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IFRSを巡る世界と日本の動向

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Academic year: 2021

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Contents

1. はじめに

2

2. IFRSを巡るこれまでの動向

3

2-1.世界の動き

3

2-2.米国の動き

8

2-3.日本の動き

10

3. 日本の最新動向

– 任意適用の積上げに向けた取組み -

13

4. 日本における今後の動向

16

Appendix:

Appendix1:IASB公表基準・公開草案等 17

Appendix2:IASBのワーク・プラン

18

Appendix3:当法人のナレッジ

21

(3)

1. はじめに

2013年6月に企業会計審議会から「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関す る当面の方針」が公表され、任意適用の積上げに向けた動きが加速しています。 2013年10月には連結財務諸表規則等が改正され、任意適用要件が大幅に緩和されま した。また、あるべきIFRSあるいは、我が国に適したIFRSといった観点から、必要 があれば一部基準を削除または修正して採択するエンドースメントの仕組みを設け ることも検討されており、現在企業会計基準委員会(ASBJ)では検討が進んでいる ところです。こうした流れを受けて、IFRSの適用を検討する企業が今後増加するこ とが期待されています。 本冊子は、IFRS適用の動向を短時間で振り返ることを目的として、日本を中心とし たIFRSを巡るこれまでの動きと最近のニュースを中心にご紹介しています。また、 各ニュースに関連する当法人の追加の解説記事については、ウェブサイトのリンク を掲載しています。IFRSの検討をこれから始める企業や中断していたプロジェクト を再開する企業の皆さまなどが、IFRS対応の方針を検討する際にご活用いただける と幸いです。 2014年1月

(4)

2008

2009

2010

2011

2012

2013

I A S B

2.IFRSを巡るこれまでの動向

2-1.世界の動き

IFRSは、2005年から欧州連合(EU)加盟国を中心に採用されたのを皮切りに、今では世界100以上の国や地域で採用され ています。2008年11月のG20ワシントン・サミットでは「単一で高品質な国際基準を策定する」ことが提唱され、日本も これにコミットしています。 IFRS適用国が増加する中、IFRSを取り巻く環境には様々な変化が起きています。 SECが ロードマップ案 公表 SECスタッフ・ ペーパー 公表 SECスタッフ 最終報告書 公表 強制適用 判断延期 日本版 ロードマップ 公表 任意適用 開始 金融担当大臣 声明 中間的 論点整理 公表 会計基準 アドバイザリー・ フォーラム の設置 モニタリング・ ボードメンバー 選定要件決定 企業会計審議会 当面の方針、 自民党提言公表 強制適用 判断延期 SEC声明・ ワークプラン 公表 <IFRSを巡るこれまでの主要な動き> ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ 任意適用 要件緩和

(5)

国際会計基準審議会(IASB)等の動向

モニタリング・ボード メンバーの選定要件を決定

2012年2月にIFRS財団のガバナンス改革に関する最終報告 書が公表されましたが、そこでは、モニタリング・ボード (IFRS財団のモニタリングを行う機関)のメンバーは、その 資本市場においてIFRSを適用しているか、IFRSの適用を確 約しており、かつ、IFRS財団に資金を拠出している国・地域 の代表者に限定するとされていました。モニタリング・ボー ドは、2013年3月に、そのメンバーの選定要件と、その要 件に照らして、メンバーの定期的評価を行うこと等について 合意したことを公表しました(1*) 。 2013年3月のモニタリング・ボードのプレスリリースでは 「IFRSの使用」の結果、その資本市場においてIFRSが顕著 に適用されていなければならないとし、また、メンバーを評 価する要件として、次の要件に合意したと公表しました。 (1*)IFRS Developments 2013年3月臨時号で解説しています。 http://www.shinnihon.or.jp/services/ifrs/ifrs-commentary/ifrs-developments/2013-03-01.html メンバー評価は3年ごとに行うとされており、次回は2016 年にメンバーの見直しが行われます。現メンバーには日本の 金融庁も含まれますが、日本のIFRS適用会社数は2014年1 月現在、適用予定会社も含め約30社であり、IFRSを顕著に 使用している、と主張できるかは厳しいのが現状です。 「IFRSの顕著な使用」がどの程度の使用を想定しているの か、日本はそれまでにどこまで適用企業数を拡大できるか、 今後の動向が注目されます。 (モニタリング・ボードのメンバー) •金融庁(日本) •欧州委員会(EC) •米国証券取引委員会(SEC) •証券監督者国際機構(IOSCO) •代表理事会 •新興市場委員会 •ブラジル証券取引委員会* •韓国金融委員会* *2014年1月に新たに選任 モニタリング・ボード IFRS財団評議委員会 22名(うち日本人2名) 国際会計基準審議会(IASB) 16名(うち日本人1名) 監視・評議員 の指名の承認 IASBメンバー等の 指名・資金調達等

<IFRS財団評議委員会とモニタリング・ボード>

IFRSの使用: 総則 (a) IFRSの適用及び単一かつグローバルな会計基準の推進を確 約すること (b) 適用されるIFRSは、ピュアIFRSと実質的に同一であること 定量的要素 (c) 国際的な観点から資金調達の主要な市場であること 定性的要素 (d) IFRSの開発に関し、継続的に資金拠出していること

(6)

<G20各国における上場企業のIFRS適用状況>

(IFRS財団実施の調査「世界のIFRSの使用」を基に作成) 国名 導入時期や導入方法 日本 2010年より任意適用 韓国 2011年より強制適用 中国 コンバージェンス インドネシア コンバージェンス インド コンバージェンス(予定) サウジアラビア 銀行及び保険会社は強制適用 それ以外の会社はコンバージェンス(予定) オーストラリア 2005年より強制適用 トルコ 2005年より強制適用 ロシア 2012年より強制適用 南アフリカ 2005年より強制適用 欧州連合(EU) 2005年より強制適用 イギリス 2005年より強制適用 フランス 2005年より強制適用 ドイツ 2005年より強制適用 イタリア 2005年より強制適用 カナダ 2011年より強制適用 アメリカ 未定(外国登録企業には2007年よりIFRSの使用を容認) メキシコ 2012年より強制適用(銀行、保険会社除く) ブラジル 2010年より強制適用 アルゼンチン 2012年より強制適用 IFRS財団が2013年に実施した各国のIFRS適用状況についての調査結果「世界のIFRSの使用」はIASBの以下のウェブサイトよりご覧いただけます。 http://www.ifrs.org/Use-around-the-world/Pages/Jurisdiction-profiles.aspx

(7)

<日本のIFRS任意適用企業一覧>

企業名 適用時期 日本電波工業 2010年3月期 住友商事 HOYA 2011年3月期 日本板硝子 日本たばこ産業 2012年3月期 アンリツ SBIホールディングス 双日 ディー・エヌ・エー マネックスグループ 丸紅 2013年3月期 トーセイ 2013年11月期 中外製薬 ネクソン 楽天 2013年12月期 第1四半期 ソフトバンク 2014年3月期 第1四半期 旭硝子 2013年12月期 企業名 適用時期 アステラス製薬 伊藤忠商事 小野薬品工業 第一三共 武田薬品工業 三井物産 三菱商事 リコー 2014年3月期 ヤフー 2015年3月期 第1四半期 参天製薬 2015年3月期 LIXILグループ 2016年3月期 任意適用予定企業 IFRS任意適用・任意適用予定企業一覧は東京証券取引所の以下のウェブサイトでもご覧いただけます。 http://www.tse.or.jp/rules/ifrs/info.html 任意適用企業

(8)

会計基準アドバイザリー・フォーラム(ASAF)の設置

IFRS財団は会計基準アドバイザリー・フォーラム(ASAF) を設置し、2013年3月にメンバーを公表しました。ASAFは 各国会計基準設定主体及び地域団体12名で構成され、メン バーには日本の企業会計基準委員会(ASBJ)や米国財務会 計基準審議会(FASB)も含まれます。ASAFの設置に伴い、 ASBJとIASB、あるいはFASBとIASBといった2者間協議は、 ASAFへの参加という形に置き換わることになり、各国会計 基準設定主体とIASBとの関係に変化をもたらすことになり ます。 なお、ASAFのメンバーの選定にあたっては、専門的な能力、 ASAFのメンバーとして活動するために利用可能なリソース の規模、程度、専門性等を考慮することとされており、そ のメンバー要件も2年に1回の見直しが行われることとなっ ています。 • 国際的に認められた財務報告基準の単一のセットの開発に貢献すること • 基準設定プロセスにおける各国会計基準設定主体及び地域団体とIASBの集合的な関係を 公式かつ効率的にすること、それにより、IASBの基準設定に関する主要な技術的論点に 関する広範囲の各国及び各地域のインプットが議論され考慮されることを確保すること • 基準設定上の論点に関する効果的な専門的議論を促進すること ASAFの目的 地域 メンバー アフリカ • 南アフリカ財務報告基準評議会(全アフリカ会計士連盟(PAFA)が支援) アジア・オセアニア (「世界全体」枠の1議席 を含む) • 企業会計基準委員会(日本) • オーストラリア会計基準審議会 • 中国会計基準委員会 • アジア・オセアニア基準設定主体グループ(AOSSG)(香港公認会 計士協会が代表) 欧州 (「世界全体」枠の1議席 を含む) • ドイツ会計基準委員会 • 欧州財務報告諮問グループ(EFRAG) • スペイン会計監査協会 • 英国財務報告評議会 米州 • ラテンアメリカ基準設定主体グループ(GLASS)(ブラジル会計基 準委員会が代表) • カナダ会計基準審議会 • 米国財務会計基準審議会 ASAFの参加メンバー

<ASAFの概要>

(9)

2-2.米国の動き

米国では、上場している外国登録企業(FPI)については2007年からIFRSの使用が認められていますが、米国国内の上場企 業については、任意適用、強制適用のいずれも結論が出ておらず、IFRSの使用は認められていません。 米国のこれまでの主要な動きは以下のとおりです。 (*2)IFRS Outlook増刊号 第20号(2008年11月)で解説しています。 http://www.shinnihon.or.jp/services/ifrs/ifrs-commentary/ifrs-outlook-supplement/pdf/ifrs-outlook-supplement-20.pdf (*3)IFRS Outlook 2010年2月増刊号で解説しています。 http://www.shinnihon.or.jp/services/ifrs/ifrs-commentary/ifrs-outlook-supplement/pdf/ifrs-outlook-supplement-2010-02-J.pdf

IFRSロードマップ案の公表(2008年)

米国証券取引委員会(SEC)が2008年11月にロードマップ 案を公表しました(*2)。ロードマップ案では、一定の要 件を満たす米国国内の上場企業に対し2009年から任意適用 を認めること及び企業の規模に応じて2014年から段階的に IFRSの使用を義務付けること(強制適用)が提案され、強 制適用の判断は2011年中に行うとしました。

IFRS適用等に関する声明とワークプランを公表

(2010年)

SECが2010年2月に、IFRSに対する方向性を再確認する声 明とワークプランを公表しました(*3)。声明では、単一 のグローバルかつ高品質な会計基準の達成という目標が再 確認されるとともに、米国基準とIFRSのコンバージェンス を引き続き支持することや2011年にIFRS導入の判断を行う 方針に変更がないことなどが示されました。一方、ロード マップ案で提案されていた2009年からの任意適用の開始は 見送られました。同時に公表されたワークプランでは、 IFRSを米国の財務報告制度に組み込むべきか否か、仮に組 み込む場合の時期と方法についてSECが決定するにあたって 判断に資するように、懸念事項となる特定の要因や分野、 特に、①IFRSの十分な開発及び均質適用 ②投資家の利益 のための基準開発の独立性 ③IFRSに関する投資家の理解と 教育 ④米国の規制環境 ⑤企業への影響 ⑥人的資源の準備状 況、について検討することがSECスタッフに指示されました。

(10)

ワークプランに基づく活動報告:SECスタッフ・ペー

パーの公表(2011年)

ワークプランに基づく取組みの一環として、2011年5月に 米国の財務報告制度にIFRSを組み込むための一つの方法論 をまとめたスタッフ・ペーパーが(*4)、同年11月には 「実務におけるIFRSの分析」及び「米国会計基準とIFRSの 比較」の2つのスタッフ・ペーパーが公表されました(*5)。 なお、IFRSロードマップ案で予定されていた2011年中の強 制適用の判断は行われませんでした。

ワークプランに関するSECスタッフ最終報告書の公表

(2012年)

2012年7月、ワークプランで特定された領域に関するSECス タッフの調査結果をまとめた最終報告書が公表されました (*6)。この報告書は、SECが米国の財務報告制度にIFRS を組み込むか否かを判断する際の情報を提供することを主 な目的としており、IFRSを組み込むべきか否か、仮に組み 込む場合にはどのような方法で行うかなどのSECに対する提 言は含まれていません。 上記のSECスタッフによる報告書のあと、SEC委員はIFRSの 導入について明確な態度は公表しておらず、2013年の後半 には、IASBとのMoUプロジェクトの一環として開発中であ る一部の会計基準についてIFRSとかい離する方向が見られ ている状況です。一般的には米国がここ数年の間にIFRSを 強制適用するとみる向きは少ないようです。 しかしながら、SECは上場している外国登録企業に対しては IFRSのファイリングを認めており、この結果、約500社が IFRSを採用しているといわれています。 (*4)IFRS Developments第4号(2011年6月)で解説しています。 http://www.shinnihon.or.jp/services/ifrs/ifrs-commentary/ifrs-developments/pdf/ifrs-developments-2011-06-01-04-J.pdf (*5)IFRS Developments第19号(2011年11月)で解説しています。 http://www.shinnihon.or.jp/services/ifrs/ifrs-commentary/ifrs-developments/pdf/ifrs-developments-2011-11-02-19-J.pdf (*6)IFRS Developments第36号(2012年7月)で解説しています。 http://www.shinnihon.or.jp/services/ifrs/ifrs-commentary/ifrs-developments/pdf/ifrs-developments-2012-07-02-J.pdf

(11)

2-3.日本の動き

日本では、2010年3月期から一定の要件を満たす企業について任意適用が容認されました。さらに、2013年10月には任意 適用の要件が大幅に緩和され、資本金20億円以上の海外子会社を有しない企業や新規株式上場(IPO)企業でもIFRSを適用 することが可能となりました。なお、強制適用の是非については未だ結論が出ていません。 日本のこれまでの主要な動きは以下のとおりです。 (*7)IFRS Outlook増刊号②(2009年6月)で解説しています。 http://www.shinnihon.or.jp/services/ifrs/ifrs-commentary/ifrs-outlook-supplement/pdf/ifrs-outlook-supplement-2009-06-J.pdf

日本版IFRSロードマップの公表(2009年)

金融庁が2009年6月に「我が国における国際会計基準の取 扱いについて(中間報告)」(日本版IFRSロードマップ) を公表しました(*7)。日本版ロードマップでは、一定の 要件を満たす企業に対し、2010年3月期の年度から任意適 用を認めること、強制適用の判断の時期については、2012 年を目途とすること、強制適用に当たっては、強制適用の 判断時期から少なくとも3年の準備期間が必要になるものと 考えられること(2012年に強制適用を判断する場合には、 2015年または2016年に適用開始)などが示されました。

金融担当大臣が声明で強制適用について言及(2011年)

2011年6月、当時の民主党政権の金融担当大臣が、少なく とも2015年3月期についての強制適用は考えておらず、仮 に強制適用する場合であってもその決定から5-7年程度の十 分な準備期間の設定を行うこと、2016年3月期で使用終了 とされている米国基準での開示は使用期限を撤廃し、引き 続き使用可能とすることを表明しました。

企業会計審議会が中間的論点整理を公表(2012年)

2012年7月、金融担当大臣声明後に再開された企業会計審 議 会 に お け る 議 論 の 内 容 を 整 理 し た 「 国 際 会 計 基 準 (IFRS)への対応のあり方についてのこれまでの議論(中 間的論点整理)」が公表されました。中間的論点整理では、 最終的な結論が出ているわけではなく、さらに審議を継続し て議論を深める必要があるとし、IFRSの任意適用の積上げを 図りつつ、IFRSの適用のあり方について、その目的や我が国 の経済や制度などにもたらす影響を十分に勘案し、最もふさ わしい対応を検討すべきである、とされていました。 なお、日本版IFRSロードマップでは、強制適用の判断の時 期については、2012年を目途とするとされていましたが、 2012年に結論は出ませんでした。

(12)

<当面の方針の概要>

• IFRSに基づいて作成する連結財務諸表の適正性を確保する取組・体制整備の要件は維持 • 「上場企業」及び「国際的な財務活動・事業活動」の要件は撤廃 • ピュアなIFRSは維持 • 「あるべきIFRS」あるいは「我が国に適したIFRS」といった観点から、個別基準を一つ一つ検討 し、必要があれば一部基準を削除または修正して採択するエンドースメントの仕組みを設ける • エンドースメントの手続については、まず、会計基準の策定能力を有するASBJにおいて検討 を行い、さらに、現行の日本基準と同様に、ASBJが検討した個別基準について、当局が指定 する方式を採用することが適当である 任意適用要件の緩和 単体開示の簡素化 IFRSの適用の方法 • 金商法における開示制度では、連結財務諸表と単体財務諸表の両方の開示が義務づけられてい るが、連結財務諸表の開示が中心であることが定着した現在においては、制度の趣旨を踏まえ、 単体開示の簡素化について検討することが適当である • 単体開示のみの会社については基本的に見直しを行うべきではない

IFRSへの対応について、企業会計審議会が当面の方

針を、自民党が提言を公表(2013年6月)

企業会計審議会は、中間的論点整理で示された課題を中心 に議論を行い、2013年6月に「国際会計基準(IFRS)への 対応のあり方に関する当面の方針」(当面の方針)を公表 しました(*8)。当面の方針では、任意適用の積上げを図 るための対応策が示されましたが、強制適用の是非等につ いては未だその判断をすべき状況にないとしています。 (*8)IFRS Developments2013年6月臨時号で解説しています。 http://www.shinnihon.or.jp/services/ifrs/ifrs-commentary/ifrs-developments/pdf/ifrs-developments-2013-06-01-J.pdf

(13)

また、自民党が2013年6月に「国際会計基準への対応につ いての提言」(提言)を公表しました(*9)。この提言は、 企業会計審議会が公表した当面の方針と整合していますが、 安部首相が表明した「集中投資促進期間」である今後3年間 のできるだけ早い時期に、強制適用の是非や適用に関する タイムスケジュールを決定するよう、各方面から意見を聴 取し議論を深めるべきこと、任意適用については「IFRSの 顕著な適用」を実現するために2016年末までに300社程度 の企業がIFRSを適用する状態になるようにあらゆる対策を 検討すべきであることを提言するなど、当面の方針よりも 踏み込んだ内容となっています。 (*9)IFRS Developments2013年6月臨時号-2で解説しています。 http://www.shinnihon.or.jp/services/ifrs/ifrs-commentary/ifrs-developments/pdf/ifrs-developments-2013-06-24-J.pdf 姿勢の明確化 任意適用の拡大 わが国の発言権の確保 企業負担の軽減 • 「単一で高品質な国際基準」を策定するという目標にわが国がコミットしていることを改めて国際社会に表明すべき • 安倍首相が表明した「集中投資促進期間」のできるだけ早い時期に、強制適用の是非や適用に関するタイムスケジュールを決定するよう、 各方面からの意見を聴取し、議論を深めることが重要 • 「IFRSの顕著な適用」を実現するために、2016年末までに、国際的に事業展開をする企業など、300社程度の企業がIFRSを適用する状態に なるよう明確な中期目標を立て、その実現に向けてあらゆる対策の検討とともに、積極的に環境を整備すべき • 早急に任意適用企業数の拡大を図ることが重要。具体的には、 ①IPO促進の観点も踏まえ、上場企業要件を撤廃し、また、②海外子 会社を有する企業等に限定しないこととすべき • IFRS適用拡大に向けた実効性のあるインセンティブの検討を進めるべき。特に、取引所において、IFRSの導入、独立社外取締役の 採用など、経営の革新性等の面で国際標準として評価される企業から構成される新指数(「グローバル300社」<仮称>)の創設を 早期に実現すべき • IFRS策定に関わるポストの確保、日本の主張を明確にした上での積極的な意見発信、サテライトオフィスの有効活用に努め、わが国の貢献と 重要度を世界各国に十分知らしめるべき • 現行の指定国際会計基準制度のほかに、わが国の会計基準設定主体であるASBJにおいて、IFRSの個別基準を具体的に検討し、わが国の会計 基準として取り込むシステムについても検討を進めるべき • IFRS適用に伴う実務負担の軽減に努めるべき。特に、企業において開示負担が過剰になることを避けるため、開示負担の軽減策を 検討すべき • 金融商品取引法における単体開示は簡素化を図るべき

<自民党の提言の概要>

(14)

3.日本の最新動向

– 任意適用の積上げに向けた取組み -

任意適用の積上げに向けて各関係団体が取組みを進めています。

<エンドースメント手続に関する計画の概要(案)の要約>

検討を行う組織、デュー・プロセス 「エンドースメントされたIFRS」の開発の方法 エンドースメント手続の対象 • 「当面の方針」では、IFRS の個別基準をエンドースメントする際の判断基準としては、以下のとおり記載されている 「IFRS の個別基準をエンドースメントする際の判断基準としては公益及び投資者保護の観点から、例えば、以下の点を勘案すべきで ある。 • 会計基準に係る基本的な考え方 • 実務上の困難さ(作成コストが便益に見合わない等) • 周辺制度との関連(各種業規制などに関連して適用が困難または多大なコストを要することがないか)等 我が国の国益も勘案しつつ、単一で高品質な会計基準の策定という目標を達成する観点から、削除または修正する項目は国際的にも 合理的に説明できる範囲に限定すべき」 • 「エンドースメントされたIFRS」を開発するにあたっては、IASB が設定した個々の会計基準等について、修正することなしに採択可 能か否かを、前項の判断基準にしたがって検討し、必要に応じて、削除または修正して採択する • IFRSと日本基準を比較することにより、検討が必要な項目を抽出する • 「エンドースメントされたIFRS」は、我が国における会計基準となるため、日本語により作成する • 国際財務報告基準(IFRS)、国際会計基準(IAS)、解釈指針(IFRIC、SIC)は対象に含む • 「財務報告に関する概念フレームワーク」については、現在、大幅な見直しを行っていること等を踏まえ、当面対象に含めない • 必要に応じて、適用を容易にする観点で、ガイダンスや教育文書等を作成する スケジュール • IASB により2012 年12 月31 日までに公表された会計基準等 • ASBJ によるエンドースメント手続の完了目標を、個別基準に関する検討の開始から概ね1 年とする • IASB により2012 年12 月31 日以後公表される会計基準等 • IASBによる会計基準等の公表後、原則として1 年をASBJ によるエンドースメント手続の完了目標とする(ただし、公表日から強 制適用日までの期間を勘案して、個別基準毎に検討を行うこととする) • 「エンドースメントされたIFRS」は、日本基準と同様に、ASBJの議決により定める • 詳細な検討を行うために、「IFRSのエンドースメントに関する作業部会」を設ける • デュー・プロセスは、日本基準の開発と同様に、財務会計基準機構の理事会が定める「企業会計基準等の開発に係る適正手続に関す る規則」と同等のものとなることを想定

ASBJがエンドースメント手続の検討を開始(2013

年7月)

企業会計審議会が公表した当面の方針で、エンドースメン ト手続については、まずはASBJにおいて検討を行うとされ たことを受けて、ASBJは2013年7月に「IFRSのエンドース メント手続に関する計画の概要(案)」を策定し、エンド ースメント作業部会を設置しました。エンドースメント作 業部会による検討は2013年8月から開始されており、エン ドースメント手続の完了目標は検討開始から約1年となって います。

(15)

<連結財務諸表規則等の改正のポイント>

任意適用要件を緩和する連結財務諸表規則等の改

正・施行(2013年10月)

2013年10月28日に連結財務諸表規則等が改正され、IFRS の任意適用要件が緩和されました。今回の改正によって、 IFRSに基づいて作成する連結財務諸表の適正性を確保する 取組・体制整備要件のみを残し、上場企業であること及び 国際的な財務・事業活動を行っていることという要件は撤 廃されました。この結果、資本金20億円以上の海外子会社 を有しない企業やIPO企業等の連結財務諸表についてもIFRS の適用が可能となりました。 (1)連結財務諸表規則等の改正 ①IFRS任意適用要件の緩和(連結財務諸表規則第1条の2) a)及びd)の要件が撤廃 a)上場企業であること b)有価証券報告書において、連結財務諸表の適正性を確 保するための特段の取組みに係る記載を行っていること c)IFRSに関する十分な知識を有する役員または使用人を 置いており、当該基準に基づいて連結財務諸表を適正 に作成することができる体制を整備していること d)国際的な財務活動・事業活動を行っていること(外国 に資本金が20億円以上の連結子会社を有しているこ となど) ②IFRS適用時期の制限の緩和(四半期連結財務諸表規則第1条の2) 改正前は年度末または第1四半期からのみIFRSを任意適用で きるものとされ、第2・第3四半期からの適用は認められて いなかったが、この制限が廃止され、各四半期からIFRSを 任意適用できる

新指数「JPX 日経インデックス400」の公表(2013

年11月)

日本取引所グループと東京証券取引所(JPXグループ)及び 日本経済新聞社は、新指数「JPX 日経インデックス400」 を共同開発し、2013年11月6日に内容を公表しました。対 象銘柄の選定にあたっては、「IFRSの採用」が定性的要素 として加味されます。新指数は、自民党の提言でIFRSの導 入、独立社外取締役の採用など、経営の革新性等の面で国 際標準として評価される企業から構成される新指数「グロ ーバル300」<仮称>の創設が提案されていたことを受けて 開発されたものです。 新指数は2014年1月6日から算出・配信が開始されています。 新指数の狙い 銘柄選定方法 資本の効率的活用や投資者を意識した経営観点など、グローバ ルな投資基準に求められる諸要件を満たした、「投資者にとっ て投資魅力の高い会社」で構成される新しい株価指数を創生し、 日本企業の魅力を内外にアピールするとともに、その持続的な 企業価値向上を促し、株式市場の活性化を図ること 東証上場銘柄の中から、売買代金や時価総額等をもとに上位 1000銘柄を選定した上で、定量的指標と定性的要素によって、 上位400銘柄を構成銘柄として選定 定量的指標 定性的要素 • 3年平均自己資本利益率(ROE) • 3年累積営業利益 • 選定基準日の時価総額 • 独立社外取締役の選任 • IFRS(ピュアIFRSを想定)の採用 または採用を決定 • 決算情報の英文開示

<新指数の概要>

(16)

単体開示の簡素化を図る財務諸表等規則等の改正案

の公表(2014年1月)

企業会計審議会が公表した当面の方針を踏まえ、金融庁は、 連結財務諸表作成会社を主たる対象として単体開示の簡素 化を図る財務諸表等規則等の改正案を2014年1月14日に公 表しました。2014年3月期決算から適用となります。 主な改正の内容 適用日 2014年3月期決算から適用 本表 • 貸借対照表、損益計算書及び株主資本等変動計算書について会社法の要求水準に合わせるため新たな様式を規定 注記、附属明細表、 主な資産及び負債の 内容 a.連結財務諸表で十分な情報が開示されている項目 ⇒財務諸表における開示を免除(例:リース取引に関する注記) b.会社法の計算書類と開示水準が大きく異ならない項目 ⇒会社法の開示水準に合わせる(例:偶発債務の注記) c. 上記a、b以外の項目 ⇒有用性等を斟酌した上で従来どおりの開示が必要か否かについて検討し、 • 財務諸表における開示を免除(例:主な資産及び負債の内容) • 非財務情報として開示(例:配当制限の注記)、等の改正を行う <財務諸表等規則等の改正案のポイント>

(17)

2014

2015

2016

企 業 会 計 審 議 会 の 当 面 の 方 針 で 提 案 さ れ た 3 つ の 項 目 ((1)任意適用要件の緩和、(2)IFRSの適用の方法、 (3)単体開示の簡素化)のうち、任意適用要件の緩和はす でに実現し、2014年3月期決算以降は単体開示も簡素化さ れます。IFRSの適用の方法に関しては、ASBJが「エンドー スメントされたIFRS」の検討を行っているところであり、 2014年秋頃を目途に策定作業が完成する予定です。 任意適用企業拡大に向けた取組は着実に進められています が、2016年のモニタリング・ボードメンバーの見直しまで に、自民党の提言どおり300社程度の企業が適用する状態と なっているか、また「集中投資促進期間」のできるだけ早 い時期に、強制適用の是非や適用に関するタイムスケジュ ールを決定すべきことも提言されていますが、強制適用に 関して何らかの動きがあるか、今後の動向が注目されます。

4.日本における今後の動向

<今後のスケジュール> 2014年3月期決算より日本 基準の単体開示が簡素化 任意適用企業の拡大(2016年末までに300社程度の適用企業数となるか?) モニタリング・ボード メンバー評価 「集中投資促進期間」のできるだけ早い時期に 強制適用の是非や適用に関するタイムスケジュール決定? 「エンドースメント されたIFRS」策定

(18)

2013年以降公表の基準・公開草案等と当法人の解説記事は以下のとおりです。 2013年以降公表の基準等と当法人の解説 公表時期 基準等 当法人の解説 2013年3月 公開草案「金融商品:期待信用損失」 IFRS Developments第54号 2013年4月 公開草案 「規制繰延勘定」 IFRS Developments第61号 2013年5月 公開草案 「リース」 IFRS Developments第58号

2013年5月 IFRIC解釈指針第21号「賦課金」 IFRS Developments第59号

2013年5月 非金融資産の回収可能価額の開示(IAS第36号の修正)

2013年6月 公開草案 「保険契約」 保険アラート 2013年6月号

2013年6月 公開草案「農業:果実生成型植物」(IAS第16号及びIAS第41号の改訂案) IFRS Developments第63号

2013年6月 デリバティブのノベーション(更改)とヘッジ会計の継続(IAS第39号の改訂) IFRS Developments第62号

2013年7月 ディスカッション・ペーパー「財務報告に関する概念フレームワークのレビュー」

2013年11月 IFRS第9号「金融商品(ヘッジ会計、及びIFRS第9号、IFRS第7号、IAS第39号の改訂)」(IFRS第9号(2013年)) IFRS Developments第68号

2013年11月 確定給付制度(従業員拠出)(IAS第19号の改訂)

2013年12月 公開草案「個別財務諸表における持分法」(IAS第27号の改訂案)

2013年12月 公開草案「IFRSの年次改善2012-2014サイクル」 IFRS Developments第70号

2013年12月 年次改善(2010-2012年サイクル) 年次改善(2011-2013年サイクル) IFRS Developments第71号

2014年1月 IFRS第14号「規制繰延勘定」 IFRS Developments 第72号

2014年3月(予定) IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」 IFRS Developmentsは当法人の以下のウェブサイトでご覧いただけます。 http://www.shinnihon.or.jp/services/ifrs/ifrs-commentary/ifrs-developments/index.html 保険アラートは当法人の以下のウェブサイトでご覧いただけます。 http://www.shinnihon.or.jp/services/ifrs/ifrs-commentary/ifrs-insurance-alert/index.html

Appendix 1.

IASB

公表基準・公開草案等

(19)

最新のIASBプロジェクトのワーク・プランは以下のとおりです(2014年1月27日付)。 予定作業/公表目標時期 主要プロジェクト 2014年 1-3月 2014年 4-6月 2014年 7-9月 2014年 10-12月 金融商品(IFRS第9号) 分類及び測定(限定的な改訂) 基準 減損 基準 マクロ・ヘッジ会計 ディスカッショ ン・ペーパー 保険契約 再審議 リース 再審議 料金規制事業 過渡的基準 基準 料金規制 ディスカッション・ ペーパー 収益認識 基準 予定作業/公表目標時期 限定的な範囲における改訂 2014年 1-3月 2014年 4-6月 2014年 7-9月 2014年 10-12月 共同営業(ジョイント・オペレーション)に対 する持分の取得(IFRS第11号の改訂) 基準 年次改善2012-2014サイクル (コメント期限:2014年3月13日) 再審議 年次改善2013-2015サイクル 公開草案 果実生成型の生物資産(IAS第41号「農業」の 限定的な改訂) 再審議 収益を基礎にした減価償却及び償却の許容される 方法の明確化(IAS第16号とIAS第38号の改訂) 基準

Appendix 2.

IASB

のワーク・プラン

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予定作業/公表目標時期 限定的な範囲における改訂(続き) 2014年 1-3月 2014年 4-6月 2014年 7-9月 2014年 10-12月 開示改善イニシアティブ IAS第1号「財務諸表の表示」の改訂(開示改善プロジェクト) 公開草案 「ダウンストリーム」取引から生じた利益の消去(IAS第28号の改訂) 公開草案 持分法会計:その他の純資産変動の会計処理(IAS第28号の改訂) 基準 公正価値測定:会計単位 公開草案 非支配持分の付与された売建プット・オプション 次段階を後日 決定 未実現損失に係る繰延税金資産の認識(IAS第12号の改訂) 公開草案 投資者とその関連会社/共同支配企業の間で行われる資産の売却または 拠出(IFRS第10号とIAS第28号の改訂) 基準 個別財務諸表(持分法)(IAS第27号の改訂) (コメント期限:2014年2月3日) 再審議 予定作業/公表目標時期 適用後レビュー(※) 2014年 1-3月 2014年 4-6月 2014年 7-9月 2014年 10-12月 IFRS第3号「企業結合」 情報募集 (*)新基準及び大幅な改訂が強制適用となってから2年後に実施される、基準等の開発中に議論があった論点や予想外のコスト、実務 上直面する適用上の問題点に対する確認。 予定作業/公表目標時期 2014年 1-3月 2014年 4-6月 2014年 7-9月 2014年 10-12月 概念フレームワーク (財務諸表の要素、測定、報告企業、表示及び開示) (コメント期限:2014年1月14日) 再審議 予定作業/公表目標時期 アジェンダ・コンサルテーション 2013年 2014年 2015年 3年毎の公開コンサルテーション (2012年12月18日:フィードバック・ステートメント公表) (次回コンサルテーションは2015年を予定) 2度目の公開コンサルテーショ ン開始

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予定作業/公表目標時期 適用後レビュー(※) 2014年 1-3月 2014年 4-6月 2014年 7-9月 10-12月 2014年 IFRS第3号「企業結合」 情報募集 (*)新基準及び大幅な改訂が強制適用となってから2年後に実施される、基準等の開発中に議論があった論点や予想外のコスト、実務 上直面する適用上の問題点に対する確認。 予定作業/公表目標時期 2014年 1-3月 2014年 4-6月 2014年 7-9月 10-12月 2014年 概念フレームワーク (財務諸表の要素、測定、報告企業、表示及び開示) (コメント期限:2014年1月14日) 再審議 予定作業/公表目標時期 アジェンダ・コンサルテーション 2013年 2014年 2015年 3年毎の公開コンサルテーション (2012年12月18日:フィードバック・ステートメント公表) (次回コンサルテーションは2015年を予定) 2度目の公開コン サルテーション開 始 最新のワーク・プラン(英語)はIASBの以下ウェブサイトで入手可能です。 http://www.ifrs.org/Current+Projects/IASB+Projects/IASB+Work+Plan.htm 最新のワーク・プランと前回からの主な変更点(日本語)は当法人の以下ウェブサイトでご覧いただけます。 http://www.shinnihon.or.jp/services/ifrs/ifrs-commentary/iasb-workplan/index.html

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新日本有限責任監査法人 IFRSサイト

www.shinnihon.or.jp/ifrs

IFRSに関するリソースを紹介する総合サイトです。多彩なコンテンツを参照いただけます。

IFRSメールマガジン

変化し続けるIFRSの最新動向や基準の解説などを、多角的にタイムリ ーにお伝えします。定期配信は2週間に1回で、号外配信もあります。

ニュースレター

• IFRS Outlook

IFRSの最新動向や企業が考慮すべき論点などを専門家としての見解を 交えてお伝えしています。

• IFRS Developments

公開草案や新基準、審議会の状況など企業に重要な影響を及ぼす案件 の解説をタイムリーに提供しています

• IFRS保険アラート

新たな基準の公表に向けてプロジェクトが進行中の保険契約について、 月次で審議の進捗状況を解説します。 当法人は、ホームページやメールマガジンといった媒体を通して、IFRSに関する様々な情報をタイムリーに配信しております。

Appendix 3. 当法人のナレッジ

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IFRS関連の刊行物

IFRSクイックガイド

IFRSの任意適用を行うにあたり、 日本基準を適用している多くの一 般事業会社で重要な影響が生じる 可能性が高い項目の概要、それが 財務及びビジネスに与える影響、 並びに想定される課題をコンパク トに解説しています。

日本基準と国際財務報告基準

(IFRS)の比較

日本基準とIFRSの二つの基準の相違点 について、現在の実務において一般的と 考えられる相違点にできる限り焦点を絞 り、会計分野ごとに解説しています。

IFRS最重要プロジェクト

金融危機後の現在と未来 2013年は、多くの新基準が公表及 び適用され、また、最終基準の姿が 視野に入ってきます。本冊子は、こ うしたIFRSの現在と将来の動向を踏 まえ、企業の財務諸表及び経営管理 にもっとも重要な影響を及ぼす分野 について、そのエッセンスを把握で きるよう解説します。

国際会計の実務

(レクシスネクシス・ジャパン) EYのIFRSグループによるIFRS解説 書の日本語版です。実務上の論点や その対応、実際の企業の開示例、今 後の動向に至るまで詳細に解説して います。また、日本語版の作成に当 たっては、日本企業によるIFRS適用 時に想定される論点を取り上げ、そ れらに対する解釈を加えております。

国際会計基準の初度適用

(清文社) 効果的かつ効率的なIFRSの導入に向け て、IFRS第1号の概要のほか、会計テ ーマごとに、概要・初度適用時の論点 と具体的な処理・欧州での実務対応を 詳解しています。

完全比較 国際会計基準と

日本基準

(清文社) 日本基準とIFRSの差異をできる限 り詳細に効率的に把握できるよう に解説を行っています。また、 IFRSの各基準の背景にある考え方、 ならびに個別既定の趣旨、さらに 企業がIFRSを適用する際に留意す べき実務上の諸問題についても解 説しています。

完全解説 IFRS国際会計基準

表示・開示の実務

(清文社) 企業がIFRS財務諸表を作成する際に直 面すると思われる具体的な論点を取り 扱っており、開示例も多数紹介してい ます。またFortuneGlobal500から厳選 したIFRS適用企業30社の表示・開示を 徹底分析し、適用の傾向を知るための 手がかりを得られるよう試みるととも に、海外の規制監督機関の指摘も紹介 し、海外で生じた論点や陥りがちな事 例も含めています。

IFRS関連書籍

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EY | Assurance | Tax | Transactions | Advisory EYについて EYは、アシュアランス、税務、トランザクショ ンおよびアドバイザリーなどの分野における世 界的なリーダーです。私たちの深い洞察と高品 質なサービスは、世界中の資本市場や経済活動 に信頼をもたらします。私たちはさまざまなス テークホルダーの期待に応えるチームを率いる リーダーを生み出していきます。そうすること で、構成員、クライアント、そして地域社会の ために、より良い社会の構築に貢献します。 EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・ リミテッドのグローバル・ネットワークであり、単体、 もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバー ファームは法的に独立した組織です。アーンスト・ア ンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保 証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していま せん。詳しくは、ey.com をご覧ください。 新日本有限責任監査法人について 新日本有限責任監査法人は、EYメンバーファーム です。全国に拠点を持つ日本最大級の監査法人業 界のリーダーです。監査および保証業務をはじめ、 各種財務アドバイザリーの分野で高品質なサービ スを提供しています。EYグローバル・ネットワー クを通じ、日本を取り巻く経済活動の基盤に信頼 をもたらし、より良い社会の構築に貢献します。 詳しくは、www.shinnihon.or.jp をご覧ください。 EYのIFRS(国際財務報告基準) グループについて 国際財務報告基準(IFRS)への移行は、財務報告 における唯一最も重要な取り組みであり、その影 響は会計をはるかに超え、財務報告の方法だけで なく、企業が下すすべての重要な判断にも及びま す。私たちは、クライアントによりよいサービス を提供するため、世界的なリソースであるEYの構 成員とナレッジの精錬に尽力しています。さらに、 さまざまな業種別セクターでの経験、関連する主 題に精通したナレッジ、そして世界中で培った最 先端の知見から得られる利点を提供するよう努め ています。EYはこのようにしてプラスの変化をも たらすよう支援します。

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参照

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