障害程度に変化が生じると予想されるとき ・ 医師の意見を踏まえて再認定対象者に該当するかどうか判定する。 ・ 具体的な例は次のとおりとする。 疾患、症例 留意事項 脳血管障害で6か月未満(3 ~4か月)のケース ・脳血管障害の認定は概ね6か月以降とするとされているが、3~ 4か月でも症状固定とみなされる場合もある。 ・現状維持を目的とするリハビリテーションの段階で再認定を行う こととして、再認定のための診査期日は概ね1年後とする。 機能低下の要因として、身体 障害と併せて知的障害、認知 症等などがある場合 ・当該障害の認定に必要な検査を十分に行うことができず、医学的 根拠に基づき推定できる限度において障害認定を行うことがある。 ・症状の変化により、検査が可能になることも想定される場合、そ の時点で再認定のための診査を行うこととする。