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藤田学園第8回市民公開講座テキスト

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(1)

藤田学園第

12 回市民公開講座テキスト

*講座名*

「くらしと健康」“ 排 尿 の 悩 み ”

*講 師* 『排尿のしくみ』 ■白木 良一 (藤田保健衛生大学医学部腎泌尿器科学助教授) 『排尿機能検査について』 ■長嶌 和子 (藤田保健衛生大学病院臨床検査部検査技師) 『前立腺の病気と男性の排尿障害』 ■早川 邦弘 (藤田保健衛生大学医学部腎泌尿器科学助教授) 『女性と子供の尿漏れについて』 ■佐々木 ひと美 (藤田保健衛生大学医学部腎泌尿器科学講師) *日 時* 平成 19 年 2 月 10 日(土) 13:30~16:30 *場 所* 藤田保健衛生大学フジタホール 2000 学校法人藤田学園・藤田学園医学会

(2)

プ ロ グ ラ ム

第 12 回藤田学園市民公開講座 テーマ 「くらしと健康」 “排尿の悩み” 開会の挨拶・案内(13:25-13:30) 辻 孝雄(医学部教授/実行委員長) 学長 挨拶(13:30-13:35) 中野 浩(藤田保健衛生大学学長) セクション 1(13:35-14:35) 座 長:中川 研二(医学部整形外科学教授) 演題-1 排尿のしくみ (13:35-14:05) 医学部腎泌尿器科学助教授 白木 良一 演題-2 排尿機能検査について (14:05-14:35) 大学病院臨床検査部検査技師 長嶌 和子 休憩(14:35-14:45) セクション2(14:45-15:45) 座 長:森本紳一郎(医学部内科学教授) 演題-3 前立腺の病気と男性の排尿障害 (14:45-15:15) 医学部腎泌尿器科学助教授 早川 邦弘 演題-4 女性と子供の尿漏れについて (15:15-15:45) 医学部腎泌尿器科学講師 佐々木 ひと美 休憩(15:45-15:55) 総合討論(15:55-16:30) 座 長:星長 清隆(医学部腎泌尿器科学教授) 森本紳一郎(医学部内科学教授) 次回の案内と閉会の挨拶 滝田 毅(短期大学教授/副実行委員長)

(3)

《排尿のしくみ》

藤田保健衛生大学医学部腎泌尿器科学助教授 白木 良一 尿は血液中の水分と老廃物が、腎臓でろ過されて作られています。腎臓で実際に尿と して排泄される量は1日1~1.5リットル程度です。尿は私たちの身体の維持にとって 大変重要な役割を果たしているのです。 腎臓で作られた尿は膀胱に集まります。膀胱は尿を貯める働きをする袋状の臓器で、 自分の意思では動かせない平滑筋でできています。通常、150~300ccの尿を貯め ることが可能で、その間、膀胱の筋肉は緩んで、低い圧力に保たれています。尿道を閉 め、もれないようにしているのが尿道括約筋です。蓄尿は、中枢神経と末梢神経の調和 のとれた働きで、膀胱と尿道をコントロールしています。膀胱に尿が貯まりいっぱいに なると、この情報が脊髄を通って大脳に伝えられ尿意として認識されます。大脳からの 排尿の命令刺激は脊髄を経由して膀胱・尿道に伝えられ、膀胱の収縮と尿道括約筋の弛 緩を起こし、尿が排出されるのです。 通常は、トイレへ行き、排泄するまでの一連の動作が整うまで尿意を抑制できます。 一般的な排尿回数は、昼間は5~7回、夜間は0~1回が目安です。しかし、高齢者で は年齢とともに夜間の排尿回数は増える傾向が見られます。また、飲水量や発汗量によ って変化しますので、単純に尿回数だけで「頻尿」の判断はできません。膀胱が空にな ると収縮は止まり、尿道が締まり再び蓄尿が開始されます。これら蓄尿機能や排尿機能 が調和のとれた働きをしない場合、頻尿や尿失禁などの症状が現れます。 慢性的な排尿障害を自覚している方は、排尿日誌をつけて専門医を受診されることを お勧めします。 【講師プロフィール】 1984 年、慶應義塾大学医学部卒業。‘92-94 年、ワシントン大学(セントルイス)医学部 外科研究留学を経て、‘95 年 藤田保健衛生大学医学部腎泌尿器科学講師。2000 年、同助 教授、現在に至る。専門は泌尿器腫瘍の診断と治療。医学博士。

(4)

藤田保健衛生大学 藤田保健衛生大学 腎泌尿器外科腎泌尿器外科 白木 白木 良一良一 市民公開講座 排尿のしくみ 腹部(後腹膜)臓器の構造 腹部(後腹膜)臓器の構造 腹部(後腹膜)臓器の構造

男性骨盤内臓器の解剖

男性骨盤内臓器の解剖

男性骨盤内臓器の解剖

女性骨盤内臓器の解剖

女性骨盤内臓器の解剖

女性骨盤内臓器の解剖

膀胱と尿道の構造

膀胱と尿道の構造

膀胱と尿道の構造

蓄尿と排尿の生理機構蓄尿と排尿の生理機構蓄尿と排尿の生理機構

(5)

下部尿路 の構造と機能

下部尿路

下部尿路

の構造と機能

の構造と機能

蓄尿と排尿の神経支配

蓄尿と排尿の神経支配

蓄尿と排尿の神経支配

蓄尿 蓄尿 蓄尿 排尿排尿排尿

様々な排尿障害の症状

様々な排尿障害の症状

様々な排尿障害の症状

腹圧性尿失禁

腹圧性尿失禁

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過活動膀胱

(OAB)

の有病率

過活動膀胱

過活動膀胱

(OAB) (OAB)

の有病率

の有病率

正常な排尿とは(成人の場合)正常な排尿とは(成人の場合)正常な排尿とは(成人の場合) 1 1回の排尿量回の排尿量 200200~~40400 0 mLmL((コップ約コップ約11杯~杯~22杯分)杯分) 1 1回あたりの排尿時間回あたりの排尿時間 2020~~3030秒秒 1 1日の排尿量日の排尿量 1,0001,000~~1,500 mL1,500 mL 1 1日の排尿回数日の排尿回数 55~~77回回 排尿間隔 排尿間隔 33~~55時間に時間に11回(起きている間)回(起きている間) おなかに力をいれなくても排尿できる。 おなかに力をいれなくても排尿できる。 尿が途中で途切れたり,なかなか終わらなかったりすることはない。 尿が途中で途切れたり,なかなか終わらなかったりすることはない。 残尿感がない。 残尿感がない。 尿失禁や尿の漏れはない。 尿失禁や尿の漏れはない。 排尿後すぐに尿意を感じることはない。 排尿後すぐに尿意を感じることはない。 ふつう排尿のために夜起きること ふつう排尿のために夜起きること22回以上はない。回以上はない。 尿意をはっきり感じ,ある程度のがまんもできる。 尿意をはっきり感じ,ある程度のがまんもできる。 昼間頻 尿 昼間頻 尿 20 0 40 60 80 100 昼間頻尿:8 回以上,夜間頻尿:1 回以上,その他:週 1 回以上 (%) 女性 男性 夜間頻 尿 夜間頻 尿 尿勢低 下 尿勢低 下 残尿感 残尿感 尿意切 迫感 尿意切 迫感 切迫性 尿失 禁 切迫性 尿失 禁 腹圧性 尿失 禁 腹圧性 尿失 禁 オム ツ使 用 オム ツ使 用 膀胱痛 膀胱痛

排尿症状の頻度

排尿症状の

排尿症状の

頻度

頻度

本間之夫 他:日本排尿機能会誌 14(2):266, 2003 日本排尿機能学会「排尿に関する疫学的研究委員会」 排尿に関する疫学調査より 昼間頻 尿 昼間頻 尿 10 0 20 30 40 50 (%) 女性 男性 夜間頻 尿 夜間頻 尿 尿勢低 下 尿勢低 下 尿意切 迫感 尿意切 迫感 切迫性 尿失 禁 切迫性 尿失 禁 腹圧性 尿失 禁 腹圧性 尿失 禁 その 他 その 他 QOL に最も影響のあった排尿症状 QOL QOL に最も影響のあったに最も影響のあった排尿症状排尿症状 昼間頻尿:8 回以上,夜間頻尿:1 回以上,その他:週 1 回以上

循環動態(夜間多尿傾向)循環動態(夜間多尿傾向) 動脈硬化、腎機能障害、糖尿病 動脈硬化、腎機能障害、糖尿病, etc, etc

睡眠障害睡眠障害 不眠症、昼寝、

不眠症、昼寝、sleeping apneasleeping apnea((睡眠時無呼吸睡眠時無呼吸))

膀胱刺激膀胱刺激 膀胱機能 膀胱機能((蓄尿蓄尿))障害、温度環境、尿路感染障害、温度環境、尿路感染, , ほかほか

夜間頻尿の原因

夜間頻尿の原因

夜間頻尿の原因

前立腺の肥大 膀胱収縮力の低下 前立腺や尿道の筋肉の過緊張 前立腺がん 尿路結石 神経因性膀胱 など 前立腺の肥大 前立腺の肥大 膀胱収縮力の低下 膀胱収縮力の低下 前立腺や尿道の筋肉の過緊張 前立腺や尿道の筋肉の過緊張 前立腺がん 前立腺がん 尿路結石 尿路結石 神経因性膀胱 神経因性膀胱 などなど 排尿障害の主な原因 排尿障害の主な原因 排尿障害の主な原因 いろいろな原因があります。 いろいろな原因があります。

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前立腺の肥大

前立腺の肥大

前立腺が大きくなり 尿道を圧迫している 正常な前立腺 肥大した前立腺 Dr. Dr. ““オシッコの調子はどうですか?オシッコの調子はどうですか?”” Pt. Pt. ““とってもとってもヨー(ヨク)ヨー(ヨク)出ます。出ます。”” Dr Dr. . ““尿が尿がよく出るよく出るお薬を出します。お薬を出します。”” Pt. Pt. ““ヨク出るヨク出る(??)(??)お薬お薬”” 近くなる?、利尿剤? 近くなる?、利尿剤?

< しばしば遭遇する誤解 >

しばしば遭遇する誤解

しばしば遭遇する誤解

z

zGood Good --Stream (Stream (よい流量よい流量)???)???

z zF r e q u e n t l yF r e q u e n t l y((近 い )近 い ) ? ? ?? ? ? z zU r g e n tU r g e n t((直 ぐ に )直 ぐ に ) ? ? ?? ? ?

排尿日誌

排尿日誌

排尿日誌

排尿時刻

排尿量

(ml)

尿失禁 event

1 : 2 : 3 : 4 : z z 膀胱は尿を貯める働きをする袋状の臓器で、自分の意思では膀胱は尿を貯める働きをする袋状の臓器で、自分の意思では 動かせない平滑筋でできています。 動かせない平滑筋でできています。 z z 蓄尿蓄尿とと排尿排尿は、は、中枢神経中枢神経とと末梢神経末梢神経のの調和調和ののとれた働きとれた働きで、で、膀膀 胱 胱とと尿道尿道ををコントロコントローールしていますルしています。。 z z 一般的な排尿回数は、昼間は5一般的な排尿回数は、昼間は5〜〜7回、夜間は07回、夜間は0〜〜1回が目安1回が目安 です。 です。 z z 蓄尿機能や排尿機能が調和のとれた働きをしない場合、頻尿蓄尿機能や排尿機能が調和のとれた働きをしない場合、頻尿 や尿失禁などの症状が現れます。 や尿失禁などの症状が現れます。

まとめ

まとめ

まとめ

御静聴ありがとうございました。

御静聴ありがとうございました。

(8)

《排尿機能検査について》

藤田保健衛生大学病院臨床検査部検査技師 長嶌 和子 「おしっこの出が悪くなった」「尿漏れしてしまった」など、排尿について心 配ごとをかかえていらっしゃる方は、ご高齢の方を中心に多いと思います。し かし、「年のせいだから仕方がない」「恥ずかしい」などと受診をためらう方も 少なくないでしょう。 今回は検査の立場から正常な蓄尿機能、排尿機能とはどういったものかを具 体的に示し、家庭でできる尿の勢いチェックの方法を解説いたします。また、 泌尿器科を受診された際、下部尿路機能を調べるためにどのような検査が行わ れるのかを分かりやすく解説いたします。 1) 排尿日誌:排尿時刻、それぞれの排尿量、尿失禁の有無などについて 患者様ご自身で記録していただくもので、生理的な排尿状態を把握す るうえで非常に役立ちます。 2) 尿流測定:排尿困難時の検査のひとつで、排尿状態の良悪を客観的に 判断することができます。 3) 残尿測定:排尿後の膀胱にどの程度尿が残っているか、超音波を使っ て検査します。診断のみならず治療方針決定においても重要な情報と なるため、泌尿器科においては必須の検査項目です。 4) 膀胱内圧測定:蓄尿と排尿の基本的なサイクルを検査室で再現するこ とにより、蓄尿機能、排尿機能、膀胱知覚、膀胱容量などの評価を行 います。 下部尿路機能障害は、放置して自然によくなるということはありません。ま ず病気かどうかを確認することが大切です。年齢のせいなどと自分であきらめ ず、心配ごとのある方は泌尿器科を受診してください。 【講師プロフィ-ル】 1992 年、藤田保健衛生大学短期大学卒業後、臨床検査技師取得。同年、同大学 病院臨床検査部入職。2006 年、排尿機能検査士取得、現在に至る。

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1

排尿機能検査

排尿機能検査

について

について

藤田保健衛生大学病院 臨床検査部 長嶌 和子 第12回 藤田保健衛生大学市民公開講座

Fujita Health University Hospital

排尿とは・・・?

排尿とは・・・?

排尿とは・・・?

Fujita Health University Hospital

• 蓄尿障害 • 排尿障害 • 排尿後障害 下部尿路機能障害 「おしっこ」がたまる 排尿を開始する 排尿を維持する 排尿が終わる 尿意を感じる 障害 障害 障害 障害 障害

蓄尿機能について

蓄尿機能について

蓄尿機能について

Fujita Health University Hospital

„ 尿意を感じない、 もしくは感じにくい „ 尿意を感じると、 直ちに排尿したくなる (尿意切迫感) „ 少量しかためられない „ 尿失禁がある „ ある程度で尿意を感じる (150~200 ml) „ 尿意を感じてからも、 しばらく我慢ができる „ 十分な量の尿をためる ことができる (300~500 ml) „ 尿失禁はない 異常 正常

排尿機能について

排尿機能について

排尿機能について

Fujita Health University Hospital

„ 排尿しようとしても、 なかなか出せない „ 勢いがない „ 排尿時間が長い „ 排尿に努力が必要 „ しずくがたれる „ 残尿がある „ しようと思えばいつでも排尿できる „ 排尿しようと思ったら、すぐ出せる „ 尿に勢いがある „ 短時間で終了する (20~30秒) „ がんばらなくても、排尿できる „ 完全に終了する „ 残尿はない 異常 正常

正常な排尿とは・・・!

正常な排尿とは・・・!

„一回排尿量 : 200~400ml „一回排尿時間 : 20~30秒 „一日排尿量 : 1000~1500ml (1~1.5L) „一日排尿回数 : 5~7回 „排尿間隔 : 3~5時間

Fujita Health University Hospital

下部尿路機能検査

下部尿路機能検査

下部尿路機能検査

„ 排尿日誌 „ パッドテスト(尿漏れテスト) „ 尿流測定(UFM) „ 残尿測定 „ 膀胱内圧測定(CMG) „ 内圧尿流検査(Pressure‐Flow Study) „ 外尿道括約筋筋電図 „ ビデオウロダイナミクス „ 腹圧下尿漏出圧測定 „ 尿道内圧測定

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2

排尿日誌

排尿日誌

排尿日誌

„普段の排尿状態を把握することができます (排尿障害のタイプの評価にかなり役立ちます)

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排尿時刻 排尿量 コメント AM 7:15 250 ml 間に合わない AM 9:30 180 ml AM 11:40 230 ml ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

尿流測定(UFM)

尿流測定(UFM)

尿流測定(UFM)

„器械に向かって排尿することにより、 「尿の勢い」「排尿量」「排尿時間」などを 調べる検査です „我慢しすぎず、普段の「おしっこしたい」という 状態になったところで検査をします

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痛みは全然ないよ! 普通におしっこするだけ!

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で~へんな~ (ToT) チョロチョロ チョロチョロ (秒)

尿流測定の結果パタ-ン

尿流

尿流

測定の結果

測定の結果

パタ-ン

パタ-ン

„正常では! 釣鐘のような形になります

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尿流率 最大尿流率 男性:15 ml/秒以上 女性:20 ml/秒以上 尿流率 (秒) „高齢者では! 年齢と共に、ピ-クの下降が認められます

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„前立腺肥大症では!

最大尿流率減少、排尿時間が延長します

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尿流率

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3

„腹圧性排尿では!

尿流パタ-ンの上に突出した波が生じ、 排尿がたびたび中断します

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尿流率 (秒) 中断 中断 中断 中断 中断

あなたもやってみよう!

あなたもやってみよう!

「おしっこ」の勢いチェック!

「おしっこ」の勢いチェック!

„用意するもの 計量カップ,秒針付き時計 „やりかた (出たおしっこの量)÷(かかった時間) „結果 5以下 病院へかかりましょう!

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簡単だよ!

残尿測定

残尿測定

残尿測定

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„排尿後の膀胱に「おしっこ」がどのくらい残って いるのか、超音波を使って調べます „方法:仰向けに寝転んで、下腹部にゼリ-を 塗り、超音波装置で膀胱の大きさを調 べます 痛くないよ! 寝ころんでるだけ! a c „膀胱の超音波写真

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a×b×c/ 2 = 膀胱体積 = 残尿量 a:膀胱縦経 b: 〃 横経 c: 〃 深さ 《水平面》 《矢状面》 b

膀胱内圧

膀胱内圧

測定(CMG)

測定(CMG)

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「蓄尿する力」 「排尿する力」 「膀胱の感覚」 「膀胱の容量」 などを調べる 検査です トイレに行きたい感じがしたら、 教えて下さいね~

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蓄尿と排尿のメカニズム

蓄尿と排尿のメカニズム

蓄尿と排尿のメカニズム

《蓄尿時》 《排尿時》 膀胱:弛緩(拡がる) 膀胱の圧力:低い 膀胱:膀胱の圧力:収縮(縮む)高い

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4

膀胱内圧(CMG)測定方法

膀胱内圧(CMG)測定方法

膀胱内圧(CMG)測定方法

1. 尿道から膀胱へカテ-テルを挿入します 2. 空気(炭酸ガス)または生理食塩水を注入しなが ら、同時に蓄尿時の膀胱の圧力を測定します 3. 初発尿意容量(尿意を感じた時)、 最大尿意容量(漏れそうになった時)をみます 4. 排尿して頂き、排尿時の膀胱の圧力をみます

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初発尿意容量 : 150~200ml 最大尿意容量 : 300~500ml

膀胱内圧測定の結果パタ-ン

膀胱内圧

膀胱内圧

測定の結果パタ-ン

測定の結果パタ-ン

„正常では! 「おしっこ」をためている間の膀胱の圧力は大変低く、 最大容量に達した後は、排尿の意志と共に膀胱の筋肉が 強力に収縮して膀胱の圧力は高まり、尿を全て排出します

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注入量(ml) 膀胱 内 圧

過活動膀胱

(OAB)

過活動膀胱

過活動膀胱

(OAB)

(OAB)

„尿意切迫感が主な症状で、 他に頻尿及び夜間頻尿を伴います „ 原因:脳血管障害、脊髄損傷など → 10~20% 前立腺肥大、加齢に伴う膀胱変化など → 80% „推定患者実数:810万人 (40歳以上の8人に1人、80歳以上の3人に1人)

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注)尿意切迫感とは?

急に強い尿意を覚え、漏れそうな感覚に襲われること

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膀胱の筋肉が本人の意思に関わらず 勝手に収縮してしまうために、 「尿意切迫感」を感じます ・・・ 収縮 収縮 収縮 収縮 収縮 収縮 収縮 収縮 „間質性膀胱炎では! 「おしっこ」をためている状態にもかかわらず 膀胱の圧力はどんどん高まります (膀胱の壁がガチガチに硬くなっている状態です!) 膀胱 内 圧 注入量(ml)

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年のせいとあきらめないで! 素敵なおしっこライフを!

図は、「なんでもわかる排尿障害」山之内製薬株式会社 監修:福島県立医科大学教授 山口脩 より引用

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《前立腺の病気と男性の排尿障害》

藤田保健衛生大学医学部腎泌尿器科学助教授 早川 邦弘 高齢化社会における男性の排尿障害は、医学的に大きな問題のひとつで、尿 勢低下、尿意切迫感、残尿感などは、ある年齢以上の男性で程度の差はあれ自 覚されるものです。排尿障害の原因には多くの疾患が関与しますが、代表的な ものとして前立腺疾患、特に前立腺肥大症と前立腺癌が挙げられます。 前立腺肥大症は加齢に伴い前立腺が大きくなり内側の尿道を圧迫したり、前 立腺の筋肉が過剰に収縮して尿道が圧迫されたりするため、排尿障害を起こす 病気と考えられています。自覚症状としては、尿の勢いが弱く時間がかかると いった排尿の症状や、我慢できない強い尿意をもよおしたり、いわゆる頻尿と いった排尿回数が多かったりする蓄尿の症状が見られます。治療は軽度のもの では生活改善を中心とした無治療経過観察から薬物療法、外科的治療などが挙 げられます。薬物治療は膀胱頸部や前立腺の平滑筋を弛緩させて尿道抵抗を低 下させて排尿障害を改善するα遮断薬が標準的治療法であり、外科的治療とし ては内視鏡によって経尿道的におこなう前立腺切除術、TUR-P が標準治療とい えます。 前立腺癌も排尿障害の原因となりえますが、初期では一般に前立腺肥大に比 べて軽度であり、早期発見には採血による PSA 値の測定が極めて有用であり ます。60 歳を超えた男性の健康診断としては今や必須の項目ともなっています が、早期に発見できれば充分に根治、すなわち完全に治す事が期待できます。 最近では、体内埋込み型の放射線治療である小線源療法もいくつかの施設でお こなわれるようになってきており、治療効果が期待されています。いずれの場 合でも、男性の排尿障害は決して放置すべきものではなく、是非一度専門の医 師に相談されることをお勧めします。 【講師プロフィール】 1985 年、慶應義塾大学医学部卒業。1998 年、東京歯科大学市川総合病院泌尿器 科講師。2005 年、藤田保健衛生大学医学部腎泌尿器科学助教授となり、現在に 至る。専門は腎移植、泌尿器科腹腔鏡手術。

(14)

1

前立腺の病気と

男性の排尿障害

排尿障害とは 腹圧排尿 尿勢低下 残尿感 夜間頻尿 尿意切迫感 排尿後尿滴下 排尿遅延 頻尿 尿線途絶 下部尿路の構造(正中矢状面) 山口 脩,他:図説 下部尿路機能障害 男性 膀胱 尿管口 精嚢腺 直腸 恥骨 結合 射精管 前立腺 外尿道括約筋 精巣 外尿道口 尿道 頻尿の場合のトイレの回数は? 0回 5~7回 正常 1回以上* 夜間 8回以上 日中 頻尿 *夜間頻尿:夜間におしっこのために起きてしまう場合

頻尿とは?

●高齢者では抗利尿ホルモンの分泌が減り、夜間頻尿となる。 ●高齢者は睡眠が浅いために目が覚めやすい。 おしっこのせいで目が覚めたと勘違いしているケースもある。 (このような場合は睡眠薬が効く)

高齢者の夜間頻尿

他に ●尿路結石 ●糖尿病 ●尿道炎 ●精神的要因 ●服用中の薬 など 前立腺のトラブル ●前立腺肥大症 ●前立腺炎 ●前立腺がん など 膀胱のトラブル ●過活動膀胱 ●膀胱炎 ●膀胱がん など

尿のトラブルの原因

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2 問診 尿検査 血液検査 腹部エコー検査 尿流測定 残尿測定 直腸内指診 内圧 ・尿流測定 X線検査 検査

尿のトラブルのための検査

前立腺肥大症(BPH)

年齢別BPH 患者数(1998年) 25 20 15 10 5 0 (万人) 前立腺肥大症(BPH)の年齢別患者数 寺井章人 他:泌尿紀要. 46: 537, 2000 より一部改変 15~24 25~34 35~44 45~54 55~64 65~74 75~84 85~ 年 齢 (歳) 前立腺とは 男性の膀胱出口の尿道を取り巻いている組織。 正常の前立腺はクルミ大の大きさで約 20g。 肥大すると,内部の尿道が圧迫され排尿障害が起こる。 膀胱 前立腺 前立腺が大きくなり内側の尿道を圧迫したり、 前立腺の筋肉が過剰に収縮して尿道が圧迫されるために 排尿障害を起こす病気。 排尿後、尿が膀胱に残っている感じがする 排尿後症状 がまんできない尿意をもよおす 2時間以内にもう一度トイレに行く トイレに間に合わず、もれることがある 蓄尿症状 尿の勢いが弱い 尿が出るまでに時間がかかる おなかに力を入れないと尿が出ない 排尿症状 (下部尿路症状の分類) I-PSS

前立腺肥大症とは?

排尿困難

前立腺肥大に伴って増加したα1受容体による 尿道の過剰収縮 前立腺の肥大に伴い排尿困難が生ずるメカニズム 機械的閉塞 肥大腺腫による尿道の圧迫 機能的閉塞

(16)

3

頻 尿

刺激によるもの 肥大した前立腺が膀胱頸部を刺激する ことにより尿意を生じる。 BPH の初期症状としてみられる。 残尿によるもの 排尿困難により残尿量が多くなり, 少しの尿が増えても尿意を生じる。 BPH の中期にみられる。

尿失禁

多量の残尿により膀胱内圧が高まり括約 筋が耐えられなくなり尿が漏れる。 重度の BPH に起こる。 残尿,膀胱機能の低下(膀胱壁の肥厚 化,線維化),膀胱の無意識の収縮など により尿意が強く我慢できず,トイレ に間に合わない。 溢流性尿失禁 切迫性尿失禁

尿 閉

BPH の中期以降に起こりやすい。寒冷,飲酒な どにより交感神経が強く興奮することにより前 立腺が収縮して尿閉となる。 長期にわたる残尿により膀胱平滑筋がのびきっ てしまって自力で排尿できず尿閉が起こる。腎 障害を起こす可能性がある。 尿閉は尿が膀胱内に充満しているにもかかわらず 排尿できない状態をいう。 急性尿閉 慢性尿閉 無治療経過観察 薬物療法 外科的治療 その他治療 尿道留置カテーテル

前立腺肥大症の治療

前立腺肥大症の治療

EBMに基づく前立腺肥大症診療ガイドライン 全般重症度が軽症~中等症の患者が適応となる 薬 薬 剤剤 膀胱頸部,前立腺の平滑筋 膀胱頸部,前立腺の平滑筋 弛緩 弛緩 尿道抵抗低下,排尿障害改 尿道抵抗低下,排尿障害改 善 善 作 作 用用 備備 考考 α α遮断薬遮断薬 不明(臨床研究として十分 不明(臨床研究として十分 に解明されておらず,今後 に解明されておらず,今後 の検討が必要) の検討が必要) 前立腺容積の縮小 前立腺容積の縮小 下部尿路通過障害改善 下部尿路通過障害改善 抗男性ホルモン薬 抗男性ホルモン薬 その他の薬剤 その他の薬剤 (植物エキス製剤,アミノ (植物エキス製剤,アミノ 酸製剤,漢方薬など) 酸製剤,漢方薬など) 薬物療法の標準的治療法 薬物療法の標準的治療法 比較的効果発現が早い 比較的効果発現が早い 中長期の効果もあり 中長期の効果もあり 効果発現は緩徐 効果発現は緩徐 投与中断により前立腺容積 投与中断により前立腺容積 増大 増大 性機能関連の副作用あり 性機能関連の副作用あり

経尿道的前立腺摘除術(TUR-P) 開放性前立腺被膜下摘除術 レーザー切開術、凝固術 侵襲的であるが,肥大した腺腫を切除できるため,排尿障害の 改善に最も有効性が高い 経尿道的前立腺切除術(TUR-P)は最も普及しており,前立腺 肥大症の外科手術として確立した標準的治療である

外科的治療

外科的治療

(17)

4 膀胱 直腸 肛門 肥大した 前立腺 前立腺

経尿道的前立腺切除術(

経尿道的前立腺切除術(

TURP

TURP

前立腺 膀胱 内視鏡的前立腺レーザー切除術、凝固術 内視鏡的前立腺レーザー切除術、凝固術 前立腺 膀胱 低侵襲性と安全性の報告はあるが,他の治 療法と比較した有効性ならびに長期成績に 関する十分なデータはない ステント 高温度療法(thermal therapy)

その他治療

その他治療

膀胱 前立腺 尿道 ステント 肛門 ステント 排尿困難をおこす可能性のある薬 総合感冒薬 鎮咳薬 頻尿・尿失禁治療薬 鎮痛薬 血圧降下薬 精神安定薬 睡眠薬 抗アレルギー薬 抗ヒスタミン薬 気管支拡張薬 抗不整脈薬 消化性潰瘍治療薬 抗てんかん薬 パーキンソン病治療薬 三環系抗うつ薬 脳末梢循環改善薬 平岡保紀 他:薬局 51: 995-998, 2000 杉山高秀:排尿(蓄尿)障害をきたす薬剤.排尿障害の診方,井口正典編. p. 29,南山堂,2002

●PSA:前立腺細胞が作り、とくに前立腺癌があると増える物質で早期癌発 見に役立つ(但し、前立腺肥大症や前立腺炎でも増えてくる)。 ●直腸診:直腸に指を入れて、前立腺の大きさや表面の状態等を調べる。 ●経直腸的超音波診断:肛門から診断用プローブを挿入する。 ●前立腺生検:前立腺の組織を一部切り取り、癌細胞の有無を調べる。 癌か否かの確定診断ができる。 ●PSA ●直腸診 ●経直腸的 超音波診断 ●前立腺生検 ●CT、MRI ●骨シンチ グラフィー ②確定診断 ①スクリー ニング検査 ③病期診断 検査

前立腺癌検査の流れ

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5 100% (前立腺研究財団) 50 癌の確率 2 4 6 10 15 20 30 40 50 100 PSA(ng/mL) 6% 20%28% 35%42% 53% 75% 86% 97% 検査

PSA値と癌の確率

A A 前立腺肥大症で手術を受けた時 に偶然発見されるような、ごく 小さな癌の段階 C C 癌が前立腺の被膜外に拡がった 段階 B B 癌が前立腺の被膜内にとどまっ ている段階 D D 癌がリンパ節や骨・肝・肺など に転移している段階 肺 脊椎 膀胱 前立腺 被膜 癌 病期

前立腺癌病期

病期別治療方針 治療 手 術 手 術 放射線療法 放射線療法 経過観察 経過観察 内分泌療法 内分泌療法 特に治療せず、様子をみる場合もあります。 癌が前立腺内にとどまっている場合、 手術で前立腺ごと取り除きます。 患者さんの年齢・体力などを考慮します。 癌が前立腺の外側にまで広がっている場合。 内分泌療法と併用される場合もあります。 (主に病期 A,B) (主に病期 B,C) 癌が前立腺と周囲の臓器、あるいは リンパ節にまで広がっている場合。 がんの進行を抑えます。 (主に病期 C,D)

前立腺癌治療

特徴 ●前立腺の中に放射線療法の 線源を置いておく。 ●手術時間が2~3時間(入院 期間が短い)。 ●早期の小さい癌が対象。 ●後に手術を行うことは困難。 超音波プローブ 内照射 小線源 膀胱 前立腺 治療 前立腺癌治療 ー密封小線源治療- アルコールを 控えましょう。 刺激の強い食品を 避けましょう。 下半身を冷やさない ようにしましょう。 おしっこをがまんしない ようにしましょう。 軽い体操や散歩 など、適度な運 動をしましょう。 コレステロールの 多い脂肪・タン パク質をとりす ぎないようにし ましょう。

排尿障害を悪化させないために

太りすぎな いようにし ましょう。 便秘にならない ように注意しま しょう。 長時間座ったままの 姿勢を避けましょう。 適温でゆっくりと入浴し、 全身の血行をよくしましょう。 適度の水分補給を しましょう。 夜間頻尿がある場 合は、夕方からの 水分を控えめに しましょう。 カゼ薬や胃薬、精神安定剤などを 服用するときは医師・薬剤師など に相談しましょう。 排尿障害を悪化させないために

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《女性と子供の尿漏れについて》

藤田保健衛生大学医学部腎泌尿器科学講師 佐々木 ひと美 女性の尿失禁は最近注目されている疾患であり、時代の流れとともに泌尿器 科を受診する患者数も年々増加傾向にあります。女性の尿失禁の原因として最 も多く認められるのが、腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁です。腹圧性尿失禁とは 出産や年齢の変化によって膀胱や尿道を支える骨盤底筋群の脆弱化により、く しゃみや重いものを持ったときに尿が漏れる状態です。一方、切迫性尿失禁は 頻尿、尿意切迫による尿失禁です。いずれの尿失禁も確定診断がなされ、適切 な治療により症状の改善が期待できます。 腹圧性尿失禁の場合の検査として、排尿日誌、膀胱造影、膀胱機能検査など を行い、他の尿失禁との区別をした上で、行動療法、薬物療法、手術などが行 われます。また、切迫性尿失禁に対しては、膀胱の過敏性が原因となっている ため膀胱の刺激を抑え、膀胱容量を増加させる薬物療法が一般に行われます。 女性の社会進出に伴い、高齢の女性が活動的である現代において、尿失禁が 生活の質を著しく損なうことが多く見受けられます。従って、今後泌尿器科領 域では注目される疾患のひとつと考えられます。 また、小児における尿失禁として最も多く見られるのが夜尿症です。5~6 歳 以上であっても夜間、寝具や下着をぬらすような尿失禁を認める場合に夜尿症 と呼んでいます。夜尿症には尿崩症や神経因性膀胱、腎尿路系の異常を合併す る症例もあり、小学校に上がっても夜尿が続く場合には泌尿器科を受診するこ とをお勧めします。夜尿症の治療には、薬物療法や生活指導などを用いること が多いのですが、“焦らず、起こさず、怒らず”指導することが重要といわれて います。 【講師プロフィール】 平成5 年、藤田保健衛生大学医学部卒業、同大学病院腎泌尿器科学入局。平成 7 年、東京都立清瀬小児病院泌尿器科。平成 8 年、米国ワシントン大学外科留 学。平成11 年、藤田保健衛生大学医学部腎泌尿器科学助手。平成 13 年、同講 師、現在に至る。

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1

尿失禁

“女性の尿失禁経験者は多い” 尿失禁の発現頻度 (大阪市大産婦人科外来初診患者19,239人アンケート調査 : Nikkei Medical 2001年11月号) タイプ別 年齢 10~19 20~29 30~39 40~49 50~59 60~69 70~ 総患者数 580 6209 5363 2934 2339 1103 711 尿失禁 患者数(%) 51 ( 8.8) 801 (12.9) 1231 (23.0) 1181 (40.3) 1125 (48.1) 466 (42.3) 305 (42.9) 腹圧性 4 298 579 692 648 136 72 切迫性 29 391 439 234 187 133 117 混合性 16 93 188 229 263 182 107 その他 2 19 25 26 27 15 9 計 19239 5160 (26.8) 2429 1530 1078 123 YA 57449-02

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3 “女性の尿失禁で特に患者数が多いのは 腹圧性、切迫性” 腹圧性尿失禁とは、 くしゃみ、せき、あるいは重いものを持ち上げるなど お腹に力が入ったときに漏れるタイプ 切迫性尿失禁とは、 何らかの原因で膀胱の収縮を抑えきれず、勝手に収縮 してしまうために起こり、 尿意を感じたら我慢できな いタイプ YA 57449-03

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4 <腹圧性および切迫性尿失禁の年代別保有率> “腹圧性は出産年齢から増加し、50歳代でピーク、 切迫性は高齢者で著しく増加” <女性尿失禁の実態調査 : 1,541名> 腹圧性尿失禁 切迫性尿失禁 10 20 30 40 50 60 70 80以上 10 (歳代) 20 30 40 50 (%) 保有率 YA 57449-04 ((財)日本公衆衛生協会による平成3年度失禁対策住民調査データ) “受療している頻尿・尿失禁患者は少ない” 1. 泌尿器科医による 治療を受けている 2. その他の医療機関で 治療を受けている 3. 保健婦や看護婦などの 指導を受けている 4. 受けていない 合 計 男性 (%) 女性 (%) 合計 (%) 30 26 6 294 ( 8.1) ( 7.0) ( 1.6) ( 80.3) 370 (100.0) 12 16 18 728 ( 1.4) ( 1.9) ( 2.2) ( 88.9) 831 (100.0) 42 42 24 1,022 ( 3.5) ( 3.5) ( 2.0) ( 86.2) 1,201 (100.0)

《受診しない理由》

“恥かしいから”

“あきらめている”

(29歳以下の年代:57.5%) (50歳以上の年代:49.0%) (大阪市立大産婦人科外来初診患者 19,239人アンケート調査:Nikkei Medical 2001年11月号)

女性の尿失禁の

潜在患者は

たくさん存在する

! !

YA 57449-05

“尿失禁患者の悩みは多い”

<平成3年度失禁対策住民調査報告書 : 財団法人日本公衆衛生協会篇> 尿失禁を有する本人の悩み(複数回答) 9.5 19.2 13.8 13.2 12.7 48.1 5.9 6.7 13.7 8.5 8.9 9.4 58.7 3.9 0 10 20 30 40 50 60 該当者(%) 不明 とくになし 身辺が不潔に 周囲に迷惑 人前に出にくい 外出できない 気分が沈む 男性 女性 YA 57449-06

“女性の社会進出がめざましい

これからの時代において、

女性の尿失禁の治療はQOL

の面も含めて重要

! !

YA 57449-07

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5 YA 57449-08

治療できる疾患

治療薬も存在する

女性の尿失禁は

尿失禁診断に必要な検査

• 排尿日誌 • ストレステスト • 検尿 • 残尿測定 • 膀胱内圧測定 • 尿道内圧測定 • ビデオウロダイナミクススタディ

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7 子供の尿失禁 子供のお漏らしー夜尿ー 夜尿はなぜ起こる? ・膀胱機能異常説 ・自律神経異常説 ・体質の異常説 ・アレルギー説 ・睡眠の異常説 ・心理・環境異常説 等々いろいろありますが、、、 ヒポクラテスの時代から原因は不明!!

夜尿症の定義

夜間就寝中に遺尿を生じ、衣類や寝具を浸 潤させる状態で、その状態が5-6歳を過ぎ ても引き続き診られる場合をいう。 お昼のお漏らしを認める場合は 膀胱機能の異常を合併することがあります。 すぐに受診を!!

夜尿症にもタイプがあります

• 一次性 – 乳児期から引き続く夜尿症 • 二次性 – 幼児期から学童期にかけて少なくとも1年以上 にわたって夜尿が消失したにもかかわらず、 何らかの原因で再び夜尿が出現したもの(心 理的要因や尿崩症(ホルモン異常)の可能性 がある。) 尿崩症とは?

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治療法

• 生活指導 – 起こさず、焦らず、しからず – 水分摂取の時間の調整 – 冷え症状への対応 – 排尿訓練(少しがまんしてみる) – 排尿中断訓練(おしっこを途中で止めてみる) • 薬物療法 – 三環系抗うつ剤(トフラニール、アナフラニール) – 抗利尿ホルモン剤(デスモプレッシン) – 抗コリン剤(ポラキスー膀胱容量を広げる) 小学校に上がっても夜尿がある場合は一度受診を! 林間学校、合宿に行く前の駆け込み受診はやめましょう。

参照

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