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よる HIV 感染率は 0.3% であり 針刺し切創後 1 ~2 時間以内に抗 HIV 薬 (AZT+3TC+IDV の3 者併用療法 ) の投与を開始することで 感染の危険性を 5 分の 1 以下に下げられることが報告されており エイズ治療拠点病院では発症予防薬を常備している しかし これらの発症

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DIABETES TODAY

2011年5月

Vol.

12

こ れ か ら の 糖 尿 病 治 療

コラム

糖尿病治療と針刺し切創 ―

満田 年宏

先生

(公立大学法人横浜市立大学附属病院 感染制御部 部長 准教授)

座談会

糖尿病治療現場と針刺し損傷 ―

満田 年宏

先生

(公立大学法人横浜市立大学附属病院 感染制御部 部長 准教授)

渥美 義仁

先生

(東京都済生会中央病院糖尿病臨床研究センター 所長)

黒須 一見

先生

((財)東京都保健医療公社荏原病院感染管理担当 看護師長)

Interview

高齢者糖尿病におけるインスリン療法 ―

鈴木 進

先生

(太田西ノ内病院副院長、糖尿病センター長)

小児糖尿病におけるインスリン療法 ―

川村 智行

先生

(大阪市立大学大学院 医学研究科 臨床医科学専攻 生殖発達医学大講座 発達小児医学分野 講師)

BD からのお知らせ

インスリン治療啓発サイト「かしこく、インスリン。」オープン

1

-糖尿病治療と針刺し切創

ペン型注入器用注射針による

針刺し切創

インスリン注射を劇的に簡便にしたペン型注入器 の登場以来、インスリン注射はシリンジからペン型 注入器へ急速に移行してきた。現在ではインスリン 注射による治療の95%以上は、ペン型注入器を使 用して実施されていると推定される。これに伴い医 療従事者が糖尿病を持つ入院患者にインスリン注射 をする際にも、ペン型注入器が使用される機会が激 増している。 厚生労働省科学研究班が実施した患者の実態調査 によると、入院患者に占める糖尿病患者の割合は 16%であり、一定規模以上の医療機関においては 糖尿病合併症等による治療目的を含めてほぼ常時糖 尿病患者が入院している。ペン型注入器と注射針は 使用後注入器から針をはずすステップがある特殊な 医療機器である。厚生労働省発出の院内感染防止に 関する留意事項でも、「リキャップ禁止」は針刺し 切創を防止する上で最も重要な施策の一つであると 記されているにも関わらず、古典的なペン型注入器 用注射針を取りはずす際には“針ケース”を再度針 にかぶせる「リキャップ」というステップが存在し ている。(図1)(図2)

医療施設における院内感染の

防止について

最新の針刺し切創の実態の報告としては、2010 年4月に職業感染制御研究会がまとめた報告書があ る(http://jrgoicp.umin.ac.jp)。これによると2004 ~ 2008年度のインスリンペン型注入器用注射針に よる針刺し切創の割合は、針刺し切創全体の6.1% であった。またこの段階では薬剤充填注射器につい ては安全機構付きの診療器材が国内には存在してお らず、インスリン注射は手技的な予防策(work practice control)に頼らざるを得ない状況であると 報告している。 2010年10月の糖尿病教育看護学会で日本ベクト ン・ディッキンソン社が同社共催のイブニングセミ ナーへの出席者対象に実施したアンケート調査によ ると、ペン型注入器用注射針による針刺し切創の原 因の約半数(45%)がリキャップ時に発生している との結果が出ている。(図3)

針刺し切創による感染

針刺し切創時には、HBV・HCV・HIVなどの血液 媒介ウイルス感染症が問題となる。HBVの針刺し切 創による感染率は6%~ 30%とされ、この感染率 の変動幅は受傷者の体内に侵入した汚染血の量分、 キャリアー体内でのウイルスの状態(ウイルスのコ ピー数や保因者の血清学的な状態)によって生ず る。キャリアー血液がHBe抗原陽性の場合は感染 率が高く、60%以上とも報告されている。B型肝炎 については事前にHBワクチンを接種することで抗 体を獲得し感染のリスクを低減することが可能であ る。一部HBワクチン接種者にはprimary vaccine failure、すなわちワクチンで免疫が得られない場合 もあるので、HBワクチン接種完了後には適切な時 期に抗体価を確認しておく必要がある。針刺し切創 発生時に抗体を未獲得の場合には、48時間以内(24 時間以内が望ましい)に高力価抗HBsヒト免疫グロ ブリン(HBIG)1,000単位の投与(HBe抗原陽性の 時にはHBワクチン接種も併用)を受けることで発 症を予防できる場合がある。 C型肝炎は「21世紀の国民病」としてようやく厚 生労働省が対策に力を入れ始めた。日本のC型肝炎 ウイルス感染者は100 ~ 200万人といわれており、 そのうち半数は自分の感染に気づいていないといわ れている。年間4万5千人に上る肝硬変や肝癌での 死亡者のうち、7割以上はC型肝炎感染者であり、 感染の早期発見の重要性が指摘されている。針刺し 切創による感染率は最近の報告では1.8%とされて いる。抗体を獲得するためのワクチンはまだ開発さ れていない。また針刺し切創発生後のC型肝炎発症 予防のためのインターフェロン等による化学予防法 についても、今後さらなる検証が必要である。 平成21年12月31日までの本邦でのHIV感染者及 びAIDS患者の累計は、HIV 感染者11,573 名、AIDS 患者5,330 名と報告されている。平成21年1月1日 から平成21年12月31日までの1年では、新規HIV 感染者は1,021件で過去3位、新規AIDS発症患者は 431件で過去最高と同数、合計は1,452件で過去3 位(一日あたり約4.0件)であった。針刺し切創に 監修:

満田 年宏

先生

(公立大学法人横浜市立大学附属病院 感染制御部・部長 准教授) 図2  医政指発第0201004 号平成17年2月1日 厚生労働省医政 局指導課長 「医療施設における院内感染の防止について」 図1  ペン型注入器用注射針を注入器から取り外すために 針ケースをリキャップしている図 『注射針の使用の際、針刺しによる医療従事者等へ の感染を防止するため、使用済みの注射針に再び キャップするいわゆる「リキャップ」を原則として 禁止し、注射針専用の廃棄容器等を適切に配置す るとともに、診療の状況等必要に応じて、針刺し の防止に配慮した安全機能付きの診療器材の活用 を検討するなど、医療従事者等を対象とした適切 な感染予防対策を講じること。』

コラム

針ケース リキャップが うまく出来な かった 45% 使用後の針が そのまま放置 されていた 44% その他 11% 2010 年 糖尿病教育看護学会 針刺しを経験、または危険を感じた事がある方 その時はどのような状況でしたか? 回答数 314 (うち看護師 294) イブニングセミナーでのアンケート調査 図3  糖尿病教育看護学会イブニングセミナーでのアンケート調 査結果

(2)

-

2-日本ではペン型注入器を用いたインスリン療法が主流を占め、病院 で医療従事者が使用する機会も増えています。ペン型注入器は自己注 射を簡便に実施することを前提に製品開発されたことから、使用後そ のまま廃棄できず、ペンから針を取り外す必要があります。そのため 医療従事者、特に看護師における針刺し損傷が多く発生し、問題とな っています。最近、日本で初めて針刺し損傷防止機構付きのペン型注 入器用注射針が薬事承認されました。この機会に糖尿病診療や感染制 御に取り組む3名の先生方にお集まりいただき、それぞれのお立場か ら針刺し損傷の現状と今後のあり方などについてお話を伺いました。

糖尿病治療現場と針刺し損傷

よるHIV感染率は0.3%であり、針刺し切創後、1 ~2時間以内に抗HIV薬(AZT+3TC+IDVの3者併 用療法)の投与を開始することで、感染の危険性を 5分の1以下に下げられることが報告されており、 エイズ治療拠点病院では発症予防薬を常備してい る。しかし、これらの発症予防薬は副作用が多く、 妊娠初期の胎児への安全性なども確立していないた め、曝露時に感染の危険度に応じて予防服用するか どうか迅速に判断しなければならない。さらに抗 HIV薬の副作用のため、途中で服薬を断念するケー スも多く報告されている。

針刺し切創発生時にかかる費用

病院によって検査項目や頻度が異なるためコスト も異なるが、針刺し切創が発生後に、曝露を受け被 災者となった医療従事者の血液検査や、その後のフ ォローアップ(追跡)検査にかかるコストは、1件 あたり5万円~ 10万円程度(多いところでは20万 円近く)を要する(表1)。 HCV感染血液への針刺し切創後にインターフェ ロンを投与した場合、投与頻度や投与量にもよるが 連続投与した場合3 ヶ月で200万~ 800万円程度の 費用がかかるといわれている。公務災害や労災など で認定された場合は、医療上必要な治療は保険給付 の対象となる。米国では、針刺し切創による感染の 責任が病院側の管理体制にあるとした訴訟事例が多 く、日本でも1999年3月「針刺し切創でHCVに感 染したのは病院側が十分な指導をしなかったから だ」として病院を経営する医療法人を相手取り総額 3,000万円の損害賠償を求めた訴訟が起こされた。 大阪地裁は病院側に2,740万円の支払いを命じる判 決を言い渡したが、病院側が控訴し、結局2000年 4月大阪高裁にて和解が成立している。(日本医事 新報2000年2月5日No.3954,57-61「医学・医療に おける安全衛生」より)

安全機構付きの診療器材による

針刺し切創の防止

1996 ~ 1999年度(3年間)の厚生科学研究費補 助金エイズ対策研究事業におけるエイズ拠点病院針 刺し・切創調査では、3年間でエイズ拠点病院延べ 608施設から15,119件(解析可能データは11,798 件)の針刺し切創データを集積し分析されたが、そ の中である病院では、針刺し切創防止機構のついた 鋭利器材(安全機構付きの診療器材)の導入によっ て、針刺し切創が1/10に減少していたと報告され ている。また、この報告の要旨には、「日本の医療 現場でも、リキャップせずに廃棄できるシステムと 防御装置の付いた器材を導入することが緊急の課題 と思われた」と明記されている。ペン型注入器用注 射針の安全機構付きの診療器材は日本では未導入だ が、海外では既に実績がある。フランスの病院での 調査では、ペン型注入器用注射針に安全機構付きの 製品を導入したことにより、針刺し切創がゼロにな った報告がある。(図4)

おわりに

ペン型注入器用注射針による針刺し切創は今まで 決め手となる解決策がなく、医療現場で恒常的に存 在する頭の痛い問題であった。2011年3月4日に、 日本で初めての安全機構付きのペン型注入器用注射 針の薬事承認がおりた。これによりペン型注入器用 注射針による針刺し切創を大幅に削減されることが 期待される。病院内での院内感染防止に関する教育 に加え、是非こうした安全機構付きの診療器材を利 用し、より安全な労働環境を確保して欲しい。 感染制御専門医

満田 年宏

先生

糖尿病専門医

渥美 義仁

先生

東京都済生会中央病院糖尿病臨床研究センター所長 看護師

黒須 一見

先生

公立大学法人横浜市立大学附属病院 感染制御部 部長 准教授 (財)東京都保健医療公社荏原病院感染管理担当 看護師長 表1  針刺し切創損傷後の医療従事者のフォローアップ に要する費用 事故直後(初回) 計17,757円 初診 3,390円 救急医療管理加算 1,200円 検査 13,167円 再診(2~6回) 計79,550円 再診料 1,360×5= 6,800円 指導料 900×5= 4,500円 外来管理加算 483×5= 2,415円 検査 13,167×5=65,835円 事故1件発生後に要する 総費用 1件あたり計97,307円 浦野美恵子、矢野邦夫、他、県西部浜松医療センター医療従事者における 針刺し切創事故に関するサーベイランスとコスト試算。 環境感染,Vol.12 no.2, 1997より引用

座談会

写真左より

infection control and hospital epidemiology april 2010, vol. 31, no. 4

図4  安全機構付のペン型注入器用注射針による針刺し切創の 予防効果 BDインスリン用シリンジ—ペン型注入器用注射針の変遷 安全器材別針刺し損傷の発生率 安全器材のタイプ インスリン用ペン型 注入器用注射針 血糖測定用穿刺針 動脈用シリンジ プレフィルドシリンジ 真空採血用器材 穿孔針 注射針/シリンジ 静脈用カテーテル 翼状針 埋め込み型ポート用針 22,540 8,624518 624,946 4,342,861 2,248,630 45,156 184,207 1,801,107 4,176,912 62,003 0 2 7 55 48 1 5 68 257 10 0.00 0.02 1.12 1.27 2.13 2.21 2.71 3.78 6.15 16.13 購入した安全 器材数量 報告された 針刺し損傷の 件数 購入した安全 器材 10 万個 当たりの針刺し 損傷の件数

(3)

DIABETES TODAY Vol.12

3

-—針刺し損傷という問題の深刻さ、また

予防の重要性について教えてください。

糖尿病患者の看護は年々増加しており、糖尿 病ケアにおける針刺し損傷予防は、以前にも 増して重要。 満田 医療従 事者は患者さ んの病気を治 すことに集中 す る あ ま り、 自分自身の安 全や感染予防 は疎かになり が ち で す が、 日常業務の中 では必ずとい っていいほど 何らかの鋭利 器材を扱っています。また糖尿病や合併症による糖 尿病入院患者は年々増加し、こうした患者さんをケ アする機会も増えていることから、糖尿病ケアに関 連した感染予防対策は従来にも増して必要となって きています。感染予防対策は、1つには作業手順や 方法論的な部分でリスクを回避する「ワークプラク ティスコントロール」があります。ただこの場合、 手順や方法を知らなければ自分で動いてリスクを防 ぐことはできません。一方、診療器材に予防的な安 全機構を付与することでリスクを回避する「エンジ ニアリングコントロール」(工学的管理)は、意識 しないでも安全が担保されるというメリットがあり ます。針刺し損傷を防ぐには後者のような安全対策 も必要で、かつ最大限の効果をもたらしてくれると 考えています。 渥美 針刺し損傷が起きた場合、実際に感染するか どうかという問題と本人の不安が大きいですね。そ の意味では、安全器材なども可能な限り導入する必 要があると思います。一方、経営という観点からは コストの問題が出てきます。感染チェックやフォロ ーアップなど、針刺しが起きた場合のコストを計算 して、それでも対策を行うメリットがあるか。さら に社会がそれをどう受け止めるか。その辺りは冷静 に判断すべきだと考えています。 黒須 医療従事者は患者さんの身を守ることも大切 ですが、自分たちの身を守り安全に働くことも重要 です。血糖測定やインスリン注射は採血と比べると 直接血液に触れにくいという考えから怖いという認 識が低い人もいるようです。しかしアクセスの回数 が多いという点でリスクは非常に高く、また糖尿病 ケアは複雑化し看護度も重くなっています。正しい 知識を身につけて正しく器材を使うということをし なかった場合、自分たちがどれだけリスクを負うか ということは、きちんと教育していく必要があると 日々感じています。

—実際に針を刺してしまった場合、感染

のリスクはどれぐらいあるのでしょうか?

HIVよりもHBVやHCVのリスクの方がはるか に感染リスクが高いことを再認識することが 大切。 満田 感染リスクが最も高いのはB型肝炎ウイルス (HBV)で30%、C型肝炎ウイルス(HCV)は従来3 %とされていましたが最近は2%という報告が多 く、HIVは0.3%です。(表1)。HIVよりHBVやHCV のリスクの方がはるかに高いことはあまり認識され ていないようですが、日本の場合、ウイルス性肝炎 は国民病的な側面があり、医療従事者にとって大き な脅威だといえるでしょう。

—針刺し損傷が発生すると、病院やスタ

ッフにとってどのような損失や負担がある

のでしょうか?

針刺し損傷が発生すると当事者の精神的なシ ョックが大きいことを忘れてはいけない。 満田 最も大きいのは当事者の心的要因ですね。非 常にショックを受けます。また職務を中断すること になるので、人的損失も大きい。さらに感染制御の 専門家から事務スタッフまで、病院のすべてのリソ ースを集約的に投じる必要が生じます。本人にとっ ては、人生で経験したことのないようなドラマチッ クな展開が数日間のイベントとして起こってくるこ とになります。その後1年ほどマーカーを調べるわ けですが、そこまでに検査や外来受診などのコスト が投下されますし、もし感染していれば10年単位 で数百万円、一生では数千万円単位の損失が生じま す(表2)。公務災害や労働災害には公的な医療費 補助が下りますが、結局は国全体の負担につながる わけですから、一定の予防策を講じて防げるのであ れば、それは是非やるべきだと思います。 針刺し損傷が発生すると当事者以外のスタッフや 患者さんにも負担がかかります。 黒須 看護師の場合、針刺しを「不可抗力だった」 とみなすより、「自分の不注意でやってしまった」 と考え、自分を責めてしまう人が多いですね。たと えすぐ報告してきちんとした手続きを取っても、ス タッフに負担がかかったり、患者さんの採血が必要 になったりと、様々な人が負担を強いられることに なります。ミスを責められるのではないかと報告せ ず、却って大変な状況を招いてしまったというケー スもありました。自分が使った器材で別の人が針刺 しをする場合もあり、そうなると精神的な苦痛はも っと大きいと思います。 渥美 刺してしまった当人、スタッフ、患者さん と、いろいろな局面で負担が増大するということが ありますね。今の医療現場はやらなければいけない ことが非常に多く、インスリン注射に習熟していな いスタッフもいるので、発生の機会をできるだけ減 らすための努力をしていく必要があると思います。

—インスリン注射が必要な入院患者は増

えているのでしょうか?

渥美 日本の糖尿病患者は今や1,000万人といわ れ、高齢者も多いので、そういう方が入院して濃厚 な治療を受ける機会は増えています。日本では約 100万人がインスリン療法を受けていますが、最近 は経口薬とインスリンを併用することも多く、病院 でインスリン注射を行う場面は増えていると思いま す。入院患者に対しては一人ひとりにペン型注入器 を処方し、原則として本人に注射してもらっていま すが、外科的な処置を受けていて管理できないなど の場合には医療サイドが管理することになります。 こうした状況は療養型病院や在宅も同様ですが、在 宅の場合、きちんとトレーニングを受けていないス タッフが注射を行っている可能性があります。家族 は注射できることになっていますが、トレーニング や予防接種などの点で、医療従事者以上にリスクは 高くなると考えられます。 黒須 内科では高齢者で白内障かつインスリン療法 が必要という患者さんが非常に多く、そういう方が 入院する病棟でもインスリンが使われています。ま た、外科手術を受ける方でインスリンを使っている 人もいます。さらに、空床があれば外科病棟でも内 科患者を受け入れるなど、様々な疾病の患者さんが 様々な病棟に入院しているという実態があり、ほと んどの病棟でインスリン注射を行っているのが現状 です。基本的には自己注射になりますが、高齢にな ると手先がおぼつかなかったり、家族が打っていた りするので、医療従事者が管理することも出てきま す。 満田 イギリスの国営病院ではインスリン療法を行 うためのトレーニングコースがあり、受講しないと ケアに関与できず、年1回更新が必要です。しかし 日本では各病院に任されているのが現状です。高齢 社会を迎え、医療も多様化している現在、急性期医 療の担い手である基幹病院だけでなく、医療を提供 しているすべての場において安全を考慮し、対策を 講じていく必要があると思いますね。

—ペン型注入器用注射針による針刺し損

傷は増えているのでしょうか?

満田 全国で1年間に約1,900万回看護師が入院患 者にインスリン注射を行っており、10万回につき 35.1回の割合で針刺し損傷が起こっていると推測さ れます(表3)。翼状針では12.4回、留置針では9.4 ~ 16回ですから、インスリン注射の方がはるかに リスクが高いことがわかります。翼状針や留置針の 方が消費量が圧倒的に多いため、これらに隠れて今 までクローズアップされてきませんでしたが、デー タを時系列で並べると、翼状針や留置針の針刺し損 傷は減っているのに、インスリン注射針による針刺 し損傷は右肩上がりで増えています(図1)。今後 はこの右肩上がりの勢いを下げる、ゼロに近づける 努力をしてい く必要があり ます。 他の鋭利器 材と比べてイ ンスリン注射 針による針刺 しの発生頻度 は高く、ここ 数年で増加し ています。 黒須 翼状針

1 回の針刺し損傷による感染リスク

曝露源の患者血液が HIV・HCV・HBV 陽性だった 場合、1 回の針刺し損傷で感染するリスクは…

CDC MMWR Recommendations and Reports June 29, 2001 / 50(RR11);1-42

Human Immunodeficiency Virus: ヒト免疫不全ウイルス Hepatitis C Virus:C 型肝炎ウイルス Hepatitis B Virus:B 型肝炎ウイルス

HIV

0.3%

HCV

1.8%

HBV

6-30%

針刺し損傷の見えない損失とコスト

入院患者に看護師がインスリン注射

をしている注射回数推測(全国)

入院患者に看護師がインスリン注射を

したときの針刺し損傷の割合の推測(全国)

針刺し損傷発生により、検査・治療・ワクチン などの費用の他に様々な損失とコストが発生する。 1. 労働時間損失  (被災者だけでなく、管理者、事務なども) 2. 人的資源の損失 3. 医療サービスの質低下 4. 患者の安全性の低下 5. 職場環境の悪さ→早期離職 6. 病院の社会的責任(コンプライアンス) 7. 安全配慮義務、事業主責任 全国で、1 年間に約 1,900 万回看護師が入院患者に インスリン注射をしていると推測される。 ●糖尿病を持つ入院患者数(1 日あたり) ̶228,700 人 (MHLW 患者調査) ●うちインスリン注射をしている患者数 ̶75,471 人 (患者の約 3 割) ●上記患者のインスリン注射回数総数(1 年あたり) ̶6,300 万回 (1日平均 2.3 回、365 日) ●そのうち看護師が注射をする回数総数(1 年あたり) ̶1,900 万回 (総数の約 30%) ●全国の針刺し損傷総数(1 年あたり) ̶6,675 件 (Epinet データから推測) ●全国の入院患者に看護師がインスリン注射をする注 射回数総数̶1,900 万回 ●上記から、入院患者に看護師がインスリン注射をし 表2 針刺し損傷の見えない損失とコスト

1 回の針刺し損傷による感染リスク

曝露源の患者血液が HIV・HCV・HBV 陽性だった 場合、1 回の針刺し損傷で感染するリスクは…

CDC MMWR Recommendations and Reports June 29, 2001 / 50(RR11);1-42

Human Immunodeficiency Virus: ヒト免疫不全ウイルス Hepatitis C Virus:C 型肝炎ウイルス Hepatitis B Virus:B 型肝炎ウイルス

HIV

0.3%

HCV

1.8%

HBV

6-30%

針刺し損傷の見えない損失とコスト

入院患者に看護師がインスリン注射

をしている注射回数推測(全国)

入院患者に看護師がインスリン注射を

したときの針刺し損傷の割合の推測(全国)

針刺し損傷発生により、検査・治療・ワクチン などの費用の他に様々な損失とコストが発生する。 1. 労働時間損失  (被災者だけでなく、管理者、事務なども) 2. 人的資源の損失 3. 医療サービスの質低下 4. 患者の安全性の低下 5. 職場環境の悪さ→早期離職 6. 病院の社会的責任(コンプライアンス) 7. 安全配慮義務、事業主責任 全国で、1 年間に約 1,900 万回看護師が入院患者に インスリン注射をしていると推測される。

35.1/100,000 本

●糖尿病を持つ入院患者数(1 日あたり) ̶228,700 人 (MHLW 患者調査) ●うちインスリン注射をしている患者数 ̶75,471 人 (患者の約 3 割) ●上記患者のインスリン注射回数総数(1 年あたり) ̶6,300 万回 (1日平均 2.3 回、365 日) ●そのうち看護師が注射をする回数総数(1 年あたり) ̶1,900 万回 (総数の約 30%) ●全国の針刺し損傷総数(1 年あたり) ̶6,675 件 (Epinet データから推測) ●全国の入院患者に看護師がインスリン注射をする注 射回数総数̶1,900 万回 ●上記から、入院患者に看護師がインスリン注射をし たときの針刺し損傷の割合は、 と推測される。 表1 1回の針刺し損傷による感染リスク

(4)

DIABETES TODAY Vol.12

-

4-や留置針を使う頻度は高く、以前は針刺し損傷も多 かったのですが、安全器材の導入や教育によりここ 数年でかなり減ってきています。逆にインスリン注 射針による針刺しは減っていない、もしくは増えて いるということは、現場でも感じています。

—針刺し損傷はどのような場面で起きて

いるのでしょうか?

リキャップ時や使用済みの針の取り扱い時に 針刺しが多い。 黒須 リキャップした際に針が突き出ていて刺して しまったり、あとは使用後の針の取り扱いですね。 別の用事をしようと針を付けたままカバーしておい たら、次の看護師が知らずに開けて針刺しをした事 例、患者さんが床に針を落としたのに気づかず、清 掃の際に作業員が拾い上げて針刺しをした事例、患 者さんが使用済みの針を白いビニール袋に入れて持 ってきたのを、看護師が不用意に受け取り刺してし まった事例などがあります。また看護師は工夫する ことが得意で、代用品をあれこれ試したりするので すが、それもやはり危険につながりかねないといえ ます。 満田 ニードルリムーバーもありますが、指を刺し かねない構造だったり、機能障害のある人向けの自 助具的なものだったりで、適切に針刺しを防ぐ製品 はないに等しいですね。また針刺し防止に市販の吸 盤なども使われていますが、吸盤が汚染されるので 患者さん毎に使い捨てにすべきところ、徹底できて いない施設が多いと思います。針とペン型注入器の 接合の構造には改良と規格化が必要で、そこに安全 機構も備わって初めて、扱いやすく人に優しい針と いえるのではないでしょうか。

—糖尿病患者はウイルス性肝炎のリスク

が高いのでしょうか?

満田 透析導入の原疾患の推移をみると、糖尿病性 腎症は1983年には15.6%だったのが、2007年には 43.4%まで増えており、圧倒的な透析導入の原因に なっています。また、これらの患者におけるHCV 抗体陽性率は10.29%で、一般の人よりはるかに高 い割合でC型肝炎に感染しています(透析会誌 42 (1): 1-45, 2009)。さらに、透析期間が長くなれば なるほど陽性率は高くなる傾向にあり、10年、15 年と維持透析をしている人はよりハイリスクな HCVキャリアになりうると考えられます。これら を総合すると、やはり糖尿病ケアを受けている患者 さんは肝炎ウイルスを保因するリスクが非常に高い といえるでしょう。B型肝炎はワクチン政策が功を 奏し、患者数はかなり減っています。ただ、維持透 析に入ってしまうとワクチンの抗体がつきにくいた め、透析導入が必要なことが予見できる段階で予防 接種を行うことが望ましく、これは糖尿病専門医 と、急性期医療の腎臓専門医と、慢性維持透析を長 期管理する医師とが、三位一体となって取り組んで いかないと改善できない問題だと考えています。い ずれにしても、糖尿病患者は標準よりも高いウイル ス性肝炎のリスクがあると考えて、すべての病棟で 適正な安全対策を行う必要があります。

—最近、日本で初めて針刺し損傷防止機

構付きペン型注入器用注射針の薬事承認が

下りました。こうした製品は針刺し防止に

有効でしょうか?

渥美 感染防止や針刺し防止という面では、かなり 完成度が高いと思います。ただし注射手技にある程 度習熟していないと、打ち損ないやインスリンが注 入されていないといったことが起こる可能性はある と思います。 黒須 リキャップしなくていいこと、万一床に落と しても針が飛び出さないことをふまえると、感染防 止に有効だと思いますね。 満田 針刺しを回避する効果的な方法だと思いま す。また初めて使う場合は、トライアルキットで何 回か練習できるといいですね。安全は担保できてい るので、教育プログラムをきちんと組んで、適切に 運営できる施設が使うようにすればいいと思いま す。

—針刺し損傷をなくしていくために、今

後どのようなことが必要でしょうか?

黒須 安全器材が導入されるのは喜ばしいことです が、まずは正しいトレーニングや教育が重要だと思 います。翼状針や留置針も安全器材が導入されまし たが、正しい方法で使わなかったなどが原因で、今 度はその安全器材による針刺し損傷が起こっていま す。必ず全職員が器材に触れて、きちんとトレーニ ングしてから使うことが大切です。またコストの問 題があるので、患者さんは従来の針、医療従事者は 新しい針を使うということが導入時には起こると思 われますが、かつて血糖測定器で同様の状況になっ た際、様々な器材があるために医療従事者が混乱し てしまうということがありました。やはりすべての 人が同じ器材を使えることが望ましいですね。 渥美 日本ではDPC方式を導入している病院が多 く、安全機構付きの針は病院の持ち出しになりま す。そこを担保する仕組みを作らないと、コストの 面でバランスに欠けるということはあると思いま す。 満田 安全機 構付きの留置 針を病院で使 った場合は保 険請求できま すが、導入も ほぼ進んだの で、その点数 をペン型注入 器用注射針に 回して導入を 推進する、ということも検討されていいのではない でしょうか。量産化されて製造コストが下がれば、 より入手しやすい値段で使えます。また日本の場 合、職業感染の問題に取り組んでいるのは有識者に よる学術団体集団で、行政からは取り残されている のが現状です。しかし今後は、欧米のような法的規 制が日本でも必要だと考えています。

—最後に、今後あるべき姿についてお考

えをお聞かせください。

満田 リスクを取らないという考え方に基づけば、 安全機構が付くべき鋭利器材は可能な限り安全機構 付きのものに置換していく、ということが今後ある べき方向性だと感じています。糖尿病ケアは観血的 な処置が多く、透析ケアとならんで血液の関与が大 きい。患者さんも医療従事者もそのことをよく理解 して、治療に対峙していただきたいですね。採血に 関しては安全管理指針ができましたが、その糖尿病 ケア版ということで指針となるものが作られれば、 従いやすいのではないかと思います。糖尿病学会で も、是非大きな課題として検討していただければと 思います。 黒須 感染制御と糖尿病とそれぞれの関係者が協力 し合って、いいものを取り入れたりいい教育ツール を提示していくことが大切だと思います。共通して 一緒に何かをやっていく、というところが必要だと 考えています。 渥美 安全であることが望ましいのはもちろんです が、どこまでをリスクと取るか、また安全器材を導 入することの社会的な必然がどれぐらいあるか、コ スト配分や経営のことも考慮する必要があります。 そのためには、インスリン注射の針で実際にどれぐ らい感染を受けているかというデータも必要だと考 えています。とはいえ、1日数回・何十年にもわた って注射を打つという治療は他にはなく、その意味 で安全機構付きの針が出たことは非常にありがたい と思います。今後はそれを定着させるべく企業や学 会や医療従事者が努力し、それが患者さんや社会に おける認知度とうまく合わさって根付いていくこと が大切です。今回新しい製品が登場したことは、そ のためのいい機会になったととらえています。 4.0 2.0 0.0 注射針 翼状針 縫合針 静脈留置針 真空採血針 接続なし針 薬剤充填針 ランセット 血ガス針 刃、剃刀 28.2 28.7 28.0 21.2 16.0 11.9 10.511.8 14.7 7.0 3.9 3.9 1.61.13.7 4.66.8 2.34.62.61.91.8 1.7 2.0 2.2 2.0 2.72.2 7.57.8 96-99 00-03 04-08 96-99 n=14,517 00-03 n=11,981 04-08 n=13,329 図1 針刺し切創の原因器材 曝露源の患者血液が HIV・HCV・HBV 陽性だった 場合、1 回の針刺し損傷で感染するリスクは… June 29, 2001 / 50(RR11);1-42

Human Immunodeficiency Virus: ヒト免疫不全ウイルス Hepatitis C Virus:C 型肝炎ウイルス Hepatitis B Virus:B 型肝炎ウイルス

HIV

0.3%

HCV

1.8%

HBV

6-30%

入院患者に看護師がインスリン注射 をしている注射回数推測(全国) 入院患者に看護師がインスリン注射を したときの針刺し損傷の割合の推測(全国) 針刺し損傷発生により、検査・治療・ワクチン などの費用の他に様々な損失とコストが発生する。 1. 労働時間損失  (被災者だけでなく、管理者、事務なども) 2. 人的資源の損失 3. 医療サービスの質低下 4. 患者の安全性の低下 5. 職場環境の悪さ→早期離職 6. 病院の社会的責任(コンプライアンス) 7. 安全配慮義務、事業主責任 全国で、1 年間に約 1,900 万回看護師が入院患者に インスリン注射をしていると推測される。

35.1/100,000 本

●糖尿病を持つ入院患者数(1 日あたり) ̶228,700 人(MHLW 患者調査) ●うちインスリン注射をしている患者数 ̶75,471 人(患者の約 3 割) ●上記患者のインスリン注射回数総数(1 年あたり) ̶6,300 万回(1 日平均 2.3 回、365 日) ●そのうち看護師が注射をする回数総数(1 年あたり) ̶1,900 万回(総数の約 30%) ●全国の針刺し損傷総数(1 年あたり) ̶6,675 件(Epinet データから推測) ●全国の入院患者に看護師がインスリン注射をする注 射回数総数̶1,900 万回 ●上記から、入院患者に看護師がインスリン注射をし たときの針刺し損傷の割合は、 と推測される。 表3  入院患者に看護師がインスリン注射をしたときの 針刺し損傷の割合の推測(全国)

(5)

DIABETES TODAY Vol.12

5

-セーフティのパイオニアBDは医療従事者の皆様を針刺し損傷から守るために、針刺し損傷防止機構付

きのペン型注入器用注射針を6月に発売致します。

針刺し損傷防止機構付きペン型注入器用注射針

BDオートシールド

TM

1.5

セーフティのパイオニアBDから待望の新製品が登場!

空打ちをし、針先から 薬液が出ることを確認 する。 ※使用前には必ず添付文書及び取扱い説明書をお読み下さい。 針をペンから取外す。 耐貫通性廃棄容器へ廃 棄する。

空打ち

注射

廃棄

推奨される方法 腹部に、皮膚に対して90°で穿刺する。 5mmのラインまで一気に刺す。 穿刺後、親指で注入ボタンを押して薬 液を注入する。 穿刺前 穿刺時 注射後、針を抜くと金属 ストッパーが自動的に作 動し、針カバーがロック され、針が露出すること がありません。 針をペン型注入器から外す際、 リキャップが不要です。 廃棄の際にも安全です。 開封時から針 カバーで針が 覆われている ため安全です。 5mmのライ ンまで針カバ ーが到達する こ と に よ り、 針が5mm穿 刺されます。

2

1

3

6月発売

操作方法

抜針時に自動で安全機構が作動します

リキャップの必要がありません

針刺し損傷防止機構付ペン型注入器用注射針

BD オートシールド

TM

1.5

カタログ番号:329305 統一コード:555410125 包装:200本入/箱 管理医療機器 医薬品・ワクチン注入用針 単回使用 医療機器承認番号:22300BZX00136000 販売名:BD オートシールド 本品はJIS A型 注射針に対応する注入器とともにご使用下さい。

(6)

-

6-高齢化が進む現在、糖尿病患者に占める高齢者の割合は増えており、高齢者糖尿病をいかに適切 に管理するかは重要な課題となっています。長年にわたり高齢者糖尿病の診療に携わってきた鈴木 進先生に、療養指導のポイントやインスリン療法における注意点などについて、お話を伺いまし た。 昭和51年4月 いわき市立磐城共立病院内科 初期研修医 昭和53年4月 東北大学医学部付属病院 医員 昭和54年7月 自治医科大学内分泌代謝科 後期研修医 昭和56年1月 東北大学医学部付属病院 医員 昭和61年4月 アメリカ合衆国バージニア大学 Post-doctorial fellow 平成1年2月 東北大学医学部付属病院 助手 平成11年4月 東北大学医学部付属病院 講師 平成16年1月 東北大学大学院医学研究科分子代謝病態学分野 助教授 平成19年1月 太田綜合病院附属太田西ノ内病院 副院長、糖尿病センター長 平成19年4月 東北大学病院糖尿病代謝科 臨床教授 太田西ノ内病院副院長、糖尿病センター長

鈴木 進

先生

Interview

高齢者糖尿病におけるインスリン療法

「食べられなくて低栄養になる」

ことに注意

太田西ノ内病院糖尿病センターを受診する糖尿病 患者はおよそ6,000名。その2割を75歳以上の後期 高齢者が占め、インスリン療法を受けている人も少 なくありません。一般的に、高齢者の糖尿病には表 1のような特徴がありますが、鈴木先生は「まだ若 いうちに発症した方と、高齢になって見つかった方 とでは違います。高齢で発症した方は生活パターン がすでに決まってしまっているため、生活習慣を改 善するといっても難しいことがほとんどです」と話 しています。 療養指導はこうした特徴を踏まえて行う必要があ りますが、なかでも重要なのは「バランスよく食べ る」「日常生活の中で軽い運動を心がける」の2点 (表2)。「高齢者の場合、むしろ食べられなくて低 栄養になることの方が心配です。そのため食事指導 は嗜好や食習慣も考慮したうえで、しっかりバラン スよく食べることに重点を置いています」と鈴木先 生。ちなみに、長く糖尿病を患っている人はもとも と菓子パンが好物。食が細くなると食べやすいから と菓子パンや果物などに偏って食べがちです。ただ 鈴木先生はあまり制限することはせず、やはり全体 でバランスよく食べるよう指導しているとのことで した。 また誤った健康情報を鵜呑みにして、「糖尿病に よい」とされる健康飲料や食品を試す患者さんは多 く、こうした点の聞き取りも大切です。鈴木先生に よると昨夏、熱中症予防にスポーツドリンクがよい と報道されたために、スポーツドリンクを飲んだ糖 尿病患者で高血糖や昏睡を起こすケースが多発した そうです。そのほか「息子(娘)一家と同居するこ とになった」という場合は、食生活がガラリと変わ ることがあります。家族とは献立を分けるよう、改 めて食事指導を行う必要があります。

日常生活の中で

活動量アップを心がける

一方、運動について鈴木先生は「有酸素運動をす る必要はなく、むしろ軽い運動を少しでも行うこと が大切」といいます。お勧めはストレッチング。加 齢とともに体が硬くなっている高齢者では、無理な く体を動かせるストレッチングは理想的といえま す。同センターでは運動療法にストレッチングメニ ューを取り入れていますが、これは同院運動指導室 がオリジナルで作成したもの。イラストでメニュー を紹介した「レッツ!ストレッチング!」という冊 子も出ています。 また鈴木先生はMETsという運動概念に基づい て、日常生活の中で身体活動を上げていくことを推 奨しています。METsはmetabolic equivalentsの略 で、身体活動の強さを安静時の何倍に相当するかで 表 す 単 位 で す。 座 っ て 安 静 に し て い る 状 態 は 1METs、普通歩行は3METsに相当します。METsに 実施時間をかけたものがエクササイズ(EX)という 単位で、身体活動の量を表します。たとえば普通歩 行 を1時 間 行 っ た 場 合、「3METs×1時 間」で3EX (METs・時)となります。 厚生労働省による「健康づくりのための運動指針 2006」では、身体活動量の目標を「週23エクササ イズの活発な身体活動」としていますが、高齢者で 求められるのは日常生活の中で活動量を少しでも増 やすこと。たとえば「子供やペットの世話(座位)」 「植物の水やり」は2.5METs、「階段の昇降」「散歩/ ペットの散歩」は3METs、「庭掃除」「屋根の雪下ろ し」は4METsに相当します。こうしたちょっとした 家事や作業を心がければ、その積み重ねで活動量も 上がります。「将来介護が必要になるのを防ぐため にも、ストレッチングを行ったり、ふだんの生活で 身体活動を増やすことが大切です」

「シックデイは毎日起こりうる」

ことを心得る

高齢者におけるインスリン治療で問題となるの は、「食事を食べられるか、食べられないか」「食べ られない時にどうするか」という点です。少し体調 が落ちると食べられなくなってしまうので、同じだ けインスリンを打てば低血糖を起こしかねません。 「高齢者ではシックデイは毎日起こりうる」と考え て、食事摂取量に応じたインスリンの量を設定でき るよう指導することが大切です。とはいえ、高齢で 理解力や手技がおぼつかなくなっている人も多く、 実際には家族に管理をお願いするケースが少なくな いとのことでした。 注射手技に関しては「本人ができるか、できない か」がポイントになります。同センターでは患者に 実際に注射してもらい、何ができて何ができないか を看護師がチェックしたうえで、何回も繰り返し指 導を行っています。また、まだ若いうちに糖尿病を 発症した患者の場合、加齢とともに以前はできてい た手技ができなくなってくるということがありま す。しっかりしているように見えても、きちんと打 てていない場合があるので注意が必要です。

「皮膚のつまみ上げ」は必要ない

年をとると握力が衰える、指が曲がらない・伸ば せないなど、手が不自由になり、ペン型インスリン 注入器をきちんと握れない、注入ボタンをしっかり 押せないといった問題が出てきます。「現行の注入 器はヤング用ですね。シニア用としてはもっと太く て握りやすいものがあるといいのですが」と鈴木先 生は話します。 また目の不自由な高齢者も多く、注射後、針を外 す際に針刺しが起こることがあります。「コストの 問題はありますが、注射後は自動的に針が引っ込 み、簡単に外れる構造の針が望ましいですね。針の つけっぱなしもなくなりますし」と鈴木先生。ちな みに、注射の痛みや針に対する恐怖心については、 「高齢者は意外とあきらめて打ってくれます。一番 怖がるのは若い男性ですね」とのことでした。 インスリン注射に関しては、「皮膚をつまみ上げ て注射する」よう指導している医療機関もあります が、同センターでは最近、「皮膚のつまみ上げはし ない」指導に統一されました。「5mm前後の短い針 であれば、痩せている人も含め、つまみ上げは必要 ないと考えています」と話す鈴木先生は、脂肪萎縮 性糖尿病(先天・後天的に皮下脂肪が欠落する糖尿 病)の患者さんも診ていますが、5mm針でも特に 問題はないとのことでした。 略 歴 表1 高齢者の糖尿病の特徴 (1) 加齢の進行度は、個人差が大きい。 (2) インスリン分泌能と末梢組織でのインスリン感受性 がともに加齢とともに低下する。 (3) 腎機能が低下し、尿糖量が血糖値の割に少ない。薬 剤の蓄積が起こりやすい。 (4) 網膜症や神経障害など、糖尿病合併症の頻度が高く なる。 (5) 動脈硬化症が加速度的に進展しやすい。 (6) 他の疾患を合併する人が増えてくる。 (7) 自覚症状が出にくくなる。 (8) それまでの治療歴や生活様式などによる個人差が大 きい。 (9) それまでの生活習慣を、なかなか変えられない。 表2 高齢者糖尿病療養指導のポイント (1) 家族のサポートを確保する為に、まず家族教育。 (2) 低栄養にならないバランスのよい食事摂取。 (3) 嗜好や食習慣を配慮した食事指導。 (4) メディカルチェック後に、体力にマッチした運動。 (5) 日常生活の中での身体活動アップを心がける。 メッツ(METs)から身体活動量を評価する。 (6) コンプライアンスを考慮した薬物療法の選択。 (7) 生活習慣を考慮したインスリン療法。 (8) 身体能力(握力、視力)を考慮したインスリンデバイ スの選択。 (9) 明日のシックディーに即応できる食事・薬物療法の指導。 食事摂取量に応じたインスリン注射量の設定、家族への 指導 (10)訪問看護、リハビリなど介護サポートの確保。

(7)

小児1型糖尿病は自我がまだ確立していない時期に発症し、インスリン療法による血糖管理はも とより、食事指導や家族に対する指導など、生活面まで含めた支援が欠かせません。カーボカウン トや持続皮下インスリン注入療法をいち早く導入し、数多くの患者さんを診てきた川村智行先生 に、治療の実際や指導のポイントなどについて、お話を伺いました。 大阪市立大学大学院 医学研究科 臨床医科学 専攻 生殖発達医学大講座 発達小児医学分野 講師

川村 智行

先生

1985年 大阪市立大学医学部卒業 1991年 同大学大学院医学研究科卒業 1991 ~ 1993年 カナダ国カルガリー大学  ジュリア・マックファーレン糖尿病研究所研究員 1994年 大阪市立大学大学院発達小児医学教室助手 2007年より現職 略 歴

DIABETES TODAY Vol.12

7

-けはせず、知識をどう使うかは本人の選択に委ねる ようにしているとのことでした。 同グループは患者さんや家族に対する生活支援に も力を入れており、全国に先駆けてカーボカウント に基づいた食事療法を導入しています。1型糖尿病 患者に対しては、インスリンの計算方法を教えるだ けで、食事制限はまったくしていません。また同グ ループが運営する患者会「大阪杉の子会」では、定 期的にサマーキャンプやスキーキャンプを開催して おり、この中で川村先生はソーシャルスキルトレー ニングを取り入れ、「病気を公開する方法」につい てディスカッションやロールプレイングを行ってい ます。「病気のことはどうしても隠してしまいがち なので、周囲にいかに自分の病気を説明するか、隠 さないでやっていくか、ということを考える機会を 作るようにしています」

ペン型かCSIIかは患者さんの

好みで選択

同グループは早くからインスリンポンプを用いた 持続皮下インスリン注入(CSII)療法を導入、現在 では全国最多となる約175名の患者さんがCSII療法 を受けています。ペン型注入器によるインスリン療 法とCSII療法の比率はほぼ半々で、川村先生は「や り方が違うだけで、誰であってもどちらを選んでも 治療はできます。どちらにするかは患者さんが選ぶ ことで、好みで決めてもらっています」と話してい ます。初発患者の場合はまずペン型で始め、入院中 にCSIIの説明を行ったうえで、本人が希望すれば数 日内にCSIIを導入するようにしているそうです。 CSIIの主なメリット・デメリットとしては表1の ようなものが挙げられますが、川村先生は「ペン型 でできることはCSIIでもできる反面、ペン型ではで きなくてもCSIIでできることは山のようにあり、メ リットは圧倒的に多いと思います」と評価していま す。デメリットの1つにコストの問題があります が、患者側と医療機関側とで状況は異なるとのこ と。すなわち、同グループで診ている1型糖尿病患 者300名のうち、すでに成人に達した人はおよそ 150名いますが、支払いが増える(3割自己負担で ¥4500増)という理由でCSIIを中止した人は2名の みで、60名近くがCSIIを継続しているそうです。 一方、CSIIは保険診療の対象となっていますが、ポ ンプや血糖自己測定器で費用がかさむことから、医 療機関側にとっては採算が合わないというのが実情 です。 CSIIは導入時にのみ、指導に1時間半ほどかかり ますが、ふだんの外来診療ではペン型と差はありま せん。患者さんや家族の反応も良好で、「低年齢児 では注射を打つ母親も本人も注射のストレスから解 放される、ということがあります。また年齢が上が ると、ボタンを押すだけという簡便性や利便性をメ リットとして挙げる患者さんが多いですね」と川村 先生。現在はまだ過渡期にありますが、CSIIを導入 する患者さんは増えており、川村先生は「やろうと 思えばとことん高度な治療ができますし、普通にや っても低血糖は減ります。コストの問題が解決され

Interview

小児糖尿病におけるインスリン療法

32G×4mm針で

「痛みが少ない」などの評価

鈴木先生らは後期高齢者8名を含 む41名の糖尿病患者を対象に、32G ×4mm針(製 品A)と33G×5mm針 (製品B)の使用感に関するアンケートを実施しまし た。その結果、「怖さを感じない針」「刺した時の痛 みが少ない針」などの項目で、多くの患者が32G× 4mm針(製品A)を選択していました(図1)。「皮 膚からの液漏れをしやすい針」については差は出ま せんでしたが、鈴木先生は液漏れに関し「インスリ ンを打った後は必ず液が少し盛り上がるもので、許 容範囲と考えています」と話しています。 注射に関する鈴木先生の基本的なスタンスは「患 者さんにとって楽な方が望ましく、注射の手間はで きるだけ少なくしたい」というもの。今回の結果を ふまえ、「1mmの差は意外と大きく、やはり短い方 が怖くないし痛みも少ないようです。つまみ上げが いらないことを指導する際も、短い方が説得力があ りますね。」と4mm針を評価しています。

今後必要なのは高齢者のための

ガイドライン

高齢者糖尿病は増えており、同センターでも100 歳を超える患者さんは珍しくありま せん。かつて100歳といえば「健康 な高齢者」だったのが、今の100歳 は多くの病気を抱えかろうじて生き ている状態。それだけに家族のサポ ートが不可欠で、訪問看護やリハビ リテーションなど介護サポートを確 保しておくことも重要です。 最後に、鈴木先生は今後の課題に ついて、次のように話しました。「高 齢者ほどガイドラインが必要だと思 いますね。まだ若い世代と高齢者で は、インスリン療法も食事・運動指導も変わってき ます。高齢者でまず目標となるのは、将来的に介護 が必要な状態になるのをできるだけ防ぐことです。 そのためにはどんな運動が適しているのか、食事は どうすればよいか。インスリン療法も含め、より具 体的な指針を示していく必要があります」 表1 CSIIの主なメリット・デメリット メリット 基礎インスリンを高度に調整できる 基礎インスリンの調整が随時行える 微細な追加インスリンがいつでもどこでも可能 食事内容や食べ方に応じた追加インスリンが可能 デメリット 常時身につけるのがうっとうしい、邪魔 皮膚のトラブルが起こることがある コストがかかる

「病気とともにいかにうまく

生きていくか」まで踏み込んで指導

大阪市立大学医学部附属病院小児科糖尿病グルー プでは、約350名の1型糖尿病患者がインスリン療 法を受けています。川村先生はその治療方針を「患 者さんのQOL、さらには予後まで考えて、最新・ 最善かつ患者さんに合った治療法を指導していくこ と」としたうえで、「血糖管理だけでなく、病気を 持ちながら、いかに世の中をうまく生きていくかと いう方法まで踏み込んだ指導を心がけています」と 語ります。 小児1型糖尿病の患者さんは、ちょうど思春期を またぐ時期に病気を抱えています。そのため、自己 同一性の確立が困難になりやすい、病気や病気であ る自分を認めず治療に積極的に向き合わない、とい った問題がしばしばみられます。またインスリン量 の調節が求められる病気なので、家族(一般的には 母親)が血糖管理をうまく援助していく必要があり ますが、川村先生は「人によって、子どもへの対応 の上手い・下手というのが如実に表れますね」と指 摘し、指導にあたっては「患者さんの人格、個性や 趣味などを認めたうえで、その子どもに合ったやり 方を尊重しています」と語ります。知識は知識とし て教えるけれども、「これが正しい」という押しつ アンケート調査 中間報告 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 怖さを感じない針 刺した時の痛みが少ない針 刺した時にすべりが良い針 インスリンを注入しやすい針 注入時の痛みが少ない針 皮膚からの液漏れをしやすい針 今後使用したいと思う針 総合的に最も快適に 注射ができると思う針 n=41 製品 A 変わらない 製品 B 図1 ペン型インスリン注入器用注射針に関するアンケート(中間報告) 32G×4mm針 米粒とのサイズ 比較写真

(8)

* BD、BDロゴおよびその他の商標はBecton, Dickinson and Companyが保有します。 ©2011 BD 01-093-00 R0-1105-004-079

-

8-れば、もっと広がる可能性は高いと思います」と話 しています。

小児にも多い注射部位の問題

ペン型の患者さんでは、同じ部位にばかり注射し てしまうという問題がしばしばみられます。川村先 生は「痛くない、打ちやすいという理由で同じ部位 に注射する患者さんは非常に多く、皮膚が硬くなっ たり、インスリンが効きにくくなり血糖コントロー ルが悪化する原因となっています」と話していま す。またお腹や足、腕など、部位だけでなく場所に ついてもいろいろ変えて打つよう指導しています が、注射に慣れている患者さんでも打つ場所を変え るのは嫌がることが少なくないそうです。「変化が 心配なのか、打ったことがない場所に打つことに恐 怖心があるようです。お腹に打っている子はお腹に ばかり打ち、足にも打つよう話しても怖がってなか なかしないですね」と川村先生。ちなみにペン型の 場合、5mmの注射針を使用していますが、「皮膚を つまみ上げないで注射する」よう指導しており、特 に問題はないとのことでした。 小児は力がないため、ペン型の注入ボタンを完全 に押し切れないことがあります。「少し量が増える と指が届かなくなるので、子どもの手に合った、小 さくて押す力が軽くてすむ注入器があるといいです ね。針に関していえば、やはり見た目が怖くなく て、刺しても痛くないというのは大きな要素です」  

32G×4mm針で

「刺す時に痛くない」

などの評価

川村先生らは34名の小児1型糖 尿病患者を対象に、32G×4mm 針(製品A)と33G×5mm針(製 品B)の使用感に関するアンケートを実施しました。 その結果、32G×4mm針(製品A)の方が痛みが 少なく、続けて使いたいという回答が多く得られま した(図1)。川村先生は「まったく差は出ないだ ろうと思っていたので、正直いって意外でした。刺 す時に痛くないという声が大きかったことに驚いて います」と感想を述べたうえで、次のように分析し ています。「私自身は、痛みは針の少しの長さや1 ゲージぐらいの太さの違いでは差は出ないと考えて います。痛みは切れ味で決まる、すなわち形状の問 題ではないでしょうか。今回の結果は形状の違い、 つまり皮膚をスッと切るか、ジワジワと穿刺するか の違いだったと捉えています。」

今後の課題はCSIIの普及と

デバイスラグの解消

インスリン療法の進歩により小児1型糖尿病患者 のQOLは向上しましたが、日本におけるCSIIの普 及はまだ十分とはいえません。また、最新の医療機 器が入ってこない「デバイスラグ」の問題も指摘さ れています。「インスリンポンプも持続血糖モニタ ーも世界ではもっと進んでいるにも関わらず、日本 には入ってこない。その背景に は医療費の問題があるので、一 概に何でも入れればいいとはい えませんが、患者さんが望んで もできない状況はやはり問題だ と思います」と川村先生。「医学 が進歩し高度になるほど医療費 も高くなるわけで、そこをどう すべきか真剣に考えなければい けない時代になっていると思い ます」 あらゆる疾患を診る小児科で は、糖尿病はその一部にすぎま せん。チーム医療や地域医療連携は小児糖尿病には 当てはまらず、専門ナースもいないので、医師がす べてをこなす必要があります。ただ川村先生は、こ うした状況をマイナスとは考えていません。「自分 たちで何でもやるから、知識も技術も上がっていく んだと思っています。自分が診て性格もわかってい る患者さんに、大事なポイントを押さえて指導する から効率もいいし、時間も短くて済みます。そうで なければ、もっと時間がかかってしまうと思います ね。しかし今後はノウハウを確立して、チームで指 導できればと考えています。」 カーボカウントとCSIIについては手法も実績も確 立し、川村先生の現在の関心は指導の部分、すなわ ち母親が子どもにどのような関わり方をすればいい か、また医療者がどのように医療面接を進めていけ ばいいかを指導することにある、といいます。「い わゆる糖尿病教室的なこともずっと続けています が、知識の提供だけでは十分とはいえません。患者 さんへの関わり方についてはこれまでも指導を行っ てきましたが、それをもう少し誰でも使えるような 形にして、家族や医療従事者に伝えていければと考 えています」 アンケート調査 中間報告 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 見た目の恐怖心が少ない針 皮膚に刺した時の痛みが少ない針 皮膚に刺した時スムーズな針 インスリン注入時の痛みが少ない針 インスリン注入時のボタンを押す力が軽い針 針を抜く時の痛みが少ない針 注射後の出血が少ない針 今後使用したいと思う針 注射後の皮膚からの インスリン漏れが少ない針 n=34 製品 A 変わらない 製品 B 図1 ペン型インスリン注入器用注射針に関するアンケート(中間報告)

インスリン治療啓発サイト「かしこく、インスリン。」オープン

日本BDは、世界糖尿病デー社内

イベントで募った寄付金100万円を

日本糖尿病協会へ寄付させて

頂きました。

BD

からのお知らせ

32G×4mm針 米粒とのサイズ 比較写真

http://www.kashikoku-insulin.jp

日本BD インスリン治療啓発サイト 「かしこく、インスリン。」 オープン

日本BDは、インスリン治療啓発サイト「か しこく、インスリン。」 (http://www.kashikoku-insulin.jp)を開設致しました。このサイトは、 糖尿病治療をこれから始める方や治療を既に 行っている患者さん、またご家族までを対象 に、糖尿病やインスリン治療に関するさまざ まな情報をわかりやすく紹介しています。こ れにより、糖尿病治療についての知識を高め ていただくとともに、注射によるインスリン 治療に対する抵抗感を払拭し、より快適なケ アと生活の質の向上を実現していただくこと を目指しています。 〈写真左より〉 社団法人 日本糖尿病協会 理事長 

清野 裕

先生 日本ベクトン・ディッキンソン 株式会社 代表取締役

フランク フローリオ

2011年1月21日

参照

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