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資料 9-1 治体 事業者連携の街づくり 3 つの視点 2017 年 株式会社リクルート住まいカンパニー SUUMO 編集 池本洋

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(1)

⾃治体・事業者連携の街づくり

3つの視点

2017年10⽉20⽇

株式会社リクルート住まいカンパニー

SUUMO編集⻑ 池本洋⼀

資料9-1

(2)

1.運営コスト逆算型 (リノベーション街づくり)

・「あるべき箱」を描いてから必要なコストを出すと事業者の採算に合わないことが多い。

・「補助⾦」を初期の採算GAPの⽳埋めにすると、⽴ち上がるが、中⻑期で運⽤が回らないことが多い。

・「継続的な運営費(借⼊返済・運営費)」を事業者がはじき、逆算で「初期投資の可能額」を出す。

・上記の結果として「空き家・空きビルのリノベーション事業」がリアルなモデルとなりやすい。

・「初期コストの補助」も×ではないが、「融資の利⼦補給」のほうが⻑期運営を⽀える意味では有効。

・「補助⾦」よりも「伴⾛と規制緩和」を⾃治体に求めたい。伴⾛職員が⾃治体を組織横断で動けると良い。

・リノベーション事業は建物使⽤の⽤途変更が必要になりがち。各⾃治体の担当部局や消防・保健所に対し

「どうすればコストを抑えながら突破できるか」を⼀緒に伴奏してもらえると事業者はありがたい。

・補助⾦だけ出してあとはヨロシクは×。過去にそれで痛い⽬にあった記憶を⺠間や地主は覚えている。

取材を通じて感じた⾃治体・事業者連携の秘訣①

事例1)草加リノベーションまちづくり

http://www.city.soka.saitama.jp/cont/s1403/kosogaiyou.pdf

事例2)山形リノベーションまちづくり

http://re-yamagata.com/about/ 草加市ホームページより引用 山形リノベーションまちづくり 推進協議会 ホームページより引用

(3)

2.集客施設隣接型 (公共施設で集客を担保し、その場で⺠がビジネスをする)

・元気シニアは多世代交流ニーズ⾼い=⼈が集まる場は⽣涯活躍と親和性がある。

・⽣涯活躍の街のモデルである「シェア⾦沢」のコンセプトはごちゃまぜの街。

・温泉/アルパカ/フットサル/レストラン等のコンテンツの集客効果は⼤きいが⼀般的にはコストが合わない。

・公共が提供できる集客施設の近くにシニア向け住居を誘導するのはどうか?

・たとえば「図書館」「道の駅」 「駅前」 「市場」「商店街」など

事例3)オガール紫波

市役所+図書館+ 体育館+宿+マルシェ+保育園+分譲住宅地

取材を通じて感じた⾃治体・事業者連携の秘訣②

オガール紫波および紫波町図書館および 紫波町観光交流協会のホームページより引用

(4)

3.再開発の容積緩和・プロポーザル要件 (規制緩和と引き換えに施設誘導)

・再開発マンションの容積率緩和の要件に「保育園や学童の併設」が増加。

・地域包括ケアの拠点づくりをプロポーザルの要件に⼊れているところも。

・地⽅都市においては、容積率緩和で床⾯積が増えてもテナント⼊らず嬉しくないケースが多々ある。

その場合は、市街地に近い、市街化調整区域や未線引き区域にCCRC建設の緩和はありえないか?

・当然すべてではなく、⼀定の要件を満たす事業提案のみ緩和していく形。

事例4)ザ・パークハウス国分寺四季の森

学童保育併設型の分譲マンション

事例5)世田谷中町プロジェクト

分譲マンション+サ高住の複合開発

国分寺市は学童保育の「全入制度」導入。「まちづくり 条例」に基づき、「100戸以上集合住宅を建設する場合、 何らかの子育て施設を併設する」 東京都の「一般住宅を併設 したサービス付き高齢者向 け住宅整備事業」第一号選 定プロジェクト

取材を通じて感じた⾃治体・事業者連携の秘訣②

同物件の公式ホームページより引用 同物件の公式ホームページより引用

(5)

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Copyright (C) Mitsubishi Research Institute, Inc.

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1966年、東京都生まれ。慶應義塾大学法 学部政治学科卒。2010年より、CCRCの 有望性を提唱し、産官学のアドバイザー を数多く務める。15年より高知大学客員 教授を兼務。共著に『Phronesis10 シニ アが輝く日本の未来』(丸善プラネッ ト)、『3万人調査で読み解く日本の生活 者市場』(日本経済新聞出版社)など。新 著は『日本版CCRCがわかる本』(法研)。 (三菱総合研究所 プラチナ社会研究 センター主席研究員)

松田智生

まつ   だ   とも   お 聞き手

編集部

︵大隅 元︶

雇用を創出し、

多世代に貢献する

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﹂と

地方創生

大 都 市 に 住 む 高 齢 者 が 住 み 替 え 、 地 域 貢 献 や 生 涯 学 習 を し な が ら 健 康 時 か ら 介 護 時 ま で 安 心 し て 暮 ら せ る 住 宅 コ ミ ュ ニ テ ィ ー ﹁ 日 本 版 C C R C ︵Continuing Care ︶ ﹂ が 注 目 さ れ て い る 。 元 気 な う Retirement Community ち に 多 世 代 が 集 う コ ミ ュ ニ テ ィ ー に 参 加 し て 充 実 し た 人 生 を 送 り 、 健 康 寿 命 を 可 能 な か ぎ り 伸 ば す と と も に 、 要 介 護 状 態 に な っ て も 継 続 的 な 医 療 ・ 介 護 サ ー ビ ス が 受 け ら れ る 点 も 特 徴 の 一 つ で あ る 。 C C R C 発 祥 の 地 で あ る ア メ リ カ で は 約 二 〇 〇 〇 カ 所 の コ ミ ュ ニ テ ィ ー が あ り 、 計 七 〇 万 人 ほ ど が 居 住 し て い る 。 市 場 規 模 は じ つ に 約 三 兆 円 。 C C R C で 見 ら れ る の は 、 担 い 手 と な り 生 き が い を も っ て 暮 ら す 元 気 な 高 齢 者 ︵ ア ク テ ィ ブ シ ニ ア ︶ の 姿 で あ る 。 現 在 、 わ が 国 で も ﹁ 日 本 版 C C R C ﹂ を 根 付 か せ る べ く 、 国 や 地 方 で 議 論 が 進 め ら れ て い る 。 政 府 は 一 昨 年 、 ﹁ 日 本 版 C C R C 構 想 有 識 者 会 議 ﹂ ︵ 座 長 ・ 増 田 寛 也 元 総 Voice May, 2017 132

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務 相 ︶ を 設 置 。 全 国 で 約 二 三 〇 の 地 方 自 治 体 が 、 推 進 意 向 を 示 し て い る 。 同 会 議 委 員 の 主 要 メ ン バ ー で あ る 松 田 智 生 氏 に 、 ﹁ 日 本 版 C C R C ﹂ 構 想 の 展 望 と 課 題 を 聞 い た 。 ﹁ 人 生 二 期 作 ﹂ と ﹁ 人 生 二 毛 作 ﹂ ﹁ 日 本 版 C C R C ﹂ は 、 ア ク テ ィ ブ シ ニ ア の 住 み 替 え だ け で な く 、 地 域 住 民 と 交 流 し な が ら 健 康 的 で 自 立 し た 生 活 を 送 り 、 医 療 や 介 護 の 安 心 が 備 わ っ た 地 域 づ く り を め ざ す と い わ れ て い ま す 。 そ も そ も ア ク テ ィ ブ シ ニ ア と は 、 ど う い う 人 の こ と を 指 す の で し ょ う か 。 松 田 ア ク テ ィ ブ シ ニ ア と は ﹁ W I L L ︵ や り た い こ と ︶ ﹂ と ﹁ C A N ︵ で き る こ と ︶ ﹂ が 明 ら か に な っ て い る 人 た ち と い え る で し ょ う 。 た と え ば 仕 事 一 筋 の 人 が 、 リ タ イ ア し た 途 端 に 無 気 力 状 態 に な っ て し ま う こ と は 多 々 あ り ま す 。 ま た 、 組 織 で 細 分 化 さ れ た 一 部 の 専 門 性 し か な い に も か か わ ら ず 、 仕 事 全 般 を マ ス タ ー し て い る と 勘 違 い し て い る 人 も い る 。 つ ま り ﹁ 自 分 は 何 が し た く て 、 何 が で き る の か ﹂ を わ か っ て い な い シ ニ ア は 意 外 に 多 い の で す 。 大 企 業 の 役 員 や 部 長 だ っ た 人 で も 、 い ざ リ タ イ ア し た ら 自 分 の W I L L や C A N が 何 一 つ 発 見 で き な い と い う 事 態 に な っ て し ま う 。 そ う な ら な い よ う に 、 ﹁ や り た い こ と ﹂ ﹁ で き る こ と ﹂ を 明 確 に 描 け る の が ア ク テ ィ ブ シ ニ ア に な る と い う こ と で す 。 ア ク テ ィ ブ シ ニ ア の も う 一 つ の キ ー ワ ー ド は 、 ﹁ き ょ う よ う ﹂ ﹁ き ょ う い く ﹂ で す 。 つ ま り ﹁ 今 日 用 = 今 日 用 事 が あ る ﹂ と ﹁ 今 日 行 く = 今 日 行 く 場 所 が あ る ﹂ こ と で す 。 た と え ば 早 起 き し て 農 園 に 通 い 、 日 中 は 大 学 で 栄 養 学 を 学 び 、 地 元 の 特 産 品 の 販 路 拡 大 を 話 し 合 う 。 夜 は ホ ス ト ・ フ ァ ミ リ ー の 留 学 生 と 食 事 を し 、 ジ ャ ズ バ ー で 音 楽 仲 間 と 談 笑 。 こ ん な 一 日 も 夢 で は あ り ま せ ん 。 羨 ま し い ほ ど 充 実 し た 生 活 で す が 、 実 際 こ う し た 暮 ら し を 行 な う ア ク テ ィ ブ シ ニ ア は 存 在 す る の で し ょ う か 。 松 田 た と え ば 大 手 出 版 社 に 勤 め て い た 方 で 、 リ タ イ ア 後 、 高 知 市 に 移 住 し た 例 が あ り ま す 。 漫 画 ﹃ 釣 り バ カ 日 誌 ﹄ ︵ 小 学 館 ︶ の 初 代 編 集 担 当 で 、 主 人 公 ﹁ ハ マ ち ゃ ん ﹂ の モ デ ル で 大 の 釣 り 好 き 。 高 知 で 釣 り 三 昧 の 日 々 を 楽 し み な が ら 、 編 集 者 だ っ た 経 験 を 活 か し て 農 業 や 観 光 や 移 住 の ア ド バ イ ザ ー と し て 活 躍 中 で す 。 現 役 時 代 の 強 133 アクティブシニアで地方創生

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み を 存 分 に 発 揮 し た ﹁ 人 生 二 期 作 ﹂ で す ね 。 さ ら に 、 最 近 は 高 知 大 学 の 特 任 教 授 と な り 、 新 た な キ ャ リ ア の ﹁ 人 生 二 毛 作 ﹂ も 始 め て い ま す 。 リ タ イ ア し た シ ニ ア に と っ て 寂 し い の が 、 交 わ す 名 刺 が 無 く な る こ と だ そ う で す 。 そ の 意 味 で は 、 大 学 の 特 任 教 授 の 名 刺 が あ る の は 嬉 し い こ と だ と 思 い ま す 。 ﹁ い ま が 人 生 で い ち ば ん 幸 せ ﹂ 首 都 圏 勤 務 だ っ た 人 が 、 急 に 地 方 に 移 住 す る の は ハ ー ド ル が 高 い よ う に も 思 え ま す が 。 松 田 こ の 高 知 移 住 の 方 が い う に は 、 ﹁ 田 舎 暮 ら し ﹂ は す ぐ に 飽 き て し ま う そ う で す 。 地 方 の 中 心 市 街 地 な ら 、 病 院 や 学 校 、 お 洒 落 な バ ー や イ タ リ ア ン だ け で な く 、 赤 ち ょ う ち ん や ス ナ ッ ク も 充 実 し て い ま す ︵ 笑 ︶ 。 も う 一 人 の 例 は 、 早 期 退 職 制 度 で リ タ イ ア し て 佐 世 保 市 ︵ 長 崎 県 ︶ に 移 住 し た 大 手 ビ ー ル 会 社 の 役 員 。 こ の 方 は 長 崎 支 社 長 を 四 年 半 務 め 、 ﹁ 第 二 の 故 郷 で も あ る 長 崎 に 恩 返 し を し た い ﹂ と 移 住 を 決 め ま し た 。 学 生 時 代 に 六 大 学 野 球 で 活 躍 し て い た 腕 前 を 活 か し 、 大 学 野 球 部 の コ ー チ を 務 め て い ま す 。 彼 の ケ ー ス も ﹁ 人 生 二 毛 作 ﹂ モ デ ル で す ね 。 企 業 戦 士 時 代 は 、 大 企 業 の ﹁ 鎧よ ろ い ﹂ を 身 に 着 け て い る よ う な 厳 し い イ メ ー ジ で し た が 、 現 在 は 真 っ 黒 に 日 焼 け し た 顔 で マ イ ル ド な 印 象 で 、 ﹁ い ま が 人 生 で い ち ば ん 幸 せ ﹂ だ そ う で す 。 こ の 方 は 移 住 し た 際 、 地 元 の 人 か ら ﹁ お 帰 り な さ い ﹂ と い わ れ た の が 何 よ り 嬉 し か っ た そ う で す 。 た し か に 知 ら な い 土 地 よ り 、 知 人 が い て 思 い 入 れ の あ る 場 所 の ほ う が よ い で し ょ う 。 彼 の よ う な ﹁ 転 勤 族 の 恩 返 し 型 ﹂ も 、 C C R C の 理 想 的 な か た ち と い え ま す 。 説 明 を 聞 い て い る だ け で 、 元 気 で 明 る い 高 齢 者 の 姿 を イ メ ー ジ で き ま す 。 彼 ら は 普 段 、 何 を モ チ ベ ー シ ョ ン の 源 泉 と し て い る の で し ょ う か 。 松 田 ア ク テ ィ ブ シ ニ ア は 、 貢 献 欲 求 と 承 認 欲 求 が 満 た さ れ て い ま す 。 誰 か に 貢 献 し て い る 、 誰 か に 承 認 さ れ て い る と い う 実 感 は 、 生 き る た め の 原 動 力 に な り ま す 。 さ ら に 、 自 分 と 違 う 世 代 を 含 め た 他 者 と の ﹁ 深 い 話 し 合 い ﹂ も 、 モ チ ベ ー シ ョ ン の 大 き な 要 素 な の で す 。 地 域 の 未 来 に つ い て 住 民 と 真 剣 に 議 論 す る よ う な ﹁ 青 臭 い 議 論 ﹂ が 、 心 の 健 康 に 繫 が っ て い く の で し ょ う 。 ア ク テ ィ ブ シ ニ ア は 現 在 、 高 齢 者 の お よ そ 何 割 が 該 当 し ま す か 。 134

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松 田 個 人 的 な 感 覚 で す が 、 ﹁ 二 : 六 : 二 の 法 則 ﹂ で い う 上 位 二 割 の 方 が ﹁ ア ク テ ィ ブ 層 ﹂ で 、 一 方 、 下 位 二 割 は 、 病 気 や 介 護 の ﹁ 対 処 層 ﹂ 。 中 間 の 六 割 を 占 め る シ ニ ア は 、 何 か を 始 め た い と 思 っ て い る け れ ど 、 一 歩 を 踏 み 出 せ な い ﹁ 潜 在 ア ク テ ィ ブ 層 ﹂ で す 。 ﹃ V o i c e ﹄ の 読 者 に も 、 老 後 の 生 き 方 や 趣 味 の 本 を 読 ん で は み た も の の ﹁ 実 際 、 ど う 始 め た ら い い か わ か ら な い ﹂ と い う 方 が い る か も し れ な い 。 そ の 一 歩 を 踏 み 出 す た め の 仕 組 み が 、 C C R C の 暮 ら し に あ り そ う で す 。 日 本 版 C C R C は 、 こ の 六 割 の 中 間 層 を 将 来 、 対 処 層 に 向 か わ せ ず 、 ア ク テ ィ ブ 層 に 移 行 さ せ る ﹁ 対 処 か ら 予 防 ﹂ の 一 助 に な る と 考 え て い ま す 。 夫 婦 の ﹁ ほ ど よ い 距 離 感 ﹂ が 保 た れ る 六 割 の 中 間 層 を ア ク テ ィ ブ 層 に 引 き 上 げ る た め に 、 日 本 版 C C R C に ど ん な 仕 組 み が 求 め ら れ ま す か 。 松 田 必 要 な の は 、 一 定 の イ ン セ ン テ ィ ブ ︵ 報 奨 ︶ と 少 し の 強 制 力 、 つ ま り ﹁ ア メ と ム チ ﹂ で し ょ う 。 た と え ば 、 C C R C で 五 十 時 間 働 け ば 、 そ の 時 間 は 将 来 の 自 分 の 介 護 に 使 え る 、 あ る い は そ の 時 間 を 地 域 通 貨 と し て 使 え る よ う な ア イ デ ィ ア で す 。 あ る い は ﹁ 第 二 義 務 教 育 ﹂ は 、 五 十 歳 や 六 十 歳 に な っ た ら 再 び 学 校 に 通 う ア イ デ ィ ア で す 。 学 校 で 地 域 の 歴 史 や 課 題 を 学 び 、 体 育 の 時 間 は 転 倒 防 止 運 動 を し ま す 。 そ こ で 幼 馴 染 み と 再 会 し た り 、 新 た な 友 人 が で き る で し ょ う 。 単 身 同 士 で 恋 が 芽 生 え る か も し れ ま せ ん 。 給 食 も 提 供 さ れ れ ば 、 独 居 老 人 の 食 事 は 助 か り ま す 。 こ う し た シ ニ ア の 背 中 を 後 押 し す る 制 度 設 計 が 必 要 で し ょ う 。 そ う い え ば 、 退 職 後 に 夫 婦 で 過 ご す 時 間 が 長 く な る と 、 奥 さ ん の 家 事 の 負 担 が 増 し 、 夫 婦 間 に ス ト レ ス が 増 え る こ と を よ く 聞 き ま す 。 C C R C に 住 め ば 、 食 事 や 洗 濯 と い っ た 家 事 の 負 担 は 軽 減 さ れ ま す ね 。 松 田 集 っ て 住 む ﹁ 集 住 ﹂ と い う 暮 ら し は 、 主 婦 の 家 事 の 軽 減 だ け で な く 、 男 同 士 で ゴ ル フ に 行 き 、 女 同 士 で フ ラ ダ ン ス を し て 、 食 事 は 気 の 合 う 夫 婦 同 士 で 一 緒 に と い う よ う に 、 ﹁ ほ ど よ い 距 離 感 ﹂ が 保 た れ ま す 。 妻 は 首 都 圏 に 残 り 、 夫 が 地 方 に 単 身 移 住 す る と い う ケ ー ス も あ り ま す 。 私 は ﹁ ハ ッ ピ ー 別 居 ﹂ と 呼 び ま す が 、 彼 ら に 話 を 聞 く と 、 ﹁ 以 前 よ り 関 係 が 良 好 に な っ た ﹂ と い う 。 S N S で 密 に 近 況 報 告 を 行 な い 、 久 し ぶ り に 自 宅 に 帰 り 、 妻 の つ く る 味 3 汁 の お い し さ に 気 付 い た と い う 男 性 も い ま し た よ 。 135 アクティブシニアで地方創生

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年 賀 状 に 書 き た く な る よ う な 暮 ら し 方 現 在 、 地 方 創 生 の 主 要 政 策 と し て 、 す で に 全 国 で 約 二 三 〇 の 地 方 自 治 体 が 日 本 版 C C R C の 推 進 意 向 を 示 し て い ま す 。 と こ ろ が C C R C の 案 は 議 論 さ れ て も 、 な か な か 実 現 段 階 に 至 ら な い の は な ぜ で し ょ う か 。 松 田 C C R C へ の 誤 解 や 先 入 観 が ま だ 多 い こ と で す 。 こ れ は 主 語 の 問 題 で す 。 た と え ば ﹁ 首 都 圏 の 介 護 が 大 変 だ か ら 地 方 の C C R C に 移 住 ﹂ と い え ば 、 地 方 は ﹁ 姥 捨 て 山 か ﹂ と 面 白 く な い し 、 シ ニ ア も 積 極 的 な 住 み 替 え の 動 機 に は な ら な い で し ょ う 。 し か し 、 主 語 を ﹁ 私 が 輝 く た め に セ カ ン ド ラ イ フ は ど う あ る べ き か ﹂ ﹁ わ が 街 が 輝 く た め に ア ク テ ィ ブ シ ニ ア と ど う 連 携 す る か ﹂ と い う よ う に 、 私 主 語 、 わ が 街 主 語 に す れ ば 、 前 向 き な 議 論 に な り ま す 。 つ ま り C C R C は 、 私 た ち 自 身 の ﹁ こ れ か ら ﹂ の 物 語 な の で す 。 そ れ に は ﹁ ワ ク ワ ク 感 ﹂ を 示 す こ と で す 。 リ タ イ ア 後 、 シ ニ ア が 寂 し い の は 年 賀 状 に 書 く こ と が 無 く な る こ と だ そ う で す 。 そ し て 男 性 は 老 後 の 年 賀 状 と い う と な ぜ か ﹁ そ ば 打 ち ﹂ に 走 る 傾 向 が あ る の で す が 、 そ ば 打 ち だ け で は 非 常 に も っ た い な い 。 C C R C の 近 隣 の 大 学 で 好 き な 幕 末 の 歴 史 を 学 び 、 学 生 の キ ャ リ ア ア ド バ イ ザ ー を し て 、 地 元 の 特 産 品 の 販 路 開 拓 に 汗 を 流 す 。 そ ん な 年 賀 状 に 書 き た く な る よ う な 暮 ら し 方 を 示 す こ と で は な い で し ょ う か 。 日 本 版 C C R C は 地 方 に ハ コ モ ノ を つ く る こ と で は な い の で す 。 ﹁ ワ ク ワ ク 感 ﹂ を 感 じ る C C R C と い う の は 、 具 体 的 に ど ん な イ メ ー ジ で し ょ う か ? 松 田 た と え ば 好 き な 美 術 館 や 博 物 館 の 近 く に C C R C を つ く る ﹁ 美 術 館 ・ 芸 術 連 携 型 ﹂ や 、 好 き な プ ロ 野 球 チ ー ム の フ ァ ン 同 士 が 住 む ﹁ プ ロ 野 球 連 携 型 ﹂ 。 宝 塚 フ ァ ン が 集 う モ デ ル や テ ー マ パ ー ク の 近 く で 家 族 三 世 代 が 楽 し め る モ デ ル も あ る で し ょ う 。 ま た 、 ﹁ 企 業 城 下 町 連 携 型 ﹂ は 、 豊 田 を は じ め 日 立 や 釜 石 、 長 崎 な ど の 企 業 城 下 町 で の モ デ ル で す 。 今 後 、 団 塊 世 代 以 降 の リ タ イ ア に よ り 、 企 業 城 下 町 の 衰 退 が 懸 念 さ れ ま す 。 そ こ で 地 元 に 愛 着 を も つ 企 業 O B ・ O G の 移 住 を 募 り 、 企 業 城 下 町 の 施 設 、 人 材 、 情 報 を フ ル 活 用 し て 、 新 た な 街 づ く り に 挑 ん で も ら う の で す 。 一 方 、 ﹁ シ ン グ ル マ ザ ー 連 携 型 ﹂ は 、 C C R C で 彼 女 た ち に 向 け た 雇 用 を つ く り 、 さ ら に 居 住 者 の 家 賃 の 一 部 が 彼 女 た ち の 子 供 の 奨 学 金 に な る ア イ デ ィ ア で す 。 最 近 136

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上 梓 し た ﹃ 日 本 版 C C R C が わ か る 本 ﹄ 法 研 ︶ で は 、 ﹁ こ ん な 日 本 版 C C R C な ら 住 ん で み た い ! ﹂ と い う 六 分 野 三 〇 の ワ ク ワ ク す る C C R C モ デ ル を 示 し て い ま す 。 ち な み に 、 C C R C に 適 し た 場 所 や 条 件 は あ り ま す か 。 松 田 C C R C の 特 長 は 、 あ ら ゆ る 立 地 で 成 立 す る と い う 点 に あ り ま す 。 い ま ま で の 話 の 流 れ で は 地 方 限 定 で 論 じ ら れ が ち で す が 、 都 市 部 や 首 都 圏 か ら 近 い 郊 外 で も 機 能 す る 仕 組 み で す 。 地 方 移 住 あ り き で は な い の で す 。 移 住 者 の ラ イ フ ス タ イ ル に 合 わ せ た 多 種 多 様 な C C R C が 生 ま れ れ ば 、 家 族 に と っ て も 選 択 の 幅 が 広 が り ま す ね 。 松 田 た と え ば 地 方 で 暮 ら す シ ニ ア 夫 婦 が 、 息 子 夫 婦 の 住 む 首 都 圏 に 移 り 住 め ば 、 孫 と 一 緒 に 過 ご せ る 時 間 が 増 え ま す 。 ま た 、 積 雪 地 域 の 雪 か き の 苦 労 も な い で す し 、 戸 建 て と 比 べ て C C R C の ほ う が 掃 除 や 食 事 な ど 家 事 負 担 が 減 り ま す 。 も ち ろ ん C C R C は 要 介 護 状 態 に な る 前 に 、 元 気 な う ち に 入 居 す る こ と が 前 提 で す 。 と は い え 、 加 齢 と と も に 身 体 の 衰 え は 避 け ら れ ま せ ん 。 C C R C で 必 須 な の は 、 ﹁ カ ラ ダ の 安 心 ﹂ ﹁ オ カ ネ の 安 心 ﹂ ﹁ コ コ ロ の 安 心 ﹂ の 三 つ で す 。 具 体 的 に は 、 健 康 支 援 や 予 防 医 療 の 提 供 、 介 護 状 態 に な っ て も 継 続 的 な ケ ア を 受 け ら れ る こ と 。 米 国 の C C R C は 原 則 、 介 護 に な っ て も 家 賃 が 変 わ り ま せ ん 。 そ れ が オ カ ネ の 安 心 で す 。 し か し 現 在 の 日 本 の 高 齢 者 住 宅 は 、 介 護 度 が 上 が る と 費 用 が か さ み ま す 。 コ コ ロ の 安 心 は 、 そ こ で 友 人 が で き 、 生 き が い が 見 つ か る こ と で す 。 い ま 、 私 が 危 惧 す る の は 、 劣 悪 な ﹁ な ん ち ゃ っ て ・ C C R C ﹂ の 粗 製 乱 造 で す 。 ア メ リ カ で C C R C の 認 証 規 格 制 度 が あ る よ う に 、 日 本 で も I S O ︵ 国 際 標 準 化 機 構 ︶ の よ う に C C R C の 認 証 規 格 は 必 須 で し ょ う 。 こ う し た 認 証 や 格 付 け が 普 及 す れ ば 、 消 費 者 保 護 に な る と と も に 、 事 業 主 体 が 投 資 家 や 金 融 機 関 か ら 資 金 調 達 す る こ と に も 貢 献 し ま す 。 規 制 緩 和 だ け で な く 、 良 い 意 味 で の 規 制 や 認 証 制 度 も 、 C C R C の 健 全 な 市 場 創 出 の た め に 必 要 だ と 思 い ま す 。 各 自 治 体 が 構 想 を 練 っ て も 、 な か な か 事 業 主 体 が 現 れ な い と い う 課 題 も あ り ま す が 。 松 田 そ れ が い ま 直 面 す る 最 大 の 課 題 で し ょ う 。 C C R C の 事 業 主 体 は 、 民 間 企 業 や 医 療 法 人 、 社 会 福 祉 法 人 が 中 心 に な り ま す が 、 有 望 と 思 い つ つ も 、 ま っ た く 新 た 137 アクティブシニアで地方創生

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な ビ ジ ネ ス で あ る が ゆ え に 、 一 歩 踏 み 出 せ な い の で す 。 彼 ら の 事 業 参 入 意 欲 を 高 め る た め に 、 規 制 緩 和 や 、 補 助 や 減 税 な ど の 政 策 、 制 度 設 計 が 必 須 で す 。 た と え ば 、 共 用 部 の 建 設 費 の 補 助 や 容 積 率 へ の 非 算 入 、 あ る い は 居 住 者 の 介 護 度 が 改 善 さ れ た 場 合 に は 、 奨 励 金 や 減 税 が あ る よ う な 健 康 イ ン セ ン テ ィ ブ で す 。 ま た 、 事 業 者 主 体 の 単 独 型 で な く 、 地 元 の 病 院 に 大 手 企 業 が 出 資 し て リ ス ク を 軽 減 す る 共 同 方 式 も 考 え る べ き で し ょ う 。 民 ・ 公 ・ 産 ・ 学 の ﹁ 四 方 一 両 得 ﹂ の シ ス テ ム C C R C の 実 現 に 向 け て 、 国 や 自 治 体 が よ り 能 動 的 に 取 り 組 む た め の 方 策 は あ り ま す か ? 松 田 ユ ー ザ ー 視 点 で す 。 つ ま り 、 実 際 に 輝 く ア ク テ ィ ブ シ ニ ア を ロ ー ル モ デ ル と し て 紹 介 す る こ と で す 。 先 ほ ど 挙 げ た 理 想 的 な リ タ イ ア 例 の よ う に 、 シ ニ ア の ﹁ ヒ ー ロ ー ﹂ や ﹁ ヒ ロ イ ン ﹂ が テ レ ビ や ネ ッ ト で 注 目 を 集 め れ ば 、 日 本 に お よ そ 六 六 〇 万 人 い る 団 塊 世 代 の シ ニ ア が 、 新 た な 住 ま い 方 や 暮 ら し 方 を 考 え て 、 市 場 を 広 げ て い く で し ょ う 。 お っ し ゃ る よ う に 、 ﹁ 自 分 の 知 識 や 経 験 を 誰 か に 伝 え た い ﹂ ﹁ 誰 か の 役 に 立 ち た い ﹂ と 願 う シ ニ ア は 少 な く な い と 思 い ま す 。 松 田 ア メ リ カ の C C R C で は 、 投 資 銀 行 や エ ネ ル ギ ー 関 連 企 業 で 働 い て い た 人 が 教 壇 に 立 ち 、 大 学 教 授 の よ う に 国 際 金 融 や エ ネ ル ギ ー 問 題 を 教 え て い ま す 。 日 本 で も 、 積 極 的 に 経 験 や ス キ ル を 若 い 世 代 に 教 え る シ ニ ア が 増 え れ ば 、 間 違 い な く 社 会 に プ ラ ス で し ょ う 。 そ れ は な に も 成 功 者 だ け で な く 、 バ ブ ル や リ ー マ ン ・ シ ョ ッ ク で 失 敗 し た ﹁ し く じ り 先 生 ﹂ で も 参 考 に な る は ず で す 。 先 日 、 移 住 や C C R C に 関 心 を も つ シ ニ ア や 現 役 世 代 を 連 れ て 徳 之 島 ︵ 鹿 児 島 県 ︶ に 赴 き 、 地 元 の 高 校 生 た ち と キ ャ リ ア 勉 強 会 を し ま し た 。 た と え ば 元 C A ︵ 客 室 乗 務 員 ︶ な ら ホ ス ピ タ リ テ ィ の 極 意 、 建 築 家 は デ ザ イ ン の 重 要 性 と い う よ う に 、 各 々 の ﹁ 働 く 論 ﹂ を 話 す の で す 。 ま た 、 あ る 方 は 自 分 の 会 社 の 破 綻 と い う 稀け 有う な 実 体 験 を リ ア ル に 語 っ て い て 、 真 剣 に 耳 を 傾 け る 学 生 の 姿 が と て も 印 象 的 で し た 。 感 想 を 聞 く と 、 自 身 の キ ャ リ ア や 人 生 経 験 を 説 明 す る こ と の 難 し さ を 感 じ な が ら も 、 自 分 の 話 に 目 を 輝 か せ る 島 の 子 供 た ち と 接 し て 、 彼 ら の 将 来 に 何 か 役 立 つ こ と が で き る の で な い か 、 と 感 じ て い た よ う で す 。 138

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徳之島(鹿児島県)の高校生に向けて行なわれ たキャリア教育(写真提供:丸の内プラチナ大学) シ ニ ア が 地 方 の 担 い 手 に な る こ と で 、 承 認 欲 求 や 貢 献 欲 求 が 満 た さ れ る と い う 好 モ デ ル で す ね 。 最 後 に 、 日 本 版 C C R C は 将 来 、 地 方 創 生 に 何 を も た ら す で し ょ う か 。 松 田 シ ニ ア の 新 た な ラ イ フ ス タ イ ル と 多 世 代 が 輝 く 健 康 な 街 づ く り で す 。 め ざ す べ き 社 会 と は 、 高 齢 者 の た め だ け の 社 会 で は な く 、 多 世 代 の た め の 成 熟 し た 社 会 で す 。 そ し て 移 住 者 の た め だ け で は な く 、 い ま の 市 民 の た め で も あ り ま す 。 若 者 が 地 元 か ら 出 て 行 く 、 あ る い は 地 元 に 戻 ら な い 理 由 は 、 雇 用 が な い か ら で す 。 C C R C は 、 新 た な 雇 用 を 創 出 し 、 多 世 代 に 貢 献 す る も の で す 。 健 康 寿 命 が 延 び れ ば 、 医 療 費 や 介 護 費 も 抑 制 可 能 で す 。 産 業 面 で は 、 健 康 に 関 連 し た 新 産 業 が 創 出 さ れ 、 そ こ に 大 学 の 生 涯 学 習 や 研 究 機 能 が 加 わ る こ と で 、 民 ・ 公 ・ 産 ・ 学 の ﹁ 四 方 一 両 得 ﹂ の シ ス テ ム が 完 成 し ま す 。 そ の 意 味 で 、 C C R C は 地 方 創 生 の 切 り 札 に な り え ま す 。 た だ し 、 政 策 が 事 業 と し て 成 立 す る た め に は 今 後 一 、 二 年 が 正 念 場 に な る で し ょ う 。 私 た ち が 将 来 住 み た く な る よ う な モ デ ル は 何 か と い う ﹁ ユ ー ザ ー 視 点 ﹂ で 議 論 を 進 め て い く こ と が 、 魅 力 あ る 日 本 版 C C R C を 創 出 す る は ず で す 。 139 アクティブシニアで地方創生

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