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当セッションの狙い The Aim of this Session アーカイブズの存在意義の一つに 危機に際しての組織の復興 維持への貢献があるが この組織としてのアーカイブズやその資料の存在自体が危機に瀕することがしばしば生じる 現在のアーキビストの管理下にあるアーカイブズの総量も本来保存されるべ

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Academic year: 2021

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16th ICA Kuala Lumpur Congress July 24, 14:30-17:00 Room 302

国立公文書館

Session 3

◆プログラム◆

モデレーター : 高山正也 国立公文書館理事 14:30-15:00 「山一證券資料」について

On the Materials of Yamaichi Securities 伊藤 正直 東京大学経済学部教授

15:00-15:30 「日本石炭産業関連資料コレクション」:目録データベースの 公開と今後の課題

Japanese Coal Industry Collection at Keio University Library: catalogue database and research perspective

杉山 伸也 慶応義塾大学経済学部教授

15:30-16:00 原子力産業における重要記録の管理

Managing Critical Records in the Nuclear Power Industry

山下 貞麿 日本レコードマネジメント株式会社コンサルタン ト代表

16:00-16:30 記録なくして、歴史なし ―沖縄における記録再構築の試み― No Records, No History? Then what would happen to Okinawans?

仲本 和彦 財団法人沖縄県文化振興会公文書管理部

16:30-17:00 質疑応答・意見交換 Discussion and Q&A

危機とアーカイブズ

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- 1 - アーカイブズの存在意義の一つに、危機に際しての組織の復興・維持への貢献があるが、 この組織としてのアーカイブズやその資料の存在自体が危機に瀕することがしばしば生じ る。現在のアーキビストの管理下にあるアーカイブズの総量も本来保存されるべき資料の 量に比すれば極めて微小であるとも言える。このように保存されるべき資料類が散逸・消 滅するのは、自然災害という原因に加え、人為的な原因もある。具体的には、地震や水害 などの自然災害によるアーカイブズの破損に加え、戦争や政治紛争等によるアーカイブズ の破壊、社会的、経済的変化に伴う企業や産業等の衰退・消滅に伴うアーカイブズの散逸 の危機等である。 そこで、本セッションでは、日本における資料の散逸・消滅の危機に際し、如何にアー カイブズ類が保護され、再生されたかの事例を報告し、皆様の参考に供することを目的と する。 まず、経済的・社会的変動による資料散逸の危機への対応事例として、東京大学経済学 部の伊藤正直教授から倒産した証券会社資料について、また産業として衰退・消滅寸前に まで至った石炭産業資料類の事例を慶応義塾大学経済学部の杉山伸也教授からご紹介いた だく。次いで、地震に代表される自然災害に対して、如何に資料類を平常時から保護し、 非常時に備えるかの事例を原子力産業を中心に、日本の代表的レコード・マネジメントサ ービスを行っている企業である日本レコード・マネジメント株式会社の山下貞麿社長から 紹介していただく。最後に第二次大戦時に侵攻した米軍により、現地に残された資料類が 破壊され尽くし、これを廃墟の中から復興した沖縄県公文書館の事例を、同館の仲本和彦 氏よりご紹介いただく。そして4事例の報告後に、本日の全ての発表者と出席者で、若干 の討議を行いたい。 以上のような、経済・社会変動、自然災害、戦争・国際紛争などによる資料の散逸・消 滅の危機にアーカイブズが如何に対応し、被害を予防し、不幸にして被害を受けた際には 復元させるかについて、日本の経験事例は、これからの各国にとっても貴重な参考になる ものと確信する。 (高山正也)

当セッションの狙い

The Aim of this Session

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- 2 - 伊藤 正直(いとう まさなお) 東京大学経済学部 教授 【概要】 1997 年 11 月に破綻し、100 年の歴史を閉じた日本のトップ証券会社山一證券株式会社 の内部経営資料は、現在、東京大学経済学部図書館が保有している。同社は、戦後日本の 4大証券の一角を占める巨大証券会社であった。破綻企業の資料が保全されることは、日 本では、いや日本だけでなく世界を見回しても、稀有の事例に属する。 ①資料の引き取りは、どのようにして可能となったか? ②引き取りに際して、いかなる問題が存在したか? ③資料の整理と管理はどのように行われているか? 以上の3点を、本報告の課題とする。 【略歴】 学歴 1971 年 東京大学経済学部経済学科卒業 1973 年 東京大学大学院経済学研究科修士課程修了 1976 年 東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学 1991 年 経済学博士(東京大学) 職歴 1991 年 東京大学経済学部助教授 1994 年 東京大学経済学部教授 1996 年 東京大学大学院経済学研究科教授 研究分野 日本経済・金融史

「山一證券資料」について

On the Materials of Yamaichi Securities

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- 3 - 杉山 伸也(すぎやま しんや) 慶応義塾大学経済学部 教授 【概要】 「日本石炭産業関連資料コレクション」(慶應義塾図書館所蔵)は、1920 年代半ばから 1990 年代初めの閉山にいたるまでの北海道の主要炭鉱(三菱鉱業、三井鉱山、住友鉱山、 北海道炭礦汽船、太平洋炭鉱など)の企業・組合・政府関係の資料を中心とするコレクシ ョンで、検索機能付目録データベース、PDF による書誌目録、および一部史料の画像を公 開している(http://www.mita.lib.keio.ac.jp/coal/)。 現在、本コレクションを利用した共同研究プロジェクトを進めると同時に、大学・研究 所・博物館等他の関連史料の所蔵機関との統合的検索機能や研究文献・統計データ等の関 連資料をふくめた開放型データベースの構築をめざしている。 本報告では、書誌データベース作成過程において直面した問題点と今後の課題について 報告する。 【略歴】 学歴 1972 年 早稲田大学政治経済学部 卒業 1981 年 ロンドン大学大学院博士課程修了(Ph.D.) 職歴 1981~1984 年 ロンドン大学(LSE)専任研究員 1984~1991 年 慶應義塾大学経済学部助教授 1991 年~現在 慶應義塾大学経済学部教授 2001~2005 年 慶應義塾インフォメーションテクノロジーセンター所長 2005 年~現在 慶應義塾大学メディアセンター所長・慶應義塾図書館長 研究分野 日本経済史・アジア経済史

「日本石炭産業関連資料コレクション」:

目録データベースの公開と今後の課題

Japanese Coal Industry Collection at Keio University Library: catalogue database and research perspective

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- 4 - 山下 貞麿(やました さだまろ) 日本レコードマネジメント株式会社 コンサルタント代表 【概要】 今、行政、民間を問わず急激に増加する電子記録のリスク管理の重要性が高まっている。 ネットワーク化や電子記録の集中化、大容量化が進んで自然災害よりもむしろ人的災害 によるリスクが拡大している。電子記録の漏洩や散逸、消失等を防止するためには、記録 の発生から活用を経て長期保存や廃棄に至るまでのライフサイクル管理が重要である。組 織の再編やシステムの更新に伴う記録の引継ぎやデータの変換、保存年限の見直しや重要 記録の評価選別等々、電子記録の管理はますます煩雑化する。これらの管理業務を、永続 性をもって的確に実施できる人材の育成や管理体制の確立なくして、電子記録を長期間に わたって安全に保存、活用することは困難である。大量の長期保存記録を保有する日本の 原子力産業では、重要記録はその発生段階から「記録管理センター」に集中化し、紙や電 子やマイクロフィルム等のそれぞれの特性を生かしたバックアップ体制の確立等、長期的 な観点に立ったライフサイクル管理に取組んでいる。 【略歴】 学歴 1960 年 大阪大学法学部卒業 職歴 1969 年 日本レミントン株式会社入社(米国ユニバック社/三井物産の 合弁) 1974 年 三井物産㈱専属文書管理コンサルタントに就任 1976 年 日本レコードマネジメント株式会社設立 主に電力会社の原子力発電所をはじめ官公庁や 製薬会社等の文書管理コンサルタントとして活躍 現在に至る。

原子力産業における重要記録の管理

Managing Critical Records in the Nuclear Power Industry

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- 5 - 1.原子力産業では、厳しい法規制の下で作成・保存が義務付けられている許認可やプラントの保 守・運転に係る大量の重要記録を、長期にわたって保存活用しなければならない。 2.各部門の現用段階における重要記録の散逸や消失のリスクを防止するために、全ての重要記録 を発生時点(承認、決裁)で集中化する。 3.電子の重要記録は原則、紙に出力して承認・決裁後直ちに「保存用」として記録管理センター に集中化する。 4.集中化された紙記録(原本)は直ちにスキャニングして「電子化」し、共用サーバーに 「ワーキング用」として保存し、各担当者はネットワークを利用して検索閲覧する。 5.「地震や火災」及び「人的ミスや管理不備」等による重要記録の喪失を防止するために、電子 と紙、マイクロフィルムの相互補完によるリスクの分散化を図る。 6.記録管理センターは、ITや原子力のエンジニア・記録管理者・ファイリングクラーク等の記 録管理に係る実務経験者のスペシャリスト集団で運営されている。

記録管理センターにおける重要記録のライフサイクル管理

記録管理センターにおける重要記録のライフサイクル管理

(電子で入手) 承認・決裁 (紙記録) 外 部 データセンター (移管) (紙で入手) (各部門) (off site) (記録管理センター) ワーキング用 重要記録 共用サーバー 長期保存 重要記録 承認・決裁 (電子記録) 仕掛中 ドキュメント 共用サーバー (移管) (取出し) (プリンター) (紙に出力) マイクロ フィルム CD、 DVD等 1) 収集・評価選別 2) インデックス登録 3) リテンションスケジュール 設定 4) 記録のメディア変換 5) セキュリティ管理 6) データベースの 運営・管理 7) 検索閲覧支援(貸出し 返却)等 (保存書庫) 保存用 紙記録 保存箱 (外部書庫) (耐火キャビネット) (作成) <発電所> (耐火キャビネット)

原子力における重要記録管理の要約

記録管理センターにおける重要記録のライフサイクル管理

記録管理センターにおける重要記録のライフサイクル管理

(電子で入手) 承認・決裁 (紙記録) 外 部 データセンター (移管) (紙で入手) (各部門) (off site) (記録管理センター) ワーキング用 重要記録 共用サーバー 長期保存 重要記録 承認・決裁 (電子記録) 仕掛中 ドキュメント 共用サーバー (移管) (取出し) (プリンター) (紙に出力) マイクロ フィルム CD、 DVD等 1) 収集・評価選別 2) インデックス登録 3) リテンションスケジュール 設定 4) 記録のメディア変換 5) セキュリティ管理 6) データベースの 運営・管理 7) 検索閲覧支援(貸出し 返却)等 (保存書庫) 保存用 紙記録 保存箱 (外部書庫) (耐火キャビネット) (作成) <発電所> (耐火キャビネット)

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仲本 和彦(なかもと かずひこ) 財団法人沖縄県文化振興会 公文書管理部 公文書専門員 【概要】 沖縄は、その地政学的な条件により、波乱に満ちた歴史を歩んできた。去る大戦におい ては「地形が変わる」と形容されるほどの壮絶な地上戦を経験し、甚大な人的・物的損害 を被ったが、その際、貴重な記録のほとんども失われた。 沖縄は、第 2 次世界大戦以前にも大きな記録の喪失を経験している。1609 年の薩摩によ る侵攻と 1879 年の明治政府による「琉球処分」である。両事件ともに 15 世紀初頭から存 続した琉球国の貴重な記録が日本本土に持ち去られた。 よく「記録なくして、歴史なし」と言われるが、三度にわたって大きな記録の喪失を経 験した沖縄は、歴史の継承という問題にどのように向かい合ってきたのか。特に沖縄戦に 関する記録に焦点をあてながら、日本国内でもユニークと言える、記録再構築の試みにつ いてご紹介したい。 【略歴】 学歴 メリーランド大学歴史学・図書館情報学修士課程修了。 職歴 1997 年~2006 年 沖縄県公文書館米国駐在員として米国国立公文書館を拠点に 在米沖縄関係資料の調査・収集業務に従事。 1997 年~現在 財団法人沖縄県文化振興会

記録なくして、歴史なし ―沖縄における記録再構築の試み―

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- 7 - 高山 正也(たかやま まさや) 国立公文書館 理事 【略歴】 学歴 1970年 慶應義塾大学大学院文学研究科図書館・情報学専攻修士課程 修了 1981年 慶應義塾大学大学院文学研究科図書館・情報学専攻博士課程 単位取 得退学 職歴 1970年4月 東京芝浦電気㈱技術本部技術情報センター 1976年10月 慶應義塾大学文学部助手 1978年4月 慶應義塾大学文学部専任講師 1980年4月 慶應義塾大学文学部助教授 1982年8月 カリフォルニア大学バークレー校訪問研究員 1985年4月 慶應義塾大学文学部教授 1987年4月 慶應義塾大学大学院文学研究科委員 1990年 国立国会図書館参与(平成6年まで) 2005年4月 独立行政法人国立公文書館理事 同 慶應義塾大学名誉教授

司会

参照

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