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1730 年 ( 享保 15 年 ) 1848 年 ( 嘉永元年 ) 1874 年 ( 明治 7 年 ) 1893 年 ( 明治 26 年 ) 2003 年 ( 平成 15 年 ) 2011 年 ( 平成 23 年 ) 2013 年 ( 平成 25 年 ) 2015 年 ( 平成 27 年 ) 20

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(1)

米先物取引の活用について

(集荷業者の皆さんへ)

大阪堂島商品取引所

(2)

1730年 (享保15年) 徳川幕府(八代徳川吉宗)が大岡越前守忠相の名をもって大阪の堂島米会所に米の先物取引を 許可 1848年 (嘉永元年) シカゴ商品取引所(CBOT)の設立 1874年 (明治7年) 蛎殻町の西郷隆盛屋敷跡(旧東京穀物商品取引所所在地)に設立された「中外商行会社」で 米の先物取引開始。 1893年 (明治26年) 取引所法が制定され、「東京米穀取引所」、「大阪堂島米穀取引所」が設立。 ※ 以後、一時的な中断はあったものの、昭和14年に「米穀配給統制法」が制定されるまでの 間、先物取引は行われていた。 2003年 (平成15年) 「食糧法」を改正し、米の流通規制を全面的に撤廃 ※ 米の先物取引の禁止規定も削除される。 2011年 (平成23年) 農林水産省が東京穀物商品取引所及び関西商品取引所(現大阪堂島商品取引所)における 米の試験上場を認可 2013年 (平成25年) 農林水産省が大阪堂島商品取引所の米の試験上場の2年間の延長を認可 2015年 (平成27年) 農林水産省が大阪堂島商品取引所の米の試験上場の2年間の再延長を認可 2016年 (平成28年) 新潟コシ(新潟県産コシヒカリ)の取引開始

先物取引の歴史

世界の先物取引の原点は、 江戸時代の日本にあった。 福沢諭吉の言葉(1843年12月生まれ) 「相場会所は一国の殖産商売のために無害無 益なものか、(中略)我が輩は断じて有益無害 なりと答えるものなり。」 【福沢諭吉全集第11巻(慶応義塾編纂)】 1

(3)

米の価格は絶えず変動しています

天候や景気、需給状況などが変動することにより、皆さんが生産された米の価

格は、絶えず変動しています。

(単位:円/60㎏) 注:年産別の米価格の推移における 青の折れ線は(財)全国米穀取引・価格形成センター入札による全銘柄加重平均価格(包装代、消費税、拠出代を除いた価格) 茶の折れ線は、相対取引価格による全銘柄加重平均価格(10月時点速報値、運賃、包装代、消費税(平成25年産までは5%、平成26年産以降 は8%)を含む価格) ○ 年産別の米価格の推移 (単位:円/60㎏) 同じ年産でも時期により価格は異なる ○ 27年産米価格の推移 2 21,078 15,711 15,128 14,826 14,185 15,159 14,963 12,781 15,154 16,579 14,752 12,215 13,116 14,307 10,000 12,000 14,000 16,000 18,000 20,000 22,000 13,178 13,116 13,223 13,245 13,238 13,265 13,252 13,208 13,329 13,265 13,209 13,263 13,000 13,100 13,200 13,300 13,400 米価格は年産別に大きく変動

(4)

価格変動によるリスク

米価格の変動等について、政策的な支援がない集荷業者はより大きなリスクに

さらされています。

価格変動のリスク

仕入価格

の高騰

販売価格

の下落

集荷量 の減少 売れ残り 集荷業者 3

(5)

集荷環境の変化

農家の販売先の多様化や、異業種から集荷業への参入など、米の集荷環境は

変化してきています。

直売所で販売 契約栽培 ネット通販 農家の販売先は多様化 集荷業者 製菓メーカー等 ホームセンター 大手商社 生産者 農協出荷 4 異業種から集荷業への積極的参入

(6)

米集荷の課題

こうした状況下においても集荷業者は価格変動リスクを自ら軽減し、競争に耐

えうる有利な買入・販売の条件を提示することが求められています。

播種前契約 買取集荷 生産者 生産者 集荷業者 実際は →出来秋の販売価格が分から ないので、春先に買取価格 を決めるのは難しいな・・。 実際は →将来いくらで売れるか分からな いので、リスクの少ない委託集 荷を選択しがち・・・。 もし、あらかじめ米の販売価格が決まっていれば、リスクは大幅に軽減され、播種前契約や買取集 荷がより積極的に行えるはず・・・。 ⇒そこで、将来価格を固定できる『米先物取引』が注目されています! リスク大 リスク大 5

(7)

【取引に参加すると】

先物取引にできること

○ 先物取引を活用すれば、あらかじめ将来の価格を固定することができます。また、取

引相手を自ら探す手間が省け、代金の支払いも保証されているので、安心です。

○ さらに、先物取引では現物の米を売ったり、買ったりする機能もあるので、新たな『販売

先』や『仕入先』としても期待されています。

あらかじめ1年先の価格 を決めて取引ができる →積極的な早期契約や 買取集荷が可能となる 先物市場では、当年産 の収穫が終わった10月 下旬には翌年産米の10 月渡しの米の取引が開 始(新潟コシの場合) 取引所が毎日、公表する価格を、取引の指標として活用できる

面倒な価格交渉や相手の信用等個 別事情の考慮は不要 清算がシステム化され、代金回収の リスクがない ※専門の清算機関を通じた集中清算 【取引に参加しなくても】 6 先物価格は様々な人が情報を持ちよって形成されるので、先行指標価格として利用されています。 自ら取引相手を探す必要が無い ※注文を出せば市場が相手を探してくれる

(8)

8,000

10,000

12,000

14,000

16,000

18,000

4月

6月

8月

10月

期限(10月)の新米価格が 11,000円に下落しても、4月に 約束した12,500円で販売する ことができる。

先物取引とは?

【活用例】 4月の時点で半年後(10月)に新米を売る約束をした場合

10月に販売する米を1俵 12,500円で売る契約が成立 ■ 米の価格 (単位:円/俵) ※手数料などの諸経費は省略 先物を利用しないと、損失が発生するリスクがある。

○ 先物取引は「半年後に200俵を12,500円/俵で売る(又は買う)」というように、将来価格

を、あらかじめ固定できるので価格変動による思わぬ損失から解放されます。

○ 一度固定した価格は、その後の変動にかかわらず、期日が来ればその価格で販売

(又は仕入)できるため、経営の安定に役立つと言われています。

新米が 出回り始める ⇒4月に先物10月限を12,500円/俵で売る約束をすれば、販売価格を12,500円/俵で固定できる。 ~販売価格が事前に固定できれば、経営は安定し、次の戦略を練るエネルギーにもなる~

(9)

12月 10月 11,500円 13,000円 13,000円で売る約束 相場が下落! 価格が11,500円に・・ 約束どおり13,000円 で売れる 現在の先物価格 13,000円/俵 (12月渡し) この時点で12月の販売価格が確定 →13,000円/俵 最終的な収入(12月の受渡時)<200俵> 先物の現物受渡で得た収入 仕入代金 諸経費(運賃、倉庫代等(610円/俵)) 先物の手数料 集荷業者の利益 2,600,000円 ▲2,400,000円 ▲122,000円 ▲10,000円 68,000円

【参考】 収入の比較(200俵売った場合)

先物を利用しなかった場合の損失 ▲100,000円/200俵

先物取引の活用例①(米の販売先としての活用)

10月の時点 12月の時点 12月に売り渡す米が条件に合う 値段だから、先物市場で米を売っ てみよう。 生産者から12,000円/俵で買取集 荷した米を、13,000円/俵以上で 売りたいが、将来相場が下がらな いか不安だ。 先物市場であらかじめ売っておけ ば、予定の価格で売れるかもしれ ませんよ。 商品先物取引会社 (取引所) 8

(10)

先物取引の活用例②(リスクヘッジとしての活用)

10月 (収穫期) 4月 (作付前) 11,000円 13,000円 13,000円で売る約束 今年は豊作! 価格が11,000円に・・ 先物取引を差金決 済すれば2,000円/ 俵の利益を確定 現物を11,000円/俵で販売 現在の先物価格 13,000円/俵 (10月渡し) この時点で10月の販売価格が確定 →13,000円/俵 4月の時点 10月の時点 卸業者さんに11,000円/俵で販売した が、先物でリスクヘッジしていたおかげ で赤字にならずにすみました。 実質13,000円で売れたのと同じ 米卸 最終的な収入(10月の受渡時)<200俵> 先物を利用しなかった場合の損失 ▲200,000円/200俵 (取引所) 1人の人が先物市場で「売差金決済とは? り」「買い」をして、差額の清 算をすることです。現物のや りとりはしません。 9 卸業者への販売で得た収入 先物の差金決済で得た収入 仕入代金 先物の手数料 集荷業者の利益 2,200,000円 400,000円 ▲2,400,000円 ▲10,000円 190,000円

【参考】 収入の比較(200俵売った場合)

12,000円/俵で播種前契約した米を 10月に販売する予定だが、販売まで の期間が長いので、念のために先物 で売ってリスクを回避しておこう!

(11)

先物取引の活用例③(先行指標価格としての活用)

10月の時点 現在の先物価格 13,000円/俵 (10月渡し) 先物を参考に契約 するかどうか検討 してみよう。

取引に参加しなくて

も将来の価格の目安

として活用してみる

現在の価格の目安と

して活用してみる

現在の先物価格 13,000円/俵 (10月渡し) 10月渡しのお米を 12,000円で播種前 契約したい。 お米を12,500円で 売ってくれませんか。 生産者 米卸 先物取引は今月 渡しの取引もある けど、それに比べ ると安いので、そ れでは売れないな。 価格は、毎日公表さ れているから便利だ。 10 4月の時点 先物市場で 13,000円で売れる から、経費やマー ジンを加えても採 算がとれそうだ。 取引所 取引所

(12)

米の先物取引Q&A

(Q1)

大阪堂島商品取引所ではどのような米が取引されているのですか

(Q2)

先物ではどれくらい先までの取引が可能なのですか

(Q3)

先物市場での米の受渡しはどうするのですか

(Q4)

先物取引には費用がたくさんかかるのではないですか

(Q5)

取引を始めるにはどうしたらよいですか

(Q6)

商品先物取引会社に預けた証拠金はちゃんと保全されるのですか

(Q7)

先物で売ろうとしていた米を他に売ってしまうことはできるのですか

(Q8)

先物取引にはどんな人が参加しているのですか

(Q9)

米の先物取引を詳しく知りたいときはどこに問い合わせれば良いですか

(Q10) 中国の商品取引所でも米の先物取引が行われているのですか

11

(13)

(Q1)大阪堂島商品取引所ではどのような米が取引されているのですか

大阪堂島商品取引所

大阪堂島商品取引所では、3種類のコメ先物が取引されています。

東京コメ 答え 12 ○ 取引の基準となる米 新潟コシ(新潟県産コシヒカリ) ○ 取引の単位及び受渡単位 1枚当たり1.5t(25俵) ○ 受渡場所 取引所指定の倉庫(P28の指定倉庫一覧参照) 新 潟 コ シ ○ 取引の基準となる米 東京コメ(栃木県産あさひの夢、群馬県産あさひの夢、埼玉県産 彩のかがやき、千葉県産ふさおとめ、千葉県産ふさこがね) (上記以外の米を渡す場合は、P14、P15の価格調整表を適用) ○ 取引の単位及び受渡単位 1枚当たり12t(200俵) ○ 受渡場所 取引所指定の倉庫(P28、P29の指定倉庫一覧参照) 東 京 コ メ ○ 取引の基準となる米 大阪コメ(滋賀県コシヒカリ及び三重県産コシヒカリ) (上記以外の米を渡す場合は、P14 、P15の価格調整表を適用) ○ 取引の単位及び受渡単位 1枚当たり3t(50俵) ○ 受渡場所 取引所指定の倉庫(P28、P29の指定倉庫一覧参照) 大 阪 コ メ

(14)

<別添1>大阪堂島商品取引所の米の試験上場の概要

13 新潟コシ 東京コメ 大阪コメ 1 標準品 (取引の対象) 新潟コシ (新潟県産コシヒカリ) 農産物検査法に基づく検査規格水稲うる ち玄米1等品 東京コメ 栃木県産あさひの夢 群馬県産あさひの夢 埼玉県産彩のかがやき 千葉県産ふさおとめ 千葉県産ふさこがね 農産物検査法に基づく検査規格水稲うる ち玄米1等品 大阪コメ (滋賀県産コシヒカリ及び 三重県産コシヒカリ) 農産物検査法に基づく検査規格水稲うる ち玄米1等品 2 受渡供用品 新潟県産コシヒカリ 農産物検査法に基づく検査規格水稲うるち 玄米2等品 水稲うるち玄米 農産物検査法に基づく検査規格水稲うるち 玄米1等品及び2等品 国内産コシヒカリ 農産物検査法に基づく検査規格水稲うるち 玄米1等品及び2等品 3 取引期間 受渡期限の到来は最長で1年先(12ヶ月 以内の偶数月渡し) 受渡期限の到来は最長で6ヶ月先(6ヶ月以内の各月渡し) 4 取引単位及び 受渡単位 25俵(1.5トン)/枚 200俵(12トン)/枚 50俵(3トン)/枚 5 受渡方法  期日受渡し:荷渡指図書及び指定在庫 証明書による置き場渡し  合意早受渡し:受渡当事者の合意に 基づく受渡場所  期日受渡し:指定倉荷証券による置き場渡し  合意早受渡し:受渡当事者の合意に基づく受渡場所 6 値幅制限 (板寄せ方式) 前日の終値からの値動き±300円で制限値段に達する。  最終節に値幅制限に達した限月が2以上あった場合は翌日より段階的に値幅を±400円、±500円に拡大。  最終節に値幅制限に達した限月が2以上ない場合は、翌日より段階的に値幅を±400円、±300円に戻す。 7 建玉制限 (たてぎょく せいげん) 1人当たりの 取引量制限 当業者 1番限(ぎり):150枚(225トン)【納会月】 300枚(450トン)【納会前月】 2番限:350枚(525トン) 3番限:500枚(750トン) 4番限:750枚(1,125トン) その他:1,000枚(1,500トン) 当業者 1番限(ぎり):400枚(4,800トン) 2番限:1,000枚(12,000トン) 3番限:2,000枚(24,000トン) その他:3,000枚(36,000トン) 当業者 1番限(ぎり):300枚(900トン) 2番限:700枚(2,100トン) 3番限:1,000枚(3,000トン) 4番限:1,500枚(4,500トン) その他:2,000枚(6,000トン) 注)1及び2の量目・包装は、正味30㎏紙袋入りとする。

(15)

<別添2-1>価格調整表

適用期間 平成29年9月限以前 標 準 品 平成28年産 東京コメ 群馬県産あさひの夢 栃木県産あさひの夢 埼玉県産彩のかがやき 千葉県産ふさおとめ 千葉県産ふさこがね 農産物検査法に基づく 検査規格 水稲うるち玄米1等品 受渡供用品 平成28年産 水稲うるち玄米 農産物検査法に基づく 検査規格 水稲うるち玄米 1等品 0円 【東京コメ】 【大阪コメ】 14 適用期間 平成29年9月限以前 標 準 品 平成28年産 大阪コメ (滋賀県産コシヒカリ及び 三重県産コシヒカリ) 農産物検査法に基づく 検査規格 水稲うるち玄米1等品 受渡供用品 平成28年産 国内産コシヒカリ 農産物検査法に基づく 検査規格 水稲うるち玄米 1等品 0円 適用限月 平成29年6月限適用 標 準 品 平成28年産 新潟コシ (新潟県産コシヒカリ) 農産物検査法に基づく 検査規格 水稲うるち玄米1等品 受渡供用品 平成28年産 水稲うるち玄米 農産物検査法に基づく 検査規格 水稲うるち玄米 1等品 0円 【新潟コシ】 注)1.調整額は1等のもの。2等の場合は60㎏につき600円を減額。 2.新潟コシの調整額は期近限月に適用するものとし、当該期近限月納会日の前々月に開催する理事会において決定する。

(16)

<別添2-2>価格調整表

適用期間 平成29年10月限以降 標 準 品 平成29年産 東京コメ 群馬県産あさひの夢 栃木県産あさひの夢 埼玉県産彩のかがやき 千葉県産ふさおとめ 千葉県産ふさこがね 農産物検査法に基づく検査規格 水稲うるち玄米 1等品 受 渡 供 用 品 平成29年産 水稲うるち玄米 農産物検査法に基づく検査規格 水稲うるち玄米 1等品 0円 【東京コメ】 【大阪コメ】 注)調整額は1等のもの。2等の場合は60㎏につき600円を減額。 15 適用期間 平成29年10月限以降 標 準 品 平成29年産 大阪コメ (滋賀県産コシヒカリ及び三重県産 コシヒカリ) 農産物検査法に基づく検査規格 水稲うるち玄米 1等品 受 渡 供 用 品 平成29年産 国内産コシヒカリ 農産物検査法に基づく検査規格 水稲うるち玄米 1等品 0円

(17)

(Q2)先物ではどれくらい先までの取引が可能なのですか

新潟コシは最長1年先まで、東京コメと大阪コメは最長6ヶ月先までの取引が可能です。

10月渡し (10月限) 注:東京コメは、各月20日に取引が終了し、5営業日後に受渡しを行う。 大阪コメは、各月10日に取引が終了し、5営業日後に受渡しを行う。 11月渡し (11月限) 12月渡し (12月限) 翌年 1月渡し (1月限) 2月渡し (2月限) 3月渡し (3月限)

1月限から12月限の内、6つの限月が、毎日(土日、祝日等を除く)取引されている。

答え 16 東 京 コ メ 大 阪 コ メ 10月渡し (10月限) 12月渡し (12月限) 翌年 2月渡し (2月限) 4月渡し (4月限) 6月渡し (6月限) 8月渡し (8月限) 新 潟 コ シ 注:新潟コシは、各偶数月20日に取引が終了し、2営業日後に受渡しを行う。

(18)

米を売り渡す人が受渡場所(取引所指定の倉庫)を 決める事が出来る。 ※ P28、P29の指定倉庫一覧参照。倉庫は適宜追加指定

(Q3)先物市場での米の受渡しはどうするのですか

初めての方でも、商品先物取引業者のアドバイスを受けながら、すぐに行うことが可能

です。ただし、受渡しのルールをきちんと把握することが大切です。

【受渡しの基本ルール】

受渡可能な産地品種銘柄

受渡しを行う人が自由に受渡しをする産地品種銘柄(価格調整表の範囲内で)を決めることが出来る。

受渡場所

受渡方法

受渡時期

【合意早受渡し制度】

売り手と買い手が合意すれば、上記のルールによらない、自由な受渡しも可能。

答え 17 指定倉庫の倉荷証券を受け渡す。 ※ 倉荷証券を渡せば受渡しは完結し、立会等も不要 (但し、新潟コシの場合は、荷渡指図書及び指定在庫証明書による) 各限月ごと、取引所が定める期日 (新潟コシ:納会日の2営業日後、 東京コメ・大阪コメ:納会日の5営業日 後に行う)

(19)

(秋田県産あきたこまち1等・東京渡しの例)

費用項目

金額

(消費税含まず)

商品取引会社への支払手数料 ※会社によって異なる

50円/俵

価格調整表の調整額

±0円/俵

運送費用(秋田

→東京) ※運送会社によって異なる

450円/俵

倉庫関係費用

(倉庫会社によって異なる)

指定倉庫の入・出庫料

50円/俵

保管料(2期:20日間)

50円/俵

倉荷証券発券料

9円/俵

総合計

≒610円/俵

(Q4)先物取引には費用がたくさんかかるのではないですか

そんなことはありません。

但し、商品先物取引会社への手数料や、現物受渡しを行う場合、置き場渡しに比較し

て、指定倉庫までの運賃等の一定の経費が必要となります。

現 物 受 渡 し の 際 必 要 と な る 経 費 (渡 し 方 の 負 担 ) 答え 18 注)現物受渡しを行う際、受け方には諸経費は発生しません。

(20)

1 商品先物取引会社を選ぶ

※ 米を扱う会社は大阪堂島商品取引所のHPにリストが掲載されています。

2 必要書類を提出し、取引口座を開設

3 取引口座に取引に必要な証拠金(保証金)を入金

4 取引注文を発注(集荷業者自らが先物市場の価格を注文するかしないかを判断)

5 注文が成立

【取引の流れ】

商品取引所 商品先物取引会社 商品先物取引会社に委託 取引の注文

(Q5)取引を始めるにはどうしたらよいですか

取引を始める場合は、まず、農林水産大臣の許可を受けた商品先物取引会社に連絡

して下さい。

集荷業者

【商品先物取引会社を通じた取引の流れ】

取引はまだ開 始されていま せん 答え → 本冊子の巻末にも一覧表に掲載していますのでご覧下さい。 19

(21)

心配無用です。商品先物取引法で証拠金等は商品先物取引会社の資産とは分離して

保管することが義務付けられています。

答え

(Q6)商品先物取引会社に預けた証拠金はちゃんと保全されるのですか

20

○ 商品先物取引会社に預けられた証拠金などの顧客資産は、商品先物取引法により、主務大臣

の許可を受けた清算機関((株)日本商品清算機構)に預託されるほか、各種の保全措置が義務

づけられています。

○ また、商品先物取引会社が適正な預託を行わず破綻したような場合に備えて、商品先物取引

法により、主務大臣の設立認可を受けた日本商品委託者保護基金により、1千万円を上限に補

償が行われます。

(Q7)先物で売ろうしていた米を他に売ってしまうことはできるのですか

可能です。先物市場で反対売買することで現物の受け渡しを行う必要はなくなります。

答え

○ 先物取引では、受渡しの約束月まで待って、米を受け渡すほか、それ以前に、差金決済という

形で、その取引をキャンセルすることが可能です。このキャンセルは、市場を通じて行われるため、

相手との交渉や、相手の事情の考慮等は全く必要がありません。

○ なお、差金決済を行うと、その時点で、先物取引の損益が確定し、一定の差益、又は差損が発

生することになります。

(22)

○ 先物取引に対する関心は少しずつですが、高まってきており、卸売業者を中心に、米の関係者

が本所に会員加入する動きも目立ち始めています。

○ 現在、米の先物市場には、これら米の流通に関わる集荷業者、卸・小売業者のほか、一部の

農業生産法人の方々も参加しています。

(Q8)先物取引にはどんな人が参加しているのですか

先物取引には、米の集荷業者、卸・小売業者の方や、農業生産法人の方も参加してい

ます。

答え 21

(Q9)米の先物取引を詳しく知りたいときはどこに問い合わせれば良いですか

大阪堂島商品取引所にお問い合わせ下さい。

答え

■ 大阪堂島商品取引所 東京支所

住所:103-0001 東京都中央区日本橋小伝馬町15番15号 電話:03-4334-2185 大阪堂島商品取引所 (本所)

■ 大阪堂島商品取引所 本所

住所:550-0011 大阪市西区阿波座1丁目10番14号 電話:06-6531-7931

(23)

(Q10)中国の商品取引所でも米の先物取引が行われているのですか

鄭州商品取引所が日本の米と同じジャポニカ種の米の取引を開始しました。

答え

○ 中国の鄭州商品取引所では、2013年11月18日にジャポニカ種の米の先物取引を開始しま

した。

○ 中国におけるジャポニカ種の生産は、主に中国東北部において行われており、その生産量は2

012年で約6,400万トンと、中国の米生産量(約2億トン)の3割を占めています。

事 項 内 容 標準品(基準受渡品) 中国の品質基準に基づく2等合格品 ※産地・銘柄等の指定なし 受渡代替品 中国の品質基準に基づく1等、3等合格品 ※産地・銘柄等の指定なし 取引期間(限月) 11月限、1月限、3月限、5月限、7月限、9月限 取引単位 20トン/枚(受渡単位は1,000トン単位) 値幅制限 前日帳入価格の±4% 受渡場所 黒竜江省、江蘇省、遼寧省及び吉林省において取引所が指定した受渡倉庫 取引時間 午前9:00~11:30 午後13:30~15:00

【商品設計】

22

(24)

参考資料

(具体的な活用の事例)

(25)

集荷業者A社の事例

・集荷業者A社は、新米の販売先確保に苦心していましたが、先物取引を活用すれば確実に販売できることを知 り、9月中旬に先物市場で4枚(800俵)の売り注文を成立させました。 ・9月下旬に先物価格が大きく下がったことから、A社は先物の売り注文を差金決済することで、利益をいったん 確保して、新米の販売は、価格が反発するであろう10月中旬までじっくりと待つことにしました。 ・A社は、先物で利益が確保できたことで、新米の販売時期を遅らせることができたので、9月に置場価格で販売 するより有利な価格で販売することができました。

【9月中旬】

集荷業者A社

集荷業者の3つの選択肢

集荷業者A社は熟慮の上、先物市場で800俵を売ることにした。 12月渡し (14,000円 - 610円) × 400俵 = 5,356,000円/400俵 1月渡し (14,150円 - 610円) × 400俵 = 5,416,000円/400俵 (先物価格) (受渡経費) (数量) 合計 10,772,000円/800俵の収入を確保 (受渡日に確実に受け取れる販売代金) 24 【選択肢1】 9月中旬に、置場価格で販売 ≪12,400円/俵 ≫ 【選択肢2】 販売先を先物市場と決め、売り注文を成立させる。 内訳:12月販売分400俵 + 1月販売分400俵の合計800俵 (注)受渡しには、受渡経費(運賃・保管料等=610円と仮定)を考慮する必要あり 販売価格≪12月渡し分 13,390円/俵 = 14,000円(先物価格) -610円(経費)≫ ≪ 1月渡し分 13,540円/俵 = 14,150円(先物価格) -610円(経費)≫ 【選択肢3】 売り時を待って販売 ≪価格は未定≫ 集荷業者Aは、受渡経費を考慮しても先物市場で販売する方が有利と判断し、【選択肢2】を選択 注)価格は全て税抜です。

(26)

→ 9月下旬に先物の契約はキャンセル(反対売買)するときは、売値と買値の差額を清算する

【9月下旬】

9月28日に作況指数(101)が発表されたこと等で、先物価格は下落しましたが、A社は“現物市場は依然として需給が ひっ迫しているので下落は一時的”と判断し、先物契約を差金決済して利益を一時的に確保しました。 平成XX年12月限 (12月に受渡を行う米) 平成XX+1年1月限 (1月に受渡を行う米) 枚数(1枚=200俵) 1枚 1枚 2枚 売値(当初の売値) @14,000円/俵 @14,000円/俵 @14,150円/俵 買値(キャンセルの反対売買) @13,300円/俵 @13,440円/俵 @13,400円/俵 損益 +700円/俵 (+140,000円/200俵) +560円/俵 (+112,000円/200俵) +750円/俵 (+300,000円/400俵) 損益合計 + 552,000円/800俵 (+690円/俵) 予想どおり、10月以降に米価格は反発し、つれて置場価格も上昇したので、先物で販売する予定だった現物を置場価格で販 売することにしました。

【10月中旬】

■ 置場での販売収入 13,800円 × 800俵 = 11,040,000円/800俵 25 注)消費税は含んでいません。 【参考】 10月中旬 置場価格 13,800円 先物価格 13,090円~13,290円 (受渡経費610円を除く) 先物の収入と合わせると 11,040,000円+ 552,000円= 11,592,000円/800俵 (置場収入) (先物収入) (14,490円/俵)

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取引の総括

Ⅰ XX年9月中旬に置場価格で販売した場合の収入 12,400円 × 800俵 = 9,920,000円/800俵 (置場価格) 9,920,000円/800俵 Ⅱ XX年12月~(XX+1)年1月に先物市場で販売した場合の収入 12月渡し(14,000円/俵-610円/俵)×400俵=5,356,000円/400俵 (先物価格) (受渡経費) 1 月渡し(14,150円/俵-610円/俵)×400俵=5,416,000円/400俵 (先物価格) (受渡経費) 10,772,000円/800俵 (Ⅰと比較すると、+852,000円) Ⅲ 先物は反対売買し、XX年10月中旬に置場で販売した場合の収入 13,800円 × 800俵 + 552,000円 =11,592,000円/800俵 (置場価格) (先物の利益) 11,592,000円/800俵 (Ⅰと比較すると、+1,672,000円)

先物市場を活用して将来の販売価格を固定できれば、その後の価格変動に惑わされることなく、

じっくり販売先を見極めることができる。時間的な猶予も得られるので、販売戦略の途中見直しも

可能になり、戦略的な観点からも先物取引のメリットを感じた。

Ⅳ 先物は使わず10月中旬に置場価格で販売した場合の収入 13,800円 × 800俵 = 11,040,000円/800俵 (置場価格) 11,040,000円/800俵 (Ⅰと比較すると、+1,120,000円) 先 物 取 引 を 活 用 し た 場 合 26 先物取引で新米を販売した場合 先物取引は差金決済&新米は通常販売

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先物取引経験者(当業者)の感想

注:本事例は、実際に取引を行った経験のある当業者からのヒアリングをもとに作成したものです。 27

 今後は、先物取引を販売チャンネルの一つとして考えるとともに、価格変

動リスクの回避ツールとして、上手に活用していけたらと考えている。

 今回は、コメの販売目的で先物に参加したが、現物価格が予想以上に変

動し、先物価格も大きく値下がりしたため、当初の戦略を見直した結果、

利益を得ることができた。

 商品取引会社の担当者から随時、取引方法や相場情勢などの情報を得

ていたことも、良い判断ができた理由の一つだと思っている。

 先物相場は現物相場と異なり、毎日時間刻みで変動するので、逐次、変

動幅やその理由を確認することが重要だと思う。

 販売目的での参加だったので、「買い戻し」は考えていなかったが、反対

売買で利益を確定したことで、初めて先物取引に参加している実感が湧

いた。現物取引と違い一切米に触れることなく、予想外の利益が得られ

たので理解するまで若干の違和感を感じた。

(29)

指定倉庫一覧(新潟コシ)

所在地 会社名 本支店名 倉庫名 貨物運送運賃 東京コメ 大阪コメ 東京都 (株)上組 東京支店 大井物流センター 基 準 70,000円 ワールド流通センター 多目的物流センター (当該倉庫のコメ を大阪コメに供 用する際の50俵 当たりの運賃。) (株)住友倉庫 東京支店 お台場営業所 第2倉庫 東京食料センター(株) 本社 辰巳倉庫 東洋埠頭(株) 東京支店 足立営業所 三菱倉庫(株) 東京支店 青海2号配送センター (株)杉村倉庫 足立営業所 神奈川県 (株)上組 横浜支店 南本牧物流センター - 横浜港流通センター - 大黒埠頭倉庫 - 国際埠頭(株) 本社 豊浦倉庫 - 湘南倉庫運送(株) 本社 黒部丘 42,000円 (株)住友倉庫 横浜支店 大黒営業所 第2倉庫 - 本牧営業所 南本牧倉庫 - 日清物流(株) 本社 磯子サイロセンター - 大黒倉庫センター - 三菱倉庫(株) 横浜支店 大黒第一営業所 D号倉庫 - 大黒第二営業所 本牧倉庫 - 千葉県 日本サイロ(株) 本社 千葉倉庫 - 茨城県 (株)上組 鹿島支店 鹿島G棟 48,000円 常陸那珂出張所 物流センター 50,000円 常陸那珂出張所 多機能倉庫 50,000円 (株)田島屋 本社 筑波倉庫 46,000円 28 所在地 会社名 本支店名 倉庫名 貨物運送運賃 新潟県 新潟輸送(株) 京ヶ瀬低温倉庫 - 東港倉庫 -

指定倉庫一覧(東京コメ・大阪コメ)

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指定倉庫一覧(東京コメ・大阪コメ)

会社名 本支店名 倉庫名 貨物運送運賃 東京コメ 大阪コメ 愛知県 東陽倉庫(株) 本社 金城ふ頭倉庫 70,000円 (当該倉庫のコメ を東京コメに供 用する際の200 俵当たりの運 賃。) 40,000円 (当該倉庫のコメ を大阪コメに供 用する際の50俵 当たりの運賃。) 飛鳥ふ頭1号倉庫 弥富ふ頭倉庫 大阪府 (株)上組 大阪支店 南港物流センター 110,000円 基 準 南大阪青果センター りんくう物流センター 木津川倉庫(株) 本社 大正倉庫 (株)杉村倉庫 大阪港営業所 三突倉庫 福崎倉庫 (当該倉庫のコ メを東京コメに 供用する際の 200俵当たりの 運賃。) (株)住友倉庫 大阪支店 川口営業所 安治川100倉庫 津田物産(株) 本社 大東流通センター 藤浪倉庫(株) 岸和田支店 泉北支店 三菱倉庫(株) 大阪支店 桜島第一営業所 安治川倉庫 桜島第一営業所 桜島倉庫 兵庫県 (株)上組 神戸支店 K-DIC上組倉庫 No.3 - 住吉物流センター 3号棟 - 魚崎倉庫 - 魚崎第2定温倉庫 - 神港倉庫(株) 本社 兵庫突堤3号倉庫 - 阪神流通センター倉庫 - 神明倉庫(株) 魚崎営業所 魚崎倉庫 - 魚崎西倉庫 - (株)杉村倉庫 神戸摩耶営業所 KS倉庫 - (株)住友倉庫 神戸支店 ポートアイランド営業所 神戸港国際流通センター100倉庫 - 三井倉庫(株) 関西支社 神戸支店 小野浜事務所 - 三菱倉庫(株) 神戸支店 新港営業所 - 森本倉庫(株) 本社 阪神団地営業所 - 京都府 伏見倉庫(株) 本社 伏見倉庫 - 29

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商品先物取引会社一覧(本所受託会員及び取次者)

商品先物取引会社名 住 所 電話番号 ㈱アルフィックス 〒532-0011 大阪市淀川区西中島1-15-2 06-6304-5071(代表) EVOLUTION JAPAN㈱ 〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町4-1 03-4510-3320(法人営業部) 岡地㈱ 〒103-0016 東京都中央区日本橋小網町12-5 03-3249-8866(国際法人部) 岡藤商事㈱ 〒104-0033 東京都中央区新川2-12-16 03-3552-6731(法人事業部) 岡安商事㈱ 〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町1-1-1 03-5642-8619(法人部) ㈱コムテックス 〒550-0011 大阪市西区阿波座1-10-14 06-6543-2118(代表) サンワ-ド貿易㈱ 〒162-0822 東京都新宿区下宮比町3-2 03-3260-0211(代表) 第一商品㈱ 〒150-0045 東京都渋谷区神泉町9-1 03-3462-8011(代表) 日産証券㈱ 〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町1-38-11 03-5623-0023(代表) 豊商事㈱ 〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町1-16-12 03-3667-5228(法人営業部) ㈱アステム 〒540-6591 大阪市中央区大手前1丁目7番31号 06-4790-3401(代表) 今村証券㈱ 〒920-0906 石川県金沢市十間町25番地 076-263-5111(代表) 30

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■ 大阪堂島商品取引所(東京支所)

住所:103-0001 東京都中央区日本橋小伝馬町15番15号 電話:03-4334-2185

■ 大阪堂島商品取引所(本所)

住所:550-0011 大阪市西区阿波座1丁目10番14号 電話:06-6531-7931

お問い合わせ

大阪堂島商品取引所 WEBSITE ADDRESS : http://www.ode.or.jp/

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少額貨物(20万円以下の貨物)、海外旅行のみやげ等旅具通関扱いされる貨

札幌、千歳、 (旭川空港、

第1回 平成27年6月11日 第2回 平成28年4月26日 第3回 平成28年6月24日 第4回 平成28年8月29日